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21.物語シリーズ
『友達を作れば人間強度が落ちる』と主張し落第生で問題児である本作品の主人公・阿良々木暦は吸血鬼である。高校3年生の春休み、伝説の吸血鬼であり怪異の王・キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードとであい吸血鬼となった。それ以来、色んな怪異と遭遇することになり、その影響は周囲にも及ぼすことになる。はたして阿良々木暦は人間に戻り高校を無事卒業することが出来るだろうか。
本作品は怪異とという不思議な存在と出会った一人高校生が様々な怪異と遭遇して起きる出来事を描いた作品である。毎回、新しい怪異が登場するため話数によって違う話の展開となって面白さをましていた。この作品は小説を原作として作られた作品である。小説の発売順でアニメを制作したが、原作の方は作中の時間帯の順序がバラバラに混ぜっている。そのため伏線を回収しながら見る面白さもある。制作会社独特の演出方法のおかげで怪異という奇怪な現象をより強調しながら作品の魅力を上げていると私は思う。
22.デス・パレード
ある二人は見知らぬ場所で目を覚ます。ここまで来るまでの記憶は曖昧でなぜ自分たちがこの場所で目を覚ましたのか分からなかった。そんな二人の前に白髪の謎の男が現れる。その男はここは「クイーンデキム」というbarで自分をバーテンダー「デキム」と紹介した。そしてこれから二人はゲームをしてもらうと誘う。しかし、そのゲームはデスゲームであり、ゲームが進むほど二人は曖昧であった記憶がどんどん思い出すことができた。実はこの二人はすでに死んでいてこのゲームの結果を「裁定者」であるバーテンダー「デキム」が裁定して地獄行きか否かを裁定してもらうことになる。ゲームの中で人間の本性が明らかになり自分の罪を見つめることになる。
本作品は人間世界とあの世の間に存在する裁定所「クイーンデキム」に訪れた死者の二人が生前の罪を見直し裁定してもらいこれからの行き先を裁定してもらう話である。しかし、その方法が二人のデスゲームで行うため公正とはとても言えないのがこの作品の魅力であると思う。罪と公正、この二つから生まれる矛盾を視聴者たちも一緒に考えることによって作品に夢中になれる要素として作用しているところがこの作品の魅力の一つであると私は思う。
23.恋は雨上がりのように
女子高生の中で陸上短距離有望株であった本作品の主人公・橘あきらは練習中の事故によってアキレス腱断裂という負傷を負い長い間走ることが出来なくなった。かなりのショックを受け途方に暮れていた橘は春雨は降っていたある日、偶然訪ねたファミリーレストランでそこの店長・近藤正己と出会う。雨やどりのため訪ねた橘に近藤はサービスとして温かいコーヒーと親切を与える。その優しさに心を奪われた橘がコーヒーを飲みほした頃、すでに外は晴れていた。その後、橘はそのファミリーレストランでアルバイトを始め28歳の年上の近藤への愛を少しずつ育んでいく。
本作品は夢を失い落ち込んでいた女子高生がある雨の日に訪ねたファミリーレストランでそこの28歳年上の店長に恋をしてしまい、その切ない話を描いている作品である。私が初めてこの作品を見たときには大人と高校生の恋物語というところで少し拒否感があった。しかし、実際見てみると普通の恋愛物語ではなく女子高生が店長への片想いの物語であり、店長の方はその姿を見るたびに自分の若いころを追憶し中年の歳にあらたな感情を学ぶ、感情線を細かく描写した物語であった。作画も綺麗でストーリも充実しているためまるで自分が恋をしているような感覚になる作品であった。
24.たまこまーけっと、たまこラブストーリー
うさぎ山商店街にある餅屋の娘・北白川たまこは、お餅と、生まれ育った商店街のことが大好きな高校1年生である。商店街が特に忙しくなる年末に突然、高飛車な一匹の鳥がやってくる。人の言葉を話すその鳥は、ひょんなことからたまこの言えに居候することになる。穏やかな日常を送っていたうさぎ山商店街の人たちはある日訪れた騒がしく不思議な鳥と一緒に騒がしい一年を送ることになる。
本作品は京都アニメーションが制作した日常系アニメーションである。なんの特別なことは起きなさそうな平和で普通な商店街に正体不明の人の言葉を話す不思議な鳥が訪れたことによってたまこの日常はいつもとは違いいろんな出来事が起こるようになる。その鳥は自分の国の王子の結婚相手を探すためにやって来たという。ありふれた日常の物語が人の言葉を話す鳥の存在によって普通ではなくなり飽きずに見やすい作品である。そして、この作品は続編があり、たまこと幼馴染である大路もち蔵とのラブストーリーを描いた作品がある。二人の家は彼女らが生まれる前からライバルの餅屋であり、そんな家柄の中で生まれた二人はいつも一緒であった。いつも一緒であったため感じることが出来なかった感情へと徐々に素直になり最後は付き合うことに成功する。このようにギャグ、日常、ラブコメ要素が混じり合った面白い作品であると私は思う。
25.月刊少女野崎くん
どこにもいる普通な女子高生「佐倉千代」16歳、彼女はある男子生徒に恋をしていた。その男子生徒は背が高くて印象はやや怖い「野崎梅太郎」16歳である。ある日、佐倉は勇気を振り絞って告白するのだが、緊張をしたせいかうまく思いを伝えることができず、なぜかサイン色紙を渡されてしまう。さらに言葉の撮り間違えから野崎の家に誘われた佐倉は、突然マンガの原稿を渡されマンガのアシスタントをさせられる。実は野崎は月刊マンガ雑誌で連載中の人気少女漫画家であった。日ごろから野崎のマンガを楽しく読んでいたが、そのマンガの作家が野崎であったことに驚きを隠せなかった。その後も野崎のマンガの手伝いをしながら佐倉は自分の気持ちを何とかして伝えようとする。
本作品は定番と言っても過言ではないラブコメジャンルの作品である。この作品の魅力と言えば勘違いから始まった二人の協力関係から生まれる出来事を面白く描いているところである。また、主人公の二人以外にも様々な魅力的なキャラクターのシナジー効果もあるためより作品を魅力的にしていると思う。
26.よふかしのうた
