EDIT FORM
スポンサードリンク
3年 小野寺
RES
夏休み課題30点
1~10
1.『劇場版名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(アニメ映画)
原作:青山剛昌
監督:満仲勧
大人気シリーズの劇場版第25弾。渋谷で開かれていた佐藤刑事の結婚式会場で、突然暴漢が乱入する事件が発生。同じ頃、過去に起きた連続爆破事件の犯人が脱獄する。やがて、その人物を見つけ出す公安警察の降谷だったが、直後何者かによって首輪爆弾をつけられてしまう。爆弾を解除するべくコナンが奔走する中、謎の仮装爆弾犯の存在が浮かび上がる。
今回の映画では、監督や音楽を担当する方を新たに迎えており、映像や演出、音楽などが今までと違う見せ方になっているように感じた。特に劇場版では、通常はオリジナルの建物や乗り物が登場し、それが推理やアクションの鍵となることが多いため、説明パートが設けられることが多いが、今回は渋谷を舞台にしていることでそれがなかった。また、ここ数年のストーリー展開はある程度似ている気がしていたが、今回は3年前の事件との関連や高木&佐藤刑事の恋模様など盛りだくさんな内容で、テンポ感やストーリーの緩急がいつもと違って新鮮だった。
2.『さよなら絵梨』(漫画)
作者:藤本タツキ
病の母が死ぬまで、母の姿をスマートフォンで撮影し続けていた優太。彼は母の死後、自殺するために向かった病院の屋上で、とある少女に出会い、映画を撮影することになる。チェンソーマンの作者が描く、200ページにも及ぶ読切長編漫画。
コマ割りがほぼ全て4コマ構成になっており、手ぶれやピンボケのような作画の粗さや視点が限定されていること、紙ではなくネット配信によりスマホで見ることを想定しており、1ページ分しか見られないことから、「4コマ=映画のフィルム、スマートフォンの画面」という構成になっていると考えられる。コマ割りでキャラの動きを演出する「漫画」という表現作品においては異色であり、一歩間違えれば単調な作りで読者に飽きられてしまうだろう。しかし、藤本タツキ先生の才能が遺憾なく発揮されており、表現やストーリー共に実験的・挑戦的な内容になっていると思われる。また、画面の内と外、編集によってどこを残し、どこを切り取るかで真実が変わってしまったり、受け手の印象を操作してしまったりというメッセージが込められているようにも感じた。さらに、ヒロイン絵里の設定や作中のとあるセリフによって、作品に終始「良い混乱」がもたらされていることも興味深い。藤本タツキ先生の作品はセリフが少ない傾向にあるが、だからこそ作者の伝えたいセリフが明確となり、さらには様々な表現技法や画面構成によって、メッセージ性の高い作品となっていると考える。
3.『ゴールデンカムイ』(漫画)
作者:野田サトル
激動の明治後期、気高き北の大地・北海道を舞台に日露戦争という死線を潜り抜け『不死身の杉元』という異名を持った元兵士・杉元は、ある目的の為に大金を欲していた…。一攫千金を目指しゴールドラッシュに湧いた北海道へ足を踏み入れた杉元を待っていたのは、網走監獄の死刑囚達が隠した莫大な埋蔵金への手掛かり。雄大で圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚、そして純真無垢なアイヌの少女・アシリパとの出逢い。莫大な黄金を巡る生存競争サバイバルが幕を開ける。
完結記念で最終話まで無料公開されていたことをきっかけに読んだ。作者が膨大な量と時間をかけて下調べをして書いたのだと分かる、アイヌ文化への知識と理解がある作品だと感じた。特にアイヌの神話や狩猟、食べ物などが詳しく描かれており、私にとって日本史でしか知らなかったアイヌ民族に対して興味や親近感が湧いた。歴史的な偉人や事件も盛り込んであり、実際に起こった出来事なのではないかと思わせるリアリティーがあった。
4.『バブル』(アニメ映画)
監督:荒木哲郎
世界に降り注いだ泡〈バブル〉で重力が壊れた東京。ライフラインが断たれた東京には、家族を失った一部の若者が集まり、パルクールのチームバトルが繰り広げられていた。チームのエースであるヒビキは、不思議な少女ウタに命を助けられる。不思議な力を持つウタは、ヒビキだけに聴こえる音に反応しており…?2人の出会いは、世界を変える真実へとつながっていく。
