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2年 小野寺 RES
春休み課題11~20

11.『カーズ2』(アニメ映画)監督:ジョン・ラセター

ジョン・ラセター監督によるピクサーアニメ「カーズ」の続編。前作に続きラセターが監督を務める。天才レーシングカーのマックィーンとおんぼろレッカー車メーターの珍コンビが、前作の舞台ラジエーター・スプリングスを飛び出し、日本をはじめフランス、イタリア、イギリスとワールド・グランプリレースを転戦。その道中でスパイ工作に巻き込まれていく姿を描く。

ワールドグランプリの初戦が日本を舞台にしており、「海外から見た日本のイメージ」が分かる作品となっていると思う。日本の代表的なアーティストとしてperfumeが選ばれていることも個人的に嬉しいポイントだ。車の車種をそのままキャラクターとしての性格や役割に当てはめている所も興味深いと思った。

12.『チェンソーマン』(漫画)作者:藤本タツキ

騙され借金まみれで、貧乏な生活を送っていた少年デンジ。チェーンソーの悪魔のポチタと共にデビルハンターをしながらどうにか生きていたが、ある日残虐な悪魔に狙われてしまい、ポチタをその身に宿すことになる。謎多き女性マキマに連れられ、公安で働くことになるが…。

2022年にアニメの放送が決定している今作。複雑で濃い内容でありながら、ジャンプ作品では珍しく11巻完結という短さで、スピーディーに進む展開は作者の技量の高さを窺わせる。絵の見せ方が独特で、作風も相まって作品のダークな世界観をより一層引き立てていると考える。

13.『ルックバック』(漫画)藤本タツキ

自分の才能に絶対的な自信を持つ藤野と、引き込もりの京本。田舎町に住む2人の少女を引き合わせ、結びつけたのは漫画を描くことへのひたむきな思いだった。ジャンプ+で最多閲覧をたたき出した長編読切。

タイトル通り背中を映したコマが多く登場し、印象的に描かれているのが、この作品の大きな特徴だ。2019年に起きた京都アニメーション放火殺人事件をモチーフにしていると思われ、主人公たちの漫画や創作にかける情熱と呼応してメッセージ性の高い内容となっていると考えられる。そのためか、本作の配信直後に多くの漫画家や漫画関係者、その他著名人が反応を示したことも興味深い。


14.『ブルーロック』(漫画)原作:金城吉幸 著:ノ村優介

2018年、W杯、日本代表ベスト16敗退…。これを受け日本フットボール連合は、W杯優勝のため、300人の高校生を集めた育成寮“青い監獄(ブルーロック)”を設立。コーチを務める男・絵心甚八は、日本に必要なのは「エゴイズムにあふれるストライカーだ」と断言。無名のFW・潔 世一たちは、己をエゴイストに変える蹴落とし合いの選別に挑む!

昨年の作品紹介で興味を持ち読んだ。ただのスポーツ漫画ではなく、サッカーとデスゲームを掛け合わせた内容が新鮮だった。原作担当の金城さんの他の作品は読んだことがあったが、本作でも才能が遺憾なく発揮されていると思う。さらに、その原作を引き立てる作画がとてもエネルギッシュで、サッカーをやったことがなくても楽しめる作品となっていると思う。


15.『アオアシ』(漫画)作者:小林有吾

愛媛に暮らす中学3年生青井葦人は、ある日、Jリーグのユースチーム監督・福田達也と出会う。粗削りながら、無限の可能性を秘めたアシトを、福田は自チームのセレクションに誘い!?
日本のサッカーを変えることになる少年の運命は、ここから、急速に回り始める―――!!

スポーツ漫画=部活動が舞台というイメージが強いが、この作品は「Jユース」のサッカーを描いている所が他作品と大きく違う特徴だ。サッカー理論がたくさん出てくるため、サッカー経験者はより楽しめると思う。サッカーを知らなくても、絵から伝わる熱量や主人公たちの泥臭い成長が感動間違いなしの作品となっていると思う。

16.『約束のネバーランド』(漫画)原作:白井カイウ 作画:出水ポスカ

母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。ここグレイス=フィールドハウスは小さな孤児院。至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る3人の主人公エマ、ノーマン、レイ。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…子供達を待つ数奇な運命とは…!?

ジャンプ作品では珍しい、繊細で可愛らしいタッチの絵柄とは裏腹に、残酷で度肝を抜く怒涛の展開に引き込まれること間違いなしの作品。コマ割りや構図が絶妙で、特にサスペンス要素の強い「脱獄篇」をより引き立てている。アニメのみ見た人は、ぜひ漫画でも読んでみてほしい。

17.『タコピー原罪』(漫画)作者:タイザン5

地球にハッピーを広めるために降り立ったハッピー星人タコピーは、笑わない少女しずかちゃんと出会う。どうやらその背景には学校のお友達とおうちの事情が関係しているようで…。無垢なタコピーはみんなをハッピーにできるのか、衝撃のヒューマンドラマ。

作者が「陰湿なドラえもんをやりたい」と公言している通り、純真無垢なタコピーと現実の闇の対比が興味深い作品だと思った。タコピーはデフォルメされた可愛らしい作画の一方、その他の登場人物は書き込みが多いため、作画でも差別化が図られているのかもしれない。さらに、タイトルの「原罪」というワードが、物語の様々な場面で想起され、2巻完結とは思えない内容の濃さを生み出していると感じた。

18.『来世は他人がいい』(漫画)作者:小西明日翔

極道の家で生まれ育った女子高生、染井吉乃。家庭環境は特殊でも、おとなしく平穏に日々を過ごしてきた。婚約者の深山霧島と出会うまでは…。ヤクザの孫娘×ヤクザの孫息子! はみだし者2人が織りなす、スリルと笑いがつまった恋物語。

「極道の若頭との恋」は、少女漫画ではよくありがちな設定だ。しかし、大抵ヒロインはごく普通の女の子であることが多い。しかし、この作品ではヒロインとヒーローともに性格がぶっ飛んでいる所が見どころだ。絵柄は独特なため、私自身は当初読もうと思っていなかったが、テンポ感のいいセリフ、見せ場のコマや秀逸な構図にいつしかハマっていた。

19. 『とんがり帽子のアトリエ』(漫画)白浜鴎

小さな村の少女・ココは、昔から、魔法使いにあこがれを抱いていた。だが、生まれた時から魔法を使えない人は、魔法使いになれないし、魔法をかける瞬間を見てはならない……。そのため、魔法使いになる夢は、諦めていた。だが、ある日、村を訪れた魔法使い・キーフリーが、魔法を使うところを見てしまい——。これは、少女に訪れた、絶望と希望の物語。

