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4年 藤田ことみ 春休み課題1~10
RES
1.『いつかティファニーで朝食を』1〜13巻(漫画)
作者:マキヒロチ
あらすじ:様々な境遇にいるアラサー女子の悩みを持ちつつ、美味しい朝食を食べていくお話。アパレル会社で働く佐藤麻里子28歳が、7年交際していた彼氏とすれ違 いが起き始める。朝食の時間を大切にしてくれない彼氏と別れるかどうか、一方友人の典子は不倫で悩み、栞はママになったことでもう一度働くかどうか迷っており、里沙は男性関係で悩まされている。4人の悩みはどうなるのか・・・?
考察:結婚後・育児中のキャリア問題や、結婚するか否かなどの恋愛問題のように多くのアラサーの女性が悩む問題だけではなく、病気後の仕事への向き合い方や大人の恋愛、昔の夢と今の自分など、男女関係なく多くのアラサーが突き当たる問題も描いていることで、一人の人生を追っているようになていた。また時間を飛ばさずに、登場人物の視点を変えることや、時間の進み方が一か月単位で進んでいることで、登場人物が現実でも生きているような時間の流れになっていると考えた。
2.『真夜中のオカルト公務員』1〜17巻作者:たもつ葉子
あらすじ:ある日どこにでもいる公務員の一人である宮古新は、新宿区の「夜間地域交流課」に配属される。課では人ならざる者「アナザー」が関与するオカルト的事象の解決と共生を目的としている。しかし新は妖怪の声が聞こえる特別な体質だった。次々と消える少女、新のことを親しげに別名で呼ぶ妖怪たち、なぜ新に特別な能力があるのかに迫っていく。
考察:妖怪や精霊だけでなく、神様も全て含めて「アナザー」というくくりで和洋関係なく登場する作品は珍しいと思った。宮古新は「アナザー」の声が聞こえるので意思疎通できるが、新以外の課の職員や専門家は声が聞こえない為、「アナザー」に対する恐怖や対応のギャップがある。新は「アナザー」の声を聞いて行動の理由が分かるが職員は「アナザー」の行動や習性からしか判断が出来ないので、ギャップが生まれたのだと考えた。これは、言語や文化が異なる民族同士や人と動物、動物と他の動物同士の間にも起こっているギャップだと考えた。また本作で新の子孫の安倍晴明がコハクという「アナザー」を助けようとしたときに、コハクや周り、そして自分自身でも納得できる・させるものとして、友達だからと言っていた場面があった。ここから本作では友情とは相手を助けたいと思えるかどうかであり、人ではないものとの友情も成立すると書かれていると考えた。
3.『メダリスト』1〜3巻
作者:つるまいかだ
あらすじ:スケーターとして挫折した青年・明浦路司は、フィギュアスケートに憧れる結束いのりに出会う。フィギュアスケートの才能を開花させていく少女と、彼女を指導する明浦がタッグを組んで、ライバルと高めあいながらオリンピック金メダルを目指すW主人公物語。
考察:フィギュアスケート演技は何を表現しているのかや美しさ、技を跳ぶときの楽しさや難しさを、小学五年生のいのりや読者にも分かるように、比喩表現を使って描いている。またスケートの点数のつけ方も解説しており、選手やコーチがどのように演技や技を組み合わせているかなども詳しく、そして分かりやすく描かれている。またコーチ目線からのスポーツ漫画は少ないので、フィギュアスケートでのコーチの大切さやどのような人生を送りコーチになったのか、コーチの将来の夢や思いについて読める点がこの漫画の魅力だと思った。
4.『神様学校の落ちこぼれ』1〜3巻
作者:赤瓦もどむ 原作:日向夏
あらすじ:舞台は現代日本だがこの世界には神さまがいる。高校進学を控えた主人公ナギのもとにある日突然届いたのは、強力な神通力を持つ者たちが集う「神さま学校」の合格通知。
だが、学校きっての落ちこぼれ生徒になってしまった!超難関の国家資格「神さま」を目指して動き始める!
考察:『薬屋のひとりごと』を書いた作者が内容を考えているので、謎解きや恋愛要素が多く含まれている。謎解き要素としては、また主人公の能力が明言されていない点や、主人公の弟の行方が分からない点であり、これは物語が進んでいくごとに徐々に明かされることで、読者をひきつけていると思った。また今作は能力を使って戦略をたてることやアクション要素が軸になっている。これは前作では見られなかった新しい要素である。
5.『メダリスト』アニメ第1話から第13話 監督:山本靖貴 シリーズ構成・脚本:花田十輝
あらすじ:スケーターとして挫折した青年・明浦路司は、フィギュアスケートに憧れる結束いのりに出会う。フィギュアスケートの才能を開花させていく少女と、彼女を指導する明浦がタッグを組んで、ライバルと高めあいながらオリンピック金メダルを目指すW主人公物語。
考察:スケートの演技のシーンが所々3Dになっている。アスリートのモーションキャプチャや振り付けはオリンピック入賞経験もある鈴木明子氏が行い、CGCGスタジオが制作したので、リアルに近い動きだった。しかし踊るシーンのみ3Dにし、主人公が考えているシーンや回想シーンは普段の2Dなので、視聴者も違和感なく見ることが出来る効果があると考えた。
6.『絢爛たるグランドセーヌ』1~13巻Cuvie著、村山久美子 監修
あらすじ:主人公の有谷奏が近所のお姉さんのバレーの発表会に行くと、そこにはまるで本物の妖精のように踊る姿が!感動した奏がバレー教室に通い、プロバレリーナを目指していく青春スポーツ系の漫画であり本格クラッシックバレー漫画!
考察:本格クラッシックバレー漫画でありながら、説明文のように固くなく描かれている理由は、主人公の奏がバレーを分析しながらみる特性をもっていることと、奏の気持ちが説明にのせられているからだと考えた。また『ブルーロック』もサッカーの説明しながら説明口調になっていない特性として、主人公が分析する性格の持ち主であるからだと考えた。この点が共通していると、堅苦しくなく知らない人にも分かりやすく伝えることが出来ると考えた。
7.『いつか死ぬなら絵を売ってから』1〜3巻作者:ぱらり
あらすじ: ネカフェ暮らしの清掃員・一希の唯一の趣味は絵を描くこと。ある日、妙な青年に絵を買わせてほしいと頼まれ!? 窓越しの遭逢が、人生を描き変える!!
考察:絵画の売り買いの基礎を芸術はおろか、学校の授業もあまりまともに通えていない主人公に教える設定にしていることで、芸術のことについてわからない読者にも分かり易く伝えられていると考えた。また主人公だけでなく、他の立場の画家(美術大で教授をしながら画家活動をしている人)や売り手の視点に切り替えることで、芸術作品の売り買いの世界を多面的な視点で読者に伝えられていると考えた。
7.『夏目友人帳』32巻作者:緑川ゆき
あらすじ: 岩見家の蔵を調査することになった夏目と名取。そこには“見ると呪われる何か”が…?「このまま妖のいない世界へ行けるかもしれない」〈蔵は閉じられた〉の話。
家の中に異変を感じた夏目。ニャンコ先生と共にパトロール中、なぜか夏目が人形の姿に!?〈見知らぬ我が家〉の話。
考察:今作は払い屋をメインにして組まれた話だった。今までは妖怪と人間の絆か、主人公の夏目たかしか、祖母のレイコと過去に関わった人々(妖怪)との話が多かったが、人間同士の恨みやすれ違いにたまたま妖怪が絡んでいる話が中心だった。見えないもの(理解できないもの)とのすれ違いだけでなく、師弟というよく知った仲でもすれ違いはおきてしまうという、人間関係に必ず起こりえることを浮き彫りにした作品だと考えた。
8.『パンダコパンダ』監督:宮崎駿、清水達正、高畑勲
あらすじ: 小学生ながらしっかり者のミミ子は竹やぶの近くの家におばあちゃんとふたりで暮らしていた。ある日おばあちゃんが田舎の法事に行くため、ミミ子はしばらくの間ひとり暮らしすることに。大張り切りのミミ子が家に帰るとパンダのパンちゃんとパパンダ親子が現れて?竹やぶがお気に入りのパパンダはミミ子のパパ代わりとして居候を決め、ミミ子はパンちゃんのママになって楽しい新生活がスタート。だけど動物園の園長さんがパパンダたちを迎えにきて…。
考察:宮崎がジブリ以前に手掛けたアニメの特徴の一つに、コマ数が少ないと現実と照らし合わせた際に変に見える動きをわざとアニメに取り入れてアニメならではの表現に変えていると私は考えた。主人公のミミちゃんは、逆立ちをよくするがよく見てみると、上にあった手が一瞬で地面についているだけでなく、足もほぼ回転している状態をかかないで上に上がっている。またミミちゃんが逆立ちした後決まってパンダの親子や他のどうぶつも行っている。つまり嬉しさを表現するミミちゃんの動きは動物の間でも辻合うことが出来るというアニメならではの表現に変わっていると考えた。またコマ数が少ないことと、大きな効果音をつけて逆立ちしていることで、視聴者に動きを印象付けるとともに面白おかしさも演出しているのではないかと考えた。
9.『神様』作者:川上弘美
あらすじ:神様とくまをテーマにした短編集。最初の話である「神様」は、主人公の私がくまと一緒に散歩するうちに、くまと赤の他人ではなく、遠縁にあたることを知る話。
考察:短編集の『神様』では、くまや白いモフモフの梨の妖精など、人間と他の生き物と一緒に暮らすうちに起こる変化や関係性を描いていると考えた。例えば、主人公が梨の妖精と出会った後「ずれ」がなくなり体調が回復していく。またくまと私も動物と人間であるが、遠縁であることから人と人以外のものの関係性をえがいていると考えた。
10.『傾国の仕立て屋ローズ・ベルタン』1~3巻作者:磯見仁月
あらすじ: 18世紀フランス革命前夜の頃、平民の出ながら、ヴェルサイユ宮殿で貴族以上の権勢を誇る仕立て屋がいた。彼女の名はローズ・ベルタン。王妃マリー・アントワネットの寵愛を受け、革命の波にのまれていった、ファッションデザイナーの祖と称される人物の物語。
考察:『ベルサイユのばら』のようにフランス王政を描く漫画の多くは主人公が貴族や、マリー・アントワネットの親族や被害者であるが、作者が実際にいた仕立て屋を主人公にすることで当時のフランスを女性目線で、更に庶民の目線で描き、他の漫画とは一線を引いていると考えた。またマリー・アントワネットを描くのではなく、敵対した方から歴史を見れる点や、当時の仕立て屋はもちろん服飾や髪結いの職業についても、知らない人でもわかるように、主人公の職業を説明するような話から始まり、依頼主が変わることで段々と当時の社会情勢も分かり易く読者に伝えられている点もこの漫画の魅力だと考えた。
作者:マキヒロチ
あらすじ:様々な境遇にいるアラサー女子の悩みを持ちつつ、美味しい朝食を食べていくお話。アパレル会社で働く佐藤麻里子28歳が、7年交際していた彼氏とすれ違 いが起き始める。朝食の時間を大切にしてくれない彼氏と別れるかどうか、一方友人の典子は不倫で悩み、栞はママになったことでもう一度働くかどうか迷っており、里沙は男性関係で悩まされている。4人の悩みはどうなるのか・・・?
考察:結婚後・育児中のキャリア問題や、結婚するか否かなどの恋愛問題のように多くのアラサーの女性が悩む問題だけではなく、病気後の仕事への向き合い方や大人の恋愛、昔の夢と今の自分など、男女関係なく多くのアラサーが突き当たる問題も描いていることで、一人の人生を追っているようになていた。また時間を飛ばさずに、登場人物の視点を変えることや、時間の進み方が一か月単位で進んでいることで、登場人物が現実でも生きているような時間の流れになっていると考えた。
2.『真夜中のオカルト公務員』1〜17巻作者:たもつ葉子
あらすじ:ある日どこにでもいる公務員の一人である宮古新は、新宿区の「夜間地域交流課」に配属される。課では人ならざる者「アナザー」が関与するオカルト的事象の解決と共生を目的としている。しかし新は妖怪の声が聞こえる特別な体質だった。次々と消える少女、新のことを親しげに別名で呼ぶ妖怪たち、なぜ新に特別な能力があるのかに迫っていく。
考察:妖怪や精霊だけでなく、神様も全て含めて「アナザー」というくくりで和洋関係なく登場する作品は珍しいと思った。宮古新は「アナザー」の声が聞こえるので意思疎通できるが、新以外の課の職員や専門家は声が聞こえない為、「アナザー」に対する恐怖や対応のギャップがある。新は「アナザー」の声を聞いて行動の理由が分かるが職員は「アナザー」の行動や習性からしか判断が出来ないので、ギャップが生まれたのだと考えた。これは、言語や文化が異なる民族同士や人と動物、動物と他の動物同士の間にも起こっているギャップだと考えた。また本作で新の子孫の安倍晴明がコハクという「アナザー」を助けようとしたときに、コハクや周り、そして自分自身でも納得できる・させるものとして、友達だからと言っていた場面があった。ここから本作では友情とは相手を助けたいと思えるかどうかであり、人ではないものとの友情も成立すると書かれていると考えた。
3.『メダリスト』1〜3巻
作者:つるまいかだ
あらすじ:スケーターとして挫折した青年・明浦路司は、フィギュアスケートに憧れる結束いのりに出会う。フィギュアスケートの才能を開花させていく少女と、彼女を指導する明浦がタッグを組んで、ライバルと高めあいながらオリンピック金メダルを目指すW主人公物語。
考察:フィギュアスケート演技は何を表現しているのかや美しさ、技を跳ぶときの楽しさや難しさを、小学五年生のいのりや読者にも分かるように、比喩表現を使って描いている。またスケートの点数のつけ方も解説しており、選手やコーチがどのように演技や技を組み合わせているかなども詳しく、そして分かりやすく描かれている。またコーチ目線からのスポーツ漫画は少ないので、フィギュアスケートでのコーチの大切さやどのような人生を送りコーチになったのか、コーチの将来の夢や思いについて読める点がこの漫画の魅力だと思った。
4.『神様学校の落ちこぼれ』1〜3巻
作者:赤瓦もどむ 原作:日向夏
あらすじ:舞台は現代日本だがこの世界には神さまがいる。高校進学を控えた主人公ナギのもとにある日突然届いたのは、強力な神通力を持つ者たちが集う「神さま学校」の合格通知。
だが、学校きっての落ちこぼれ生徒になってしまった!超難関の国家資格「神さま」を目指して動き始める!
考察:『薬屋のひとりごと』を書いた作者が内容を考えているので、謎解きや恋愛要素が多く含まれている。謎解き要素としては、また主人公の能力が明言されていない点や、主人公の弟の行方が分からない点であり、これは物語が進んでいくごとに徐々に明かされることで、読者をひきつけていると思った。また今作は能力を使って戦略をたてることやアクション要素が軸になっている。これは前作では見られなかった新しい要素である。
5.『メダリスト』アニメ第1話から第13話 監督:山本靖貴 シリーズ構成・脚本:花田十輝
あらすじ:スケーターとして挫折した青年・明浦路司は、フィギュアスケートに憧れる結束いのりに出会う。フィギュアスケートの才能を開花させていく少女と、彼女を指導する明浦がタッグを組んで、ライバルと高めあいながらオリンピック金メダルを目指すW主人公物語。
考察:スケートの演技のシーンが所々3Dになっている。アスリートのモーションキャプチャや振り付けはオリンピック入賞経験もある鈴木明子氏が行い、CGCGスタジオが制作したので、リアルに近い動きだった。しかし踊るシーンのみ3Dにし、主人公が考えているシーンや回想シーンは普段の2Dなので、視聴者も違和感なく見ることが出来る効果があると考えた。
6.『絢爛たるグランドセーヌ』1~13巻Cuvie著、村山久美子 監修
あらすじ:主人公の有谷奏が近所のお姉さんのバレーの発表会に行くと、そこにはまるで本物の妖精のように踊る姿が!感動した奏がバレー教室に通い、プロバレリーナを目指していく青春スポーツ系の漫画であり本格クラッシックバレー漫画!
考察:本格クラッシックバレー漫画でありながら、説明文のように固くなく描かれている理由は、主人公の奏がバレーを分析しながらみる特性をもっていることと、奏の気持ちが説明にのせられているからだと考えた。また『ブルーロック』もサッカーの説明しながら説明口調になっていない特性として、主人公が分析する性格の持ち主であるからだと考えた。この点が共通していると、堅苦しくなく知らない人にも分かりやすく伝えることが出来ると考えた。
7.『いつか死ぬなら絵を売ってから』1〜3巻作者:ぱらり
あらすじ: ネカフェ暮らしの清掃員・一希の唯一の趣味は絵を描くこと。ある日、妙な青年に絵を買わせてほしいと頼まれ!? 窓越しの遭逢が、人生を描き変える!!