映画館で鑑賞したが、圧巻のアクションシーンと音楽に圧倒された。カメラワークが縦横無尽に動くため、まるで実写映画のようで、全て1から描く&撮影しているのだと思うと感動した。環境音にも工夫が見られ、様々な面で細かいこだわりが成されているのだと思った。内容は少し説明不足な印象を受けたが、サブスクでも同時公開しており、何度も鑑賞することで、監督は言葉による説明ではなく、それ以外のすべて(映像、音楽、音等)のアニメーションの技術を総動員して観客に訴えようとしているのだなと感じだ。また、ストーリー構成はコロナ禍前にある程度決まっていたようだが、コロナの拡大やウクライナ情勢もあり、内容が重くなりすぎない配慮がなされているのかなと感じだ。さらに、荒木監督の作品の特徴である美しい「止め絵」の見せ方も見どころで、今作でもそれが発揮されているなと感じた。
5.『夜は短し歩けよ乙女』(アニメ映画)
監督:湯浅政明 原作:森見登美彦
クラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”は、今日も「なるべく彼女の目にとまる」ようナカメ作戦を実行する。春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬が訪れ…。京都の町で、個性豊かな仲間たちが次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、外堀を埋めることしかできない“先輩”の思いはどこへ向かうのか!?
湯浅監督の別作品が好きで、映画館で上映される機会があり見た。唯一無二映像演出と構成力が存分に発揮されており、ファンタジックな世界観が見事に表現されていた。現代日本版の『不思議の国のアリス』を見ているようなヘンテコさがありながら、最後の最後まで魅了され、見終わった直後には謎の幸福感があり、とても素敵な映画体験ができた。台詞回しが独特で原作を読みたくなったし、途中に組み込まれるミュージカル要素をクスッと笑えて楽しかった。
6.『甲鉄城のカバネリ』(TVアニメ)
監督・脚本:荒木哲郎 構成:大河内一楼
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜で覆われた心臓を持つ「カバネ」の脅威にさらされた「日ノ」本」の人々は、「駅」と呼ばれる砦を築いて生き延びていた。カバネに襲われた顕金駅で暮らす蒸気鍛冶の少年・生駒は、逃げ惑う人々の波に逆らって走り出した。密かに開発した武器――ツラヌキ筒でカバネと戦うつもりだ。彼自身の過去と、誇りのために
『進撃の巨人』の荒木監督の演出が好きだったため、また『バブル』を見てより監督の作品に興味を持ち見始めた作品だ。空の美術や長尺のアクションシーン等、『進撃の巨人』で培われたアニメーションの技術が存分に発揮されており、一目見ただけで「荒木監督の作品だ」と分かる映像になっていた。映像表現が監督の特徴だとはっきり判断できることは、稀有なことだと思うので、自身の演出方法が確立されている監督なのだなと感じた。内容は、どうしても『進撃の巨人』や『東京喰種』を思わせるような内容ではあったが、骨太なストーリー展開で一気に見てしまった。12話で終わらせるには勿体ないと思ったが、『コードギアス』の大河内さんが携わっているだけあり、短いながらも濃厚な内容に仕上がっていたと思う。また、「メイクアップ」と呼ばれる独特な技法を用いており、キャラクターの表情が繊細に描かれている所も魅力的だった。キャラデザが少女漫画チックではあるが、そういった細かいデザインはアニメーションでやるとコストがかかり、アニメ用にキャラデザが簡略化されがちだが、綺麗に表現されて作画の技術力の高さに驚いた。
7.『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』(中編アニメ映画)
監督・脚本:荒木哲郎 構成:大河内一楼
