NEW CONTRIBUTION FORM
2年 橋本
RES
夏休み課題11~20
11、『劇場版 メイドインアビス深き魂の黎明』原作:つくしあきひと、監督:小島正幸
秘境の大穴「アビス」には、未知で奇怪な生物が生息しており貴重な遺物が眠っている。その探索中に行方不明となった母親を探すため「アビス」に潜ったリコたちは、その途中で子供たちを研究のため成れ果ての姿にしているボンドルドに出会い、「奈落の底」に進むため彼と対決することになる。
可愛らしく綺麗なアニメーションが目を引くものだったと感じたが、虫など生物の動きや、それを調理する過程が現実的で細かかったため、それらが対照的になっていると感じた。特に、レグの体を研究する場面で腕を切断するところは、その方法などがやけにリアルで恐怖心を煽るものであったと思った。
12,『メイドインアビス烈日の黄金卿』原作:つくしあきひと、監督:小島正幸
ボンドルドに育てられていたものの実験に利用されてしまったプルシュカは、形を変えリコの白笛となる。リコたちはその後、さらに深層を目指していたのだが、その最中で白笛を何者かに盗まれてしまう。それを探すため歩みを進めると、その先にあったのは成れ果てが独自の世界観を持ち生活している成れ果ての村であった。
成れ果ての村を創造した者たちと、リコたちの物語が並行して進んでおり、段々とその村の真相にたどり着いていく様が面白かった。成れ果ての村ということもあり奇怪な見た目の者が多いうえに、普通と違うルールを持つ独特の世界観と常識も言語も通じないということがより不安感を煽っていると感じた。
13、『キャラクター』監督:永井聡
有名漫画家のアシスタントを務め高い画力を持ちながらも、描く登場人物にキャラクター性がないと言われ続けていた山城は、ある日住宅街のスケッチに出かけた。そこで彼は、凄惨な殺人現場に遭遇して殺人犯を目撃してしまい、その男をモデルにサスペンス漫画を描き始める。そのリアルな悪のキャラクター性が話題になり漫画は大ヒットするのだが、やがて、その漫画で描かれた殺害事件を模倣した事件が次々に発生するようになるという、殺人犯をモデルにした漫画家と漫画を模倣し殺人事件を起こす殺人犯の物語。
主人公や周りの人々を監視している覗き見のような視点で描かれる映像の描写が、後の展開の伏線になっていたり観客の不安感をあおるように多用されていたと感じた。そのような描写も印象深いと感じたのだが、主人公が殺人現場の光景に感化され作品を描くという少し狂気的にも感じる様子や、殺人犯の細かい仕草や表情、視線の動きで異常さを感じさせている演技が印象的だった。
14、『天空の城ラピュタ』原作・監督・脚本:宮崎駿
見習い機械工の少年パズーは、ある日空から降ってきた少女を助ける。その少女シータは飛行石を持っており、その不思議な力を狙った政府機関や海賊に追われていた。彼らは飛行石をめぐる陰謀に巻き込まれていき、やがて「ラピュタ帝国」にいざなわれていく。
線路を車で走行して崩れていく場面の非現実感と、列車を引き離す際の手順などの細かい描写による現実感の緩急が多くあった。また、地下で二人で話す場面でランプの光に照らされた二人の影に合わせた引いたカメラワークが印象的だった。
15、『となりのトトロ』原作・監督・脚本:宮崎駿
学者の父に連れられてサツキとメイは田舎に引っ越すことになる。豊かな自然があふれる環境で三人が暮らし始めたのはお化け屋敷のような一軒家であり、その家には不思議な生き物が住んでいた。
メイが小トトロ達を追いかける場面の効果音や音楽が独特でコミカルに表現されており、トトロの口の中からメイが見えるカメラワークなどが特徴的であった。また、メイには子供の好奇心故、様々なものに興味を持ちトトロなどの生き物を発見するという見る役割があるのだと考えられた。
16、『耳をすませば』原作:柊あおい、制作プロデューサー・脚本・絵コンテ:宮崎駿、監督:近藤喜文
読書が好きな中学生の月島雫は、本を借りるたびに図書カードに名前があった天沢聖司という存在が気になっていた。そんなある日、一人の少年と出会い、彼が天沢聖司であったことを知る。彼はバイオリン職人になるという夢を持っており、雫はそんな彼と同じように夢を持とうと物語を書き始める。
車が通る道路を当たり前に横切るという行動が、彼女の暮らす町が田舎の町ということを感じさせるものだと思った。また、物語展開は予想していたよりも恋愛要素が強く、それに加え、夢に挑戦し苦しんで挫折したりする少年少女の姿は、青春を感じさせ読者に共感と夢を与えるものだと感じた。
17、『劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス』監督:湯山邦彦
世界一美しいと言われる水の都を訪れたサトシたちは、そこで伝説とされていたラティアスとラティオスという兄妹ポケモンに出会う。彼らはこの街に隠されている秘宝の心の雫を守っていたのだが、有名な姉妹怪盗がそれを狙ってやってくる。
サトシたちが怪盗から入り組んだ道を逃げる場面で、一人称視点で走っている揺れたカメラワークにより、物語に入り込んだような臨場感が感じられた。また、一時間弱の作品であったためポケモンの主な視聴者層である子供が飽きずに見られるのではないかと思った。
18、『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ』監督:湯山邦彦
サトシたちは旅の途中に、水ポケモンと心を通わせることができるという水の民の末裔と出会う。彼女から海のどこかに神殿と秘宝が隠されているという伝説と、そこへの道しるべとなるポケモンのタマゴを保護していることを聞く。偶然サトシの仲間がそのポケモンの誕生に立ち会ったため、母親だと認識され懐かれたことにより、彼らは秘宝探しに同行することになる。
ジャックが逃走する場面で、敵キャラがジャガイモで足を滑らせたりと分かりやすく動きがコミカルに表現されていたと感じた。不思議な力で空を浮遊したりするなどファンタジーな要素が多いのに対して、敵の怪力の正体がメカスーツによるものだったりと妙なところで現実的なところが見られ面白いと思った。
19、映画『東京リベンジャーズ』原作:和久井健、監督:英勉
人生で負け続けているフリーターの花垣武道は、ある日ニュースで唯一の元恋人である橘日向が犯罪組織“東京卍會”の構想に巻き込まれて亡くなったことを知る。その後、何者かに突き落とされて線路に転落し死を覚悟した武道だったが、その瞬間なぜか12年前にタイムリープしていた。それを機に武道は、日向を救うために“東京卍會”に関わり始める。
現在では、仕事先で周りから好き勝手な言葉を投げかけられながらも、それに言い返せず愚痴をもらしているが、過去をやり直す際は何事にも諦めず立ち向かうという主人公の対極な性格が主人公らしさとらしくなさを感じられて面白いと思った。原作を読んだことがあったためかなり改変されているとは感じたが、映像も展開の流れも自然に見られたと感じた。
20、映画『斉木楠雄のΨ難』原作:麻生周一、脚本・監督:福田雄一
先天的に超能力を持っており、日々普通に生きたいと願っている斉木楠雄が個性的なクラスメイト達に振り回され災難に巻き込まれていく物語。
主人公をメインに映している場面で、画面の端の方で他の登場人物たちが個性ある行動をしているところや、周りの皆が物語らしい発言をしている場面に冷静にツッコミを入れる際の音楽と映像の見せ方が面白いと感じた。また、映画でよく使われる前フリや伏線的な映像を、主人公がメタ的に解釈しながら進む斬新さが新鮮だった。
11、『劇場版 メイドインアビス深き魂の黎明』原作:つくしあきひと、監督:小島正幸
秘境の大穴「アビス」には、未知で奇怪な生物が生息しており貴重な遺物が眠っている。その探索中に行方不明となった母親を探すため「アビス」に潜ったリコたちは、その途中で子供たちを研究のため成れ果ての姿にしているボンドルドに出会い、「奈落の底」に進むため彼と対決することになる。
可愛らしく綺麗なアニメーションが目を引くものだったと感じたが、虫など生物の動きや、それを調理する過程が現実的で細かかったため、それらが対照的になっていると感じた。特に、レグの体を研究する場面で腕を切断するところは、その方法などがやけにリアルで恐怖心を煽るものであったと思った。
12,『メイドインアビス烈日の黄金卿』原作:つくしあきひと、監督:小島正幸
ボンドルドに育てられていたものの実験に利用されてしまったプルシュカは、形を変えリコの白笛となる。リコたちはその後、さらに深層を目指していたのだが、その最中で白笛を何者かに盗まれてしまう。それを探すため歩みを進めると、その先にあったのは成れ果てが独自の世界観を持ち生活している成れ果ての村であった。
成れ果ての村を創造した者たちと、リコたちの物語が並行して進んでおり、段々とその村の真相にたどり着いていく様が面白かった。成れ果ての村ということもあり奇怪な見た目の者が多いうえに、普通と違うルールを持つ独特の世界観と常識も言語も通じないということがより不安感を煽っていると感じた。
13、『キャラクター』監督:永井聡
有名漫画家のアシスタントを務め高い画力を持ちながらも、描く登場人物にキャラクター性がないと言われ続けていた山城は、ある日住宅街のスケッチに出かけた。そこで彼は、凄惨な殺人現場に遭遇して殺人犯を目撃してしまい、その男をモデルにサスペンス漫画を描き始める。そのリアルな悪のキャラクター性が話題になり漫画は大ヒットするのだが、やがて、その漫画で描かれた殺害事件を模倣した事件が次々に発生するようになるという、殺人犯をモデルにした漫画家と漫画を模倣し殺人事件を起こす殺人犯の物語。
主人公や周りの人々を監視している覗き見のような視点で描かれる映像の描写が、後の展開の伏線になっていたり観客の不安感をあおるように多用されていたと感じた。そのような描写も印象深いと感じたのだが、主人公が殺人現場の光景に感化され作品を描くという少し狂気的にも感じる様子や、殺人犯の細かい仕草や表情、視線の動きで異常さを感じさせている演技が印象的だった。
14、『天空の城ラピュタ』原作・監督・脚本:宮崎駿
見習い機械工の少年パズーは、ある日空から降ってきた少女を助ける。その少女シータは飛行石を持っており、その不思議な力を狙った政府機関や海賊に追われていた。彼らは飛行石をめぐる陰謀に巻き込まれていき、やがて「ラピュタ帝国」にいざなわれていく。
線路を車で走行して崩れていく場面の非現実感と、列車を引き離す際の手順などの細かい描写による現実感の緩急が多くあった。また、地下で二人で話す場面でランプの光に照らされた二人の影に合わせた引いたカメラワークが印象的だった。
15、『となりのトトロ』原作・監督・脚本:宮崎駿
学者の父に連れられてサツキとメイは田舎に引っ越すことになる。豊かな自然があふれる環境で三人が暮らし始めたのはお化け屋敷のような一軒家であり、その家には不思議な生き物が住んでいた。
メイが小トトロ達を追いかける場面の効果音や音楽が独特でコミカルに表現されており、トトロの口の中からメイが見えるカメラワークなどが特徴的であった。また、メイには子供の好奇心故、様々なものに興味を持ちトトロなどの生き物を発見するという見る役割があるのだと考えられた。
16、『耳をすませば』原作:柊あおい、制作プロデューサー・脚本・絵コンテ:宮崎駿、監督:近藤喜文
読書が好きな中学生の月島雫は、本を借りるたびに図書カードに名前があった天沢聖司という存在が気になっていた。そんなある日、一人の少年と出会い、彼が天沢聖司であったことを知る。彼はバイオリン職人になるという夢を持っており、雫はそんな彼と同じように夢を持とうと物語を書き始める。
車が通る道路を当たり前に横切るという行動が、彼女の暮らす町が田舎の町ということを感じさせるものだと思った。また、物語展開は予想していたよりも恋愛要素が強く、それに加え、夢に挑戦し苦しんで挫折したりする少年少女の姿は、青春を感じさせ読者に共感と夢を与えるものだと感じた。
17、『劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス』監督:湯山邦彦
世界一美しいと言われる水の都を訪れたサトシたちは、そこで伝説とされていたラティアスとラティオスという兄妹ポケモンに出会う。彼らはこの街に隠されている秘宝の心の雫を守っていたのだが、有名な姉妹怪盗がそれを狙ってやってくる。
サトシたちが怪盗から入り組んだ道を逃げる場面で、一人称視点で走っている揺れたカメラワークにより、物語に入り込んだような臨場感が感じられた。また、一時間弱の作品であったためポケモンの主な視聴者層である子供が飽きずに見られるのではないかと思った。
18、『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ』監督:湯山邦彦
サトシたちは旅の途中に、水ポケモンと心を通わせることができるという水の民の末裔と出会う。彼女から海のどこかに神殿と秘宝が隠されているという伝説と、そこへの道しるべとなるポケモンのタマゴを保護していることを聞く。偶然サトシの仲間がそのポケモンの誕生に立ち会ったため、母親だと認識され懐かれたことにより、彼らは秘宝探しに同行することになる。
ジャックが逃走する場面で、敵キャラがジャガイモで足を滑らせたりと分かりやすく動きがコミカルに表現されていたと感じた。不思議な力で空を浮遊したりするなどファンタジーな要素が多いのに対して、敵の怪力の正体がメカスーツによるものだったりと妙なところで現実的なところが見られ面白いと思った。
19、映画『東京リベンジャーズ』原作:和久井健、監督:英勉
人生で負け続けているフリーターの花垣武道は、ある日ニュースで唯一の元恋人である橘日向が犯罪組織“東京卍會”の構想に巻き込まれて亡くなったことを知る。その後、何者かに突き落とされて線路に転落し死を覚悟した武道だったが、その瞬間なぜか12年前にタイムリープしていた。それを機に武道は、日向を救うために“東京卍會”に関わり始める。
現在では、仕事先で周りから好き勝手な言葉を投げかけられながらも、それに言い返せず愚痴をもらしているが、過去をやり直す際は何事にも諦めず立ち向かうという主人公の対極な性格が主人公らしさとらしくなさを感じられて面白いと思った。原作を読んだことがあったためかなり改変されているとは感じたが、映像も展開の流れも自然に見られたと感じた。
20、映画『斉木楠雄のΨ難』原作:麻生周一、脚本・監督:福田雄一
先天的に超能力を持っており、日々普通に生きたいと願っている斉木楠雄が個性的なクラスメイト達に振り回され災難に巻き込まれていく物語。
主人公をメインに映している場面で、画面の端の方で他の登場人物たちが個性ある行動をしているところや、周りの皆が物語らしい発言をしている場面に冷静にツッコミを入れる際の音楽と映像の見せ方が面白いと感じた。また、映画でよく使われる前フリや伏線的な映像を、主人公がメタ的に解釈しながら進む斬新さが新鮮だった。
2年 橋本
RES
夏休み課題1~10
1、『映画えんとつ町のプペル』製作総指揮・原作・脚本:西野亮廣、監督:廣田裕介
いつも厚い煙に覆われているえんとつ町で、空の煙の先には星があるのだ、という亡き父の教えを信じて暮らしている少年ルビッチが、あるハロウィンの日にゴミ人間プペルと出会い、幻想だと笑われるその教えを確かめるために、二人が巻き起こす「信じる勇気」の物語。
原作である絵本が細かく美しいイラストで話題になったこともあり、アニメーションの美しさに目を引かれる作品であったと感じた。物語の展開や動きは子供向けだったと感じたが、伏線回収や映像の美しさは素直に面白いと思えるのではないかと思った。
2、『影踏み』原作:横山秀夫、監督:篠原哲雄
プロの窃盗犯として生きてきた真壁修一は、深夜に人のいる住宅に忍び込み現金を持ち去る凄腕のノビ師であり、地元警察からはノビカベの異名で呼ばれていた。ある夜、真壁は侵入した寝室で就寝中の夫に火を放とうとする女性の姿を目にし、それを止めた直後に逮捕されてしまう。2年後出所した真壁は、彼を慕う啓二と共に事件で気がかりであった疑問について調べる中で、裏でつながっている様々な事件が巻き起こっていく。
終盤で、啓二が既になくなっており、その姿は真壁の願望が具現化された姿だったと明かされるのだが、映像を見返してみると啓二の姿を誰も見ていなかったり会話をしていなかったりしていて、そのような映像で表現する伏線が印象深かった。
3、『君は月夜に光り輝く』原作:佐野徹夜、監督・脚本:月川翔
高校生になった僕のクラスメイトには、発光病という不治の病を患い入院したままの少女がいた。ある日、僕は余命僅かなその彼女にクラスメイトたちからの寄せ書きを届けることになり病院を訪れる。そこで話すうちに、やがて僕は少女の死ぬまでにやりたいことを代わりに体験し、その感想を伝えるという約束をすることになるという物語。
