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3年 大橋 RES
夏休み課題1~10

1『歯車』(小説)
著者:芥川龍之介

主人公の僕は、知り合いの結婚披露宴に出席するために東京のホテルへ向かう途中、レインコートを着た幽霊の話を聞く。その後、ホテルで執筆をしていた僕は、義兄がレインコートを着たまま列車に轢かれて亡くなったことを知り、不気味に感じていた。

僕と芥川龍之介本人の通ずる点や精神的疲弊が巧みに描かれている。

2『春の夜』(小説)
著者:芥川龍之介

病弱な主人公と看護婦のNさんとのやりとりが中心。心霊現象なのか精神的なものなのか。芥川龍之介が描く心の動きの巧みさが短編からでも読み取れる。

3『浅草公園』(小説)
著者:芥川龍之介

主人公の少年が関東大震災後に復興した浅草の情景に圧倒、誘われていく様子が小道具と共に巧みに描かれている。少年の周りに現れる不思議な現象や、不安要素が散りばめられており自分も導かれているような気持になる。

4『たね子の憂鬱』(小説)
著者:芥川龍之介

たね子と夫のやり取りから始まる。
人物についての説明が無いにも関わらず、文脈から人物像が読み取れたりカメラワークの移り変わりが良く描かれている。映画的視点誘導や復興後の洋風な街並みが想像できる文脈は読んでいて臨場感がある。

5『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(映画)
監督: コリン・トレボロウ

至る所に恐竜が住み着き「ジュラシック・ワールド」と化した世界。人類は恐竜と共存しようとするが、生態系の破壊という問題が浮上する。研究者たちは、恐竜を守るということを仕事にしている一方で、さまざまな課題に直面し、葛藤していく。

ジュラシックワールドシリーズの完結編として公開された。ジュラシックワールドが崩壊し恐竜と人間が共存を迫られる中、数々の問題が発生する。彼らを利用しようとするものと前向きな物との溝は埋まるのかが見どころだ。

6『劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティオスとラティアス』(映画)
監督: 湯山 邦彦

旅を続けるサトシ達一行は、水の都と呼ばれる美しい町アルトマーレにやって来ていた。サトシとカスミはこの時期に行われるアルトマーレの名物「水上レース」に参加し、護神ラティオスとラティアスに出会う。

テレビでしか見たことが無い作品が劇場で上映されるという事で再び観る機会を得ることが出来た。昔から好きな作品で20年前の作品にも関わらず映像、カメラワークの秀逸さが光っている。

7『ハドソン川の奇跡』(映画)
監督: クリント・イーストウッド

2009年1月15日、両エンジンの故障によるアクシデントで155人を不時着水によって救った機長と副操縦士が一転して、被告人として描かれる法廷もの映画。

鳥がエンジン部分に入り込み、エンジンが消失してしまう事故。乗客全員をハドソン川に着陸することで救ったが、その選択が正しかったのかが問われてしまう。歯がゆい展開と最後は見逃せない作品だ。

8『海底47m 古代マヤの死の迷宮』(映画)
監督: ヨハネス・ロバーツ

高校生のミアとサーシャは、いじめに合うなど冴えない高校生活を送っていた。気分転換で友達のアレクサ、ニコールを誘ってサメを鑑賞できるケージ・ダイビングに行く。
カリブ海につくと、アレクサ、ニコールは森の中でぽっかりと開いた大きなラグーンから、スキューバダイビングをすることに。
そこで盲目の巨大ホオジロザメの襲撃を受け、グラントや助手のベン、アレクサ、ニコールと次々と仲間が盲目サメに喰われていく。

波乱万丈なストーリーで見ていてハラハラドキドキする作品。目が見えないサメは嗅覚が特化しており、死角に入ったとしても中々逃げることが出来ずに襲われてしまう。血が多く出るので苦手な方も入りと思うが、サメ好きな人には是非見て欲しい作品だ。

9『となりのトトロ』(映画)
監督:宮崎駿

昔から馴染みある作品であり、テレビ放映がされているとつい見てしまうような作品。老若男女問わず愛され数々の考察がされている作品であるが、何度見ても新しい発見が出来る作品だと改めて実感した。

10『世界初 ジャガーを野生に帰せるか』(ドキュメンタリー)
監督:クリス・コール

母親を亡くした3頭のジャガーの赤ちゃんがブラジルの森で保護され、ジャガー研究の第一人者、レアンドロ・シルベイラ博士とその妻・アナに引き取られる。再び野生に帰すため、さまざまな訓練を重ねた末、立派に成長した3頭をついに森に帰す日がやってくる。

自然界で生きていくことが難しいという事実、人間との共存の難しさが実感できるドキュメンタリー。この三頭の母親はおそらく人間に殺されたと言われている。自然を開拓する人間と行き場を失う野生動物との現状を考え直す作品であった。
2022/09/16(金) 11:43 No.1876 EDIT DEL
3年 内田 RES
夏休み課題21~30

21.ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 (2期)(アニメ)
原作:矢立肇
監督:河村智之

東京・お台場にある、自由な校風と専攻の多様さで人気の高校「虹ヶ咲学園」。スクールアイドルの魅力にときめいた普通科2年の高咲侑は、幼馴染の上原歩夢とともに「スクールアイドル同好会」の門を叩く。時にライバルとして、時に仲間として、それぞれの想いを胸に日々活動するメンバーたち。「夢を追いかけている人を応援できたら……。」12人と1人の少女たちが紡ぐ、初めての「みんなで叶える物語スクールアイドルプロジェクト」。響け!ときめき――。いままた夢を、追いかけていこう!(出典:https://www.lovelive-anime.jp/nijigasaki/story.php

アニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の第2期である。本作の見所の一つとして、新メンバーの加入が挙げられる。彼女達がアプリゲームで初登場した際はかなり賛否両論を呼ぶストーリーとなっていたが、本作ではそのストーリーの悪い点が綺麗に修正されていた。その上それぞれのキャラクターの個性はそのまま残し、魅力を引き出していく物語となっており非常に良かった。また、新メンバーだけではなく既存メンバーの物語も印象的だった。第1期の物語を踏まえてさらに成長していくメンバーの物語や、将来について悩むエピソードは第2期だからこそ描くことができる物語だと感じた。また第1期はソロ活動を中心として描かれていたが、第2期ではユニットを中心としたストーリーが多く、その対比が面白かった。

22.妻、小学生になる(ドラマ)
原作:村田椰融
脚本:大島里美

食品メーカー「RABBIT FOOS」に勤務する新島圭介は、10年前に最愛の妻・貴恵を亡くしてしまった。娘の麻衣の幸せを誰よりも願っているが、生活費を稼ぐこと以外何もしてあげられないことを心苦しく思っていた。貴恵が亡くなった後、圭介と麻衣は上手くコミュニケーションを取ることすらできておらず、家族の時間は止まってしまっていた。ある日、圭介と麻衣の前に小学生の女の子が現れる。その女の子は、「自分は貴恵の生まれ変わりだ」と二人に告げたのであった。

亡くなってしまった妻が小学生に生まれ変わって再び現れるという突飛な設定でありながらも、家族の絆が描かれた心温まる作品となっている。本作の魅力は、妻が小学生の姿で帰って来ることで再び家族三人の時間を過ごすことができるようになったということに留まらず、貴恵の周りの人々が少しずつ変化していく様子が描かれている点だと私は考える。貴恵との楽しいひと時の中で、彼女が亡くなってしまったことで生きる気力を失ってしまった圭介達がもう一度前を向いて生きようとしていく姿が同時に描かれており非常に良かった。また本作は感動的なエピソードが多く、主題歌が流れるタイミングが毎回秀逸である点も相俟って何度も涙を誘われてしまう所が魅力的である。

23.天冥の標Ⅱ 救世軍(小説)
作者:小川一水

西暦201X年、謎の疫病発生との報に、国立感染症研究所の児玉圭伍と矢来華奈子は、ミクロネシアの島国パラオへと向かう。そこで二人が目にしたのは、肌が赤く爛れ、目の周りに黒斑をもつリゾート客たちの無残な姿だった。圭伍らの懸命な治療にもかかわらず徐々に息絶えていく罹患者たち。感染源も不明なまま、事態は世界的なパンデミックへと拡大、人類の運命を大きく変えていく――すべての発端を描くシリーズ第2巻。(小説の裏表紙より引用)