精緻な作画が生み出す魔法の世界が、この作品の最大の魅力だろう。「魔法」の設定も他作品とは違った特徴があり、引き込まれること間違いなしだ。ファンタジー作品は、1から設定を考え、辻褄を合わせたうえで主人公たちの物語に上手く絡めて行かなければならないため、大変だと思うが、全てにおいて丁寧に作り込まれているのだなと感じた。


20. 『明日、私は誰かのカノジョ』(漫画)作者:をのひなお

「一週間に一回、私は【誰か】の彼女になる」 彼女代行として日々お金を稼ぐ女子大生と彼女に魅せられた男達の、恋愛のリアルを描くビターラブストーリー。第1巻は主人公の雪を偽の彼女としてレンタルした若きサラリーマン、壮太と雪の歪な恋愛模様を描く。各章ごとにピックアップされる女性たちのヒューマンドラマ。

コンプレックスや心の闇を持つ女性たちの内面を繊細に描き出した作品だと感じた。特に興味深いのが、作品に登場させる小物の描き方だ。例えば、化粧品がデパコスなのかプチプラなのか、服装や髪、ネイルに気を使っているかなど、小物で主人公たちの価値観や生活が想像でき、作者が細かく考えて描いているのだなと感じた。
2022/04/06(水) 00:43 No.1840 EDIT DEL
2年 小野寺 RES
春休み課題1~10

1.『劇場版 呪術廻戦0』(アニメ映画)原作:芥見下々 監督:朴性厚

幼少のころに幼馴染の折本里香を交通事故により目の前で失った乙骨憂太は、怨霊と化した里香の呪いに苦しめられていた。自身の死を望む乙骨だったが、最強の呪術師・五条悟によって、呪術を学ぶ呪術高専に入学し、里香の呪いを解くため、同級生たちと奮闘する。しかし、かつて大量虐殺をし高専を追放された最悪の呪詛師・夏油傑が現れ…

大人気漫画の前日譚を描くものだが、原作を知っていてもいなくても楽しめる構成になっており、一貫した「愛と呪い」というテーマも相まって、一本の映画として楽しめる見応えがあると感じた。映画作品ということで、TVアニメとは違った音楽の壮大さやカット割り、アクションシーンの迫力が楽しめ、TVアニメとしての演出と映画としての演出の違いを見つけられて興味深かった。

2.『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』(アニメ映画)原作:吾峠呼世晴 監督:外崎春雄

蝶屋敷での修行を終えた炭治郎たちは、次なる任務地、≪無限列車≫に到着する。そこでは、短期間のうちに400人以上もの人が行方不明となっていた。炭次郎たちは、鬼殺隊最強の剣士である≪柱≫の1人、炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、鬼に立ち向かうことになる。

圧倒的な映像美にとても驚かされた。劇場で見なかったことがとても悔やまれる。途中「夢の中」として様々な場面が描かれたとしても、基本的には列車内のみで空間が完結するのにも関わらず、観客を飽きさせず、映画としての面白さを失っていないところが興味深かった。また、「夢の中=水中」という演出が、幸せな夢であっても息ができない死と隣り合わせの場所であることの暗示なのかと感じた。

3.『AKIRA』(アニメ映画)原作・監督:大友克洋

翌年にオリンピックを控えた2019年のネオ東京。ある夜、金田をリーダーとするバイク集団メンバー鉄雄が負傷した。彼は突如現れた軍用ヘリでラボに運ばれ、不思議な力に覚醒する。一方、街ではゲリラたちによる銃撃戦が始まり、謎の軍用兵器「アキラ」の覚醒が予言されていた。1988年に世界を震撼させたアニメ史に残る傑作。

東京五輪の延期を予言していたのではないかということや、有名なバイクシーンが数々の作品に影響を与えているため興味を持った。独創的な世界観と緻密なアニメーション技法が駆使されており、本当に30年以上も前の作品なのかと目を疑った。内容を100%理解することはできなかったが、テーマである「破壊の後の“再生”への願い」という部分は、第三次世界大戦後の日本、アキラの覚醒とその後など、随所に見られ、今のコロナ禍だからこそ訴えかけるものがあったように思う。また、音楽が独特で、民族音楽的な言葉や息遣い、打楽器が多用され、劇伴的要素とSEの要素が合わさっていると感じた。

4.『ズートピア』(アニメ映画)監督:バイロン・ハワード

動物たちが高度な文明社会を築いた世界「ズートピア」。各々の動物たちには決められた役割があり、農場でニンジン作りに従事するのがウサギの務めだったが、ウサギの女の子ジュディは、サイやゾウ、カバといった大きくて強い動物だけがなれる警察官に憧れていた。史上初のウサギの警察官として希望に胸を膨らませて大都会ズートピアにやってきたジュディだったが、ひょんなことからキツネの詐欺師・ニックとともにカワウソの行方不明事件を追うことになる。第89回アカデミー賞長編アニメーション受賞のディズニー作品。

動物同士の比率や動物的特徴を捉えた設定や演出が随所に見られ、物語やキャラクターだけではない細かいところまで楽しめる作品だ。また、動物がキャラクターだからこその表情の可愛さも必見だろう。最初はジュディの成長を描く物語かと思いきや、本能と理性、先入観や差別など社会的テーマが盛り込まれている所も秀逸だなと感じた。

5.『伏 鉄砲娘の捕物帳』(アニメ映画)原作:桜庭一樹 監督:宮地昌幸

祖父の死をきっかけに山を下りた、猟銃使いの少女・浜路。観るもの聞くもの初めてづくしのその町で、彼女は奇妙な噂を耳にする。それは人と犬の血を引き、人に化けて暮らし、人の生珠(いきだま)を喰らう<伏>と呼ばれる者たちのこと。そして、彼らが起こす凶悪事件について。居場所を探して彷徨う浜路は、やがて、犬の面をつけた白い髪の青年・信乃と出会う。<伏を狩らねばならない>猟師の少女と、<人に狩られる>運命を背負った青年の出会い、初めての想い、そして、それぞれの決断の物語。

南総里見八犬伝から着想を得た作品。江戸の様々な文化が登場し、大学で日本文化史を学んだこともあって、映画が公開された当時以上に楽しめた。原作は約500ページもある為、映画ではカットされている所が多い。しかし、浜路と信乃の関係に焦点を当てた物語展開が、2時間弱で収めなければいけない映画の分かりやすさやテーマの一貫性に繋がっているように感じた。また、犬が人に化ける、歌舞伎として男が女に化ける、自分の気持ちを偽る(=化ける)など「化ける」ということが裏テーマなのかなとも感じた。