ある理由で毎晩眠れない日々が続いているコウは、ある夜こっそりと一人で外出をする。深夜、皆が眠りについている時間帯、いつも見ていた景色が一変しまるで別の世界に来たような感覚を味わっていたコウは吸血鬼の美少女である七草ナズナと出会う。コウは自由で楽しそうなナズナの姿を見て自分も吸血鬼になりたいと頼むが、それには吸血鬼に恋をする必要があった。しかし、コウは恋というものをしならい。恋を知らない不眠症の少年コウははたして自由奔放で意外と純粋な一面を持つ吸血鬼ナズナに恋をして吸血鬼になれるだろうか
本作品は夜でしか活動しないという特殊な条件の中で物語が展開していくため幻想的な雰囲気をだしているのか魅力である。学校にも行かず夜には眠れないコウの視点で夜でしか感じることができない不思議な気分、空気などを美しい背景作画で表しているため見る目も楽しかった。
27.声の形
小学校6年生である石田将也は退屈なことを一番嫌いな活気あふれる性格の男の子である。毎日友達と一緒に退屈さをなくすためにクラスメイトに意地悪くするなどの日常を送っていた。ある日、将也のクラスに西宮硝子という女の子が転校してきた。硝子は先天性の聴覚障害をもっていて、うまく言葉を聞き取ることや会話することが出来なかった。自己紹介の時にはノートに文字を書いてクラスメイトたちに仲良くなりたいという意思を伝えた。しかし、そんな硝子を変な子扱いし好奇心と退屈さをなくすため彼女を虐める将也。そのせいで学級会が開かれる事態にまで事が大きくなり、その場で責められた将也は逆にクラスメイトからの虐めの対象となり、硝子は転校をしてしまう。時はながれ高校生となった二人は偶然再会し、過去の清算のために将也は硝子と親交を深まろうとする。
本作品は小学生や小さい子供の間でよく起きる虐めという現象の被害者と被疑者の二人の再生物語である。将也は小学生の頃の事件以来クラスからはぐらかされ高校生のころ一度自殺を試みる。しかし、いざ自殺をしようとしたら過去の過ちを公開することになり硝子に罪滅ぼしのために親交を深める。そうすることによって次第に周りの人間関係も変わり将也は内面的な成長を遂げる物語である。本作品の魅力は聴覚障害者の苦しみや苦労をうまく表現したということである。それによって周りの反応や現状を上手く描いて見ている側を作品の中に引き込ませるのが一番の魅力である。
28.あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。
5年前までにはいつも仲が良かった6人の幼馴染たちは超平和バスターズという自分たちのグループ作りいつも冒険やくだらない遊びなどをして楽しく過ごしていた。しかし、ある日、グループの一人である本間芽衣子が事故によって死んでしまい他の5人は次第に距離が遠くなり超平和バスターズはバラバラになってしまう。グループのリーダー格であった宿海仁太はその事件で挫折をし登校を拒否し引きこもりになってしまう。ある日、仁太の前に死んだはずの芽衣子が現れる。幽霊として仁太の前に現れた芽衣子は仁太の目にしか見えない。仁太は芽衣子を成仏させるために芽衣子の願い事を手伝うことになる。その願い事は超平和バスターズが再び仲良くなり昔のように戻ること。そのために仁太の人生は少しずつ変わっていく。
本作品は死んだはずの友達が幽霊として現れ成仏させるために今までの自分を変化していきながら昔の関係を戻そうとする物語である。この作品の一番の魅力はやはり「感動」である。トラウマを抱えていたのは仁太一人だけではなかった他の4人も各々思うところがあり、そのせいで彼らの時間は5年前のあの頃に止まっていた。しかし、幽霊として現れた友達の願いを叶い成仏させようと努力し昔のあの頃に戻ろうとするストーリーが実に感動的であった。涙を流したいと思っている人にはぜひおすすめする作品である。
29.D.P
いつもバイトをしながらお金を稼いでいる本作品の主人公・アン・シュノ。彼は家庭暴力を振る舞う父親とは仲が悪く母親とは気まずい関係である。ある日、突然アン・ジュノは軍隊へ入隊することになる。厳しい基礎訓練を終え配置された部隊は憲兵団。しかし、そこは上官は暴力を振る舞いそれが当たり前のようになっている憲兵とは思えない場所であった。ある日、上官の目についてしまい部隊内で脱走した脱走兵を捕まる軍人「D.P(Deserter Pursuit)」として任務をすることになる。脱走兵には色んな事情があり、虐めを耐えられず脱走をしたり、家の家族が心配で脱走するなど理由も様々である。しかし、アン・ジュノはそのような彼らを捕まらなければならない立場である。色んな脱走兵を追い続けながら彼は今まで知らなかった自分の感情と内面的な成長をしていく。
本作品は韓国の昔の軍隊の実態を批判しつつ今現状もなおよくなったとは言えない韓国軍隊の実情を表している作品である。主人公のアン・ジュノはそのような軍隊の中での生活耐えられず脱走を試みる兵士を捕まる兵士という設定であるため色んな事件をど真ん中から見れるところがこの作品の魅力の一つである。私は兵役の義務を終えているためすでに経験済みではあるが、私が勤務していた部隊は作中のように酷くはなかった。しかし、今現在も脱走兵が完全になくなったのではないため、その理由ももう一度考え直す必要があると私たちに伝えているような作品であった。
30.とらドラ
生まれつきの鋭い目つきが災いして、まわりには不良だと勘違いされている本作品の主人公・高須竜児は、高校2年に進級した春、新しいクラスで1人の少女に出会う。 彼女は、超ミニマムな身長の美少女でありながら、ワガママで短気・暴れ始めたら誰にも手が付けられない通称“手乗りタイガー”と呼ばれる逢坂大河であった。ある日、竜児はタイガーから自分が好きな人であり竜児の親友である北村祐作に告白するための協力を頼むことになる。逆に竜児の方からはタイガーの親友である櫛枝美乃梨に告白するための協力を頼むことになる。こうして学校で不良と呼ばれる二人は互いの恋の手伝いのために一時的な同盟関係を結びながら学校生活は始まる。
本作品はラブコメアニメーションの教科書と呼ばれるほどラブコメアニメーションとしての要素がしっかりと入れ込まれている。そのため、ありふれた作品のように感じるかもしれないが独特な人間関係の構図や心理描写、事件を基に作品の魅力を増していると思う。10年も過ぎている作品でありながらアニメーションファンたちの中で何度も言及されるほど作品の完成度はラブコメアニメーションの中でも高い方であると私は思う。