本作は、架空の病気『冥王斑』の感染拡大によって混乱する社会を描いたSF小説である。フィクションでありながらも感染症の対策のために行われた政策や社会の様子にリアリティがあり、コロナ禍の現代社会とリンクする点も多かったため考えさせられる作品であった。またパンデミックが起こった社会の中で、あらゆる立場の人々心情が巧みに描写されていた点も本作の見所である。個人的には千茅の成長が最も印象的であり、冥王斑に感染したことによって葛藤しながらも成長していく姿には感情移入せずにはいられない。

24.ミステリと言う勿れ(ドラマ)
原作:田村由美
脚本:相沢友子

天然パーマにコンプレックスを持つ久能整は、友達も彼女もいない大学生。社会で「当たり前」とされている常識に対して常に疑問を持ち、とことん考え抜く性格である。ある日自宅で大好物のカレーを作っていた整は、身に覚えのない殺人事件の容疑をかけられてしまう。取り調べの中で思いつくことをマイペースに語っていく整は、やがて事件の謎や人の心を解きほぐしていく……。

本作は整独自の価値観による持論が大きな魅力であると言えるだろう。これまで「当たり前のこと」として受け入れてしまっていたことに対して疑問を投げかける整の言葉には共感できる点が多く、ハッとさせられた。ドラマの中の登場人物だけではなく、多くの視聴者も整の言葉に救われることが多かったのではないかと思う。また、本作で起こる事件は一話完結の形式ではなかった点も特徴的である。一つの事件に対して約二~三話という尺を費やすことで一つ一つのエピソードが丁寧に描かれていた。また、事件がそれぞれ独立しているのではなく繋がりを持っていた点も興味深いなと思った。

25.五等分の花嫁(アニメ)
原作:春場ねぎ
監督:桑原智

家が貧乏な高校二年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師のアルバイトの話が舞い込む。ところがその教え子は最悪な出会いを果たした同じクラスの転入生、中野五月だった!何とか五月のご機嫌を取ろうと近づく風太郎だが、行く先々に現れる四人の女の子たちに振り回されてしまう。どうにか五月のもとまで辿りついた風太郎だったが…(出典:https://www.tbs.co.jp/anime/5hanayome/1st/story/story01.html

本作は、主人公の上杉風太郎が五つ子のヒロイン達の家庭教師を務めることになることから始まったラブコメディである。五人のヒロイン達の個性が魅力的に描かれており、風太郎との出会いをきっかけにそれぞれ成長していく姿が描かれる点が本作の見所である。全員見せ場があることによって風太郎と結ばれるヒロインを予想するのが困難であるため、続きが気になりどんどん引き込まれていく構成になっていた点が良かった。

26.五等分の花嫁∬ (2期)(アニメ)
原作:春場ねぎ
監督:かおり

波乱の林間学校が終わったのも束の間、ひき始めの風邪が悪化し、入院することになった風太郎。林間学校での様々なイベントを通し、距離が近づいた五つ子は、風太郎のお見舞いにやってきた。そこで、五月から何故勉強をするのかその理由を聞かれた風太郎は、5年前に京都で出会ったある女の子の話をすることに。(出典:https://www.tbs.co.jp/anime/5hanayome/2nd/story/story01.html

アニメ『五等分の花嫁』の第二期である。第一期のエピソードを経て、更に成長していく五つ子の姿が見所である。本作では一人一人の心境の変化等に加えて恋愛における葛藤等も描かれていたため、厚みのあるエピソードが多かったように感じた。初期は衝突が多かった風太郎と五つ子の絆を感じることができるエピソードも多く、感慨深いものがあった。
また全体的に第一期よりも作画のクオリティが上がっており、美麗な映像を楽しむことができる作品となっていた。

27.ドクターホワイト(ドラマ)
原作:樹林伸
脚本:小峯裕之

社会性が皆無にも関わらず、天才的な診断能力を持ち、現役医師の誤診を正す――自らの名を「白夜」と告げ、素肌にたった一枚、白衣をまとって現れたナゾの女性。彼女はいったい何者なのか――
“総合診断協議チーム”(通称CDT)――
患者の症状から正しい病名を協議の上で判別する、いわば“診断専門チーム”。内科医、皮膚科医、脳神経外科医、精神科医など、各科を横断し、知識を集結させたCDT。精鋭を集めるはずが…その実態は、個性的でクセ強めな“はみ出し者”たち!?白夜は、そんな風変わりな医師たちと共に、難しい症状でも病名を確定させて患者の命を救っていく。謎だらけの女性と“クセ者医師たち”が織りなす、クスっと笑える会話劇&痛快でスカッとする一話完結の医療ドラマ!純真無垢、感情のない白夜は、徐々に社会性や喜怒哀楽を覚えていく…。次第に明らかになる、彼女の秘められた過去とは――?(出典:https://www.ktv.jp/dr_white/intro.html

本作は感情が希薄であるがゆえの可愛らしさを見せる白夜の姿や軽妙な会話劇が特徴である。医療ドラマでありながらも重たい雰囲気になりすぎることはなく、全体的に明るい作風であった。周囲をかき回していく主人公の白夜だけではなく脇役の医師達も個性が強いため、彼らの会話のコミカルさが良かった。また、物語の序盤では白夜が一話につき一つの感情を知っていく構成となっていたため、白夜が成長する過程が分かりやすい作りになっていた。

28.妖怪シェアハウスー帰ってきたん怪-(ドラマ)
脚本:西荻弓絵、綿種アヤ

「自分らしく生きる」と息巻いて妖怪シェアハウスから羽ばたいていった澪。しかし現実は厳しく、気持ちだけでは上手くいかなかったのである。ボロボロになってしまった澪は妖怪シェアハウスに里帰りし、再び妖怪たちと一緒に暮らすことに。さらに、本来は心優しい妖怪たちが“闇落ち”してしまう謎の現象も起きてしまい、澪は邪悪化した妖怪たちが巻き起こす騒動に巻き込まれていく……。

ドラマ『妖怪シェアハウス』の続編。第一期と同様に澪と妖怪達が織りなす愉快なドタバタ劇を楽しむことができ、懐かしさを覚えることができる。また、本作では妖怪達が闇落ちするという新たな展開が描かれている点が特徴的である。個性的な妖怪達に振り回されることによって、普段の澪とは異なる姿をいくつも楽しむことができた。映画に繋がるような構成となっているため、最後まで妖怪達の闇落ちの原因が明かされなかった点は少し気になったが、全体的には痛快でクスっと笑える作品に仕上がっており良かったと思う。

29.劇場版 呪術廻戦0(映画)
原作:芥見下々
監督:朴性厚

幼少のころ、幼なじみの祈本里香を交通事故により目の前で失った乙骨憂太。「約束だよ 里香と憂太は大人になったら結婚するの」怨霊と化した里香の呪いに苦しみ、自身の死を望む乙骨だったが、最強の呪術師・五条悟によって、呪術高専に迎え入れられた。そして、同級生の禪院真希・狗巻 棘・パンダと出会い、乙骨はある決意をする。「生きてていいって自信が欲しいんだ」「僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます」一方、乙骨たちの前にかつて一般人を大量虐殺し高専を追放された最悪の呪詛師・夏油傑が現れる。「来たる12月24日 我々は百鬼夜行を行う」呪術師だけの楽園を標榜する夏油は、非術師を殲滅させんと、ついに新宿・京都に千の呪いを放ち――果たして、乙骨は夏油を止められるのか、そして、里香の解呪の行方は‥‥。(出典:https://classroom.google.com/u/0/w/NDQ5NTI4OTY2ODM2/t/all