愛する人が死ぬまでにどう過ごすか、など自分の死生観を改めて考えさせられるような作品だった。主人公が少女に見せようと撮影したカメラの映像や、月に照らされる二人の姿などの映像が繊細で綺麗だと感じた。
4、『12人の死にたい子どもたち』監督:堤幸彦
死にたいと望む12人の少年少女たちが、集団安楽死を遂げるため廃病院に集まる。だが、その場所にはそこにいるはずのない13人目の遺体があった。そこで彼らは、目的を果たすためにその遺体の謎を解き明かそうとする。その中で明かされる彼らの死にたい理由とは何なのか、また彼らは最期にどのような決断をするのか。
12人それぞれに異なる死にたい理由があり、物語のなかでは、そんなことで死にたいのかと問われるような理由もあり、人によっての価値観の違いを明確に感じられた。予告を見た時はミステリーの謎解き要素が強い作品なのかと思ったが、全体的に人の心に焦点を当てている作品であり、理由は違えど同じ思いを持つ者同士で心を開いていく様子なども感じられた。
5、『サヨナラまでの30分』監督:萩原健太郎
就職活動がうまくいっていない大学生の颯太は、ある日偶然カセットテープを拾った。それをきっかけにカセットテープの持ち主であった、1年前に亡くなったミュージシャンのアキの姿が見えるようになる。二人はカセットテープを再生している30分間だけ入れ替わることができ、アキは颯太の体を借りて、彼の死で解散してしまったバンド「ECHOLL」を再結成させようとする。
音楽映画であるため、多くの有名なアーティストが楽曲を提供しており、歌唱シーンだけでなく登場人物の心情を表現する場面でも曲が使用されていた。物語の展開に合わせた曲が意図的に作られていると感じられ、二人が入れ替わる際の映像の撮り方や演じ分けも印象的だった。
6、『ブレイブー群青戦記―』原作:笠原真樹、監督:本広克行
スポーツ強豪校の弓道部に所属する、目立つのが苦手で自分に自信のない西野蒼は、道場で練習に励むだけの日々を送っていた。だが、学校に雷が落ちたある日、校内に武士が乱入し生徒たちが次々に切り殺されていった。そんな中、歴史好きな蒼は戦国時代の「桶狭間の戦い」直前に学校がまるごとタイムスリップしてしまったことを悟り、現代に帰ろうと奮闘する。
殺そうという意思で向かってくる武将を相手に、高校生のトップアスリートたちが戦うという展開と、常に死が身近にある戦国武将たちと死が当たり前ではない現代の高校生の対比が面白いと感じた。だが、現代に戻った後の場面で、生徒が普通に過ごしていたり、剣を持つ相手にタックルしたり野球ボールを投げつけたりして対抗するなど、現実的に考えると違和感を感じてしまう場面が多くあったようにも感じた。
7、『とんび』原作:重松清、監督:瀬々敬久
武骨で不器用な男ヤスに息子のアキラが生まれるが、アキラが3歳の時に妻はアキラの身代わりに事故に遭い亡くなってしまう。妻を失ってしまった喪失感と、これから一人で息子を育てていかなければならないことへの戸惑いで途方に暮れるヤスだったが、町の人々の協力と優しさに支えられて懸命にアキラを育てていく。
主要人物たちだけでなく町の人々の心の動きが繊細に表現されている作品だと思った。不器用な男が一人で息子を育てていき、アキラも段々と成長し独り立ちしていくという物語だが、この作品は父親が息子の成長を見守るというよりも息子と共に成長していく父親の物語なのではないかと感じた。
8、『女子高生に殺されたい』原作:古屋兎丸、監督・脚本:城定秀夫
「女子高生に殺されたい」という願望に取り憑かれた高校教師が、自分を望みの者に殺害してもらうための計画を実行し完全犯罪に挑んだ末路を描いた物語。
映画の登場キャラクターや物語の顛末など映画オリジナルのものが多いらしく、映画では主人公の欲望の起源が詳細に描かれているようだ。主人公の「女子高生に殺されたい」という欲望が、出産の際にへその緒が首に絡まっていて生死の境をさまよったためとあり、殺されたいという死の起源が生の瞬間にあるということが対照的で面白いと感じた。
9、『Dr.STONE』(『Dr.STONE龍水』まで)原作:稲垣理一郎・Boichi、監督:松下周平
全人類が謎の光によって石化させられてから数千年、超人的な頭脳を持つ化学少年である千空は文明が滅んだ世界を科学の力により復興すること決意する。
何かを発明する際に扱う化学薬品などを、とても詳細に説明しているところが印象的だった。力や肉体に科学や知能の計画で打ち勝つという展開が面白く、文明を知らない人々が初めてのものに触れる場面なども現代までの文明の進化を感じることができると思った。
10、『竜とそばかすの姫』原作・監督・脚本:細田守
自然豊かな田舎町で父と暮らしていた女子高校生すずは、友人に超巨大インターネット空間の仮想世界「U」に誘われて、ベルというアバターでその世界に足を踏み入れる。仮想世界では、歌えなかった歌が自然と歌えるようになり、その歌で世界中から注目される存在になっていく。そんな彼女の前に「U」の世界で恐れられている竜が現れ、彼と関わる中で成長していく少女の物語。
壮大なアニメーションと音楽が印象的だった。すずの母親は見知らぬ少女を助けるために激流に一人で飛び込み亡くなっており、娘を置いてまで助けに行くその気持ちがすずには理解できなかったが、最後にはすずも一人で少年を助けに行く。虐待現場に女子高生が一人で助けに行くことを普通に見送る周りの人々には少し違和感を感じたが、その描写で母親の気持ちを理解し自身で同じ行動をするという成長を表現したのではないかと考えた。
1、『映画えんとつ町のプペル』製作総指揮・原作・脚本:西野亮廣、監督:廣田裕介
いつも厚い煙に覆われているえんとつ町で、空の煙の先には星があるのだ、という亡き父の教えを信じて暮らしている少年ルビッチが、あるハロウィンの日にゴミ人間プペルと出会い、幻想だと笑われるその教えを確かめるために、二人が巻き起こす「信じる勇気」の物語。
原作である絵本が細かく美しいイラストで話題になったこともあり、アニメーションの美しさに目を引かれる作品であったと感じた。物語の展開や動きは子供向けだったと感じたが、伏線回収や映像の美しさは素直に面白いと思えるのではないかと思った。
2、『影踏み』原作:横山秀夫、監督:篠原哲雄
プロの窃盗犯として生きてきた真壁修一は、深夜に人のいる住宅に忍び込み現金を持ち去る凄腕のノビ師であり、地元警察からはノビカベの異名で呼ばれていた。ある夜、真壁は侵入した寝室で就寝中の夫に火を放とうとする女性の姿を目にし、それを止めた直後に逮捕されてしまう。2年後出所した真壁は、彼を慕う啓二と共に事件で気がかりであった疑問について調べる中で、裏でつながっている様々な事件が巻き起こっていく。
終盤で、啓二が既になくなっており、その姿は真壁の願望が具現化された姿だったと明かされるのだが、映像を見返してみると啓二の姿を誰も見ていなかったり会話をしていなかったりしていて、そのような映像で表現する伏線が印象深かった。
3、『君は月夜に光り輝く』原作:佐野徹夜、監督・脚本:月川翔
高校生になった僕のクラスメイトには、発光病という不治の病を患い入院したままの少女がいた。ある日、僕は余命僅かなその彼女にクラスメイトたちからの寄せ書きを届けることになり病院を訪れる。そこで話すうちに、やがて僕は少女の死ぬまでにやりたいことを代わりに体験し、その感想を伝えるという約束をすることになるという物語。
愛する人が死ぬまでにどう過ごすか、など自分の死生観を改めて考えさせられるような作品だった。主人公が少女に見せようと撮影したカメラの映像や、月に照らされる二人の姿などの映像が繊細で綺麗だと感じた。
4、『12人の死にたい子どもたち』監督:堤幸彦
死にたいと望む12人の少年少女たちが、集団安楽死を遂げるため廃病院に集まる。だが、その場所にはそこにいるはずのない13人目の遺体があった。そこで彼らは、目的を果たすためにその遺体の謎を解き明かそうとする。その中で明かされる彼らの死にたい理由とは何なのか、また彼らは最期にどのような決断をするのか。
12人それぞれに異なる死にたい理由があり、物語のなかでは、そんなことで死にたいのかと問われるような理由もあり、人によっての価値観の違いを明確に感じられた。予告を見た時はミステリーの謎解き要素が強い作品なのかと思ったが、全体的に人の心に焦点を当てている作品であり、理由は違えど同じ思いを持つ者同士で心を開いていく様子なども感じられた。
5、『サヨナラまでの30分』監督:萩原健太郎
就職活動がうまくいっていない大学生の颯太は、ある日偶然カセットテープを拾った。それをきっかけにカセットテープの持ち主であった、1年前に亡くなったミュージシャンのアキの姿が見えるようになる。二人はカセットテープを再生している30分間だけ入れ替わることができ、アキは颯太の体を借りて、彼の死で解散してしまったバンド「ECHOLL」を再結成させようとする。
音楽映画であるため、多くの有名なアーティストが楽曲を提供しており、歌唱シーンだけでなく登場人物の心情を表現する場面でも曲が使用されていた。物語の展開に合わせた曲が意図的に作られていると感じられ、二人が入れ替わる際の映像の撮り方や演じ分けも印象的だった。
6、『ブレイブー群青戦記―』原作:笠原真樹、監督:本広克行
スポーツ強豪校の弓道部に所属する、目立つのが苦手で自分に自信のない西野蒼は、道場で練習に励むだけの日々を送っていた。だが、学校に雷が落ちたある日、校内に武士が乱入し生徒たちが次々に切り殺されていった。そんな中、歴史好きな蒼は戦国時代の「桶狭間の戦い」直前に学校がまるごとタイムスリップしてしまったことを悟り、現代に帰ろうと奮闘する。
殺そうという意思で向かってくる武将を相手に、高校生のトップアスリートたちが戦うという展開と、常に死が身近にある戦国武将たちと死が当たり前ではない現代の高校生の対比が面白いと感じた。だが、現代に戻った後の場面で、生徒が普通に過ごしていたり、剣を持つ相手にタックルしたり野球ボールを投げつけたりして対抗するなど、現実的に考えると違和感を感じてしまう場面が多くあったようにも感じた。
7、『とんび』原作:重松清、監督:瀬々敬久
武骨で不器用な男ヤスに息子のアキラが生まれるが、アキラが3歳の時に妻はアキラの身代わりに事故に遭い亡くなってしまう。妻を失ってしまった喪失感と、これから一人で息子を育てていかなければならないことへの戸惑いで途方に暮れるヤスだったが、町の人々の協力と優しさに支えられて懸命にアキラを育てていく。
主要人物たちだけでなく町の人々の心の動きが繊細に表現されている作品だと思った。不器用な男が一人で息子を育てていき、アキラも段々と成長し独り立ちしていくという物語だが、この作品は父親が息子の成長を見守るというよりも息子と共に成長していく父親の物語なのではないかと感じた。
8、『女子高生に殺されたい』原作:古屋兎丸、監督・脚本:城定秀夫
「女子高生に殺されたい」という願望に取り憑かれた高校教師が、自分を望みの者に殺害してもらうための計画を実行し完全犯罪に挑んだ末路を描いた物語。
映画の登場キャラクターや物語の顛末など映画オリジナルのものが多いらしく、映画では主人公の欲望の起源が詳細に描かれているようだ。主人公の「女子高生に殺されたい」という欲望が、出産の際にへその緒が首に絡まっていて生死の境をさまよったためとあり、殺されたいという死の起源が生の瞬間にあるということが対照的で面白いと感じた。
9、『Dr.STONE』(『Dr.STONE龍水』まで)原作:稲垣理一郎・Boichi、監督:松下周平
全人類が謎の光によって石化させられてから数千年、超人的な頭脳を持つ化学少年である千空は文明が滅んだ世界を科学の力により復興すること決意する。
何かを発明する際に扱う化学薬品などを、とても詳細に説明しているところが印象的だった。力や肉体に科学や知能の計画で打ち勝つという展開が面白く、文明を知らない人々が初めてのものに触れる場面なども現代までの文明の進化を感じることができると思った。
10、『竜とそばかすの姫』原作・監督・脚本:細田守
自然豊かな田舎町で父と暮らしていた女子高校生すずは、友人に超巨大インターネット空間の仮想世界「U」に誘われて、ベルというアバターでその世界に足を踏み入れる。仮想世界では、歌えなかった歌が自然と歌えるようになり、その歌で世界中から注目される存在になっていく。そんな彼女の前に「U」の世界で恐れられている竜が現れ、彼と関わる中で成長していく少女の物語。
壮大なアニメーションと音楽が印象的だった。すずの母親は見知らぬ少女を助けるために激流に一人で飛び込み亡くなっており、娘を置いてまで助けに行くその気持ちがすずには理解できなかったが、最後にはすずも一人で少年を助けに行く。虐待現場に女子高生が一人で助けに行くことを普通に見送る周りの人々には少し違和感を感じたが、その描写で母親の気持ちを理解し自身で同じ行動をするという成長を表現したのではないかと考えた。
2年 住田
RES
夏休み課題21~30
21. 化物語(アニメ)
監督:新房昭之
原作:西尾維新
高校3年生の阿良々木暦は春休みに事件に巻き込まれて以来、人とは少しだけ異なった部分があった。事件を通じて親しくなったクラス委員長の羽川翼と共に文化祭の準備をしていた5月のある日、ひょんなことから2年間ろくに会話すらしたことがない病弱なクラスメイト戦場ヶ原ひたぎの秘密を知る。彼女には、およそ体重と呼べるものがほとんど無かったのである。暦は秘密を知った日の放課後、ひたぎから秘密をばらさないようにと猟奇的な脅しを受け、口許をホチキスで刺される。それにもめげずに彼女の問題解決に対する協力を申し出る。暦は事件の後遺症として他人よりも異常に傷の治りが早くなっており、ひたぎの負わせた傷もすっかり塞がっていた。ひたぎによると、2年前に1匹の不思議な蟹に出会い、重さを根こそぎ持っていかれたのだという。彼女の体重は平均的な体格にもかかわらず5kgしかなかった。春休みに遭遇した事件解決に際し、暦と翼は怪異に詳しい忍野メメという風来坊のおじさんの力を借りた。暦とひたぎはメメに相談するため、彼がねぐらにしている学習塾跡の廃墟ビルに向かう。メメはそこで金髪の少女で「吸血鬼の成れの果て」という忍野忍と暮らしていた。メメによるとひたぎの体重を奪った蟹もやはり怪異であるという。ひたぎはメメの力を借り、自分の体重を奪った怪異と再会するのだが、それには彼女自身が抱え持つ別の問題が関係していた。
(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%96%E7%89%A9%E8%AA%9E)
怪異を通じて少女たちが抱えている悩みや妬みなどを解き明かし解決したり解決しきれなかったりする物語で、アニメと原作どちらも見た覚えがあったがあまりはっきり覚えていなかったので再び視聴した。やはり昔と変わらず面白く、怪異という異次元なものが当たり前にはびこっている世界の不安定さやそこで生きるキャラクターがシャフト独自のユーモアさをもって描かれていて見ていて満足感がある作品だった。かなり特徴的な作画をしているので見る人を選ぶと思うが、物語シリーズにはとてもマッチしていると思う。
22. 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(映画)
総監督:新房昭之
監督:武内宣之
1993年に放送され、95年に劇場公開もされた岩井俊二監督の名作テレビド
ラマを、アニメ映画化。とある海辺の町の夏休み。中学生たちは花火大会を前に「花火は横から見たら丸いのか?平たいのか?」という話題で盛り上がっていた。そんな中、クラスのアイドル的存在のなずなが、母親の再婚のため転校することになった。なずなに思いを寄せる典道は、転校をしたくないなずなから「かけおち」に誘われ、時間が巻き戻る不思議な体験をする。
(出典:https://eiga.com/movie/86124/)
映画館で見て面白いと思い、再度鑑賞したが変わらず情景は美しく面白さもあった。しかしいまいち内容がつかめないという感想も抱いた。私は過去のテレビドラマバージョンは視聴していないのでその比較はできないが、評価を見る限り全く別物になっていたようだ。この映画の中では典道となずなが普通起こりえない摩訶不思議なことに巻き込まれるのだがそれが現実なのか幻想なのか確かめるすべはない。しかし幻想でもいいと引っ越してしまうなずなと共に駆け抜けていく典道は子供らしく輝いていたと思う。
23. 税金で買った本(漫画)
原作:ずいの
作画:系山冏
小学生ぶりに図書館を訪れたヤンキー石平くん。10年前に借りた本を失くしていたことをきっかけに、あれよあれよとアルバイトすることに! 借りた本を破ってしまった時は? 難しい漢字の読み方を調べたい時は? ルールに厳しくも図書を愛してやまない仲間と贈る、読むと図書館に行きたくなる図書館お仕事漫画、誕生です!