『友達を作れば人間強度が落ちる』と主張し落第生で問題児である本作品の主人公・阿良々木暦は吸血鬼である。高校3年生の春休み、伝説の吸血鬼であり怪異の王・キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードとであい吸血鬼となった。それ以来、色んな怪異と遭遇することになり、その影響は周囲にも及ぼすことになる。はたして阿良々木暦は人間に戻り高校を無事卒業することが出来るだろうか。
本作品は怪異とという不思議な存在と出会った一人高校生が様々な怪異と遭遇して起きる出来事を描いた作品である。毎回、新しい怪異が登場するため話数によって違う話の展開となって面白さをましていた。この作品は小説を原作として作られた作品である。小説の発売順でアニメを制作したが、原作の方は作中の時間帯の順序がバラバラに混ぜっている。そのため伏線を回収しながら見る面白さもある。制作会社独特の演出方法のおかげで怪異という奇怪な現象をより強調しながら作品の魅力を上げていると私は思う。
22.デス・パレード
ある二人は見知らぬ場所で目を覚ます。ここまで来るまでの記憶は曖昧でなぜ自分たちがこの場所で目を覚ましたのか分からなかった。そんな二人の前に白髪の謎の男が現れる。その男はここは「クイーンデキム」というbarで自分をバーテンダー「デキム」と紹介した。そしてこれから二人はゲームをしてもらうと誘う。しかし、そのゲームはデスゲームであり、ゲームが進むほど二人は曖昧であった記憶がどんどん思い出すことができた。実はこの二人はすでに死んでいてこのゲームの結果を「裁定者」であるバーテンダー「デキム」が裁定して地獄行きか否かを裁定してもらうことになる。ゲームの中で人間の本性が明らかになり自分の罪を見つめることになる。
本作品は人間世界とあの世の間に存在する裁定所「クイーンデキム」に訪れた死者の二人が生前の罪を見直し裁定してもらいこれからの行き先を裁定してもらう話である。しかし、その方法が二人のデスゲームで行うため公正とはとても言えないのがこの作品の魅力であると思う。罪と公正、この二つから生まれる矛盾を視聴者たちも一緒に考えることによって作品に夢中になれる要素として作用しているところがこの作品の魅力の一つであると私は思う。
23.恋は雨上がりのように
女子高生の中で陸上短距離有望株であった本作品の主人公・橘あきらは練習中の事故によってアキレス腱断裂という負傷を負い長い間走ることが出来なくなった。かなりのショックを受け途方に暮れていた橘は春雨は降っていたある日、偶然訪ねたファミリーレストランでそこの店長・近藤正己と出会う。雨やどりのため訪ねた橘に近藤はサービスとして温かいコーヒーと親切を与える。その優しさに心を奪われた橘がコーヒーを飲みほした頃、すでに外は晴れていた。その後、橘はそのファミリーレストランでアルバイトを始め28歳の年上の近藤への愛を少しずつ育んでいく。
本作品は夢を失い落ち込んでいた女子高生がある雨の日に訪ねたファミリーレストランでそこの28歳年上の店長に恋をしてしまい、その切ない話を描いている作品である。私が初めてこの作品を見たときには大人と高校生の恋物語というところで少し拒否感があった。しかし、実際見てみると普通の恋愛物語ではなく女子高生が店長への片想いの物語であり、店長の方はその姿を見るたびに自分の若いころを追憶し中年の歳にあらたな感情を学ぶ、感情線を細かく描写した物語であった。作画も綺麗でストーリも充実しているためまるで自分が恋をしているような感覚になる作品であった。
24.たまこまーけっと、たまこラブストーリー
うさぎ山商店街にある餅屋の娘・北白川たまこは、お餅と、生まれ育った商店街のことが大好きな高校1年生である。商店街が特に忙しくなる年末に突然、高飛車な一匹の鳥がやってくる。人の言葉を話すその鳥は、ひょんなことからたまこの言えに居候することになる。穏やかな日常を送っていたうさぎ山商店街の人たちはある日訪れた騒がしく不思議な鳥と一緒に騒がしい一年を送ることになる。
本作品は京都アニメーションが制作した日常系アニメーションである。なんの特別なことは起きなさそうな平和で普通な商店街に正体不明の人の言葉を話す不思議な鳥が訪れたことによってたまこの日常はいつもとは違いいろんな出来事が起こるようになる。その鳥は自分の国の王子の結婚相手を探すためにやって来たという。ありふれた日常の物語が人の言葉を話す鳥の存在によって普通ではなくなり飽きずに見やすい作品である。そして、この作品は続編があり、たまこと幼馴染である大路もち蔵とのラブストーリーを描いた作品がある。二人の家は彼女らが生まれる前からライバルの餅屋であり、そんな家柄の中で生まれた二人はいつも一緒であった。いつも一緒であったため感じることが出来なかった感情へと徐々に素直になり最後は付き合うことに成功する。このようにギャグ、日常、ラブコメ要素が混じり合った面白い作品であると私は思う。
25.月刊少女野崎くん
どこにもいる普通な女子高生「佐倉千代」16歳、彼女はある男子生徒に恋をしていた。その男子生徒は背が高くて印象はやや怖い「野崎梅太郎」16歳である。ある日、佐倉は勇気を振り絞って告白するのだが、緊張をしたせいかうまく思いを伝えることができず、なぜかサイン色紙を渡されてしまう。さらに言葉の撮り間違えから野崎の家に誘われた佐倉は、突然マンガの原稿を渡されマンガのアシスタントをさせられる。実は野崎は月刊マンガ雑誌で連載中の人気少女漫画家であった。日ごろから野崎のマンガを楽しく読んでいたが、そのマンガの作家が野崎であったことに驚きを隠せなかった。その後も野崎のマンガの手伝いをしながら佐倉は自分の気持ちを何とかして伝えようとする。
本作品は定番と言っても過言ではないラブコメジャンルの作品である。この作品の魅力と言えば勘違いから始まった二人の協力関係から生まれる出来事を面白く描いているところである。また、主人公の二人以外にも様々な魅力的なキャラクターのシナジー効果もあるためより作品を魅力的にしていると思う。
26.よふかしのうた