6.『プロメア』(アニメ映画)監督:今石洋之
全世界の半分が焼失したその未曽有の事態の引き金となったのは、突然変異で誕生した炎を操る人種〈バーニッシュ〉の出現だった。その出現から30年、攻撃的な一部の面々が〈マッドバーニッシュ〉を名乗り、再び世界に襲いかかる。対バーニッシュ用の高機動救命消防隊
〈バーニングレスキュー〉の燃える火消し魂を持つ新人隊員・ガロと〈マッドバーニッシュ〉のリーダー・リオ。熱き魂がぶつかりあう、二人の戦いの結末は―。

音楽を担当する澤野弘之氏が好きなことがきっかけで見た作品。人間ドラマや差別を描いた内容の中に、ロボットアニメ的要素があり、3DやCGを駆使しつつも滑らかな動きやアクションは迫力満点だ。さらに、直線的な作画が独特で、カメラワークも立体的だった。場面の切り替えが特徴的で、2・3回カチカチと点滅した後にカットが切り替わることが多く、個人的には「まばたき」を模しているのかなと考えた。

7.『千と千尋の神隠し』(アニメ映画)監督:宮崎駿
両親と共に引越し先の新しい家へ向かう10歳の少女、千尋。しかし彼女はこれから始まる新しい生活に大きな不安を感じていた。やがて千尋たちの乗る車はいつの間にか“不思議の町”へと迷い込んでしまう。その奇妙な町の珍しさにつられ、どんどん足を踏み入れていく両親。彼らは“不思議の町”の掟を破ったために豚にされてしまい……。巨匠・宮崎駿監督が前作「もののけ姫」とは対照的に、現代日本を舞台に少女の成長と友愛の物語を描く、“自分探し”の冒険ファンタジー。

私は、この作品の最大のモチーフは「水」ではないかと考える。例えば、現実の世界と不思議の街の境界線となっている「川」や穢れを祓う「風呂」などだ。その他にも日本の神話や民族学、思想などから着想を得ているだろうモチーフや演出が見られ、宮崎駿の作品へのこだわりが詰まっているなと感じる。この日本的な面白さがアカデミー賞受賞にも繋がっているのではないだろうか。

8.『東京卍リベンジャーズ』(漫画)作者:和久井健
ダメフリーター花垣武道は、ある日ニュースを見ていると、最凶最悪の悪党連合”東京卍會”に、中学時代に付き合っていた人生唯一の恋人が殺されたことを知る。壁の薄いボロアパートに住み、レンタルショップでバイトしながら6歳年下の店長にこき使われる日々。人生のピークは確実に彼女がいた中学時代だけだった…。そんなどん底人生まっただ中のある日、突如12年前へタイムリープ。恋人を救うため、逃げ続けた自分を変えるため、人生のリベンジを開始する。

ヤンキー漫画としての熱い人間ドラマとタイムリープものとしての複雑な物語展開が見事に絡み合った作品だと思う。ヤンキー漫画はいわゆる暴力シーンも多いため、読む人を選びそうだが、物語の面白さに加え、アニメや実写映画化されたことで幅広い層に人気となっているのではないかと感じた。また、電子書籍が普及し、スマホで漫画を読むことが増えた昨今では、紙ではなくスマホで読んだ時の画面構成を意識する作家もいる。しかし、本作は重要な見せ場で見開きによる大ゴマでの表現が多いことが特徴的だなと感じ、ぜひ単行本で読んでほしいなと思った。また、その見開き表現も、背景をカットして表情とセリフのみを見せるシンプルなものが多く、読者を引き込む魅力に繋がっていると感じる。

9.『86-エイティシックス-』(TVアニメ)原作:安里アサト 監督:石井俊匡

星歴2148年。サンマグノリア共和国は隣国ギアーデ帝国が投入した完全自律型無人兵器「レギオン」の侵攻に対し、同様の無人兵器「ジャガーノート」を投入。流血無き戦場を作り上げる事で脅威を退けていた。しかし、その実態は多数派民族である白系種以外を人間と見做さない狂気の差別思想から生み出された「有人搭乗式無人機」であり、搭乗させられた少数派民族は共和国85行政区の外へ追いやられた人型の家畜、「エイティシックス」と蔑まれながら絶死の戦場を戦い続けていた。そんな中、白系種でありながら軍内で差別政策撤廃の活動を行う士官ヴラディレーナ・ミリーゼは、管制担当者に多数の退役者や自殺者を出し「死神」と呼ばれるエイティシックスが居る部隊の管制を任される。

この作品も音楽担当の澤野弘之氏が好きであることから見始めた。アニメーションとしての映像美と見応えのあるロボットアクションが特徴的で、ライトノベルが原作でありながら、差別や偏見といった重いテーマを軸にしていると感じた。指揮官と前線で戦う兵士をつなぐ知覚同調〈パラレイド〉と呼ばれる特殊装置が登場するが、これによって、感覚は繋がっていても、空間の断絶や潜在的な差別意識によって精神的には大きな隔たりがあることが表現されているなと感じた。

10.『ふしぎの国のアリス』(アニメ映画)原作:ルイス・キャロル

ある日の昼下がり。静かな川辺の野原で、アリスはチョッキを着ている白いうさぎが大きな懐中時計を持って走り去るのを見て、必死で白ウサギを追いかけた。彼女は白ウサギを追ううちに大きな穴に入り、ふしぎの国へと迷い込んでしまう。

ルイス・キャロルの普及の名作だが、意外と物語を知らないという人も多いのではないだろうか。私は原作も読んだことがあったが、言葉遊びが多く含まれ、タイトルド通りのヘンテコな世界観のため、よくわからなかった。ディズニーは、その奇妙さをアニメーションによる映像や色彩、セリフ回しなどでしっかりと表現しているように思う。また、ロトスコープによって口や手などが滑らかではあるが、アニメーションとしては過剰気味に動くため、奇妙でどことなくグロテスクな世界観をより増幅させているのではないかと思った。

2022/04/06(水) 00:41 No.1839 EDIT DEL
2年 大橋  RES
春休み課題11~20

11.『イルカと日本人 追い込み漁の歴史と民俗』(小説)
著者 中村羊一郎
 村全体で一体となり、イルカの大群を捕獲する。かつて日本でもイルカの追い込み漁が行われていたのだ。その実態と歴史を、現地調査と資料を駆使して初めて体系的に分析し、追い込み漁批判に対して客観的な事実を提示して冷静な議論を求める。

