NEW CONTRIBUTION FORM

マナーを守ってご利用ください
TEXT FLOAT
4年 吉川 RES
12.『ミステリと言う勿れ』(漫画)
作者:田村由美
心理学を学び知識が豊富、大学生の久能整(くのうととのう)が様々な事件に巻き込まれる。非常事態でも淡々と喋り、優れた観察力で周囲の人の考えに助言をし、結果的に事件を解決していく。
この作品は久能整のキャラクターが面白く、話がサクサク進む点が魅力的である。作中での久能は、例えばごみ出しを手伝っているという夫に対し、ごみ出しは家中のごみをまとめる所から始まっている事を指摘するなど、核心を突いてくる。物語の展開よりも久能の発言にはっとさせられることが多い。

13.『約束のネバーランド』Season1(アニメ1~12話)
作者:白井カイウ
制作:CloverWorks
孤児院で暮らす38人の子どもたち。彼らは孤児院での親役といえる"ママ"の愛を受け、のびのびと過ごしていた。ある日、子どもたちのうちの一人、コニーの里親が見つかり、お別れをすることになる。しかし、コニーはお気に入りのぬいぐるみを忘れて置いていってしまった。最年長のエマとノーマンが、忘れ物を届けに行った時に、ある事実を目撃してしまう。
この作品の子供たちは、満12歳までに鬼に食べられるという運命が、生まれた時から決められている。孤児院は、子供たちを出荷するための施設だった。一見安寧秩序が保たれた空間に、大きすぎる絶望が伴っているという事実と、それに対応するのは子供たち、という無力さの絶望が2段階で存在する。理不尽な世界と無力な子供、その中でこそ主人公たちの希望を持ち、選択していく姿が引き立つのだと思う。

14.『呪術廻戦』 (漫画 単行本1~3巻)
作者:芥見下々
快活で正義感の強い高校生、虎杖悠仁は伏黒恵と共に、呪いに襲われている先輩達を助けに行く。その場で唯一呪術師である伏黒が戦闘不能になり、呪いを祓うことに絶望的状況となった。虎杖はこの状況を脱するため特級呪物"両面宿儺"の指を食べてしまう。呪いを経験した虎杖は、その被害を少しでも減らしたいと考え、両面宿儺の指を集めることを決める。

この作品は呪いをテーマにしていて、世間には認知されていない呪いを呪術師達が祓い、暗躍する話となっている。呪術の仕組みが数学で説明されるなど、ファンタジーの中にも根拠がある設定が魅力だ。
現実世界で、オカルトに関連する事象は不確かなものであるように、この作品の世界でも、呪いを認知出来る人間は少数派であったりと、どこかリアリティを感じる。
25話まででは、虎杖を乗っ取った宿儺が伏と戦った際、伏黒に期待を寄せていた点、五条が狙われている点、真人は吉野をどうするのか、など気になる点がたくさんある。

15. 『魔法使いの嫁』(漫画)
作者:ヤマザキコレ
見えないものが見える体質で気味悪がられ身寄りのない少女、羽鳥智世はオークションで人外の魔法使いエリアスに買われる。エリアスに弟子兼嫁として家に招かれ、自暴自棄だったチセは次第に明るく、人外のエリアスは人の感情を学び、それぞれが成長していく。
魔法使いや魔術師、精霊などの人ではないものが居る世界観や異国の雰囲気が綺麗な作品。主人公チセはエリアスの元に来る前の出来事から、無気力で自暴自棄になっていたが、友達ができたりして少し明るくなった。その体質から、様々な問題に巻き込まれては自己犠牲をして解決していく。エリアスのことは家族だと感じていて、彼女らの関係がどう築かれていくのかも見どころである。

16. 『名のないシシャ』
著者:山田悠介

人の寿命が分かり、時間を与えることが出来る「シシャ」という存在である少年は、特にすべきことも見つからないまま五十年間生きてきた。複数いる「シシャ」達が人間と関わり、人間の心を学び、時間を与えてもいいと思える人を探す。
「シシャ」である主人公のテクによると、自分は天からの使者だと認識している、と描写があるが、死者のほうにも取れる。使者だとすると、命令する側のものが目的を持って使役するが、この物語ではシシャが人間に時間を与えたからといって、世界の何かが変わることは無いため、シシャが大切なものを見つける旅のほうに重点があると思う。すると、幼くして死んだり、生前心の成長が出来なかった死者がシシャとして存在するのかもしれない。

17.『西の魔女が死んだ』
著者:梨木香歩

中学校に進み、クラスに上手く馴染めず学校に行かなくなってしまった少女まいは、少しの間、田舎の祖母の元で暮らしていた。それから二年、突然祖母の死を知らされる。
本文は「西の魔女が死んだ。」から始まり、情報が1つも与えられていない読者にとっては、西の魔女とは何であるのか、という疑問を持たずにはいられない。そこに、まだ冒頭の辺りでまいの母が、あの人は本物の魔女と言い切る描写がある。作中での魔女というワードはものの例えでないことだけがわかり、まいの二年前の話に移行する。祖母によると魔女に1番大切なのは、意志の力、自分で決める力だという。まいは魔女修行として、この力を養うことになる。結果、人として成長できたというたことが、祖母の家を発つ際にサンドウィッチのキンレンカを抜かなかった描写がよく表していると思う。一貫して祖母の愛が存分に描かれ、心に余裕を持つことが出来る、優しい作品だ。

18.『メイドインアビス』(漫画1~6巻)
作者:つくしあきひと

探掘家のロマンであり、未だ謎が解明されていない巨大な縦穴「アビス」。アビスに憧れる少女リコは、少年のような姿の記憶喪失のロボットにレグと名付け、共にアビスの底を目指す。
物語の要アビスには上昇負荷というものがあり、深い階層から浅い階層へ移動すると、肉体や精神がダメージを受ける。上昇負荷は深い程大きく、六層まで到達すると、上昇負荷があるために、人としては帰って来れない。このように、常に命の危険と隣り合わせで重たい内容となっている。漫画は話に似合わない可愛らしいイラストで、質感の表現が上手く、グロテスクな表現がより引き立つように感じる。記憶喪失のレグが物語のカギを握っていると考えられる。

19.『お別れホスピタル』(漫画)
作者:沖田×華
病院の終末期病棟、ターミナルと呼ばれる病棟での患者のエピソードを、看護師視点から描いた作品。エピソードそれぞれが完結した形式で、作中にもある通り、病気やケガ、老衰などで回復が見込めない患者を扱う。

1話では病室の大部屋で過ごす老婦人3人の話になっており、その中でお喋りだった1人が調子を崩し、先に亡くなる。すると、立て続けに同部屋の2人も亡くなる。私は死ぬことを経験していないため、死に際のことは想像することしか出来ないが、ここで描かれる老婦人たちは、死ぬタイミングを選んだかのようだと感じた。この作品はフィクションだが、現実でも有り得る話で、こういう場面が現在も実際にあるかもしれないな、と思いながら読むことができる。認知症や老老介護のことに触れていたりしているので、自身も家族も健康に過ごしている人にそういう現場を知ってもらうのに良いと思う。