ある理由で毎晩眠れない日々が続いているコウは、ある夜こっそりと一人で外出をする。深夜、皆が眠りについている時間帯、いつも見ていた景色が一変しまるで別の世界に来たような感覚を味わっていたコウは吸血鬼の美少女である七草ナズナと出会う。コウは自由で楽しそうなナズナの姿を見て自分も吸血鬼になりたいと頼むが、それには吸血鬼に恋をする必要があった。しかし、コウは恋というものをしならい。恋を知らない不眠症の少年コウははたして自由奔放で意外と純粋な一面を持つ吸血鬼ナズナに恋をして吸血鬼になれるだろうか
本作品は夜でしか活動しないという特殊な条件の中で物語が展開していくため幻想的な雰囲気をだしているのか魅力である。学校にも行かず夜には眠れないコウの視点で夜でしか感じることができない不思議な気分、空気などを美しい背景作画で表しているため見る目も楽しかった。
27.声の形
小学校6年生である石田将也は退屈なことを一番嫌いな活気あふれる性格の男の子である。毎日友達と一緒に退屈さをなくすためにクラスメイトに意地悪くするなどの日常を送っていた。ある日、将也のクラスに西宮硝子という女の子が転校してきた。硝子は先天性の聴覚障害をもっていて、うまく言葉を聞き取ることや会話することが出来なかった。自己紹介の時にはノートに文字を書いてクラスメイトたちに仲良くなりたいという意思を伝えた。しかし、そんな硝子を変な子扱いし好奇心と退屈さをなくすため彼女を虐める将也。そのせいで学級会が開かれる事態にまで事が大きくなり、その場で責められた将也は逆にクラスメイトからの虐めの対象となり、硝子は転校をしてしまう。時はながれ高校生となった二人は偶然再会し、過去の清算のために将也は硝子と親交を深まろうとする。
本作品は小学生や小さい子供の間でよく起きる虐めという現象の被害者と被疑者の二人の再生物語である。将也は小学生の頃の事件以来クラスからはぐらかされ高校生のころ一度自殺を試みる。しかし、いざ自殺をしようとしたら過去の過ちを公開することになり硝子に罪滅ぼしのために親交を深める。そうすることによって次第に周りの人間関係も変わり将也は内面的な成長を遂げる物語である。本作品の魅力は聴覚障害者の苦しみや苦労をうまく表現したということである。それによって周りの反応や現状を上手く描いて見ている側を作品の中に引き込ませるのが一番の魅力である。
28.あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。
5年前までにはいつも仲が良かった6人の幼馴染たちは超平和バスターズという自分たちのグループ作りいつも冒険やくだらない遊びなどをして楽しく過ごしていた。しかし、ある日、グループの一人である本間芽衣子が事故によって死んでしまい他の5人は次第に距離が遠くなり超平和バスターズはバラバラになってしまう。グループのリーダー格であった宿海仁太はその事件で挫折をし登校を拒否し引きこもりになってしまう。ある日、仁太の前に死んだはずの芽衣子が現れる。幽霊として仁太の前に現れた芽衣子は仁太の目にしか見えない。仁太は芽衣子を成仏させるために芽衣子の願い事を手伝うことになる。その願い事は超平和バスターズが再び仲良くなり昔のように戻ること。そのために仁太の人生は少しずつ変わっていく。
本作品は死んだはずの友達が幽霊として現れ成仏させるために今までの自分を変化していきながら昔の関係を戻そうとする物語である。この作品の一番の魅力はやはり「感動」である。トラウマを抱えていたのは仁太一人だけではなかった他の4人も各々思うところがあり、そのせいで彼らの時間は5年前のあの頃に止まっていた。しかし、幽霊として現れた友達の願いを叶い成仏させようと努力し昔のあの頃に戻ろうとするストーリーが実に感動的であった。涙を流したいと思っている人にはぜひおすすめする作品である。
29.D.P
いつもバイトをしながらお金を稼いでいる本作品の主人公・アン・シュノ。彼は家庭暴力を振る舞う父親とは仲が悪く母親とは気まずい関係である。ある日、突然アン・ジュノは軍隊へ入隊することになる。厳しい基礎訓練を終え配置された部隊は憲兵団。しかし、そこは上官は暴力を振る舞いそれが当たり前のようになっている憲兵とは思えない場所であった。ある日、上官の目についてしまい部隊内で脱走した脱走兵を捕まる軍人「D.P(Deserter Pursuit)」として任務をすることになる。脱走兵には色んな事情があり、虐めを耐えられず脱走をしたり、家の家族が心配で脱走するなど理由も様々である。しかし、アン・ジュノはそのような彼らを捕まらなければならない立場である。色んな脱走兵を追い続けながら彼は今まで知らなかった自分の感情と内面的な成長をしていく。
本作品は韓国の昔の軍隊の実態を批判しつつ今現状もなおよくなったとは言えない韓国軍隊の実情を表している作品である。主人公のアン・ジュノはそのような軍隊の中での生活耐えられず脱走を試みる兵士を捕まる兵士という設定であるため色んな事件をど真ん中から見れるところがこの作品の魅力の一つである。私は兵役の義務を終えているためすでに経験済みではあるが、私が勤務していた部隊は作中のように酷くはなかった。しかし、今現在も脱走兵が完全になくなったのではないため、その理由ももう一度考え直す必要があると私たちに伝えているような作品であった。
30.とらドラ
生まれつきの鋭い目つきが災いして、まわりには不良だと勘違いされている本作品の主人公・高須竜児は、高校2年に進級した春、新しいクラスで1人の少女に出会う。 彼女は、超ミニマムな身長の美少女でありながら、ワガママで短気・暴れ始めたら誰にも手が付けられない通称“手乗りタイガー”と呼ばれる逢坂大河であった。ある日、竜児はタイガーから自分が好きな人であり竜児の親友である北村祐作に告白するための協力を頼むことになる。逆に竜児の方からはタイガーの親友である櫛枝美乃梨に告白するための協力を頼むことになる。こうして学校で不良と呼ばれる二人は互いの恋の手伝いのために一時的な同盟関係を結びながら学校生活は始まる。
本作品はラブコメアニメーションの教科書と呼ばれるほどラブコメアニメーションとしての要素がしっかりと入れ込まれている。そのため、ありふれた作品のように感じるかもしれないが独特な人間関係の構図や心理描写、事件を基に作品の魅力を増していると思う。10年も過ぎている作品でありながらアニメーションファンたちの中で何度も言及されるほど作品の完成度はラブコメアニメーションの中でも高い方であると私は思う。
