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3年 小野寺 RES
11~20

11.『NANA-ナナ-』(漫画)
作者:矢沢あい

彼氏を追いかけて上京する小松奈々と、プロのミュージシャンを目指して東京を目指す大崎ナナ。同じ年、同じ名前を持つ2人は、上京する列車の中で偶然出会い、その後思いがけない再会を果たす。2人のNANAの友情、恋、挫折、成長を描くマスターピース。

2009年から休載しながら、今でも根強い人気を誇っている作品で、私と同じ名前のタイトルかつ主人公が登場することから興味を持った作品。普段少女漫画は読まないが、ドラマティックな物語展開と各登場人物の恋模様、細かい心理描写が圧巻の作品だと感じた。特に小松奈々の女性としての内面の成長が、立ち振る舞い、口調、思考、外見等から細かく表現されている所が興味深い。男女の恋愛模様や両想いに至るまでの過程、それらに対する心理描写が少女漫画の王道スタイルであると思うが、この作品では恋愛に関することではあるが、挫折や複雑な人の心の移ろいを描いており、少女漫画の中でも異質な魅力があるなと思った。加えて、物語の最初の頃から1話ごとに冒頭や終わりの部分に奈々の独白があり、それが未来の奈々がナナに対して宛てた手紙の様で、この先の展開に読者を惹きつける要素となっていると思われる。

12.『ONE PIECE FILM RED』(アニメ映画)
監督:谷口悟朗 原作・総合プロデューサー:尾田栄一郎

世界で最も愛されている歌手、ウタ。そんな彼女が初めて公の前に姿を現すライブが開催される。色めき立つ海賊たち、目を光らせる海軍、そして何も知らずにただ彼女の歌声を楽しみにきたルフィ率いる麦わらの一味、ありとあらゆるウタファンが会場を埋め尽くす中、今まさに全世界待望の歌声が響き渡ろうとしていた。しかし、物語は彼女が“シャンクスの娘”という衝撃の事実から動き出し…。

『コードギアス』の谷口監督、音楽に中田ヤスタカや澤野弘之、ライブ演出や振付にMIKIKO先生が関わっていることがキッカケで見た作品。プロモーションの段階から、作品内における世界的な歌姫であるウタを、現実世界でも歌姫にしようという熱意が感じられた。音楽にスポットが当てられている作品なだけに、楽曲にとても力を入れており、豪華なアーティストとAdoの歌声は圧巻だった。物語の内容も、新時代という名の「夢」にウタが強制的に逃げるといった展開が、ネット社会と切っても切り離せない現代に対する問題提起のようにも受け取れた。

13.『富豪刑事 Balance unlimitetd』(TVアニメ)
監督:伊藤智彦 原作:筒井康隆

桁外れの資産をもつ神戸家の御曹司・大助が赴任したのは、警視庁で問題を起こした人間だけが送り込まれる「現代犯罪対策本部準備室」。そこで大助は情に厚い男・加藤春とバディを組まされる。人の命すら値踏みする大助に対して「世の中金じゃねぇ」と反発する加藤。対立する2人の前に立ちはだかる、様々な事件と謎。常識を超えた捜査が今、始まる――!

1984年に発表された同名小説を現代にアレンジした作品。色使いや音楽がおしゃれで、事件を推理や地道な捜査によって解決するのではなく、全てお金で解決してしまうという斬新かつストレートな方法が爽快だ。ギズモード・ジャパンがガジェットコーディネートを務めているため、とてもリアリティがあり、こんな未来が待っているかもしれないというようなワクワクや近未来感がある。心理描写が少し甘い印象があるが、よくまとまっている作品であると思う

14.『GOSICK―ゴシック―』(小説)
作者:桜庭一樹

前世紀初頭、ヨーロッパの小国ソヴュール。極東の島国から留学した久城一弥は、聖マルグリット学園の図書館塔で奇妙な美少女・ヴィクトリカと出会った。彼女の頭脳は学園の難事件を次々と解決してゆく。直木賞作家が贈る、キュートでダークなミステリ・シリーズ。

架空の国を舞台に繰り広げられるミステリ小説。1巻ごとに1つの大きな事件を解決していくスタイルだが、パズルのピースが揃うように1つ1つの事件が繋がっており、ある一国が抱える歴史の闇や謎が浮かび上がってゆく様が楽しい作品だと感じる。第一次世界大戦~第二次世界大戦後の世界情勢をモデルにしていると思われ、本当にソヴュールという国が存在したのではないかと思うほど、細かな設定や伏線が張り巡らされている所が見どころだ。

15.『獣の奏者』(小説)
作者:上橋菜穂子

獣ノ医術師の母と暮らす少女、エリン。ある日、戦闘用の獣である闘蛇が何頭も一度に死に、その責任を問われた母は処刑されてしまう。孤児となったエリンは蜂飼いのジョウンに助けられて暮らすうちに、山中で天を翔ける王獣と出合う。その姿に魅了され、王獣の医術師になろうと決心するエリンだったが、そのことが、やがて、王国の運命を左右する立場にエリンを立たせることになるのだった。

主人公エリンの過酷運命を描いた作品。登場する国や動物、食事や文化までもを1から描き出したスケールの大きな作品で、文化人類学者である作者の造詣の深さが十二分に発揮されている作品であると考える。物語の肝となる「闘蛇」と「王獣」という架空の生き物の生態から身体的構造に至るまでを細かく描いていることでリアリティと説得力を持たせている。また、登場人物の複雑な心の動きを丁寧に描いており、王国の政治や登場する民族の歴史や存続にまで影響を及ぼすというストーリーは、児童文学には収まらない濃厚な作品であると思う。

16.『鹿の王』(小説)
作者:上橋菜穂子

強大な帝国にのまれていく故郷を守るため、死を求め戦う戦士団<独角>。その頭であったヴァンは、奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。ある夜、ひと群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。その隙に逃げ出したヴァンは幼い少女を拾う。一方、移住民だけが罹ると噂される病が広がる王幡領では、医術師ホッサルが懸命に、その治療法を探していた。感染から生き残った父子と、命を救うため奔走する医師。
過酷な運命に立ち向かう人々の“絆”の物語。綿密な医療サスペンスにして、壮大なる冒険小説。

『獣の奏者』同様に、壮大なスケールとリアリティで世界観が構成された作品。人間と動物の関りや医療へ考察が帝位をめぐるドラマと関係するストーリー展開は、上橋さんの作品の特徴だと感じる。また、薬をいかに使うかという医師の誇りと尊厳も描かれている所が見どころだ。2015年に発表された作品で当時も読んだが、コロナ禍を経て感じるものもあり、未知のウイルスへの恐怖を経験した上で読んだことで、さらに作品を深く理解できたのではないかと考える。

17.『東京喰種』(漫画)
作者:石田スイ

人を喰らう怪人"喰種(グール)"が跋扈する東京。日常に隠れて生きる、正体が謎に包まれた"喰種"の脅威に、人々は恐れを感じ始めていた。読書好きの平凡な大学生・カネキは、通い詰める喫茶店「あんていく」にて、自分と同じ作家を愛読する少女・リゼと出会う。しかし、その出会いがカネキの運命を大きく変えることになるのであった。