20.『ブルーピリオド』(漫画)
作者:山口つばさ
遊びも勉強も手を抜かず、充実した高校生活を送る主人公。実際は心から夢中になれるものを持っておらず、高校生らしくない達観した思考をしていた。しかし、美術の授業で絵を描いた時、絵を通すことによって、初めて人と会話することができたと感じる。絵を描くのは初めてだったが、絵を褒められたことで、難関美大を目指すことを決心する。
高校生が進路を決める際、特に芸術の道に進むには、将来が不安、自分よりも優れた人がいる、といった考えが浮かび、大きな決断がいるだろうと思う。高校生がその時期に持つ、繊細で漠然とした不安を抱えつつも、険しい道を決心し前向きに努力を重ねる姿は清々しく、読んでいて晴れやかな気持ちになる。主人公は親に気を遣い、進路希望を伝えずにいるが、親は応援する気持ちでいるところにも、思春期の子を持つ家庭らしく、少しもどかしくもあり、若さゆえの勢いや空気感を感じさせられる。絵を題材にし、所々で遠近法など、絵を描くための知識が解説されるのも見どころの1つだ。
2023/09/24(日) 15:15 No.1975 EDIT DEL
4年 吉川 RES
春休み課題20点
1.『アバター』監督・脚本・製作:ジェームズ・キャメロン
 この作品は2009年に公開されたSF映画だ。22世紀を舞台に、地球から遥か彼方にある惑星パンドラの資源を採掘するために、現地に住むナヴィと交渉する必要があったため彼らの外見に似せたアバターを作り使用することになった。主人公ジェイクはアバターのパイロットに選ばれ、パンドラを探索するうちにチームとはぐれてしまう。
 3D映画として作られたこともあり、映像が綺麗に作られている。ジェイクがナヴィと人類との間に立たされ、最終的にナヴィをとる、その過程にさまざまな葛藤があり綺麗なストーリーだと感じた。

2.『すずめの戸締まり』監督:新海誠
 日本各地のどこかにある後ろ戸が開くとミミズが出てきて地震が発生する。ミミズを抑えている要石を抜いてしまったすずめは、要石となっていた猫ダイジンによって次々と開かれる後ろ戸を閉めるため奔走する。
 すずめの出身は宮城県であり、東日本大震災を題材にしている。喋る猫などファンタジー要素の裏に失われた街の静けさや震災のトラウマが描かれており、映画によって震災を忘れさせない、後世に伝える試みをしていると感じた。

3.『ガチ恋粘着獣〜ネット配信者の彼女になりたくて〜』作者:星来
 人気動画配信グループCOSMICのメンバー、スバルのファンであり、恋をしているヒナはSNS投稿でのファン活動が本人の目に入るよう努力していた。ある日、スバル本人からDMにメッセージが届く。
 COSMICのメンバー3人それぞれのガチ恋ファンたちの血生臭い争いを見ることができる。ほとんどが常軌を逸しているため、ホラーとして読むのが良い。しかし、人物や状況はリアリティがあり、共感できる。

4.『マチネとソワレ』作者:大須賀めぐみ
 天才役者三ツ谷御幸の弟で同じく役者の三ツ谷誠は、亡き兄と比較されては2号と揶揄されることにコンプレックスを抱いていた。葛藤を抱えながらも兄の代役としての日常を送っていたある日、兄が生きていて自分が死んでいるパラレルワールドに迷い込む。
 誠は元の世界でも恵まれない境遇だったが、パラレルワールドでもトラブルに巻き込まれるなど幸が薄い主人公だ。元の世界では母の愛を感じたことがなかった誠がパラレルワールドでは紆余曲折あり母から愛を受け取ることができたシーンが兄との対比にもなっており良いシーンだと感じた。

5.『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』原作:麻生羽呂
 ある朝、街がゾンビで溢れかえっていた。まだ助かっている人々は、日々数を増すゾンビに絶望し、疲弊している。そんな中、ブラック企業に勤めていたアキラは会社に行かなくて良いことに気づき希望に満ちた生活を送る。
 主人公のアキラがブラック企業でおかしくなってしまったためにゾンビものでありながらコメディとなっている作品。周りが悲観する中、輝かしい目標を立てて遂行する姿は読んでいて清々しい。

6.『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』製作・脚本・監督:ジェームズ・キャメロン
 地球からはるか遠い惑星パンドラにて、ジェイクはネイティリと家庭を築き、幸せに暮らしていた。しかし、再び人類がパンドラに来訪、ジェイク一家は命を狙われることとなる。
 前作『アバター』の続編となっている。ストーリーはジェイクの息子の世代にフォーカスされ、生まれながらに周りと違うことで偏見を持たれる様子も描かれており、前作とは違った視点からアバターの世界を見ることができる。主な舞台は海となっており、劇場で見ると実際に目の当たりにしているかのような迫力があった。

7.『君たちはどう生きるか』監督:宮崎駿
 母親を亡くした眞人は父の再婚に際して疎開するも、新生活に馴染めずにいた。屋敷に住み着いている人語を話すアオサギに導かれるまま、大叔父が建てたという洋館へ足を踏み入れる。
 なぜアオサギが話すのか、眞人が門を開けた墓がなんだったのか、大叔父の目的などわからない部分が多かった。この作品にもヒミの扱う火、一面の水、ヒサコが操るヨットを動かす風が描かれていた。ヒミについては眞人の母親となった後に空襲の火事が死因となることから火のエネルギーの強さが象徴的に描かれていると感じた。

8.『リトル・マーメイド』監督:ロブ・マーシャル
 1989年公開のディズニーのアニメーション映画『リトル・マーメイド』が実写化された作品。海の中で暮らす人魚と陸の上で暮らす人間、相容れない立場であるが、海を統べるトリトン王の末の娘のアリエルは、交流を禁じられた陸上の世界に憧れを抱いていた。
 船上や海の中や海辺の城を舞台にした実写化作品であるが、主人公のアリエルの人魚の表現をはじめ、海の中の生物が登場人物として映像に溶け込んでいる。実写化による違和感が感じられず、実写とアニメーションの間をとったように画面が華やかだと感じた。

9.『Undertale』制作:Toby Fox
 2015年に発売されたインディーゲームである。地下が舞台となっており、モンスターたちが暮らす地下に落ちたプレイヤーが地上を目指すストーリーとなっている。
 通常RPGでは、プレイヤーはモンスターを倒して強くなっていきつつより強いモンスターに立ち向かうものが王道だが、この作品では、モンスターを倒さずともストーリーを進めることができる。しかし、初回プレイ時にそのことに気づくことは難しく、普通にクリアしてきたプレイヤーはストーリー終盤で、自分が積み上げてきた「LV」は「Level of Violence」だと伝えられ、自分は殺しをしてきたのだと感じることとなる。初回クリア以降正しいルートを進むと、一度目で伏線となっていた部分の真実がわかるようになっている。この作品は、プレイヤーに語りかけてくるキャラクター、セーブ、ロードを理解しているキャラクターがおり、少しホラー味もありつつ世界観が作り込まれているため印象に残る作品となっている。

10.『怪〜ayakashi〜』9〜11話「化猫」(アニメ)監督:中村建治
 薬売りの男が立ち寄った屋敷では当家の娘が他方に嫁ぐための輿入れが行われようとしていた。薬売りの男が女中と話をしていたところ、屋敷に悲鳴が響き渡る。見に行くと花嫁衣装の娘が惨殺されていた。
 屋敷の中で殺人が起こり、原因を探っていく形で話が進む和製ホラーの作品となっている。ただ人ならざるものが襲ってくるのではなく、被害者の顔をした屋敷の人間側にもそれなりの要因があるなど、辻褄が合う話の構成となっており、恐怖も感じるが共感もできる作品だ。視聴者は謎の主人公の薬売りの男ではなく女中の加世を通して物語に触れるようにできており、主人公の正体や背景が明かされないままである点も世界観と合っていると感じた。