美馬との熾烈な戦いののち生駒たちは、新たなカバネと人の攻防戦の地、日本海に面する「海門」にたどり着いていた。海門の民と連合軍を結成し、カバネ撃退の策を企てる生駒たちだったが、「海門」の地にはある秘密が隠されており…。
『甲鉄城のカバネリ』の続編にあたる中編アニメ映画である。劇場での上映であったため、より作画が美しくなっており、やはりWIT STUGIOの素晴らしいアクションシーンが冴えわたる形となっていた。カメラワークも前作や『進撃の巨人』からよりパワーアップしており、手書きのアニメーションで、あそこまでスピード感があり滑らかな作画を行えるのはWIT STUGIOなのではないかと思うほどだ。内容としては、本筋のカバネとの戦いが描かれつつも、1期以上に生駒や無名の心情にスポットが当てられていることが印象的だった。『バブル』でみた激しいアクションがありつつもピュアな恋愛模様が描かれる所、ボーイミーツガールへの挑戦は、この作品から片鱗があったのかと感じた。
8.『Free!(第1期)』(TVアニメ)
監督:内海紘子 制作京都アニメーション
小学生のころ、同じスイミングクラブに通っていた七瀬遙、橘真琴、松岡凛、葉月渚。彼らは、小学校卒業前の大会での優勝を最後に違う道へと進んでいく。やがて時が経ち、高校生活を無為に過ごしていた遙の前に、凛が現れ勝負を挑み、圧倒的な強さを見せる。このままでは終われない。そして、真琴と渚が再び集い、新たに竜ヶ崎怜を引き込んで、岩鳶高校水泳部を設立。遙、真琴、渚、怜、そして、凛。これは、躍動感あふれる男子高校生たちの、水泳と青春と絆の物語――
京都アニメーションらしい美しい映像と繊細な心理描写が魅力的な作品だと思った。特に水泳シーンにおける水の演出が素晴らしく、水滴や水泡、波に至るまで水の表現の作画にこだわっているのだなと感じた。また、各登場人物のキャラクターがしっかり確立している所が京都アニメーションらしいなと感じた。
9.『犬王』(アニメ映画)
監督:湯浅政明 原作:古川日出夫
室町の京都、猿楽の一座に生まれた異形の子・犬王。ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。
湯浅監督の演出が好きで見に行った作品。犬王を演じる女王蜂のアヴちゃんの歌声の迫力が圧巻で、正しく劇場で見るための作品だった。今では伝統芸能である能楽や琵琶の音色が、ロックミュージックや現代的な演出、バレエや新体操のテイストと融合した演出は斬新で、映像や物語の緩急、アンバランスさも相まって湯浅ワールド全開の映画だった。現代人にとっては、伝統や歴史を持つ猿楽や平家物語の琵琶法師の音色は、非日常的で高貴なものだと感じると思うが、室町時代を生きる人々にとっては一種のエンターテインメントであったはずなので、私たちがダンスやJ-POPを楽しむことと同じ感覚で消費されていたのではないかと感じさせるような説得力もあった。さらに、平家の栄華と衰退を描く平家物語と対比させるように犬王と友魚の人生を描いていることも見事だと感じた。
10.『ONE PIECE』(漫画)
作者:尾田栄一郎
時は大海賊時代。いまや伝説の海賊王G・ロジャーの遺した『ひとつなぎの大秘宝』を巡って、幾人もの海賊達が戦っていた。そんな海賊に憧れる少年ルフィは、海賊王目指して大いなる旅に出る。“ ひとつなぎの大秘宝”を巡る海洋冒険ロマン。
誰もが知る超有名作品であり、既に子供の頃から連載されていた漫画である。しかし、大まかなあらすじやキャラクターしか知らなかったため、なぜこれほど人気なのか興味をそそられ読んでみた作品。ジャンプの「友情・努力・勝利」の三要素を持った王道ストーリーでありながら、深く練られた世界観が魅力だと感じた。各登場人物の背景から島々の情勢に至るまで、細かく物語が描かれており、本当にその世界が実在しているようなリアリティーがあってとても感動した。さらに、読む前はルフィ達の冒険や成長、敵とのバトルが作品の醍醐味かと考えていたが、「歴史の本文」や「空白の100年」などのONEPIECEの世界を取り巻く謎も描かれており、この伏線や解明が物語により一層深みをもたらして面白さを引き立てているのだと感じた。