 私は授業の一環でこの本を読むことにしたのだが、イルカ漁に対する色々な人の想いを知ることが出来た。イルカ漁が残酷なことは映像を見るだけで明らかだが、イルカだけが特別な扱いを受けているのはどうなのかという疑問も浮かんできた。普段から動物を食している我々にとって、それらが無くなることは貴重なたんぱく源の摂取が困難になる事を意味する。どの動物にも平等な扱いをすべきだという反面、可哀そうという気持ちが出てきてしまう葛藤。命の大切さについて考えさせられる一冊だった。

12.『コタローは一人暮らし』(アニメ)
原作:津村マミ
監督:牧野友映
 ある古アパートに4歳の男の子、さとうコタローが1人で引っ越して来た。 隣人で売れない漫画家、狩野進や同じアパートの住人達から優しいサポートを受けながら、彼らを上回る生活力で立派に一人暮らしを送るコタローの姿を、1話完結で描く笑いあり涙ありのコメディ作品。

 コタローという4歳の小さな子供が抱える壮絶な過去の重さにまず驚いた。更にそのことを表に出さず、まるで大人のような振る舞いを見せるコタローの背中にはどこかしら切なさを感じさせられる。そんなコタローを支えるべく動く住人達の暖かさに涙ぐんでしまうシーンも多かった。


13.『進撃の巨人 The Final Season Part2』(アニメ)
原作:諫山 創
監督:林祐一郎
 ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。それでもなお、彼らは進み続けなければならない。壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。
—やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。
ずっとそう信じてた……」壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。
果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。(TVアニメ「進撃の巨人」The Final Season 公式サイトより)

 伏線回収が評判を呼んでいる本作であるが、漫画を初めて読んだときに感じた驚きはアニメでも感じることが出来た。MAPPAが手がけるThe Final Seasonの雰囲気が作品に良く合っており、話数を重ねるごとに表現力の向上が見られるようにも感じられた。

14.『坂本ですが』(アニメ)
原作:佐野菜見
監督:高松信司
クール、クーラー、クーレスト高校生。入学早々、学校中の注目を集める一人の生徒、坂本。彼にかかれば、ただの反復横跳びは、秘技「レペティションサイドステップ」へと変貌し、上級生からの「パシリ」は、「おもてなし」へとクラスチェンジする。そんな彼のクールな一挙手一投足から、目が離せないギャグ作品だ。
 
 なんでも器用にこなす坂本。それにときめく女子と嫉妬する男子生徒たちが繰り広げる学園ギャグ物語に笑いが止まらないシーンも多かった。ぎすぎすとした雰囲気から次第に仲睦まじい様子になっていく過程も見ものだ。更にキャストも豪華で、原作者佐野菜見さんのデビューであるにも関わらず完成された作品のように感じられた。

15.『劇場版ポケットモンスター ミュウと波導の勇者 ルカリオ』(アニメ)
原作:ポケットモンスター
監督:湯山邦彦
 勇者アーロンを称える祭りに参加するため、サトシたちはオルドラン城へで開催されるバトルに参加することに。そこで優勝したサトシは表彰で渡された杖からルカリオというポケモンの声を聞いた。それと同じ頃サトシの相棒ピカチュウとニャースがミュウに連れ去られてしまう。ピカチュウを取り戻すためサトシたちは「はじまりの樹」へと足を運ぶことに。師アーロンに裏切られたというルカリオの考えは誤解で、アーロンはルカリオをかばっていた真相が判明する。ヒトとポケモンの想いが交差する物語。

 ポケモンと人が種の垣根を越えた強い絆を感じられる作品であった。また、シリアスなシーンでも時々入ってくるコメディ要素は視聴者の息抜きにもなっているような効果があるのではないかと考えられる。

16.『劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕』(アニメ)
原作:ポケットモンスター
監督:湯山邦彦
 ポケモンコレクターであるジラルダンという男は、海の神と崇められるポケモンルギアを手に入れるべく火の神ファイヤー、氷の神フリーザー、雷の神サンダーを手に入れようと動いていた。
一方サトシたちはアーカラ島という島に向かい入れられるも、ポケモンコレクターによる伝説のポケモンの支配が自然バランスの混乱を招いてしまう。それを阻止すべく奮闘していく物語。

 自分生まれる前の作品であるが、劇場版でお馴染みの伝説のポケモン達の登場は胸躍るものがある。また、アクションシーンの多さやアニメシリーズとの繋がりも原作を追うファンにとっては見物であろう。

17.『きのう何食べた?』(ドラマ)
作者:よしながふみ
監督:中江和仁、野尻克己、片桐健滋
 弁護士・筧史朗と美容師・矢吹賢二の2人は同じアパートで暮らすゲイカップルである。一見仲が良い二人だが、史朗は周りに自分がゲイであることを隠し肩身が狭い思いをしている。親にもこれからどうすべきなのかを言い出せず、挙句賢二ともぎくしゃくとした中になってしまう事に。
 
 ジェンダーという壁を強く感じる作品であった。自分の価値観を肯定する者、否定する者。色々な人がゲイであるという事にどういった理解があるかを考えながら生きていく史朗の辛さが伝わってくる。多様性が完全に認められることは難しくとも、この作品を通してジェンダーについて考える機会は設けられると感じた。

18.『ピーターラビット』(映画)
原案:ロブ・ライバー
ウィル・グラック
原作:ビアトリクス・ポター
監督:ウィル・グラック
 舞台はイギリスの湖水地方。青いジャケットがトレードマークのピーターと、自然を愛する心優しい女性ビアが暮らすお隣に、大都会のロンドンからちょっぴり神経質そうな男性トーマス・マグレガーが引っ越してきた。両親を亡くしたピーターにとってビアは心を許せるたった一人の女性だったが、マグレガーも美しくてピュアなハートを持つビアに次第に惹かれていき、ピーターとマグレガーは突如ライバルとなってしまう。いたずらを仕掛けてマグレガーを都会に追い返そうとするピーターに対し、マグレガーも大人げない行動で反撃に出る。

 仲が悪いピーターとマグレガーの喧嘩が時折面白く、笑いが自然と出てしまう作品だった。また悲しい過去や強い思いがあるが故に、普段は見ることが出来ないうさぎの多様な表情や行動は新鮮でありとても可愛いものでもあった。続編も視聴したい。