以下再掲出です。(2020年度末冬に誤って掲出したもの)
11.『不時着する流星たち』
著者:小川洋子
「誘拐の女王」は小川洋子の短編集『不時着する流星たち』に収録されている作品のうちの一つである。自身に誘拐された経験があると語る姉の姿をその義理の妹の視点から描いている。30ページに満たない非常に短い作品だが、作品中に自然と落とし込まれるような構成、伏線やその回収、結末は読み応えがある。
ミステリアスな雰囲気の姉は裁縫箱を手に登場する。姉は裁縫箱を四六時中持っており、裁縫箱を開けていくことと姉を知ることが同時に進んでいく。
裁縫箱に入っていた、姉の誘拐事件の記事とされるものには、外国の少女のことが書かれていた。つまり、姉は誘拐されたのではなく、誘拐された事が姉の妄想だったことが示唆される。この時が、読者が薄々感じていた姉の発言に対する違和感の答えとなるのだと思う。物語は、両親からなにも教えられずにいた妹の視点から進むため、姉の言っていることに疑いを持つことがない。妹の憶測は語られるが、事実は明かされていないことから、姉の誘拐の話は妄想の出来事だと思う。
2023/09/24(日) 15:13 No.1974 EDIT DEL
4年 飯森 RES
81『セブン』監督: デヴィッド・フィンチャー
 引退を控えたベテラン刑事の男は、新米刑事と共に殺人事件を捜査することになる。2つの現場には、同様に文字が残されていた。それを見た彼は、キリスト教における「七つの大罪」に絡めた犯行と気づき、殺人が続くことを予測する。
 卒論に役立つかもと思い観たが、卒論に関係あるなしに関わらず見入ってしまった作品でした。最後の結末は何となく予想出来てしまったが、ブラット・ピットの演技力も相まってとても満足できる映画でした。
82『キャラクター』監督: 永井聡
 漫画家のアシスタントを務める山城は、高い画力を持ちながら、純粋な性格上悪役を描くことに苦戦していた。そんなある日、彼は偶然殺人事件現場に遭遇し、そこで犯人の顔を目撃する。やがて、犯人の姿をもとに新たなサスペンス漫画を生み出した山城は、人気漫画家となる。だがそれを機に、彼は危険な事態に巻き込まれていく。
 たまたま『セブン』という映画の次に観た作品だったが、両者の作風があまりにも似ていたために『セブン』をオマージュして作った作品ではないかと思いました。殺人鬼が殺人鬼ではなくなり常人が殺人鬼に成り代わるシーンがとても印象的でした。個人的には菅田将暉が好きな人は見ることをお勧めしたいなと感じました。

83『ラ・ラ・ランド』監督: デイミアン・チャゼル
 夢追う人々が集うロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミアは、女優を目指してオーディションに挑戦する日々を送る。一方、場末のバーでピアノを弾きながら、自分の店でジャズを心ゆくまで演奏したいという夢を抱くセブ。ひょんなことで出会った2人は思わぬ再会を果たし、互いを励まし合いながら夢に向かって進んでいこうとする。
 両者夢を追いかけながら歩いていたのにラストはどうしてこうなってしまったのかと思わずにはいられませんでした。鮮やかな映像に惑わされがちですが、現実を突きつけられる非情な作品だと感じました。

84『花束みたいな恋をした』監督: 土井裕泰
 駅で終電を逃したことをきっかけに出会った麦と絹。お互いに音楽の好みや趣味が同じことを知り、すぐに恋に落ちる。大学を卒業してフリーターをしながら同棲生活をスタートさせ、日々変化する環境の中で日常を共有しながら大切に過ごしていた。この2人での生活を続けるために、就職活動に励んでいく。
 僕も就職活動をしていたため主人公二人の心情もよく理解出来ました。お互いの忙しさや余裕感が同じくらいではないと恋愛は苦しくなるのかもしれないと感じた作品でした。

85『マイ・インターン』監督: ナンシー・マイヤーズ
 ファッション通販サイトを起業し、若くして成功を掴んだ女性社長。そんな彼女の会社に、シニア・インターン制度によって採用された70歳の男性が新人としてやってくる。最初は社内で浮いた存在になってしまう彼だったが、その穏やかな人柄によって徐々に皆と信頼関係を築いていく。
 就職活動しているときに観た作品でしたが、あまり就職活動にはプラスには働きませんでした。ただ仕事をする上で、人にやさしくすること、余裕を持つことが大切だと教えられた作品でした。
 
86『キングダム 劇場版』監督: 佐藤 信介
 春秋戦国時代の秦。戦災孤児の少年・信は天下の大将軍になることを夢みて、親友の漂とともに剣術の鍛練に励んでいた。だが漂の方だけが王宮に召し上げられ、2人は別々の道を歩み始める。しばらく経ったのち、致命傷を追った漂が信の前に姿を現し、ある地図を託して落命する。
 マンガ原作の実写化は上手くいかないことが多いが原作のファンなので観ることにしました。実際の戦場を再現すると隊列を組み突撃することが難しいと感じたり実際は将軍の武力を頼りにしないのだろうなと感じてしまうシーンがあるなど観ていて面白いシーン、微妙なシーンが混在している作品でした。

87『サンクチュアリー聖域―』監督: 江口カン
 体は屈強だが、投げやりな性格の青年が相撲部屋に入門。力士になった彼はとがった振る舞いでファンを魅了しながら、伝統と格式を重んじる角界を揺るがしていく。
 とても評判がいい作品だったので見ることにした作品でした。いち力士が関取になるまでの過酷な世界を垣間見ることが出来たのでそれだけでも十分に満足いく内容だった。またご都合主義な展開にならず非情な現実を突きつける展開がとてもこの作風にマッチしていると思いました。

88『D.P.―脱走兵追走官―』監督:ハン・ジュニ
 兵役義務により入隊した青年が、軍の脱走兵を追跡する部隊に配属されることに。任務にあたるなかで、脱走した兵士たちがそれぞれ抱える過酷な現実が見えてくる。
 ゼミ生で徴兵に行った友達がいるので韓国の徴兵がどんなものなのかを知るために観た作品でした。一言でいうと精神的にくる過酷さがある世界だと思いました。逃げ出す兵の気持ちも分かりますし、任務のために連れ帰らなくてはいけないD.Pたちの辛さも分かり同情せずにはいられませんでした。こんな世界から無事帰ってきた友達を心の底から尊敬します。

89『マッシュル』著者: 甲本一
 魔法使いが支配する「魔法界」に生まれながら、まったく魔法を使うことのできないマッシュ・バーンデッドは、家族と平穏な暮らしのできる世界を作るためにイーストン魔法学校へ入学する。 そんなマッシュが、鍛え上げた肉体だけを武器に闇の魔法組織と戦う姿を描いたアブノーマル魔法ファンタジー。
 魔力こそ力、という世界で筋肉こそ力、というありえないスタンスで学園生活送る主人公がとても面白かったです。主人公自体アニメっぽさがなく、作風もただ筋肉で解決していくというものなのでアニメが苦手だと感じる人にもお勧めできる作品です。