自身の体に喰種の心臓を移植されてしまった人間・カネキの生き様を描いた作品。人間でありながら喰種の性質を帯びてゆく自身の体に対しての戸惑いや恐怖、喰種という生き物やこの世界の在り方への疑問・葛藤が繊細に描かれている。文学的な表現も多く、作者の作風と相まって独特な世界観を生み出している作品であると考える。また、グロテスクな表現も多いため、読む人を選びそうな作品であると思われるが、全世界累計売上が4700万部を超えていることからも分かるように、その残酷描写に対する恐怖心や嫌悪感を上回る、複雑でダークな世界観や内容が人々を惹きつけていると推測する。

18.『王妃ベルタの肖像』(小説)
作者:西野向日葵

王妃と仲睦まじいと評判の国王のもとに、第二妃として嫁いだ辺境領主の娘ベルタ。王宮で誰も愛さず誰にも愛されないと思っていたベルタは予想外の妊娠をしたことで、子供とともに政治の濁流に呑み込まれていく――。

なろう小説から生まれた作品であるが、重厚な世界観と内容になっていることがいい意味で読者の期待を裏切ってくれる作品であると考える。ハプスブルク家から着想を得ていると思われ、王家の歴史や陰謀、正室と側室という女性のドロドロした戦いや葛藤を読みやすいタッチで描いていることが魅力的で、なろう小説らしさでもあるのかと考えた。また、コミカライズされたことによって原作の売上も向上した様で、商業的な戦略も功を奏した作品なのかなと感じる。

19.『Dear』新装版(漫画)
作者:藤原ここあ

人里離れた森の奥地に住む、「魔狼」と呼ばれる種族の生き残りの少女・散葉は、ある日「人間と暮らしたい」という夢を叶えるために、人里へと降りて来る。そこで彼女は妃杈・スメラギという青年と出会う。彼は幼い頃、散葉にとっての唯一の友人であった男性だった。彼は記憶喪失によりその事実を忘れていた散葉は再会できたことを喜が、妃杈は「不死」の呪いを受けたため、魔狼に対し恨みを抱いていて…。

藤原ここあ先生らしい繊細で儚げな人物造形や心理描写が魅力的な作品だ。ファンタジー要素以上に、登場人物たちがお互いに関わり合っていくことで成長や考え方の変化が齎される点や、自身の過去を受け入れていく様が、藤原ここあ先生の作品で共通して挙げられる特徴であり魅了されるポイントであると考える。いわゆる「萌え」的なキャラクター造形かつ作画であると思うが、深く考えさせられる内容な分、作品の世界観が重くなりすぎない要素となっているように感じる。
2022/09/20(火) 02:23 No.1900 EDIT DEL
3年 小野寺 RES
夏休み課題30点
1~10
1.『劇場版名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(アニメ映画)
原作:青山剛昌
監督:満仲勧

大人気シリーズの劇場版第25弾。渋谷で開かれていた佐藤刑事の結婚式会場で、突然暴漢が乱入する事件が発生。同じ頃、過去に起きた連続爆破事件の犯人が脱獄する。やがて、その人物を見つけ出す公安警察の降谷だったが、直後何者かによって首輪爆弾をつけられてしまう。爆弾を解除するべくコナンが奔走する中、謎の仮装爆弾犯の存在が浮かび上がる。

今回の映画では、監督や音楽を担当する方を新たに迎えており、映像や演出、音楽などが今までと違う見せ方になっているように感じた。特に劇場版では、通常はオリジナルの建物や乗り物が登場し、それが推理やアクションの鍵となることが多いため、説明パートが設けられることが多いが、今回は渋谷を舞台にしていることでそれがなかった。また、ここ数年のストーリー展開はある程度似ている気がしていたが、今回は3年前の事件との関連や高木&佐藤刑事の恋模様など盛りだくさんな内容で、テンポ感やストーリーの緩急がいつもと違って新鮮だった。

2.『さよなら絵梨』(漫画)
作者:藤本タツキ

病の母が死ぬまで、母の姿をスマートフォンで撮影し続けていた優太。彼は母の死後、自殺するために向かった病院の屋上で、とある少女に出会い、映画を撮影することになる。チェンソーマンの作者が描く、200ページにも及ぶ読切長編漫画。

コマ割りがほぼ全て4コマ構成になっており、手ぶれやピンボケのような作画の粗さや視点が限定されていること、紙ではなくネット配信によりスマホで見ることを想定しており、1ページ分しか見られないことから、「4コマ=映画のフィルム、スマートフォンの画面」という構成になっていると考えられる。コマ割りでキャラの動きを演出する「漫画」という表現作品においては異色であり、一歩間違えれば単調な作りで読者に飽きられてしまうだろう。しかし、藤本タツキ先生の才能が遺憾なく発揮されており、表現やストーリー共に実験的・挑戦的な内容になっていると思われる。また、画面の内と外、編集によってどこを残し、どこを切り取るかで真実が変わってしまったり、受け手の印象を操作してしまったりというメッセージが込められているようにも感じた。さらに、ヒロイン絵里の設定や作中のとあるセリフによって、作品に終始「良い混乱」がもたらされていることも興味深い。藤本タツキ先生の作品はセリフが少ない傾向にあるが、だからこそ作者の伝えたいセリフが明確となり、さらには様々な表現技法や画面構成によって、メッセージ性の高い作品となっていると考える。

3.『ゴールデンカムイ』(漫画)
作者:野田サトル

激動の明治後期、気高き北の大地・北海道を舞台に日露戦争という死線を潜り抜け『不死身の杉元』という異名を持った元兵士・杉元は、ある目的の為に大金を欲していた…。一攫千金を目指しゴールドラッシュに湧いた北海道へ足を踏み入れた杉元を待っていたのは、網走監獄の死刑囚達が隠した莫大な埋蔵金への手掛かり。雄大で圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚、そして純真無垢なアイヌの少女・アシリパとの出逢い。莫大な黄金を巡る生存競争サバイバルが幕を開ける。

完結記念で最終話まで無料公開されていたことをきっかけに読んだ。作者が膨大な量と時間をかけて下調べをして書いたのだと分かる、アイヌ文化への知識と理解がある作品だと感じた。特にアイヌの神話や狩猟、食べ物などが詳しく描かれており、私にとって日本史でしか知らなかったアイヌ民族に対して興味や親近感が湧いた。歴史的な偉人や事件も盛り込んであり、実際に起こった出来事なのではないかと思わせるリアリティーがあった。

4.『バブル』(アニメ映画)
監督:荒木哲郎

 世界に降り注いだ泡〈バブル〉で重力が壊れた東京。ライフラインが断たれた東京には、家族を失った一部の若者が集まり、パルクールのチームバトルが繰り広げられていた。チームのエースであるヒビキは、不思議な少女ウタに命を助けられる。不思議な力を持つウタは、ヒビキだけに聴こえる音に反応しており…?2人の出会いは、世界を変える真実へとつながっていく。