本作は『呪術廻戦』の前日譚を描いた作品である。本編の続きが描かれた作品ではないため、『呪術廻戦』を視聴していなくても一つの映画として楽しむことができる点が魅力的だった。
本作は乙骨の成長が大きな見所だと考えられる。物語の序盤では誰かを傷つけてしまうことを恐れるばかりだった乙骨が、呪術高専入学後の経験を通して徐々に強くなっていく姿は胸を打つものがあった。また、最終的に真の「純愛」という形になることができた乙骨と里香の関係性や、呪術高専の仲間達との間に育まれていった絆にも心を揺さぶられた。様々な要素を楽しむことができ、綺麗に纏まった作品であったと感じた。
また、本作は映像の美しさも魅力であった。迫力のある戦闘描写は大きなスクリーンに映えており、非常に見応えがあった。

30.その着せ替え人形は恋をする(漫画)
作者:福田晋一

五条新菜(ごじょうわかな)は雛人形の顔を作る「頭師」を目指して修業中の男子高校生。趣味や好きなものが同年代と違うせいでクラスに馴染めない生活を送っていたある日、いつも友人の輪の中心にいる喜多川海夢(きたがわまりん)と思いもよらない接点が出来て……?(出典:https://magazine.jp.square-enix.com/yg/introduction/sonobisque/

本作の魅力は、コスプレ衣装制作を通して正反対な性格の二人が徐々に親密になっていく様子が描かれていく点である。二人のコミカルな掛け合いや、お互いに惹かれ合っていく様子が微笑ましかった。また、自分の趣味が同年代と異なっている五条は当初クラスに馴染むことができず、自分の意見を言えず抱え込んでしまう所があった。しかし海夢との出会いを通して徐々に変わっていく姿はグッとくるものがあり、活き活きと衣装作りに励む彼を応援したくなった。
また、本作は様々な種類のコスプレ衣装を楽しむことができることも魅力の一つである。完成した衣装だけではなく、生地選びや撮影のコツ等といった制作の過程も描かれており興味深かった。
2022/09/13(火) 19:15 No.1875 EDIT DEL
3年 内田 RES
夏休み課題11~20

11.塔の上のラプンツェル(映画)
監督:バイロン・ハワード、ネイサン・グレノ

魔法の力が宿った金色の髪を持つ少女・ラプンツェルは、ある王国の森の奥の塔の上で暮らしていた。過保護な母・マザー・ゴーテルから外に出ることを禁じられていた彼女は、一度も外に出ることなく過ごしていた。しかし次第に外の世界への憧れを強くしていったラプンツェルは、塔の侵入者である大泥棒・フリンを案内役に命じて外の世界へと飛び出していった。

本作は、好奇心旺盛なラプンツェルの冒険劇が魅力であると考えられる。ラプンツェルが外の世界を伸び伸びと駆け回る姿や長い髪を活かしたアクションシーンが印象的であり、視聴していてワクワクすることができる作品だった。また、徐々に絆を深めていくラプンツェルとフリンの恋模様も大きな見所である。深い傷を負っており自分の命の危険が迫っているにも関わらず、ラプンツェルの幸せを一番に願って彼女の髪を切ったフリンの優しさには非常に感嘆させられた。
また、本作は映像の美麗さも見所の一つである。無数のランタンが空に飛ばされるシーンは幻想的で美しく、壮大なバックミュージックも相俟って非常にロマンチックで魅力的な場面になっていた。

12.SPY×FAMILY(アニメ)
原作:遠藤達哉
監督:古橋一浩

世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。東国オスタニアと西国ウェスタリスは、十数年間にわたる冷戦状態にあった。西国の情報局対東課〈WISEワイズ〉所属である凄腕スパイの〈黄昏たそがれ〉は、東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの動向を探るため、ある極秘任務を課せられる。その名も、オペレーション〈梟ストリクス〉。
内容は、“一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入せよ”。〈黄昏たそがれ〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった!3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。ハプニング連続の仮初めの家族に、世界の平和は託された――。(出典:https://spy-family.net/

父はスパイ、母は殺し屋、娘は超能力者であり、全員が自分の正体を隠しながら仮初めの家族になるという斬新な設定が本作の魅力である。この設定がよく活かされているため、日常が自然と非日常になっていく点が面白いと感じた。ロイドは東西平和を守るという重い任務を任されているが、任務遂行は常に明るくコメディタッチに描かれているため本作はギャグアニメとして楽しむことができる。またそれと同時に、仮初めの家族だったロイド・ヨル・アーニャが徐々に絆を深めていく様子も描かれていくため、心温まるエピソードも多い。

13.オッドタクシー(アニメ)
監督:木下麦

平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…
何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。(出典:https://oddtaxi.jp/anime/

登場人物達が全員動物の見た目をしている点が本作の大きな特徴である。ほのぼのとしていて可愛らしい絵面とは裏腹に人間臭い登場人物達が織りなすミステリー作品であり、そのミスマッチ感が面白い。また、序盤から張り巡らされていた伏線が後半になるにつれて徐々に明らかになっていく構成が秀逸であった。点と点が繋がっていき、謎に迫っていく展開は驚きの連続で目が離せなくなる。

14.半妖の夜叉姫 弐の章(アニメ)
監督:菱田正和

とわとせつなは、大妖怪の殺生丸を父に人間のりんを母に持つ半妖の少女達であり、とわ達の仲間になったもろはも、半妖と人間の間に生まれた四半妖で、犬夜叉とかごめの娘だった。是露は、とわ達が生まれた直後から、三人の命を狙っていたのだが、とわは現代に送られ、せつなは半妖の里へ身を寄せ、もろはは妖狼族の元で庇護され、生き延びたのだ。
夜叉姫達と麒麟丸との戦いの中で、せつなは命を落としてしまった。深く悔いるとわの前に、折れた天生刃を持った殺生丸が現れる。果たして、失われたせつなの命を呼び戻すことはできるのだろうか?(あらすじの一部をhttp://hanyo-yashahime.com/story/より引用)

アニメ『半妖の夜叉姫』の第2期である。残されていた謎が次々と明かされていったため、第1期よりもテンポが良く見やすい構成になっていた。第1期から一貫として描かれてきたテーマである姉妹・仲間の絆に加え、本作では家族のやり取りが印象的であった。第1期では見ることができなかった、親である犬夜叉達と娘である夜叉姫達のシーンは非常に微笑ましかった。しかし不自然な設定も散見されるため、作り込みの甘さは否めない。突っ込み所が多かった点は残念だったと感じた。

15.キラッとプリ☆チャン(一期)(アニメ)
監督:博史池畠

「プリチャン」は誰でも簡単に始めることができ、誰でもアイドルになることができるチャンネル。多くの女の子達は自分のチャンネルでセルフプロデュースし、人気プリチャンアイドルを目指していた。桃山みらいと萌黄えもは、きらりヶ丘中学校に通う一年生。ある日えもが同じ学校の人気プリチャンアイドル・赤城あんなに対抗意識を燃やしたことをきっかけに、みらいとえもはプリチャンアイドルとしてデビューすることに……。

全体的に一話完結の話が多く、明るくて緩い作風になっている点が本作の特徴である。キャラクターデザインや優しい雰囲気が感じられるストーリーから、対象年齢の子供達を強く意識した作品なのだと考えられる。しかし淡々と日常を描くだけではなく、キャラクター達の成長や過去を掘り下げたエピソード等のようにグッとくる展開も盛り込まれている点が本作の魅力だと言えるだろう。また終盤で描かれたアンジュの引退にまつわるエピソードではみらい達の葛藤が印象的であり、どのような行動を取るのが正解なのかといったことを考えさせられる内容になっていた。

16.キラッとプリ☆チャン(二期)(アニメ)
監督:博史池畠

中学二年生の桃山みらい、萌黄えも、青葉りんかはアイドルグループ「ミラクル☆キラッツ」を結成し、プリチャンで番組配信やアイドル活動を行っている。ある日、みらい達の前に謎に包まれたプリチャンアイドル「だいあ」が現れる。そして、ジュエルアイドルを選出するために「ジュエルオーディション」を開催することを宣言した。オーディションに合格することができたプリチャンアイドルはジュエルコーデを授かり「ジュエルアイドル」になることができ、ジュエルコレクションと呼ばれる大会への出場権を獲得することができるのだ。ジュエルコレクションで優勝し、ダイヤモンドコーデを身に纏うことができるのは一体誰なのだろうか?