90『僕たちはどう生きるか』監督:宮崎駿
 太平洋戦争末期。母を空襲で亡くし父と疎開したものの、新生活を受け入れられずにいた少年。ある日、彼は大叔父が建てたという洋館を発見し、謎のアオサギに導かれながら洋館に足を踏み入れる。
 ジブリ作品は今まで何作品も見てきたが、今作品が一番訳が分からない作品だった。映画館でみたがほとんどの時間、これは何をやっているんだという疑問しか浮かんでこなかったのでおそらくこの先自らこの作品を観ることはないと思う。

91『ブルーロック』著者: 金城宗幸、 ノ村優介
 全国から優秀な300名の高校生FWを集め、ブルーロックと呼ばれる施設に軟禁する。 世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーにはなれないというのが持論。 日本に必要なのはたった一人の英雄だと主張し、300名の高校生に生き残りをかけた特殊な訓練を課す。
 前前回のロシアW杯あたりから連載されている作品で、過去の日本代表と現在の日本代表ではかなり強化されていると感じている。この作品のストライカーの考え方や取り組み方に近いことを日本代表選手たちが育成年代から行ってきているため結果が出ているのではないかなと感じました。マンガ作品とはいえある程度理や再現性があると思いながら読んでいました。

92『世界から猫が消えたなら』著者:川村元気
 僕は生きるために、消すことを決めた。今日もし突然、チョコレートが消えたなら電話が消えたなら映画が消えたなら時計が消えたなら猫が消えたらそして僕が消えたなら世界はどう変化し、人は何を得て、何を失うのか30歳郵便配達員。余命あとわずか。陽気な悪魔が僕の周りにあるものと引き換えに1日の命を与える。 ...
 続編の方から読んでしまったので、あとからこの前編を読むと少し主人公の気持ちに共感できない部分が多かった気がしました。猫が主人公のことを気にしてくれたのと同様に主人公と仲が良かった人も主人子のことを考えてくれていたと思うのにどうして消してしまったのか不思議でした。ただ文体がとてもきれいなのでぜひ読んでもらいたいなと感じます。

93『世界から僕が消えたなら』著者:川村元気
 余命わずかと宣告されたご主人さまは、自分と同じ姿をした悪魔と取引をした。「この世界からモノを一つ消す。そのかわりに、キミの命を一日ぶんだけ延ばす」と。電話、映画、時計……。モノが消えていくたびに、ご主人さまと結びついていた人の記憶までが失われていくようだ。 ...
 主人公を思う猫の気持ちが伝わってくるいい作品でした。消えてしまう物の存在意義が問われていく展開がとても寂しく美しいと感じました。

94『神曲 地獄篇』著者: ダンテ・アリギエーリ
 卒論のために三部作すべて読んだが、難しいの一言でした。ダンテが詩のようにこの作品を書きたかったようなので見開きで収まる短編がまとまっているような形になっているが、その短さが余計に理解するのに時間がかかる原因にもなったなと感じました。ただ知りたかったルシフェルなどの悪魔の概念を知ることが出来たので読んだ価値はありました。

95『神曲 煉獄篇』著者: ダンテ・アリギエーリ
 「煉獄」という「地獄」でも「天国」でもない特殊な環境がどのように描かれているかきになったため読むことにしました。祈りの総量が増えれば増えるほどはやく天国に上ることが出来るシステムだということが分かり驚きました。お墓参りなどもこの煉獄のシステムに適用されるのかもしれないと感じました。
96『神曲 天国篇』著者: ダンテ・アリギエーリ
 これまでの二部と異なり天文学などの知識も必要だったためダンテが語ろうとする内容の半分も理解できたのか正直怪しいです。もしこの内容を卒論に組み込むなら最低でも5回は読み返さなくてはいけないと思います。

97『左ききのエレン』著者: かっぴー・nifuni
 自らの才能の限界に苦しみながらも、いつか“何者か”になることを夢見る朝倉光一。 一方、圧倒的な芸術的才能に恵まれながらも、天才ゆえの苦悩と孤独を抱える山岸エレン。 高校時代に運命的に出会った2人はやがて、大手広告代理店のデザイナー、NYを活動拠点とする画家として、それぞれの道を歩むことになるのだが…。
 現実世界で公言してはならないような空気感がある才能が絶対という考えを嫌というほどに押し出している作品です。僕は努力を信じていますししていますが、その一方で才能が全てを超えると信じている者でもあるため、少年マンガなどにありがちな努力する凡人が天才を超えるという展開がなく、ただただ一人の天才が数百の凡人の屍を超えていくという展開がとても爽快な作品です。そして才能や天才の解説もしているため、私たちがぼんやり理解している天才たちのことを明確にとらえることが出来ると感じました。

98『ヴェノム』監督: アンディ・サーキス
 記者のエディは、怪しい人体実験を行う団体を調査する中、地球外生命体と接触してしまう。その生物は彼の体を乗っ取り、人間の捕食を開始。エディは自らの心身を支配されていく危機を感じつつも、次第にその人外の力に魅了されていく。
 マーベル作品とは異なるダークなHEROが主人公がとても特異でありつつもどこかしっくりくる意外な作品。特別な力をもった者はどこかこうなってしまうのではないかと心の中で思っていることを具現化させてくれたところがポイントなのかなと感じました。

99『300』監督: ザック・スナイダー
 紀元前480年、スパルタの王はペルシャ帝国の大王から服従するよう命じられる。それに反目した王は、自身が率いる300人の精鋭たちと共に、100万ともいわれるペルシャの大軍へ立ち向かうことを決意。そしてのちに伝説となる大いなる戦いに臨む。
 高校生の世界史の授業中におすすめされた作品。スパルタの男たちがひたすらペルシアの大群と戦い、そして散るという一つの男の生きざまが描かれている作品なので、万人受けする作品ではないことは理解しているが暑苦しい作品が好きな人にはぜひおすすめしたい。

100『キングダム2 遥かなる大地へ』監督: 佐藤 信介
 最新作が公開する前に前作を観ておこうと思い観ました。前作よりも戦場が大きく使われており実際の戦場のイメージが伝わってくる演出が多く満足でした。ただ前作でも指摘した通り将軍の武力そのものはあまり必要ではないと感じてしまうところが本当に残念でならないです。
2023/09/23(土) 19:34 No.1973 EDIT DEL
3年 橋本 RES
夏休み課題 21~30

21,『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』原作・総監修・キャラクター原案:堀越耕平
雄英高校ヒーロー科1年A組の面々は、“次世代のヒーロー育成プロジェクト”の一環として、クラス全員で期間限定の校外ヒーロー活動のために日本のはるか南に位置する離島・那歩島を訪れていた。ここしばらく大きな事件が全く起きていない平和な島で、駐在ヒーローとして島の人々の生活を助けながら、忙しく、それでいてのんびりとした時間を過ごす中、出久たちはヒーローにあこがれる少年・活真とその姉・真幌という二人の姉弟と出会う。そんな中、突如謎の敵<ヴィラン>たちが那歩島に襲来、次々と島の施設を破壊していく。1年A組のメンバーは力を合わせて敵に立ち向かうが、彼らの圧倒的な“個性”と力は想像を遥かに超えるものだった。
離島での生徒だけでの活動が中心となっていたことにより、限界状況下での生徒の成長や島民との繋がりの重要性が分かりやすく描かれていたと感じた。人口のほとんどが個性を持ち発展した世界でヒーローとヴィランという立場が生まれたことによる、身体的な差別や有用と無用な能力の扱われ方が描写されていて、夢のような発展した世界でも今と同じような問題は起こり得るものなのだと実感させられた。