1~10
1.『劇場版名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(アニメ映画)
原作:青山剛昌
監督:満仲勧
大人気シリーズの劇場版第25弾。渋谷で開かれていた佐藤刑事の結婚式会場で、突然暴漢が乱入する事件が発生。同じ頃、過去に起きた連続爆破事件の犯人が脱獄する。やがて、その人物を見つけ出す公安警察の降谷だったが、直後何者かによって首輪爆弾をつけられてしまう。爆弾を解除するべくコナンが奔走する中、謎の仮装爆弾犯の存在が浮かび上がる。
今回の映画では、監督や音楽を担当する方を新たに迎えており、映像や演出、音楽などが今までと違う見せ方になっているように感じた。特に劇場版では、通常はオリジナルの建物や乗り物が登場し、それが推理やアクションの鍵となることが多いため、説明パートが設けられることが多いが、今回は渋谷を舞台にしていることでそれがなかった。また、ここ数年のストーリー展開はある程度似ている気がしていたが、今回は3年前の事件との関連や高木&佐藤刑事の恋模様など盛りだくさんな内容で、テンポ感やストーリーの緩急がいつもと違って新鮮だった。
2.『さよなら絵梨』(漫画)
作者:藤本タツキ
病の母が死ぬまで、母の姿をスマートフォンで撮影し続けていた優太。彼は母の死後、自殺するために向かった病院の屋上で、とある少女に出会い、映画を撮影することになる。チェンソーマンの作者が描く、200ページにも及ぶ読切長編漫画。
コマ割りがほぼ全て4コマ構成になっており、手ぶれやピンボケのような作画の粗さや視点が限定されていること、紙ではなくネット配信によりスマホで見ることを想定しており、1ページ分しか見られないことから、「4コマ=映画のフィルム、スマートフォンの画面」という構成になっていると考えられる。コマ割りでキャラの動きを演出する「漫画」という表現作品においては異色であり、一歩間違えれば単調な作りで読者に飽きられてしまうだろう。しかし、藤本タツキ先生の才能が遺憾なく発揮されており、表現やストーリー共に実験的・挑戦的な内容になっていると思われる。また、画面の内と外、編集によってどこを残し、どこを切り取るかで真実が変わってしまったり、受け手の印象を操作してしまったりというメッセージが込められているようにも感じた。さらに、ヒロイン絵里の設定や作中のとあるセリフによって、作品に終始「良い混乱」がもたらされていることも興味深い。藤本タツキ先生の作品はセリフが少ない傾向にあるが、だからこそ作者の伝えたいセリフが明確となり、さらには様々な表現技法や画面構成によって、メッセージ性の高い作品となっていると考える。
3.『ゴールデンカムイ』(漫画)
作者:野田サトル
激動の明治後期、気高き北の大地・北海道を舞台に日露戦争という死線を潜り抜け『不死身の杉元』という異名を持った元兵士・杉元は、ある目的の為に大金を欲していた…。一攫千金を目指しゴールドラッシュに湧いた北海道へ足を踏み入れた杉元を待っていたのは、網走監獄の死刑囚達が隠した莫大な埋蔵金への手掛かり。雄大で圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚、そして純真無垢なアイヌの少女・アシリパとの出逢い。莫大な黄金を巡る生存競争サバイバルが幕を開ける。
完結記念で最終話まで無料公開されていたことをきっかけに読んだ。作者が膨大な量と時間をかけて下調べをして書いたのだと分かる、アイヌ文化への知識と理解がある作品だと感じた。特にアイヌの神話や狩猟、食べ物などが詳しく描かれており、私にとって日本史でしか知らなかったアイヌ民族に対して興味や親近感が湧いた。歴史的な偉人や事件も盛り込んであり、実際に起こった出来事なのではないかと思わせるリアリティーがあった。
4.『バブル』(アニメ映画)
監督:荒木哲郎
世界に降り注いだ泡〈バブル〉で重力が壊れた東京。ライフラインが断たれた東京には、家族を失った一部の若者が集まり、パルクールのチームバトルが繰り広げられていた。チームのエースであるヒビキは、不思議な少女ウタに命を助けられる。不思議な力を持つウタは、ヒビキだけに聴こえる音に反応しており…?2人の出会いは、世界を変える真実へとつながっていく。