考察:絵画の売り買いの基礎を芸術はおろか、学校の授業もあまりまともに通えていない主人公に教える設定にしていることで、芸術のことについてわからない読者にも分かり易く伝えられていると考えた。また主人公だけでなく、他の立場の画家(美術大で教授をしながら画家活動をしている人)や売り手の視点に切り替えることで、芸術作品の売り買いの世界を多面的な視点で読者に伝えられていると考えた。
7.『夏目友人帳』32巻作者:緑川ゆき
あらすじ: 岩見家の蔵を調査することになった夏目と名取。そこには“見ると呪われる何か”が…?「このまま妖のいない世界へ行けるかもしれない」〈蔵は閉じられた〉の話。
家の中に異変を感じた夏目。ニャンコ先生と共にパトロール中、なぜか夏目が人形の姿に!?〈見知らぬ我が家〉の話。
考察:今作は払い屋をメインにして組まれた話だった。今までは妖怪と人間の絆か、主人公の夏目たかしか、祖母のレイコと過去に関わった人々(妖怪)との話が多かったが、人間同士の恨みやすれ違いにたまたま妖怪が絡んでいる話が中心だった。見えないもの(理解できないもの)とのすれ違いだけでなく、師弟というよく知った仲でもすれ違いはおきてしまうという、人間関係に必ず起こりえることを浮き彫りにした作品だと考えた。
8.『パンダコパンダ』監督:宮崎駿、清水達正、高畑勲
あらすじ: 小学生ながらしっかり者のミミ子は竹やぶの近くの家におばあちゃんとふたりで暮らしていた。ある日おばあちゃんが田舎の法事に行くため、ミミ子はしばらくの間ひとり暮らしすることに。大張り切りのミミ子が家に帰るとパンダのパンちゃんとパパンダ親子が現れて?竹やぶがお気に入りのパパンダはミミ子のパパ代わりとして居候を決め、ミミ子はパンちゃんのママになって楽しい新生活がスタート。だけど動物園の園長さんがパパンダたちを迎えにきて…。
考察:宮崎がジブリ以前に手掛けたアニメの特徴の一つに、コマ数が少ないと現実と照らし合わせた際に変に見える動きをわざとアニメに取り入れてアニメならではの表現に変えていると私は考えた。主人公のミミちゃんは、逆立ちをよくするがよく見てみると、上にあった手が一瞬で地面についているだけでなく、足もほぼ回転している状態をかかないで上に上がっている。またミミちゃんが逆立ちした後決まってパンダの親子や他のどうぶつも行っている。つまり嬉しさを表現するミミちゃんの動きは動物の間でも辻合うことが出来るというアニメならではの表現に変わっていると考えた。またコマ数が少ないことと、大きな効果音をつけて逆立ちしていることで、視聴者に動きを印象付けるとともに面白おかしさも演出しているのではないかと考えた。
9.『神様』作者:川上弘美
あらすじ:神様とくまをテーマにした短編集。最初の話である「神様」は、主人公の私がくまと一緒に散歩するうちに、くまと赤の他人ではなく、遠縁にあたることを知る話。
考察:短編集の『神様』では、くまや白いモフモフの梨の妖精など、人間と他の生き物と一緒に暮らすうちに起こる変化や関係性を描いていると考えた。例えば、主人公が梨の妖精と出会った後「ずれ」がなくなり体調が回復していく。またくまと私も動物と人間であるが、遠縁であることから人と人以外のものの関係性をえがいていると考えた。
10.『傾国の仕立て屋ローズ・ベルタン』1~3巻作者:磯見仁月
あらすじ: 18世紀フランス革命前夜の頃、平民の出ながら、ヴェルサイユ宮殿で貴族以上の権勢を誇る仕立て屋がいた。彼女の名はローズ・ベルタン。王妃マリー・アントワネットの寵愛を受け、革命の波にのまれていった、ファッションデザイナーの祖と称される人物の物語。
考察:『ベルサイユのばら』のようにフランス王政を描く漫画の多くは主人公が貴族や、マリー・アントワネットの親族や被害者であるが、作者が実際にいた仕立て屋を主人公にすることで当時のフランスを女性目線で、更に庶民の目線で描き、他の漫画とは一線を引いていると考えた。またマリー・アントワネットを描くのではなく、敵対した方から歴史を見れる点や、当時の仕立て屋はもちろん服飾や髪結いの職業についても、知らない人でもわかるように、主人公の職業を説明するような話から始まり、依頼主が変わることで段々と当時の社会情勢も分かり易く読者に伝えられている点もこの漫画の魅力だと考えた。
横澤颯太
RES
3年 横澤颯太
1『メダリスト』(漫画)(2020) つるまいかだ
【あらすじ】
フィギュアスケートの世界に憧れる主人公の結束いのりと、夢破れたコーチ明浦路司が人生をかけて二人でオリンピックの金メダルを目指す物語。
【考察】
トップアスリートを目指すためには、様々な取捨選択が必要ということが示されており厳しさと同時に、アスリートたちが持つ心の強さが感じられる。
2 『約束のネバーランド』(漫画)(2016) 原作:白井カイウ 作画:出水ぽすか
【あらすじ】
ハウスとよばれる孤児院で育ってきたエマはもうじき12歳を迎えようとしていたが、ある日ハウスは食人鬼たちの農園であることに気づいたため、知恵を振り絞り農園からの脱出を図る。
【考察】
初めはハウスから脱出を試みるサイコホラーのような構成だったが物語が続くにつれて、人間と鬼のどちらにも正義が存在することが示唆されて、新しい世代が歩み寄り現状を変えようと努力するという方向にシフトしていった。
3『SLAM DUNK』(漫画)(1990) 井上雄彦
【あらすじ】
今まで不良として生きてきた桜木花道がバスケ部のマネージャーである赤木晴子に一目ぼれして、バスケ部に入り徐々にその才能を開花させていく。
【考察】
初期は才能による派手なプレーが目立っていたが、成長するにつれて基礎的で地道なプレーが増えていき、最後は積み重ねてきた努力が人を支えるという構成になっていると感じた。
4『クリムゾンの迷宮』(小説) (1999) 貴志祐介
【あらすじ】
深紅色に濡れ光る奇岩の連なりに覆われた迷宮で、凄惨なゼロ・サムゲームが行われる。
【考察】
異世界に迷い込んだような状態で行われるサバイバル下で、何を指針にすればよいのか不透明であり極限まで追い込まれた人間の本性や弱さが色濃く描写されており、人は一人だけでは生きていくことができないという想いが込められていると考える。
5 『ウマ娘プリティーダービー season2』(アニメ) 監督:及川啓
【あらすじ】
三冠王を目指す天才ウマ娘のトウカイテイオーが挫折を経験をしながらも栄光をつかむために奮闘する物語
【考察】
史実の流れをなぞってはいるもののそれぞれのキャラクターに関係や因縁を持たせることで、ストーリーをよりドラマティックなものへと昇華していると感じた。
6 『毒を売る女』(小説) (1991) 島田荘司
【あらすじ】
性病を患い狂ってしまった若妻が友人とその家族に病を移すために過度な接触を始める
【考察】
友人が梅毒を患ったことによって主人公は神経質になっていき、毒によって徐々に心と
身体が蝕まれているように感じられた。
7 『乾いた都市』 (小説) (1991) 島田荘司
【あらすじ】
家庭を持つ冴えない現場主任が貯金を切り崩しながら、銀座の美女と関係を結ぼうと画策する話
【考察】
すぐに乾いてしまうため満たされることのない欲と、長期間の日照りによる乾きという
二つの要因によって破滅に向かっていく構成となっているのだと考えられる。
8 『糸ノコとジグザグ』 (小説) (1991) 島田荘司
【あらすじ】
騒音で溢れている都会では助けを求める声すらもかき消されてしまう。ある日、ラジオの番組に自殺を仄めかす暗号文が届き、それを阻止するため聴取者と共に暗号を解こうと奮闘する。
【考察】
助けを求める声がかき消されてしまう都会にも、耳をすましてその声を真剣に聴こうと
尽力してくれる人の存在と、集合知のすごさが感じられた。
9 『占星術殺人事件』 (小説) (1981) 島田荘司
【あらすじ】
6人の女性が行方不明となりその体の一部が日本各地で切り取られて発見された。40年の間未解決であったこの事件に一人の占星術師、御手洗潔が挑戦する
【考察】
この小説は犯人が残した手記から物語が始まり、途中で読者への挑戦が行われることで我々読者も探偵として物語の中に引き込まれるような仕掛けになっていると考えられる。
10 『異邦の騎士』 (小説) (1988) 島田荘司
【あらすじ】
失われた過去の記憶が浮かび上がり、男は戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺したのか。
やっと手にした幸せな生活に忍び寄る新たな魔の手。名探偵・御手洗潔の最初の事件を描いた傑作ミステリー
【考察】
事件の渦中にいた者たちは、復讐に心をとらわれていたが大切な人と育んだ愛によって、再び自分の道を歩き始めるという構成になっていると考えられる。
11 『To Loveる』(漫画)(2006)原作:長谷見沙貴
【あらすじ】
奥手な主人子である結城梨斗はクラスメイトの西園寺春奈に恋をしているのだが、勘違いからデビルーク星の王女であるララ・サタリン・デビルークの婚約者候補となってしまう
【考察】
作中にはお色気要素があるのだが、主人公が転んでラッキースケベとなるだけではなく、キャラクターの妄想の中でサービスシーンを描くこともあるため、主人公にヘイトが貯まりにくいような工夫がなされている。
12 『十角館の殺人』 (小説) (1987) 綾辻行人
【あらすじ】
半年前に凄惨な殺人事件が起こった孤島に推理探偵小説研究会のメンバーが赴いたが、その孤島で再び殺人事件が起こる。
【考察】
本土と島とで視点を順番に進め、不可解な館の構造や過去の事件といった要素が重なることで犯人の正体を上手く隠されていると感じた。
13 『東京タワー』 (小説) (1999) 江國香織
【あらすじ】
東京タワーが見えるマンションに住む大学生・透と、恋人や親友、そして年上の女性との恋愛模様が描かれた作品
【考察】
大学生は既に大人として扱われ始める年齢だが、作中の大人と比べると真っすぐであり、言動の節々からその価値観の違いや大人の狡さなどが表現されていた。
14 『双星の陰陽師』(漫画) (2013) 助野嘉昭
【あらすじ】
千年続く陰陽師と穢の戦いを終わらせる神子を産むために、双星の陰陽師と呼ばれる2人が共にぶつかり合いながらも絆を深めて戦っていく
【考察】
物語の前半までは敵を滅ぼすための戦いだったが、4年が経た後半では主人公たちがなぜ戦わなければいのかと考え始め、共に生きることのできる世界を模索し始めており、キャラクターが成長して大人になったことが感じられた。
15 『Extreme Hearts』(アニメ) (2022)
【あらすじ】
シンガーソングライターである葉山日和が自分の夢を続けるために「エクストリームギア」を用いた「ハイパースポーツ」の大会「Exetreme Hearts」に出場して仲間と共に戦う
【考察】
2から3話程で扱うスポーツが変化することで、それぞれのキャラクターがスポーツ毎に与えられる役割が変化することで、いろいろな面が見えてそのキャラクターが持つ個性が確立されていた。
16 『超巡!超条先輩』(漫画)(2024) 沼駿
【あらすじ】
犯罪の絶えない珍宿に務める巡査長の超条巡は超能者であり、その力を駆使して部下の一本木直と共に様々な問題を解決するポリスコメディ
【考察】
主人公は超能力が使えてしまうため、他者から疎まれ、濡れ衣を着せられた過去がある。そのため普通から外れている主人公の苦悩が描かれることが多いが、本人がカスであるためそこまで悲惨には感じられない。
17 『魔男のイチ』(漫画) (2024) 原作:西修 作画:宇佐崎しろ
【あらすじ】
女性しか魔法を扱えない世界で、魔法を習得してしまった少年・イチを描いたファンタジー
【考察】
主人公の中に明確なルールが存在しているため行動に一貫性があり、世間知らずではあるが他者を尊重することができるため、不快感がなく応援できるようなキャラクター性だと感じた。
18 『ルックバック』(漫画) (2021) 藤本タツキ
【あらすじ】
小学4年生の藤野と、不登校の京本の、漫画を描く女子2人の人生が描かれる
【考察】
主人公は小学校時代に校内一の漫画家である自分、高校卒業には片腕のような親友、そして大人になってからは喧嘩別れした親友を永遠に失ってしまうなど三回も大切なものを失っているが、それでも自分で立ち上がって歩みだす姿は人の持つ強さが感じられた。
19 『葬送のフリーレン』(漫画) (2020) 原作:山田鐘人 作画:アベツカサ
【あらすじ】
魔王を倒した勇者一行の魔法使い、エルフのフリーレンは死者の魂と対話できる場所・オレオールで勇者ヒンメルと再会するために新たな仲間と共に北へと進んでいく
【考察】
ストーリーや演出がバトル漫画のように派手なものではなく、静かに淡々と進む様子が長寿であるフリーレンの心情と上手く合致していると感じた。
20 『DRAGON BALL 超 ブロリー』(映画) (2018) 原作:鳥山明 監督:長峯達也
【あらすじ】
辺境の小惑星で過ごすブロリーがフリーザ軍に加入し、ドラゴンボールを手に入れるために地球で悟空とベジータと戦う物語
【考察】
サイヤ人という種族そのものにフィーチャーされた映画であり、普段は地球を守るために戦うヒーローの孫悟空としてではなく、ブロリーに勝ちたいというサイヤ人のカカロットとして戦っているように感じられた。
1『メダリスト』(漫画)(2020) つるまいかだ
【あらすじ】
フィギュアスケートの世界に憧れる主人公の結束いのりと、夢破れたコーチ明浦路司が人生をかけて二人でオリンピックの金メダルを目指す物語。
【考察】
トップアスリートを目指すためには、様々な取捨選択が必要ということが示されており厳しさと同時に、アスリートたちが持つ心の強さが感じられる。
2 『約束のネバーランド』(漫画)(2016) 原作:白井カイウ 作画:出水ぽすか
【あらすじ】
ハウスとよばれる孤児院で育ってきたエマはもうじき12歳を迎えようとしていたが、ある日ハウスは食人鬼たちの農園であることに気づいたため、知恵を振り絞り農園からの脱出を図る。
【考察】
初めはハウスから脱出を試みるサイコホラーのような構成だったが物語が続くにつれて、人間と鬼のどちらにも正義が存在することが示唆されて、新しい世代が歩み寄り現状を変えようと努力するという方向にシフトしていった。
3『SLAM DUNK』(漫画)(1990) 井上雄彦
【あらすじ】
今まで不良として生きてきた桜木花道がバスケ部のマネージャーである赤木晴子に一目ぼれして、バスケ部に入り徐々にその才能を開花させていく。
【考察】
初期は才能による派手なプレーが目立っていたが、成長するにつれて基礎的で地道なプレーが増えていき、最後は積み重ねてきた努力が人を支えるという構成になっていると感じた。
4『クリムゾンの迷宮』(小説) (1999) 貴志祐介
【あらすじ】
深紅色に濡れ光る奇岩の連なりに覆われた迷宮で、凄惨なゼロ・サムゲームが行われる。
【考察】
異世界に迷い込んだような状態で行われるサバイバル下で、何を指針にすればよいのか不透明であり極限まで追い込まれた人間の本性や弱さが色濃く描写されており、人は一人だけでは生きていくことができないという想いが込められていると考える。
5 『ウマ娘プリティーダービー season2』(アニメ) 監督:及川啓
【あらすじ】
三冠王を目指す天才ウマ娘のトウカイテイオーが挫折を経験をしながらも栄光をつかむために奮闘する物語
【考察】
史実の流れをなぞってはいるもののそれぞれのキャラクターに関係や因縁を持たせることで、ストーリーをよりドラマティックなものへと昇華していると感じた。
6 『毒を売る女』(小説) (1991) 島田荘司
【あらすじ】
性病を患い狂ってしまった若妻が友人とその家族に病を移すために過度な接触を始める
【考察】
友人が梅毒を患ったことによって主人公は神経質になっていき、毒によって徐々に心と
身体が蝕まれているように感じられた。
7 『乾いた都市』 (小説) (1991) 島田荘司
【あらすじ】
家庭を持つ冴えない現場主任が貯金を切り崩しながら、銀座の美女と関係を結ぼうと画策する話
【考察】
すぐに乾いてしまうため満たされることのない欲と、長期間の日照りによる乾きという
二つの要因によって破滅に向かっていく構成となっているのだと考えられる。
8 『糸ノコとジグザグ』 (小説) (1991) 島田荘司
【あらすじ】
騒音で溢れている都会では助けを求める声すらもかき消されてしまう。ある日、ラジオの番組に自殺を仄めかす暗号文が届き、それを阻止するため聴取者と共に暗号を解こうと奮闘する。
【考察】
助けを求める声がかき消されてしまう都会にも、耳をすましてその声を真剣に聴こうと
尽力してくれる人の存在と、集合知のすごさが感じられた。
9 『占星術殺人事件』 (小説) (1981) 島田荘司
【あらすじ】
6人の女性が行方不明となりその体の一部が日本各地で切り取られて発見された。40年の間未解決であったこの事件に一人の占星術師、御手洗潔が挑戦する
【考察】
この小説は犯人が残した手記から物語が始まり、途中で読者への挑戦が行われることで我々読者も探偵として物語の中に引き込まれるような仕掛けになっていると考えられる。
10 『異邦の騎士』 (小説) (1988) 島田荘司
【あらすじ】
失われた過去の記憶が浮かび上がり、男は戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺したのか。
やっと手にした幸せな生活に忍び寄る新たな魔の手。名探偵・御手洗潔の最初の事件を描いた傑作ミステリー
【考察】
事件の渦中にいた者たちは、復讐に心をとらわれていたが大切な人と育んだ愛によって、再び自分の道を歩き始めるという構成になっていると考えられる。
11 『To Loveる』(漫画)(2006)原作:長谷見沙貴
【あらすじ】
奥手な主人子である結城梨斗はクラスメイトの西園寺春奈に恋をしているのだが、勘違いからデビルーク星の王女であるララ・サタリン・デビルークの婚約者候補となってしまう
【考察】
作中にはお色気要素があるのだが、主人公が転んでラッキースケベとなるだけではなく、キャラクターの妄想の中でサービスシーンを描くこともあるため、主人公にヘイトが貯まりにくいような工夫がなされている。
12 『十角館の殺人』 (小説) (1987) 綾辻行人
【あらすじ】
半年前に凄惨な殺人事件が起こった孤島に推理探偵小説研究会のメンバーが赴いたが、その孤島で再び殺人事件が起こる。
【考察】
本土と島とで視点を順番に進め、不可解な館の構造や過去の事件といった要素が重なることで犯人の正体を上手く隠されていると感じた。
13 『東京タワー』 (小説) (1999) 江國香織
【あらすじ】
東京タワーが見えるマンションに住む大学生・透と、恋人や親友、そして年上の女性との恋愛模様が描かれた作品
【考察】
大学生は既に大人として扱われ始める年齢だが、作中の大人と比べると真っすぐであり、言動の節々からその価値観の違いや大人の狡さなどが表現されていた。
14 『双星の陰陽師』(漫画) (2013) 助野嘉昭
【あらすじ】
千年続く陰陽師と穢の戦いを終わらせる神子を産むために、双星の陰陽師と呼ばれる2人が共にぶつかり合いながらも絆を深めて戦っていく
【考察】
物語の前半までは敵を滅ぼすための戦いだったが、4年が経た後半では主人公たちがなぜ戦わなければいのかと考え始め、共に生きることのできる世界を模索し始めており、キャラクターが成長して大人になったことが感じられた。
15 『Extreme Hearts』(アニメ) (2022)
【あらすじ】
シンガーソングライターである葉山日和が自分の夢を続けるために「エクストリームギア」を用いた「ハイパースポーツ」の大会「Exetreme Hearts」に出場して仲間と共に戦う
【考察】
2から3話程で扱うスポーツが変化することで、それぞれのキャラクターがスポーツ毎に与えられる役割が変化することで、いろいろな面が見えてそのキャラクターが持つ個性が確立されていた。
16 『超巡!超条先輩』(漫画)(2024) 沼駿
【あらすじ】
犯罪の絶えない珍宿に務める巡査長の超条巡は超能者であり、その力を駆使して部下の一本木直と共に様々な問題を解決するポリスコメディ
【考察】
主人公は超能力が使えてしまうため、他者から疎まれ、濡れ衣を着せられた過去がある。そのため普通から外れている主人公の苦悩が描かれることが多いが、本人がカスであるためそこまで悲惨には感じられない。
17 『魔男のイチ』(漫画) (2024) 原作:西修 作画:宇佐崎しろ
【あらすじ】
女性しか魔法を扱えない世界で、魔法を習得してしまった少年・イチを描いたファンタジー
【考察】
主人公の中に明確なルールが存在しているため行動に一貫性があり、世間知らずではあるが他者を尊重することができるため、不快感がなく応援できるようなキャラクター性だと感じた。
18 『ルックバック』(漫画) (2021) 藤本タツキ
【あらすじ】
小学4年生の藤野と、不登校の京本の、漫画を描く女子2人の人生が描かれる
【考察】
主人公は小学校時代に校内一の漫画家である自分、高校卒業には片腕のような親友、そして大人になってからは喧嘩別れした親友を永遠に失ってしまうなど三回も大切なものを失っているが、それでも自分で立ち上がって歩みだす姿は人の持つ強さが感じられた。
19 『葬送のフリーレン』(漫画) (2020) 原作:山田鐘人 作画:アベツカサ
【あらすじ】
魔王を倒した勇者一行の魔法使い、エルフのフリーレンは死者の魂と対話できる場所・オレオールで勇者ヒンメルと再会するために新たな仲間と共に北へと進んでいく
【考察】
ストーリーや演出がバトル漫画のように派手なものではなく、静かに淡々と進む様子が長寿であるフリーレンの心情と上手く合致していると感じた。
20 『DRAGON BALL 超 ブロリー』(映画) (2018) 原作:鳥山明 監督:長峯達也
【あらすじ】
辺境の小惑星で過ごすブロリーがフリーザ軍に加入し、ドラゴンボールを手に入れるために地球で悟空とベジータと戦う物語
【考察】
サイヤ人という種族そのものにフィーチャーされた映画であり、普段は地球を守るために戦うヒーローの孫悟空としてではなく、ブロリーに勝ちたいというサイヤ人のカカロットとして戦っているように感じられた。
三年 中村昂太郎
RES
1『さくらのまち』(小説)作者:三秋縋
[概要]
二度と戻らないつもりでいた桜の町に彼を引き戻したのは、一本の電話だった。
「高砂澄香が自殺しました」
澄香――それは彼の青春を彩る少女の名で、彼の心を欺いた少女の名で、彼の故郷を桜の町に変えてしまった少女の名だ。
澄香の死を確かめるべく桜の町に舞い戻った彼は、かつての澄香と瓜二つの分身と出会う。
あの頃と同じことが繰り返されようとしている、と彼は思う。
ただしあの頃と異なるのは、彼が欺く側で、彼女が欺かれる側だということだ。
[考察]
世界観は現代日本ではあるものの、その世界の中には現実には存在しない技術があり、それが自然な描写で作中の世界に馴染んでいた。近未来的な設定がある中で、テーマとなっているのは現実世界にも当てはめることができるものだった。また、作者が東北出身であることもあってか、雪国とそこに住む人間の心情の描写がとてもリアルで、主人公の寒々しい心象風景と重なって読めた。
人を信じられなくなった主人公が過去のトラウマと向き合い、前を向けるようになるまでを丁寧に描いている中で、高砂澄香の死の真相を追うミステリー要素もあり、読者に途中で飽きさせない工夫があった。
青春をやり直す物語ではなく、青春の思い出を取り戻す物語だった。全ての真相が明らかになった時にはすでに手遅れであり、主人公ははじめと変わらず孤独のままであるにも関わらず、終わりはとても爽やかなものとなっていた。これは物語が主人公の視点で進んでおり、心情の変化が読者に伝わりやすくなっていることによって、結末がいわゆるビターエンドとなっていても爽やかな読後感を与えられていると考える。
2 『超人X』(漫画)作者:石田スイ
【概要】
黒煙を上げ墜落していく飛行機が目撃された。それはどうやら“超人”によって引き起こされたものらしい。しかし、不思議なことにその事故は機体の損傷も少なく、何より生存者が「200名」もいた。高校生の黒原トキオと東アヅマは事故処理のボランティアの帰り、因縁の不良にいきなり絡まれるが…
いつもと何か様子がちがう──
【考察】
現在も連載中であり、大きく分けて第一部と第二部に分けられるが、第一部は主人公のトキオが自身の力と向き合い、今後どのように生きていくかを決めるまでがキャラクター同士のコミカルな会話で描かれている。物語全体の空気感がコミカルだが、シリアスな展開を描く時はギャグ抜きにしっかりとシリアスを描くため、作品にメリハリが生まれている。それでいて展開に唐突な印象は無く、非日常が日常とシームレスに繋がる延長線上にあるもののように描かれている。
トキオなどの主要人物は高校生ということもあり、登場人物が作中で自分のこれからの人生について考える描写が多く存在する。第一部はキャラクターそれぞれの信念を描写し、第二部からは、成長して強くなったトキオたちが作中世界の問題にその信念に従って立ち向かう様が描かれている。
第二部からはトキオが戦うことに対して葛藤する場面が多く、敵味方問わず多くの登場人物たちの思惑の中で自身の信念を曲げないトキオの強さと優しさが描かれている。
3 『灰仭巫覡』(漫画)作者:大暮維人
【概要】
「夜」。それはかつて天災と呼ばれていたもの。人智を超えた災害の襲来に対し、少年たちはただひたすらに舞う。神々の力を借りる為、「夜」の怒りを鎮める為、そしてこの世界を救う為――。日本の田舎町に住む少年・仭は、「夜」により故郷を追われた英国軍人・ガオと出会う。自然に囲まれたのどかな町で、仲間たちと青春を過ごす二人。しかしそんな彼らの下に、再び「夜」が襲い来て……!?