22,『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』原作・総監修・キャラクター原案:堀越耕平
世代を経るごとに混ざり合う“個性”が人類を終焉に導くとする思想「個性終末論」を掲げる謎の集団「ヒューマライズ」。世界中の個性保持者の殲滅をもくろむ彼らは、個性を強制的に暴走させ崩壊へと導く「個性因子誘発爆弾」を世界各地に仕掛ける。全世界のプロヒーローと彼らのもとでインターン中だった雄英高校ヒーロー科が招集され、各地で爆弾の回収任務にあたることに。エンデヴァー事務所でインターン中だった出久・爆豪・轟の3人も、日本から遠く離れた国オセオンへ向かうが、任務中に事件に巻き込まれた出久が指名手配されてしまう。
各ヒーローがどの国に配属されているかを紹介する最初の映像が、一昔前のモダン風なシルエットのもので物語の始まりらしい音楽と調和していると感じた。入り組んだ街並みをパルクールのように飛び回って逃げる映像が、一人称視点と三人称視点など視点の移動が目まぐるしく描かれており爽快感があって面白かった。個人的には、ロディの本心を隠せないという個性が、ストーリーに親しみを持つことができ、かなり斬新で面白いと感じた。

23,『無色転生~異世界行ったら本気だす~(1,2期)』原作:理不尽な孫の手、監督:岡本学、平野宏樹
34歳で無職、ニートで引きこもり生活をしていた主人公は、ある日トラックに轢かれて死亡してしまう。気づくと中世ヨーロッパを思わせる異世界でルーデウス・グレイラットとして転生していた。彼は次こそ立派に生きると決意し、小さい頃から沢山の本を読み魔法の練習も積んでいた。その後、様々な人と出会い能力を高めた彼だったが、ある日突然空から伸びた光に飲み込まれ全く知らない土地に転移させられてしまう。
癖がない親しみの持てる丁寧な絵柄に、岩石地帯や夜空の描写などリアルな背景描写があった。その中で、ところどころアニメーションの陰影の付け方や絵柄がガラッと変わる部分があり動きがあって面白かった。また、物語の展開は早くネタ的な会話も多くありスムーズに物語に没入することが出来た。物語の中盤で、魔人や獣人など人間以外の種族の人々と交流をする場面があり、そこで会話をする際の言語を字幕で表記し音声だけでも人間の言語に直さないところにこだわりを感じた。その、言語が通じないことによる弊害があるという場面が、現在にも通ずる問題が描かれており個人的に印象深かった。

24、『ホリミヤ』原作:HERO、萩原ダイスケ、監督:石浜真史
美人で成績も良く学校ではクラスの中心的存在である堀京子は、毎日共働きの両親に代わり家の家事や年の離れた弟の面倒を看ていた。ある日、ケガをした弟を見知らぬ男が堀の家に送り届けに来た。だが、話をしてみると実は彼は普段から根暗なクラスメイトだった。
漫画原作よりもストーリーがサクサクと進んでいて全話通して見やすかったと感じた。クラスの人気者である主人公が、あまり親交のなかったクラスメイトとふと関わることになり、彼に振り回されている様子や互いに助け合ったりして仲を深めていく様子が、スッキリと和みながら見ることが出来て面白かった。学生生活や日常の家庭でのやり取りが多かったため親しみやすく、その中での展開が面白おかしく漫画独特の表記を使用したりして描かれていた事が印象深かった。

25,『映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-』原作:「ハイ☆スピード!」おおじこうじ、監督:武本康弘
水とふれあい水を感じることに特別な思いを持つ七瀬遙は、小学生時代最後に出場した大会でのメドレーリレーで、橘真琴、葉月渚、松岡凛とともに、「見たことのない景色」にたどり着いた。そして桜が満開の春に、遙は真琴とともに岩鳶中学校へ進学し新たな生活が始まろうとしていた。そこで、水泳部に入部することになった遙と真琴は、椎名旭、桐嶋郁弥と4人でメドレーリレーのチームを組んで試合を目指すことになってしまう。何もかもバラバラな彼らは、衝突しながらも少しずつ互いを知り「チーム」になっていく。
プールの中の水の描写や道沿いの桜の描写など、自然物の背景描写がとても綺麗に描かれていると感じた。主人公の心情に葛藤がある際、精神面から水の抵抗が強く感じてしまっている場面での視点の揺らぎや水の固い描写から、最初の綺麗な描写で感じた水の美しさや清浄さよりも恐怖を強く感じたことがとても印象的だった。

26,『とつくにの少女』原作:ながべ、監督・脚本・キャラクターデザイン:久保雄太郎、米谷聡美
昔々、人間の棲む国「内つ国」と人外が棲む呪われた国「外つ国」があったが、内つ国にも呪いが拡大していた。ある日、主人公で人外である先生は外つ国に捨てられてしまった人間の少女シーヴァを拾い面倒を見るが、シーヴァが捨てられたことや内つ国には戻れないことを本人に伝えるべきか否かを悩むこととなった。
人間の少女と人外が関わる作品を観たいと思い観始めた。かなり繊細でぼんやりとしたタッチで描かれており、真っ白な少女と真っ黒な人外など白と黒の対比による2つの世界の境界の表現が印象的だった。BGMがあまり使われていないこと、登場人物が少ないこと、描画的な描き方などからダークな絵本や童話を見ているような感覚が強かった。

27,『劇場版 名探偵コナン ベイカー街の亡霊』原作:青山剛昌、監督:こだま兼嗣
コナンたちは新型仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティーを訪れ、ゲームに参加することとなる。だが、そのゲームはヒロキという少年により開発された成長する人工知能ノアズ・アークに乗っ取られてしまう。ノアズ・アークは「日本のリセット」とうそぶき、50人のゲーム参加者全員が脱落すれば有力者の子や孫である彼らの脳を破壊すると宣言し、5種類のステージに参加させた。コナンたちは参加者を助けるため「オールドタイム・ロンドン」ジャックを捕らえるため奮闘する。
成長する人工知能を開発した天才少年の才能を、自分のモノとして利用するため閉じ込めていたという様子が、科学技術が発展している現在の世界にもありえそうだと思ってしまう展開であり、この展開が約20年前の作品で描かれているということが衝撃的だった。


28,『劇場版 名探偵コナン 業火の向日葵』原作:青山剛昌、監督:静野孔文、脚本:櫻井武晴
ニューヨークで開かれたオークションで、鈴木次郎吉は焼失したといわれているゴッホの名画「ひまわり」を落札する。強固な護衛「7人のサムライ」を配備し、日本へ空輸するが、怪盗キッドによって絵画は盗まれてしまう。
複数のカメラで様々な位置から撮影したものを組み合わせたような描写があり、それによって映像が迫力と臨場感のあるものになっていた。また、ストーリーの展開や言葉のやり取りが早く、それもその臨場感を高める要因になっているのではないかと感じた。

29,『文豪ストレイドッグス(1期)』原作:朝霧カフカ、漫画:春河35、監督:五十嵐卓哉
孤児院を追放され、ヨコハマを放浪する少年・中島敦は鶴見川で入水していた太宰治を助ける。それをきっかけに敦は太宰が所属する異能集団・武装探偵社が追う「人食い虎」の捜索を手伝うことになるが、実は敦こそがその正体であり、無意識のうちに異能力を使っていた。その後、敦は能力を制御するため武装探偵社に入社することとなる。
人々によく知られた文豪たちが彼らの代表作品を能力として持ち闘うという設定が、とても興味をひくもので思いつきそうで思いつかなかったロマンのある面白いものだと感じた。この作品を見ることにより、文豪の名前と代表的作品を覚えたり、その文豪の作品を読むことにつながると想像できるためとても良い作品だと思った。