(出典:https://magazine.yanmaga.jp/c/zeikindekattahon/)
市立図書館でヤンキーの男の子がアルバイトをしてその中で図書館の仕事や意義について触れていくお仕事漫画。市民の力で成り立っているからこその仕事の葛藤や図書館の有効な使い方など可愛らしい絵で伝えてくれる漫画で、内容の面白さと知ることの面白さ両方感じることが出来た。
24. Fate/stay night(アニメ)
監督:山口祐司
原作:奈須きのこ
問おう。貴方が、私のマスターか TYPE-MOONの人気ゲームを原作にしたTVアニメ。 大災害で孤児となり、魔術師・衛宮切嗣の養子となった士郎。そして十年後、あらゆる願いを叶えると言われる聖杯を巡る「聖杯戦争」に巻き込まれた士郎は、魔術師として最強の使い魔(サーヴァント)“セイバー”と共に戦いに身を投じることとなる。
(出典:https://filmarks.com/animes/49/74)
沢山あるFateシリーズにおいてまずはこれを見ろと言われる最初の作品。主人公の衛宮士郎の正義ぶりに辟易するところが多く「女の子なんだから」という言い回しが2006年のアニメだなと感じた。しかし戦いのシーンは迫力がありながらもそれぞれのサーヴァントの思いが現れていて一気に見ても苦痛にならなかった。
25. マスク(映画)
監督:チャールズ・ラッセル
脚本:マイク・ワード
主人公は、気は優しいが小心者で女の子にモテない銀行マン・スタンリー。あ
る日、ナイトクラブのセクシーな歌姫ティナと出会い、ひと目で恋に落ちる。彼女は銀行強盗を企む恋人のギャング・ドリアンに強いられて、銀行の内部をカメラに収めに来ていたのだった。やがて、スタンリーは川で古ぼけた仮面を見つけることに。家に帰り何気なく仮面を付けると、それはゴムのように顔に吸いつき…スタンリーは、緑色の頭にハデなスーツを着た怪人“スタンリー・ザ・マスク”に変身! 陽気な性格と人並み外れた身体能力を手に入れたスタンリーが、大騒動を巻き起こしていく。
(出典:https://eiga.com/news/20220916/16/)
ザ・コメディ映画と言えるような作品で目玉が飛び出したり顎が外れたりとカートゥーン的なオーバーリアクションがCGを駆使して多くの場面で描かれた。その映像技術は現代から見ても違和感がなくマスクの世界をユーモアにすることに一役買っていて素晴らしいと思った。
26. 夜は短し歩けよ乙女(映画)
監督:湯浅政明
原作:森見登美彦
「黒髪の乙女」にひそかに思いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちとの珍事件の数々だった。
(原作より抜粋)
森見作品の映画化を記念して再度劇場で公開された作品。森見作品は言葉遣いが独特だが、映像化してもナレーションや映像効果などでその世界観が表現されていてとてもよかった。古本市での深海の表現がきれいで驚いた。原作とは異なる点が多く、その比較でも楽しむことが出来ると思った。
27. 禁断の魔術(ドラマ)
原作:東野圭吾
脚本:岡田道尚
帝都大学の准教授・湯川学のもとを医学生の新入生・古芝伸吾が訪ねてくる。湯川と伸吾は同じ高校の物理研究会の先輩・後輩という関係で、湯川は物理研究会のOBとして高校生の伸吾に指導もしていた。その5か月後、フリーライターの長岡修が自宅で殺害された。そしてその現場にはある動画ファイルが残っていた。刑事・草薙俊平は部下の牧村をつれ、長岡の残した奇妙な映像を湯川に見せる。そして殺された男の名を口にすると湯川の助手・栗林宏美の表情が一変する。長岡は殺される数日前に湯川の研究所を訪れていたのだ。しかし湯川はそのことを草薙らに言わなかった。映像の撮影された場所を見せてほしいという湯川のただならぬ様子を気にかけつつ草薙らは現場へ。現場で湯川はおもむろに誰かに電話をするも相手は出ない。その電話の相手は伸吾だった。
(出典:https://www.fujitv.co.jp/galileo-drama2022/story.html)
「沈黙のパレード」映画化の前に同じガリレオシリーズの新作をテレビで放送したかなり勇気のある作品。しかしやはり東野圭吾作品は面白く、レールガンという理系以外ではほとんど知りえない道具を物語の中に馴染ませていた。また湯川の考えの嫁なさが全面に出ていた作品でザ・ガリレオといった内容で面白かった。
28. 真夏の方程式(小説)
著者:東野圭吾
夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう1人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。
(原作より抜粋)
湯川と少年、恭平の関係性が心地よく、その絆に感動した作品。湯川が恭平を子ども扱いせず、対等な一人の人間と考え触れ合っている姿勢が素晴らしい。誰もが救われる事件の終わり方ではないが、心に残るものは必ずある作品だと思った。
29. つれないほど青くてあざといくらいに赤い(漫画)
作者:tomoti
その先輩は… 女性?男性?中性?魔性?? 好奇心という不治の病を患う転校生が出会ったのは、 美しく可愛らしく格好よく恐ろしい謎の存在(ヒト)だった。 ホラーコミック新世代筆頭・作家が贈る 深淵系ラブ・ストーリー、 覗き視る怪談と官能を貴方にー。
(出典:https://comic.pixiv.net/works/8002)
とにかく絵がきれいで美しさがよりぞっとする気持ちを掻き立てる。ラブストーリーとも言い難くホラーとも言い難い新しさを感じる内容で、あっという間に読んでしまった。また主人公を魅了する先輩がどれだけ読み進めても謎が多くそれも読む手が止まらない理由だ。主人公アラタと同じように先輩に魅了されているともいえるだろう。
30. フーガはユーガ(小説)
著者:伊坂幸太郎
常盤優我は仙台市のファミレスで一人の男に語り出す。双子の弟・風我のこと、決して幸せでなかった子供時代のこと、そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い。
絶対にありえない設定にもかかわらず全く違和感を感じさせずリアリティに溢れる物語になっていてとても面白かった。一周流れるように読んでそのまままた二週目を読んでしまった。救いがあるのかないのかよくわからない感覚になったが、きっと風我も優我もそういうベクトルの考えにいないのだろうなと思った。
21. 化物語(アニメ)
監督:新房昭之
原作:西尾維新
高校3年生の阿良々木暦は春休みに事件に巻き込まれて以来、人とは少しだけ異なった部分があった。事件を通じて親しくなったクラス委員長の羽川翼と共に文化祭の準備をしていた5月のある日、ひょんなことから2年間ろくに会話すらしたことがない病弱なクラスメイト戦場ヶ原ひたぎの秘密を知る。彼女には、およそ体重と呼べるものがほとんど無かったのである。暦は秘密を知った日の放課後、ひたぎから秘密をばらさないようにと猟奇的な脅しを受け、口許をホチキスで刺される。それにもめげずに彼女の問題解決に対する協力を申し出る。暦は事件の後遺症として他人よりも異常に傷の治りが早くなっており、ひたぎの負わせた傷もすっかり塞がっていた。ひたぎによると、2年前に1匹の不思議な蟹に出会い、重さを根こそぎ持っていかれたのだという。彼女の体重は平均的な体格にもかかわらず5kgしかなかった。春休みに遭遇した事件解決に際し、暦と翼は怪異に詳しい忍野メメという風来坊のおじさんの力を借りた。暦とひたぎはメメに相談するため、彼がねぐらにしている学習塾跡の廃墟ビルに向かう。メメはそこで金髪の少女で「吸血鬼の成れの果て」という忍野忍と暮らしていた。メメによるとひたぎの体重を奪った蟹もやはり怪異であるという。ひたぎはメメの力を借り、自分の体重を奪った怪異と再会するのだが、それには彼女自身が抱え持つ別の問題が関係していた。
(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%96%E7%89%A9%E8%AA%9E)
怪異を通じて少女たちが抱えている悩みや妬みなどを解き明かし解決したり解決しきれなかったりする物語で、アニメと原作どちらも見た覚えがあったがあまりはっきり覚えていなかったので再び視聴した。やはり昔と変わらず面白く、怪異という異次元なものが当たり前にはびこっている世界の不安定さやそこで生きるキャラクターがシャフト独自のユーモアさをもって描かれていて見ていて満足感がある作品だった。かなり特徴的な作画をしているので見る人を選ぶと思うが、物語シリーズにはとてもマッチしていると思う。
22. 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(映画)
総監督:新房昭之
監督:武内宣之
1993年に放送され、95年に劇場公開もされた岩井俊二監督の名作テレビド
ラマを、アニメ映画化。とある海辺の町の夏休み。中学生たちは花火大会を前に「花火は横から見たら丸いのか?平たいのか?」という話題で盛り上がっていた。そんな中、クラスのアイドル的存在のなずなが、母親の再婚のため転校することになった。なずなに思いを寄せる典道は、転校をしたくないなずなから「かけおち」に誘われ、時間が巻き戻る不思議な体験をする。
(出典:https://eiga.com/movie/86124/)
映画館で見て面白いと思い、再度鑑賞したが変わらず情景は美しく面白さもあった。しかしいまいち内容がつかめないという感想も抱いた。私は過去のテレビドラマバージョンは視聴していないのでその比較はできないが、評価を見る限り全く別物になっていたようだ。この映画の中では典道となずなが普通起こりえない摩訶不思議なことに巻き込まれるのだがそれが現実なのか幻想なのか確かめるすべはない。しかし幻想でもいいと引っ越してしまうなずなと共に駆け抜けていく典道は子供らしく輝いていたと思う。
23. 税金で買った本(漫画)
原作:ずいの
作画:系山冏
小学生ぶりに図書館を訪れたヤンキー石平くん。10年前に借りた本を失くしていたことをきっかけに、あれよあれよとアルバイトすることに! 借りた本を破ってしまった時は? 難しい漢字の読み方を調べたい時は? ルールに厳しくも図書を愛してやまない仲間と贈る、読むと図書館に行きたくなる図書館お仕事漫画、誕生です!