【考察】
物語の展開そのものは王道のバトルものだが、大暮維人の圧倒的な画力で描かれるそれは外連味あふれるファンタジー作品となっている。世界観はオカルトが霊磁力学という科学として確立された世界で、登場人物たちの生活に違和感なく密接に溶け込んでおり、しかしそこで過ごす人々、特にメインとなる高校生たちの価値観は現代と共通するものが多く、設定の壮大さと膨大な書き込み量の作画に圧倒されてしまうが、読み進めれば登場人物たちの青春活劇に引き込まれるようになっている。
4『君の話』(小説)作者:三秋縋
【概要】
手違いから架空の青春時代の記憶を植えつけられた孤独な青年・天谷千尋は、その夏、実在しないはずの幼馴染・夏凪灯花と出会う。戸惑う千尋に灯花は告げる、「君は、色んなことを忘れてるんだよ」。出会う前から続いていて、始まる前に終わっていた恋の物語。
【考察】
偽りの記憶である「義憶」をめぐったミステリーであると同時に、夏凪灯花とのラブストーリーでもあった。伏線回収が鮮やかでわかりやすく、また、主人公の考えの変化がとても丁寧に描かれており、終盤の展開に説得力が生まれている。
物語を通して虚構の優しさを描いており、虚構を嫌悪し、なおかつ現実にも希望を見出せない主人公が、夏凪灯花と過ごしていく過程で虚構を受け入れていくまでの描写で、読者にも虚構を受け入れさせるようなつくりとなっている。
5『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(アニメ映画)監督:黒川智之
【概要】
3年前の8月31日。東京の空に突如巨大母艦が出現し、この世は終わるかに思えた。しかし、母艦が浮かぶ東京の空は日常に溶けこんでいった。そんな東京に住む女子高校生の小山門出と中川凰蘭は、受験勉強に追われながら、毎晩オンラインゲームを楽しんでいた。
【考察】
ごく普通の高校生の日常の中に巨大な「母艦」が浮かぶ光景はとても異質で、その母艦から始まり徐々に日常が蝕まれていき、決定的に変わってしまう瞬間の演出がとてもゾッとするものになっていた。また、前編では主人公たちの過去で、純粋な子どもが超常的な力に溺れて後戻りができなくなってしまう様を丁寧に描いており、伏線として視聴者に強烈な印象を残す役割があったと考える。
後編から完全に日常から離れてしまうのかと思いきや、環境が変わっただけで主人公たちの日常に大きな変化はなく、作中世界で起こる様々な問題や事件からも完全に蚊帳の外となっており、それがむしろ、非日常な出来事が起こるようになっても、結局いつかはそれも含めて日常となるというリアルな表現になっていたと考える。
6『チ。ー地球の運動についてー』(アニメ)監督:清水健一
【概要】
15世紀前半のヨーロッパの「P王国」では、「C教」という宗教が中心となっていた。地動説は、その教義に反く考え方であり、研究するだけでも拷問を受けたり、火あぶりに処せられたりしていた。その時代を生きる主人公・ラファウは12歳で大学に入学し、神学を専攻する予定の神童であった。しかし、ある日、地動説を研究していたフベルトと出会ったことで地動説の美しさに魅入られ、命を賭けた地動説の研究が始まる。
【考察】
物語全体のテーマはいくつもあるように感じたが、私は最も重要なものは「知ることへの欲求」だと考える。作中の人物が命をかけて地動説を研究することの理由の根幹にあるものは、真実を知りたいという想いだった。知ろうとすることが制限されている時代を舞台に知ることを諦めない人間を描くことで、その重要性が視聴者に伝わりやすくなっていた。
天文学をめぐる話だが、鑑賞するのに教養が必要というわけではなく、事前知識などがなくても作品のテーマを理解することができるつくりになっていた。
7『ベイビーわるきゅーれ』(映画)監督:阪元裕吾
【概要】
プロの殺し屋である女子高生コンビが、卒業を機に表の顔として普通の社会人を演じることになる。しかし、人殺ししかしてこなかった彼女たちは、社会に馴染もうと悪戦苦闘する。
【考察】
主人公二人の若者らしい言動を通して人の命が軽い裏社会をとてもコミカルに描いていた。人殺ししか取り柄が無く全く社会に馴染めない者と、一見コミュニケーション能力の高い常識人のように見えて、すぐに暴力を振るってしまう者のコンビで物語は展開されていく。どちらも社会で生きていく上で致命的な欠点があり、最終的にはその欠点をお互いに受け入れる。殺し屋というショッキングなテーマだが、描かれているものは王道のバディ物と言える。
殺し屋コンビが主人公なので、当然アクションシーンが多い作品となっているが、登場人物たちが人を殺すことに一切躊躇が無いので、むしろ爽快なアクションとなっている。
8『スパイダーマン:スパイダーバース』(アニメ映画)監督:ボブ・ペルシケッティ ピーター・ラムジー ロドニー・ロスマン
【概要】
スパイダーマンことピーターの訃報により、悲しみに包まれるニューヨーク。彼の役目を引き継いだ少年は、闇社会との戦いに不安を覚えていた。そんな中、彼は時空のゆがみによって並行する別の宇宙からやってきた中年のピーターと出会う。
【考察】
別々の次元からやって来たスパイダーマンが一緒に戦うお祭り映画のような作品だった。同時に、一人の少年が大いなる責任を果たすためにスパイダーマンになるという、これまでのスパイダーマン作品の原点を改めて描いた作品でもあった。
CGアニメと手書きアニメの良いとこどりとも言えるようなアニメーションの作りとなっており、アメコミがそのまま映像化したような演出と合わさり、とても鮮やかな画面となっていた。
9『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(アニメ映画)監督:ホアキン・ドス・サントス ケンプ・パワーズ ジャスティン・K・トンプソン
【概要】
マルチバースを自由に移動できるようになった世界。マイルスは久々に姿を現したグウェンに導かれ、あるユニバースを訪れる。そこにはスパイダーマン2099ことミゲル・オハラやピーター・B・パーカーら、さまざまなユニバースから選ばれたスパイダーマンたちが集結していた。愛する人と世界を同時に救うことができないというスパイダーマンの哀しき運命を突きつけられるマイルスだったが、それでも両方を守り抜くことを誓う。しかし運命を変えようとする彼の前に無数のスパイダーマンが立ちはだかり、スパイダーマン同士の戦いが幕を開ける。
【考察】
マルチバースと呼ばれる多くの次元が舞台となっており、前作同様様々なスパイダーマンが登場するお祭り映画となっている。カノンイベントというスパイダーマンが避けられない大切な人の死という事象を主人公が否定することが、視聴者がスパイダーマンをよく知っていればいるほど、その行動の重みが理解できるので、ファン向け映画と言えるが、世界中で有名なスパイダーマンなので、それがハンデになっていなかった。
前作とは違い、登場人物が非常に多くなっているので、画面の情報量がとても多く、それでいて見づらさなどは無いように工夫されて作られていた。
10『その復讐、お預かりします』(小説)作者:原田ひ香
【概要】
愛した男に騙され仕事を失った美菜代は、凄腕の復讐屋がいるという噂を聞きつけ、その男、成海慶介の事務所を訪ねる。しかし提示された依頼料は高額で、とても払えない。追い返されても諦めきれない美菜代は成海のもとで働かせて欲しいと頼み込み、押しかけ秘書となるが——。
【考察】
様々な依頼人が登場し、様々な依頼を受けていたが、どれも結論は復讐なんてしなくても良いというものだった。タイトルから暗い復讐譚を想像してしまうが、内容はとても温かく、苦しめられた弱者に寄り添ったものとなっていた。
物語全体を通して主題となっていた美菜代の復讐は、最終的にどうなったのかは描かれなかったが、それまでに描かれていたこの作品が定義する、何もせずにいることが復讐という論理を読者は理解できているので、不完全燃焼にはならず、非常に爽やかな読後感が味わえるようになっていた。
11『限りなく透明に近いブルー』(小説)作者:村上龍
【概要】
米軍基地の街・福生のハウスには、音楽に彩られながらドラッグとセックスと嬌声が満ちている。そんな退廃の日々の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめく――。
【考察】
性やドラッグについての描写が大変生々しく、読んでいて脳内に映像が流れ込んでしまうほどだった。真実はわからないが、村上龍はドラッグを使用したことがあるのかと思ってしまうほどのリアリティがあった。あまりに描写がリアルなため、読んでいる途中で気分が悪くなってしまう人間も多くいるということに納得した。私も何度か読む手が止まってしまった。途中手が止まることはあるが、それでも文を追う目が止められない不思議な引力のようなものが作者の文章にあったように感じる。純文学とそれ以外の違いがわからない人間がこの作品を読んでも、これが純文学であると無意識に理解してしまうほどだった。
12『グレイテスト・ショーマン』(映画)監督:マイケル:グレイシー
【概要】
19世紀半ばの米国で、失敗を繰り返しながらも家族のために奮闘し続ける興行師の男性。やがて、唯一無二の個性を持つ演者を集めたかつてないサーカスを始める。彼らのショーは成功を収めたが、同時に批判家たちは酷評。なおも彼は、次なる挑戦を続けていく。
【考察】
マイノリティに属する人々が居場所を手に入れることがテーマのひとつだったが、居場所を与える主人公はマイノリティに対して理解がある訳でも同情から行動しているわけでもなく、終始金儲けのために動いていた。主人公のそうした姿勢は終盤で改善されるのだが、19世紀という時代の中で初めから聖人のような主人公を用意せずに、初めは現代の人間からすれば多少の嫌悪感を抱いてしまう造形の人物を採用することで、時代背景に合ったリアリティが表現出来ていたと考える。
劇中に挟まれる曲のクオリティも非常に高く、そのシーンに合った歌詞と演出でセリフで語らせるよりも効果的に歌っている人物の心情や性格を描写していた。
13『ラグナクリムゾン』(漫画)作者:小林大樹
【概要】
銀剣を振るい、竜を狩り、報酬をもらう職業──『狩竜人(かりゅうど)』。ヘボ狩竜人の少年・ラグナは、ぶっちぎりの竜討伐数を誇る天才少女・レオニカとコンビを組み、日々、竜討伐に挑んでいた。ラグナの願いはひとつ──「強くなれなくてもいい。レオのそばにずっといたい。」少年の想いは最凶最悪の竜の強襲により、儚くも散りさる…。
【考察】
初めは主人公が圧倒的な強さで敵を蹂躙する作品という印象を受けるが、物語が進むにつれて主人公よりも強い敵がいくつか登場し、スケールの大きい王道バトル漫画となった。しかし、主人公の相棒の非人道的な行為によってこの作品の個性が補強されている。また、相棒の非人道的行為は常に敵を倒すための行動であることと、調子に乗ればすぐに報いを受けさせることで読者のストレスをこまめに軽減させる工夫もされていた。
14『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』(映画)監督:阪元裕吾
【概要】
プロの殺し屋である、ちさととまひろ。一方、お金に困っていた殺し屋協会アルバイトのゆうりとまことは、ちさととまひろのポストを奪うため、2人を殺すことを決意する。
【考察】
常にちさととまひろと、ゆうりとまことの二組を対比しており、プロの殺し屋としてある程度の暮らしが約束されているちさととまひろに対して、アルバイトで苦しい生活を送るゆうりとまことは、お互いが自分たちの有り得た姿であると認識していることをセリフを使わずに表現していた。
全体の雰囲気はコメディでありながらも、ゆうりとまことが物語が進むにつれて破滅へ追い詰められていく様は、裏社会を描く作品特有の非情さが表れていたと考える。しかし、終盤の決着シーンはとても爽やかに描かれており、殺し合いの結末をここまで爽やかに描けるのはこの作品特有の重苦しくも軽薄でも無い雰囲気が為せるものだと考える。
15『ジョン・ウィック』(映画)監督:チャド・スタエルスキ デヴィッド・リーチ
【概要】
愛する女性との出会いをきっかけに、裏社会から足を洗った伝説的殺し屋ジョン・ウィック。平穏な生活を送っていた彼の心の支えを、ある日突然ロシアンマフィアが奪っていく。怒りに震える彼は、1人で復讐することを決意する。
【考察】
ジョン・ウィックが次々と刺客を倒していく爽快なアクションが間違いなく見所の一つである。また、希望を奪われ全てがどうでもよくなった男が新たに前を向いて生きるまでの過程を描いており、ラストシーンで重傷を負ってそのまま死のうとしたジョン・ウィックが、亡くなった妻の動画から聞こえる声で目を覚まし生き残ろうとする姿は、これから彼の人生が暗いものにはならないだろうと視聴者に思わせるものとなっている。
16『税金で買った本』(漫画)原作:系山冏
【概要】
小学生ぶりに図書館を訪れたヤンキー石平くん。10年前に借りた本を失くしていたことをきっかけに、あれよあれよとアルバイトすることに! 借りた本を破ってしまった時は? 難しい漢字の読み方を調べたい時は? ルールに厳しくも図書を愛してやまない仲間と贈る、読むと図書館に行きたくなる図書館お仕事漫画。
【考察】
職員の視点から図書館のルールや仕組み、職員の苦悩などが分かりやすく解説されており、それらを通して「本を読んで学ぶこと」の大切さ、楽しさを描いている。主人公が何も知らないヤンキーでありながらも、好奇心旺盛な少年であるが故に、解説パートへスムーズに移行することができていた。
図書館というテーマであるからこそ、その地区で暮らす市民に寄り添った内容になっている。様々な事情を抱えた人たちを登場させることで、そこで暮らす人であれば誰でも図書館を利用する権利を持っているというメッセージを込めていると考える。
17『写らナイんです』(漫画)作者:コノシマルカ
【概要】
視えてはいけないものを引き寄せてしまう、
“超霊媒体質”の黒桐まこと。
オカルト部に情熱を捧げる
橘みちると出会い、
彼の世界が変わり出すーーー
【考察】
クォリティの高いホラー演出と、間髪入れず挟まれるギャグの落差を楽しむ作品だった。ホラーとギャグのメリハリがしっかりしており、ホラー展開をする時は茶化さずにホラーをやり、ギャグをする時は真面目にギャグをやることで、ホラーの際に読者に緊張感を与え、それをギャグで一気に解放するつくりになっている。
登場人物全員が癖の強い人たちなので、ホラーにただ翻弄される被害者で終わらず、自ら状況を掻き回すシーンが多々ある。それによって読者側がキャラを覚えやすく、また感情移入しやすい構造になっていると考える。
18『孤狼の血』(映画)監督:白石和彌
【概要】
昭和63年。広島の地方都市・呉原では、2つの組が一触即発の状態で睨み合っていた。その一方の関係者が行方不明となる中、新米刑事・日岡秀一が呉原東署に赴任する。ほどなく暴力団絡みの事件が発生したことで、彼は凄腕ながら黒い噂が絶えないベテラン刑事・大上章吾と共に暴力の世界に切り込んでいく。
【考察】
本編が始まってすぐに拷問シーンから入るため、かなり人を選ぶ作品という印象を受けるが、そこから立て続けにショッキングなシーンが差し込まれるので、視聴者を慣らすという役割も持っていたと考える。
舞台が昭和の広島ということもあってか、カメラワークに昭和時代によく見られた手法を用いられていた。また、画質なども作品の質を落とさない範囲で昭和らしさを表現しようとしており、作中で起こる令和では考えられない出来事にもある程度の説得力が生まれている。
題材と画面がショッキングだが、ストーリーの本質は継承をテーマにしたバディものとして大きな魅力を持った作品である。日岡が大上に対して尊敬の念を持ち始める過程がセリフを用いずに描かれており、中盤まで視聴者と日岡の目線が同じになっているため、視聴者が大上に魅かれるタイミングと日岡が大上に魅かれるタイミングがほぼ同時になっている。大上の意思が日岡に受け継がれるまでには、視聴者は二人に感情移入せずにはいられないつくりになっていた。
19『常人仮面』(漫画)原作:一路一
【概要】
生まれつき心臓が悪い男子高校生・大高克人(コクト)は、
双子の姉・克己(カツミ)と養生するため北海道に移住する。
クラスメイトとも打ち解けてきたコクトだが、
ある出来事をきっかけに心身に大きな変化が現れる――――
愛する姉(ツミ)を守るため、
あらゆる禁(ツミ)を踏み越える。
【考察】
世界観の設定が今までに無いほど斬新で、創作物が溢れた現代でここまで独自性を出せるのは作者の実力あってこそだと考える。また、斬新で難解な世界観を読者に分かりやすく伝えるために、常に分かりやすい情報から小出しにしていくことで、少しずつ読者が世界観を理解できるようになっている。
残酷な世界で、周りの人間も残酷になることを強制される中、主人公だけは元来の性質を保ったまま暴れ回るため、敵・味方問わず異常者扱いされるシーンが多々ある。しかし、先述した通り主人公の性質は全く変わっておらず、異常に適応するために変わっているのは周囲の人間の方であるという状況を指して、『常人仮面』というタイトルがつけられたと考える。
20『PERFECT BLUE』(アニメ映画)監督:今敏
【概要】
人気絶頂のさなかにアイドル・グループから脱退し、女優に転身を図った美少女・未麻。ある日、彼女のもとに熱狂的ファンらしい人物から脅迫めいたFAXが届く。やがてその行為はエスカレートし、未麻は次第に身の危険を感じ始める。
【考察】
何が現実で何が夢なのかわからなくなってしまうような演出が恐ろしく、目が離せない。主人公の視点で物語が進むため、完全に真実が明かされることは無く、見ている人間も明確に真実を理解できないようにつくられていた。
主人公が本来望んでいた道とは別の道に進まされてしまい、本当の自分がわからなくなってしまう様が描かれており、これはどの時代に生きる人間にも当てはまることだと感じた。ゆえに90年代の作品ではあるが、現代の人間が見ても気付きが得られる作品だと考える。また、時代背景を考慮すると、まだストーカーという単語が世の中に浸透していない時代でストーカーの恐ろしさをリアルに描いている点に、この作品の持つ影響力を感じた。
3年 篠原結衣
RES
春休みの課題
1, 映画ドラえもん のび太の絵世界物語 (映画・2025)監督:寺本幸代
〈概要〉
数十億円の価値がある絵画が発見されたニュースを横目に、夏休みの宿題である絵に取り組むのび太。その前に突然絵の切れ端が落ちてくる。ひみつ道具「はいりこみライト」を使い、絵の中に入って探検していると、クレアという不思議な少女に出会う。彼女の望みを受けてアートリア公国を目指すドラえもんたちだったが、そこはなんとニュースで話題の絵画に描かれた中世ヨーロッパの世界だった。絵の中の世界、アートリア公国には世界滅亡の伝説があり、ひょんなことからその伝説が蘇ってしまった。のび太たちは世界滅亡を阻止するべく、強大な敵に立ち向かっていく。
〈考察〉
この物語で何回か「良い絵」というのが問いかけられている。のび太は初め、良い絵とは上手な絵だと考えており、本作に登場する絵が上手な少年マイロにそう伝える。するとマイロは上手な絵が良い絵だとは限らないと言う。良い絵とは大好きという気持ちがいっぱい込められているものだとマイロに言われ、のび太はそれを表現するためにドラえもんの絵を描いた。物語終盤、のび太がピンチに陥ったとき、マイロに言われて描いたドラえもんの絵の中に入り込んでしまう。そこにいたのお世辞にも上手とは言えないドラえもんだった。しかし、そこにいたドラえもんは現実にいるドラえもんと同じようにやさしく、のび太にひみつ道具を渡して手伝う。ここに良い絵という表現が詰まっているなと感じた。のび太のドラえもんに対する大好きという気持ちがのび太を助けてくれることにつながったのかなと思った。
2, 映画ドラえもん のび太の地球交響楽(映画・2024)監督:今井一暁
〈概要〉
学校の音楽界に向けて、苦手なリコーダーの練習をしているのび太の前に、不思議な少女ミッカが現れる。のび太の奏でるのんびりとした音色が気に入ったミッカは音楽がエネルギーになる惑星で作られた「音楽(ファーレ)の殿堂」にドラえもんやのび太たちを招待する。ミッカはファーレの殿堂を復活させるために必要な音楽を一緒に演奏する、音楽の達人を探していたのだ。ドラえもんたちはひみつ道具「音楽家ライセンス」を使って殿堂復活のために音楽を奏でるが、そこへ世界から音楽を消してしまう不気味な生命体がやって来る。
〈考察〉
殿堂では音楽をエネルギーにするため音楽【ファーレ】を奏でてエネルギーを作り出すが、より大きなエネルギーを作り出すには合わせることが大事ということが描かれている。合奏とは合わせて奏でると書くが音楽では合わせることが大事なのである。初め、のび太たちのリコーダーとおもちゃたちで演奏をした場面では自然と合わさっていた音楽が、自分の楽器が上達していくうちに、自分の演奏を主張していくようになる様が描かれている。そのせいでジャイアンとスネ夫はノイズを追い払うことができなかった。音楽をみんなで奏でるときは自分のことだけ考えていると、調和ができない。なぜならそれぞれの楽器に役割があるからだ。ドラえもんがノイズによって壊れそうになった時、のび太の思いを組んでみんながのび太に合わせて演奏したからノイズを追い払うことができた。これは音楽だけに当てはまることではなく、普通に生活していく中でも意識するべきことだ。だから最後の演奏では日常の音が取り入れられた演奏をつくったのではないかと思った。
3, オペラ座の怪人 (映画・2004)監督:ジョエル・シュマッカー
〈概要〉
19世紀のパリ・オペラ座では仮面をつけた謎の怪人・ファントムの仕業とされる奇怪な事件が続いていた。リハーサル中に起こった事故をきっかけにプリマドンナの代役を務めることになった若きオペラ歌手のクリスティーヌは、初主演となったその舞台で喝采を浴び、幼なじみの青年貴族ラウルとも再会を果たす。クリスティーヌに才能を見いだしたファントムは、彼女に音楽の手ほどきをし、クリスティーヌはファントムを亡き父親が授けてくれた「音楽の天使」と信じ、プリマドンナへと成長する。ラウルに愛されながらも、孤独な魂と情熱を持ったファントムに心をひかれていくクリスティーヌだったが、ある時、ファントムの仮面の下に隠された秘密を知ってしまう。
〈考察〉
この物語はファントムの執着ともとれる愛情とその愛情からの解放を表していると思った。ファントムは一見恋敵のように描かれているが、私は最終的にはファントムはクリスティーヌの父親という役割だったのではないかと感じた。最後のキスはクリスティーヌを娘として溺愛するあまり、束縛してしまうファントムのことを父親という役から解放するために描かれたと思った。また、この作品は「美女と野獣」に類似している点が多いなと思った。醜い見た目を持つ主人公が出てくるところや見た目を重視しないというメッセージ性は同じだなと感じた。
4, 劇場版忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師(映画・2024)監督:藤森雅也
〈概要〉
タソガレドキ忍者・諸泉尊奈門との決闘に向かった土井先生が消息を絶った。山田先生と6年生が捜索を開始する一方、担任不在の1年は組では、タソガレドキ忍軍の忍び組頭・雑渡昆奈門と尊奈門が教壇に立つことに。そんな中、きり丸は偶然にも、土井先生の置かれた状況を知る。やがて土井先生を探す6年生の前に、ドクタケ忍者隊の冷徹な軍師・天鬼が出現。その顔は、なんと土井先生と瓜ふたつだった。
〈考察〉