30,『地縛少年花子くん』原作:あいだいろ、監督:北村真咲
旧校舎三階女子トイレの三番目には「トイレの花子さん」がいて、大切なものと引き換えに願いを叶えてくれるという。八尋寧々はあこがれの人と両思いになるため花子さんを呼び出そうとする。だが、そこに現れたのは少女ではなく少年であり寧々の願いを叶えるために策を講じてくれるものの、その方法はどれも怪異らしくない普通のものだった。
レトロな雰囲気の絵柄と色使いが特徴的で、デフォルメ的なかわいらしさのあるポップな雰囲気の展開の中で、怪異をテーマに話が進んでいくという相反するものが融合している雰囲気が面白かった。コミックのコマ割りや吹き出し、リアクションの擬音が多用されており、マンガ原作を重視しリスペクトしたアニメーションだと感じられた。
2023/09/22(金) 12:36 No.1972 EDIT DEL
3年 橋本 RES
夏休み課題11~20

11,『推しの子(1期)』原作:赤坂アカ、横槍メンゴ、監督:平牧大輔
田舎の産婦人科医ゴローは、双子を妊娠していて活動休止中の彼の推しアイドル・星野アイの主治医となるが、アイのストーカーによって殺される。その後、ゴローはアイの子供、星野愛久愛海として生まれ変わり、アクアの双子の妹である星野瑠美衣は、かつての彼の患者であったさりなだった。2人は、出産したことを隠しつつアイドル活動を再開したアイを応援しながら、アイのもとで成長していく。しかし、アイは自宅に押しかけてきたストーカーに刺され、アクアとルビーの目の前で死んでしまう。アクアは、アイの妊娠や病院、転居直後の住所などの情報を提供した黒幕がおり、その人物は自分とルビーの実父と思われると推察した。アイの交流の範囲から、実父は芸能界にいる可能性が高いと考え、その人物への復讐を誓う。
推しの子どもに生まれ変わるというファンタジー的な話かと思っていたが、その中心人物が序盤に殺害され、そこから復讐のためのサスペンス的要素が中心になっていく様子が斬新で面白かった。個人的には、表舞台で華々しい活躍をしている役者やアイドル的な存在の裏の真意や皮肉のような言葉が多用されていることが挑戦的で印象的だと感じた。原作の印象的なシーンでの瞳の描き方や表現などが、アニメでもアニメらしい方法で踏襲されていてとても良かったと思った。

12,『地獄楽(1期)』原作:賀来ゆうじ、監督:牧田佳織
江戸時代末期となる頃、かつて最強の忍として畏れられた画眉丸は、死罪人として囚われていた。そんな中、打ち首執行人・山田浅ェ門佐切に極楽浄土と噂される島から「不老不死の仙薬」を持ち帰れば無罪放免になり、誰からも二度と追われなくなると告げられる。画眉丸は「愛する妻にもう一度会うため」に、仙薬探しの道を選ぶ。
一話の段階で、主人公がまったく心のない人物かと思いきや、奥さんによって思いやりというものを覚えており人間らしい心を持っていたことや、死にたいと本心から思っているのではなく奥さんのために誰よりも生きて帰りたいと思っている人物だという、どんでん返し的な展開があって面白かった。人間の生命や人への思いやりを改めて考えさせられる作品であったと感じた。

13,『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(1~4期)』原作:大森藤ノ、監督:山川吉樹
駆け出しの冒険者ベル・クラネルは、単独でダンジョンに臨み我流でモンスターと戦っていたが、不運なことに中層級の強さをもつミノタウロスに襲われる。追い詰められたベルは、間一髪のところでロキ・ファミリアの女性冒険者アイズ・ヴァレンシュタインに助けられたが、礼も言わずにその場から逃げ去ってしまう。あまりの衝撃的な出会いにより、アイズに一目惚れしてしまったベルは、彼女に釣り合うような立派な冒険者となろうと心に誓う。これが切っ掛けとなりベルにスキル憧憬一途が発現して規格外の成長が始まる。
タイトルからドタバタコメディ的なラブコメかと思ったが、仲間との信頼の形など信じるということがどういうことかを考えさせられるような展開が多かった。主人公が成長型、努力型な人物像であったため、共感しやすくストーリーに入り込みやすかったため面白く見ることができたと感じた。

14,『ミステリと言う勿れ』原作:田村由美、脚本:相沢友子
恋人や友人は一切いないものの、ただ平凡に大学に通っていた久能整は、ある日身に覚えのない殺人容疑をかけられ警察署に連行される。彼は、その取り調べ中にさまざまなヒントを得ながら、事件とは関係なく刑事たちの抱える悩みを見抜いていく。 ただ思いついたことをマイペースに話すうちに、刑事たちの心を解きほぐし事件の真相を突き止めていく。
主人公がただの学生であるにも関わらず論理的思考の持ち主で、主観的視点だけでなく様々な視点から思考を組み立てていき事件を解決していく様子に、爽快感があり面白かった。ドラマすべてを通して、事件の加害者・被害者の後悔や悲しみなどを共感すると共に、人との対話の重要性や家族の温かみを感じ、自分の周りとの関わり方を考え直す機会となった。

15,『ぼっち・ざ・ろっく!』原作:はまじあき、監督:斎藤圭一郎
極度の人見知りで陰キャな少女である後藤ひとりは、バンド活動に憧れギターを始めるも友達が出来ず一人で練習する毎日を送っていた。ある日、“結束バンド”というバンドでドラムをやっている伊地知虹夏に声をかけられ、1日だけサポートギターをすることになる。
悲観的で自己肯定感の低い主人公が、バンドメンバーと活動する中で、自分のやりたいことや熱意を表現していくようになる様子に主人公の成長を感じられて、勇気づけられるように感じた。あまり従来の前向きで自信家な主人公らしくなく、親しみがもてる人物像で、彼女らの日常を追いかけるようなゆっくりした展開とコミカルな展開が面白かった。

16,『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』原作:⿇⽣⽻呂・⾼⽥康太郎、監督:川越⼀⽣
ブラック企業に就職し3年がたった天道輝は、心身ともに限界を感じていた。そんな絶望的な毎日の中で、突如としてゾンビが大量発生するというゾンビ・パンデミックが起こる。大量のゾンビに襲われる中、輝は「会社に行かなくていい」という事実に大喜びし、自分がゾンビになるまでにやりたいことを考え始める。
ブラック企業での労働に苦しめられていた主人公の視界が、ゾンビパニックの世界になったことにより、血の色などカラフルな世界となったという描写で、モノクロの世界に色がついたということを視覚的に表現していて面白かった。
主人公の絶対絶望の環境の中での楽観的な様子から、いい意味で自分自身も楽観的に生きていいのかもしれないと思えるような作品であり、死ぬまでにやりたいことを考えてみたり、自分を見つめ直すことにもつながる面白い作品だった。