映画館で鑑賞したが、圧巻のアクションシーンと音楽に圧倒された。カメラワークが縦横無尽に動くため、まるで実写映画のようで、全て1から描く&撮影しているのだと思うと感動した。環境音にも工夫が見られ、様々な面で細かいこだわりが成されているのだと思った。内容は少し説明不足な印象を受けたが、サブスクでも同時公開しており、何度も鑑賞することで、監督は言葉による説明ではなく、それ以外のすべて(映像、音楽、音等)のアニメーションの技術を総動員して観客に訴えようとしているのだなと感じだ。また、ストーリー構成はコロナ禍前にある程度決まっていたようだが、コロナの拡大やウクライナ情勢もあり、内容が重くなりすぎない配慮がなされているのかなと感じだ。さらに、荒木監督の作品の特徴である美しい「止め絵」の見せ方も見どころで、今作でもそれが発揮されているなと感じた。

5.『夜は短し歩けよ乙女』(アニメ映画)
監督:湯浅政明 原作:森見登美彦

クラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”は、今日も「なるべく彼女の目にとまる」ようナカメ作戦を実行する。春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬が訪れ…。京都の町で、個性豊かな仲間たちが次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、外堀を埋めることしかできない“先輩”の思いはどこへ向かうのか!?

湯浅監督の別作品が好きで、映画館で上映される機会があり見た。唯一無二映像演出と構成力が存分に発揮されており、ファンタジックな世界観が見事に表現されていた。現代日本版の『不思議の国のアリス』を見ているようなヘンテコさがありながら、最後の最後まで魅了され、見終わった直後には謎の幸福感があり、とても素敵な映画体験ができた。台詞回しが独特で原作を読みたくなったし、途中に組み込まれるミュージカル要素をクスッと笑えて楽しかった。

6.『甲鉄城のカバネリ』(TVアニメ)
監督・脚本:荒木哲郎 構成:大河内一楼


世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜で覆われた心臓を持つ「カバネ」の脅威にさらされた「日ノ」本」の人々は、「駅」と呼ばれる砦を築いて生き延びていた。カバネに襲われた顕金駅で暮らす蒸気鍛冶の少年・生駒は、逃げ惑う人々の波に逆らって走り出した。密かに開発した武器――ツラヌキ筒でカバネと戦うつもりだ。彼自身の過去と、誇りのために

『進撃の巨人』の荒木監督の演出が好きだったため、また『バブル』を見てより監督の作品に興味を持ち見始めた作品だ。空の美術や長尺のアクションシーン等、『進撃の巨人』で培われたアニメーションの技術が存分に発揮されており、一目見ただけで「荒木監督の作品だ」と分かる映像になっていた。映像表現が監督の特徴だとはっきり判断できることは、稀有なことだと思うので、自身の演出方法が確立されている監督なのだなと感じた。内容は、どうしても『進撃の巨人』や『東京喰種』を思わせるような内容ではあったが、骨太なストーリー展開で一気に見てしまった。12話で終わらせるには勿体ないと思ったが、『コードギアス』の大河内さんが携わっているだけあり、短いながらも濃厚な内容に仕上がっていたと思う。また、「メイクアップ」と呼ばれる独特な技法を用いており、キャラクターの表情が繊細に描かれている所も魅力的だった。キャラデザが少女漫画チックではあるが、そういった細かいデザインはアニメーションでやるとコストがかかり、アニメ用にキャラデザが簡略化されがちだが、綺麗に表現されて作画の技術力の高さに驚いた。

7.『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』(中編アニメ映画)
監督・脚本:荒木哲郎 構成:大河内一楼

美馬との熾烈な戦いののち生駒たちは、新たなカバネと人の攻防戦の地、日本海に面する「海門」にたどり着いていた。海門の民と連合軍を結成し、カバネ撃退の策を企てる生駒たちだったが、「海門」の地にはある秘密が隠されており…。

『甲鉄城のカバネリ』の続編にあたる中編アニメ映画である。劇場での上映であったため、より作画が美しくなっており、やはりWIT STUGIOの素晴らしいアクションシーンが冴えわたる形となっていた。カメラワークも前作や『進撃の巨人』からよりパワーアップしており、手書きのアニメーションで、あそこまでスピード感があり滑らかな作画を行えるのはWIT STUGIOなのではないかと思うほどだ。内容としては、本筋のカバネとの戦いが描かれつつも、1期以上に生駒や無名の心情にスポットが当てられていることが印象的だった。『バブル』でみた激しいアクションがありつつもピュアな恋愛模様が描かれる所、ボーイミーツガールへの挑戦は、この作品から片鱗があったのかと感じた。

8.『Free!(第1期)』(TVアニメ)
監督:内海紘子 制作京都アニメーション

小学生のころ、同じスイミングクラブに通っていた七瀬遙、橘真琴、松岡凛、葉月渚。彼らは、小学校卒業前の大会での優勝を最後に違う道へと進んでいく。やがて時が経ち、高校生活を無為に過ごしていた遙の前に、凛が現れ勝負を挑み、圧倒的な強さを見せる。このままでは終われない。そして、真琴と渚が再び集い、新たに竜ヶ崎怜を引き込んで、岩鳶高校水泳部を設立。遙、真琴、渚、怜、そして、凛。これは、躍動感あふれる男子高校生たちの、水泳と青春と絆の物語――

京都アニメーションらしい美しい映像と繊細な心理描写が魅力的な作品だと思った。特に水泳シーンにおける水の演出が素晴らしく、水滴や水泡、波に至るまで水の表現の作画にこだわっているのだなと感じた。また、各登場人物のキャラクターがしっかり確立している所が京都アニメーションらしいなと感じた。


9.『犬王』(アニメ映画)
監督:湯浅政明 原作:古川日出夫

室町の京都、猿楽の一座に生まれた異形の子・犬王。ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。

湯浅監督の演出が好きで見に行った作品。犬王を演じる女王蜂のアヴちゃんの歌声の迫力が圧巻で、正しく劇場で見るための作品だった。今では伝統芸能である能楽や琵琶の音色が、ロックミュージックや現代的な演出、バレエや新体操のテイストと融合した演出は斬新で、映像や物語の緩急、アンバランスさも相まって湯浅ワールド全開の映画だった。現代人にとっては、伝統や歴史を持つ猿楽や平家物語の琵琶法師の音色は、非日常的で高貴なものだと感じると思うが、室町時代を生きる人々にとっては一種のエンターテインメントであったはずなので、私たちがダンスやJ-POPを楽しむことと同じ感覚で消費されていたのではないかと感じさせるような説得力もあった。さらに、平家の栄華と衰退を描く平家物語と対比させるように犬王と友魚の人生を描いていることも見事だと感じた。

10.『ONE PIECE』(漫画)
作者:尾田栄一郎

時は大海賊時代。いまや伝説の海賊王G・ロジャーの遺した『ひとつなぎの大秘宝』を巡って、幾人もの海賊達が戦っていた。そんな海賊に憧れる少年ルフィは、海賊王目指して大いなる旅に出る。“ ひとつなぎの大秘宝”を巡る海洋冒険ロマン。