話題になっていたから見に行ってみたが、確かに大人が見ても見ごたえがある作品だったなと思った。感情の揺れを画面の揺れで表していたり、迫力のある戦闘シーンが描かれていたりと普段の放送で見る忍たま乱太郎とはかなり違った表現が取り入れられていて面白いと感じた。また、血のつながりのない家族というのがかなり強調されていたように感じた。きり丸と土井先生に始まり、山田一家と土井先生のつながりなど様々な形できずなが描かれていたのではないかなと思う。血のつながりがあるという関係を超えた、家族の絆というのをこの作品で強く感じることができた。
5, SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜(ドラマ・2010)
〈概要〉
出動中に部下を誤射したと疑われ異動命令を受けた警視庁SIT丙部隊長・瀬文焚流は、公安部公安第五課未詳事件特別対策係の一員となり、係長の野々村光太郎の下、天才だが変人の捜査官・当麻紗綾とコンビを組む。未詳とは、一見ひまな左遷先であるが、他部署で手に負えない事件や、超能力など科学的に説明のつかない事象に関わる難事件を捜査する部署である。当麻と瀬文は、予言者や千里眼を得たと称する死刑囚からの挑戦、他人に憑依する犯罪者などSPECを持つ者たちの関係する奇妙な事件に、当麻の天才的推理と肉体派の瀬文のコンビで次々と立ち向かってゆく。
〈考察〉
通常の人間には持ちえない特別な能力というのがあったとして、自分ならどのようにその力を捉えるかということを考えた。ドラマだとその能力を悪用する人が出てくる。それは自分たちの存在が世間に否定されているからだった。現代に置き換えるとそれは差別のようなものなのではないかと感じた。自分たちと違うからと言ってその存在を排除しようとするのは間違っていると思う。その存在をどのようにとらえてどのように受け入れるかを考えることが大切なのではないか。そのためには知ることが大切で、わからないものを怖いと感じるのは人としてしょうがないと思う。しかしわからないをそのままにしておくと、きっと怖くて消したくなってしまう。この作品では当麻が真実を知ろうと奮闘する。その貪欲な気持ちが差別をなくしいていくのかなと思った。
6, 記憶屋(映画・2020)監督:平川雄一朗
〈概要〉
大学生の遼一は年上の恋人・杏子にプロポーズするが、その翌日から彼女と連絡が取れなくなってしまう。数日後に再会した彼女は、遼一の記憶だけを失っていた。信じられない思いの遼一は、人の記憶を消せるという都市伝説的な存在「記憶屋」のことを知り、大学の先輩で弁護士の高原に相談して杏子の記憶喪失の原因を探り始める。幼なじみの真希や高原の助手・七海らと調査を進めるうちに、人々の中にある忘れたい記憶やその奥にある思いに触れていく遼一。記憶屋という存在を突き止めるために、遼一は真相を探り始める。
〈考察〉
記憶を消せるという特殊な能力を自分のために使ってしまい後悔する真希が印象的だった。記憶を消す能力というのは人のために使うように受け継がれてきたのかなと思った。それを自分のために使うと不幸になる。それはきっと周りの人のことを考えてなかったから起こった悲劇だと思った。もし、能力を使う時に少しでも遼一の悲しむ顔が浮かんでいたらやめられたのではないかと思う。これは現代のSNSの発信にもつながりそうだなと思った。自分が投稿したときにそれを見た人の気持ちや表情を想像していれば他人を傷つけるような発言は減るのではないかなと思う。自分一人の感情だけでなく、他人の感情をもっと想像できるようになって欲しいというメッセージを感じた。
7, 異動辞令は音楽隊(映画・2022)監督:内田英治
〈概要〉
地方都市の警察で、刑事畑30年のベテランである成瀬司は、捜査の為なら禁じられている暴力も振るう粗暴な男だった。この町では、独居老人を狙った強盗事件が頻発しており、成瀬は「刑事のカン」で、過去に取り逃した男が主犯だと確信していた。だが、暴力的な違法捜査に関する内部告発の文章が上層部に届き、成瀬は刑事部から警察音楽隊への異動を命じられた。音楽隊は、成瀬以外は交通課などの業務を兼任する署員ばかりで、演奏のレベルも意欲も低い集団だった。ドラムを任せられたが、初めから協調する気は皆無の成瀬。だが、トランペット担当のシングルマザー来島春子からセッションの楽しさを教えられた成瀬は、他人との関わり方も身につけ始めた。
〈考察〉
音楽を全く知らない成瀬が来島にセッションというものの大切さを教えられて少しずつ自分の認識を変えていく描写がとても印象深かった。この物語でセッションとは人との対話という意味が込められているように感じた。音楽を通してその人の性格や感情を理解していく。一緒に音楽を奏でるためには一緒に演奏する人のことを深く理解する必要がある。そのためにはやはり対話が必要で、でも、言葉で会話することがあまり得意そうではない成瀬に音楽という方法で対話を促したのかなと感じた。対話とは相手のことを思いやることで、別に全てを言葉にする必要はなくて、ただ相手を理解できるように努めることが大切なのだと思った。
8, ホットスポット(ドラマ・2024)脚本:バカリズム
あらすじ
地元の山梨県のビジネスホテルで働く遠藤清美は、娘・若葉を女手一つで育てながら同僚と共にフロント業務を淡々とこなすルーティン生活を送っている。ある日の勤務後、自転車での帰宅中に交通事故に遭いそうになったが、間一髪のところで先輩・高橋孝介に自転車ごと宙に抱きかかえられて命を救われる。人間には絶対できない救助方法なので、清美が高橋を問い詰めると、高橋は「私は宇宙人」と述べ、「他言しない」と清美は約束するが我慢できずに地元の幼馴染・中村葉月と日比野美波に話してしまう。その後、高橋はファミレスに呼び出され「自身の能力と其の副作用」を次々と開示していく。
〈考察〉
絶対に言ってはいけないと言われたことを言いたくなってしまうという人間の心理がうまく描かれているなという印象だった。宇宙人の秘密をことごとく知人に話してしまうというシーンが何度も出てきて、挙句の果てには高橋さん自身も秘密を話されることに抵抗がなくなっているように感じた。また、その高橋さん自身も父親に能力を使ってはいけないとされていたのにも関わらず、受験などでたびたび能力を使っている描写がされているため、やってはいけないと言われたときに思わずやってみたくなる真理みたいなのが巧妙に描かれた作品だったのかなと感じた。
9, 魔法少女まどか☆マギカ(アニメ・2011)監督:新房昭之
〈概要〉
大好きな家族がいて、親友がいて、時には笑い、時には泣く、そんな平和な日々を送る中学二年生、鹿目まどか。ある晩、まどかはとても不思議な夢を見る。その日も訪れるはずだった、変わらぬ日常。しかし、訪れたのは非日常だった。まどかの通うクラスにやってきた、一人の転校生・暁美ほむら。まどかが夢で見た少女と瓜二つの容姿をした少女。偶然の一致に戸惑うまどかに、ほむらは意味深な言葉を投げかけるのだった
〈考察〉
人の思いの強さというのを描いた作品なのかなと思った。大切な人を守るために何度も何度も同じ時間を繰り返すというのはとてもつらく悲しいことで、かなりの精神力が必要とされると思った。最初の世界戦ではまどかはいたって平凡な女の子であったが、ほむらが繰り返すことによってどんどん魔法少女として大きな力を得ていくが、その中で彼女が助けられてきた回数や支えられてきた人たちの存在を認識して、それに対して恩返ししているのかなと思った。
10, 魔法つかいプリキュア!~MIRAI DAYS~(アニメ・2024)原作:東堂いづみ
〈概要〉
朝日奈みらいはごく普通の大学生らしい日常を送る傍らで、密かに魔法で人助けをする「魔法ガール」として活動し、ぬいぐるみのモフルンとも一緒に、楽しくもドタバタな毎日を送っていた。ある日、みらいが暮らす津成木町に、クマの姿をした巨大なモンスターが出没する。みらいは魔法で立ち向かおうとするが、まったく歯が立たず大ピンチに。だがそのとき、みらいの前になぜか、魔法界で魔法学校の先生をしているはずの十六夜リコが現れ、二人は手を取り合って久しぶりにプリキュアに変身すると、息の合った連携でモンスターを退けた。戦いを終えた二人の前に、アイルと名乗る謎の青年が現れる。キュアミラクルの正体がみらいであることを知っていた彼は、「次に会うのは……14時間と4分後」という意味深な言葉を残して姿を消すのだった。
〈考察〉
一貫して大切な友だち、家族と離ればなれになりたくないという思いを叶えるためにみらいもリコも動いていたように感じる。大好きで大切な友だちという特別な絆があればどれだけ離れていても繋がれるというようなメッセージが込められていたと思う。また、人々が過去の時間にとらわれるという描写があったことに面白さを感じた。自分の過去を想像してみると確かに良かったことの記憶がよみがえってくる。しかし、よく考えると過去にも嫌だったことや苦労したことがたくさんあるはずだ。過去にばかり視線が行くとあのころは良かったなという風に感じてしまうが未来を見据えて過去を振り返ると、過去の経験があったから未来に進めているのだと実感する。今までの自分の経験、すなわち過去は今をそして未来を生きるためにあるのだという風に言われているように感じた。
11, 悪役令嬢転生おじさん(アニメ・2024)監督:竹内哲也
〈概要〉
52歳の真面目な公務員、屯田林憲三郎。彼は交通事故で死んだはずだったのだが、なぜか乙女ゲーム「マジカル学園ラブ&ビースト」の世界に転生し、ゲームに登場する悪役令嬢、グレイス・オーヴェルヌとして生きていくことに。公爵令嬢という前世と大きなギャップがある“転生先”に持ち前の社会人スキルで早々に順応していくグレイス=憲三郎。そして転生したからには、本来のグレイスと同じように悪役令嬢としての役目を果たそうと決意する。そんな矢先、ついつい親目線の優しい発言をしてしまう。
〈考察〉
グレイスという全くの真逆ともとれるキャラクターの中に入った憲三郎がこれまでの人生経験を生かしてどんどんゲーム世界に順応していく様子がとてもおもしろく感じた。憲三郎は常にゲームの主人公であるアンナのことを考えて行動している。その行動には必ず相手を思いやり、優しく見守るという親を感じるようなものがある。憲三郎が現実の世界で部下たちに同じような態度で接していたのではないかということが想像できる。アンナをサポートをしたいのに自分が動けば動くほどグレイスの好感度が上がっていってしまうが、ここから人を思いやる行動というのは人の心を動かすのだなという風に感じた。
12, 謎解きはディナーのあとで(ドラマ・20011)原作:東川篤哉
〈概要〉
主人公の影山は、世界的にも有名な企業グループ「宝生グループ」社長の一人娘・麗子の執事兼運転手。その正体を隠し、国立署の新米刑事として勤務する“お嬢様”麗子は、難解な事件にぶち当たるたびに大豪邸の自宅でくつろぎながら事件の一部始終をディナーのサーブをする影山に語って聞かせる。完ぺきなまでのサーブを見せつつ、影山は“お嬢様”麗子の推理力のなさを「失礼ながらお嬢様……お嬢様の目は節穴でございますか?」などという暴言スレスレの毒舌で指摘しながら、スラスラと謎を解き、事件の真相に迫っていく。
〈考察〉
執事の影山が麗子から事件の概要、状況を聞いて推理していくというのが珍しい推理ものだなと思った。この作品の犯人はどうしようもなくなって人を殺したというような人が多いように感じた。必ず影山が最後に犯人を救う一言を投げかけるのがいいなと思った。過ちを犯したとしても人は行動によっては救われるのだなという風に感じた。また、麗子のことを思ってか、毒舌で意見する影山が面白いと感じた。たとえ主だとしてもはっきりとその人の欠点を伝えるということが大切なんだろうなと思った。思っていることを隠すのではなくはっきりと伝えられる力が影山のいいところなのだろうなと思った。
13, ぼっち・ざ・ろっく!(アニメ・2022)監督:斎藤圭一郎
〈概要〉
ぼっちちゃんこと後藤ひとりは会話の頭に必ず「あっ」って付けてしまう極度の人見知りで陰キャな少女。そんな自分でも輝けそうなバンド活動に憧れギターを始めるも友達がいないため、一人で毎日6時間ギターを弾く中学生時代を過ごすことに。上手くなったギターの演奏動画を“ギターヒーロー”としてネットに投稿したり文化祭ライブで活躍したりする妄想なんかをしていると、気づいたときにはバンドメンバーを見つけるどころか友達が一人も出来ないまま高校生になっていた……!ひきこもり一歩手前の彼女だったがある日“結束バンド”でドラムをやっている伊地知虹夏に声をかけられたことで、そんな日常がほんの少しずつ変わっていく。
〈考察〉
口下手で人見知りが激しいひとりが結束バンドを通して少しずつ成長していく様子がとても印象深かった。今まで一人で練習して技術を高めてきたひとりが頑張ってバンドのためにステージに立つにまで至れたことがすごいなと感じた。結束バンド4人での初ライブの時に一人がバンドを救って、体育館でのライブでひとりがメンバーに救われるというのにとても共感した。複数人で演奏すると一人の失敗や不調で全体が引っ張られて悪い方向に行くことが多々ある。しかし、逆に一人の行動でその悪い流れが一変することもある。そういう風にお互いに支えあって影響しあえるからバンドっていいなとひとりも思えたのだろうし、バンドのためにって頑張れたのではないかなと思った。
14, 天久鷹央の推理カルテ(アニメ・2025)監督:いわたかずや
〈概要〉
天医会総合病院の統括診断部の女医、天久鷹央のもとには、数々の「診断困難」とされる病気や、警察でさえ解き明かすことのできない謎が集まってくる。その摩訶不思議な謎に助手として統括診断部に赴任してきた小鳥遊優とともに挑む。
〈考察〉
鷹央先生が小鳥遊先生を信頼しているということがよく伝わってきた。この二人はそれぞれが持ち合わせていない能力を補い合っている様子が描かれていて、そのきずなの描き方がとても印象的だった。また、お互いに自分に何が足りていないのかを理解していて、無理に自分一人でどうにかしようとするのではなくて、相手に素直に頼れていることが素敵だなと思った。
15, Charlotte(アニメ・2020)監督:浅井義之
〈概要〉
思春期の少年少女のごく一部に発症する特殊能力。「任意の対象の体を5秒間のみ乗っ取る」という特殊能力を駆使し、優等生としての学生生活を送っていた乙坂有宇はその能力を駆使し、名門高校に見事合格する。進学先の高校でも順風満帆な生活を送ろうとしていた矢先、有宇の目の前に友利奈緒という少女が現れ彼の生活は一変していく。
〈考察〉
特殊な能力を持ったときにそれをどう使うかということが問われている作品だなと思った。自分が優れているという点を自分のためだけに使っている人が結果的に不幸になり、その過ちに気づいた人たちだけが幸福を勝ち取っているという印象だった。特殊な力というだけでなく自分の才能だったり、他人より優れているところだったりをひけらかし自分のためだけに使うのではなく、周りの困っている人や助けを必要としている人のために活用していけば、きっと自分にもいいことがあるというメッセージがある物語だと思った。
16, 劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦(映画・2024)監督:満仲勧
〈概要〉
強豪ひしめく春高バレー宮城県予選を勝ち上がり、優勝候補のひとつとされていた兵庫県代表・稲荷崎高校を破って3回戦に進出した烏野高校。対戦相手となる音駒高校はかつて烏野とライバル関係にあり、一時は交流が減ったものの日向たちが入部してからは再び合宿や練習試合で共に汗を流す良き仲間となっていた。その戦いは校名についた「カラス」と「ネコ」の名前から「ゴミ捨て場の決戦」と呼ばれる。プレースタイルも真逆で、超攻撃型の烏野に対し、音駒は「つなぎ」をモットーにする守りのチーム。ついに現メンバーでの公式戦初対決に臨むことになった彼らは、全国大会の舞台で白熱の試合を繰り広げる。
〈考察〉
マンガのバージョンとは違い、研磨の目線が多く描かれているのがよかったと思う。始めの烏野高校での練習試合のときから日向が一貫して言っていた「別に以外のこと言わせてやる」というのが最後の場面ではなく、試合中に発せられたのがとても胸熱だったなと思った。バレーの試合と同じ長さの1時間半で作成されているなど、作中以外にも工夫が凝らされていることがヒットした要因だと思った。
17, リズと青い鳥(映画・2018)監督:山田尚子
〈概要〉
傘木希美と鎧塚みぞれにとって最後のコンクールの自由曲が『リズと青い鳥』に決まった。この曲はある童話を題材にした作品であった。この曲の第3楽章にはオーボエとフルートの掛け合いがあり、ある日の朝練にて、二人はそのパートを試しに吹いてみることになる。早く本番を迎えたいと希美が顔を輝かせる一方で、ずっと希美と一緒にいたいと考えているみぞれは「本番なんて、一生来なくていい」と呟く。オーディションを終え、正式に二人がソロを担当することとなるが、なかなか演奏が噛み合わず、顧問であり指揮者の滝昇から注意されてしまう。練習後、みぞれはトランペットパートの後輩から、希美のことが信用できていないのではないかと問いかけられ、動揺する。ソロのある第3楽章は、リズと青い鳥の別れが描かれるパートである。みぞれは青い鳥を希美に重ねており、リズがなぜ青い鳥を逃がしたのかを理解できずにいた。
〈考察〉
みぞれの希美への複雑な感情がうまく表現されていて、とても感動した。冒頭の2人が歩いているシーンでは歩き方のテンポや表現にそれぞれの性格が表されていてすごいなと感じた。「リズと青い鳥」のリズがみぞれで青い鳥が希美だとお互いに解釈していたけど実際は逆の方がしっくりきてしまったシーンがなんともリアルだなと思った。合奏後のみぞれと希美が二人で話すシーンで希美が「みぞれのオーボエが好き」と言う。みぞれは希美がいれば何でもいいと言い切れるほど希美のことが好きなので、この一言でオーボエを続けるという道をとる以外なくなったのかなと思った。これが「リズと青い鳥」のシーンになぞらえられていてすごいなと思った。
18, 響け!ユーフォニアム3(アニメ・2024)監督:石原立也
〈概要〉
春。“強豪”になった北宇治高校吹奏楽部にたくさんの入部希望者がやってくる。
総勢100人近くになった吹奏楽部だが、相変わらず低音パートは希望者が少ないようで新1年生は3人。新たなスタートを切ることになった部長・久美子は、個性豊かな部員たちをまとめて、悲願の目標「全国大会金賞」を目指す。
〈考察〉
とにかくリアルに描かれているなと思った。特に印象に残ったのは久美子と真由の最終ソロオーディションのシーンで、実際に誰が吹いているかわからない形でオーディションをしたことがあるが、大体音で誰の演奏かわかってしまうものだ。それは一緒に吹いてきた年数が長ければ長いほどわかってしまう。おそらくだが部員のほとんどが久美子の演奏はどっちかというのを理解したうえで投票したのだろうなと思った。部長という立場上、みんなにしめしをつけるためにもソロを吹いてほしいという気持ちとコンクールで後悔をしたくないという気持ちがせめぎあう様子がとても印象的だった。
19, ダンダダン(アニメ・2024)監督:山代風我
〈概要〉
霊媒師の家系に生まれた女子高生・モモ<綾瀬桃>と、同級生でオカルトマニアのオカルン<高倉健>。モモがクラスのいじめっ子からオカルンを助けたことをきっかけに話すようになった2人だったが、「幽霊は信じているが宇宙人否定派」のモモと、「宇宙人は信じているが幽霊否定派」のオカルンで口論に。互いに否定する宇宙人と幽霊を信じさせるため、
モモはUFOスポットの病院廃墟へ、オカルンは心霊スポットのトンネルへ。そこで2人は、理解を超越した圧倒的怪奇に出会う。窮地の中で秘めた力を覚醒させるモモと、呪いの力を手にしたオカルンが、迫りくる怪奇に挑む。
〈考察〉
敵だった妖怪たちの力が味方に加わっていく設定がいいなと思った。最初はへなちょこだと思っていたオカルンが話数を重ねるごとにどんどんかっこよくなっていくのがとても面白いなと感じた。また、話の内容だけでなくて、妖怪と対峙するときの演出がすごくて、特にターボババアと追いかけっこしたときの走りや画面が赤で統一される演出がとても印象に残った。
20,僕のヒーローアカデミア(漫画)原作:堀越耕平
〈概要〉
総人口の約8割が何らかの超常能力“個性”を持ち、その“個性”によって社会を守る“ヒーロー”という存在が確立された世界。緑谷出久はヒーローになることを夢見て、多くのヒーローを輩出する名門・雄英高校ヒーロー科入学を目指していた。しかし、彼は何の“個性”も持たない“無個性”。現実の厳しさ、不平等さを痛感する日々を過ごしていた。そんなある日、出久は強盗をして逃亡中だった敵(ヴィラン)に襲われてしまう。そこに現れたのは、人気・実力共にNo.1のヒーローだった。
〈考察〉
最初から最後まで助けてという顔をしている人を見捨てないというのがあったと思う。出久が勝己をヴィランから助けようとしたときも、荼毘もトガヒミコも死柄木も、最後に出てきたおばあちゃんに手をひかれた男の子もみんないつかどこかでSOSを出していた。それに気づくことができずに、または気づかないふりをしたからヴィランになってしまう。皆が少しでも周りの人に思いやりを向けてあげられたら、この世界は少しでもいい方向に向かっていくのではないかと思わせてくれるような作品だった。
1, 映画ドラえもん のび太の絵世界物語 (映画・2025)監督:寺本幸代
〈概要〉
数十億円の価値がある絵画が発見されたニュースを横目に、夏休みの宿題である絵に取り組むのび太。その前に突然絵の切れ端が落ちてくる。ひみつ道具「はいりこみライト」を使い、絵の中に入って探検していると、クレアという不思議な少女に出会う。彼女の望みを受けてアートリア公国を目指すドラえもんたちだったが、そこはなんとニュースで話題の絵画に描かれた中世ヨーロッパの世界だった。絵の中の世界、アートリア公国には世界滅亡の伝説があり、ひょんなことからその伝説が蘇ってしまった。のび太たちは世界滅亡を阻止するべく、強大な敵に立ち向かっていく。
〈考察〉
この物語で何回か「良い絵」というのが問いかけられている。のび太は初め、良い絵とは上手な絵だと考えており、本作に登場する絵が上手な少年マイロにそう伝える。するとマイロは上手な絵が良い絵だとは限らないと言う。良い絵とは大好きという気持ちがいっぱい込められているものだとマイロに言われ、のび太はそれを表現するためにドラえもんの絵を描いた。物語終盤、のび太がピンチに陥ったとき、マイロに言われて描いたドラえもんの絵の中に入り込んでしまう。そこにいたのお世辞にも上手とは言えないドラえもんだった。しかし、そこにいたドラえもんは現実にいるドラえもんと同じようにやさしく、のび太にひみつ道具を渡して手伝う。ここに良い絵という表現が詰まっているなと感じた。のび太のドラえもんに対する大好きという気持ちがのび太を助けてくれることにつながったのかなと思った。
2, 映画ドラえもん のび太の地球交響楽(映画・2024)監督:今井一暁
〈概要〉
学校の音楽界に向けて、苦手なリコーダーの練習をしているのび太の前に、不思議な少女ミッカが現れる。のび太の奏でるのんびりとした音色が気に入ったミッカは音楽がエネルギーになる惑星で作られた「音楽(ファーレ)の殿堂」にドラえもんやのび太たちを招待する。ミッカはファーレの殿堂を復活させるために必要な音楽を一緒に演奏する、音楽の達人を探していたのだ。ドラえもんたちはひみつ道具「音楽家ライセンス」を使って殿堂復活のために音楽を奏でるが、そこへ世界から音楽を消してしまう不気味な生命体がやって来る。
〈考察〉