17,『犬王』監督:湯浅政明、脚本:野木亜紀子
室町の京の都で猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。彼は周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠されていた。ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会い歌と舞を交わす。そこで、彼らは互いに二人だけの呼吸、世界を感じ、バディを組むことになる。壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。
琵琶演奏にエレキギターとドラムを加えたロックテイストな和楽器演奏で物語りを歌唱する様子に、盛り上がる民衆の様子から、ただ見るだけじゃなく共に盛り上がる音楽を楽しむ感覚の芽生えが見られて面白かった。犬王は異形独自のパフォーマンスに誇りを持っていた様子があったため、芸の成功とともにその異形の姿が元に戻っていくことは、犬王にとってすべて良い事というわけではなかったのではないかと思った。映画を見たというより、一つの公演を観たような感覚で新鮮だった。

18,『鹿の王 ユナと約束の旅』原作:上橋菜穂子、監督:安藤雅司、宮地昌幸
かつてツオル帝国は圧倒的な力でアカファ王国に侵攻したが、突如発生した謎の病・ミッツァルによって帝国軍は撤退を余儀なくされた。以降、二国は緩やかな併合関係を保っていたが、アカファ王国はウィルスを身体に宿す山犬を使ってミッツァルを再び大量発生させることで反乱を企てていた。ミッツァルが国中で猛威を振るう中、山犬の襲撃を生き延びたヴァンは身寄りのない少女ユナと旅に出るが、その身に病への抗体を持つ者として、治療薬開発を阻止したいアカファ王国が放った暗殺者サエから命を狙われることになる。一方、治療薬を作るためヴァンの血を求める医師のホッサルも懸命にヴァンを探していた。様々な思惑と陰謀が交錯した時、運命が動き始める。
動物の体や動きの表現、周りの風景といった美術的描写が親しみやすく綺麗でしっかりとしていたと感じた。敵対者が主人公の味方につく時などの展開が唐突に感じて、正直重要そうな場面の展開に追いつけず作品の詳細がよく分からなかった。血の繋がりよりも重要なものがあるという考えや、疫病に苦しむ王に王族以外の血を入れるなとする描写から、血に関わる民族的な考えが描写されていると感じた。

19,『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』監督:大森貴弘
とある秋の日、すみっコたちは「5年に1度おとずれる、青い大満月の夜。魔法使いたちが町にやってきて、夢を叶えてくれる」という伝説を信じてキャンプに出掛けていた。夜空に浮かぶ青い満月を見上げていたところ、伝説のとおりすみっコたちの町に魔法使いの5人きょうだいが舞い下りてきた。彼らによって町中に魔法がかけられ、すみっコたちはお菓子を食べたり空を飛んだりと楽しい夜を過ごした。楽しい夜に終わりが近づき月へ帰っていく魔法使いたちだったが、末っ子の「ふぁいぶ」だけ置いていかれてしまった。
キャラクターが喋らないため、感情や心情を表す言葉が映像上に綴られており、その言葉が「やってらんね」など意外とストレートな感じで面白かった。また、男女のゆったりとしたナレーションが常にあったり、リアクションが漫画のように大袈裟に表現されたりしていて、キャラクターが喋らないからこその工夫があり新鮮だった。
「ゆめ」を持つことが生きがいになることを分かりやすく伝える心温まる作品だったと感じた。

20,『呪術廻戦2期「懐玉・玉折」』原作:芥見下々、監督:御所園翔太
高専時代の五条悟と夏油傑は、呪術師として活躍し向かうところ敵なしであった。そんな彼らの元に、不死の術式を持つ呪術界の要・天元からの依頼が届く。その依頼とは、天元との適合者である“星漿体” 天内理子、その少女の「護衛」と「抹消」であった。呪術界存続の為の護衛任務へと赴くことになった2人だが、そこに伏黒を名乗る“術師殺し”が“星漿体”の暗殺を狙い介入する。後に最強の呪術師と最悪の呪詛師と呼ばれる五条と夏油、道を違えた2人の過去が明かされる。
細かな背景描写や、特に戦闘シーンの描写が圧倒的に綺麗だと感じた。よく映像作品で感動的な終わりを迎えるときに、後ろでEDやOPの歌が流れることがあるが、3話ではそのよく使われる手法を使って、EDが後ろに流れることでそのまま幸せに終わるかと思わせて、突然少女が殺されるというどんでん返し的な展開となっていることが印象的だった。最近のアニメ作品は、歌がアニメの象徴的惣菜になってきていることもあり、OPからEDまで工夫されていて見応えがあると感じた。
2023/09/22(金) 12:35 No.1971 EDIT DEL
3年 橋本 RES
夏休み課題1~10

1,『黒執事』著者:枢やな
舞台は19世紀末期のイギリス。名門貴族・ファントムハイヴ伯爵家の幼い当主シエルの下には、知識・教養・料理・武術など全てが完璧な執事セバスチャン・ミカエリスがいた。代々政府の汚れ仕事を引受け、英国裏社会の秩序を守る悪の貴族であったファントムハイヴ伯爵家では、幼いシエルも「女王の番犬」として任務にあたっていた。シエルには両親を殺害され、自らも誘拐・慰み者になっていたという悲惨な過去があり、セバスチャンはその際に出会った悪魔であった。シエルは自らの魂を対価に彼と契約し、復讐を果たすために敵の正体を追っていた。
最近の作品によくある主人公が抜きんでて強いという作品ではなく、主人公の周りで主人を支える使用人たちが高い能力を持っているという設定が面白いと感じた。急展開が多いため読んでいて飽きないということに加え、作画が特徴的で美しく、何より戦闘シーンの描写がリアリティを感じものであった。さらに、纏足など実際の海外の伝統的なものが描かれていて設定が細かくこだわりが感じられると思った。

2、『変な家』著者:雨穴
ある日、覆面ホラー作家の雨穴は知人の柳岡から「この家に不可解なところがある」と、都内のある中古一軒家の間取り図を貰う。そして雨穴は知り合いの建築士・栗原とその間取り図に秘められた謎を解き明かしていく。物語が進むにつれて、次々と恐ろしい真実が明かされていく。
小説には珍しく、会話文と図解のみで展開する形だったことが印象的であった。YouTubeにあがった本作が好評だったことから、その話の続きの真実として小説版が展開されたようだが、YouTubeの動画がかなり分かりやすく簡潔で面白く観られるため、小説の展開にも入り込みやすかった。読み始めた当初は心霊的な怖さがあるのかという気持ちだったが、読み終わってみると一番怖いのは人間だということを実感させられた。

3,『変な絵』著者:雨穴
ある日、オカルトサークルに入っている栗原が気になるブログを見つけ、その存在を知った同じオカルトサークルの佐々木修平もそのブログを見はじめる。ブログのタイトルは「七篠レン 心の日記」。ブログは2008年からはじまっていて、内容は個人の日記であり2012年まで続いていた。ブログを読む限りどうやら七篠レンの妻は妊娠して、順風満帆な日常を送っていたが、出産のときに亡くなっていたようだ。そこから更新があまりなく2012年が最後の投稿になっている。ブログには七篠レンの妻が妊娠中に書いた絵が5枚載っており、最後のブログにこの絵に何か秘密が隠されているということを知る。
本作は、『変な家』の次に発売されたもので、本作も『変な家』同様に、YouTubeに投稿されている『変な絵』の続きとして展開している作品である。だが、『変な家』とは異なり、従来の小説と同様に情景や展開の描写がされ、それと会話文で構成されていた。終盤に近付くにつれ今までの話がつながっていき真相が解き明かされていく様子が、ミステリー要素が強く面白かった。