誰もが知る超有名作品であり、既に子供の頃から連載されていた漫画である。しかし、大まかなあらすじやキャラクターしか知らなかったため、なぜこれほど人気なのか興味をそそられ読んでみた作品。ジャンプの「友情・努力・勝利」の三要素を持った王道ストーリーでありながら、深く練られた世界観が魅力だと感じた。各登場人物の背景から島々の情勢に至るまで、細かく物語が描かれており、本当にその世界が実在しているようなリアリティーがあってとても感動した。さらに、読む前はルフィ達の冒険や成長、敵とのバトルが作品の醍醐味かと考えていたが、「歴史の本文」や「空白の100年」などのONEPIECEの世界を取り巻く謎も描かれており、この伏線や解明が物語により一層深みをもたらして面白さを引き立てているのだと感じた。
2022/09/20(火) 02:22 No.1899 EDIT DEL
3年 吉川 RES
21~30
21『スパイダーマン』(映画)監督:サム・ライミ
 主人公であるピーターは、いじめられっこだった。ピーターは大学の見学に行った際、訪れていた研究室でクモに噛まれてしまうが、それをきっかけに特殊な力を得る。スーパーパワーを得たピーターは当初、その力を自分のために使うが、その最中自分の行動が原因で家族を亡くしてしまう。その事件以来ピーターはニューヨークの街で正義のために活動する、というストーリーだ。
 この作品はいわゆるヒーローもののテンプレートを作った作品だと評価できる。パッとしない主人公が力を得て、その力をどのように使うかの選択をし、悪と戦うというストーリーは当作品以降の多くの作品に影響を与えたと考えられる。また、当作品は友情や恋愛、悪者との関係性などがスーパーヒーローという土台の上で緻密に重なり合い、違和感のない素晴らしいストーリーとなっている。

22『モンスターズ・インク』(映画)監督:ピート・ドクター
 主人公のモンスターであるサリーは相棒のマイクと共に、エネルギーとして人間の子供の悲鳴を集める会社の社員である。サリーはある夜会社に行くと人間の子供ブーと遭遇する。モンスターの世界では人間の子供は毒を持っているとされているため、サリーはブーを怖がるが、共に過ごしていく中で危険ではないと思い始める。サリーはマイクと共にブーを人間の世界に帰そうとするが、その途中で会社の陰謀を知ってしまう。
 ピクサー映画では人間以外が主人公となる事が多く、その世界を人間の様に描く部分が特徴的であり、面白い。普通モンスターと聞くと悪役のイメージがあるが、本作の面白い部分はモンスター達が人間の様に生活をする様子を描いている点だ。人間の様といっても、モンスター達の食べ物や、仕事内容、常識などが人間とは全く違うため、独特な世界観となっているが、どこか共感する事ができ、非常に面白い。また、本作では子供の悲鳴がエネルギーとなっており、主人公達は子供を怖がらせる仕事をしている。しかし、映画のラストシーンでは悲鳴のエネルギーよりも笑いのエネルギーの方が大きい事に気づき、モンスター達は子供を笑わせる仕事をしていく。この作品のメッセージがこの部分に込められていると感じた。

23『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』監督:ヘンリー・セリック
主人公はハロウィンタウンに住み、パンプキンキングと呼ばれるジャック・スケリントン。彼は毎年繰り返されるハロウィンの祭りに飽きていた。そんな彼が森の中でドアがついた木を見つけ、その中に入ると、中にはクリスマスの世界が広がっていた。ジャックはクリスマスに夢中になり、ハロウィンタウンでもクリスマスを行おうとするが、ハロウィンタウンの住民が用意し人々に送ったプレゼントは恐ろしいものばかりであった。
 本作のストーリーは非常に独創的である。ハロウィンとクリスマスという普通では重ならないイベントが合わさっている。このアイデアに感動した。また、キャラクターデザインも非常に素晴らしく、本作では様々なハロウィンタウンの住民が登場するが、その全ての容姿が全く異なり、それぞれが個性を持っている。

24『美女と野獣』(ディズニー実写映画)監督:ビル・コンドン
 吹雪に困っていた老女を助けなかった王子は醜い野獣の姿に変えられてしまう。老女の正体は魔女で、王子にかけられたのは薔薇が枯れるまでに愛し愛することを学ばなければ永遠に解けない呪いだった。
 傲慢な王子がベルを愛することを学ぶことで優しい心を獲得するというストーリーとなっている。敵役のガストンはベルを手に入れるためなら手段を選ばず、暴力的で視聴者からすればまさに悪役といったキャラクターだが、作中ベルやモーリスや野獣以外の村人たちからはある程度慕われており、むしろ本を読むベルの方が村人から変わり者だと言われている。その時代では悪者ではなかったガストンが現代の視聴者の価値観に照らし合わせると立派な悪者になっている点が面白いと感じた。

25『シュガー・ラッシュ』(映画)監督:リッチ・ムーア
 アーケードゲームのゲームキャラクターたちはゲームセンターの閉店後「ゲーム・セントラル・ステーション」を辿って他ゲームのキャラクターたちと交流していた。「フィックス・イット・フェリックス」はこの日稼働30周年を迎え、ゲームキャラクターたちは悪役ラルフを除いたメンバーでパーティを開いていた。
 ゲームの中のキャラクターを描いた作品となっており、ヒーローに憧れる悪役のラルフが主人公となっている。ラルフには悪役らしい短気さはあるものの心優しい性格も持ち合わせており、結果的にヒロインのヴァネロペを救い彼女にとってのヒーローとなる。この作品で面白いのはゲームキャラクターが本来プログラムによって動作しているのに対して、キャラクターが意思を持ち、キャラクター自身の生活の中での仕事がゲームとなっている点だ。キャラクターは生まれた時からヒーローと悪役が決まっているが、ラルフは悪役に納得できておらず、そこに人間味を感じた。

26『シュガー・ラッシュ:オンライン』(映画)監督:リッチ・ムーア、フィル・ジョンストン
 同じコースに飽き飽きしていたヴァネロペのため、ラルフが新しいコースを作りプレゼントする。喜んだヴァネロペがプレイヤーの操作を無視してレースをした結果「シュガー・ラッシュ」のハンドルが壊れてしまう。故障した「シュガー・ラッシュ」のハンドルをネットオークションで入手するため、ヴァネロペとラルフはインターネットの世界に行くことになる。
 『シュガー・ラッシュ』の続編の映画となり、舞台はゲームセンターのゲーム内からインターネットへと拡大した。インターネットオークションで間違えて代金を吊り上げる様子や動画投稿サイトで炎上したりコメントを読んで傷つく様子を描写し、インターネットの教訓のようになっている。インターネットという舞台を生かし、ディズニーのプリンセスたちが共演するシーンがある。ラルフとヴァネロペの関係というよりも便利で怖いインターネットという方面に重点があるように感じた。