19.『ブルーピリオド』(アニメ)
作者:山口つばさ
監督: 浅野勝也
 主人公矢口八虎は、高成績だがタバコや酒もする不良優等生である。そんな彼は友達とつるむもつまらない日々を送っていた。ところがある日美術室で見た一枚の絵に惹かれ美術部に入部したことで、彼の人生は変わっていく。

 味気ない日々を過ごしてきた八虎の芸大を目指す強い心に惹かれる作品であった。また、八虎の周りの魅力的なキャラクター達も見どころの一つだ。同じ芸大を目指す仲間でありライバルである彼らとの対比表現が素晴らしかった。また紙や絵の質感の表現をアニメーションで表現する技能にも感動した。

20.『TOKYO 卍 REVENGERS EXHIBITION』(展示会)
開催期間:2022年1月29日(土)~2月14日(月)
開催場所:池袋 サンシャインシティワールドインポートマートビル4F展示ホールA
主催:株式会社ムービック
 
 現在連載中の東京卍リベンジャーズの原画展に足を運んだ。漫画、アニメ、実写映画の3つの展示を兼ね備えたもので、特に原作者和久井健先生による生原画の展示が多かった。普段は見ることが出来ない作品の裏側に迫った展示はとても迫力があり、目に焼き付いている。
また、作中でキャラクターが着ていた衣装の展示や等身フィギュア、キャラクターと行動を共に出来るようなプチイベントなどエンターテインメントに特化した展示会はいくら時間があっても足りないと感じるほどの満足感であった。
2022/03/29(火) 14:44 No.1838 EDIT DEL
2年 大橋 RES
春休み課題 1~10

1.『陳情令』(ドラマ)
原作:墨香銅臭
監督:鄭偉文、陳家霖
五大世家によって治められている世界。その中の一つである江氏の子として育てられた魏無羨は、藍氏の藍忘機と出会う。罪を被せられた魏無羨は消息を絶ちつが、その16年後莫玄羽の術によって復活を果たし藍忘機とも再会をする。この空白の16年の謎を巡っていくことに。

 墨香銅臭先生の作品を知るために鑑賞した。中国の人気俳優肖战と王一博が演じるメインキャラクターの魅せ方や息遣いに圧倒された。私は原作の小説を読んでからの鑑賞であったため全体像は把握していたが、散りばめられている伏線や言葉の重みを理解するためには一回見ただけでは足りないようにも感じられた。初見の方は50話もの膨大な話数に驚くとは思うが、「中華BL」から醸し出される雰囲気を楽しむことが出来ると思う。

2.『劇場版 呪術廻戦0』(アニメ)
原作:芥見下々
監督:朴性厚
 主人公乙骨憂太は幼いころ結婚を誓った幼馴染の祈本里香を交通事故で亡くした。それから怨霊となった里香は周囲の人々を傷つけ、そのことに苦悩していた乙骨は最強の呪術師である五条悟に導かれ、東京都立呪術高等専門学校に入学する。里香の呪いを解くべく歩み始める『呪術廻戦』の前日譚。

 原作である東京都立呪術高等専門学校、所謂呪術廻戦0の待望の劇場アニメ化。TVアニメシリーズと同様MAPPAによる制作がされたが、更なる映像美や迫力に息を呑んだ。主人公乙骨と里香、かつての親友五条と夏油といった魅力的なキャラクターが生み出す物語は、アニメやマンガを見ていない人でも楽しめる作品だと考えられる。高度なアニメーション技術を用いて作られた本作は必見だ。

3.『ACCA13区監察課』(アニメ)
原作:オノ・ナツメ
監督:夏目真悟
 13区に分かれた世界。その中の巨大統一組織であるACCA。ACCA本部の監察課副課長ジーン・オータスは「もらいタバコのジーン」という異名を持つ組織きっての食えない男。そんなジーンの元に迫る謎の影。世界の陰謀が、ジーンを絡め取ろうと動き出す。

 魅力的なキャラクターが多く登場する。その中でもジーンとその妹のロッタ、ジーンの友人ニーノの関係性がとても良かった。どこか怪しい雰囲気を醸し出すニーノとジーンのお互いを探り合うようなシーンは特に印象深い。また、作品内で出てくる料理も魅力的だ。お洒落な雰囲気の作品が好きな方におススメな作品。

4.『劇場版ポケットモンスター 水の都の護神ラティオスとラティアス』(アニメ)
原作:ポケットモンスター
監督:湯山邦彦
 世界一美しい街「アルトマーレ」で主人公サトシはラティオスとラティアスに出会う。この兄妹のポケモンは、アルトマーレの宝である「こころのしずく」を守っているという。しかしこの秘宝は怪盗に奪われ、宝を失ったアルトマーレの町は水害に襲われてしまう。この宝と町を守るべく、サトシと相棒のピカチュウは格闘していくことに。

 劇場版ポケットモンスターシリーズは昔一通り見たことがあったが、配信サイトにて一挙配信がされていた為久しぶりに鑑賞した。
本作に登場するアルトマーレという町はイタリアの首都ヴェネツィアがモデルとなっている。劇場版ポケットモンスターシリーズとしては初の実在する都市をモデルにしたという事で、かなり忠実に水と共存する人々の生活も描かれていた。ヒトとポケモンの繋がりの深さを感じられる作品であった。

5.『劇場版ポケットモンスター ギラティナと永空の花束 シェイミ』(アニメ)
原作:ポケットモンスター
監督:湯山邦彦
 本作は、前作の続きともいえるシナリオだ。
旅をしていたサトシ達の前にシェイミというポケモンが現れる。シェイミはサトシたちと会う前に、ギラティナとディアルガといった伝説のポケモン同士の争いに巻き込まれ疲弊していた。そんなシェイミは『グラシデア』という花が咲き誇る花畑に行くことが目的だという。伝説のポケモンとサトシたちに降り注ぐ困難を乗り越えていくストーリーだ。

 劇場版シリーズでは珍しい前作の続きともいえるストーリーはとても新鮮に感じられた。前売り券の売り上げも、当時としてはギネス認定がされるほどの好評だったことは作品を通して感じられた。また、敵サイドにもちゃんとした視点が向けられていることから感情輸入がしやすいようにも感じられた。

6.『劇場版ポケットモンスター アルセウス 超克の時空へ』(アニメ)
原作:ポケットモンスター
監督:湯山邦彦
 遥か昔、人間に裏切られたポケモンアルセウス。そのアルセウスが、人間に復讐するために激しい怒りとともに現代へと現れ、サトシたちが旅の途中たどり着いた町ミチーナを攻撃する。その時サトシたちを助けるため、前々作で壮絶なバトルを繰り広げたディアルガとパルキアが空間を切り裂いて現れる。さらに、そのバトルによって反転世界を汚され、ディアルガを追ってきたギラティナまでもが姿を現し、かつてない神々の戦いが始まる。