アニメ『キラッとプリ☆チャン』の二期。グループでの活動が中心だった一期とは異なり、本作の中心となる「ジュエルオーディション」はソロの大会である点が特徴である。そのことによってメインキャラクター一人一人を掘り下げることが可能になっており、一期での活躍を踏まえて各キャラクターが成長していく姿がしっかりと描かれていた。また、二期から登場するキャラクターであるまりあとすずがグループを結成するまでの物語においては、正反対の個性を持つ二人が少しずつお互いを受け入れていく様が非常に丁寧に描かれており胸を打たれた。また本作の大きな見所は、主軸となっている二人のだいあの物語である。プリチャンアイドルに憧れ、みらい達と友達になりたいと思いながらも中々踏み出すことができない虹ノ咲だいあの描写のリアルさには舌を巻いた。そしてAIのだいあに助けられながら成長していく虹ノ咲だいあの物語には、感情移入せずにはいられないのである。

17.キラッとプリ☆チャン(三期)(アニメ)
監督:博史池畠

中学三年生の桃山みらい、萌黄えも、青葉りんかはアイドルグループ「ミラクル☆キラッツ」を結成し、プリチャンで番組配信やアイドル活動を行っている。ある日みらい達が住む街・キラ宿に、最新鋭のVR遊園地「プリチャンランド」が建設される。そして、プリチャンランドを運営するカガヤキ・コーポレーションが「プリンセスカップ」を開催することを宣言した。この大会では、次世代トッププリチャンアイドルを決めるものなのだという。みらい達は大会に参加するべく「プリたまGO」を使用して、各グループのパートナーとなる存在・マスコットを育てることになる。

アニメ『キラッとプリ☆チャン』の三期。本作は各グループに一人ずつマスコットが付くようになった点が特徴である。一期、二期で既存のキャラクターの成長劇を殆ど描き切ってしまったためか、本作においてみらい達は主にマスコットを見守る存在として描かれている。そのためマスコット達の描写に多くの尺が割かれており、担当グループをサポートするポジションに留まらずしっかりと個性が確立された魅力的なキャラクターになっていった点が良かった。しかしその反面、本作の後半で描かれたアリス・イブ・ソルル・ルルナの物語は少々雑になってしまっている印象を受けた。伏線の回収がいい加減になっているように感じてしまったし、描写不足だなと思った点が多々あったことで物語が盛り上がる終盤においてもあまり感動できない展開になってしまっていた点が残念だった。

18.KING OF PRISM ALL STARS -プリズムショー☆ベストテン-(映画)
原作:タカラトミーアーツ/シンソフィア/エイベックス・ピクチャーズ/タツノコプロ

『KING OF PRISM』の全29曲から、ファンによる投票で選ばれた珠玉のプリズムショーベスト10を一挙に上映。そしてブレイクタイムとして、セプテントリオンの7人によるミニドラマや、トラチとドラチによる笑劇場コーナーも。さらに、シンが「PRISM.1」で本来披露しようとしていたプリズムショーが、本作の中で初披露される。ライブ感覚で楽しむことができる、新感覚エンターテインメント作品である。

本作は『KING OF PRISM』で披露されたプリズムショーの中から、ファン投票によって選ばれた上位10曲をランキング形式で上映していく作品である。ストーリー性よりもエンターテインメント性が重視された作品であり、実際にライブを見に行っているような楽しさを感じることができた。そして、次にどの曲が披露されるのかといったワクワク感を常に覚えることができた。また分岐ルートを作ることで、ランクインを逃したショーをそれぞれのコンセプトに合わせて紹介する試みも面白かった。
また、ショ―だけではなくミニドラマや笑劇場コーナーも見所である。バリエーション豊かで飽きない構成になっており、トラチとドラチの可愛らしさに癒されずにはいられない。また、良い意味で変わらないセプテントリオンの7人の姿を見ることができ、尺が短いながらも安定した面白さがあり非常に良かった。

19.クズの本懐(漫画)
作者:横槍メンゴ

安楽岡花火と粟屋麦は、学校の誰もが羨む評判の高校生カップル。 一緒に下校して、テストの点数を教え合い、他愛のない会話をし、物陰に隠れてキスをする。そんな甘酸っぱいカップルの日常を過ごす二人には、誰にも言えない秘密があった――。(出典:https://magazine.jp.square-enix.com/biggangan/introduction/kuzu/

本作は片思いの切なさを真正面から描いた作品であり、綺麗な恋愛を描く王道のラブストーリーとは一線を画している。登場人物達の心の弱い部分が包み隠さず描かれており、複雑な感情や繊細な心の機微が緻密に言語化されていたため、感嘆させられるのと同時に感情移入せずにはいられなかった。また、登場人物達は片思いの経験を通して徐々に強くなっていく。主人公の花火と麦は、初期の頃はお互いに慰め合ってばかりだったが、最終的には自立することができた。本作はドロドロの恋愛模様が描かれるが、彼女達の成長を感じることができるストーリーであるため爽やかな読後感であった。

20.犬夜叉(漫画)
作者:高橋留美子

神社の娘である中学三年生の少女・日暮かごめは、15歳の誕生日に自宅の祠の井戸の中から出てきた妖怪に引きずり込まれたことによって、戦国時代にタイムスリップしてしまう。タイムスリップした先で妖怪に襲われたかごめは、半妖の少年・犬夜叉と出会う。そんな中、かごめの体内から「四魂の玉」が現れる。この四魂の玉は、なんでも願いを叶えることができるといわれており、かつて巫女・桔梗が封印し、一度この世から消えたはずものだった。しかし、妖怪との戦いの中で、四魂の玉は砕け散ってしまう。桔梗の生まれ変わりであるかごめは、犬夜叉とともに砕け散った四魂の玉のかけらを探す旅に出ることに。

犬夜叉達の冒険劇を通してバトルや恋愛、仲間との絆等といった色々な要素が描かれており、非常に引き込まれるストーリーになっている点が本作の魅力である。個性豊かなキャラクター達は、悲しい運命を背負った者もいれば辛い過去を持った人物もいたりと、一人一人に濃いドラマがあり感情移入せずにはいられない。キャラクター達が成長していくストーリーの中で人間の強い所や美しい所を描くのと同時に、人間の心の弱さや汚い所まで真摯に描いているため、ストーリーに深みが生まれている。
2022/09/13(火) 18:52 No.1874 EDIT DEL
3年 内田 RES
夏休み課題1~10

1.真犯人フラグ(ドラマ)
企画・原案:秋元康
脚本:高野水登

相良凌介は、妻の真帆、娘の光莉、息子の篤斗の4人家族。しかし、ある日突然真帆と光莉と篤斗が行方不明になってしまう。凌介は警察に届け出たものの緊急性が認められないと言われ、まともに取り合ってもらえなかった。手掛かりも無いため途方に暮れていた凌介は、学生時代からの友人・河村俊夫の提案に乗り真帆達の失踪を記事にしてもらうことに。最初は凌介に同情の声が集まっていたが、SNSの投稿がきっかけで凌介は世間から疑惑の目を向けられてしまうことになってしまう……。

本作の魅力は、真犯人の考察を楽しむことができるミステリー作品である点だと考えられる。強烈な個性を持った登場人物達の中から真犯人を予想することは容易ではないため、ドラマを視聴しながら凌介達と共に推理することができるのである。また次々に謎や伏線が増えていき、終盤にかけてどんどん引き込まれていく展開になっていた点が良かった。
しかし2クール作品であるため、前半はやや間延びした展開に感じてしまうことが多かった。また衝撃的な展開を匂わせる演出を度々行っていた割には、伏線回収があっさりしすぎているように感じることがあり残念だった。

2.カムカムエヴリバディ(ドラマ)
作:藤本有紀

安子、るい、ひなたと、三世代の女性たちが紡いでいく、100年のファミリーストーリー。安子の娘、二代目ヒロインるい(深津絵里)の物語は、昭和30年代の大阪から始まる。るいの娘、三代目ヒロインひなた(川栄李奈)の物語は、昭和40年代の京都から始まる。
昭和から平成、そして令和へ。三世代ヒロインは、その時代時代の試練にぶちあたり、ときに、世間や流行から取り残されながらも、恋に、仕事に、結婚に、自分らしい生き方を、不器用ながらも、それぞれが違うあり方で、見いだしていく。そして、3人の傍らには、ラジオ英語講座があった。(出典:https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=24566