(出典:https://magazine.yanmaga.jp/c/zeikindekattahon/)
市立図書館でヤンキーの男の子がアルバイトをしてその中で図書館の仕事や意義について触れていくお仕事漫画。市民の力で成り立っているからこその仕事の葛藤や図書館の有効な使い方など可愛らしい絵で伝えてくれる漫画で、内容の面白さと知ることの面白さ両方感じることが出来た。
24. Fate/stay night(アニメ)
監督:山口祐司
原作:奈須きのこ
問おう。貴方が、私のマスターか TYPE-MOONの人気ゲームを原作にしたTVアニメ。 大災害で孤児となり、魔術師・衛宮切嗣の養子となった士郎。そして十年後、あらゆる願いを叶えると言われる聖杯を巡る「聖杯戦争」に巻き込まれた士郎は、魔術師として最強の使い魔(サーヴァント)“セイバー”と共に戦いに身を投じることとなる。
(出典:https://filmarks.com/animes/49/74)
沢山あるFateシリーズにおいてまずはこれを見ろと言われる最初の作品。主人公の衛宮士郎の正義ぶりに辟易するところが多く「女の子なんだから」という言い回しが2006年のアニメだなと感じた。しかし戦いのシーンは迫力がありながらもそれぞれのサーヴァントの思いが現れていて一気に見ても苦痛にならなかった。
25. マスク(映画)
監督:チャールズ・ラッセル
脚本:マイク・ワード
主人公は、気は優しいが小心者で女の子にモテない銀行マン・スタンリー。あ
る日、ナイトクラブのセクシーな歌姫ティナと出会い、ひと目で恋に落ちる。彼女は銀行強盗を企む恋人のギャング・ドリアンに強いられて、銀行の内部をカメラに収めに来ていたのだった。やがて、スタンリーは川で古ぼけた仮面を見つけることに。家に帰り何気なく仮面を付けると、それはゴムのように顔に吸いつき…スタンリーは、緑色の頭にハデなスーツを着た怪人“スタンリー・ザ・マスク”に変身! 陽気な性格と人並み外れた身体能力を手に入れたスタンリーが、大騒動を巻き起こしていく。
(出典:https://eiga.com/news/20220916/16/)
ザ・コメディ映画と言えるような作品で目玉が飛び出したり顎が外れたりとカートゥーン的なオーバーリアクションがCGを駆使して多くの場面で描かれた。その映像技術は現代から見ても違和感がなくマスクの世界をユーモアにすることに一役買っていて素晴らしいと思った。
26. 夜は短し歩けよ乙女(映画)
監督:湯浅政明
原作:森見登美彦
「黒髪の乙女」にひそかに思いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちとの珍事件の数々だった。
(原作より抜粋)
森見作品の映画化を記念して再度劇場で公開された作品。森見作品は言葉遣いが独特だが、映像化してもナレーションや映像効果などでその世界観が表現されていてとてもよかった。古本市での深海の表現がきれいで驚いた。原作とは異なる点が多く、その比較でも楽しむことが出来ると思った。
27. 禁断の魔術(ドラマ)
原作:東野圭吾
脚本:岡田道尚
帝都大学の准教授・湯川学のもとを医学生の新入生・古芝伸吾が訪ねてくる。湯川と伸吾は同じ高校の物理研究会の先輩・後輩という関係で、湯川は物理研究会のOBとして高校生の伸吾に指導もしていた。その5か月後、フリーライターの長岡修が自宅で殺害された。そしてその現場にはある動画ファイルが残っていた。刑事・草薙俊平は部下の牧村をつれ、長岡の残した奇妙な映像を湯川に見せる。そして殺された男の名を口にすると湯川の助手・栗林宏美の表情が一変する。長岡は殺される数日前に湯川の研究所を訪れていたのだ。しかし湯川はそのことを草薙らに言わなかった。映像の撮影された場所を見せてほしいという湯川のただならぬ様子を気にかけつつ草薙らは現場へ。現場で湯川はおもむろに誰かに電話をするも相手は出ない。その電話の相手は伸吾だった。
(出典:https://www.fujitv.co.jp/galileo-drama2022/story.html)
「沈黙のパレード」映画化の前に同じガリレオシリーズの新作をテレビで放送したかなり勇気のある作品。しかしやはり東野圭吾作品は面白く、レールガンという理系以外ではほとんど知りえない道具を物語の中に馴染ませていた。また湯川の考えの嫁なさが全面に出ていた作品でザ・ガリレオといった内容で面白かった。
28. 真夏の方程式(小説)
著者:東野圭吾
夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう1人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。
(原作より抜粋)
湯川と少年、恭平の関係性が心地よく、その絆に感動した作品。湯川が恭平を子ども扱いせず、対等な一人の人間と考え触れ合っている姿勢が素晴らしい。誰もが救われる事件の終わり方ではないが、心に残るものは必ずある作品だと思った。
29. つれないほど青くてあざといくらいに赤い(漫画)
作者:tomoti
その先輩は… 女性?男性?中性?魔性?? 好奇心という不治の病を患う転校生が出会ったのは、 美しく可愛らしく格好よく恐ろしい謎の存在(ヒト)だった。 ホラーコミック新世代筆頭・作家が贈る 深淵系ラブ・ストーリー、 覗き視る怪談と官能を貴方にー。
(出典:https://comic.pixiv.net/works/8002)
とにかく絵がきれいで美しさがよりぞっとする気持ちを掻き立てる。ラブストーリーとも言い難くホラーとも言い難い新しさを感じる内容で、あっという間に読んでしまった。また主人公を魅了する先輩がどれだけ読み進めても謎が多くそれも読む手が止まらない理由だ。主人公アラタと同じように先輩に魅了されているともいえるだろう。
30. フーガはユーガ(小説)
著者:伊坂幸太郎
常盤優我は仙台市のファミレスで一人の男に語り出す。双子の弟・風我のこと、決して幸せでなかった子供時代のこと、そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い。
絶対にありえない設定にもかかわらず全く違和感を感じさせずリアリティに溢れる物語になっていてとても面白かった。一周流れるように読んでそのまままた二週目を読んでしまった。救いがあるのかないのかよくわからない感覚になったが、きっと風我も優我もそういうベクトルの考えにいないのだろうなと思った。
2年 住田
RES
夏休み課題11~20
11. ONE PIECE STAMPEDE(映画)
監督:大塚隆史
脚本:冨岡淳広
新世界の「デルタ島」。この島で海賊の一大イベント「海賊万博」が開催された。主催者は「祭り屋」と称される海賊ブエナ・フェスタ。余興として海賊王ゴールドロジャーにまつわる宝探しが行われるということもあり、島には大勢の海賊が集結していた。海賊万博が盛り上がる中宝探しが開幕。その最中に突然船内に、最悪の世代の一人であるトラファルガー・ローが姿を現す。ローは何者かにやられた様子でボロボロになっており、ルフィ達に今すぐ島を出るように警告するが、ルフィはそれに反し前に進むことを決める。ローの言葉を聞いたロビンは、海賊万博の裏に何か罠があると睨み主催者のフェスタのところに向かう。ルフィ達はシャボン内の島に着くと、宝を巡って他の大勢の海賊達と熾烈な争奪戦を繰り広げる。そんな中、皆を出し抜いてバギーが宝を手にした。その頃ロビン達はフェスタの会話を盗み聞きし、デルタ島に海軍の無差別殲滅攻撃「バスターコール」を誘発するという衝撃の事実を知る。一方地上では、突如シャボンの島が破壊され、ガレキと化した島は地上に落下。何とか事なきを得たルフィ達は、そこに巨大な人影が立っていることに気付く。そこに立っていたのは、ダグラス・バレット。その片手には、ロジャーの宝が握られていた。ルフィを始めとする最悪の世代がバレットに立ち向かうが、バレットはその規格外の強さでたった一人で全員を圧倒する。その後バレットは島中のガレキを取り込み、超巨大な岩の怪物と化した。その圧倒的な力の前に海軍はついにバスターコールの発動を決定する。
先に感想を書いたFILM REDよりも戦闘がメインに描かれた作品で、キャッチコピーである「立ち上がれ、全勢力。」からもわかるように普段は手を取り合わないであろうキャラクター達が共闘する展開がいかにも劇場版らしい作品だ。ワンピースは戦闘シーンの作画が素晴らしいと高評価なアニメとして有名だが、STAMPEDEも例に漏れずスピード感と躍動感にあふれた映像になっていた。
12. ONE PIECE FILM STRONG WORLD(映画)
監督:境宗久
脚本:上坂浩彦
偉大なる航路での航海を続ける麦わらの一味のもとに、ルフィたちの故郷である東の海でいくつもの島が襲われているという衝撃的なニュースが飛び込む。一味は旅を中断して東の海へ戻ろうとするが、そこに空飛ぶ巨大な海賊船が現れた。その船に乗っていたのは、かつて海賊王ロジャーの時代に暴れていた伝説の大海賊金獅子のシキだった。ナミの気象センスに目をつけたシキは、ナミを誘拐。ルフィたちはシキの能力によりサニー号と共に空飛ぶ島メルヴィユに落とされ、離散してしまう。メルヴィユは、凶暴な動物たちが住む弱肉強食の世界だった。奪われた仲間を取り戻すため、東の海を守るため、海賊王と鎬を削った伝説の男との戦いが始まる。
仲間を取り返すという海賊としての理由だけで戦うのではなく、自分の故郷やメルヴィユにある村の人々も守る姿勢は独りよがりなシキとの対比になっていて面白いと思った。またシキが従える多くの海賊団と戦うシーンでは麦わらの一味の強さが際立っていてそういった面でも麦わらの一味の特殊さがうかがえてよかった。
13. ひぐらしのなく頃に(アニメ)
監督:今千秋
原作:竜騎士07/07th Expansion
時は昭和58年。前原圭一は、大自然に囲まれた、過疎化の進む田舎村・雛見沢へと引っ越してきたばかりだ。圭一は村にある唯一の学校である雛見沢分校に通うことになり、隣に住む竜宮レナ、分校の仲間である園崎魅音が所属する部活のメンバーとして、騒がしくも楽しい日々を送っていた。そんな当たり障りのない日々を過ごす圭一らだったがその日常は徐々に狂い始める。
アニメの放送の構成が独特で1、2クール目の中も約4話ごとに「鬼隠し編」などで区切られており、それぞれの編で謎を残したまま次の編へ進む。そして2クール目に入ってやっとその謎が明かされる解答編が放送となった。その独自の放送スタイルだけでなくグロテスクな描写も目立つ本作。規制などの関係で放送が中止されたテレビ局もあったが、私はこの「ひぐらしのなく頃に」は相当面白い作品だと思う。グロテスク描写が多いと先にも述べたが、その映像のインパクトはもちろん、物語の舞台雛見沢の設定や同じ時間をループし続けるキャラクターや症候群といった大胆な設定に隠された細かい伏線など何度も見返したくなる工夫が多く隠されていると感じた。
14. ひぐらしのなく頃に業(アニメ)
監督:川口敬一郎
原作:竜騎士07/07th Expansion
上記の「ひぐらしのなく頃に」と同じ。
「ひぐらしのなく頃に解」の「祭囃し編」で惨劇のループから逃れたはずだったが再びそのループにとらわれてしまうところから始まる本作。最初に見始めた時はもう一度繰り返すのは蛇足なのではとも思ったが結論から言うと大きな変化は見られないがその些細な変化が鍵になってくる面白い作品になっていた。最初の「鬼騙し編」の頃は殺される人間が変わる程度だったが段々変化は大きくなっていき、その理由が後半になって明かされるという考察されることを狙った作品だった。そのためアニメ視聴後も作品について考えてしまい魅力に取りつかれてしまった。
15. ひぐらしのなく頃に卒(アニメ)
監督:川口敬一郎
原作:竜騎士07/07th Expansion
「ひぐらしのなく頃に業」の解答編にあたる作品で、主要キャラクターのその後も描かれている。また最初の「ひぐらしのなく頃に」は主人公が圭一だったが業に続きこちらは梨花と沙都子がメインになっている。この「ひぐらしのなく頃に卒」は今までのシリーズとは一線を画した内容になっている。業での疑問は大方解決するもののそれが大筋ではなく、梨花と沙都子の関係性が一番重要なところになっている。そのため世間の評価はきれいに二つに分かれるのだが、私はこの関係性を描くという点はとても良いと思ったし、最終話は感動した。惨劇を乗り越えることで築かれた絆だが共にいられる時間は有限でそれに逆らってまで共にいることは正しくないという子供らしい悩みと決別することでキャラクター達は正しい意味で前に進めると感じた。
16. 文豪ストレイドッグス(漫画)
原作:朝霧カフカ
漫画:春河35
『文豪ストレイドッグス』は、現代横浜を舞台に、中島敦、太宰治、芥川龍之介といった文豪たちが繰り広げる異能アクションバトル漫画。現在、異能特務課に研究のため一頁だけ切り取られて保管されていた白紙の文学書の力により、武装探偵社は犯罪組織、天人五衰に仕立てあげられる。福沢は逮捕され、社員も軍警に追われる中で一時はばらばらになるが、探偵社を信じた人間の協力によって再集結を果たし、真の天人五衰の計画を知ってそれを阻止する為に動き出す。天人五衰の一人であるシグマが運営する天空カジノに侵入した敦は、軍警特殊部隊の猟犬からカジノを守ろうとするシグマを救い出すも、突如現れたホーソーンにシグマは撃ち落とされ、彼の確保に失敗した。乱歩は猟犬隊長の福地桜痴に協力を仰ぐが、福地こそが天人五衰の首領であり、敦と、太宰の指示で同じ船に潜入していた芥川は、福地に戦いを挑む。福地を後一歩まで追い詰めたところで芥川が斬られ敦は何とか逃走するも、残る天人五衰のメンバーであるブラム・ストーカーの異能で、世界中に吸血種化した人類が送り込まれ、世界は混乱と疑心暗鬼に陥っている。
アニメ化もされていて第4シーズンも発表された漫画。過去に実在した文豪をキャラクター化し作品などに関連した能力を持たせ戦うストーリーで注目を集めた。能力を使用した戦いはおもしろいしキャラクターが多いため意外な組み合わせも見ることが出来て楽しい。またバトル漫画だが切ない話などもあるので幅広い層に受け入れられそうな作品だ。
17. サマーウォーズ(映画)
監督:細田守
数学が得意な高校生、健二が憧れの女性の先輩、夏希にせがまれ、彼女の田舎の大家族の前で婚約者のふりをする。その夜、彼は謎のメールを受け取りそこに示された奇妙な数字の解読に尽力する。しかしその数字を解読したことにより人工知能「ラブマシーン」がインターネット上の仮想世界で暴走。それにより仮想世界だけでなく現実の世界も一変。健二は、夏希の一家と共にその危機に立ち向かう。
過去に見たことがありこの夏に再度視聴したが、初めて見た時よりも冷静に物語を見てみると面白さが分からなかった。内容の共感性はあまり高くなかったが、田舎の日本家屋と仮想世界を行ったり来たりする物語の構成は目まぐるしく面白かった。ネット社会の考え方については、監督の予想はあながち間違っていないのかもしれないと感じた。
18. ミステリと言う勿れ(ドラマ)
脚本:相沢友子
原作:田村由美
主人公、久能整は社会の当たり前に疑問を持ち膨大な知識と独自の価値観で物事を考える大学生。そんな彼はある日身に覚えのない殺人事件の容疑をかけられることに。刑事たちの尋問を受ける中でこの事件のヒントや刑事たちの悩みに気が付く整。その事件を華麗に解決してしまったことで以降も刑事たちから事件の相談を持ち掛けられるようになる。
ミステリーを描いたドラマでありながら、現場の検証などではなく会話に重きを置いた構成になっているこのドラマ。整の偏見の一切ない考えが人々の心を解きほぐす様子は毎回気づかされることがあり、ヒューマンドラマを見ているような感覚に陥る。その感覚を後押ししているのが音楽だ。このドラマではBGMにクラッシックを用いている。聞きなじみのある音楽に載せて放たれる言葉は心に残るものになるだろう。
19. MIU404(ドラマ)
脚本:野木亜紀子
警視庁において刑事部・機動捜査隊の第4機動捜査隊だ増設される。その隊長の桔梗ゆづるに召集された志摩一未は、本来ペアを組むはずだった陣馬耕平ではなく候補段階で一度おとされていた伊吹藍とペアを組むことになる。破天荒で常識に欠ける伊吹に苛立ちを覚える志摩だったが、彼の機捜の仕事を良い仕事という言葉に動かされともに任務を続けることに。