映画館で鑑賞したが、圧巻のアクションシーンと音楽に圧倒された。カメラワークが縦横無尽に動くため、まるで実写映画のようで、全て1から描く&撮影しているのだと思うと感動した。環境音にも工夫が見られ、様々な面で細かいこだわりが成されているのだと思った。内容は少し説明不足な印象を受けたが、サブスクでも同時公開しており、何度も鑑賞することで、監督は言葉による説明ではなく、それ以外のすべて(映像、音楽、音等)のアニメーションの技術を総動員して観客に訴えようとしているのだなと感じだ。また、ストーリー構成はコロナ禍前にある程度決まっていたようだが、コロナの拡大やウクライナ情勢もあり、内容が重くなりすぎない配慮がなされているのかなと感じだ。さらに、荒木監督の作品の特徴である美しい「止め絵」の見せ方も見どころで、今作でもそれが発揮されているなと感じた。
5.『夜は短し歩けよ乙女』(アニメ映画)
監督:湯浅政明 原作:森見登美彦
クラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”は、今日も「なるべく彼女の目にとまる」ようナカメ作戦を実行する。春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬が訪れ…。京都の町で、個性豊かな仲間たちが次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、外堀を埋めることしかできない“先輩”の思いはどこへ向かうのか!?
湯浅監督の別作品が好きで、映画館で上映される機会があり見た。唯一無二映像演出と構成力が存分に発揮されており、ファンタジックな世界観が見事に表現されていた。現代日本版の『不思議の国のアリス』を見ているようなヘンテコさがありながら、最後の最後まで魅了され、見終わった直後には謎の幸福感があり、とても素敵な映画体験ができた。台詞回しが独特で原作を読みたくなったし、途中に組み込まれるミュージカル要素をクスッと笑えて楽しかった。
6.『甲鉄城のカバネリ』(TVアニメ)
監督・脚本:荒木哲郎 構成:大河内一楼
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜で覆われた心臓を持つ「カバネ」の脅威にさらされた「日ノ」本」の人々は、「駅」と呼ばれる砦を築いて生き延びていた。カバネに襲われた顕金駅で暮らす蒸気鍛冶の少年・生駒は、逃げ惑う人々の波に逆らって走り出した。密かに開発した武器――ツラヌキ筒でカバネと戦うつもりだ。彼自身の過去と、誇りのために
『進撃の巨人』の荒木監督の演出が好きだったため、また『バブル』を見てより監督の作品に興味を持ち見始めた作品だ。空の美術や長尺のアクションシーン等、『進撃の巨人』で培われたアニメーションの技術が存分に発揮されており、一目見ただけで「荒木監督の作品だ」と分かる映像になっていた。映像表現が監督の特徴だとはっきり判断できることは、稀有なことだと思うので、自身の演出方法が確立されている監督なのだなと感じた。内容は、どうしても『進撃の巨人』や『東京喰種』を思わせるような内容ではあったが、骨太なストーリー展開で一気に見てしまった。12話で終わらせるには勿体ないと思ったが、『コードギアス』の大河内さんが携わっているだけあり、短いながらも濃厚な内容に仕上がっていたと思う。また、「メイクアップ」と呼ばれる独特な技法を用いており、キャラクターの表情が繊細に描かれている所も魅力的だった。キャラデザが少女漫画チックではあるが、そういった細かいデザインはアニメーションでやるとコストがかかり、アニメ用にキャラデザが簡略化されがちだが、綺麗に表現されて作画の技術力の高さに驚いた。
7.『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』(中編アニメ映画)
監督・脚本:荒木哲郎 構成:大河内一楼