これまで連続テレビ小説のヒロインは一人だったが、本作は三人になっている点が新鮮であった。また、三人のヒロインで百年のストーリーを描くため、展開にスピード感が生まれテンポが良い作品に仕上がっていた。
三人のヒロイン達のそれぞれの物語は、時代背景も舞台も題材も異なっている。そのため、一つのドラマの中で様々な雰囲気のストーリーを楽しむことができる点が本作の魅力である。また、一代目のヒロインの娘が二代目のヒロインであり、二代目のヒロインの娘が三代目のヒロインであるため、ヒロインが交代しても各々のストーリーが続いている点が面白い。散りばめられた伏線が回収されていった点も見事であった。

3.ローゼンメイデン0―ゼロ―(漫画)
作者:PEACH-PIT

時は大正。大きなお屋敷に住み込みで働く少女・菊は、ある日、屋根裏部屋で美しい少女人形を見つける。それは薔薇乙女と呼ばれる“生きている”人形だった。いっぽう、“東京十二階”で働く菊の妹・華も不思議な出来事に巻き込まれて!? 花の帝都で薔薇乙女の新たな物語が幕を開ける!
(出典:https://tonarinoyj.jp/episode/13932016480028986373

本作は大正時代を舞台とした、漫画「ローゼンメイデン」の本編では描かれなかった過去を描く作品である。前作よりも緩くほのぼのとした作風であり、ドール達の可愛らしい一面をより深く楽しむことができる作品になっていたのではないかと感じた。また、それと同時に翠星石との出会い徐々に成長していく菊の姿や、ゼロドールの謎に迫っていく展開も描かれており、ストーリー性も持った作品に仕上がっていた。

4.おかえりモネ(ドラマ)
作:安達奈緒子

2014年の春。宮城県気仙沼沖の島で暮らしていた永浦百音は、高校卒業と同時に内陸の登米市へ移り住むことにした。百音は祖父の知り合い・新田サヤカの元に身を寄せ、林業や山林ガイドの見習いの仕事をしながら将来を模索していた。そんな百音の前に、気象予報士の朝岡覚が現れる。朝岡に「天気予報は未来を予測することができる」と教えられた百音は、深い感銘を受けたのだった……。

本作の世界観には、東日本大震災が暗い影を落としている点が印象的である。個々が抱える苦悩が丁寧に描写されており、震災によって人々が心に負った傷は三者三様なのだということに気付かされたためハッととさせられた。また菅波が百音に言った「あなたの痛みは、僕には分かりません。でも、分かりたいと思っています」という台詞は、人の心に寄り添いたいという姿勢が大切なのだということが強く表れており非常に心に響いた。
また、百音が徐々に成長していくストーリーも本作の魅力だと言えるだろう。「震災の時に何もできなかった」という想いを抱いていた百音が、様々な人との出会いや気象予報士になることを通して変わっていく姿は大きな見所である。

5.忘却バッテリー(漫画)
作者:みかわ絵子

中学球界で名を馳せるも野球から遠ざかっていた天才たちが都立の野球無名高校で偶然集結。完全無欠の剛腕投手・清峰葉流火。その相方、切れ者捕手の"智将"要圭(記憶喪失により現在、素人!)。そして、かつて2人に敗れ散った者たち…。巡り合い、再び動き出す彼らの高校野球ストーリーがいま始まる!!
(出典:https://www.shonenjump.com/j/rensai/list/boukyaku_2.html

本作の魅力は、解像度が高くリアルな高校球児達の青春を描いたスポ根ものである点だ。登場人物一人一人が様々な悩みや葛藤を抱えており、彼らの心理描写が非常に丁寧で秀逸である。野球をやっていた人は勿論、それ以外の何かに打ち込んだことがある人も非常に感情移入しやすい作品であった。またこのようなシリアスな側面だけではなく、切れ味抜群なギャグも本作の魅力である。ギャグとシリアスがバランス良く両立されており、読者を飽きさせない構成となっていた。

6.プラチナエンド(アニメ)
原作:大場つぐみ、小畑健
1stシリーズディレクター:髙橋秀弥
2ndシリーズディレクター:黄瀬和哉

架橋明日は家族を事故で失い、引き取られた親戚のもとでも辛い日々を送っていた。全てに絶望した少年は、中学校を卒業したその日、ビルの屋上から身を投げる。しかし、少年はそこで1羽の天使と出会う――!?(出典:https://anime-platinumend.com/introduction/

本作の魅力は、作り込まれた独自の設定や世界観にあると言えるだろう。「天使の道具」を用いて定められたルールの中で行われる神選びは、常に緊迫感があり引き込まれるものがあった。しかし主人公である明日の信念が抽象的なものであったり、1クール目の敵にあたるキャラクターであるメトロポリマンの境遇が共感しにくいものであることから、一部のキャラクターに感情移入をすることは困難であるように感じた。そのため本作は、神を選出するという壮大なストーリーを俯瞰的に捉えて楽しむ作品なのではないかと私は考えた。

7.アイカツプラネット!(アニメ/ドラマ)
総監督・監督:木村隆一

「アイカツプラネット!」は誰でも自分のアバターを作成してアイドル活動をすることができる、「なりたい自分になれる場所」。私立星礼高等学校に通う音羽舞桜は、バレエが得意な高校一年生。ある日舞桜は綿貫いずみに頼まれて、姿を消してしまった陽明咲の代わりに「アイカツプラネット!」のトップアイドル・ハナとしてアイドル活動をすることに。舞桜はライバル達と切磋琢磨しながら、本当のトップアイドルを目指していく。

本作はアニメと実写を融合させた作品である点が特徴的だ。このことを活かし、現実世界の女の子が仮想世界の「アイカツプラネット!」に行きアバターの姿になるという世界観がリアルに表現されていた点が良かったと思う。また基本的に優しい描き方を貫きつつも、オーディションに合格しないとアイドルになることはできない芸能界の厳しさや、勝負事においては負ける者もいるということが描かれていたためスポ根要素がしっかり描かれていた点が魅力だと言えるだろう。
2クールの作品であるため舞桜の成長が少し早かったりと展開が駆け足気味に感じる点があったものの、キャラクター達の個性が魅力的に描かれた作品に仕上がっていた。

8.元彼の遺言状(ドラマ)
原作:新川帆立
脚本:杉原憲明 小谷暢亮

ある日、とあるクライアントから上長宛に麗子を恐喝罪で訴えると連絡があり、麗子はボーナスカットを言い渡されます。その処遇に麗子は憤慨し、「こんな事務所、やめてやる!」と啖呵を切って飛び出し、しばしの間休職することに、時間ができたので手当たり次第知り合いにメールを送りまくりますが、返信があったのはただ一人、元彼の森川栄治(もりかわ・えいじ)だけ。しかし、そこのメールに書かれていたのは、「森川栄治は永眠しました」という驚がくの訃報でした。メールの差出人は篠田という謎の人物で、全く面識がないはずですが「久しぶりだね」と電話があって……さらに驚くべきことに、栄治には巨額の遺産があり、「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を残していたのです。元彼が死んだ事実より、巨額の遺産に心が揺れ動いた麗子は篠田を“殺人犯”に仕立て上げ、共謀して遺産を山分けする計画を立てるのですが……。(出典:https://www.fujitv.co.jp/motokare/introduction/index.html

本作は正反対の性格の麗子と篠田があらゆる事件を解決する、バディもののミステリー作品である。二人の掛け合いの面白さや、個々の事件で登場した人物が解決後も麗子達と関わり続ける点のユニークさが印象的であった。また、篠田の正体と謎に迫る展開や栄治の遺言状に隠された意味が本作の大きな見所だと言えるだろう。終盤で描かれた篠田の事件を解決するストーリーでは、麗子と篠田の絆を感じてグッとくるものがあった。

9.タコピーの原罪(漫画)
作者:タイザン5

地球にハッピーを広めるため降り立ったハッピー星人タコピーは、笑わない少女しずかちゃんと出会う。どうやらその背景には学校のお友達とおうちの事情が関係しているようで…。無垢なタコピーが知るざらついた現実とは!?衝撃のヒューマンドラマ、ここに開幕!(出典:https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496638370192