27『リメンバー・ミー』(映画)監督:リー・アンクリッチ
 ミゲル・リヴェラは同郷のミュージシャン、エルネスト・デラクルスに憧れミュージシャンを夢見ていた。しかしミゲルの家庭には家族間で代々引き継がれた「音楽禁止の掟」があり、音楽を禁止されていた。
 イメルダは家族を引き裂いた原因として音楽を禁止していたが、ヘクターが戻らない理由に誤解があった上、二人の娘ココは音楽を通してきちんと父親の愛を受け取っていたというふうに、ミゲルの家族は最初から愛に溢れており、悪者を暴くことで家族間の誤解を解きさらに絆が深まるといった内容となっている。死者の世界や生者に忘れられると二度目の死が待っているなど重いテーマが背景にあることでキャラクターの動機がしっかり据えられているため自然と共感を誘う点がこの作品の魅力だと感じる。

28『アナと雪の女王2』(映画)監督:クリス・バック、ジェニファー・リー
 前作『アナと雪の女王』から3年後、アレンデールの人々と打ち解け平和に暮らしていたエルサはある日自分だけに聞こえる「不思議な歌声」に気づく。歌声に導かれたエルサは風、火、水、大地の精霊を目覚めさせてしまい、火と水が消え、強風や地震が起こるなどアレンデールは謎の災害に見舞われる。
 「不思議な歌声」が聞こえるというエルサの特別な力が追加されており、それがきっかけで事件に巻き込まれる、エルサもアナも根性がたくましく姉妹仲に絆が見られるなど前作ファンの期待を裏切らない作品だと感じた。特別な力があり、優雅で王の風格があるエルサについ肩入れしてしまい、彼女が王位をアナに譲り森に生きる決心をしたことに驚いたものの、二人とも居るべき所に落ち着いたのだと納得のいく結末だった。前作と差別化のためエルサをアレンデールの王女の座から退かせるアイデアと、それに納得できるストーリーが練られている作品だと感じた。

29『ワンパンマン』(漫画)作者:ONE 作画:村田雄介
 主人公のサイタマは、敵を一撃で倒す事ができた。そんなサイタマは趣味でヒーロー活動を行なっていたが、ヒーロー協会と呼ばれる場所で正式なヒーローとなるべく試験を受け合格する。ヒーローとなったサイタマは次々と現れる敵と戦っていく。
 この物語はサイタマの視点からはコメディのように描かれる。地球を侵略しようとする強大な敵を一撃で倒してしまうシーンなどは非常に面白い。この作品の特徴は、ヒーローとして完成された主人公とは別に、他の未熟なヒーローが情熱的に描かれるところだ。完璧なヒーローと、力はないが完璧を目指そうと努力するヒーローの対比がこの作品を単なるコメディに終わらせていない要素だと考えられる。

30『だがしかし』(漫画)作者:コトヤマ
 主人公は、実家が駄菓子屋の鹿田ココノツ。その彼の前に現れた枝垂ほたる。彼女は菓子会社の社長の娘であった。彼女は当初、自社にココノツの父を引き入れる目的で来たが、父は息子が駄菓子屋を継がないと行けないと言った。ほたるは自分の目的のためにココノツに駄菓子屋を継がせようとする。
  本作はほとんどのエピソードに駄菓子が登場する。物語の中で駄菓子の紹介や裏話などが語られるが、それと同時にストーリーも進むため、単に駄菓子を紹介するだけという作品に終わっていない点が面白い。幼い頃身近だった駄菓子を当時とは違う視点で捉えるきっかけとなる作品であり、駄菓子に対する新たな発見が得られる作品となっている。
2022/09/19(月) 23:33 No.1898 EDIT DEL
3年 吉川 RES
11~20
11『コウノドリ』(漫画)作者:鈴ノ木ユウ 産婦人科医鴻鳥サクラのもとにやってくる妊婦やその家族との事件を描いた医療漫画。ある日、妊婦健診を受けていない妊婦の受け入れ要請の電話を受け取る。
 未受診妊婦の受け入れ拒否、切迫流産、淋病、未成年妊娠など妊婦に関連する事件を描いている。未受診妊婦など、妊婦の無責任さに非があるというような描写がされている。未受診妊婦は病院にとって迷惑というのは腑に落ちるが、漫画として面白い内容であっても未受診妊婦を悪者とするのはあまり共感できなかった。

12『レミーのおいしいレストラン』(映画)監督:ブラッド・バード
 美食を追い求めるネズミのレミーは「誰にでも料理はできる」とモットーを掲げる天才シェフのグストーに憧れ、料理人になることを夢見ていた。ネズミでありながらも料理をしようと画策していたところ、住処にしている家の主人に見つかり家族全員と離れ離れになってしまう。
 レミーは天才シェフグストーのレストラン「グストー」で出会った料理ができない青年リングイニと取り引きをし、彼の頭に乗り髪を引っ張って操作することで彼の代わりに料理をすることになる。批評家イーゴが来店している大事な日に、リングイニはレミーが料理を作っていることを従業員に打ち明けるも、全員その場から立ち去ってしまう。レミーとその家族たちネズミの大群と戻ってきたコレットで使ったラタトゥイユは大好評だった。その夜、批評家イーゴに「グストー」のシェフはレミーだと打ち明ける。その後、ネズミが出ると噂された「グストー」は閉店するが、リングイニとコレットは新しい店をオープンし、レミーはその店のシェフになっていた。
 ネズミがシェフになるという独創性に富む作品だが、「誰にでも料理はできる」というグストーの考えを踏襲しているといえる。料理の腕は確かであるのに、シェフがネズミであるゆえに理解が得られないというのは共感してしまう。しかし、ここではネズミという極端な例を使っているためわかりやすいが、ネズミの部分を性別、容姿、障害、肌の色などを差別される人間と置き換えるとストーリーが社会に向けた批判がよく見える。物語では鈍感そうなリングイニ、彼を信じるコレットの他には本当に料理が好きなイーゴがネズミのシェフを受け入れている点に好感を持った。

13『ファインディング・ニモ』(映画)監督:アンドリュー・スタントン、リー・アンクリッチ
 カクレクマノミのマーリンは妻のコーラルと共に、400の卵の誕生を待ち侘びていた。ところが突然巨大な肉食魚に襲われ、気を失ったマーリンが目覚めた時、コーラルと卵の姿は消えていた。絶望するマーリンだったが、元あった卵の群れから外れた場所にたった一つの卵だけが残されているのを発見する。
 400の卵と妻を失った経緯から、最後に残った卵から生まれたニモを過保護に育てるマーリンだが、彼に反抗したニモが人間に捕らえられてしまい、マーリンがニモを探しに海を冒険する。この作品ではマーリンと共にナンヨウハギで健忘症のドリーが旅をするが、ドリーの奔放ぶりよりむしろマーリンの心配症の方がトラブルを呼んでいるように感じる。凄惨な過去を抱えたマーリンはニモを過保護に育てることに固執しているようだが、長い旅を経て、ささやかではあるがニモの自発性を尊重することができるようになった。父子の愛がテーマにあるのは間違いないだろうが、マーリンのトラウマのケアという軸もあるだろうと感じた。マーリンが様々な出会いをし、他の魚と接することで海という社会やニモに対する認知が矯正されていると感じた。様々な人と関わる重要性を説いている作品だ。