11.僕のヒーローアカデミア
世界総人口の約8割が超常能力「個性」を世界観。その個性を悪用し犯罪に利用する「ヴィラン」の登場によって「ヒーロー」という職業が生まれた。本作品の主人公である緑谷出久は個性を持たない側であった。しかし、ヒーローへの憧れを捨てきれなかった彼はいつもヒーローの活動を眺めならヒーローになるという夢を見続ける。しかし、個性を持たない人間はヒーローにはなれないという認識があったため彼の夢は折れかけていた。ある日、No.1ヒーロ―「オールマイト」のおかげで個性を与えられて奇跡的に彼はヒーローへの夢の第一歩を踏み出すことが出来た。本作品は個性を持たなかった緑谷出久が最高のヒーローになるまでの物語を描いた作品である。
本作品の最大の魅力は様々な個性が存在する世界観であるため色んな個性を持つキャラクターとその中でどんどん成長していく主人公の姿を一緒に見守ることが出来るというところである。少年漫画の特徴の一つである成長と勧善懲悪の物語であるが、もう一つの特徴としては本作品に登場するヴィランたちの集まりである「ヴィラン連合」の一つであると思う。普通の悪党は純粋悪で過ぎないためあまり特徴がないかもしれないが、本作品で登場するヴィラン連合は彼らなりの大義を持ちヒーロー社会への不満を見ている側の私たちに納得がいけるような理由で悪行を行っている。このような存在のおかげで普通のヒーロー物とは違いより色濃い特徴を持つことが出来たのが本作品の魅力であると思う。
12.きっと、うまくいく
この映画は2009年に公開されたインド映画である。インド最高の工学大学に通うランチョー、ファルハーン、ラージュー。この三人はいつも大学内で騒ぎを起こしながら最高の工学大学生とは思えないくらいの悲惨な成績であった。しかし、ランチョーは二人とは違い勉強好きで何事にも疑問や好奇心をあらわした。「人生は競争」という信念を持つ大学の学長とはいつも意見が衝突し大学内の問題児とされていた。このような3人は映画のタイトル通りに「何事もきっとうまくいく」と思い楽しく大学生活を送る。
この映画は私が初めて見たインド映画作品である。学歴社会が激しい世の中で勉学を行うことの中で学歴を上げることよりもっと大事なことは何なのかを教えてくれる作品である。最初は単なるコメディ映画だと思っていたが最後は現代社会に生きている私たちに必要な教訓を与えてくれて色々と考えるようにしてくれた作品であった。
13.Fate/Stay night Unlimited Blade Works
手にした者の願いを何でも叶えると言われている万能の願望機「聖杯」。それを手に入れるため7人の魔術師が各々の7人のサーバントを召還し契約を結び壮絶な戦いを広げる。この戦いを「聖杯戦争」と呼び過去を含めて5回目の戦争となる。この戦争に偶然巻き込まれた一人の高校生、衛宮しろうと彼のサーバント「セイバー」の物語である。
この作品の一番の魅力は広大な世界観である。普通、このような世界観をもつ作品は設定の崩壊や物語が進めれば進むほど物語の結末があやふやになりがちである。しかし、この作品はこのような世界観を精密な伏線、回収を行いより世界観を頑丈にしている。また、本作品を制作した制作会社は鬼滅の刃を制作した会社であるため高いレベル作画、戦闘シーンを作り上げている。そのため見るたびに驚かされ見る目を楽しませてくれる。クオリティーの高いアクションアニメが見たい人におススメする作品である。
14.ヴァイオレット・エヴァーガーデン
激しい戦争のせいで幼いころ親をなくし孤児となった一人の少女「ヴァイオレット」。彼女は軍人に拾われて感情を持たない兵器として育てられる。ある激しい戦闘が行われた日、自分を引き取って切れた上官からの遺言として「愛してる」と言われ別れることになる。「愛してる」という言葉の意味を分からなかったヴァイオレットは戦後、文字を書けない人たちのために手紙を代筆する「自動手記人形」として働くことになる。人の心を文字にする、愛をしるために。
本作品は戦争で両手をなくした感情を持たない戦争兵器であるヴァイオレットが「愛してる」の意味をしるために人の心を文字にする代筆の仕事をし、「人」として成長する物語である。かつては人の命を奪い血にまみれた熱い両手は、冷たい機械の手となって人の心を伝える仕事をすることになる。その中で色んな感情を知り「愛してる」には色んな形があることを知ることになる。本作品を見ると心が温かくなり日々成長していくヴァイオレットを見ながら見る自身も一緒に成長するような気分になれる作品であると思う。
15.Shirobako
上山高校アニメーション同好会に所属している本作品の主人公である宮森あおいを含め5人の娘たちは、学園祭で自主制作アニメーションを発表し、卒業後いつかもう一度、共に商業アニメーションを作ろうと約束をする。その2年半後、アニメーション制作会社「武蔵野アニメーション」に制作進行として就職したあおいは多忙な日々を過ごしていた。しかし、そういう宮森を嘲笑うかのように、次々とトラブルが発生する。予想通りに上がらない原画、いきなりのリクエストを要求する監督、社内での人間関係によるトラブルなどを乗り越えながら成長していく。
本作品はP.A. WORKSの働く女の子シリーズで2番目の作品である。この作品の主人公は他のアニメーションの主人公とは異なる、社会に出たばかりの社会人を主人公にしてアニメ業界で働く苦労と楽しみ、そしてアニメーションがどうやって作られるのかを様々パートに分けて教えてくれる。これは主人公の宮森あおいがアニメ制作のほぼすべてのパートにかかわる「制作進行」という職業であるから可能な物語の進め方だと思う。過度な仕事のせいで倒れてしまったアニメーター、役を取るためにものすごく努力する新人声優などこの作品ではアニメ業界のいいところだけを描いてはいない。逆に言うと、これがこの作品が好評を受けた理由だと思う。実際に業界で従事している人たちからも、「実際にこんな無茶をいう監督もいる」とか「太郎くらいの制作進行は現実では優秀なくらいだ」と色んな感想がある。この作品はアニメ業界で働きたい人だけではなく、今現在、自分の夢をはっきりと分からず彷徨っている中・高校生や大学生に希望と夢をもたらしてくれる、実に素晴らしい作品だと思う。主人公たちと一緒にアニメーションを作りながら泣いて笑える、この作品をぜひ一回は見てみてほしい。