いじめや毒親等といった子供を取り巻く問題がリアルに容赦なく描かれており、考えさせられる作品である。非常に重い内容を取り扱う作品であるため毎話読んでいて心が痛むが、そのストーリーがあったからこそハッピーエンドが訪れた際の感動が増幅された。本作は上下巻構成で簡潔に纏まっており、「おはなし」をすることの重要さを一貫して描いていた点が良かったと思う。また、比較的短い尺の中で怒涛の展開が繰り広げられるため目が離せないストーリーになっている点も本作の魅力である。

10.犬王(映画)
監督:湯浅政明

室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。 友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。 「ここから始まるんだ俺たちは!」 壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――? 歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。(出典:https://inuoh-anime.com/

本作は室町時代の物語でありながら、どこか現代的な要素も含まれたミュージカル作品であった点が斬新だと感じた。歌詞の字幕の表示や犬王達が客席を煽る描写によって、映画を見ている観客達に没入感を与える効果があったのではないかと考えられる。
また、犬王と友魚の友情が丁寧に描かれたストーリーも本作の見所である。周囲から疎まれていた犬王が友魚と出会い、人々を熱狂させるエンターテイナーへと成り上がっていく物語には引き込まれるものがあった。実在した人物を元にして描かれているため、人気を得た犬王と友魚が最後に抑圧されてしまう描写も含まれるが、未来の描写が含まれることで後味の悪さが軽減されていたように感じた。引き離されてしまった犬王と友魚が遠い未来で再会し、和解して笑い合う姿が描かれたラストシーンには感動せずにはいられないのではないだろうか。
2022/09/13(火) 18:31 No.1873 EDIT DEL
3年 高橋 RES
夏休み課題21〜30

21.「群青のファンファーレ」(アニメ)
制作:Lay-duce 監督:加藤誠

 競馬学校の騎手課程に、今年も若者たちがやって来た。新入生の一人でアイドルを辞めて騎手を目指すことを決意した少年の有村優は、風波駿といった同級生たちと共に騎手になるべく学んでいく。

 本作は前半と後半どちらを見るかによって評価が分かれ、かつ見る者を選ぶ作品だと言える。何故なら前半と後半で主人公や物語の主軸が変化するからだ。前半ではアイドルから騎手を目指す少年、後半では馬の気持ちが理解できる少年を主人公にしている。どちらも騎手という夢にどう向き合っていくかが描かれてはいるのだが、分割ストーリーのため話数が少なくなっており、どちらも物足りなさが残る。また時間軸も飛び飛びで主人公たちの技術面の成長や友情を育む過程が丁寧に描写されておらず何を描きたい作品なのかイマイチわからなかった。もう少しテーマを絞っていたら、より見やすかったのではと思う。

22.『孤塁 双葉郡消防士たちの3・11』(小説)
著者:吉田千亜

 福島県にある双葉消防本部。そこで日々消防活動や訓練に勤しんでいた消防士たちは、ある日大地震に襲われる。その地震は、東日本大震災の地震であった。強い衝撃に襲われた彼らは被災者の救助や避難誘導だけでなく、原発構内での活動も強いられることとなる…

 本作は当時双葉郡の消防士だった人々にインタビューを行い、それを基に描かれたノンフィクション作品である。そのため複数の消防士たちの視点から東日本大震災の中で何が起きていたのかが語られており、目を背けたくなる部分もある。
 本作の特徴は登場人物の心情や情景が事細かに描かれていることに反して、文章自体は淡泊な印象があるという点だ。そのため状況の悲惨さや当時の人々の持つ恐怖が読者に淡々と伝わってくる。記憶が薄れやすい人間だからこそこの作品は定期的に読み、事前準備の必要性や緊急時への対策強化に対する意識を維持していくべきではないだろうか。

23.「タコピーの原罪」(漫画)
著者:タイザン5

 ある日地球にハッピーを広めるために訪れたハッピー星の生命体タコピーは、小学四年生の久世しずかに助けられる。その礼も兼ねて彼女を幸せにするべく「ハッピー道具」を彼女に与える。しかししずかはその道具で自身の首を吊ってしまい死亡。タコピーは今度こそしずかを幸せにすべく過去に遡ることにする。

 本作は他作品と比べて少ない話数で完結しており、読み切りやすい作品となっている。しかし物語で描かれるのは複雑な家庭環境やそれに関係するいじめ、事件と言った重苦しいものとなっている。タイムリープものであるため情報が少しずつ公開される中での謎解き要素が重要となるだろうが、それに加えて人間の恐ろしさを実感できる。人物描写がとにかく優れており、キャラクターのふとした表情や発言は作品が現実であるかのように錯覚させる。主人公のタコピーがデフォルメされた純粋なキャラクターであることで読み手は人間の醜さなどにフォーカスが向きやすくなっており、様々な角度から恐怖を体感できる。

24.「一週間フレンズ。」(映画)
原作:葉月抹茶 監督:村上正典 脚本:泉澤陽子

 高校生の長谷祐樹は藤宮香織という女生徒に関心を持つが、クラスメイトになったにも関わらず香織は祐樹と距離をとりたがる。そしてその態度は祐樹だけではなく、クラスメイト全員にもとっているようだった。その点を不思議に思っていた祐樹だったが、香織と関わりを持とうとする彼に担任から衝撃の事実を知らされる。香織は記憶障害を持っており、一週間しか記憶が所持できないのだ…と。

 本作は人気漫画「一週間フレンズ。」を実写映画化したものである。しかし、正直言って本作は優れた作品とは言えない。何故なら二時間という時間の制限があることで祐樹と香織の関係性の築き方が雑になっているからだ。ヒロインの香織は記憶障害を抱えるきっかけとして人間関係が上手くいかなかったことを挙げている。そのため祐樹という他者と関わりを持つことにはかなり慎重であるべきなのだが、本作は祐樹が香織にぐいぐい関わろうとしてそのまま関係を築くように見えるのだ。人との関わりに恐怖感を持っているヒロインがどうやって主人公と関わりを持つのかが重要なはずなのに、そこが半ば強引なのはもったいないのではないだろうか。

25.「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」(映画)
原作:青山剛昌 制作:トムス・エンタテインメント 監督:満仲勧 脚本:大倉崇裕

 ハロウィンが間近に迫ったある日、コナンたちは渋谷で開かれた高木刑事と佐藤刑事の結婚式に参列する。すると突然式場に複数の男性が入り、高木刑事は彼らが撃った銃弾を佐藤刑事から庇って受けてしまう。
 そして同時刻、公安警察の降谷零と風見裕也はある爆弾犯を追っていたのだが、降谷はその中で爆発に巻き込まれ、謎の人物によって首輪型の爆弾を付けられてしまう。
 一体渋谷で何が起きているのか。そしてこの事件と人々の関わりとは?

 本作は「名探偵コナン」シリーズの映画化作品であり、その主軸に警察と公安という二つの組織が置かれている。今回起きる事件は降谷と彼の警察学校での同期たちが過去に関わっている事件であり、佐藤刑事とも関係がある。これにより本作では活躍する人物が多くなっており少々混乱する部分があるかもしれない。
 しかしどのキャラクターにも活躍の場面がしっかりと用意されており、心情も語られるため作品自体の満足感はかなりあるのではないだろうか。

26.「竜とそばかすの姫」(映画)
原作・監督・脚本:細田守 制作:スタジオ地図

 高知県の田舎で暮らしている女子高生すずは仮想世界「U」の中でベルという姿をとり、歌でユーザーたちを魅了していた。次第にベルは歌姫として、世界中から注目を集めるほどになっていった。
 ある日、そんなベルのコンサートが謎の竜によって邪魔をされ中止になってしまう。人々は竜を非難したが、ベルはそんな竜が気になり個人的に彼を追うことにした。

 本作は現実世界と仮想世界を交互に描きつつ、「U」で悪者とされている竜をすずが追うという物語になっている。そして、その中で登場人物たちが自身のそのままの姿や本心を人々に見せるという行為が非常に重要視されている。現実世界と「U」での活動はそのまま現在の現実世界とネット世界にも反映でき、なにかしらの教訓を得ることができるかもしれない。
 しかし、本作はそんなシリアスな物語の中にベルの歌唱パートも多くあり作品で描きたいことがうやむやになってしまっている。なんならこの歌唱パートは映像と演出のクオリティが非常に高く、こちらがメインコンテンツのようにも思える。個人的には、内容をどちらかに偏らせることでより見やすいかと感じた。