14『ズートピア』(映画)監督:リッチ・ムーア、バイロン・ハワード、ジャレド・ブッシュ
 肉食動物と草食動物が共存する世界、動物だけの手で築かれた大都会「ズートピア」にて新米ウサギ警察官ジュディ・ホップスは駐車違反の取り締まりを命じられる。しかし彼女はもっと警察らしい仕事がしたいと望んでいた。
 ズートピアは肉食動物と草食動物が共存する楽園かと思われたが、ウサギは警察に向かない、キツネは信用できないなど実際は種族による偏見が蔓延っている。警察官として誇りを持っているジュディでさえも無意識に肉食動物に対する偏見を口にしてしまい傷心する場面があり、他の種族に対する偏見の根深さを物語っている。動物たちが互いを悪しざまに言う様子は人間社会にも当てはまることであり、それを動物を用いて易しく表現し、それを物語に落とし込んだ点がこの作品の魅力だろう。

15『塔の上のラプンツェル』(映画)監督:バイロン・ハワード、ネイサン・グレノ
 切ると力が失われてしまう魔法の髪を持って生まれた王国のプリンセス、ラプンツェル。ある夜ラプンツェルの魔法の力の元となった花を独り占めしていた老婆マザー・ゴーテルが魔法の力を目的に彼女を人目につかない高い塔の上に幽閉する。ゴーテルを母だと信じて暮らし18歳になったラプンツェルは塔の外に出たいと打ち明ける。
 外の世界は危険だと脅し、教育を受けさせず、時々ラプンツェルを貶しながらも母としての見かけ上の愛を振りかざすゴーテルの姿に、子どもを支配しようとするいわゆる「毒親」の姿を感じた。実の親ではない上、結果的にゴーテルは制裁を受け、ラプンツェルは党を脱出しハッピーエンドとなるものの、支配しようとする親と親以外に信じるものがない子どもの構図に痛ましさを覚えた。なかなか浮き彫りにならないが、知らず知らずのうちに尊厳を侵害されている子どもが現実にもいることを心に留めておかなくてはいけないと感じた。

16『ベイマックス』(映画)監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ
 この作品は謎の事故によって兄のタダシを亡くしたヒロが、兄が開発したケアロボット「ベイマックス」や、友人達と共に事故の真相に迫るというストーリーである。
 この作品では、様々なテクノロジーが登場する。映画の前半では、新たなテクノロジーがエンターテイメントや人々の生活に役に立つ様な形で使われるが、後半では兵器となって登場する。これは新たな技術は人々を助けることもあればその逆も考えられるという事を表しており、また、その新技術をどのように使うかは人間に委ねられていることを意味していると考えられる。

17『チェンソーマン』(漫画)作者:藤本タツキ
 この作品では、主人公のデンジが悪魔を倒すデビルハンターとして活動するが、その最中で自身にチェンソーの悪魔を宿してしまう。その主人公が「公安」となりチェンソーマンとして活躍する物語である。
 この作品に登場する悪魔には全てに名前がついており、その名前が恐れられているほど強い悪魔という設定がある。作中の例として、コーヒーの悪魔は弱く、銃の悪魔は強いというものがある。この設定が作中の悪魔の恐ろしさに現実味を感じさせ、リアリティのある作品にしていると考える。また、主人公が正義のためではなく、私利私欲のために戦う描写が多く、これによって非常に独創的な作品となっていると思われる。

18『よふかしのうた』(漫画)作者:コトヤマ
 主人公の夜守コウが吸血鬼の少女七草ナズナに血を吸われたのをきっかけに、七草ナズナの眷属になることを志す。しかし吸血鬼の眷属になるためには、吸血鬼に恋をする必要があるため、主人公は七草ナズナに恋をするために行動する。
 本作品は少年が少女に出会い、恋をする事を望み共に行動していく。そのため作品の大きなテーマは恋愛であるといえる。本作品の特徴的な恋愛の描き方として、自然と恋をするという描き方ではなく、恋をするという前提のもとにストーリーが進む点である。また、恋愛を客観的、俯瞰的に捉えながら描く点も他の作品にはない大きな特徴であると言える。 

19『All You Need Is Kill』(漫画)原作:桜坂洋 構成:竹内良輔 作画:小畑健
この作品はギタイと呼ばれる謎の生物との戦争をしている世界が舞台となっている。その世界の中で主人公は自分が死をトリガーにタイムループしている事に気づき、何度も死にながら成長し、ギタイと戦っていくストーリーだ。
 主人公はタイムループを繰り返して成長をしていく中で、自分と同じようにタイムループをしているヒロインと出会い共に戦うようになる。その戦いの中で、主人公とヒロインはどちらかが死なないとタイムループから出れない事に気づく。それまで何度死んでも生き返るため、死に対しての価値が薄れていくが、最終的に友人を殺さないといけないというストーリーが作品を切ないものにさせていると思われる。

20『ONE PIECE FILM RED』(映画)監督:谷口悟朗
この作品は、世界で人気の歌姫であるウタが初めてその姿を表してライブを開く事から始まる。ウタのライブに観客は歓声を送るが、ウタの本当の目的はライブを行うことではなかった。ウタの本当の目的を知った海賊たちは、ウタの陰謀を阻止するために行動していく。
 ONE PIECEでは、悪魔の実と呼ばれるものが登場し、それを食べると普通の人間にはない特別な能力を得ることができる。本作に登場するウタもその悪魔の実を食べており、その能力は自分の歌を聞かせた人間を自分の創造した世界に取り込むことができるというものだ。その世界では全てのことが思い通りにでき、ウタは善意から世界中の人々をその世界に取り込むことを計画した。この、全てが思い通りに行く幻想の世界と、全てが思い通りに行くとは限らない現実の世界が作中では衝突し、人々は現実の世界を選ぶ。この点に作者の大きなメッセージが込められていると感じた。
2022/09/19(月) 23:32 No.1897 EDIT DEL
3年 吉川 RES
夏休み課題30点
1~10
1.『もやしもん』(漫画)作者:石川雅之
 この作品は菌を視認することができる主人公、沢木直保を中心とした学園ストーリーだ。彼は酒蔵を継ぐため、上京し「某農業大学」に通うことになる。
 沢木が所属する某農大樹ゼミでは酒をはじめとする発酵の文化を研究しており、作中では様々な菌のはたらきが菌のキャラクターによって説明されたり、国内外の発酵食品の紹介などがされている。この作品により食の魅力を再発見させられた。主人公や親友の背景など、キャラクターそれぞれのストーリーが掘り下げられるため、食に関する内容以外にも話の構成として楽しめる要素がある。