美馬との熾烈な戦いののち生駒たちは、新たなカバネと人の攻防戦の地、日本海に面する「海門」にたどり着いていた。海門の民と連合軍を結成し、カバネ撃退の策を企てる生駒たちだったが、「海門」の地にはある秘密が隠されており…。
『甲鉄城のカバネリ』の続編にあたる中編アニメ映画である。劇場での上映であったため、より作画が美しくなっており、やはりWIT STUGIOの素晴らしいアクションシーンが冴えわたる形となっていた。カメラワークも前作や『進撃の巨人』からよりパワーアップしており、手書きのアニメーションで、あそこまでスピード感があり滑らかな作画を行えるのはWIT STUGIOなのではないかと思うほどだ。内容としては、本筋のカバネとの戦いが描かれつつも、1期以上に生駒や無名の心情にスポットが当てられていることが印象的だった。『バブル』でみた激しいアクションがありつつもピュアな恋愛模様が描かれる所、ボーイミーツガールへの挑戦は、この作品から片鱗があったのかと感じた。
8.『Free!(第1期)』(TVアニメ)
監督:内海紘子 制作京都アニメーション
小学生のころ、同じスイミングクラブに通っていた七瀬遙、橘真琴、松岡凛、葉月渚。彼らは、小学校卒業前の大会での優勝を最後に違う道へと進んでいく。やがて時が経ち、高校生活を無為に過ごしていた遙の前に、凛が現れ勝負を挑み、圧倒的な強さを見せる。このままでは終われない。そして、真琴と渚が再び集い、新たに竜ヶ崎怜を引き込んで、岩鳶高校水泳部を設立。遙、真琴、渚、怜、そして、凛。これは、躍動感あふれる男子高校生たちの、水泳と青春と絆の物語――
京都アニメーションらしい美しい映像と繊細な心理描写が魅力的な作品だと思った。特に水泳シーンにおける水の演出が素晴らしく、水滴や水泡、波に至るまで水の表現の作画にこだわっているのだなと感じた。また、各登場人物のキャラクターがしっかり確立している所が京都アニメーションらしいなと感じた。
9.『犬王』(アニメ映画)
監督:湯浅政明 原作:古川日出夫
室町の京都、猿楽の一座に生まれた異形の子・犬王。ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。
湯浅監督の演出が好きで見に行った作品。犬王を演じる女王蜂のアヴちゃんの歌声の迫力が圧巻で、正しく劇場で見るための作品だった。今では伝統芸能である能楽や琵琶の音色が、ロックミュージックや現代的な演出、バレエや新体操のテイストと融合した演出は斬新で、映像や物語の緩急、アンバランスさも相まって湯浅ワールド全開の映画だった。現代人にとっては、伝統や歴史を持つ猿楽や平家物語の琵琶法師の音色は、非日常的で高貴なものだと感じると思うが、室町時代を生きる人々にとっては一種のエンターテインメントであったはずなので、私たちがダンスやJ-POPを楽しむことと同じ感覚で消費されていたのではないかと感じさせるような説得力もあった。さらに、平家の栄華と衰退を描く平家物語と対比させるように犬王と友魚の人生を描いていることも見事だと感じた。
10.『ONE PIECE』(漫画)
作者:尾田栄一郎
時は大海賊時代。いまや伝説の海賊王G・ロジャーの遺した『ひとつなぎの大秘宝』を巡って、幾人もの海賊達が戦っていた。そんな海賊に憧れる少年ルフィは、海賊王目指して大いなる旅に出る。“ ひとつなぎの大秘宝”を巡る海洋冒険ロマン。
誰もが知る超有名作品であり、既に子供の頃から連載されていた漫画である。しかし、大まかなあらすじやキャラクターしか知らなかったため、なぜこれほど人気なのか興味をそそられ読んでみた作品。ジャンプの「友情・努力・勝利」の三要素を持った王道ストーリーでありながら、深く練られた世界観が魅力だと感じた。各登場人物の背景から島々の情勢に至るまで、細かく物語が描かれており、本当にその世界が実在しているようなリアリティーがあってとても感動した。さらに、読む前はルフィ達の冒険や成長、敵とのバトルが作品の醍醐味かと考えていたが、「歴史の本文」や「空白の100年」などのONEPIECEの世界を取り巻く謎も描かれており、この伏線や解明が物語により一層深みをもたらして面白さを引き立てているのだと感じた。
スポンサードリンク