 前作、さらにその前の年の劇場版のストーリーの関連性が見られる作品であった。また美輪明宏さん演じる創造神アルセウスの迫力も素晴らしいものだ。劇場版ポケットモンスターシリーズはゲスト声優の登場が多いが、今作は違和感を感じさせない迫真の演技が特に印象に残った。

7.『魔道祖師 前塵編・羨雲編』(アニメ)
原作:墨香銅臭
監督:熊可
 日本では2018年にシリーズ第1期である前塵編が配信、2019年には第2期である羨雲編が配信された。
五大世家によって治められている世界。その中の一つである江氏の子として育てられた魏無羨は、藍氏の藍忘機と出会う。罪を被せられた魏無羨は消息を絶ちつが、その16年後莫玄羽の術によって復活を果たし藍忘機とも再会をする。この空白の16年の謎を巡っていくことに。

アニメシリーズではドラマ陳情令と違い、完結まで日本では配信されていない。しかし数々の伏線が張られているシーンが多いように感じられた。また、中国のアニメーション技術の高さにも驚いた。製作陣の豊富さはクレジットからも感じられるが、日本に劣らない最新技術を搭載した映像美は見物だ。

8.『極主夫道』(アニメ)
原作:おおのこうすけ
監督:今千秋
 『不死身の龍』と恐れられ、いくつもの組を潰した伝説も持つ龍。しかし彼は極道を辞め専業主夫の道を極めている。 掃除、洗濯、買い物に料理。町内会の付き合いも欠かさない。朝から晩まで会社で忙しく働いている妻のサポートも龍の役割だ。町内会婦人部の面々や、スーパーでパートとして働くヤクザの姉御など、個性的すぎるキャラクターたちが登場し、龍のクスっと笑える日常を描くギャグコメディ。

 家事をこなしていく中で時々出てきてしまう元ヤクザとしての顔がギャグ要素としてとても面白い。怖いように見せかけて節約をお心がけ、人に優しい接し方をするギャップは多くの人の心を掴んだだろう。
また、漫画のコマを使ったような演出はアニメーションにはあまり見られないものだったので新鮮だ。

9.『その着せ替え人形は恋をする』(アニメ)
原作:福田晋一
監督:篠原啓輔
 雛人形店を営む家で職人を目指す五条新菜はある日、学校で『コスプレ』衣装制作に励んでいた喜多川海夢と出会う。雛人形職人として細かな作業が得意な五条に惹かれる海夢は、彼と共にコスプレ世界へと踏み入れることに。

 雛人形という日本の伝統文化とコスプレという現代文化の共通点を感じられたことが第一印象であった。また海夢はコスプレの楽しさに、五条はコスプレ衣装制作を通して新しい発見があったりと二人の関係性の発展も見ていて微笑ましいものがあった。細かい衣装や人形の作画の丁寧さ、カメラワークも素晴らしかった。

10.『ルックバック』(漫画)
作者:藤本タツキ
 小学四年生の藤野歩は、スポーツ万能で友達も多いクラスの人気者。そんな彼女が去年から熱中しているのが、学級新聞に自作の4コマ漫画を載せてもらうことだった。起承転結がきちんとしており漫画を描く才能があると得意になっていた。
そんなある日、藤野は担任から隣のクラスの引きこもりの生徒・京本が、自分の4コマ漫画も学級新聞に載せてほしいと言い出したという。学校に顔も出さないようなヤツにおもしろいものが描けるのかと嘲笑する藤野だが、彼女の漫画を見て驚く。京本の漫画は、プロの作品のようなものであった。

 チェンソーマンが好きなことから藤本タツキ先生の作品である今作を読んだ。
自分の作品に自信があったが、京本の作品を観てから価値観が変わっていくという心理描写にまず惹かれた。引きこもりの京本との出会いから変わっていく藤野の気持ちの高低差の表現、作品の雰囲気と絵のタッチのマッチ具合が本当に素晴らしく、また二人の出会いがお互いの人生を色々な方向に変えていくという一種の恐ろしさに息を呑んだ。
2022/03/29(火) 14:43 No.1837 EDIT DEL
2年 高田(峻) RES
春休み課題11~20

 11.『SUITS season1』(ドラマ)
 制作:USAネットワーク

 日本でもリメイクされた、リーガルドラマ。自分に絶対の自信を誇る敏腕弁護士、ハーヴィー・スペクターと弁護士資格を持っていない天才頭脳の持ち主、マイク・ロスのコンビで繰り広げられる弁護士物語。

 基本的に一話構成なのだが、展開に無駄がなく、見やすい。主人公ハーヴィーが纏っているスーツがとても格好良く、ストーリー全体におしゃれな雰囲気をもたらす。しかし、弁護士ドラマではあるのだが、基本的には和解を求め、法廷で戦うという場面は少ない。その分キャラクターがしっかり出ているので、とても楽しい。

 12.『結婚できない男』(ドラマ)
 脚本:尾崎将也

 阿部寛演じる、建築家・桑野信介は40歳になるも、独身生活を謳歌していた。結婚する気はどころか結婚に対して批判的な考えを持っているが、周りの人間関係を通じてその考えが少しずつ変化していく。

 桑野という独特のキャラクターがとてもコミカルに描かれている。そして桑野を囲む周りの人間たちも、一見桑野を嫌っているようにみえて実は好意的に思っている描写が素晴らしい。コメディドラマでもありながら、大人の恋愛模様も見ることができる。何度でも繰り返してみたい作品である。

 13.『ウエスト・サイド・ストーリー』(映画2021年版)
 監督:スティーブン・スピルバーグ

 ニューヨーク、マンハッタンの西側では、ポーランド系アメリカ人非行グループ・ジェッツとプエルトリコ系アメリカ人非行グループ・シャークスが縄張り争いをしていた。ジェッツのリーダーであるリフは決着をつける決闘を申し込むため、元リーダーで親友のトニーを連れダンス会場に向かう。そこで、トニーはダンス会場でプエルトリコ系の女性・マリアと恋に落ちてしまう。しかし、マリアは敵対するシャークスのリーダー・ベルナルドの妹だったのである。

 50年代のアメリカで制作されたもののリメイクであるが、魅力や設定に古いものは現代でもとても面白いものであった。移民の問題などで世界情勢が揺れているが、この映画はそういった意味でとても歴史背景の勉強になるものであった。ミュージカル映画なので歌やダンスが随所にみられるが、色がとても鮮やかで耳で聴いて楽しいのだが、視覚情報からも楽しいのが魅力であった。