2.『はたらく細胞BLACK』(漫画)作者:原田重光
 人の体内を舞台に年中無休で働き続ける細胞たちの物語『はたらく細胞』のスピンオフ作品。体の主の不摂生な生活により、そこは劣悪な労働環境だった。
 不健康な成人男性の体内は細胞たちにとってさながらブラック企業である。その細胞たちのはたらきの内容は、喫煙によりヘモグロビンと一酸化炭素が結びつき赤血球が行動不能になるなど『はたらく細胞』と比べ過酷なものとなっている。喫煙、飲酒、睡眠不足、運動不足などが体に与えるダメージを細胞レベルで具体的に描いており、時には命に関わる病気を引き起こしたりする描写があるため、日頃の不摂生を改めなければいけないと感じさせられた。

3.『宝石の国』(漫画)作者:市川春子
 宝石たちが暮らす地上では宝石を攫う月人の襲来に備え、宝石それぞれに役職が与えられている。しかし、宝石の中でも一際脆く、不器用なフォスフォフィライトは唯一仕事を持たずにいた。そんなフォスはついに金剛先生より博物誌作成の仕事を与えられる。
 この作品は話が進むにつれて初期の可愛らしさからは想像を絶するような鬱展開となっており、主人公だけが報われない構造が常にあるため、救いを求めて読み進めてしまうような点に魅力がある。世界設定が凝っており、宝石、月人、アドミラビリスが人間を基に分裂した種族であることが明かされているため、人間の長所や短所が種族によって顕著に現れていたりする点があり、作品の面白みに繋がっている。

4.『シン・ウルトラマン』(映画)監督:樋口真嗣
 突然出現する巨大不明生物「カイジュウ」による被害が発生している日本にて、ある日カイジュウのネロンガが出現する。禍威獣特設対策室、通称カトクタイが対応していたところ、謎の銀色の巨人が大気圏外から飛来し、カイジュウネロンガを撃退し去っていった。
 この作品は人の心がわからないウルトラマンが正義とは如何なるものかというものを獲得していく点が一つの軸になっていると考えられる。一方で異端のものを排斥する人間たちの社会性が描かれており、正義が常に社会的に認められるとは言い切れないような苦しい現実を突きつけられる。神永が子どもをかばって死亡し、ウルトラマンが神永に命を与えたように、この作品では自己犠牲の上に正義が成り立っていることを示しているのだと考えられる。

5.『正反対な君と僕』(漫画)作者:阿賀沢紅茶
 気さくで誰とでも話せる陽気な女子高生鈴木は実は繊細で周囲の目を気にしており自分を通すことが苦手な性格をしていた。そんな彼女が恋をしたのは隣の席の無口な谷くんだった。
 空気を読みがちな鈴木が自分をしっかり持っている谷くんに恋をする物語だが、二人の間には高校生ならではのヒエラルキーがあり、相手に迷惑ではないか、周りからどう思われるだろうかと考えてしまう鈴木の様子が初々しく感じる。二人は付き合うことになり、その後のストーリーも展開していく。基本的に悪意を持った人物は描かれず、不穏な空気になることがないため穏やかな気持ちにさせてくれる作品だと感じる。

6.『19番目のカルテ 徳重晃の問診』(漫画)作者:富士屋カツヒト
 女性医師滝野が、症状だけでなく患者自身を診察する総合診療医徳重のもと徳重の診察の仕方を身につけ成長していく。
 様々な悩みを抱える患者の話を聞き適切な医療やサービスに繋げる医療漫画となっている。この作品の特徴が、症状と関係ないような内容であっても患者の話を聞くという点に重きを置いている点で、その話の中にある診療に重要な要素を拾い上げることで適切な治療に繋げている。患者視点では自身では思いもよらないところが症状の原因になっていることがあるため、診察を意識せずに普段の生活の話をすることの有用性が感じられる。実際には効率の面で難しいのだが、医師が診療と直接繋がらないような話を聞くことになれば、隠れた問題を炙り出すという点でより良い医療の形態になるのではと感じた。

7.『アンサングシンデレラ 病院薬剤師葵みどり』(漫画)作者:新井ママレ
 総合病院の薬剤師として働く葵みどりは頼りになる医師でも親しみやすい看護師でもない薬剤師の仕事に疑問を持っていた。しかし、患者と接することで薬剤師という仕事に自信を持ち始める。
 この作品は病院薬剤師を主人公とした医療漫画だ。薬剤師の仕事内容を中心としたストーリーとなっており、患者とのコミュニケーションや医師との連携により健全な医療が成り立つという点を軸にしている。この作品に触れるまでは薬剤師は患者側とあまり接点がない仕事だと感じていたが、その偏見がなくなった。

8.『青に、ふれる』(漫画)作者:鈴木望
 生まれつき顔に太田母斑というアザがある女子高生の瑠璃子は、高校二年で新たな担任となる神田と出会う。神田の落とした手帳にはクラスメイトの外見や仕草などの特徴がびっしりと書かれていたが、瑠璃子の名前の欄は空白となっていた。アザのことに気を遣われたのだと感じた瑠璃子は神田に怒りを覚える。
 この作品の主人公瑠璃子は外見にコンプレックスを抱えているが、瑠璃子が恋をする神田は相貌失認という障害を抱えており、彼女を含む人間全ての顔がわからないため、神田視点において瑠璃子のコンプレックスは成立しないという構造になっている。瑠璃子が他人から外見のことをとやかく言われるなど、社会に染み込んだルッキズムを克明に描いている。ルッキズムは根深い問題で、漫画にこの題材を落とし込み読者に問題意識を持たせる点が非常に優れている作品だと感じた。

9.『はたらく細胞LADY』(漫画)原作:原田重光 作画:乙川灯
 「お嬢様」の体には月経など女性特有の体調の変化が日々起きていた。そんな「お嬢様」の体内ではたらく細胞たちの物語。『はたらく細胞』の女性に特化したスピンオフ作品。
 健康に気をつけている女性の体調の変化を体内の細胞たちの視点で描いた作品となっている。冷え性や月経など女性特有の不調を取り上げており、体内が危機に瀕した際、「お嬢様」本人がハーブティーを飲むなどの方法で体調を改善しており、体内の細胞たちはこれを「女神の恵」と呼んでいる。他にも「女神の恵」として健康法が紹介されているため、読者は健康意識が高まると感じた。

10『星を集める少年』(漫画)作者:ナツ
 大学で生物学を教えているベンは六本足の巨大な鹿を探すためスウェーデンの森に入ったが、迷ってしまう。そこで、森でひとり暮らしているという白髪の少年に出会う。
 白髪の少年ヨシカは森に戻ってくる魂の光である「星」を集めて暮らしており、その「星」が空に還る手伝いをするのがベンが探していた「アメノカク」だった。魂を集めてその輪廻転生を手伝う少年と、見るものに畏怖を抱かせつつ神々しさを持った「アメノカク」など、全体を通して神秘的な作品となっている。主な登場人物は二人だが、絵の綺麗さも相まってどこかの未知の伝説を体験しているように感じた。
2022/09/19(月) 23:30 No.1896 EDIT DEL
2年 髙橋 RES
夏休み課題21~30