殿堂では音楽をエネルギーにするため音楽【ファーレ】を奏でてエネルギーを作り出すが、より大きなエネルギーを作り出すには合わせることが大事ということが描かれている。合奏とは合わせて奏でると書くが音楽では合わせることが大事なのである。初め、のび太たちのリコーダーとおもちゃたちで演奏をした場面では自然と合わさっていた音楽が、自分の楽器が上達していくうちに、自分の演奏を主張していくようになる様が描かれている。そのせいでジャイアンとスネ夫はノイズを追い払うことができなかった。音楽をみんなで奏でるときは自分のことだけ考えていると、調和ができない。なぜならそれぞれの楽器に役割があるからだ。ドラえもんがノイズによって壊れそうになった時、のび太の思いを組んでみんながのび太に合わせて演奏したからノイズを追い払うことができた。これは音楽だけに当てはまることではなく、普通に生活していく中でも意識するべきことだ。だから最後の演奏では日常の音が取り入れられた演奏をつくったのではないかと思った。
3, オペラ座の怪人 (映画・2004)監督:ジョエル・シュマッカー
〈概要〉
19世紀のパリ・オペラ座では仮面をつけた謎の怪人・ファントムの仕業とされる奇怪な事件が続いていた。リハーサル中に起こった事故をきっかけにプリマドンナの代役を務めることになった若きオペラ歌手のクリスティーヌは、初主演となったその舞台で喝采を浴び、幼なじみの青年貴族ラウルとも再会を果たす。クリスティーヌに才能を見いだしたファントムは、彼女に音楽の手ほどきをし、クリスティーヌはファントムを亡き父親が授けてくれた「音楽の天使」と信じ、プリマドンナへと成長する。ラウルに愛されながらも、孤独な魂と情熱を持ったファントムに心をひかれていくクリスティーヌだったが、ある時、ファントムの仮面の下に隠された秘密を知ってしまう。
〈考察〉
この物語はファントムの執着ともとれる愛情とその愛情からの解放を表していると思った。ファントムは一見恋敵のように描かれているが、私は最終的にはファントムはクリスティーヌの父親という役割だったのではないかと感じた。最後のキスはクリスティーヌを娘として溺愛するあまり、束縛してしまうファントムのことを父親という役から解放するために描かれたと思った。また、この作品は「美女と野獣」に類似している点が多いなと思った。醜い見た目を持つ主人公が出てくるところや見た目を重視しないというメッセージ性は同じだなと感じた。
4, 劇場版忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師(映画・2024)監督:藤森雅也
〈概要〉
タソガレドキ忍者・諸泉尊奈門との決闘に向かった土井先生が消息を絶った。山田先生と6年生が捜索を開始する一方、担任不在の1年は組では、タソガレドキ忍軍の忍び組頭・雑渡昆奈門と尊奈門が教壇に立つことに。そんな中、きり丸は偶然にも、土井先生の置かれた状況を知る。やがて土井先生を探す6年生の前に、ドクタケ忍者隊の冷徹な軍師・天鬼が出現。その顔は、なんと土井先生と瓜ふたつだった。
〈考察〉
話題になっていたから見に行ってみたが、確かに大人が見ても見ごたえがある作品だったなと思った。感情の揺れを画面の揺れで表していたり、迫力のある戦闘シーンが描かれていたりと普段の放送で見る忍たま乱太郎とはかなり違った表現が取り入れられていて面白いと感じた。また、血のつながりのない家族というのがかなり強調されていたように感じた。きり丸と土井先生に始まり、山田一家と土井先生のつながりなど様々な形できずなが描かれていたのではないかなと思う。血のつながりがあるという関係を超えた、家族の絆というのをこの作品で強く感じることができた。
5, SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜(ドラマ・2010)
〈概要〉
出動中に部下を誤射したと疑われ異動命令を受けた警視庁SIT丙部隊長・瀬文焚流は、公安部公安第五課未詳事件特別対策係の一員となり、係長の野々村光太郎の下、天才だが変人の捜査官・当麻紗綾とコンビを組む。未詳とは、一見ひまな左遷先であるが、他部署で手に負えない事件や、超能力など科学的に説明のつかない事象に関わる難事件を捜査する部署である。当麻と瀬文は、予言者や千里眼を得たと称する死刑囚からの挑戦、他人に憑依する犯罪者などSPECを持つ者たちの関係する奇妙な事件に、当麻の天才的推理と肉体派の瀬文のコンビで次々と立ち向かってゆく。
〈考察〉
通常の人間には持ちえない特別な能力というのがあったとして、自分ならどのようにその力を捉えるかということを考えた。ドラマだとその能力を悪用する人が出てくる。それは自分たちの存在が世間に否定されているからだった。現代に置き換えるとそれは差別のようなものなのではないかと感じた。自分たちと違うからと言ってその存在を排除しようとするのは間違っていると思う。その存在をどのようにとらえてどのように受け入れるかを考えることが大切なのではないか。そのためには知ることが大切で、わからないものを怖いと感じるのは人としてしょうがないと思う。しかしわからないをそのままにしておくと、きっと怖くて消したくなってしまう。この作品では当麻が真実を知ろうと奮闘する。その貪欲な気持ちが差別をなくしいていくのかなと思った。
6, 記憶屋(映画・2020)監督:平川雄一朗
〈概要〉
大学生の遼一は年上の恋人・杏子にプロポーズするが、その翌日から彼女と連絡が取れなくなってしまう。数日後に再会した彼女は、遼一の記憶だけを失っていた。信じられない思いの遼一は、人の記憶を消せるという都市伝説的な存在「記憶屋」のことを知り、大学の先輩で弁護士の高原に相談して杏子の記憶喪失の原因を探り始める。幼なじみの真希や高原の助手・七海らと調査を進めるうちに、人々の中にある忘れたい記憶やその奥にある思いに触れていく遼一。記憶屋という存在を突き止めるために、遼一は真相を探り始める。
〈考察〉
記憶を消せるという特殊な能力を自分のために使ってしまい後悔する真希が印象的だった。記憶を消す能力というのは人のために使うように受け継がれてきたのかなと思った。それを自分のために使うと不幸になる。それはきっと周りの人のことを考えてなかったから起こった悲劇だと思った。もし、能力を使う時に少しでも遼一の悲しむ顔が浮かんでいたらやめられたのではないかと思う。これは現代のSNSの発信にもつながりそうだなと思った。自分が投稿したときにそれを見た人の気持ちや表情を想像していれば他人を傷つけるような発言は減るのではないかなと思う。自分一人の感情だけでなく、他人の感情をもっと想像できるようになって欲しいというメッセージを感じた。
7, 異動辞令は音楽隊(映画・2022)監督:内田英治
〈概要〉
地方都市の警察で、刑事畑30年のベテランである成瀬司は、捜査の為なら禁じられている暴力も振るう粗暴な男だった。この町では、独居老人を狙った強盗事件が頻発しており、成瀬は「刑事のカン」で、過去に取り逃した男が主犯だと確信していた。だが、暴力的な違法捜査に関する内部告発の文章が上層部に届き、成瀬は刑事部から警察音楽隊への異動を命じられた。音楽隊は、成瀬以外は交通課などの業務を兼任する署員ばかりで、演奏のレベルも意欲も低い集団だった。ドラムを任せられたが、初めから協調する気は皆無の成瀬。だが、トランペット担当のシングルマザー来島春子からセッションの楽しさを教えられた成瀬は、他人との関わり方も身につけ始めた。
〈考察〉
音楽を全く知らない成瀬が来島にセッションというものの大切さを教えられて少しずつ自分の認識を変えていく描写がとても印象深かった。この物語でセッションとは人との対話という意味が込められているように感じた。音楽を通してその人の性格や感情を理解していく。一緒に音楽を奏でるためには一緒に演奏する人のことを深く理解する必要がある。そのためにはやはり対話が必要で、でも、言葉で会話することがあまり得意そうではない成瀬に音楽という方法で対話を促したのかなと感じた。対話とは相手のことを思いやることで、別に全てを言葉にする必要はなくて、ただ相手を理解できるように努めることが大切なのだと思った。
8, ホットスポット(ドラマ・2024)脚本:バカリズム
あらすじ
地元の山梨県のビジネスホテルで働く遠藤清美は、娘・若葉を女手一つで育てながら同僚と共にフロント業務を淡々とこなすルーティン生活を送っている。ある日の勤務後、自転車での帰宅中に交通事故に遭いそうになったが、間一髪のところで先輩・高橋孝介に自転車ごと宙に抱きかかえられて命を救われる。人間には絶対できない救助方法なので、清美が高橋を問い詰めると、高橋は「私は宇宙人」と述べ、「他言しない」と清美は約束するが我慢できずに地元の幼馴染・中村葉月と日比野美波に話してしまう。その後、高橋はファミレスに呼び出され「自身の能力と其の副作用」を次々と開示していく。
〈考察〉
絶対に言ってはいけないと言われたことを言いたくなってしまうという人間の心理がうまく描かれているなという印象だった。宇宙人の秘密をことごとく知人に話してしまうというシーンが何度も出てきて、挙句の果てには高橋さん自身も秘密を話されることに抵抗がなくなっているように感じた。また、その高橋さん自身も父親に能力を使ってはいけないとされていたのにも関わらず、受験などでたびたび能力を使っている描写がされているため、やってはいけないと言われたときに思わずやってみたくなる真理みたいなのが巧妙に描かれた作品だったのかなと感じた。
9, 魔法少女まどか☆マギカ(アニメ・2011)監督:新房昭之
〈概要〉
大好きな家族がいて、親友がいて、時には笑い、時には泣く、そんな平和な日々を送る中学二年生、鹿目まどか。ある晩、まどかはとても不思議な夢を見る。その日も訪れるはずだった、変わらぬ日常。しかし、訪れたのは非日常だった。まどかの通うクラスにやってきた、一人の転校生・暁美ほむら。まどかが夢で見た少女と瓜二つの容姿をした少女。偶然の一致に戸惑うまどかに、ほむらは意味深な言葉を投げかけるのだった
〈考察〉
人の思いの強さというのを描いた作品なのかなと思った。大切な人を守るために何度も何度も同じ時間を繰り返すというのはとてもつらく悲しいことで、かなりの精神力が必要とされると思った。最初の世界戦ではまどかはいたって平凡な女の子であったが、ほむらが繰り返すことによってどんどん魔法少女として大きな力を得ていくが、その中で彼女が助けられてきた回数や支えられてきた人たちの存在を認識して、それに対して恩返ししているのかなと思った。
10, 魔法つかいプリキュア!~MIRAI DAYS~(アニメ・2024)原作:東堂いづみ
〈概要〉
朝日奈みらいはごく普通の大学生らしい日常を送る傍らで、密かに魔法で人助けをする「魔法ガール」として活動し、ぬいぐるみのモフルンとも一緒に、楽しくもドタバタな毎日を送っていた。ある日、みらいが暮らす津成木町に、クマの姿をした巨大なモンスターが出没する。みらいは魔法で立ち向かおうとするが、まったく歯が立たず大ピンチに。だがそのとき、みらいの前になぜか、魔法界で魔法学校の先生をしているはずの十六夜リコが現れ、二人は手を取り合って久しぶりにプリキュアに変身すると、息の合った連携でモンスターを退けた。戦いを終えた二人の前に、アイルと名乗る謎の青年が現れる。キュアミラクルの正体がみらいであることを知っていた彼は、「次に会うのは……14時間と4分後」という意味深な言葉を残して姿を消すのだった。
〈考察〉
一貫して大切な友だち、家族と離ればなれになりたくないという思いを叶えるためにみらいもリコも動いていたように感じる。大好きで大切な友だちという特別な絆があればどれだけ離れていても繋がれるというようなメッセージが込められていたと思う。また、人々が過去の時間にとらわれるという描写があったことに面白さを感じた。自分の過去を想像してみると確かに良かったことの記憶がよみがえってくる。しかし、よく考えると過去にも嫌だったことや苦労したことがたくさんあるはずだ。過去にばかり視線が行くとあのころは良かったなという風に感じてしまうが未来を見据えて過去を振り返ると、過去の経験があったから未来に進めているのだと実感する。今までの自分の経験、すなわち過去は今をそして未来を生きるためにあるのだという風に言われているように感じた。
11, 悪役令嬢転生おじさん(アニメ・2024)監督:竹内哲也
〈概要〉
52歳の真面目な公務員、屯田林憲三郎。彼は交通事故で死んだはずだったのだが、なぜか乙女ゲーム「マジカル学園ラブ&ビースト」の世界に転生し、ゲームに登場する悪役令嬢、グレイス・オーヴェルヌとして生きていくことに。公爵令嬢という前世と大きなギャップがある“転生先”に持ち前の社会人スキルで早々に順応していくグレイス=憲三郎。そして転生したからには、本来のグレイスと同じように悪役令嬢としての役目を果たそうと決意する。そんな矢先、ついつい親目線の優しい発言をしてしまう。
〈考察〉
グレイスという全くの真逆ともとれるキャラクターの中に入った憲三郎がこれまでの人生経験を生かしてどんどんゲーム世界に順応していく様子がとてもおもしろく感じた。憲三郎は常にゲームの主人公であるアンナのことを考えて行動している。その行動には必ず相手を思いやり、優しく見守るという親を感じるようなものがある。憲三郎が現実の世界で部下たちに同じような態度で接していたのではないかということが想像できる。アンナをサポートをしたいのに自分が動けば動くほどグレイスの好感度が上がっていってしまうが、ここから人を思いやる行動というのは人の心を動かすのだなという風に感じた。
12, 謎解きはディナーのあとで(ドラマ・20011)原作:東川篤哉
〈概要〉
主人公の影山は、世界的にも有名な企業グループ「宝生グループ」社長の一人娘・麗子の執事兼運転手。その正体を隠し、国立署の新米刑事として勤務する“お嬢様”麗子は、難解な事件にぶち当たるたびに大豪邸の自宅でくつろぎながら事件の一部始終をディナーのサーブをする影山に語って聞かせる。完ぺきなまでのサーブを見せつつ、影山は“お嬢様”麗子の推理力のなさを「失礼ながらお嬢様……お嬢様の目は節穴でございますか?」などという暴言スレスレの毒舌で指摘しながら、スラスラと謎を解き、事件の真相に迫っていく。
〈考察〉
執事の影山が麗子から事件の概要、状況を聞いて推理していくというのが珍しい推理ものだなと思った。この作品の犯人はどうしようもなくなって人を殺したというような人が多いように感じた。必ず影山が最後に犯人を救う一言を投げかけるのがいいなと思った。過ちを犯したとしても人は行動によっては救われるのだなという風に感じた。また、麗子のことを思ってか、毒舌で意見する影山が面白いと感じた。たとえ主だとしてもはっきりとその人の欠点を伝えるということが大切なんだろうなと思った。思っていることを隠すのではなくはっきりと伝えられる力が影山のいいところなのだろうなと思った。
13, ぼっち・ざ・ろっく!(アニメ・2022)監督:斎藤圭一郎
〈概要〉
ぼっちちゃんこと後藤ひとりは会話の頭に必ず「あっ」って付けてしまう極度の人見知りで陰キャな少女。そんな自分でも輝けそうなバンド活動に憧れギターを始めるも友達がいないため、一人で毎日6時間ギターを弾く中学生時代を過ごすことに。上手くなったギターの演奏動画を“ギターヒーロー”としてネットに投稿したり文化祭ライブで活躍したりする妄想なんかをしていると、気づいたときにはバンドメンバーを見つけるどころか友達が一人も出来ないまま高校生になっていた……!ひきこもり一歩手前の彼女だったがある日“結束バンド”でドラムをやっている伊地知虹夏に声をかけられたことで、そんな日常がほんの少しずつ変わっていく。
〈考察〉
口下手で人見知りが激しいひとりが結束バンドを通して少しずつ成長していく様子がとても印象深かった。今まで一人で練習して技術を高めてきたひとりが頑張ってバンドのためにステージに立つにまで至れたことがすごいなと感じた。結束バンド4人での初ライブの時に一人がバンドを救って、体育館でのライブでひとりがメンバーに救われるというのにとても共感した。複数人で演奏すると一人の失敗や不調で全体が引っ張られて悪い方向に行くことが多々ある。しかし、逆に一人の行動でその悪い流れが一変することもある。そういう風にお互いに支えあって影響しあえるからバンドっていいなとひとりも思えたのだろうし、バンドのためにって頑張れたのではないかなと思った。
14, 天久鷹央の推理カルテ(アニメ・2025)監督:いわたかずや
〈概要〉
天医会総合病院の統括診断部の女医、天久鷹央のもとには、数々の「診断困難」とされる病気や、警察でさえ解き明かすことのできない謎が集まってくる。その摩訶不思議な謎に助手として統括診断部に赴任してきた小鳥遊優とともに挑む。
〈考察〉
鷹央先生が小鳥遊先生を信頼しているということがよく伝わってきた。この二人はそれぞれが持ち合わせていない能力を補い合っている様子が描かれていて、そのきずなの描き方がとても印象的だった。また、お互いに自分に何が足りていないのかを理解していて、無理に自分一人でどうにかしようとするのではなくて、相手に素直に頼れていることが素敵だなと思った。
15, Charlotte(アニメ・2020)監督:浅井義之
〈概要〉
思春期の少年少女のごく一部に発症する特殊能力。「任意の対象の体を5秒間のみ乗っ取る」という特殊能力を駆使し、優等生としての学生生活を送っていた乙坂有宇はその能力を駆使し、名門高校に見事合格する。進学先の高校でも順風満帆な生活を送ろうとしていた矢先、有宇の目の前に友利奈緒という少女が現れ彼の生活は一変していく。
〈考察〉
特殊な能力を持ったときにそれをどう使うかということが問われている作品だなと思った。自分が優れているという点を自分のためだけに使っている人が結果的に不幸になり、その過ちに気づいた人たちだけが幸福を勝ち取っているという印象だった。特殊な力というだけでなく自分の才能だったり、他人より優れているところだったりをひけらかし自分のためだけに使うのではなく、周りの困っている人や助けを必要としている人のために活用していけば、きっと自分にもいいことがあるというメッセージがある物語だと思った。
16, 劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦(映画・2024)監督:満仲勧
〈概要〉
強豪ひしめく春高バレー宮城県予選を勝ち上がり、優勝候補のひとつとされていた兵庫県代表・稲荷崎高校を破って3回戦に進出した烏野高校。対戦相手となる音駒高校はかつて烏野とライバル関係にあり、一時は交流が減ったものの日向たちが入部してからは再び合宿や練習試合で共に汗を流す良き仲間となっていた。その戦いは校名についた「カラス」と「ネコ」の名前から「ゴミ捨て場の決戦」と呼ばれる。プレースタイルも真逆で、超攻撃型の烏野に対し、音駒は「つなぎ」をモットーにする守りのチーム。ついに現メンバーでの公式戦初対決に臨むことになった彼らは、全国大会の舞台で白熱の試合を繰り広げる。
〈考察〉
マンガのバージョンとは違い、研磨の目線が多く描かれているのがよかったと思う。始めの烏野高校での練習試合のときから日向が一貫して言っていた「別に以外のこと言わせてやる」というのが最後の場面ではなく、試合中に発せられたのがとても胸熱だったなと思った。バレーの試合と同じ長さの1時間半で作成されているなど、作中以外にも工夫が凝らされていることがヒットした要因だと思った。
17, リズと青い鳥(映画・2018)監督:山田尚子
〈概要〉
傘木希美と鎧塚みぞれにとって最後のコンクールの自由曲が『リズと青い鳥』に決まった。この曲はある童話を題材にした作品であった。この曲の第3楽章にはオーボエとフルートの掛け合いがあり、ある日の朝練にて、二人はそのパートを試しに吹いてみることになる。早く本番を迎えたいと希美が顔を輝かせる一方で、ずっと希美と一緒にいたいと考えているみぞれは「本番なんて、一生来なくていい」と呟く。オーディションを終え、正式に二人がソロを担当することとなるが、なかなか演奏が噛み合わず、顧問であり指揮者の滝昇から注意されてしまう。練習後、みぞれはトランペットパートの後輩から、希美のことが信用できていないのではないかと問いかけられ、動揺する。ソロのある第3楽章は、リズと青い鳥の別れが描かれるパートである。みぞれは青い鳥を希美に重ねており、リズがなぜ青い鳥を逃がしたのかを理解できずにいた。
〈考察〉
みぞれの希美への複雑な感情がうまく表現されていて、とても感動した。冒頭の2人が歩いているシーンでは歩き方のテンポや表現にそれぞれの性格が表されていてすごいなと感じた。「リズと青い鳥」のリズがみぞれで青い鳥が希美だとお互いに解釈していたけど実際は逆の方がしっくりきてしまったシーンがなんともリアルだなと思った。合奏後のみぞれと希美が二人で話すシーンで希美が「みぞれのオーボエが好き」と言う。みぞれは希美がいれば何でもいいと言い切れるほど希美のことが好きなので、この一言でオーボエを続けるという道をとる以外なくなったのかなと思った。これが「リズと青い鳥」のシーンになぞらえられていてすごいなと思った。
18, 響け!ユーフォニアム3(アニメ・2024)監督:石原立也
〈概要〉
春。“強豪”になった北宇治高校吹奏楽部にたくさんの入部希望者がやってくる。
総勢100人近くになった吹奏楽部だが、相変わらず低音パートは希望者が少ないようで新1年生は3人。新たなスタートを切ることになった部長・久美子は、個性豊かな部員たちをまとめて、悲願の目標「全国大会金賞」を目指す。
〈考察〉
とにかくリアルに描かれているなと思った。特に印象に残ったのは久美子と真由の最終ソロオーディションのシーンで、実際に誰が吹いているかわからない形でオーディションをしたことがあるが、大体音で誰の演奏かわかってしまうものだ。それは一緒に吹いてきた年数が長ければ長いほどわかってしまう。おそらくだが部員のほとんどが久美子の演奏はどっちかというのを理解したうえで投票したのだろうなと思った。部長という立場上、みんなにしめしをつけるためにもソロを吹いてほしいという気持ちとコンクールで後悔をしたくないという気持ちがせめぎあう様子がとても印象的だった。
19, ダンダダン(アニメ・2024)監督:山代風我
〈概要〉
霊媒師の家系に生まれた女子高生・モモ<綾瀬桃>と、同級生でオカルトマニアのオカルン<高倉健>。モモがクラスのいじめっ子からオカルンを助けたことをきっかけに話すようになった2人だったが、「幽霊は信じているが宇宙人否定派」のモモと、「宇宙人は信じているが幽霊否定派」のオカルンで口論に。互いに否定する宇宙人と幽霊を信じさせるため、
モモはUFOスポットの病院廃墟へ、オカルンは心霊スポットのトンネルへ。そこで2人は、理解を超越した圧倒的怪奇に出会う。窮地の中で秘めた力を覚醒させるモモと、呪いの力を手にしたオカルンが、迫りくる怪奇に挑む。
〈考察〉
敵だった妖怪たちの力が味方に加わっていく設定がいいなと思った。最初はへなちょこだと思っていたオカルンが話数を重ねるごとにどんどんかっこよくなっていくのがとても面白いなと感じた。また、話の内容だけでなくて、妖怪と対峙するときの演出がすごくて、特にターボババアと追いかけっこしたときの走りや画面が赤で統一される演出がとても印象に残った。
20,僕のヒーローアカデミア(漫画)原作:堀越耕平
〈概要〉