 14.『ドラゴン危機一発』(映画)
 監督:ロー・ウェイ

 タイの製氷工場に出稼ぎにやってきたチェンは、工場が麻薬を密売している秘密を知ってしまう。仲間が次々と殺されてしまう中で、手を挙げることを禁じられていたチェンはその掟を破り、大爆発する。

 ブルース・リーの出世作。リーのカンフーはまだ全盛期のものではないが、他者を寄せ付けない圧倒的な演舞に圧倒された。怪鳥音こそないが、リーらしい素手のみの武術は美しい。ストーリー的にはちぐはぐな部分も多く、多くの人間が虐殺されるのは気分の良いものではない。しかし、本場香港でヒットした理由はブルース・リーのスター性があったからであろう。

 15.『ドラゴン怒りの鉄拳』(映画)
 監督:ロー・ウェイ

 20世紀初頭の上海。精武門の師匠が謎の死を遂げる。弟子であるチャンは敵対していた日本人によるものと考え、単独で日本人の柔道場に乗り込み、勝利する。これに激怒した日本人たちは復讐を始める。

 ブルース・リーの人気を不動のものにした傑作。リーらしいマーシャル・アーツで魅了する。怪鳥音が初めて出された映画でもある。抗日映画ブームに乗ったものであるのか、日本人への悪者演出が多く、日本での公開が危ぶまれた。そのため、日本人がリー目的以外でみる際には注意が必要である。それを忘れさせるようなリーの格好良さも魅力的な作品ではある。

 16.『あたしンち』(アニメ)
 原作:けらえいこ

 母、父、みかん、ユズヒコのごく普通の家族の日常が描かれるコメディ。主人公は私(みかん)の目線で自分の変わった家族について物語が展開されるが、話数が進むにつれ、様々な登場人物たちの目線でも物語が語られていく。基本的には一話完結。

 人間、日本人のリアルな一般家庭の話。そのため、細かな作中描写や誰もが一度は体験したことのある出来事など、視聴者が共感できる内容が多い。一話約七分のため、すき間時間に見やすく、また現実逃避向けのアニメとしても評価されている。クスッと笑える描写もあるが、ノスタルジックで時に感動する話など、一筋に面白いと言える作品ではない。

 17.『映画 あたしンち』(映画)
 原作:けらえいこ

 人気シリーズの映画化。母とみかんがある時、雷に打たれ、互いの体が入れ替わってしまう。そのため、生活を送ることはもちろん、楽しみにしていたみかんの修学旅行や母の同窓会に参加できないなど人生に影響を及ぼす苦しみが待っていた。

 笑いの要素が多い作品だが、この劇場版は笑いだけではなく、涙を誘う物語である。思春期の娘と母との絆を描き、お互いの辛い時を共に乗り越える。また、世間に話すことができない事実である「入れ替わる」という現象をみかんの親友、しみちゃんにだけ話すと、彼女は全く疑うことなく事実を受け入れ、協力してくれる。素晴らしい友情も楽しめる作品。

 18.『テルマエ・ロマエ』(映画)
 原作:ヤマザキマリ

 古代ローマの浴場設計士が、入浴中に現代日本の大衆浴場にタイムスリップしてしまい、日本とローマの浴場の差にカルチャーショックをうけてしまう。日本の銭湯文化をローマに持ち帰り、自身の発想としてローマ人に披露し、入浴に革命を起こす。コメディ作品。

 古代ローマ時代の浴場と、現代日本の風呂をテーマにした作品。両者に共通である、「入浴文化」と取り入れている。ひとつひとつの日本文化に古代ローマ人が驚いている様子がとても面白い。私たち日本人にとっては当たり前のことを外国の方が驚くといった、優位性が感じられるためと考える。

 19.『DCU ~手錠を持ったダイバー~』(ドラマ)
 原案:Ilan Ulmer、Samuel Goldberg

 海上保安庁に新に新設されたDeep Crime Unitは「水中」に関する事件について捜査を行う、エキスパート集団。海上保安庁でありながら、犯人を捜索し、事件の解決も行うなどの警視庁的な要素も合わせもっている。ミステリードラマ。

 全十話で構成。隊長の新名と部下たちは衝突を繰り返す日々。中でも瀬能と新名は師弟関係のように描かれているところが本作の矜持である。海上保安庁を舞台にするといった斬新なドラマではあるが、そこに刑事ドラマ的な要素もある。しかし、犯人の特定が容易なことや、事件の詳細に稚拙な点もあった。

 20.『ローマの休日』(映画)
 監督:ウィリアム・ワイラー

 ある国の王女、アンはイタリアを表敬訪問中であった。しかし、多忙すぎるスケジュールに辟易してしまい、城を抜け出し街中でうとうとしてしまう。そこに通りかかった新聞記者のジョーが彼女を介抱し、家に連れていく。翌日ジョーはアンの素性を知り、大スクープになると考え、街中に連れ出すが、次第にお互い惹かれていく。

 ハリウッド映画屈指の名作。主演のオードリー・ヘップバーンの魅力を存分に堪能することができる。王族の忙しい日々を抜け出す王女と、ごく普通の一般人の二人が共に「休日」を過ごす二人の様子がディズニー映画のアラジンとジャスミンの光景によく似ていた。しかし、ただの恋愛映画ではないことがラストシーンの切なさから受けとれる。ストーリー自体はとてもわかりやすいので、誰でも理解できる傑作であり、名作である。
2022/03/21(月) 23:22 No.1836 EDIT DEL
2年 高田(峻) RES
春休み課題1~10

1.『クール・ランニング』(映画)
監督:ジョン・タートルトーブ
制作:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ

南国・ジャマイカで陸上100mのオリンピック予選が行われている。しかし、トラブルが発生し、代表有力だったデリースは出場を断念する。しかし、過去の冬季オリンピックのボブスレーで金メダルを獲得した人物がこの町にいると聞き、ボブスレーでのオリンピック出場を目指すことに。仲間四人と共にソリもない中、決戦の地、カナダに乗り込む。

実話を元に制作された物語。この映画がテレビ放送された2022年北京オリンピックでは、24年振りにジャマイカチームが出場を果たし、再び注目を集めている映画。コミカルなキャラクターが多く、大人から子どもでも楽しめる物語で、笑える場面が多いが、結果を残すために努力する姿や、選手の将来について考える場面などは、メッセージ性を感じる。そして最後には感動の結末を迎える。