21『ストレイヤーズ・クロニクル』(映画)
原作:本多考好 監督:瀬々敬久
ある極秘機関の実験によって、2組の進化した子供たちが誕生した。全く違う方法で生み出された彼らの共通点は、通常の人間にはない特殊能力を持つこと。
超能力を持った子供たちの戦いを描くSFアクション。どんなに優れた超能力を持っていても、20歳前後までしか生きられないという運命を抱えながら過ごしている子どもたちの表情は切なく、加えて、自ら望んで持っている能力ではないため、残酷なストーリーになっている。

22『ペット』(映画)
監督:クリス・ルノー
ニューヨークで暮らすテリアのミックス犬マックスは、大好きな飼い主ケイティと幸せな毎日を送っていた。ところがある日、ケイティが毛むくじゃらの大型犬デュークだったが、ひょんなことから2匹は大都会のど真ん中で迷子になってしまう。ケイティが帰宅するまでに家に帰るべく奔走する2匹だったが…。
飼い主がいない間にペットたちが冒険する物語。犬、猫、ウサギ、ハムスターなど登場する動物のキャラクターが可愛らしく、癒される。さらに、その動物たちの毛並みや背景の街並みも繊細に描かれており、映像も作品の魅力をひきだしていると感じた。
ペット化反対にも言及しており、ペットに対する放棄問題や多頭飼育も考えさせられる作品だった。

23『君と世界が終わる日に』(ドラマ)
脚本:池田奈津子
生きる屍に占拠された街。生き別れた恋人を捜すため、響の死と隣り合わせの壮絶なサバイバルが始まる。
ゾンビメイクが非常にリアルで恐ろしかった。ゾンビ映画・ドラマ作品は数多くあるが、この作品では人間vs人間の戦いも緊張感をひきだす見どころとなっている。ゾンビから逃げなければならない状況で、人間関係も怪しくなっていく極限状態がスリルを加速させる構成になっていた。急なゾンビの登場シーン、グロイ場面もあるので、苦手な人は気をつけながら視聴する必要がある。

24『ちはやふる 上の句』(映画)
原作:未次由紀 監督:小泉徳宏
幼なじみの綾瀬千早、真島太一、綿谷新の3人は、新たに教わった「競技かるた」でいつも一緒に遊んでいた。そんな矢先に新は家の事情で引っ越してしまう。高校生になった千早は、新に会いたい一心で「競技かるた部」創設を決意し、高校で再開した太一とともに部員集めに奔走。なんとか5人の部員を集めて競技かるた部を立ち上げた千早は、全国大会を目指して練習に励む。
競技かるたに青春をかけた高校生たちの物語。かるたのもつ繊細さや美しさを描くと同時に、他のスポーツに負けないくらい熱く、大迫力な競技かるたは見応え抜群。和歌や和歌の意味、競技かるたのルールが分からなくても楽しめる、そしてかるたがやりたくなるような作品だった。なお、キャラクターも個性派で、特に千早たちのライバル校として登場する北央学園のキャラクターが作品の面白さを掻き立てている。

25『ちはやふる 下の句』(映画)
原作:未次由紀 監督:小泉徳宏
高校で再開した幼なじみの太一を一緒に競技かるた部を作った千早は、創部1年にして東京都大会優勝を果たす。自分をかるたに導いてくれた新に優勝報告をした際、新の衝撃的な告白に動揺する千早だったが、全国大会のために仲間たちと練習に打ち込む。そんな折、千早は同い年で日本一となった若宮詩暢のことを知り…。
『ちはやふる 上の句』の続編。前作と異なり、団体戦の他に個人戦の戦いも繰り広げられる場面が本作の見どころだ。個人の戦いということで、主人公が1人で悩みを抱え込んだり、葛藤したりするが、決して1人ではなく仲間の大切さが必要不可欠なのだと教えてくれるような内容だった。

26『ちはやふる 結び』(映画)
原作:未次由紀 監督:小泉徳宏
待望の新入部員獲得に向けて奮闘する千早、名人を目指す新に立ちはだかる絶対的な壁、そして突然かるた部を辞めてしまった太一。かるたが繋いだ3人の幼なじみの運命が、今、それぞれの未来に向かって動き出す―。果たして、全国大会の行方は?
千早たちが3年生になり、最後の全国大会へと動き出す3部作の完結編。短い高校生活を自分が熱中できるものに打ち込める、これがまさに青春そのものだと言えるような作品だと感じた。同シリーズ「上の句・下の句」からさらにレベルアップした千早たちの戦いはより一層熱く、惹き付けられる内容になっている。

27『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(映画)
監督:河合勇人
田舎町の高校のチアダンス部は、ほぼ全員がド素人。そんなふつうの女子高生たちが、厳しいコーチのスパルタ指導で全米大会を目指す!実話に基づく青春物語。
同じ夢を持っている仲間たちと切磋琢磨し、目標を成し遂げる彼女たちの姿が本作の魅力だ。周りから期待されず、絶対にできないと言われながらも、夢を叶える展開は涙なしで見ることが出来ない。また、自分の気持ちとそれが思い通りにならない狭間で葛藤し続ける主人公には感情移入してしまった。

28『死神さん』(ドラマ)
監督:堤幸彦
警視庁で最も疎まれ嫌われている再捜査専門の刑事・儀藤堅忍。通称「死神」。この男が初動捜査ミス、隠蔽工作などによって生み出された冤罪事件の真相を徹底的に捜査していき、真犯人を見つけ出す。
この作品は、普通の刑事ドラマと違い、儀藤と捜査を共にする相棒が変わっていく点が魅力的だ。また、事件に関してはシリアスに描かれているが、小ネタが挟まれていることによって暗い事件の中にも笑いを生み出す工夫が施されている。現在放送中の第2シーズンも視聴したい。

29『暗殺教室』(映画)
原作:松井優征 監督:羽住英一郎
名門中学の落ちこぼれクラス、3年E組の担任教師として、並外れた能力を持つ超生物が現れる。生徒たちは、地球を救うためにその生物を暗殺する任務を託され…!
担任教師である殺せんせーのCGは、自然的であまり違和感なく視聴することができた。原作を読んだことがなかったため、学生が未知の生物を暗殺するというスケールの大きさには驚いたが、最後には生徒と先生の殺す、殺されるだけの関係ではなく、絆のようなものが生まれていて感動する部分も多かった。

30『フィール・ザ・ビート』(映画)
監督:エリサ・ダウン
ブロードウェイのオーディションで大失態を演じてしまい、仕方なく故郷の田舎町に戻ったダンサーが、ダンス大会出場を目指す子供たちを指導することに。
小さい子供たちが小さな体を使ってひたむきに頑張っている姿が印象的で、見ていると自然に応援したくなった。作品全体としては非常にポップで、失敗してもまた立ち上がれるような、元気づけられる作品。ダンスシーンが見どころで、音楽やダンスの好きな人におすすめしたい。
2022/09/19(月) 19:25 No.1895 EDIT DEL