16.暗殺教室
進学校である名門中学校「椚ヶ丘中学校」。この学校の3年E組には重大な秘密がある。この教室で教えているのは「暗殺」、そして、そのターゲットは3年E組の担任の先生である。3年E組の担任は人間ではない。ぬるぬるとしたタコのような形をしている超生物である。ある日、月の3割が破壊され、その犯人は自分だと主張する超生物は1年以内に3年E組の生徒が自分を殺せないとしたら地球を破壊すると宣言する。3年E組の生徒は訳も分からないまま暗殺の技術を教えて貰い超生物の担任をころすための勉強を始める。
本作品は進学校である椚ヶ丘中学校で成績及び不良学生たちが集められた教室である。彼らは学校の中では負け組とされ何もかも諦めた自暴自棄となっていた。そのようなクラスに突然、超生物が自分たちの担任となり担任を殺すとんでもない状況に陥る。このようなあり得ない状況の中、ターゲットである超生物に暗殺を教えてもらうなか様々な教訓を教えて貰い人生の中で二度とない大切な経験をすることになる。彼らは暗殺という特殊な状況の中で教育を受け、成長することになる。私はこの作品を見ながらいくつかの教訓を得ることができ作品の主人公たちと一緒に成長できたような気分になったのである。
17.クラナド
進学校に通う本作品の主人公・岡崎朋也は無気力な毎日を送っている。毎日同じ出来事の繰り返し。家には昔妻をなくし酒とギャンブルに中毒し自暴自棄となった父親しかいない。学校ではいつも授業をさぼったり欠席したりしたせいで生徒の間では不良とされていた。周りの皆のように学校生活を送れず行内では浮いた存在として日々を過ごしている。ある日、岡崎は通学路の前で「あんぱん」と独り言をつぶやいている少女・古河渚と出会う。この出会いをきっかけに止まっていた岡崎の学校生活は動き出し彼女と共に成長していく学園生活物語である。
この二人は2期に入って学校を卒業し結婚することになり、娘を生むことになる。本作品は学園生活を送る中で様々な不思議な出来事に出会いそこで成長する。この作品の一番のテーマは家族である。家族の愛を知らずに育っていた岡崎は家族の愛の中で暮らしている古河と過ごす中で人間として成長を遂げ、最後は自分も家族を作ることになる。「家族」というのは全世界で通用する概念であり、そのため多くの人々から共感を得ることができる作品であると私は思う。
18.デスノート
文武両道、成績優秀の天才高校生である本作品の主人公・夜神ライトは世の中が退屈であった。ある日、そらから一冊の本が落ちるところを見かけたライトはその本を持ち帰ることになる。そのノートは名前を書くと名前を書かれた人は必ず死ぬ謎のノートであった。ライトはそのノートを使い犯罪者を自ら処罰し、正義な世界、新世界を作ることを決心する。しかし、そのようなライトを捕まえるために世界的名探偵・Lが登場し、お互い違う正義をもつ二人の対立が始まる。
本作品は正しい正義とは何かを見ている人たちに質問しているように感じていた。主人公である夜神ライトは最初の頃は単に犯罪者を処罰するところに済んでいた。しかし、Lという存在が現れることによって自分が正義で邪魔をする人を「悪」だと判断し殺し始める。これに対抗するLもまた完全なる正義とは言えない。なぜなら、自分が悪だと思っている夜神ライトを捕まえるために犯罪者を利用し、拉致、監禁なども行ってしまうからである。このように互いが違う信念・正義を持つ二人の頭脳戦そして、そこから生まれる正義という概念の考え直しを見られるのがこの作品の魅力だと言えるのである。
19.進撃の巨人
この世界は壁に囲まれて人間たちが暮らしている。その壁は外からの脅威、巨人からの脅威を守るために立てれた高い壁である。巨人は人間を殺し、食べる。その正体をいまだに突き止めることが出来なった人類は壁の中で100年間の平和を保っていた。しかし、ある日、50メートルを超える超大型巨人の出現により100年間の平和は破られる。その時、本作品の主人公・エレン・イェーガーは巨人の襲撃によって母親を亡くす。巨人をすべて殺すためにエレンは訓練兵に志願し、唯一壁外に調査を出る調査兵団に入ることになる。
この作品を初めて見たのは2013年、私が小学校6年生の頃であった。最初は驚く限りであった。今まで見てきた作品とは全く違う設定、演出、ストーリ、当時小学生であった私にとっては少なからず衝撃を与えてくれた。後半に行くと世界観が拡張されより面白さを増していた。日本のテレビアニメーション歴史にとって大きな影響を及ぼした作品であると私は思う。
20.ReLIFE
本作品の主人公・海崎新太は新卒で入社した会社を三ヶ月で退社することになる。その後の就活もうまく行かずニートとして生活していた。そのせいで田舎の両親から戻ることを迫られる。途方に暮れる海崎の前に夜明了と名乗る正装姿の謎の男が現れる。夜明はニートを対象にした社会復帰プログラム「リライフ」への参加を持ち掛けてきた。そのプログラムは謎の秘薬を飲むことで記憶はそのままで見た目だけが若返りその姿で1年間高校生として高校に通うことであった。27歳で無職である海崎の人生ははたして変えられるだろうか。
本作品は社会人であった大人の海崎が謎の薬を飲むことによって1年間高校生活をやり直すことを描いた作品である。その生活を通じて高校生の当時には感じることが出来なかった様々な感情や考え方、新たに自分への自信感を得ることができ成長していく。時々私も高校生の頃を追憶しながら後悔することもあるため、この作品を見ながら色々と考えることになったのである。面白さ、感動を両方持ついい作品であると私は思う。
世界総人口の約8割が超常能力「個性」を世界観。その個性を悪用し犯罪に利用する「ヴィラン」の登場によって「ヒーロー」という職業が生まれた。本作品の主人公である緑谷出久は個性を持たない側であった。しかし、ヒーローへの憧れを捨てきれなかった彼はいつもヒーローの活動を眺めならヒーローになるという夢を見続ける。しかし、個性を持たない人間はヒーローにはなれないという認識があったため彼の夢は折れかけていた。ある日、No.1ヒーロ―「オールマイト」のおかげで個性を与えられて奇跡的に彼はヒーローへの夢の第一歩を踏み出すことが出来た。本作品は個性を持たなかった緑谷出久が最高のヒーローになるまでの物語を描いた作品である。