総人口の約8割が何らかの超常能力“個性”を持ち、その“個性”によって社会を守る“ヒーロー”という存在が確立された世界。緑谷出久はヒーローになることを夢見て、多くのヒーローを輩出する名門・雄英高校ヒーロー科入学を目指していた。しかし、彼は何の“個性”も持たない“無個性”。現実の厳しさ、不平等さを痛感する日々を過ごしていた。そんなある日、出久は強盗をして逃亡中だった敵(ヴィラン)に襲われてしまう。そこに現れたのは、人気・実力共にNo.1のヒーローだった。
〈考察〉
最初から最後まで助けてという顔をしている人を見捨てないというのがあったと思う。出久が勝己をヴィランから助けようとしたときも、荼毘もトガヒミコも死柄木も、最後に出てきたおばあちゃんに手をひかれた男の子もみんないつかどこかでSOSを出していた。それに気づくことができずに、または気づかないふりをしたからヴィランになってしまう。皆が少しでも周りの人に思いやりを向けてあげられたら、この世界は少しでもいい方向に向かっていくのではないかと思わせてくれるような作品だった。
阿部光里
RES
4年春休み課題
1.アニメ ワールドトリガー
原作 葦原大介
元々マンガの時点で細部まで描かれている作品だが、第2次侵攻や、ランク戦などの戦闘描写がアニメーションになることでより明確に迫力のあるものになっている。2期以降は原作により忠実になり、オープニングやエンディング映像もより世界観を表現していると感じた。
2.Detroit BecomeHuman
開発元 クアンティク・ドリーム
AI技術とロボット工学の発達により、人間そっくりのアンドロイドが流通した世界で、自分も3人のアンドロイドの視点でいくつかの選択をしながら物語を進めていくゲーム。自分の選択によって物語の展開や結末が変わっていくため自分以外の人がどのような選択をするのかなど何周も楽しめる作品。人間そっくりのアンドロイドにも自我が芽生え始め、人間とアンドロイドの境界が曖昧になっていき、アンドロイドとの付き合い方などとても考えさせられる。
3.cosmos
作者 田村隆平
1話1話没入感がすごく、主人公は嘘を見抜く能力を持っているが、それを忘れてしまうくらい毎回その能力を使うタイミングが絶妙。拉致問題や育児放棄、詐欺など様々な社会問題を宇宙人との関わりによって描いている。次の話への繋げ方や伏線のが多くはられていて、今後主人公やその周りの能力を持つ人たちについてなどどう明かされていくのか楽しみな作品。
4.ユーリ!!!onICE
原案 久保ミツロウ、山本沙代
スケートリンクの感じや、ユーリの「俺はこの容姿でいられる時間は短い」というセリフなどがとてもリアルに描かれている。また、アイススケートの動きをアニメーションで、滑らかにかつダイナミックにあそこまで表現出来るのがすごい。同じ演技を何度もするのに、その時のキャラクターの心情やジャンプの成功率やその他のスケーティングなどが毎回丁寧に描かれているため、同じ演技でも毎回新鮮な気持ちでワクワクしながら楽しめる。
5.nana
作者 矢沢あい
人間関係のドロドロしたところや少しのタイミングによって変化していくところがとてもリアル。初めはハチがナナに依存しているような所が多かったが、物語が進むにつれて色々な事を経験したハチが精神的に成長していきどんどんナナの方がハチに依存していったり、タクミがハチの事を帰る場所と考えているなど、家庭環境に複雑な事情があったナナやタクミしんちゃん達が、家族に愛されて育ったハチやノブの周りに同じように愛を求めて集まっているように感じた。
6.パラダイス・キス
作者 矢沢あい
自分の人生をトンネルの出口が出口でしかないということに例えた表現や、アトリエで活動している人達はみんな目標を持っていて、夢に向かって一生懸命行動している人達がすごく眩しく見えて、どこか羨ましく自分もその人たちの一員になりたいと思う主人公などとてもリアルでどこか切ない作品だと感じた。
7.ご近所物語
作者 矢沢あい
服飾学校の話ということもあり、今でも通用できるほど登場人物が着ている服や小物が可愛く、物語が完結してから25年以上経っている事に驚くぐらいオシャレで古臭さを感じない。幼なじみの実果子が夢に向かって一生懸命な姿を常に隣で見ていたツトムの葛藤や、お互い好きだけど上手くいかない勇介と茉莉子など『nana』や『ParadiseKiss』でも感じたリアルな人間関係がこの作品でも現れており、矢沢あいの凄さをより実感した。
8.村井の恋
作者 島順太
作品紹介で来になり読んでみると、話のテンポがよくギャグもシュールでギャグと恋愛のバランスが絶妙。田中先生のオタクな部分がとてもリアルで共感できることが多い。メインの村井と田中先生だけでなく、桐山や平井、山門先生や真雄など魅力的な登場人物が多く、巻末の書き下ろしやおまけも面白い。
9.ゼルダの伝説『知恵の借り物』
プロデューサー 青沼英二
歴代の作品ではゼルダ姫と協力して進めていくことはあっても基本的にリンクの目線で物語が進んでいたが、今作はゼルダ姫の視点で囚われたリンクを救出するという新しい作品。ブレスオブザワイルドやティアーズオブザキングダムなどオープンワールドで完全自由な作品が続いていたが、今作はストーリーはある程度決まっているが、借り物という新しい能力によって攻略の自由度が上がっている。
10.天堂家物語
作者 齋藤けん
山門育ちで純粋すぎるが「人を助けて死にたい」という自己犠牲的信念を持つ主人公の蘭と、ドロドロな血生臭い家で育った雅人は、人の嫌なところを知りすぎていて、どこか狂気的な部分的を持つ二人と血生臭く闇が深い天堂家の人達との展開が話を追うごとに待ち遠しくなるぐらい世界観に惹き込まれる。
11.アオノハコ
作者 三浦糀
登場人物が高校生なのにみんなとても精神的に成熟している人が多いと思った。ジャンルはラブコメディでそれぞれの恋愛描写もとてもThe青春という感じで爽やかだが、それだけでなくバスケやバドミントンを中心にしている回も面白い。
12.アニメ チ。-地球の運動について-
原作 魚豊
主人公が交代していき、色々な立場から地動説について描かれる。自分の学の無さを悔やむと共に、星を綺麗に見られる環境に生まれ育ったことに感謝するほどすごく面白い作品だけど、無宗教の人が多い日本だからこそできる作品だと思った。また、オープニングの『怪獣』の「この世界は好都合に未完成だから知りたい」などとても作品にあっている曲だと思った。
13.劇場版忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師
監督 藤森雅也
原作 尼子騒兵衛
忍たま乱太郎は子供から大人まで観て楽しめる作品だが、世界情勢が不安定な中、戦争孤児がテーマで造られた今作はどちらかと言うと大人向けにメッセージ性のある作品だと感じた。山田先生親子と土井先生、土井先生ときり丸の関係性や、敵であるドクタケ忍者の風鬼がまだ子供である乱太郎、きり丸、しんベヱの事を気にかけていたりなど一貫して親子や家族がテーマなのだと感じられた。
14.劇場版 忍たま乱太郎 忍術学園全員出動!の段
監督 藤森雅也
原作 尼子騒兵衛
タイトルの全員出動の通り、乱太郎、きり丸、しんベヱの3人組だけでなく1年生から6年生それぞれにきちんと焦点が当たり、それぞれの活躍によって忍術学園で学年ごとの授業内容なども読み取れるような内容だと思った。
15.ボクラノキセキ
作者 久米田夏緒
作品紹介で気になり一気読みしてしまうほど世界観や設定がとても練られていて、読み返す度に新たな気づきがある作品。登場人物が高校生だけど前世では貴族世界で戦争の前線に居たため、咄嗟の行動や戦闘態勢にスムーズに入るという事に違和感が無い。また記憶が断片的に少しずつ蘇っていく事で登場人物と同様に読者も前世でどういう状況だったのかを置いていかれずに理解していける。
16.べるぜバブ
作者 田村隆平
ギャグもシュールで面白く、話がテンポよく進んでいく。また、聖石矢魔高校に移ってから男鹿や東邦神姫だけでなく、烈怒帝瑠の人達にも焦点が当たったり、神崎とパー子の絡みが増えていったりなど周りの関係性にも変化がありそういった細かいところも楽しみながら読んでいける。
17.家庭教師ヒットマンREBORN
作者 天野明
バトル漫画に路線を変更してからの方が人気だが、序盤のギャグパートも面白く、後々の伏線が多く貼ってある。初めはマフィアのことには関わりたくなく、ダメツナと言われていた主人公がリボーンとの修行や、マフィアの事にどんどん巻き込まれていくにつれて自分から仲間のために戦うようになっても、「いつも眉間に皺を寄せ、祈るように拳を振るう」というセリフから本当は今でも戦いたくない優しいままで、ジャンブ作品の主人公としては珍しい性格たけど、「友情・努力・勝利」という王道の展開がとても会う作品だと感じた。
18.幽遊白書
作者 冨樫義博
桑原が幽助と共に成長していく過程や、蔵馬と飛影が、初め登場した時は敵として出てくる事を知らなかったため今後どう物語に関わっていくのか、また割と序盤に出てくる朱雀がとても強いのにC級だったりなど、今後ストーリーがどうなっていくのか常にワクワクしながらテンポよく読み進められる。
19.アニメ アルスラーン戦記
原作 田中芳樹
マンガ 荒川弘
戦争の話ということもあり多くの兵が登場するが、人数が多いにも関わらず動きが滑らかで、より迫力が増している。またアニメオリジナルのシーンで、主人公であるアルスラーン側の目線以外も描かれることでより展開や話に深みが増していると感じた。
20.黒子のバスケ
作者 藤巻忠俊
キセキの世代など超次元バスケと言われる部分もあるが、日向先輩が自身も上手いけどどんなに頑張っても自分よりも上の存在によってやる気を失ってしまう過去を持つなどリアルな描写も多くありそのバランスがとても絶妙だと思った。また、ウィンターカップ予選あたりから画力が格段に上がってプレー中のスピード感や動きをより感じられとても惹き込まれる。
1.アニメ ワールドトリガー
原作 葦原大介
元々マンガの時点で細部まで描かれている作品だが、第2次侵攻や、ランク戦などの戦闘描写がアニメーションになることでより明確に迫力のあるものになっている。2期以降は原作により忠実になり、オープニングやエンディング映像もより世界観を表現していると感じた。
2.Detroit BecomeHuman
開発元 クアンティク・ドリーム
AI技術とロボット工学の発達により、人間そっくりのアンドロイドが流通した世界で、自分も3人のアンドロイドの視点でいくつかの選択をしながら物語を進めていくゲーム。自分の選択によって物語の展開や結末が変わっていくため自分以外の人がどのような選択をするのかなど何周も楽しめる作品。人間そっくりのアンドロイドにも自我が芽生え始め、人間とアンドロイドの境界が曖昧になっていき、アンドロイドとの付き合い方などとても考えさせられる。
3.cosmos
作者 田村隆平
1話1話没入感がすごく、主人公は嘘を見抜く能力を持っているが、それを忘れてしまうくらい毎回その能力を使うタイミングが絶妙。拉致問題や育児放棄、詐欺など様々な社会問題を宇宙人との関わりによって描いている。次の話への繋げ方や伏線のが多くはられていて、今後主人公やその周りの能力を持つ人たちについてなどどう明かされていくのか楽しみな作品。
4.ユーリ!!!onICE
原案 久保ミツロウ、山本沙代
スケートリンクの感じや、ユーリの「俺はこの容姿でいられる時間は短い」というセリフなどがとてもリアルに描かれている。また、アイススケートの動きをアニメーションで、滑らかにかつダイナミックにあそこまで表現出来るのがすごい。同じ演技を何度もするのに、その時のキャラクターの心情やジャンプの成功率やその他のスケーティングなどが毎回丁寧に描かれているため、同じ演技でも毎回新鮮な気持ちでワクワクしながら楽しめる。
5.nana
作者 矢沢あい
人間関係のドロドロしたところや少しのタイミングによって変化していくところがとてもリアル。初めはハチがナナに依存しているような所が多かったが、物語が進むにつれて色々な事を経験したハチが精神的に成長していきどんどんナナの方がハチに依存していったり、タクミがハチの事を帰る場所と考えているなど、家庭環境に複雑な事情があったナナやタクミしんちゃん達が、家族に愛されて育ったハチやノブの周りに同じように愛を求めて集まっているように感じた。
6.パラダイス・キス
作者 矢沢あい
自分の人生をトンネルの出口が出口でしかないということに例えた表現や、アトリエで活動している人達はみんな目標を持っていて、夢に向かって一生懸命行動している人達がすごく眩しく見えて、どこか羨ましく自分もその人たちの一員になりたいと思う主人公などとてもリアルでどこか切ない作品だと感じた。
7.ご近所物語
作者 矢沢あい
服飾学校の話ということもあり、今でも通用できるほど登場人物が着ている服や小物が可愛く、物語が完結してから25年以上経っている事に驚くぐらいオシャレで古臭さを感じない。幼なじみの実果子が夢に向かって一生懸命な姿を常に隣で見ていたツトムの葛藤や、お互い好きだけど上手くいかない勇介と茉莉子など『nana』や『ParadiseKiss』でも感じたリアルな人間関係がこの作品でも現れており、矢沢あいの凄さをより実感した。
8.村井の恋
作者 島順太
作品紹介で来になり読んでみると、話のテンポがよくギャグもシュールでギャグと恋愛のバランスが絶妙。田中先生のオタクな部分がとてもリアルで共感できることが多い。メインの村井と田中先生だけでなく、桐山や平井、山門先生や真雄など魅力的な登場人物が多く、巻末の書き下ろしやおまけも面白い。
9.ゼルダの伝説『知恵の借り物』
プロデューサー 青沼英二
歴代の作品ではゼルダ姫と協力して進めていくことはあっても基本的にリンクの目線で物語が進んでいたが、今作はゼルダ姫の視点で囚われたリンクを救出するという新しい作品。ブレスオブザワイルドやティアーズオブザキングダムなどオープンワールドで完全自由な作品が続いていたが、今作はストーリーはある程度決まっているが、借り物という新しい能力によって攻略の自由度が上がっている。
10.天堂家物語
作者 齋藤けん
山門育ちで純粋すぎるが「人を助けて死にたい」という自己犠牲的信念を持つ主人公の蘭と、ドロドロな血生臭い家で育った雅人は、人の嫌なところを知りすぎていて、どこか狂気的な部分的を持つ二人と血生臭く闇が深い天堂家の人達との展開が話を追うごとに待ち遠しくなるぐらい世界観に惹き込まれる。
11.アオノハコ
作者 三浦糀
登場人物が高校生なのにみんなとても精神的に成熟している人が多いと思った。ジャンルはラブコメディでそれぞれの恋愛描写もとてもThe青春という感じで爽やかだが、それだけでなくバスケやバドミントンを中心にしている回も面白い。
12.アニメ チ。-地球の運動について-
原作 魚豊
主人公が交代していき、色々な立場から地動説について描かれる。自分の学の無さを悔やむと共に、星を綺麗に見られる環境に生まれ育ったことに感謝するほどすごく面白い作品だけど、無宗教の人が多い日本だからこそできる作品だと思った。また、オープニングの『怪獣』の「この世界は好都合に未完成だから知りたい」などとても作品にあっている曲だと思った。
13.劇場版忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師
監督 藤森雅也
原作 尼子騒兵衛
忍たま乱太郎は子供から大人まで観て楽しめる作品だが、世界情勢が不安定な中、戦争孤児がテーマで造られた今作はどちらかと言うと大人向けにメッセージ性のある作品だと感じた。山田先生親子と土井先生、土井先生ときり丸の関係性や、敵であるドクタケ忍者の風鬼がまだ子供である乱太郎、きり丸、しんベヱの事を気にかけていたりなど一貫して親子や家族がテーマなのだと感じられた。
14.劇場版 忍たま乱太郎 忍術学園全員出動!の段
監督 藤森雅也
原作 尼子騒兵衛
タイトルの全員出動の通り、乱太郎、きり丸、しんベヱの3人組だけでなく1年生から6年生それぞれにきちんと焦点が当たり、それぞれの活躍によって忍術学園で学年ごとの授業内容なども読み取れるような内容だと思った。
15.ボクラノキセキ
作者 久米田夏緒
作品紹介で気になり一気読みしてしまうほど世界観や設定がとても練られていて、読み返す度に新たな気づきがある作品。登場人物が高校生だけど前世では貴族世界で戦争の前線に居たため、咄嗟の行動や戦闘態勢にスムーズに入るという事に違和感が無い。また記憶が断片的に少しずつ蘇っていく事で登場人物と同様に読者も前世でどういう状況だったのかを置いていかれずに理解していける。
16.べるぜバブ
作者 田村隆平
ギャグもシュールで面白く、話がテンポよく進んでいく。また、聖石矢魔高校に移ってから男鹿や東邦神姫だけでなく、烈怒帝瑠の人達にも焦点が当たったり、神崎とパー子の絡みが増えていったりなど周りの関係性にも変化がありそういった細かいところも楽しみながら読んでいける。
17.家庭教師ヒットマンREBORN
作者 天野明
バトル漫画に路線を変更してからの方が人気だが、序盤のギャグパートも面白く、後々の伏線が多く貼ってある。初めはマフィアのことには関わりたくなく、ダメツナと言われていた主人公がリボーンとの修行や、マフィアの事にどんどん巻き込まれていくにつれて自分から仲間のために戦うようになっても、「いつも眉間に皺を寄せ、祈るように拳を振るう」というセリフから本当は今でも戦いたくない優しいままで、ジャンブ作品の主人公としては珍しい性格たけど、「友情・努力・勝利」という王道の展開がとても会う作品だと感じた。
18.幽遊白書
作者 冨樫義博
桑原が幽助と共に成長していく過程や、蔵馬と飛影が、初め登場した時は敵として出てくる事を知らなかったため今後どう物語に関わっていくのか、また割と序盤に出てくる朱雀がとても強いのにC級だったりなど、今後ストーリーがどうなっていくのか常にワクワクしながらテンポよく読み進められる。
19.アニメ アルスラーン戦記
原作 田中芳樹
マンガ 荒川弘
戦争の話ということもあり多くの兵が登場するが、人数が多いにも関わらず動きが滑らかで、より迫力が増している。またアニメオリジナルのシーンで、主人公であるアルスラーン側の目線以外も描かれることでより展開や話に深みが増していると感じた。
20.黒子のバスケ
作者 藤巻忠俊
キセキの世代など超次元バスケと言われる部分もあるが、日向先輩が自身も上手いけどどんなに頑張っても自分よりも上の存在によってやる気を失ってしまう過去を持つなどリアルな描写も多くありそのバランスがとても絶妙だと思った。また、ウィンターカップ予選あたりから画力が格段に上がってプレー中のスピード感や動きをより感じられとても惹き込まれる。
阿部光里
RES
夏休み課題
1.スピナマラダ
作者 野田サトル
〈あらすじ〉
高い才能を持ちながらも、母の死と共にフィギュアスケートからの撤退を余儀なくされた白川朗が、引越し先の苫小牧でアイスホッケーに出会い、名門勇払高校アイスホッケー部でインターハイを目指して戦い、成長していくスポーツ青春もの。
静止画である漫画でアイスホッケーのスピード感と迫力のある激しい試合運びをリアルに描いており、実際に試合を見ているような盛り上がりを感じられる。主人公をはじめ個性的な人物が多く、内容も少し前のスポコン漫画のようなノリになっていると思った。主人公がスケートはやっていたけど、アイスホッケー初心者ということであまり馴染みのないスポーツだが、ルールの説明や用語、アイスホッケーの雰囲気を学んでいく過程を読者も共有して一緒に学べるようになっている。
2.ドッグスレッド
作者 野田サトル
〈あらすじ〉
舞台は気高き北の大地・北海道。時代は2010年、平成。
フィギュアスケート、全日本ジュニア選手権大会決勝で歴代最高点を叩き出した白川朗は、なぜか突然、大暴れ。優勝できたはずの大会で失格、フィギュア界を永久追放されてしまう。『狂犬王子』という異名をつけられたロウが辿り着いたのは、氷都・苫小牧、アイスホッケーの街だった!!? 大自然の作り出した天然の池リンク! VS屈強な源間兄弟!! 前人未到のインターハイ20連覇がかかる狼之神高校!!! そして、強い速い美しい氷上格闘球技・アイスホッケーとの出逢い!!!! 改善、成長、進化! 全ての挫折を祝福へ変える、超回復の物語ッ!!!!
「ドッグスレッド」は野田サトルのデビュー作「スピナマラダ」をリメイクした作品になっており、「ゴールデンカムイ」を経た事で打ち切りになってしまい当時書ききれなかった事などを大まかな設定はそのままでより詳しく書かれているため、登場人物の背景など分かりやすくなっている。作中に東日本大震災の事が出てくるが「スピナマラダでは思いを上手く表せずに触れるだけで書ききれなかったものを形にしたい」と話していたので今後どのように描かれるのかが気になる。
3.イナズマイレブン フットボールフロンティア編
原作 日野晃博
監督 秋山勝仁
〈あらすじ〉
主人公円堂守は雷門サッカー部キャプテン。熱いサッカー魂を持った仲間達と一緒にフットボールフロンティアの頂点を目指す!
部員が足りず廃部の危機にあるサッカー部が何とか廃部を免れるために部員を集めるところから、主人公の円堂守や、メインの豪炎寺修也、風丸一郎太だけでなく他の登場人物たちにもそれぞれ焦点を当てながら、フットボールフロンティア優勝までを26話で綺麗に収めている。円堂の幼なじみでいつも皆を精神的に支えてくれる風丸が兼部している陸上部の後輩と話したことで気持ちが揺れ豪炎寺との連携技の炎の風見鶏が合わなくなってしまうシーンでは、技を決める時に言うセリフが葛藤した事でそれまで揃っていたセリフも揃わなくなってしまったり、フットボールフロンティアでオープニングの「立ちあがリーヨ」をスタジアム風の音質で流すなどなど細部にまでこだわりが多くちりばめられている。
4.イナズマイレブン 脅威の侵略者編
原作 日野晃博
監督 宮尾佳和
〈あらすじ〉
「フットボールフロンティア」で優勝した雷門中イレブン。しかし突如「エイリア学園」と名乗る宇宙人たちが現れ校舎を破壊。サッカーによる世界征服を公言する。強力な力を持つ彼らに対抗するため、円堂たちは日本中をまわり最強チームを作る旅に出る。
1期での雷門中の連携シュート技に多く関わっている豪炎寺や染岡や風丸達の離脱、新たに加わった吹雪の崩壊などストライカーの不足を2期ではディフェンダーにより焦点をあて塔子、木暮、綱海、立向居など加わったメンバー達の活躍が多く描かれていた。壁山や風丸、染岡、栗松などが闇堕ちし敵対したり、吹雪の過去など全体的に重めのストーリーになっている。1期は円堂が盛り上げてみんなを引っ張っていたが、今期はみんなが円堂を引っ張っていく事が多く、全体的に1期と2期での対比が多いと感じた。
5.イナズマイレブン 世界への挑戦!!編
原作 日野晃博
監督 宮尾佳和 秋山勝仁
〈あらすじ〉
エイリア学園との戦いから数カ月後。U-15のサッカー世界大会「フットボール・フロンティア・インターナショナル」が開催されることになった。円堂ら、日本中から選抜された16人による日本代表チーム「イナズマジャパン」の世界一への挑戦が始まる。
世界編から新たに追加された必殺タクティクスによって、オーストラリアやアルゼンチンは守備型、イギリスは二つのタクティクスを使う事で攻守に優れたチームなどそれぞれのチームの色を分かりやすくし、試合をより盛り上げていると思った。世界編では今までは敵として戦っていた不動や基山、緑川などとの協力や、アメリカへ行った一ノ瀬と敵として対戦するなどサッカーを通して人との繋がりを大事にしているイナズマイレブンの魅力が現れていると感じた。
6.転生したら第七王子だったので、気ままに魔術極めます(漫画)
原作 謙虚なサークル
あらすじ
俺が興味あるのは魔術だけだ──
庶民の転生先は王子!? 桁外れの魔力と家柄でお気楽無双ライフ!!