4,『ボイスラ!!』著者:Octo
その風貌と声量から周囲に恐れられている高校1年生の獅子吼灯士郎は、ある日オタクの友人・豊満に無理やり誘われ、声優養成所のオーディションを受けることになる。記念受験のつもりの灯士郎だったが、年に一度の声優アワード「VOICE ARTIST PLATINUM」の賞金が1000万円と知り、妹のために一攫千金を夢見て声優の世界に飛び込むことを決意する。
主人公が声優にまったく興味はないものの、声を色として認識できるという特異性を持っているという設定が面白いと感じた。それにより、主人公が段々とその世界の理解を深めていく様子に読者が共感することができているのではないかと思った。本作では、実際に存在する会場やそこでの物販の様子や、その裏側などがかなり詳細に描かれていたため、実際に行ったことがある人もない人も、現場の様子や声優を目指す人のステップを詳細に知ることができると感じた。コミカルな描写が多く展開が早いことに加え、かなり作画がきれいで癖がないため読み易いのではないかと思われた。

5,『心中するまで、待っててね。(上・下巻)』著者:市梨きみ
子ども時代の一部の記憶がないお人好しな性格の福太は、ある日小学生の頃に兄ちゃんと慕っていた葵と再会する。しかし、彼の姿はかつての姿から全く変わっていなかった。そのことを不思議に感じながらも、かつての記憶に蓋をして幸福な日々を過ごす福太だったが、段々と記憶を取り戻すことでその生活は崩壊していく。
日常の平穏な雰囲気の中にどこか不穏だと感じさせるコマやセリフの言い回しがあり、読者にその後の展開を想像させるような作りが印象的だった。葵が家の外から入ってくるような描写が存在しなかったり、食事の風景が欠如していたりと、ところどころに葵の死をほのめかす伏線があり、読み返すことで気付く面白さなども感じられた。また、上下巻同時発売であることにより、その表紙のデザインで対比がされていたこともコレクション的な要素で面白いと感じた。個人的には、一般的なハッピーエンドではなく、二人にとってのハッピーエンドで完結することが衝撃的だった。

6,『ギヴン(1~8巻)』著者:キヅナツキ
高校生にして優れたギターの腕前をもつ上ノ山立夏は、高校で佐藤真冬が持っていたギターの弦を張り替えたことをキッカケに、真冬からギターを教えてもらうように頼まれる。初めは渋っていた上ノ山だったが、真冬の天才的な歌声を耳にしたことで考えを翻し、中山春樹や梶秋彦と共に組んでいたインストバンドに真冬を引き込む。
演奏シーンで登場人物たちの独白と回想がされる構成になっており、数十ページにわたる長いシーンで、まったく会話がないのに最も感情が描写される様子が印象的だった。そのシーンの表情や楽器の微細な描写から、まったくどんなものかは分からない者の、実際に音が聞こえてきて感情が揺さぶられるように感じた。また、主人公がかつての自殺した恋人が使用していたギターで演奏をしてバンドを組むようになり前に進んでいくという重たい話の中に、男子高校生が実際にしていそうなリアルな掛け合いのコミカルな様子が含まれていて、そのバランスが重くなりすぎず読み易いと感じた。

7,『ひだまりが聴こえる(幸福論、リミット1~3巻、春夏秋冬1~2巻)』著者:文乃ゆき
中学生の時に突発性難聴を発症し、周囲と上手く馴染めなくなってしまった杉原航平。 大学生になった航平はある日、同級生の佐川太一と出会う。 太一に「聴こえないのはお前のせいじゃない」と言われた航平は心の底から救われ、段々と周りと関わっていく。
難聴と健聴の違いだけでなく難聴と聾の違いによる当人たちの苦悩も描かれていることに驚いた。本作の中で、同じ立場になったことはないから、同情や形だけの共感はできても、正確に想像したり理解することはできない、ということを痛烈に感じさせてくる場面が多く、勝手に理解があるつもり、わかったつもりになってしまうことの恐ろしさを実感した。また、どんな場面でも誰に対しても素直に愚直に行動する太一と、彼に関わったことで段々と諦めていた現実に対して光を見出していく航平の様子や、太一と彼の祖父の様子に、とても心が温められ人と関わることの大切さを感じることができた。

8,『ワールドトリガー』著者:葦原大介
28万人が住む「三門市」に、ある日突然異世界への「門」が開いた。門からは「近界民」と呼ばれる怪物が現れ、地球上の兵器が効かない怪物達の侵攻に誰もが恐怖したが、謎の一団が現れ近界民を撃退する。一団は界境防衛機関「ボーダー」を名乗り、近界民に対する防衛体制を整えた。そして、ボーダーに所属している高校生の三雲修のクラスに、空閑遊真と名乗る転校生がやってきたが、彼は修に対し「自分は近界民だ」と話した。
主人公が平凡であるものの、その強い意志と努力をする様子から周りに高い能力をもった人物が集まっていくという形が、読者が主人公に共感を抱きやすくその先を見守りたくなるものであると感じた。また、主人公と同じくボーダーに所属するキャラクターそれぞれの個性が強く悪人らしい悪人がいないため、主人公やその仲間だけに人気が偏らないところが人気の理由の一つなのではないかと思った。

9,『SPY×FAMILY』著者:遠藤達哉
世界各国が水面下にて、熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。東西の間に鉄のカーテンが下りて十余年、隣り合う東国と西国の間には仮初の平和が成り立っていた。西国から東国に送られた西国一の凄腕スパイ・黄昏は、東西平和を脅かす東国の政治家ドノバン・デズモンドと接触するため、偽装家族を作ってデズモンドの息子が通う名門イーデン校に養子を入学させる任務オペレーション〈梟〉を命じられる。それを遂行するため、黄昏は精神科医ロイド・フォージャーを名乗り、養子を探して孤児院でエスパーの少女アーニャと出会う。その後夫婦面接のため、殺し屋であるヨルと出会い、3人は互いの利益のために素性を隠しながら、即席家族としての生活をスタートさせる。
完全無欠のスパイである主人公が、利害の一致で作られた形式上の家族に振り回され感化されることで人間らしくなっていく様子が面白かった。スパイと殺し屋とエスパーという一見過剰なほどの設定の盛り込みだからこその、ドタバタコメディの勢いがあったと感じた。アニメから舞台まで幅広く展開されており、OP曲がかなり話題になっていた印象があり、特に曲は本作の内容を入れ込んで作られており、曲が作品の顔となるということを象徴していると思った。

10,『青のオーケストラ』著者: 阿久井真
かつてヴァイオリンのコンクールで数々の成績を収めていた少年・青野一は、プロヴァイオリニストの父親と母親の離婚等の事情によってヴァイオリンをやめていたが、ふとした切っ掛けで秋音律子と出会い一度はやめたヴァイオリンを再び弾き始める。その後2人は進学先の高校でオーケストラ部に入り、オーケストラの一員として演奏することになる。
ソロで演奏していた過去の苦しみを、オーケストラの一員として演奏する現在により乗り越えていく姿が印象的だった。父親のことを思い出したくなかったためヴァイオリンから距離をとっていた主人公が、律子と出会ったことにより再びヴァイオリンと向き合うことになり自分を見つめなおしていく姿に読者は感化されるのではないかと感じた。描写としては、特に演奏シーンの衝撃を受ける表現が漫画ならではのコマを流れていくような構成だと感じられた。
2023/09/22(金) 12:34 No.1970 EDIT DEL