2.『笑ウせぇるすまん』(アニメ)
原作:藤子不二雄Ⓐ

藤子不二雄Ⓐによるブラックユーモアをテーマにした作品。謎のセールスマンである喪黒福造が、冴えない登場人物たちの「心のスキマを埋めます」という売り文句でサービスをボランティアで提供する。しかし、「約束」を守らなかった登場人物たちを最終的に破滅に追い込む、一話完結のオムニバス形式のストーリー。

少年・少女向けのマンガが多い藤子不二雄作品の中でもこの作品は大人向けに描かれている。そのため、アダルティックな描写やホラーテイストでショッキングな描写が多い。基本的にオチがバッドエンドになる。ドラマ『世にも奇妙な物語』のプロットによく似ており、登場人物でもある喪黒がストーリーテラー的要素を担っている。視聴者側は物語の中に入るのではなく、現実世界の住人という位置づけになっている。

3.『世にも奇妙な君物語』
作:朝井リョウ

テレビドラマ「世にも奇妙な物語」の大ファンである朝井リョウが、オリジナリティを出したオムニバス形式の短編集。

私自身『世にも奇妙な物語』の大ファンでもあるのだが、やはり作家の朝井リョウが描くと、しっかりとその世界観を踏襲して描けているのが、流石であり、私的にも文句の無い、ストーリーの展開と結末であった。伏線も多く、オチがしっかりとあることもよく、基本的にはバッドエンドで終わるのもファンとしても楽しい。

4.『正欲』
作;朝井リョウ

 「正」しい「欲」と書いて、「正欲」。この物語に登場する人物たちが持つ「欲」は私たちが想像することができない。その者たちを私たちは理解することができるだろうか。

ジェンダーの問題が問い質される現代。しかし、その人たちにも当てはまらない。私たちが思ってもいなかったものに性的な欲求を抱いてしまう人々の葛藤が描かれている。とても考えさせられる作品。「読む前の自分には戻れない」がキャッチコピーとなっており、あえて詳細は記さないが、その通りである。

5.『日本沈没‐希望のひと‐』(ドラマ)
原作:小松左京

地球物理学を研究している田所博士は地層にスロースリップ現象が起きていることに気づき、「関東沈没説」と唱える。しかし、それを受け入れられない日本政府と若き官僚の葛藤が描かれる。

小松左京によるSF小説をドラマ化したもの。日本国民を守るために政府の意向に反する主人公の天海がヒーローのような主人公。現代の日本にあまり見られないのではないかと考える。やはり、存在の大きい政治家に左右されることが大きいと言われている日本に天海のような主人公はカッコよく映る。

6.『魔法戦隊マジレンジャー THE MOVIE インフェルシアの花嫁』(映画)
原作:八手三郎

主人公、魁の恋人、山崎さんがインフェルシアに攫われてしまう。インフェルシアにいくにはマジトピアに行き、一角聖馬のユニゴルオンを借りなければならない。マジレンジャーたちはマジトピアに行き天空大聖者マジエルを説得し、魁はインフェルシアに乗り込む。

戦隊シリーズの映画としては珍しく、恋愛要素のあるストーリー。人間が立ち入ってはならない地であるマジトピアを大聖者はすんなり受け入れるのは仕方のないことなのかもしれないが、簡単すぎるではないかと思った。しかし、映画でしかみられないキャラクターが多く、それが通常のテレビ放送で登場する視聴者へご褒美もある。テレビとの差別化として、撮り方や音が異なっていることが、ヒーローたちを各段にカッコよく魅せている。

7.『魔法戦隊マジレンジャー stage1~stage18』 
 原作:八手三郎

 家族が魔法戦隊マジレンジャーとして始まる第一部。地底冥府インフェルシアの凱力大将ブランケンは冥府門のカギを見つけ、冥獣を地上界に送り、侵略を企んでいる。それを阻止するため、マジレンジャーが勇気を持って立ち向かう。

 マジレンジャーの前段。五人兄妹が力を合わせて魔法の力で敵を倒していく。中でもレッドが末っ子という設定は史上初。勇気が魔法を操る源とされ、兄弟たちは日々戦いながら、勇気という魔法を手にし、成長していく。ボスであるブランケンはたたき上げの軍人で、力押しの作戦を好む。ウルザードという魔導騎士にいきなり母が倒されてしまうことは物語冒頭から絶望を与える。

8.『魔法戦隊マジレンジャー stage19~stage34』 
 原作:八手三郎

 マジレンジャーに追加戦士であるマジシャインが登場し、始まる第二幕。天空聖者であるマジシャインは兄妹に魔法を教える先生として、一緒に戦っていく。一方でブランケンが倒された後、新たにインフェルシアの指導者として現れたのは、嘗て天空聖者として仕えていたがインフェルシアに裏切った魔導神官メーミィ。

 追加戦士によって強くなったマジレンジャーだったが、メーミィの頭脳を駆使した戦いを好む戦略によってレベルは高くなっている。マジレンジャーは新たに伝説の力を手に入れ、臨む。しかし、母の仇であるウルザードの正体は伝説の天空聖者でもあった、父・勇だったのである。『スターウォーズ』のような衝撃の事実がマジレンジャーを突き付ける。わくわく感が更に高まる。

 9.『魔法戦隊マジレンジャー stage35~final stage』 
 原作:八手三郎

全ての冥獣を倒したマジレンジャーであったが、そのことによってインフェルシアの怒りと災厄の悪しき神々が目を覚ましてしまうことになってしまう。シリーズ最終編にして、最高の物語展開となる。

神たちのキャラクターがしっかりとしているのが、人間と同じ社会を形成しているようで面白く、デザインも素晴らしい。一体一体が神ということもあり、マジレンジャーたちは大苦戦し、すべての神を倒すことができない。しかし、その神たちの関係性が思わぬ形で崩れ、敵が味方になるなど、以外な結末。毎度毎度手に汗握る戦いがこのシリーズの矜持である。

10.『まだ結婚できない男』(ドラマ)
脚本:尾崎将也

前作、女医の早坂と破局した桑野信介は53歳になってもなお独身であった。自身の問題で弁護士・吉山のもとに訪れる。

独特のキャラクターである桑野は健在で、前作を彷彿とさせるようなストーリーも展開される。しかし、前作の名物キャラクターが不在なことや、桑野の周りを取り巻く人物関係が上手く見えない。上司である桑野を尊敬する人物や、キャラクターが確立できていない点が前作を超える面白さに至っていないことが残念である。
2022/03/21(月) 23:19 No.1835 EDIT DEL