「魔術を極めたい!」たった一つの想いを残し死んだ男は、生前の記憶を残したままサルーム国の第七王子として転生を果たした! 前世とは異なる桁違いの魔力量。第七王子という自由な身分。最高の環境で少年ロイドは魔術浸りの生活を望むが…。
主人公のロイドが最強格なのに常に魔術に対する欲が強く、どんな敵と対峙していく中でより成長していたり、ロイドだけが強いのではなく、ロイドの兄弟や専属メイドのシルファ、その父など別ベクトルで強い登場人物が出てくるので普通のバトルものと同様に読めると感じた。カラーページを多く利用し戦闘の迫力を感じさせたり、呪文の多重詠唱を⬛️で表すなど他の漫画ではあまり見られない表現が多くなっている。
7.光が死んだ夏
作者 モクモクれん
〈あらすじ〉
ある集落で暮らす少年、よしきと光。同い年の2人はずっと一緒に育ってきた。しかしある日、よしきが光だと思っていたものは別のナニカにすり替わっていたことに気づいてしまう。それでも、一緒にいたい。友人の姿をしたナニカとの、いつも通りの日々が始まる。時を同じくして、集落では様々な事件が起こっていき――。
セミの声など普通はあまり強調しない所を目立つように書いていたり、直接幽霊などを多く出すのではなく髪の毛や正体が見えないものなどを用いていて、不気味な世界観がこの漫画の季節の夏のじめっとした暑さのようなじっとりとした気持ち悪さとリンクしていると感じた。怖いものが苦手な人でも、続きが気になって読んでしまう所が、本当に危険なものは見たらいけないと分かっているのに見てしまうという体験に似ていると思った。
8.オペラ座の怪人(ミュージカル)
原作 ガストン・ルルー
監督 ジョエル・シュマッカー
制作 アンドリュー・ロイド=ウェーバー
〈あらすじ〉
19世紀のパリ・オペラ座では仮面をつけた謎の怪人・ファントムの仕業とされる奇怪な事件が続いていた。リハーサル中に起こった事故をきっかけにプリマドンナの代役を務めることになった若きオペラ歌手のクリスティーヌは、初主演となったその舞台で喝采を浴び、幼なじみの青年貴族ラウルとも再会を果たす。クリスティーヌに才能を見いだしたファントムは、彼女に音楽の手ほどきをし、クリスティーヌはファントムを亡き父親が授けてくれた「音楽の天使」と信じ、プリマドンナへと成長する。ラウルに愛されながらも、孤独な魂と情熱を持ったファントムに心をひかれていくクリスティーヌだったが、ある時、ファントムの仮面の下に隠された秘密を知ってしまう。
9.アルスラーン戦記(漫画)
原作 田中芳樹
作画 荒川弘
(あらすじ)
国が燃えている…。世界はどれだけ広いのか? 強国「パルス」の王子・アルスラーンは、いまだ何者でもなく、ただ好奇心にあふれていた。「頼りない」「気弱」「器量不足」と言われたアルスラーンが14歳になった時、遠国の異教徒がパルスへ侵攻。アルスラーンは初陣の時を迎える。パルス軍の強さは古今無双。この戦もパルスの圧勝に終わると誰もが信じていた……。奈落へと落ちたアルスラーンの運命! 激動の英雄譚、開幕!!
初めは戦う事が好きではなく鍛錬をあまりしていなかったアルスラーンがパルス軍のはいたいにより首都を取り戻し「本物の王」になるため、精神的にも肉体的にも成長していく物語。自身の強さを過信し強さで支配しようとするアンドラゴラス、血筋を重要視し王位に固執するヒルメス、血筋も圧倒的な強さも持たないが決して驕らず人柄から着いてくる人が多いアルスラーンそれぞれが王位を巡っている様子だけでなく、パルス軍臣下達の葛藤や、奴隷階級の様子や他国とのやり取りなどがリアルに描かれている。
10.僕に花のメランコリー
作者 小森みっこ
〈あらすじ〉
高校2年の新学期、雨宮花は街で不良少年のケンカに巻き込まれる。乱暴で荒んだ様子の男の子には幼なじみ・弓弦の面影が…。 初恋の相手との予期せぬ再会に花の心は揺れて──
恋愛物語だけでなく、主人公の花がまだ小さい弟のお世話や家事などをしていたり、弓弦や、るかの家庭環境の話などヤングケアラーやネグレクトなど現代の社会問題も題材にした作品。るかと弓弦が共依存的な関係になってしまった過程や昴との過去の話などが丁寧に描かれている。
11.俺様ティーチャー
作者椿いずみ
〈あらすじ〉
真冬は元不良トップの女の子。学校を退学になり、転校してキラキラ女子高生として出直すことに! 初友達・早坂くんも出来て平穏な生活スタート☆ のハズが、担任の佐伯先生が実は…!?
ギャグ要素が多い中に、渋谷亜希の存在を匂わせる発言が登場前にあったり、早坂くんの家庭事情を匂わせるような描写が初期から出てきていたり、生徒会の中での賭けや花房会長の思惑など伏線が多く張ってあり、ストーリーが最後までぶれることなく進んでいくので飽きることなく読み進めることができた。中盤で出てきた成金の家のお嬢様と佐伯先生の約束が明かされたのが、誰かのために自分を後回しにしてしまう似た者同士の二人が、自分のためにやりたい事をかなえた時に明かされる展開になっていると思った。
12.アイアンマン(映画)
監督 ジョン・ファヴロー
〈あらすじ〉
天才発明家にして軍事企業経営者でもあるトニーは、アフガンでテロリストに拉致される。彼らから兵器開発を強いられるが、密かにパワードスーツを作り上げて脱出。それを機にトニーはパワードスーツを装着した正義のヒーロー“アイアンマン”として活躍する。
アベンジャーズ作品を初めて鑑賞したが、ヒーロー作品なので架空の敵と戦うのだと思っていたが、現実の戦争やテロなどと関係していてびっくりした。
アイアンマンがどうして出来たのかという事を主軸にしている為、トニーがアイアンマンになる過程がしっかり描かれている一方で戦闘シーンはあまり多くなくあっさりした戦いだと思った。
13.インクレディブル・ハルク(映画)
監督 ルイ・レテリエ
〈あらすじ〉
実験中の事故で緑色の巨人ハルクに変身する体質になってしまった科学者の男性。以来、彼は軍の追跡を逃れ、またあいする恋人とも別れてブラジルで隠遁生活を送っていた。だが、ある出来事をきっかけについに彼の居場所がバレてしまう…
アイアンマンとは違いハルクが緑色の巨人になった過程などはしっかり描かれずに過去に何があったかを冒頭の数シーンだけで説明している。肉弾戦なので戦闘シーンの迫力があり、戦闘シーンとそれ以外のシーンのギャップ、普段の心優しいブルースとハルクになった時のギャップがすごい。
14.アイアンマン2(映画)
監督 ジョン・ファヴロー
〈あらすじ〉
自らアイアンマンであることを公表した、億万長者にして天才発明家のトニー・スタークは、政府からスーツの技術を軍と共有するよう求められてしまう。しかし、その技術が悪の手に渡ることを恐れるトニーは、スーツの引き渡しを拒否する。ペッパーパー・ポッツと“ローディ”・ローズに加え、新たな仲間の協力を得て、トニーは強敵に立ち向かうことになる。だがトニーの前に立ちはだかるのは、彼の命を狙う謎の男だけではなかった。胸に埋め込んだアーク・リアクタの影響で彼の体は蝕まれていたのだ…。
父親との確執や、アベンジャーズの事などたくさんの要素を盛り込んでいるため、戦闘シーンもあまり激しくなくあっさりしている。SHIELDのメンバーが今回から活躍しだし、より色々なところでの活躍や思惑による動きが多くなったと思った。
15.マイティ・ソー(映画)
監督 ケネス・ブラナー
〈あらすじ〉
この世にヒーローは無数にいても…神のヒーローはただ一人。神の世界""アスガルド""から追放された傲慢な戦士ソー(クリス・ヘムズワース 「スタートレック」)。地球に送られたソーは失った力を取り戻そうとするが、地球征服を企む敵がソーを葬ろうと闇の軍勢を送り込んでくる。堕ちた雷神ソーは強敵と戦うために立ち上がり、真のヒーローとしての力に目覚めていく。
アイアンマン2の最後から繋がる形で始まり、アベンジャーズ計画が本格的に始動し始めた作品だと思った。北欧神話が取り入れられていて今まであまり見た事がない感じの作品だが、とっつきにくさは無くあまり詳しくなくても楽しめると思った。
16.キャプテンアメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(映画)
監督 ジョー・ジョンストン
〈あらすじ〉
第二次世界大戦下の1941年、ナチスとの戦いに志願することを決意した青年スティーブは、その強い愛国心に突き動かされて軍の極秘計画たる“超人兵士計画“に参加する。普通の人間だったスティーブは“キャプテン・アメリカ“となり、最強の男に変身するが……。
鑑賞する前からアベンジャーズの事は知っていたが、作品が始まるとそれまでのマーベルシリーズよりも前の時代のことだったので、結末に驚かされた。思っていたよりも、戦争の事やナチスに関係する事が多く、ヒーロー作品と言うよりも戦争作品のように感じた。
17.アベンジャーズ(映画)
監督 ジョス・ウェドン
〈あらすじ〉
謎の敵が現れ、地球は滅亡の危機に陥る。秘密組織S.H.I.E.L.D.のニック・フューリーは、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクら最強のヒーローたちを集めたスーパーチーム“アヴェンジャーズ”を結成する。だが、意思に反してチームの一員になった彼らは共に戦う事を拒絶。そんな中、恐るべき敵の計画が進行していく。
個性の強いヒーローが上手くひとつにまとまって戦うのに時間がかかりすぎだと思ったが、最終決戦で集合した時の感動は凄かった。それぞれのアクションや戦闘などそれぞれの強みが存分に活きていてキャラクターが多い中、時間配分が完璧だと思った。
またロキという明確な敵を置きつつ、その奥にサノスの存在を示していたり、インフィニティストーンの事も出していて今後のこともすごく練られていると思った。
18.アイアンマン3(映画)
監督 シェーン・ブラック
〈あらすじ〉
地球を襲った未曾有の危機をアベンジャーズの一員として救ったアイアンマン=トニー・スタークは、あれから1年が経っても苦悩し、悪夢にうなされる日々を送っていた。そんな折、“マンダリン“と名乗る謎のテロリストがスタークに攻撃を仕掛けてきて……。
トニーがアベンジャーズの戦い以降PTSDになってしまったり、1.2よりもトニーの心情を多く描いていてよりヒーローも1人の人間であるということが語られていると感じた。また、今作はヒーロースーツを着ないで戦うシーンが多く、スパイダーマンで「スーツがないとダメなやつにスーツを着る資格はない」というのはここから繋がっていると思った。
19.マイティ・ソー ダークワールド(映画)
監督 アラン・テイラー
〈あらすじ〉
ソーが宇宙の秩序を取り戻す為に戦い続ける中、復習に燃えるマレキス率いる古代の軍が再び宇宙を闇で覆ってしまう。ソーの父オーディンでさえ敵わない敵を倒すには、危険な旅とわかっていても行くしかない。ソーが愛する人を守るために手を組んだのはなんと宿敵のロキだった。
母の死や兄弟で共闘するシーンなど、兄弟愛や家族愛が描かれていると感じた。1作目よりファンタジー要素が増えより神話的な内容が増えたと思った。母の死によりロキの内面がすこし見えたような感じがしたが、全然反省しておらず今後どうなっていくのかがとても気になる。
20.キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー(映画)
監督 アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ
〈あらすじ〉
アベンジャーズのメンバーとともに最大の危機から地球を救ったキャプテン・アメリカ。それから2年、彼は国際平和維持組織“シールド“の一員として活動していた。ある日、長官が何者かに襲われ、その事件を機に仲間であるはずの“シールド“から命を狙われ……。
スピード感のある展開だったけどきちんと内容は分かり、登場人物たちの関係性や対比が綺麗に纏められていると感じた。ファルコンやブラックウィドウとの連携やアクションも迫力があり、他作品とは違い緊張感を感じられる戦闘シーンだと感じた。
21.アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン (映画)
監督 ジョス・ウェドン
〈あらすじ〉
トニー・スタークはさらなる強敵に備え、愛する人を守るべく禁断の平和維持システムである人工知能“ウルトロン“を起動させた。ところが、愛なき人工知能が選択する究極の平和は、人類の抹消を意味していた。人類滅亡の危機にアベンジャーズが再び集結する。
アイアンマン3を観ているからトニーの言い分も理解出来るところや、ウルトロンをただの悪として考えられない所、ワンダとシルバーの事などこれまでのストーリーが繋がってきているように感じた。ヒーロー達は性格が合わず仲が良くないけど、その分敵を前に共闘するシーンが際立つと感じた。
22.シビル・ウォー キャプテンアメリカ (映画)
監督 アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ
〈あらすじ〉
世界を救う一方で人的・物的被害を拡大させたアベンジャーズは、政府組織の管理下に置かれ許可なしでの活動を禁じられてしまう。アイアンマンは賛成するがキャプテン・アメリカは強く反発し、すれ違いはエスカレートしていく。そんな中、テロ事件が発生する。
キャプテンアメリカの映画だけどアベンジャーズだと思うくらいヒーロー達に焦点が当てられた作品。今までのアベンジャーズの戦闘によって出た一般人への被害がテーマにあり、アイアンマンとキャプテンのそれぞれヒーローになった経緯から対立したが、両方の思いも理解出来るからこそそれぞれが葛藤しているのだと思った。
23.ブラックウィドウ
監督 ケイト・ショートランド
〈あらすじ〉
アベンジャーズのシールドとして活動するナターシャがスパイとしての過去やアベンジャーズになる以前に関係が壊れた偽の家族と対峙する。
アイアンマン2で突然登場したナターシャのバックグラウンドがエンドゲーム前に描かれていて良かった。3年間の偽物の家族だったけど、3年間での記憶はそれぞれにちゃんと家族愛があって、『本当の血縁関係よりも強い繋がりの家族を見つける話』というテーマでナターシャの家族はオハイヨの4人であり、エンドロールがアベンジャーズのからアベンジャーズでもあると思った。
24.スパイダーマン ホームカミング (映画)
監督 ジョン・ワッツ
〈あらすじ〉
スパイダーマンとして活動する15歳のピーターは、部活のノリで街を救うヒーロー気取りの高校生。アイアンマンことトニー・スタークに新しいスーツも作ってもらったピーターは有頂天になり、怪物退治に乗り出そうとするが、スタークに止められてしまい……
今までのスパイダーマンの主人公は大人びている人が多かったが、年齢相応のヒーローに憧れる少年が主人公になっている。これまでのアベンジャーズシリーズを考えると、今までのピーターの性格だと合わないので、一から作り直したように感じた。
25.マイティ・ソー バトルロイヤル(映画)
監督 タイカ・ワイティティ
〈あらすじ〉
ハンマーを奪われ、はるか彼方に収監されてしまったソー。アスガルドの全ての文明を滅ぼしてしまう「ラグナロク」を止めるため、アスガルドへ急ぎ戻らなくてはならない。ソシテアスガルドには死の女神ヘラによる支配の危機が迫っていた。ヘラとの戦いの前に、ソーはアベンジャーズの仲間でありかつての戦友でもある超人ハルクとバトルロイヤルで戦わなければならなかった。
ユーモア多めの作品だと思っていたら、インフィニティーウォーに繋がる重要な作品だった。それまでハンマー頼りだったソーが実はハンマーはソーの力を抑えるためのもので、ソーが自らの力に気づき雷の神として覚醒する物語。
26.アベンジャーズ インフィニティウォー
監督 アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ
〈あらすじ〉
6つすべてを入手すると世界を滅ぼす力を得られるというインフィニティ・ストーン。その無限大の力を秘めた石を狙う最強の敵、サノスを倒すため、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、スパイダーマンら最強ヒーローチーム・アベンジャーズが再び団結する。
ヒーローが集結して全ての戦力をかけて戦ったのに敗れてしまい、バットエンドで終わったのは衝撃的だった。サノスもただの悪ではなく、信念がちゃんとあって世界のために行動してきたというのが伝わり、互いに世界を良くしたいと思っていたけどその考えがすれ違ってしまっていたのだと感じた。
27.アベンジャーズ エンドゲーム
監督アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ
〈あらすじ〉
全生命の半数が消滅した後の世界。残されたキャプテン・アメリカたちと宇宙に取り残されるもキャプテン・マーベルによって救出され地球に帰還したアイアンマンらはサノスの居場所を発見し、ガントレットの奪還を計画。彼らは農場にいるサノスと対峙するが……。
まさにMCUの集大成で3時間もあるのに全く飽きずに干渉することができた。この作品を見るにあたって絶対にこれまでの21作品を見る必要があると思った。アイアンマンで始まりアイアンマンで終わったり、キャプテンが過去に戻ってペギーと家庭を築いたことで世代交代が始まったのだと感じた。
28.バーバパパ (1990年版)
作者 アネット・チゾン タラス・テイラー
〈あらすじ〉
庭から生まれたバーバパパは、どんな形にも変形する力「バーバトリック」を持つ不思議な生き物。バーバママとの間に7人の子供も生まれ、バーバ一家は人間の子供たちと一緒に遊び、いろいろな発見をし、時には社会問題にあたっていく。
基本的に登場人物はどこかぶっ飛んでいるところが多いため、内容もびっくりするような事が多い。1話でフランソワがバーバパパを連れて来たらお父さんがそんなもの捨てなさいと伝えたが、バーバパパが活躍すると歓迎したり、10、11話でバーバ家の家問題など人間の裏の部分や環境問題など社会風刺的な面も持ち合わせている。キャラクターが話しているところは口が動かないため絵本が動いているようなファンシーな雰囲気だと感じた。
29.夜が明けたらいちばんに君に会いに行く(映画)
原作 汐見夏衛
監督 酒井麻衣
〈あらすじ〉
周囲の空気ばかり読んでしまう優等生の茜と、自由奔放で絵を描くことを愛する銀髪のクラスメイト・青磁。茜は何もかもが自分とは正反対の青磁のことを苦手に思っていたが、青磁が描く絵と、そのまっすぐな性格にひかれ、2人は少しずつ距離を縮めていく。やがて、そんな2人の過去が重なりあい、これまで誰にも言えなかった思いがあふれ出す。
「俺お前のこと大っ嫌い」というセリフから始まり、映画を通して青磁が一度も茜に「好き」という言葉を言っておらず、恋愛映画としては珍しい作品だと思った。冒頭のセリフや茜と青磁の関わりが全然無かったのに、美術の授業での「いつもマスクで内心を隠している」という青磁からのメッセージや、大嫌いと言いながらも常に茜を気にかけている青磁の様子から、2人の関係がどういうものなのか掴みにくかった。しかし二人が同じ小学校に一時期通っていた事を青磁は覚えておりその当時茜は青磁にとってのヒーローのような存在だったが茜の性格が変わってしまい本当の茜の性格を知っているからこそ青磁は茜に対して嫌な態度をとってしまったのだと思った。
コロナ禍を通してマスクをしている人が増えた今だから主人公の茜に共感しやすいと思った。青磁と関わっていくに連れて茜の
しかしラストの5年後に茜が父親と電話している時に突然口笛が聞こえて、音の方へ向かうと青磁の描いた絵が飾ってあり、そこで再会するというシーンは口笛は絶対に届かない距離なので他に何か二人が再開するきっかけになる方法は無かったのかなと思った。
主題歌の「グラデーション」は1番の歌詞は青磁目線、2番の歌詞は茜目線で書かれていて映画にとてもマッチしていた。
30.ミュージカル 黒執事 寄宿学校の秘密
原作 枢やな
脚本 Two hats Ltd. 演出 松崎史也
〈あらすじ〉
19世紀の英国。ヴィクトリア女王の裏の仕事を請け負う悪の貴族ファントムハイヴ家の万能執事、セバスチャン。その正体は悪魔。呪われし運命に立ち向かう孤高の若き当主シエルとの契約のもと、シエルの影となり、裏社会の事件を闇で片付けている。
ある日、女王のいとこであるクレメンス公爵の息子デリックが去年の夏休みから帰省しておらず、その原因を調査して欲しいと女王より依頼の手紙が届く。セバスチャンとシエルはデリックが通っている名門寄宿学校の先生と生徒になりすまし、潜伏調査を開始。寄宿学校という、伝統と戒律に守られた閉鎖空間に潜入した二人が辿り着いた真相とは_。
ストーリーや登場人物の言動など細かいところまで忠実に再現されており世界観を壊さずにミュージカルに落とし込まれていた。舞台装置が2階構造になっており床が回転することで裏表どちらも利用し空間を広く使うことで内容に幅を広げていると思った。今回の舞台では初めに黒執事の内容を軽く振り返る事で寄宿学校編の内容にスムーズに入る事ができると思った。
1.スピナマラダ
作者 野田サトル
〈あらすじ〉
高い才能を持ちながらも、母の死と共にフィギュアスケートからの撤退を余儀なくされた白川朗が、引越し先の苫小牧でアイスホッケーに出会い、名門勇払高校アイスホッケー部でインターハイを目指して戦い、成長していくスポーツ青春もの。
静止画である漫画でアイスホッケーのスピード感と迫力のある激しい試合運びをリアルに描いており、実際に試合を見ているような盛り上がりを感じられる。主人公をはじめ個性的な人物が多く、内容も少し前のスポコン漫画のようなノリになっていると思った。主人公がスケートはやっていたけど、アイスホッケー初心者ということであまり馴染みのないスポーツだが、ルールの説明や用語、アイスホッケーの雰囲気を学んでいく過程を読者も共有して一緒に学べるようになっている。
2.ドッグスレッド
作者 野田サトル
〈あらすじ〉
舞台は気高き北の大地・北海道。時代は2010年、平成。
フィギュアスケート、全日本ジュニア選手権大会決勝で歴代最高点を叩き出した白川朗は、なぜか突然、大暴れ。優勝できたはずの大会で失格、フィギュア界を永久追放されてしまう。『狂犬王子』という異名をつけられたロウが辿り着いたのは、氷都・苫小牧、アイスホッケーの街だった!!? 大自然の作り出した天然の池リンク! VS屈強な源間兄弟!! 前人未到のインターハイ20連覇がかかる狼之神高校!!! そして、強い速い美しい氷上格闘球技・アイスホッケーとの出逢い!!!! 改善、成長、進化! 全ての挫折を祝福へ変える、超回復の物語ッ!!!!
「ドッグスレッド」は野田サトルのデビュー作「スピナマラダ」をリメイクした作品になっており、「ゴールデンカムイ」を経た事で打ち切りになってしまい当時書ききれなかった事などを大まかな設定はそのままでより詳しく書かれているため、登場人物の背景など分かりやすくなっている。作中に東日本大震災の事が出てくるが「スピナマラダでは思いを上手く表せずに触れるだけで書ききれなかったものを形にしたい」と話していたので今後どのように描かれるのかが気になる。
3.イナズマイレブン フットボールフロンティア編
原作 日野晃博
監督 秋山勝仁
〈あらすじ〉
主人公円堂守は雷門サッカー部キャプテン。熱いサッカー魂を持った仲間達と一緒にフットボールフロンティアの頂点を目指す!