主題歌が米津玄師の「感電」でその主題歌が流れる場面が毎回絶妙だった。また1話完結型のため毎話新鮮な気持ちで楽しめたし、取り上げる題材が視聴者の心に訴えかけてくるものばかりで心を動かされた。犯人に寄り添う形で物語が終わることも多く、苦しみは分かるけれどやったことは償わないといけないという納得しきれない感情がうまく表現された作品だった。
20. 逃げるは恥だが役に立つ(ドラマ)
脚本:野木亜紀子
原作:海野つなみ
大学院を出ながらも就職難で派遣社員になった森山みくりは派遣切りに遭い無職となってしまう。求職中の娘を見かねた父は、家事代行サービスを利用していた元部下・津崎平匡が折りよく家事代行の会社を替えようとしていたところを頼み込んで、週1回の仕事を取り付ける。あまり他人に構われることを好まない津崎だったが、みくりとは適度な距離感を保って良好な関係を築く。だが、定年を機に田舎へ引っ越すという願望を両親が叶えることになり、現状を維持したいみくりは津崎に「就職としての結婚」を持ちかけ、その提案にメリットを感じた津崎は了承し、2人は「雇用主と従業員」という関係の契約結婚という道を選ぶ。結婚式も挙げず事実婚という体で周囲への挨拶を乗り切ったみくりと平匡だが、2人のよそよそしさをいぶかしむ平匡の同僚・風見涼太や沼田、みくりの伯母・土屋百合の目をごまかすため「ハグの日」を設けるなどして周囲に親近感を醸し出そうとするうちに、2人の間に本当の恋愛感情が芽生える。
MIU404と同じく野木亜紀子さんの脚本ということで見始めた作品で、相変わらず脚本の面白さに驚かされた。家事をすることの経済的価値などの日常に潜む社会問題について嫌味を一切感じさせずに描いていて内容を素直に受け取ることが出来た。またみくりの叔母、百合の台詞にあった呪いという単語は多くの人が共感したのではないだろうか。先入観や固定観念といった呪いから自由になることは誰しもができるはずのことでその努力をしている人の背中を押した台詞だったと思う。
11. ONE PIECE STAMPEDE(映画)
監督:大塚隆史
脚本:冨岡淳広
新世界の「デルタ島」。この島で海賊の一大イベント「海賊万博」が開催された。主催者は「祭り屋」と称される海賊ブエナ・フェスタ。余興として海賊王ゴールドロジャーにまつわる宝探しが行われるということもあり、島には大勢の海賊が集結していた。海賊万博が盛り上がる中宝探しが開幕。その最中に突然船内に、最悪の世代の一人であるトラファルガー・ローが姿を現す。ローは何者かにやられた様子でボロボロになっており、ルフィ達に今すぐ島を出るように警告するが、ルフィはそれに反し前に進むことを決める。ローの言葉を聞いたロビンは、海賊万博の裏に何か罠があると睨み主催者のフェスタのところに向かう。ルフィ達はシャボン内の島に着くと、宝を巡って他の大勢の海賊達と熾烈な争奪戦を繰り広げる。そんな中、皆を出し抜いてバギーが宝を手にした。その頃ロビン達はフェスタの会話を盗み聞きし、デルタ島に海軍の無差別殲滅攻撃「バスターコール」を誘発するという衝撃の事実を知る。一方地上では、突如シャボンの島が破壊され、ガレキと化した島は地上に落下。何とか事なきを得たルフィ達は、そこに巨大な人影が立っていることに気付く。そこに立っていたのは、ダグラス・バレット。その片手には、ロジャーの宝が握られていた。ルフィを始めとする最悪の世代がバレットに立ち向かうが、バレットはその規格外の強さでたった一人で全員を圧倒する。その後バレットは島中のガレキを取り込み、超巨大な岩の怪物と化した。その圧倒的な力の前に海軍はついにバスターコールの発動を決定する。
先に感想を書いたFILM REDよりも戦闘がメインに描かれた作品で、キャッチコピーである「立ち上がれ、全勢力。」からもわかるように普段は手を取り合わないであろうキャラクター達が共闘する展開がいかにも劇場版らしい作品だ。ワンピースは戦闘シーンの作画が素晴らしいと高評価なアニメとして有名だが、STAMPEDEも例に漏れずスピード感と躍動感にあふれた映像になっていた。
12. ONE PIECE FILM STRONG WORLD(映画)
監督:境宗久
脚本:上坂浩彦
偉大なる航路での航海を続ける麦わらの一味のもとに、ルフィたちの故郷である東の海でいくつもの島が襲われているという衝撃的なニュースが飛び込む。一味は旅を中断して東の海へ戻ろうとするが、そこに空飛ぶ巨大な海賊船が現れた。その船に乗っていたのは、かつて海賊王ロジャーの時代に暴れていた伝説の大海賊金獅子のシキだった。ナミの気象センスに目をつけたシキは、ナミを誘拐。ルフィたちはシキの能力によりサニー号と共に空飛ぶ島メルヴィユに落とされ、離散してしまう。メルヴィユは、凶暴な動物たちが住む弱肉強食の世界だった。奪われた仲間を取り戻すため、東の海を守るため、海賊王と鎬を削った伝説の男との戦いが始まる。
仲間を取り返すという海賊としての理由だけで戦うのではなく、自分の故郷やメルヴィユにある村の人々も守る姿勢は独りよがりなシキとの対比になっていて面白いと思った。またシキが従える多くの海賊団と戦うシーンでは麦わらの一味の強さが際立っていてそういった面でも麦わらの一味の特殊さがうかがえてよかった。
13. ひぐらしのなく頃に(アニメ)
監督:今千秋
原作:竜騎士07/07th Expansion
時は昭和58年。前原圭一は、大自然に囲まれた、過疎化の進む田舎村・雛見沢へと引っ越してきたばかりだ。圭一は村にある唯一の学校である雛見沢分校に通うことになり、隣に住む竜宮レナ、分校の仲間である園崎魅音が所属する部活のメンバーとして、騒がしくも楽しい日々を送っていた。そんな当たり障りのない日々を過ごす圭一らだったがその日常は徐々に狂い始める。
アニメの放送の構成が独特で1、2クール目の中も約4話ごとに「鬼隠し編」などで区切られており、それぞれの編で謎を残したまま次の編へ進む。そして2クール目に入ってやっとその謎が明かされる解答編が放送となった。その独自の放送スタイルだけでなくグロテスクな描写も目立つ本作。規制などの関係で放送が中止されたテレビ局もあったが、私はこの「ひぐらしのなく頃に」は相当面白い作品だと思う。グロテスク描写が多いと先にも述べたが、その映像のインパクトはもちろん、物語の舞台雛見沢の設定や同じ時間をループし続けるキャラクターや症候群といった大胆な設定に隠された細かい伏線など何度も見返したくなる工夫が多く隠されていると感じた。
14. ひぐらしのなく頃に業(アニメ)
監督:川口敬一郎
原作:竜騎士07/07th Expansion
上記の「ひぐらしのなく頃に」と同じ。
「ひぐらしのなく頃に解」の「祭囃し編」で惨劇のループから逃れたはずだったが再びそのループにとらわれてしまうところから始まる本作。最初に見始めた時はもう一度繰り返すのは蛇足なのではとも思ったが結論から言うと大きな変化は見られないがその些細な変化が鍵になってくる面白い作品になっていた。最初の「鬼騙し編」の頃は殺される人間が変わる程度だったが段々変化は大きくなっていき、その理由が後半になって明かされるという考察されることを狙った作品だった。そのためアニメ視聴後も作品について考えてしまい魅力に取りつかれてしまった。
15. ひぐらしのなく頃に卒(アニメ)
監督:川口敬一郎
原作:竜騎士07/07th Expansion
「ひぐらしのなく頃に業」の解答編にあたる作品で、主要キャラクターのその後も描かれている。また最初の「ひぐらしのなく頃に」は主人公が圭一だったが業に続きこちらは梨花と沙都子がメインになっている。この「ひぐらしのなく頃に卒」は今までのシリーズとは一線を画した内容になっている。業での疑問は大方解決するもののそれが大筋ではなく、梨花と沙都子の関係性が一番重要なところになっている。そのため世間の評価はきれいに二つに分かれるのだが、私はこの関係性を描くという点はとても良いと思ったし、最終話は感動した。惨劇を乗り越えることで築かれた絆だが共にいられる時間は有限でそれに逆らってまで共にいることは正しくないという子供らしい悩みと決別することでキャラクター達は正しい意味で前に進めると感じた。
16. 文豪ストレイドッグス(漫画)
原作:朝霧カフカ
漫画:春河35
『文豪ストレイドッグス』は、現代横浜を舞台に、中島敦、太宰治、芥川龍之介といった文豪たちが繰り広げる異能アクションバトル漫画。現在、異能特務課に研究のため一頁だけ切り取られて保管されていた白紙の文学書の力により、武装探偵社は犯罪組織、天人五衰に仕立てあげられる。福沢は逮捕され、社員も軍警に追われる中で一時はばらばらになるが、探偵社を信じた人間の協力によって再集結を果たし、真の天人五衰の計画を知ってそれを阻止する為に動き出す。天人五衰の一人であるシグマが運営する天空カジノに侵入した敦は、軍警特殊部隊の猟犬からカジノを守ろうとするシグマを救い出すも、突如現れたホーソーンにシグマは撃ち落とされ、彼の確保に失敗した。乱歩は猟犬隊長の福地桜痴に協力を仰ぐが、福地こそが天人五衰の首領であり、敦と、太宰の指示で同じ船に潜入していた芥川は、福地に戦いを挑む。福地を後一歩まで追い詰めたところで芥川が斬られ敦は何とか逃走するも、残る天人五衰のメンバーであるブラム・ストーカーの異能で、世界中に吸血種化した人類が送り込まれ、世界は混乱と疑心暗鬼に陥っている。
アニメ化もされていて第4シーズンも発表された漫画。過去に実在した文豪をキャラクター化し作品などに関連した能力を持たせ戦うストーリーで注目を集めた。能力を使用した戦いはおもしろいしキャラクターが多いため意外な組み合わせも見ることが出来て楽しい。またバトル漫画だが切ない話などもあるので幅広い層に受け入れられそうな作品だ。
17. サマーウォーズ(映画)
監督:細田守
数学が得意な高校生、健二が憧れの女性の先輩、夏希にせがまれ、彼女の田舎の大家族の前で婚約者のふりをする。その夜、彼は謎のメールを受け取りそこに示された奇妙な数字の解読に尽力する。しかしその数字を解読したことにより人工知能「ラブマシーン」がインターネット上の仮想世界で暴走。それにより仮想世界だけでなく現実の世界も一変。健二は、夏希の一家と共にその危機に立ち向かう。
過去に見たことがありこの夏に再度視聴したが、初めて見た時よりも冷静に物語を見てみると面白さが分からなかった。内容の共感性はあまり高くなかったが、田舎の日本家屋と仮想世界を行ったり来たりする物語の構成は目まぐるしく面白かった。ネット社会の考え方については、監督の予想はあながち間違っていないのかもしれないと感じた。
18. ミステリと言う勿れ(ドラマ)
脚本:相沢友子
原作:田村由美
主人公、久能整は社会の当たり前に疑問を持ち膨大な知識と独自の価値観で物事を考える大学生。そんな彼はある日身に覚えのない殺人事件の容疑をかけられることに。刑事たちの尋問を受ける中でこの事件のヒントや刑事たちの悩みに気が付く整。その事件を華麗に解決してしまったことで以降も刑事たちから事件の相談を持ち掛けられるようになる。
ミステリーを描いたドラマでありながら、現場の検証などではなく会話に重きを置いた構成になっているこのドラマ。整の偏見の一切ない考えが人々の心を解きほぐす様子は毎回気づかされることがあり、ヒューマンドラマを見ているような感覚に陥る。その感覚を後押ししているのが音楽だ。このドラマではBGMにクラッシックを用いている。聞きなじみのある音楽に載せて放たれる言葉は心に残るものになるだろう。
19. MIU404(ドラマ)
脚本:野木亜紀子
警視庁において刑事部・機動捜査隊の第4機動捜査隊だ増設される。その隊長の桔梗ゆづるに召集された志摩一未は、本来ペアを組むはずだった陣馬耕平ではなく候補段階で一度おとされていた伊吹藍とペアを組むことになる。破天荒で常識に欠ける伊吹に苛立ちを覚える志摩だったが、彼の機捜の仕事を良い仕事という言葉に動かされともに任務を続けることに。
主題歌が米津玄師の「感電」でその主題歌が流れる場面が毎回絶妙だった。また1話完結型のため毎話新鮮な気持ちで楽しめたし、取り上げる題材が視聴者の心に訴えかけてくるものばかりで心を動かされた。犯人に寄り添う形で物語が終わることも多く、苦しみは分かるけれどやったことは償わないといけないという納得しきれない感情がうまく表現された作品だった。
20. 逃げるは恥だが役に立つ(ドラマ)
脚本:野木亜紀子
原作:海野つなみ
大学院を出ながらも就職難で派遣社員になった森山みくりは派遣切りに遭い無職となってしまう。求職中の娘を見かねた父は、家事代行サービスを利用していた元部下・津崎平匡が折りよく家事代行の会社を替えようとしていたところを頼み込んで、週1回の仕事を取り付ける。あまり他人に構われることを好まない津崎だったが、みくりとは適度な距離感を保って良好な関係を築く。だが、定年を機に田舎へ引っ越すという願望を両親が叶えることになり、現状を維持したいみくりは津崎に「就職としての結婚」を持ちかけ、その提案にメリットを感じた津崎は了承し、2人は「雇用主と従業員」という関係の契約結婚という道を選ぶ。結婚式も挙げず事実婚という体で周囲への挨拶を乗り切ったみくりと平匡だが、2人のよそよそしさをいぶかしむ平匡の同僚・風見涼太や沼田、みくりの伯母・土屋百合の目をごまかすため「ハグの日」を設けるなどして周囲に親近感を醸し出そうとするうちに、2人の間に本当の恋愛感情が芽生える。
MIU404と同じく野木亜紀子さんの脚本ということで見始めた作品で、相変わらず脚本の面白さに驚かされた。家事をすることの経済的価値などの日常に潜む社会問題について嫌味を一切感じさせずに描いていて内容を素直に受け取ることが出来た。またみくりの叔母、百合の台詞にあった呪いという単語は多くの人が共感したのではないだろうか。先入観や固定観念といった呪いから自由になることは誰しもができるはずのことでその努力をしている人の背中を押した台詞だったと思う。
2年 住田
RES
夏休み課題1~10
1. ONE PIECE FILM RED(映画)
監督:谷口悟朗
脚本:黒岩勉
世界で最も愛されている歌手、ウタ。素性を隠したまま発信するその歌声は“別次元”と評されていた。そんな彼女が初めて公の前に姿を現すライブが開催される。色めき立つ海賊たち、目を光らせる海軍、そして何も知らずにただ彼女の歌声を楽しみにきたルフィ率いる麦わらの一味、ありとあらゆるウタファンが会場を埋め尽くす中、今まさに全世界待望の歌声が響き渡ろうとしていた。物語は、彼女が“シャンクスの娘”という衝撃の事実から動き出す。「世界を歌で幸せにしたい」とただ願い、ステージに立つウタ。ウタの過去を知る謎の人物・ゴードン、そして垣間見えるシャンクスの影。音楽の島・エレジアで再会したルフィとウタの出会いは12年前のフーシャ村へと遡る。
(出典:https://www.onepiece-film.jp/movie/)
今年公開になったONE PIECEの最新映画である本作。映画の主要キャラクターであるウタが歌手ということもあり、音楽へのこだわりが垣間見える内容だった。ライブパートもあり、戦闘中もウタの歌唱が途切れることなく続いていた。またウタ以外にも激しい戦闘にもかかわらずピアノのBGMや「新時代」から「ウィーアー!」への音楽の変化など、一人の楽曲に依存しない飽きさせない工夫が行われていた。また映画公開に合わせて事前にウタの楽曲をYouTubeやサブスクリプションなどに載せることによってウタが有名な歌手であるということを私たち視聴者に実感させることでウタの存在感を強く感じさせた。
2. 犬王(映画)
監督:湯浅政明
脚本:野木亜紀子
室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。
ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。 友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。
「ここから始まるんだ俺たちは!」
壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――?
歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。
(出典:https://inuoh-anime.com/)
古川日出男の「平家物語犬王の巻」を原作に作られた映画。この作品のジャンルはミュージカルで、平安時代の物語にも関わらずギターやドラムの音色ががんがん響き渡る。また犬王役のアヴちゃんも女王蜂のボーカルであり、音楽だけで考えるととても現代に即した雰囲気を醸し出している。しかし私はそれがこの作品の良さであると思う。犬王と友魚の二人は足利義満を含めた多くの人間を魅了させた。彼らが口々に言うのは二人の世界は独特で全く新しいということだ。その新しさを表現するために現代的なロックテイストを使用したとすると、その潔さは素晴らしいと思う。
3. タコピーの原罪(漫画)
作者:タイザン5
複雑な家庭事情と学校での陰湿ないじめに苛まれている少女しずかとハッピー星からやってきたという地球外生命体タコピーの交流譚。助けてくれたしずかちゃんを笑顔にするために様々な道具を駆使するタコピーだが、その考えむなしくしずかちゃんは暗い顔のまま。タコピーはしずかちゃんを笑顔にすることはできるのか?
毎週新しい話が投稿されるたびに様々なメディアで取り上げられていた話題の作品。そういった考察をはねのけ、最終的には「おはなし」することしか解決にはつながらないという簡潔な終わり方に好感が持てた。周囲から見たらしずかちゃんの環境は改善されることはなく、タコピーの道具も全く意味をなさないが幼い少女が求めていたものは話を聞いてもらうことという些細なことだった。少し親身になればわかりそうなことなのにそれに気が付くまで時間がかかってしまうのもリアリティを感じたし、やるせなさも感じた。
4. 劇場版 少女☆歌劇レヴュー・スタァライト(映画)
監督:古川知宏
脚本:樋口達人
スタァになるために演劇の学び舎に通う9人の少女たちが謎のオーディションを通じて、切磋琢磨する姿を描いたテレビアニメシリーズの完全新作。テレビシリーズを再編集した「少女☆歌劇レヴュー・スタァライト ロンド・ロンド・ロンド」に続く本作では9人が3年生になっていて卒業を目前にして、各々のやりたいことを考え始めていた。将来の行く末を見つめた彼女たち99期生が迎える結末とは。
アニメシリーズの時から独特の世界観を孕んだ作品だと思っていたが、映画ではそれがいかんなく発揮されていた。この作品の特徴としてキャラクター同士の思うところがあって責め立てたり背中を押したりする問答のシーンはすべてといっていいほどレヴューで行われる。そのレヴューはどれもきらめいていて非常に美しい。少女たちの苦悩さえも美しいものとして表現してしまう舞台の恐ろしさや素晴らしさを目の当たりにできる良い作品だった。しかしアニメシリーズを見てから劇場版を見るまでに間が空き過ぎてしまってところどころ分からない場面があったので、劇場版のみを見ることはあまりお勧めできない。
5. 劇場版ポケットモンスター水の都の護神ラティアスとラティオス(映画)
監督:湯浅政明
脚本:園田英樹
世界で一番美しい町といわれる水の都「アルトマーレ」。そこでサトシは不思議な技を持つポケモン、ラティアスとラティオスに出会う。ラティオスは兄、ラティアスは妹でとても仲がよく、この町の秘宝「こころのしずく」を守っていた。
この秘宝をねらう怪盗姉妹ザンナーとリオン。彼女たちが起こした事件に巻き込まれるサトシとピカチュウたち。隠された封印が解かれた時、町は大水害に見舞われる。奪われた「こころのしずく」を取り返す為、サトシとピカチュウが水の都を駆け抜ける!
(出典:https://www.pokemon-movie.jp/history/history2002/)
私が生まれた年に公開された作品だったが、今年人気投票によってふたたび映画館で上映された作品。水の都が舞台ということで水上レースが映画の冒頭に行われる。このシーンのカメラワークがとてもよく、動きが大きく躍動感にあふれている。このあたりでメインポケモンのラティアスとラティオスが登場するのだが、彼らは光の屈折を使って姿を周囲に馴染ませることが出来る。そのガラスのような表現が美しいのもラティアス、ラティオスの人気の秘訣だ。水の表現なども2002年にしては美しく、子供向けの作品とは言え手を抜いていないのが好感が持てるし、時たま見返したくなる理由なのかもしれない。
6. 劇場版ポケットモンスターアドバンスジェネレーション七夜の願い星 ジラーチ(映画)
監督:湯山邦彦
脚本:園田英樹
千年に一度、7日間だけあらわれるという千年彗星がよく見える「移動遊園地・ポケモンパーク」でサトシたちはバトラーという人気マジシャンに出会う。
そして、マジックショーの中、マサトだけにアシスタントのダイアンが持つ"眠り繭"(ねむりまゆ)の声が聞こえてきた。それは千年に一度目をさまして願いを叶えてくれるという幻のポケモン"ジラーチ"の声だった。まもなくジラーチはマサトの手の中で千年の眠りから目覚める。サトシたちの喜びをよそに、バトラーは自らの野望のためにジラーチを利用しようとたくらむのであった。
(出典:https://www.pokemon-movie.jp/history/history2003/)
最終的に対立関係にあったバトラーらとの共闘があり悪者が改心して終了という終わり方をしない作品でポケモンシリーズでは新しいように感じた。また題名にもなっているジラーチの活躍だけでなく他のポケモンの活躍も見られて現在のポケモン映画につながるところがあると思った。当時メインキャラクターだったマサトとハルカの兄弟愛が全面に出た作品だったので、今見ることが出来てよかった。
7. 劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ(映画)
監督:湯山邦彦
脚本:園田英樹
次のポケモンコンテストに参加するため、アラモスタウンへやってきたサトシたちは、町でアリスというかれんな女性とであった。 アリスに町のランドマークである「時空の塔」や水と緑がゆたかな美しい庭園に案内され、すっかり観光気分のサトシたちだったが、そこで一行は、何者かによって庭園があらされているのを発見する。
そこへやってきたのは、この町の有力者アルベルト男爵。庭園をあらしたのは、幻のポケモン・ダークライのしわざにちがいないと自信ありげに語るアルベルト。やがて不気味な影の中から、サトシたちの前にダークライがこつぜんとそのすがたをあらわしたのだった。
(出典:https://www.pokemon-movie.jp/history/history2007/)
映画館で初めて見たポケモン映画が再上映されるということで映画館で鑑賞したこの作品。初めて鑑賞した時も今もディアルガとパルキアの戦闘は圧巻だった。しかしその戦闘シーンで物語の大筋が壊れることもなく、ダークライが健気に町を守ろうとする姿は本当にかっこよかった。またオラシオンも色あせることのない名曲だ。音楽にこだわりのある作品は映画館で見ていて心地よい。
8. よふかしのうた(漫画)
作者:コトヤマ
とある事情から不登校になっている中学2年生、夜守コウ。眠れない日々に悩む彼はある夜思い切って誰にも言わずに外へ出た。そこで吸血鬼、七草ナズナと出会う。コウに夜の楽しさを教えるナズナ、そしてそんな彼女に魅了されていくコウ。俺を吸血鬼にしてくださいと頼み込むコウだったが、吸血鬼になるためには恋をしなければいけないということを知る。はたしてコウは吸血鬼になれるのか。
現在13巻まで発売している本作だが、新しく登場したキャラクターも含めてどのキャラクターも魅力的だ。それぞれのキャラクターにフューチャーした話があるので一人残らず好きになってしまう。またアニメとは異なり漫画は白黒で表現される。また夜のシーンが作品の大半を占めるので画面が一定になってしまうのではないかと考えがちだが、全くそんなことはなく非常に読みやすい作品だった。
9. よふかしのうた(アニメ)
監督:板村智幸
脚本:横手美智子
あらすじは先に書いたよふかしのうた(漫画)と同じなので省略。
オープニングの楽曲「堕天」の映像が素晴らしい。最後の一泊おいてサビに入るところの映像の無重力感が作品のけだるさや現実世界とほんの少しずれた感じをうまく醸し出していると感じた。また第一話のエンディングの入りも鳥肌が立つぐらいに素晴らしかった。その場面でも顕著だったが、夜空の背景やビルの明かりなどが幻想的で普段外に出ない時間に外にいる特別感や浮遊感がそういった美しさを見せるのだろうなと思った。
10. 光が死んだ夏(漫画)
作者:モクモクれん
光はもうおらんのや…それやったら――。
ある集落で暮らす少年、よしきと光。同い年の2人はずっと一緒に育ってきた。しかしある日、よしきが光だと思っていたものは別のナニカにすり替わっていたことに気づいてしまう。それでも、一緒にいたい。友人の姿をしたナニカとの、いつも通りの日々が始まる。時を同じくして、集落では様々な事件が起こっていき――。新進気鋭の作家・モクモクれんが描く、未知のナニカへ堕ちていく運命の物語、開幕。
(出典:https://comic.pixiv.net/works/8064)
未知の生き物が友人に姿を変えていることに気が付いていながらもともに日々を過ごすことを決めた少年の奇妙な日々の物語で、何となくボーイズラブ要素も感じる。第一話の冒頭でいきなりよしきが光に「お前やっぱ光ちゃうやろ」と聞くところから始まるため、その一言で一気に物語に引き込まれた。それを言われた光も否定するわけでもなく誰にも言わないでと懇願する。そのどことなく感じるズレがこの作品の魅力で、ずっと不気味な感覚があり読んでいて落ち着かない作品だった。
1. ONE PIECE FILM RED(映画)
監督:谷口悟朗
脚本:黒岩勉
世界で最も愛されている歌手、ウタ。素性を隠したまま発信するその歌声は“別次元”と評されていた。そんな彼女が初めて公の前に姿を現すライブが開催される。色めき立つ海賊たち、目を光らせる海軍、そして何も知らずにただ彼女の歌声を楽しみにきたルフィ率いる麦わらの一味、ありとあらゆるウタファンが会場を埋め尽くす中、今まさに全世界待望の歌声が響き渡ろうとしていた。物語は、彼女が“シャンクスの娘”という衝撃の事実から動き出す。「世界を歌で幸せにしたい」とただ願い、ステージに立つウタ。ウタの過去を知る謎の人物・ゴードン、そして垣間見えるシャンクスの影。音楽の島・エレジアで再会したルフィとウタの出会いは12年前のフーシャ村へと遡る。
(出典:https://www.onepiece-film.jp/movie/)
今年公開になったONE PIECEの最新映画である本作。映画の主要キャラクターであるウタが歌手ということもあり、音楽へのこだわりが垣間見える内容だった。ライブパートもあり、戦闘中もウタの歌唱が途切れることなく続いていた。またウタ以外にも激しい戦闘にもかかわらずピアノのBGMや「新時代」から「ウィーアー!」への音楽の変化など、一人の楽曲に依存しない飽きさせない工夫が行われていた。また映画公開に合わせて事前にウタの楽曲をYouTubeやサブスクリプションなどに載せることによってウタが有名な歌手であるということを私たち視聴者に実感させることでウタの存在感を強く感じさせた。
2. 犬王(映画)
監督:湯浅政明
脚本:野木亜紀子
室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。
ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。 友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。
「ここから始まるんだ俺たちは!」
壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――?
歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。
(出典:https://inuoh-anime.com/)
古川日出男の「平家物語犬王の巻」を原作に作られた映画。この作品のジャンルはミュージカルで、平安時代の物語にも関わらずギターやドラムの音色ががんがん響き渡る。また犬王役のアヴちゃんも女王蜂のボーカルであり、音楽だけで考えるととても現代に即した雰囲気を醸し出している。しかし私はそれがこの作品の良さであると思う。犬王と友魚の二人は足利義満を含めた多くの人間を魅了させた。彼らが口々に言うのは二人の世界は独特で全く新しいということだ。その新しさを表現するために現代的なロックテイストを使用したとすると、その潔さは素晴らしいと思う。
3. タコピーの原罪(漫画)
作者:タイザン5
複雑な家庭事情と学校での陰湿ないじめに苛まれている少女しずかとハッピー星からやってきたという地球外生命体タコピーの交流譚。助けてくれたしずかちゃんを笑顔にするために様々な道具を駆使するタコピーだが、その考えむなしくしずかちゃんは暗い顔のまま。タコピーはしずかちゃんを笑顔にすることはできるのか?