27.「ブラック★★ロックシューター DAWN FALL」(アニメ)
原作:huke 制作:バイブリーアニメーションスタジオ 監督:天衝(田中基樹) 

 西暦2062年、世界は人工知能のアルテミスが人類との戦いを選んだことで始まった人間と機械との戦いが二十年続いていた。人類が苦しい生活を続ける中、荒廃した地下研究施設でとある少女が目覚める。しかし、その少女は記憶を失っていた。

 本作はSF作品であるが物語はロードムービーのようなものであり、主人公たちが荒廃した世界を旅する中で刺客に襲われそれを撃退する…というような話がほとんどである。この要素に世界観の難しさも加わるので、ストーリー単体で楽しむことは難しい。
 しかし戦闘シーンの動きやカメラワークには力を入れており、アクション作品として見た場合は高い満足度を持つこともあるのではないだろうか。また本作は3DCGでキャラクターが描かれているが、それは世界観の設定に合っておりあまり違和感を持たなかった。

28.「理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθ」(アニメ)
原作:山本アリフレッド 制作:ゼロシー 監督:喜多幡徹 

 一見両想いに思われる理系大学生の雪村と氷室は、恋がどんなものであるか理論的に説明するために研究を進めていた。
 これまでの研究でムード値というものが恋に重要な要素なのではと考えた二人は、沖縄合宿でムード値が最高な場所でキスをすることに成功する。しかし、その際に採取した唾液量が足りず研究は失敗に。氷室たちはもう一度研究し直すこととなった。

 一期では雪村と氷室の二人と、他者が考えるカップル像を比較する形式で物語が展開したが、二期では実在する他のカップルと比較する形式になっている。この比較対象の変化は確かに面白いのだが、個人的には数学的ではなく感情的な分析が多くなってしまうため恋という数式では表せないものを強引に変換しようとする一期の面白さが削がれてしまい残念に感じた。しかし登場人物が増えた分ギャグの路線も増えていたため、単純なギャグ作品として見るのであれば良い変化だったかと考える。

29.「モアナと伝説の海」(映画)
制作:ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ 監督:ロン・クレメンツ、ジョン・マスカー 脚本:ジャレド・ブッシュ

 幼い頃から海に関心を持っていた少女モアナは、生まれ育った島の教えでサンゴ礁の先へ向かうことを禁じられていた。しかしある時、島周辺の海から魚がいなくなると共に作物も採ることができなくなってしまう。島民がサンゴ礁の先に行くか、行かないかと葛藤する中、モアナは祖母から自身が「海に選ばれし者」なのではと告げられ、テ・フィティという女神のもとへ向かうこととなる。

 本作はストーリーも主人公の意志も作品を通して一貫しており非常にわかりやすい。その分物語の展開が読みやすいという欠点はあるが、子どもが見ることが多いであろうディズニープリンセス作品だと考えると問題ないのではないだろうか。
 また映像美が素晴らしくアニメーションでは細かく描写することが難しい波が非常に鮮やかに描かれており映像だけでも楽しむことができる。本作では人物だけでなく、こういった波や植物…つまり自然も登場人物と考えられるほど表情豊かであり素晴らしかった。

30.「心が叫びたがってるんだ。」(映画)
原作:超平和バスターズ 制作:A-1 Pictures 監督:長井龍雪 脚本:岡田磨里

 主人公である成瀬順は幼い頃自身の発言から両親を離婚に導いてしまったことを後悔し、喋るという行為を玉子の妖精に頼んで「封印」する。それからは他者とメモか携帯を用いないとコミュニケーションをとることが出来なくなり、そんな順は人間関係を築くことがうまくできなかった。
 順はある時、クラスメイトの坂上拓実と仁藤菜月、田崎大樹の三人と共に地域ふれあい交流会の実行委員に任命されたのだった。

 本作は主人公の呼吸音や台詞ごとの間の作り方、映像の綺麗さが相まってかなりリアリティを感じる作品だった。物語のテーマ自体はベタで綺麗事のようにも思えてしまう部分もあるだろうが、この作品全体の雰囲気作りがその綺麗事感を多少薄ませていたと思う。
 ただし終盤の順のような経験をした事のある人は滅多にいないだろうし、終盤の行動はかなり自分勝手なのでその展開についていけない人もいるのではと考えた。そこに目をつむることが出来れば、かなり完成度の高い映画作品だと考える。
2022/09/11(日) 18:58 No.1872 EDIT DEL
3年 高橋 RES
夏休み課題11〜20

11.「メイドインアビス 深き魂の黎明」(映画)
原作:つくしあきひと 監督:小島正幸 脚本:倉田英之 制作:キネマシトラス

 世界に残された秘境「アビス」。そこへの冒険に憧れていたリコは、既に「アビス」の深層へ降り立った母からの手紙とそれに関わりがあると考えられる記憶喪失のロボット、レグと共に遂に「アビス」へ挑む。深界三層でナナチという仲間を加えた二人は、深界五層へと向かったのだった。

 本作は2017年にテレビアニメで放送された「メイドインアビス」の続編となっている。そのためアニメ版を視聴していないと世界観の認識などに時間がかかり、作品を楽しむことは難しいだろう。また、本作は絵のタッチに反して少年少女に対するグロ描写が間接的にも直接的にもあるため、見る者を選ぶ作品だろう。
 だが物語の展開や世界観、キャラクターの描き方自体は非常に面白く作品としての完成度は高い。グロ描写が平気な人は、一度チャレンジしてみても良いのではないだろうか。

12.「名探偵コナン 緋色の弾丸」(映画)
原作:青山剛昌昌 監督:永岡智佳佳 脚本:櫻井武晴 制作:トムス・エンタテインメント

 毛利小五郎探偵事務所と少年探偵団のメンバーはスポーツの祭典「WSG」の東京開催を祝うパーティーへ向かった。するとそこでスポンサーである鈴木史郎が拉致される。その後すぐに彼は発見されたが、拉致前後の記憶を失っていた。
 実は他の「WSG」スポンサーも同様の事件が起きていると知り、コナンはFBIの赤井秀一に調査協力を依頼される。コナンは無事事件を解決できるのか。

 本作は近年のコナン映画に多いサブキャラクターに焦点を当てた作品となっており、今回のメインキャラクターは赤井秀一とその家族ということになっている。そのため主要キャラクターが多くかつそれぞれが別行動をすることがほとんどのため場面転換も増えている。見る人によってはこの視点の多さに混乱するかもしれない。
 だが物語の展開や犯人を特定するまでの推理、そしてコナン映画特有の衝撃的なアクションシーンは存分に楽しむことができる。特に終盤のコナンが危機的状況を脱する方法は思わず笑ってしまいたくなるほど想像もできないダイナミックなものとなっている。この解決法についてはぜひ鑑賞済みの人と語り合いたい。

13.「神クズ☆アイドル」(アニメ)
原作:いそふらぼん肘樹 制作:Studio五組 監督:福岡大成

 アイドルという職業に就いていながら、常時やる気がなくファンサもしない男性アイドル仁淀ユウヤ。社長からクビを宣告された仁淀だったが、そんな時ある幽霊と出会う。彼女は伝説の女性アイドルとして有名だった最上アサヒだった。

 本作は様々な視点から「アイドル」というものを取り上げた作品となっている。登場人物のほとんどはアイドルに強い情熱や愛を持つ者たちなのだが、主人公の仁淀だけはアイドルに関心がほとんどない人物となっている。そのため作品の雰囲気や物語の展開の仕方といった作品全体に緩急が生まれ、それが同時に主人公を引き立てるものとして作用している。
 ただしアイドルアニメ特有のライブパートが本作では3Dアニメーションになっており、なおかつモデルのクオリティがあまり高くないのでそこは残念だった。本作は一話に一度はライブパートがあるため、そのクオリティが高くないのは非常にもったいなく感じる。