本作品の最大の魅力は様々な個性が存在する世界観であるため色んな個性を持つキャラクターとその中でどんどん成長していく主人公の姿を一緒に見守ることが出来るというところである。少年漫画の特徴の一つである成長と勧善懲悪の物語であるが、もう一つの特徴としては本作品に登場するヴィランたちの集まりである「ヴィラン連合」の一つであると思う。普通の悪党は純粋悪で過ぎないためあまり特徴がないかもしれないが、本作品で登場するヴィラン連合は彼らなりの大義を持ちヒーロー社会への不満を見ている側の私たちに納得がいけるような理由で悪行を行っている。このような存在のおかげで普通のヒーロー物とは違いより色濃い特徴を持つことが出来たのが本作品の魅力であると思う。
12.きっと、うまくいく
この映画は2009年に公開されたインド映画である。インド最高の工学大学に通うランチョー、ファルハーン、ラージュー。この三人はいつも大学内で騒ぎを起こしながら最高の工学大学生とは思えないくらいの悲惨な成績であった。しかし、ランチョーは二人とは違い勉強好きで何事にも疑問や好奇心をあらわした。「人生は競争」という信念を持つ大学の学長とはいつも意見が衝突し大学内の問題児とされていた。このような3人は映画のタイトル通りに「何事もきっとうまくいく」と思い楽しく大学生活を送る。
この映画は私が初めて見たインド映画作品である。学歴社会が激しい世の中で勉学を行うことの中で学歴を上げることよりもっと大事なことは何なのかを教えてくれる作品である。最初は単なるコメディ映画だと思っていたが最後は現代社会に生きている私たちに必要な教訓を与えてくれて色々と考えるようにしてくれた作品であった。
13.Fate/Stay night Unlimited Blade Works
手にした者の願いを何でも叶えると言われている万能の願望機「聖杯」。それを手に入れるため7人の魔術師が各々の7人のサーバントを召還し契約を結び壮絶な戦いを広げる。この戦いを「聖杯戦争」と呼び過去を含めて5回目の戦争となる。この戦争に偶然巻き込まれた一人の高校生、衛宮しろうと彼のサーバント「セイバー」の物語である。
この作品の一番の魅力は広大な世界観である。普通、このような世界観をもつ作品は設定の崩壊や物語が進めれば進むほど物語の結末があやふやになりがちである。しかし、この作品はこのような世界観を精密な伏線、回収を行いより世界観を頑丈にしている。また、本作品を制作した制作会社は鬼滅の刃を制作した会社であるため高いレベル作画、戦闘シーンを作り上げている。そのため見るたびに驚かされ見る目を楽しませてくれる。クオリティーの高いアクションアニメが見たい人におススメする作品である。
14.ヴァイオレット・エヴァーガーデン
激しい戦争のせいで幼いころ親をなくし孤児となった一人の少女「ヴァイオレット」。彼女は軍人に拾われて感情を持たない兵器として育てられる。ある激しい戦闘が行われた日、自分を引き取って切れた上官からの遺言として「愛してる」と言われ別れることになる。「愛してる」という言葉の意味を分からなかったヴァイオレットは戦後、文字を書けない人たちのために手紙を代筆する「自動手記人形」として働くことになる。人の心を文字にする、愛をしるために。
本作品は戦争で両手をなくした感情を持たない戦争兵器であるヴァイオレットが「愛してる」の意味をしるために人の心を文字にする代筆の仕事をし、「人」として成長する物語である。かつては人の命を奪い血にまみれた熱い両手は、冷たい機械の手となって人の心を伝える仕事をすることになる。その中で色んな感情を知り「愛してる」には色んな形があることを知ることになる。本作品を見ると心が温かくなり日々成長していくヴァイオレットを見ながら見る自身も一緒に成長するような気分になれる作品であると思う。
15.Shirobako
上山高校アニメーション同好会に所属している本作品の主人公である宮森あおいを含め5人の娘たちは、学園祭で自主制作アニメーションを発表し、卒業後いつかもう一度、共に商業アニメーションを作ろうと約束をする。その2年半後、アニメーション制作会社「武蔵野アニメーション」に制作進行として就職したあおいは多忙な日々を過ごしていた。しかし、そういう宮森を嘲笑うかのように、次々とトラブルが発生する。予想通りに上がらない原画、いきなりのリクエストを要求する監督、社内での人間関係によるトラブルなどを乗り越えながら成長していく。
本作品はP.A. WORKSの働く女の子シリーズで2番目の作品である。この作品の主人公は他のアニメーションの主人公とは異なる、社会に出たばかりの社会人を主人公にしてアニメ業界で働く苦労と楽しみ、そしてアニメーションがどうやって作られるのかを様々パートに分けて教えてくれる。これは主人公の宮森あおいがアニメ制作のほぼすべてのパートにかかわる「制作進行」という職業であるから可能な物語の進め方だと思う。過度な仕事のせいで倒れてしまったアニメーター、役を取るためにものすごく努力する新人声優などこの作品ではアニメ業界のいいところだけを描いてはいない。逆に言うと、これがこの作品が好評を受けた理由だと思う。実際に業界で従事している人たちからも、「実際にこんな無茶をいう監督もいる」とか「太郎くらいの制作進行は現実では優秀なくらいだ」と色んな感想がある。この作品はアニメ業界で働きたい人だけではなく、今現在、自分の夢をはっきりと分からず彷徨っている中・高校生や大学生に希望と夢をもたらしてくれる、実に素晴らしい作品だと思う。主人公たちと一緒にアニメーションを作りながら泣いて笑える、この作品をぜひ一回は見てみてほしい。
16.暗殺教室
進学校である名門中学校「椚ヶ丘中学校」。この学校の3年E組には重大な秘密がある。この教室で教えているのは「暗殺」、そして、そのターゲットは3年E組の担任の先生である。3年E組の担任は人間ではない。ぬるぬるとしたタコのような形をしている超生物である。ある日、月の3割が破壊され、その犯人は自分だと主張する超生物は1年以内に3年E組の生徒が自分を殺せないとしたら地球を破壊すると宣言する。3年E組の生徒は訳も分からないまま暗殺の技術を教えて貰い超生物の担任をころすための勉強を始める。