毎週新しい話が投稿されるたびに様々なメディアで取り上げられていた話題の作品。そういった考察をはねのけ、最終的には「おはなし」することしか解決にはつながらないという簡潔な終わり方に好感が持てた。周囲から見たらしずかちゃんの環境は改善されることはなく、タコピーの道具も全く意味をなさないが幼い少女が求めていたものは話を聞いてもらうことという些細なことだった。少し親身になればわかりそうなことなのにそれに気が付くまで時間がかかってしまうのもリアリティを感じたし、やるせなさも感じた。
4. 劇場版 少女☆歌劇レヴュー・スタァライト(映画)
監督:古川知宏
脚本:樋口達人
スタァになるために演劇の学び舎に通う9人の少女たちが謎のオーディションを通じて、切磋琢磨する姿を描いたテレビアニメシリーズの完全新作。テレビシリーズを再編集した「少女☆歌劇レヴュー・スタァライト ロンド・ロンド・ロンド」に続く本作では9人が3年生になっていて卒業を目前にして、各々のやりたいことを考え始めていた。将来の行く末を見つめた彼女たち99期生が迎える結末とは。
アニメシリーズの時から独特の世界観を孕んだ作品だと思っていたが、映画ではそれがいかんなく発揮されていた。この作品の特徴としてキャラクター同士の思うところがあって責め立てたり背中を押したりする問答のシーンはすべてといっていいほどレヴューで行われる。そのレヴューはどれもきらめいていて非常に美しい。少女たちの苦悩さえも美しいものとして表現してしまう舞台の恐ろしさや素晴らしさを目の当たりにできる良い作品だった。しかしアニメシリーズを見てから劇場版を見るまでに間が空き過ぎてしまってところどころ分からない場面があったので、劇場版のみを見ることはあまりお勧めできない。
5. 劇場版ポケットモンスター水の都の護神ラティアスとラティオス(映画)
監督:湯浅政明
脚本:園田英樹
世界で一番美しい町といわれる水の都「アルトマーレ」。そこでサトシは不思議な技を持つポケモン、ラティアスとラティオスに出会う。ラティオスは兄、ラティアスは妹でとても仲がよく、この町の秘宝「こころのしずく」を守っていた。
この秘宝をねらう怪盗姉妹ザンナーとリオン。彼女たちが起こした事件に巻き込まれるサトシとピカチュウたち。隠された封印が解かれた時、町は大水害に見舞われる。奪われた「こころのしずく」を取り返す為、サトシとピカチュウが水の都を駆け抜ける!
(出典:https://www.pokemon-movie.jp/history/history2002/)
私が生まれた年に公開された作品だったが、今年人気投票によってふたたび映画館で上映された作品。水の都が舞台ということで水上レースが映画の冒頭に行われる。このシーンのカメラワークがとてもよく、動きが大きく躍動感にあふれている。このあたりでメインポケモンのラティアスとラティオスが登場するのだが、彼らは光の屈折を使って姿を周囲に馴染ませることが出来る。そのガラスのような表現が美しいのもラティアス、ラティオスの人気の秘訣だ。水の表現なども2002年にしては美しく、子供向けの作品とは言え手を抜いていないのが好感が持てるし、時たま見返したくなる理由なのかもしれない。
6. 劇場版ポケットモンスターアドバンスジェネレーション七夜の願い星 ジラーチ(映画)
監督:湯山邦彦
脚本:園田英樹
千年に一度、7日間だけあらわれるという千年彗星がよく見える「移動遊園地・ポケモンパーク」でサトシたちはバトラーという人気マジシャンに出会う。
そして、マジックショーの中、マサトだけにアシスタントのダイアンが持つ"眠り繭"(ねむりまゆ)の声が聞こえてきた。それは千年に一度目をさまして願いを叶えてくれるという幻のポケモン"ジラーチ"の声だった。まもなくジラーチはマサトの手の中で千年の眠りから目覚める。サトシたちの喜びをよそに、バトラーは自らの野望のためにジラーチを利用しようとたくらむのであった。
(出典:https://www.pokemon-movie.jp/history/history2003/)
最終的に対立関係にあったバトラーらとの共闘があり悪者が改心して終了という終わり方をしない作品でポケモンシリーズでは新しいように感じた。また題名にもなっているジラーチの活躍だけでなく他のポケモンの活躍も見られて現在のポケモン映画につながるところがあると思った。当時メインキャラクターだったマサトとハルカの兄弟愛が全面に出た作品だったので、今見ることが出来てよかった。
7. 劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ(映画)
監督:湯山邦彦
脚本:園田英樹
次のポケモンコンテストに参加するため、アラモスタウンへやってきたサトシたちは、町でアリスというかれんな女性とであった。 アリスに町のランドマークである「時空の塔」や水と緑がゆたかな美しい庭園に案内され、すっかり観光気分のサトシたちだったが、そこで一行は、何者かによって庭園があらされているのを発見する。
そこへやってきたのは、この町の有力者アルベルト男爵。庭園をあらしたのは、幻のポケモン・ダークライのしわざにちがいないと自信ありげに語るアルベルト。やがて不気味な影の中から、サトシたちの前にダークライがこつぜんとそのすがたをあらわしたのだった。
(出典:https://www.pokemon-movie.jp/history/history2007/)
映画館で初めて見たポケモン映画が再上映されるということで映画館で鑑賞したこの作品。初めて鑑賞した時も今もディアルガとパルキアの戦闘は圧巻だった。しかしその戦闘シーンで物語の大筋が壊れることもなく、ダークライが健気に町を守ろうとする姿は本当にかっこよかった。またオラシオンも色あせることのない名曲だ。音楽にこだわりのある作品は映画館で見ていて心地よい。
8. よふかしのうた(漫画)
作者:コトヤマ
とある事情から不登校になっている中学2年生、夜守コウ。眠れない日々に悩む彼はある夜思い切って誰にも言わずに外へ出た。そこで吸血鬼、七草ナズナと出会う。コウに夜の楽しさを教えるナズナ、そしてそんな彼女に魅了されていくコウ。俺を吸血鬼にしてくださいと頼み込むコウだったが、吸血鬼になるためには恋をしなければいけないということを知る。はたしてコウは吸血鬼になれるのか。
現在13巻まで発売している本作だが、新しく登場したキャラクターも含めてどのキャラクターも魅力的だ。それぞれのキャラクターにフューチャーした話があるので一人残らず好きになってしまう。またアニメとは異なり漫画は白黒で表現される。また夜のシーンが作品の大半を占めるので画面が一定になってしまうのではないかと考えがちだが、全くそんなことはなく非常に読みやすい作品だった。
9. よふかしのうた(アニメ)
監督:板村智幸
脚本:横手美智子
あらすじは先に書いたよふかしのうた(漫画)と同じなので省略。
オープニングの楽曲「堕天」の映像が素晴らしい。最後の一泊おいてサビに入るところの映像の無重力感が作品のけだるさや現実世界とほんの少しずれた感じをうまく醸し出していると感じた。また第一話のエンディングの入りも鳥肌が立つぐらいに素晴らしかった。その場面でも顕著だったが、夜空の背景やビルの明かりなどが幻想的で普段外に出ない時間に外にいる特別感や浮遊感がそういった美しさを見せるのだろうなと思った。
10. 光が死んだ夏(漫画)
作者:モクモクれん
光はもうおらんのや…それやったら――。
ある集落で暮らす少年、よしきと光。同い年の2人はずっと一緒に育ってきた。しかしある日、よしきが光だと思っていたものは別のナニカにすり替わっていたことに気づいてしまう。それでも、一緒にいたい。友人の姿をしたナニカとの、いつも通りの日々が始まる。時を同じくして、集落では様々な事件が起こっていき――。新進気鋭の作家・モクモクれんが描く、未知のナニカへ堕ちていく運命の物語、開幕。
(出典:https://comic.pixiv.net/works/8064)
未知の生き物が友人に姿を変えていることに気が付いていながらもともに日々を過ごすことを決めた少年の奇妙な日々の物語で、何となくボーイズラブ要素も感じる。第一話の冒頭でいきなりよしきが光に「お前やっぱ光ちゃうやろ」と聞くところから始まるため、その一言で一気に物語に引き込まれた。それを言われた光も否定するわけでもなく誰にも言わないでと懇願する。そのどことなく感じるズレがこの作品の魅力で、ずっと不気味な感覚があり読んでいて落ち着かない作品だった。
3年 岩下
RES
夏休み課題21~30
21.東京深夜少女(漫画)
漫画:もてぃま 原案:輪千ユウ
就活生の佐々木はるかは、コミュニケーション能力の不足によって中々内定を獲得できずにいた。不合格に落胆して歌舞伎町を歩いていたところ、サキュバス系ガールズバーで働く露出系コスプレイヤー・りあと仲良くなり、人生で初めての夜遊びをすることになる。
真面目だった少女が歌舞伎町の住民との出会いによって、次第に深みにはまっていく物語。
本作は電子漫画アプリ「サイコミ」で連載されている漫画で、全編カラーで掲載されている点が特色である。それによって現代的な「病みかわいい」世界観が形成されている。ストーリーとしては身勝手な歌舞伎町の住民と煮え切らない主人公のはるかの交流が中心となっているが、主人公が完全に常識に染まり切っていないことから徐々に夜の世界の常識に浸食されていく様子を楽しむことができる。
22.天国大魔境(漫画)
作者:石黒正数
外界から隔絶された孤児院のような施設で暮らすトキオは、ある日抜き打ちテストで「外の外に行きたいですか」という問題を目にし、外の世界を意識するようになる。一方、荒廃した世界で女性用心棒のキルコと共に旅をするマルは、死別したミクラの遺言を頼りに「天国と呼ばれる場所で自分と同じ顔をした人間を探し出し、薬を打つ」ことを目標としていた。
性別という概念が希薄な謎の施設で過ごすトキオと、人間を襲って食べる不思議な生物が蠢く世界で生きるために戦うトキオにそっくりな少年・マルの物語を交互に描きながら進んでいくSF作品。
不思議な世界観とそこで織りなされる人間関係、それらを引き立てているあたたかで丸みがあるのにスッキリとした絵柄が本作の魅力である。また、二つの世界の関係性や主要キャラクターたちの生い立ち、舞台背景といった情報は徐々に明らかにされていくことから、どのような物語なのかわからないまま読んでいくうちに、次第に先の展開が気になっていく作品である。
23.税金で買った本(漫画)
作者:ずいの、系山冏
小学生ぶりに図書館を訪れた高校生ヤンキー・石平が図書館で働く職員達との交流を通じて知識欲に目覚め、アルバイト職員として働いていく過程を描いたお仕事漫画。
図書館に関するリアルな描写と、実際に存在しそうでギリギリ存在していなさそうな個性を持った図書館職員・利用者達のキャラクターのバランスが絶妙な作品である。
特に、紛失本の弁償制度やレファレンスの掟など、世間にはあまり知られていない図書館の制度や問題点について学べる点が司書資格課程を履修中の身としては興味深く感じた。
また、図書館のきれいな面だけでなく、弁償しなくてはいけない本を中々返さない利用者や職員にセクハラまがいな質問をする利用者、男性職員と女性職員で態度を変える利用者など接客業の一種として実際の図書館でも存在していそうな問題点が克明に描かれている。その中で、図書館について無知だからこその石平の言動が問題を解決する切っ掛けになっていく、という1~2話単位のストーリー展開が濃密で魅力的な作品である。
24.極限脱出ADV 善人シボウデス(ゲーム)
開発:チュンソフト シナリオ・ディレクター:打越鋼太郎
プラットフォーム:Play Station Vita
男子大学生のシグマは帰宅途中に何者かによって連れ去られ、気が付くと自称記憶喪失の少女・ファイと共にエレベーターのような部屋に閉じ込められていた。モニターに現れたゼロ3世と名乗るウサギの指示に従って、他の部屋に監禁されていた老若男女含む計9人で「ノナリーゲーム・アンビデックスエディション」に挑んで施設からの脱出を目指す物語。
本作はアドベンチャーゲームシリーズ「極限脱出シリーズ」の第二作目で、「極限脱出 9時間9人9の扉」の続編に該当する。選択肢によってストーリーが変化するノベルパートと閉じ込められた室内からの脱出を目指す脱出パートを繰り返すことで、いずれかのエンディングにたどり着く仕組みになっている。各エンディングに至るまでの流れはフローチャートになっており、一度閲覧したストーリーであればオプション画面から自由に行き来できるようになっている。このような仕組みはエンディング回収をするうえで便利な機能である一方、ストーリー上も重要な役割を持っている。
このような、ゲームシステムを利用したストーリー展開が本作の一つの魅力である。そのほかにも、立ち絵を利用した主人公にまつわる設定や、ジャンプシステムを利用したSFチックな世界観など、ゲームであるからこその世界観やストーリー展開には目が離せない。
25.どろぼうちゃん(漫画)
作者:ひととせ ひるね
高校二年生の夜長は隣の席の眠方さんに恋をしていた。ある日「どろぼうちゃん」と名乗るコスプレ少女が夜長の部屋に忍び込む場面に直面するが、その正体が眠方さんであることに夜長は速攻気づく。自称・義賊のドジっ子泥棒と、泥棒に恋する少年のラブコメディ作品。
ピッキングに失敗してターゲットに直接部屋に入れてもらう、夜長が眠方をもてなすために買ってきたスイーツを落としてしまいどろぼうなのにお詫びの品を買ってくる、といった眠方のうっかり具合がかわいらしく、ポップな絵柄とマッチしている。
泥棒自体は犯罪であるが、双方の合意である点、最終的には失敗してしまう点からコミカルな側面が強調されていて、明るく楽しむことができる作品である。
26.食糧人類-Starving Anonymous-(漫画)
原案:水谷健吾 原作:蔵石ユウ 作画:イナベカズ
地球温暖が極度に深刻化した日本では、表向きは核廃棄物処理施設として政府の管理下にある施設において、連れ去ってきた人間を飼育して太らせ、異星の巨大生物の供物にする制度が敷かれていた。高校生の伊江は下校途中のバスで友人含む乗客とともに拉致され、食肉として処理される途中の運搬中に目を覚ます。処理をなんとか免れた主人公が、数少ない正気な人々とともに施設からの脱出を目指す物語。
普通の日常を過ごしていた伊江が突如日本の暗部を見せられる、という手に汗握る展開が魅力の作品である。また、主人公らが大口を開けてチキンナゲットを食べる場面から始まる第一話が印象的で、食の汚さや残酷さ、恐ろしさを徹底的に突き詰めたようなホラー作品である。
27.食糧人類RE:-Starving Re:velation-(漫画)
原案:水谷健吾 原作:蔵石ユウ 作画:イナベカズ
異星の巨大生物を「天人さま」と奉り、将来的には自らの肉体を天人さまに召し上がっていただくことが正義である、と教育された世界の中で少なからず違和感を覚えている人々が存在していた。主人公の天沢は社会の慣習を当然のものとして受け入れていたが、ある日突然死ぬことに対して恐怖を覚えるようになる。「食糧人類-Starving Anonymous-」の続編として描かれた、食べられるためだけに生きることを当然とする学校の中で歪な常識に立ち向かおうとする人々の物語。
信じ切っていた社会の不条理に突如として直面するという点は、前作から共通して描かれているテーマである。しかしながら、本作では一般人にまで洗脳の効果が及んでいるため、客観的にみるとより一層不気味さが際立っている。冒頭場面では現代社会と何ら変わりない学校生活が描かれているが、死ぬのが怖いという天沢の告白に担任教師がやたら取り乱すシーン以降、社会の歪さが徐々に明らかになっていく。謎の生物に食べられるという状況の恐怖に加えて、同調圧力という人間的な恐怖が加わったホラー作品。