14.「ミニオンズ」(映画)
原案:セルジオ・パブロス 監督:ピエール・コフィン 脚本:ブライアン・リンチ 制作:イルミネーション・エンターテインメント

 海で暮らす単細胞生物であったミニオンたちは、常に最強最悪の主人に仕えることを生きがいとしてきた。しかし彼らのミスによって主人は死んでしまうばかり。しかし主人がいなければやる気も見つからない自分たちに危機感を持ったケビンは、スチュアートとボブを連れてボス探しの旅に出ることとなった。

 本作は「怪盗グルー」シリーズで人気キャラクターであるミニオンたちに焦点を当てた前日譚である。ミニオンたちは人間よりも身体が小さく言語も少々異なるが、感情表現が豊かである。そのため見る側はまるで子どもの初めてのおつかいを見るような感覚でミニオンたちの冒険を見ることができる。それがこの作品の魅力だと私は考えている。
 また、映像は3Dアニメーションであるが作品全体がアニメ調の作画であるため動きやパーツを違和感なく受け入れることが可能だ。更に3Dのキャラクターである分動きに大胆さが出ており、ミニオンたちの魅力を高めるものとなっているだろう。

15.「マンマ・ミーア!」(映画)
原作・脚本:キャサリン・ジョンソン 監督:フィリア・ロイド

 ある島でホテルを経営しているドナの娘、ソフィは自身の結婚式を間近に控えていた。ソフィはこれまで自身の父親について一切知らされていなかったのだが、ある日母の日記を発見し自身の父親と思われる人物が三人いることを知る。どうしても父親に会いたいと考えたソフィは、ドナのふりをして記述にあった男性三人へ結婚式への招待状を送るのであった。

 本作はミュージカル作品であり、主人公のソフィとその母ドナの心情や恋愛模様を丁寧に描いている。作品内では高頻度でミュージカルが入るのだが、それらが物語の展開や構成を邪魔することが無くどれもクオリティが高い。また登場人物の感情とミュージカルの曲調や歌詞を綺麗にリンクさせているため、見る側に登場人物への感情移入をしやすくしている。
 そして物語の主軸はソフィとドナの恋愛でありその二つの対比が物語全体で行われている。子どもだからこその考え、大人だからこその考えの二つが衝突する展開は考えさせられる部分もあり終盤には感動すること間違いなしである。

16.「バケモノの子」(映画)
原作・監督・脚本:細田守 制作:スタジオ地図

 9歳の少年、蓮は両親がいなくなり親族に養子として迎えられる際に逃げ出し街へ繰り出す。そしてそこで熊徹と呼ばれるバケモノを見つけ、彼を追いかけるうちにバケモノたちが住む世界「渋天街」へ入りこんでしまう。
 元の世界へ戻る方法が分からなくなった蓮は街を探索するうちに熊徹を見つけ、ひょんなことから熊徹の弟子になってしまう。熊徹に「九太」と呼ばれるようになった蓮は修行の中で成長していき…

 本作は家族というものをテーマにしており、元々家族ではなくましてや同じ種族でもない熊徹と九太が絆を育んでいく過程を丁寧に描いている。作品の中では九太が少年から青年になるまでの長い時間が描かれるのだが、どのパートでも変に省略することや時間の流れを速くするといったことをしないためすんなりと二人の成長を受け入れることができる。
 しかし個人的には、九太が人間界に戻り楓と恋愛関係を築く過程は少々蛇足に感じられた。本作ではすでに家族愛というものを描いているため、わざわざ男女の恋愛も盛り込む必要はなかったのではないだろうか。彼女との関係以上に、私は九太と彼の実の父との関係をもっと描いて欲しかったと考える。


17.「Lobotomy Corporation」(ゲーム)
開発元:Project Moon 

 主人公である管理人Xはアブノーマリティという未知の生物からエネルギーを回収する企業、ロボトミー社で働くこととなった。Xは管理者たちをサポートするAIの「アンジェラ」や各管理チームのリーダーたちと交流を深めながら、エネルギー回収のため部下に指示を出していく。しかし、徐々にロボトミー社の本来の姿が見え始め…

 本作は元々ロボトミー社の社員の管理と運営を行うシミュレーションゲームなのだが、その中で描かれる恐ろしい世界観とロボトミー社の謎に迫るストーリーがとにかく魅力的である。物語は基本静止画とテキストで描かれ、シミュレーションゲームを一定数やりこむことで進行していく。メインストーリーの展開にはショッキングな描写もあるのだが、イラストがポップであることから受け入れやすく、その分より衝撃的に真実を理解していくこととなる。
 また、本作はメインストーリーだけでなくアブノーマリティという生命体それぞれにも専用のストーリーがテキストのみだが記載されており、そこでも独特な世界観を味わうことができる。メインストーリーとサブストーリーどちらもが魅力的なため、ぜひとも一度やってほしいゲームだ。

18.「Library Of Ruina」(ゲーム)
開発元:Project Moon
 
 治安維持から人殺しまで、依頼を受ければなんでも行う職業「フィクサー」である男性ローランは、気が付くと図書館のような施設に飛ばされていた。その図書館にはアンジェラと呼ばれる女性がおり彼女はこの施設は許可が無ければ侵入できないはずであること、それ故にローランは不安要素であること、ローランは自身の計画を邪魔されないように私の元で働くか殺すかしかないことを告げる。こうしてローランは図書館で働くこととなった。

 本作は「Lobotomy Corporation」の続編であり、前作の舞台だったロボトミー社における”事件”の後の外の世界に焦点を当てた物語となっている。物語の舞台が広がったことにより前作の世界観をより詳細に楽しむことができ、新たなる謎や事実が判明するため前作ファンにはたまらない作品と言えるだろう。また今作は章によって様々な人物の視点から物語が展開され、その登場人物によって他の人物の視点では謎だった点が解明するといったこともある。この精巧な物語構成こそ本作最大の魅力と言える。

19.「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」(映画)
原作・脚本:尾田栄一郎 監督:境宗久 制作:東映アニメーション

 グランドラインでの航海を続けていたルフィ率いる麦わらの一味は、ある時ルフィたちの故郷であるイーストブルーの島が次々と襲われているという情報が舞いこんで来る。彼らがイーストブルーへ戻ろうとする中で突然現れた伝説の大海賊であるシキに麦わらの一味の一員であるナミを誘拐されてしまう。そしてルフィたちはそのまま、シキの能力で空飛ぶ島に落とされてしまった。

 本作は大人気のジャンプ漫画「ONE PIECE」のアニメ映画となっており、映画版「ONE PIECE」作品の中では初めて原作者の尾田氏が脚本を務めている。そのため本編の物語も絡ませつつそこに矛盾や違和感を抱かせないストーリーとなっておりファンは安心して物語に入りこむことができるだろう。加えてエピソードが多く盛り込まれており、戦闘シーンもちゃんと描かれるので満足感も得やすい。
 しかしテンポが良い分起承転結があっさりしている部分があり、ストーリーの完成度に着目する人にとっては物足りなく感じる可能性がある。

20.『スイッチを押すとき』(小説)
著者:山田悠介

 青少年自殺抑制プロジェクトセンターで監視員をしている南洋平は、ある日四人の少年少女の監視に勤めることとなる。この施設では彼らに押せば死ぬことのできるスイッチを持たせ、監禁していた。多くの子どもたちはこの状況に耐えられずスイッチを用いて自殺していったが、洋平が担当する四人はなんと七年間生き続けていた。洋平が彼らと交流を深める内に、ある感情が芽生えていく。

 本作は国側が青少年の自殺を抑制するために施設にいる青少年に自殺を促すという矛盾した世界を舞台に物語が展開している。一見突拍子のない作品世界にも思えるが、序盤の描写が非常に細かく現実味を感じて読み進めることができた。また絶望的な状況に立たされている少年少女だが、その中でも友情を築き一瞬の自由を謳歌する姿は汚い国の姿も描かれている分美しく感動的に読み取れた。
 しかし終盤の展開には強引な部分が多くストーリーのこじつけを感じさせる。情景描写が丁寧な分、この物語の展開の強引さは非常にもったいなかった。
2022/09/11(日) 18:57 No.1871 EDIT DEL