部員が足りず廃部の危機にあるサッカー部が何とか廃部を免れるために部員を集めるところから、主人公の円堂守や、メインの豪炎寺修也、風丸一郎太だけでなく他の登場人物たちにもそれぞれ焦点を当てながら、フットボールフロンティア優勝までを26話で綺麗に収めている。円堂の幼なじみでいつも皆を精神的に支えてくれる風丸が兼部している陸上部の後輩と話したことで気持ちが揺れ豪炎寺との連携技の炎の風見鶏が合わなくなってしまうシーンでは、技を決める時に言うセリフが葛藤した事でそれまで揃っていたセリフも揃わなくなってしまったり、フットボールフロンティアでオープニングの「立ちあがリーヨ」をスタジアム風の音質で流すなどなど細部にまでこだわりが多くちりばめられている。
4.イナズマイレブン 脅威の侵略者編
原作 日野晃博
監督 宮尾佳和
〈あらすじ〉
「フットボールフロンティア」で優勝した雷門中イレブン。しかし突如「エイリア学園」と名乗る宇宙人たちが現れ校舎を破壊。サッカーによる世界征服を公言する。強力な力を持つ彼らに対抗するため、円堂たちは日本中をまわり最強チームを作る旅に出る。
1期での雷門中の連携シュート技に多く関わっている豪炎寺や染岡や風丸達の離脱、新たに加わった吹雪の崩壊などストライカーの不足を2期ではディフェンダーにより焦点をあて塔子、木暮、綱海、立向居など加わったメンバー達の活躍が多く描かれていた。壁山や風丸、染岡、栗松などが闇堕ちし敵対したり、吹雪の過去など全体的に重めのストーリーになっている。1期は円堂が盛り上げてみんなを引っ張っていたが、今期はみんなが円堂を引っ張っていく事が多く、全体的に1期と2期での対比が多いと感じた。
5.イナズマイレブン 世界への挑戦!!編
原作 日野晃博
監督 宮尾佳和 秋山勝仁
〈あらすじ〉
エイリア学園との戦いから数カ月後。U-15のサッカー世界大会「フットボール・フロンティア・インターナショナル」が開催されることになった。円堂ら、日本中から選抜された16人による日本代表チーム「イナズマジャパン」の世界一への挑戦が始まる。
世界編から新たに追加された必殺タクティクスによって、オーストラリアやアルゼンチンは守備型、イギリスは二つのタクティクスを使う事で攻守に優れたチームなどそれぞれのチームの色を分かりやすくし、試合をより盛り上げていると思った。世界編では今までは敵として戦っていた不動や基山、緑川などとの協力や、アメリカへ行った一ノ瀬と敵として対戦するなどサッカーを通して人との繋がりを大事にしているイナズマイレブンの魅力が現れていると感じた。
6.転生したら第七王子だったので、気ままに魔術極めます(漫画)
原作 謙虚なサークル
あらすじ
俺が興味あるのは魔術だけだ──
庶民の転生先は王子!? 桁外れの魔力と家柄でお気楽無双ライフ!!
「魔術を極めたい!」たった一つの想いを残し死んだ男は、生前の記憶を残したままサルーム国の第七王子として転生を果たした! 前世とは異なる桁違いの魔力量。第七王子という自由な身分。最高の環境で少年ロイドは魔術浸りの生活を望むが…。
主人公のロイドが最強格なのに常に魔術に対する欲が強く、どんな敵と対峙していく中でより成長していたり、ロイドだけが強いのではなく、ロイドの兄弟や専属メイドのシルファ、その父など別ベクトルで強い登場人物が出てくるので普通のバトルものと同様に読めると感じた。カラーページを多く利用し戦闘の迫力を感じさせたり、呪文の多重詠唱を⬛️で表すなど他の漫画ではあまり見られない表現が多くなっている。
7.光が死んだ夏
作者 モクモクれん
〈あらすじ〉
ある集落で暮らす少年、よしきと光。同い年の2人はずっと一緒に育ってきた。しかしある日、よしきが光だと思っていたものは別のナニカにすり替わっていたことに気づいてしまう。それでも、一緒にいたい。友人の姿をしたナニカとの、いつも通りの日々が始まる。時を同じくして、集落では様々な事件が起こっていき――。
セミの声など普通はあまり強調しない所を目立つように書いていたり、直接幽霊などを多く出すのではなく髪の毛や正体が見えないものなどを用いていて、不気味な世界観がこの漫画の季節の夏のじめっとした暑さのようなじっとりとした気持ち悪さとリンクしていると感じた。怖いものが苦手な人でも、続きが気になって読んでしまう所が、本当に危険なものは見たらいけないと分かっているのに見てしまうという体験に似ていると思った。
8.オペラ座の怪人(ミュージカル)
原作 ガストン・ルルー
監督 ジョエル・シュマッカー
制作 アンドリュー・ロイド=ウェーバー
〈あらすじ〉
19世紀のパリ・オペラ座では仮面をつけた謎の怪人・ファントムの仕業とされる奇怪な事件が続いていた。リハーサル中に起こった事故をきっかけにプリマドンナの代役を務めることになった若きオペラ歌手のクリスティーヌは、初主演となったその舞台で喝采を浴び、幼なじみの青年貴族ラウルとも再会を果たす。クリスティーヌに才能を見いだしたファントムは、彼女に音楽の手ほどきをし、クリスティーヌはファントムを亡き父親が授けてくれた「音楽の天使」と信じ、プリマドンナへと成長する。ラウルに愛されながらも、孤独な魂と情熱を持ったファントムに心をひかれていくクリスティーヌだったが、ある時、ファントムの仮面の下に隠された秘密を知ってしまう。
9.アルスラーン戦記(漫画)
原作 田中芳樹
作画 荒川弘
(あらすじ)
国が燃えている…。世界はどれだけ広いのか? 強国「パルス」の王子・アルスラーンは、いまだ何者でもなく、ただ好奇心にあふれていた。「頼りない」「気弱」「器量不足」と言われたアルスラーンが14歳になった時、遠国の異教徒がパルスへ侵攻。アルスラーンは初陣の時を迎える。パルス軍の強さは古今無双。この戦もパルスの圧勝に終わると誰もが信じていた……。奈落へと落ちたアルスラーンの運命! 激動の英雄譚、開幕!!
初めは戦う事が好きではなく鍛錬をあまりしていなかったアルスラーンがパルス軍のはいたいにより首都を取り戻し「本物の王」になるため、精神的にも肉体的にも成長していく物語。自身の強さを過信し強さで支配しようとするアンドラゴラス、血筋を重要視し王位に固執するヒルメス、血筋も圧倒的な強さも持たないが決して驕らず人柄から着いてくる人が多いアルスラーンそれぞれが王位を巡っている様子だけでなく、パルス軍臣下達の葛藤や、奴隷階級の様子や他国とのやり取りなどがリアルに描かれている。
10.僕に花のメランコリー
作者 小森みっこ
〈あらすじ〉
高校2年の新学期、雨宮花は街で不良少年のケンカに巻き込まれる。乱暴で荒んだ様子の男の子には幼なじみ・弓弦の面影が…。 初恋の相手との予期せぬ再会に花の心は揺れて──
恋愛物語だけでなく、主人公の花がまだ小さい弟のお世話や家事などをしていたり、弓弦や、るかの家庭環境の話などヤングケアラーやネグレクトなど現代の社会問題も題材にした作品。るかと弓弦が共依存的な関係になってしまった過程や昴との過去の話などが丁寧に描かれている。
11.俺様ティーチャー
作者椿いずみ
〈あらすじ〉
真冬は元不良トップの女の子。学校を退学になり、転校してキラキラ女子高生として出直すことに! 初友達・早坂くんも出来て平穏な生活スタート☆ のハズが、担任の佐伯先生が実は…!?
ギャグ要素が多い中に、渋谷亜希の存在を匂わせる発言が登場前にあったり、早坂くんの家庭事情を匂わせるような描写が初期から出てきていたり、生徒会の中での賭けや花房会長の思惑など伏線が多く張ってあり、ストーリーが最後までぶれることなく進んでいくので飽きることなく読み進めることができた。中盤で出てきた成金の家のお嬢様と佐伯先生の約束が明かされたのが、誰かのために自分を後回しにしてしまう似た者同士の二人が、自分のためにやりたい事をかなえた時に明かされる展開になっていると思った。
12.アイアンマン(映画)
監督 ジョン・ファヴロー
〈あらすじ〉
天才発明家にして軍事企業経営者でもあるトニーは、アフガンでテロリストに拉致される。彼らから兵器開発を強いられるが、密かにパワードスーツを作り上げて脱出。それを機にトニーはパワードスーツを装着した正義のヒーロー“アイアンマン”として活躍する。
アベンジャーズ作品を初めて鑑賞したが、ヒーロー作品なので架空の敵と戦うのだと思っていたが、現実の戦争やテロなどと関係していてびっくりした。
アイアンマンがどうして出来たのかという事を主軸にしている為、トニーがアイアンマンになる過程がしっかり描かれている一方で戦闘シーンはあまり多くなくあっさりした戦いだと思った。
13.インクレディブル・ハルク(映画)
監督 ルイ・レテリエ
〈あらすじ〉
実験中の事故で緑色の巨人ハルクに変身する体質になってしまった科学者の男性。以来、彼は軍の追跡を逃れ、またあいする恋人とも別れてブラジルで隠遁生活を送っていた。だが、ある出来事をきっかけについに彼の居場所がバレてしまう…
アイアンマンとは違いハルクが緑色の巨人になった過程などはしっかり描かれずに過去に何があったかを冒頭の数シーンだけで説明している。肉弾戦なので戦闘シーンの迫力があり、戦闘シーンとそれ以外のシーンのギャップ、普段の心優しいブルースとハルクになった時のギャップがすごい。
14.アイアンマン2(映画)
監督 ジョン・ファヴロー
〈あらすじ〉
自らアイアンマンであることを公表した、億万長者にして天才発明家のトニー・スタークは、政府からスーツの技術を軍と共有するよう求められてしまう。しかし、その技術が悪の手に渡ることを恐れるトニーは、スーツの引き渡しを拒否する。ペッパーパー・ポッツと“ローディ”・ローズに加え、新たな仲間の協力を得て、トニーは強敵に立ち向かうことになる。だがトニーの前に立ちはだかるのは、彼の命を狙う謎の男だけではなかった。胸に埋め込んだアーク・リアクタの影響で彼の体は蝕まれていたのだ…。
父親との確執や、アベンジャーズの事などたくさんの要素を盛り込んでいるため、戦闘シーンもあまり激しくなくあっさりしている。SHIELDのメンバーが今回から活躍しだし、より色々なところでの活躍や思惑による動きが多くなったと思った。
15.マイティ・ソー(映画)
監督 ケネス・ブラナー
〈あらすじ〉
この世にヒーローは無数にいても…神のヒーローはただ一人。神の世界""アスガルド""から追放された傲慢な戦士ソー(クリス・ヘムズワース 「スタートレック」)。地球に送られたソーは失った力を取り戻そうとするが、地球征服を企む敵がソーを葬ろうと闇の軍勢を送り込んでくる。堕ちた雷神ソーは強敵と戦うために立ち上がり、真のヒーローとしての力に目覚めていく。
アイアンマン2の最後から繋がる形で始まり、アベンジャーズ計画が本格的に始動し始めた作品だと思った。北欧神話が取り入れられていて今まであまり見た事がない感じの作品だが、とっつきにくさは無くあまり詳しくなくても楽しめると思った。
16.キャプテンアメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(映画)
監督 ジョー・ジョンストン
〈あらすじ〉
第二次世界大戦下の1941年、ナチスとの戦いに志願することを決意した青年スティーブは、その強い愛国心に突き動かされて軍の極秘計画たる“超人兵士計画“に参加する。普通の人間だったスティーブは“キャプテン・アメリカ“となり、最強の男に変身するが……。
鑑賞する前からアベンジャーズの事は知っていたが、作品が始まるとそれまでのマーベルシリーズよりも前の時代のことだったので、結末に驚かされた。思っていたよりも、戦争の事やナチスに関係する事が多く、ヒーロー作品と言うよりも戦争作品のように感じた。
17.アベンジャーズ(映画)
監督 ジョス・ウェドン
〈あらすじ〉
謎の敵が現れ、地球は滅亡の危機に陥る。秘密組織S.H.I.E.L.D.のニック・フューリーは、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクら最強のヒーローたちを集めたスーパーチーム“アヴェンジャーズ”を結成する。だが、意思に反してチームの一員になった彼らは共に戦う事を拒絶。そんな中、恐るべき敵の計画が進行していく。
個性の強いヒーローが上手くひとつにまとまって戦うのに時間がかかりすぎだと思ったが、最終決戦で集合した時の感動は凄かった。それぞれのアクションや戦闘などそれぞれの強みが存分に活きていてキャラクターが多い中、時間配分が完璧だと思った。
またロキという明確な敵を置きつつ、その奥にサノスの存在を示していたり、インフィニティストーンの事も出していて今後のこともすごく練られていると思った。
18.アイアンマン3(映画)
監督 シェーン・ブラック
〈あらすじ〉
地球を襲った未曾有の危機をアベンジャーズの一員として救ったアイアンマン=トニー・スタークは、あれから1年が経っても苦悩し、悪夢にうなされる日々を送っていた。そんな折、“マンダリン“と名乗る謎のテロリストがスタークに攻撃を仕掛けてきて……。
トニーがアベンジャーズの戦い以降PTSDになってしまったり、1.2よりもトニーの心情を多く描いていてよりヒーローも1人の人間であるということが語られていると感じた。また、今作はヒーロースーツを着ないで戦うシーンが多く、スパイダーマンで「スーツがないとダメなやつにスーツを着る資格はない」というのはここから繋がっていると思った。
19.マイティ・ソー ダークワールド(映画)
監督 アラン・テイラー
〈あらすじ〉
ソーが宇宙の秩序を取り戻す為に戦い続ける中、復習に燃えるマレキス率いる古代の軍が再び宇宙を闇で覆ってしまう。ソーの父オーディンでさえ敵わない敵を倒すには、危険な旅とわかっていても行くしかない。ソーが愛する人を守るために手を組んだのはなんと宿敵のロキだった。
母の死や兄弟で共闘するシーンなど、兄弟愛や家族愛が描かれていると感じた。1作目よりファンタジー要素が増えより神話的な内容が増えたと思った。母の死によりロキの内面がすこし見えたような感じがしたが、全然反省しておらず今後どうなっていくのかがとても気になる。
20.キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー(映画)
監督 アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ
〈あらすじ〉
アベンジャーズのメンバーとともに最大の危機から地球を救ったキャプテン・アメリカ。それから2年、彼は国際平和維持組織“シールド“の一員として活動していた。ある日、長官が何者かに襲われ、その事件を機に仲間であるはずの“シールド“から命を狙われ……。
スピード感のある展開だったけどきちんと内容は分かり、登場人物たちの関係性や対比が綺麗に纏められていると感じた。ファルコンやブラックウィドウとの連携やアクションも迫力があり、他作品とは違い緊張感を感じられる戦闘シーンだと感じた。
21.アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン (映画)
監督 ジョス・ウェドン
〈あらすじ〉
トニー・スタークはさらなる強敵に備え、愛する人を守るべく禁断の平和維持システムである人工知能“ウルトロン“を起動させた。ところが、愛なき人工知能が選択する究極の平和は、人類の抹消を意味していた。人類滅亡の危機にアベンジャーズが再び集結する。
アイアンマン3を観ているからトニーの言い分も理解出来るところや、ウルトロンをただの悪として考えられない所、ワンダとシルバーの事などこれまでのストーリーが繋がってきているように感じた。ヒーロー達は性格が合わず仲が良くないけど、その分敵を前に共闘するシーンが際立つと感じた。
22.シビル・ウォー キャプテンアメリカ (映画)
監督 アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ
〈あらすじ〉
世界を救う一方で人的・物的被害を拡大させたアベンジャーズは、政府組織の管理下に置かれ許可なしでの活動を禁じられてしまう。アイアンマンは賛成するがキャプテン・アメリカは強く反発し、すれ違いはエスカレートしていく。そんな中、テロ事件が発生する。
キャプテンアメリカの映画だけどアベンジャーズだと思うくらいヒーロー達に焦点が当てられた作品。今までのアベンジャーズの戦闘によって出た一般人への被害がテーマにあり、アイアンマンとキャプテンのそれぞれヒーローになった経緯から対立したが、両方の思いも理解出来るからこそそれぞれが葛藤しているのだと思った。
23.ブラックウィドウ
監督 ケイト・ショートランド
〈あらすじ〉
アベンジャーズのシールドとして活動するナターシャがスパイとしての過去やアベンジャーズになる以前に関係が壊れた偽の家族と対峙する。
アイアンマン2で突然登場したナターシャのバックグラウンドがエンドゲーム前に描かれていて良かった。3年間の偽物の家族だったけど、3年間での記憶はそれぞれにちゃんと家族愛があって、『本当の血縁関係よりも強い繋がりの家族を見つける話』というテーマでナターシャの家族はオハイヨの4人であり、エンドロールがアベンジャーズのからアベンジャーズでもあると思った。
24.スパイダーマン ホームカミング (映画)
監督 ジョン・ワッツ
〈あらすじ〉
スパイダーマンとして活動する15歳のピーターは、部活のノリで街を救うヒーロー気取りの高校生。アイアンマンことトニー・スタークに新しいスーツも作ってもらったピーターは有頂天になり、怪物退治に乗り出そうとするが、スタークに止められてしまい……
今までのスパイダーマンの主人公は大人びている人が多かったが、年齢相応のヒーローに憧れる少年が主人公になっている。これまでのアベンジャーズシリーズを考えると、今までのピーターの性格だと合わないので、一から作り直したように感じた。
25.マイティ・ソー バトルロイヤル(映画)
監督 タイカ・ワイティティ
〈あらすじ〉
ハンマーを奪われ、はるか彼方に収監されてしまったソー。アスガルドの全ての文明を滅ぼしてしまう「ラグナロク」を止めるため、アスガルドへ急ぎ戻らなくてはならない。ソシテアスガルドには死の女神ヘラによる支配の危機が迫っていた。ヘラとの戦いの前に、ソーはアベンジャーズの仲間でありかつての戦友でもある超人ハルクとバトルロイヤルで戦わなければならなかった。
ユーモア多めの作品だと思っていたら、インフィニティーウォーに繋がる重要な作品だった。それまでハンマー頼りだったソーが実はハンマーはソーの力を抑えるためのもので、ソーが自らの力に気づき雷の神として覚醒する物語。
26.アベンジャーズ インフィニティウォー
監督 アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ
〈あらすじ〉
6つすべてを入手すると世界を滅ぼす力を得られるというインフィニティ・ストーン。その無限大の力を秘めた石を狙う最強の敵、サノスを倒すため、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、スパイダーマンら最強ヒーローチーム・アベンジャーズが再び団結する。
ヒーローが集結して全ての戦力をかけて戦ったのに敗れてしまい、バットエンドで終わったのは衝撃的だった。サノスもただの悪ではなく、信念がちゃんとあって世界のために行動してきたというのが伝わり、互いに世界を良くしたいと思っていたけどその考えがすれ違ってしまっていたのだと感じた。
27.アベンジャーズ エンドゲーム
監督アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ
〈あらすじ〉
全生命の半数が消滅した後の世界。残されたキャプテン・アメリカたちと宇宙に取り残されるもキャプテン・マーベルによって救出され地球に帰還したアイアンマンらはサノスの居場所を発見し、ガントレットの奪還を計画。彼らは農場にいるサノスと対峙するが……。
まさにMCUの集大成で3時間もあるのに全く飽きずに干渉することができた。この作品を見るにあたって絶対にこれまでの21作品を見る必要があると思った。アイアンマンで始まりアイアンマンで終わったり、キャプテンが過去に戻ってペギーと家庭を築いたことで世代交代が始まったのだと感じた。
28.バーバパパ (1990年版)
作者 アネット・チゾン タラス・テイラー
〈あらすじ〉
庭から生まれたバーバパパは、どんな形にも変形する力「バーバトリック」を持つ不思議な生き物。バーバママとの間に7人の子供も生まれ、バーバ一家は人間の子供たちと一緒に遊び、いろいろな発見をし、時には社会問題にあたっていく。
基本的に登場人物はどこかぶっ飛んでいるところが多いため、内容もびっくりするような事が多い。1話でフランソワがバーバパパを連れて来たらお父さんがそんなもの捨てなさいと伝えたが、バーバパパが活躍すると歓迎したり、10、11話でバーバ家の家問題など人間の裏の部分や環境問題など社会風刺的な面も持ち合わせている。キャラクターが話しているところは口が動かないため絵本が動いているようなファンシーな雰囲気だと感じた。
29.夜が明けたらいちばんに君に会いに行く(映画)
原作 汐見夏衛
監督 酒井麻衣
〈あらすじ〉
周囲の空気ばかり読んでしまう優等生の茜と、自由奔放で絵を描くことを愛する銀髪のクラスメイト・青磁。茜は何もかもが自分とは正反対の青磁のことを苦手に思っていたが、青磁が描く絵と、そのまっすぐな性格にひかれ、2人は少しずつ距離を縮めていく。やがて、そんな2人の過去が重なりあい、これまで誰にも言えなかった思いがあふれ出す。
「俺お前のこと大っ嫌い」というセリフから始まり、映画を通して青磁が一度も茜に「好き」という言葉を言っておらず、恋愛映画としては珍しい作品だと思った。冒頭のセリフや茜と青磁の関わりが全然無かったのに、美術の授業での「いつもマスクで内心を隠している」という青磁からのメッセージや、大嫌いと言いながらも常に茜を気にかけている青磁の様子から、2人の関係がどういうものなのか掴みにくかった。しかし二人が同じ小学校に一時期通っていた事を青磁は覚えておりその当時茜は青磁にとってのヒーローのような存在だったが茜の性格が変わってしまい本当の茜の性格を知っているからこそ青磁は茜に対して嫌な態度をとってしまったのだと思った。
コロナ禍を通してマスクをしている人が増えた今だから主人公の茜に共感しやすいと思った。青磁と関わっていくに連れて茜の
しかしラストの5年後に茜が父親と電話している時に突然口笛が聞こえて、音の方へ向かうと青磁の描いた絵が飾ってあり、そこで再会するというシーンは口笛は絶対に届かない距離なので他に何か二人が再開するきっかけになる方法は無かったのかなと思った。
主題歌の「グラデーション」は1番の歌詞は青磁目線、2番の歌詞は茜目線で書かれていて映画にとてもマッチしていた。
30.ミュージカル 黒執事 寄宿学校の秘密
原作 枢やな
脚本 Two hats Ltd. 演出 松崎史也
〈あらすじ〉
19世紀の英国。ヴィクトリア女王の裏の仕事を請け負う悪の貴族ファントムハイヴ家の万能執事、セバスチャン。その正体は悪魔。呪われし運命に立ち向かう孤高の若き当主シエルとの契約のもと、シエルの影となり、裏社会の事件を闇で片付けている。
ある日、女王のいとこであるクレメンス公爵の息子デリックが去年の夏休みから帰省しておらず、その原因を調査して欲しいと女王より依頼の手紙が届く。セバスチャンとシエルはデリックが通っている名門寄宿学校の先生と生徒になりすまし、潜伏調査を開始。寄宿学校という、伝統と戒律に守られた閉鎖空間に潜入した二人が辿り着いた真相とは_。
ストーリーや登場人物の言動など細かいところまで忠実に再現されており世界観を壊さずにミュージカルに落とし込まれていた。舞台装置が2階構造になっており床が回転することで裏表どちらも利用し空間を広く使うことで内容に幅を広げていると思った。今回の舞台では初めに黒執事の内容を軽く振り返る事で寄宿学校編の内容にスムーズに入る事ができると思った。