28.いじめるヤバイ奴(漫画)
作者:中村なん
高校1年生の仲島達也はクラスメイトの白咲花に「いじめさせ」られていた。
クラスメイトの前では悪逆非道ないじめっ子として白咲をいじめる仲島だが、その陰では白咲からの殺人スレスレの暴力的制裁によって「クラスメイトにはいじめを強要されていることはバレないように、常に白咲だけをいじめること」を強要されていた。普通の高校生活を送るはずがいじめを強要されることになった仲島の苦悩を通じて、他者に暴力を振るうことの恐怖を描いた物語。
本作の主人公は白咲の恐怖によって支配されている被害者であるが、頭の回転や身体能力に優れている点から単なる弱者に留まらない工夫がおもしろい。中でも、いじめの障壁となる妨害者やハプニングに対する対応力は見事で、クラスメイトや担任教師をも味方につけることに成功している。また、第一話の冒頭シーンはクラスで唯一いじめに反対する田中視点で進んでいくが、途中で主人公が仲島に切り替わって白咲の恐怖が露呈する、という展開によって通常のいじめ漫画とは違った展開をみせている。本作はいじめという重い題材を扱った作品でありながらも、被害者自身が首謀者である点、加害者であるはずの仲島がむしろ被害者である点、周囲の人々の異常なまでに協力的な態度、主要人物たちの圧倒的な身体能力といった要素から、中盤以降はコメディ作品としても楽しめる作品である。
29.ブルーロック(漫画)
原作:金城宗幸 作画:ノ村優介
日本のW杯優勝を目指して日本フットボール連合が立ち上げたプロジェクト・青い監獄プロジェクトとは、ブルーロックに集められたユース世代のFW300人の中から世界一のストライカーを育成するプロジェクトのことである。数々の選考を潜り抜けた最後の一人は最高のストライカーになれる一方で、残りの失格者達は日本代表入りの資格を永久に失うという条件の中、己のエゴをぶつけ合い試練に挑んでいく高校生達の物語。
本作は、サッカーに対する従来のイメージが変わるような作品だと感じた。従来のサッカーはチーム戦として連携が重視されているが、本作においてはチームの得点よりも個人の得点が重視される価値観の中で物語が展開していく。本作主人公の潔世一は入寮当初、ブルーロック内のランクが300人中299位だったこともあって自信のなさが目立ったが、特殊な持論を掲げるブルーロックのシステムに身を投じることによって徐々に自身の強みを見つけ、自信を身に着けていく。特殊な状況下だからこその成長と入寮者同士の熾烈な戦いを描いたストーリー展開によって、メラメラとしたカタルシスが味わえる作品である。
30.僕たちがやりました(漫画)
原作:金城宗幸 漫画:荒木光
そこそこ楽しい人生を目標としているトビオらが通う凡下高校の隣には、不良で有名な矢波高校が建っていた。ある日、友人のマルが矢波高校の生徒に目を付けられたことを切っ掛けに仕返しを決意したトビオら仲良し4人組は、夜の矢波高校に忍び込み、金持ちOBのパイセンこと小坂の財力で手配したプラスチック爆弾を校舎内各所に設置した。翌朝隣の校舎から起爆させたところ付近のプロパンガスへの引火から大規模な爆発事件に発展し、10人の死者を出す事態に発展する。軽率な行動が取り返しのつかない事件に発展してしまった少年たちの、後悔や現実逃避、家族や社会との確執、矢波高生徒への恨みや思春期特有の浅慮を描いた物語。
本作の中でも特に大きな見せ場として、矢波高校に忍び込んで爆弾を設置する場面と、罪悪感に耐えかねて大規模な自首を決意する場面が存在する。それぞれの場面において4人は、為そうとしている物事の重大さに比べてはるかに軽い気持ちで行動しているようにも見える。例えば、警察組織に直接犯行を自供したとしてもパイセンの父親の財力によってもみ消されてしまうことから大規模な自白イベントを企画し、必要な道具を準備しているシーンは、まるで文化祭の準備をしているかのような和やかな空気感と青春らしさに包まれている。このような一般的な高校生が分不相応な出来事を起こしてしまったが故のアンバランスさが本作の魅力の一つである。
21.東京深夜少女(漫画)
漫画:もてぃま 原案:輪千ユウ
就活生の佐々木はるかは、コミュニケーション能力の不足によって中々内定を獲得できずにいた。不合格に落胆して歌舞伎町を歩いていたところ、サキュバス系ガールズバーで働く露出系コスプレイヤー・りあと仲良くなり、人生で初めての夜遊びをすることになる。
真面目だった少女が歌舞伎町の住民との出会いによって、次第に深みにはまっていく物語。
本作は電子漫画アプリ「サイコミ」で連載されている漫画で、全編カラーで掲載されている点が特色である。それによって現代的な「病みかわいい」世界観が形成されている。ストーリーとしては身勝手な歌舞伎町の住民と煮え切らない主人公のはるかの交流が中心となっているが、主人公が完全に常識に染まり切っていないことから徐々に夜の世界の常識に浸食されていく様子を楽しむことができる。
22.天国大魔境(漫画)
作者:石黒正数
外界から隔絶された孤児院のような施設で暮らすトキオは、ある日抜き打ちテストで「外の外に行きたいですか」という問題を目にし、外の世界を意識するようになる。一方、荒廃した世界で女性用心棒のキルコと共に旅をするマルは、死別したミクラの遺言を頼りに「天国と呼ばれる場所で自分と同じ顔をした人間を探し出し、薬を打つ」ことを目標としていた。
性別という概念が希薄な謎の施設で過ごすトキオと、人間を襲って食べる不思議な生物が蠢く世界で生きるために戦うトキオにそっくりな少年・マルの物語を交互に描きながら進んでいくSF作品。
不思議な世界観とそこで織りなされる人間関係、それらを引き立てているあたたかで丸みがあるのにスッキリとした絵柄が本作の魅力である。また、二つの世界の関係性や主要キャラクターたちの生い立ち、舞台背景といった情報は徐々に明らかにされていくことから、どのような物語なのかわからないまま読んでいくうちに、次第に先の展開が気になっていく作品である。
23.税金で買った本(漫画)
作者:ずいの、系山冏
小学生ぶりに図書館を訪れた高校生ヤンキー・石平が図書館で働く職員達との交流を通じて知識欲に目覚め、アルバイト職員として働いていく過程を描いたお仕事漫画。
図書館に関するリアルな描写と、実際に存在しそうでギリギリ存在していなさそうな個性を持った図書館職員・利用者達のキャラクターのバランスが絶妙な作品である。
特に、紛失本の弁償制度やレファレンスの掟など、世間にはあまり知られていない図書館の制度や問題点について学べる点が司書資格課程を履修中の身としては興味深く感じた。
また、図書館のきれいな面だけでなく、弁償しなくてはいけない本を中々返さない利用者や職員にセクハラまがいな質問をする利用者、男性職員と女性職員で態度を変える利用者など接客業の一種として実際の図書館でも存在していそうな問題点が克明に描かれている。その中で、図書館について無知だからこその石平の言動が問題を解決する切っ掛けになっていく、という1~2話単位のストーリー展開が濃密で魅力的な作品である。
24.極限脱出ADV 善人シボウデス(ゲーム)
開発:チュンソフト シナリオ・ディレクター:打越鋼太郎
プラットフォーム:Play Station Vita
男子大学生のシグマは帰宅途中に何者かによって連れ去られ、気が付くと自称記憶喪失の少女・ファイと共にエレベーターのような部屋に閉じ込められていた。モニターに現れたゼロ3世と名乗るウサギの指示に従って、他の部屋に監禁されていた老若男女含む計9人で「ノナリーゲーム・アンビデックスエディション」に挑んで施設からの脱出を目指す物語。
本作はアドベンチャーゲームシリーズ「極限脱出シリーズ」の第二作目で、「極限脱出 9時間9人9の扉」の続編に該当する。選択肢によってストーリーが変化するノベルパートと閉じ込められた室内からの脱出を目指す脱出パートを繰り返すことで、いずれかのエンディングにたどり着く仕組みになっている。各エンディングに至るまでの流れはフローチャートになっており、一度閲覧したストーリーであればオプション画面から自由に行き来できるようになっている。このような仕組みはエンディング回収をするうえで便利な機能である一方、ストーリー上も重要な役割を持っている。
このような、ゲームシステムを利用したストーリー展開が本作の一つの魅力である。そのほかにも、立ち絵を利用した主人公にまつわる設定や、ジャンプシステムを利用したSFチックな世界観など、ゲームであるからこその世界観やストーリー展開には目が離せない。
25.どろぼうちゃん(漫画)
作者:ひととせ ひるね
高校二年生の夜長は隣の席の眠方さんに恋をしていた。ある日「どろぼうちゃん」と名乗るコスプレ少女が夜長の部屋に忍び込む場面に直面するが、その正体が眠方さんであることに夜長は速攻気づく。自称・義賊のドジっ子泥棒と、泥棒に恋する少年のラブコメディ作品。
ピッキングに失敗してターゲットに直接部屋に入れてもらう、夜長が眠方をもてなすために買ってきたスイーツを落としてしまいどろぼうなのにお詫びの品を買ってくる、といった眠方のうっかり具合がかわいらしく、ポップな絵柄とマッチしている。
泥棒自体は犯罪であるが、双方の合意である点、最終的には失敗してしまう点からコミカルな側面が強調されていて、明るく楽しむことができる作品である。
26.食糧人類-Starving Anonymous-(漫画)
原案:水谷健吾 原作:蔵石ユウ 作画:イナベカズ
地球温暖が極度に深刻化した日本では、表向きは核廃棄物処理施設として政府の管理下にある施設において、連れ去ってきた人間を飼育して太らせ、異星の巨大生物の供物にする制度が敷かれていた。高校生の伊江は下校途中のバスで友人含む乗客とともに拉致され、食肉として処理される途中の運搬中に目を覚ます。処理をなんとか免れた主人公が、数少ない正気な人々とともに施設からの脱出を目指す物語。
普通の日常を過ごしていた伊江が突如日本の暗部を見せられる、という手に汗握る展開が魅力の作品である。また、主人公らが大口を開けてチキンナゲットを食べる場面から始まる第一話が印象的で、食の汚さや残酷さ、恐ろしさを徹底的に突き詰めたようなホラー作品である。
27.食糧人類RE:-Starving Re:velation-(漫画)
原案:水谷健吾 原作:蔵石ユウ 作画:イナベカズ
異星の巨大生物を「天人さま」と奉り、将来的には自らの肉体を天人さまに召し上がっていただくことが正義である、と教育された世界の中で少なからず違和感を覚えている人々が存在していた。主人公の天沢は社会の慣習を当然のものとして受け入れていたが、ある日突然死ぬことに対して恐怖を覚えるようになる。「食糧人類-Starving Anonymous-」の続編として描かれた、食べられるためだけに生きることを当然とする学校の中で歪な常識に立ち向かおうとする人々の物語。
信じ切っていた社会の不条理に突如として直面するという点は、前作から共通して描かれているテーマである。しかしながら、本作では一般人にまで洗脳の効果が及んでいるため、客観的にみるとより一層不気味さが際立っている。冒頭場面では現代社会と何ら変わりない学校生活が描かれているが、死ぬのが怖いという天沢の告白に担任教師がやたら取り乱すシーン以降、社会の歪さが徐々に明らかになっていく。謎の生物に食べられるという状況の恐怖に加えて、同調圧力という人間的な恐怖が加わったホラー作品。
28.いじめるヤバイ奴(漫画)
作者:中村なん
高校1年生の仲島達也はクラスメイトの白咲花に「いじめさせ」られていた。
クラスメイトの前では悪逆非道ないじめっ子として白咲をいじめる仲島だが、その陰では白咲からの殺人スレスレの暴力的制裁によって「クラスメイトにはいじめを強要されていることはバレないように、常に白咲だけをいじめること」を強要されていた。普通の高校生活を送るはずがいじめを強要されることになった仲島の苦悩を通じて、他者に暴力を振るうことの恐怖を描いた物語。
本作の主人公は白咲の恐怖によって支配されている被害者であるが、頭の回転や身体能力に優れている点から単なる弱者に留まらない工夫がおもしろい。中でも、いじめの障壁となる妨害者やハプニングに対する対応力は見事で、クラスメイトや担任教師をも味方につけることに成功している。また、第一話の冒頭シーンはクラスで唯一いじめに反対する田中視点で進んでいくが、途中で主人公が仲島に切り替わって白咲の恐怖が露呈する、という展開によって通常のいじめ漫画とは違った展開をみせている。本作はいじめという重い題材を扱った作品でありながらも、被害者自身が首謀者である点、加害者であるはずの仲島がむしろ被害者である点、周囲の人々の異常なまでに協力的な態度、主要人物たちの圧倒的な身体能力といった要素から、中盤以降はコメディ作品としても楽しめる作品である。
29.ブルーロック(漫画)
原作:金城宗幸 作画:ノ村優介
日本のW杯優勝を目指して日本フットボール連合が立ち上げたプロジェクト・青い監獄プロジェクトとは、ブルーロックに集められたユース世代のFW300人の中から世界一のストライカーを育成するプロジェクトのことである。数々の選考を潜り抜けた最後の一人は最高のストライカーになれる一方で、残りの失格者達は日本代表入りの資格を永久に失うという条件の中、己のエゴをぶつけ合い試練に挑んでいく高校生達の物語。
本作は、サッカーに対する従来のイメージが変わるような作品だと感じた。従来のサッカーはチーム戦として連携が重視されているが、本作においてはチームの得点よりも個人の得点が重視される価値観の中で物語が展開していく。本作主人公の潔世一は入寮当初、ブルーロック内のランクが300人中299位だったこともあって自信のなさが目立ったが、特殊な持論を掲げるブルーロックのシステムに身を投じることによって徐々に自身の強みを見つけ、自信を身に着けていく。特殊な状況下だからこその成長と入寮者同士の熾烈な戦いを描いたストーリー展開によって、メラメラとしたカタルシスが味わえる作品である。
30.僕たちがやりました(漫画)
原作:金城宗幸 漫画:荒木光
そこそこ楽しい人生を目標としているトビオらが通う凡下高校の隣には、不良で有名な矢波高校が建っていた。ある日、友人のマルが矢波高校の生徒に目を付けられたことを切っ掛けに仕返しを決意したトビオら仲良し4人組は、夜の矢波高校に忍び込み、金持ちOBのパイセンこと小坂の財力で手配したプラスチック爆弾を校舎内各所に設置した。翌朝隣の校舎から起爆させたところ付近のプロパンガスへの引火から大規模な爆発事件に発展し、10人の死者を出す事態に発展する。軽率な行動が取り返しのつかない事件に発展してしまった少年たちの、後悔や現実逃避、家族や社会との確執、矢波高生徒への恨みや思春期特有の浅慮を描いた物語。
本作の中でも特に大きな見せ場として、矢波高校に忍び込んで爆弾を設置する場面と、罪悪感に耐えかねて大規模な自首を決意する場面が存在する。それぞれの場面において4人は、為そうとしている物事の重大さに比べてはるかに軽い気持ちで行動しているようにも見える。例えば、警察組織に直接犯行を自供したとしてもパイセンの父親の財力によってもみ消されてしまうことから大規模な自白イベントを企画し、必要な道具を準備しているシーンは、まるで文化祭の準備をしているかのような和やかな空気感と青春らしさに包まれている。このような一般的な高校生が分不相応な出来事を起こしてしまったが故のアンバランスさが本作の魅力の一つである。