本作品は進学校である椚ヶ丘中学校で成績及び不良学生たちが集められた教室である。彼らは学校の中では負け組とされ何もかも諦めた自暴自棄となっていた。そのようなクラスに突然、超生物が自分たちの担任となり担任を殺すとんでもない状況に陥る。このようなあり得ない状況の中、ターゲットである超生物に暗殺を教えてもらうなか様々な教訓を教えて貰い人生の中で二度とない大切な経験をすることになる。彼らは暗殺という特殊な状況の中で教育を受け、成長することになる。私はこの作品を見ながらいくつかの教訓を得ることができ作品の主人公たちと一緒に成長できたような気分になったのである。
17.クラナド
進学校に通う本作品の主人公・岡崎朋也は無気力な毎日を送っている。毎日同じ出来事の繰り返し。家には昔妻をなくし酒とギャンブルに中毒し自暴自棄となった父親しかいない。学校ではいつも授業をさぼったり欠席したりしたせいで生徒の間では不良とされていた。周りの皆のように学校生活を送れず行内では浮いた存在として日々を過ごしている。ある日、岡崎は通学路の前で「あんぱん」と独り言をつぶやいている少女・古河渚と出会う。この出会いをきっかけに止まっていた岡崎の学校生活は動き出し彼女と共に成長していく学園生活物語である。
この二人は2期に入って学校を卒業し結婚することになり、娘を生むことになる。本作品は学園生活を送る中で様々な不思議な出来事に出会いそこで成長する。この作品の一番のテーマは家族である。家族の愛を知らずに育っていた岡崎は家族の愛の中で暮らしている古河と過ごす中で人間として成長を遂げ、最後は自分も家族を作ることになる。「家族」というのは全世界で通用する概念であり、そのため多くの人々から共感を得ることができる作品であると私は思う。
18.デスノート
文武両道、成績優秀の天才高校生である本作品の主人公・夜神ライトは世の中が退屈であった。ある日、そらから一冊の本が落ちるところを見かけたライトはその本を持ち帰ることになる。そのノートは名前を書くと名前を書かれた人は必ず死ぬ謎のノートであった。ライトはそのノートを使い犯罪者を自ら処罰し、正義な世界、新世界を作ることを決心する。しかし、そのようなライトを捕まえるために世界的名探偵・Lが登場し、お互い違う正義をもつ二人の対立が始まる。
本作品は正しい正義とは何かを見ている人たちに質問しているように感じていた。主人公である夜神ライトは最初の頃は単に犯罪者を処罰するところに済んでいた。しかし、Lという存在が現れることによって自分が正義で邪魔をする人を「悪」だと判断し殺し始める。これに対抗するLもまた完全なる正義とは言えない。なぜなら、自分が悪だと思っている夜神ライトを捕まえるために犯罪者を利用し、拉致、監禁なども行ってしまうからである。このように互いが違う信念・正義を持つ二人の頭脳戦そして、そこから生まれる正義という概念の考え直しを見られるのがこの作品の魅力だと言えるのである。
19.進撃の巨人
この世界は壁に囲まれて人間たちが暮らしている。その壁は外からの脅威、巨人からの脅威を守るために立てれた高い壁である。巨人は人間を殺し、食べる。その正体をいまだに突き止めることが出来なった人類は壁の中で100年間の平和を保っていた。しかし、ある日、50メートルを超える超大型巨人の出現により100年間の平和は破られる。その時、本作品の主人公・エレン・イェーガーは巨人の襲撃によって母親を亡くす。巨人をすべて殺すためにエレンは訓練兵に志願し、唯一壁外に調査を出る調査兵団に入ることになる。
この作品を初めて見たのは2013年、私が小学校6年生の頃であった。最初は驚く限りであった。今まで見てきた作品とは全く違う設定、演出、ストーリ、当時小学生であった私にとっては少なからず衝撃を与えてくれた。後半に行くと世界観が拡張されより面白さを増していた。日本のテレビアニメーション歴史にとって大きな影響を及ぼした作品であると私は思う。
20.ReLIFE
本作品の主人公・海崎新太は新卒で入社した会社を三ヶ月で退社することになる。その後の就活もうまく行かずニートとして生活していた。そのせいで田舎の両親から戻ることを迫られる。途方に暮れる海崎の前に夜明了と名乗る正装姿の謎の男が現れる。夜明はニートを対象にした社会復帰プログラム「リライフ」への参加を持ち掛けてきた。そのプログラムは謎の秘薬を飲むことで記憶はそのままで見た目だけが若返りその姿で1年間高校生として高校に通うことであった。27歳で無職である海崎の人生ははたして変えられるだろうか。
本作品は社会人であった大人の海崎が謎の薬を飲むことによって1年間高校生活をやり直すことを描いた作品である。その生活を通じて高校生の当時には感じることが出来なかった様々な感情や考え方、新たに自分への自信感を得ることができ成長していく。時々私も高校生の頃を追憶しながら後悔することもあるため、この作品を見ながら色々と考えることになったのである。面白さ、感動を両方持ついい作品であると私は思う。
1.中二病でも恋がしたい。
この作品はタイトルを見れば分かるようにラブコメジャンルの作品である。この作品が他のラブコメ作品と違う点と言えば「中二病」という要素を作品に溶け込ませて物語を展開させる。「中二病」というテーマは普通に考えればギャグ要素として使われると思うかもしれない。しかし、この作品の一番の魅力と言えば「中二病」というテーマを真剣に向き合って扱っているところである。この作品に出る多くの主人公は様々な理由で中二病を抱えていて時には楽しく時には真剣に中二病をしている。中二病を抱えている人に恋ができるのかという原初的な疑問にこの作品はいろんな角度から中二病を探っていき恋愛成就に導くのである。この作品をアニメ化したのは「京都アニメーション」であるためクオリティーも高く、結末まで導く展開の良さも保証されているためぜひ見ていない人は見てほしい作品である。
2.さくら荘のペットな彼女
本作品の主人公である神田空田は水明芸術大学付属高校に在学していてそこの一般科の生徒である。一年生の頃、学生寮で猫を飼っていたことを学校側にバレてしまい問題児だけ集まる「さくら荘」へ追い出されることになる。しかし、実は「さくら荘」は芸術学科に在学しているある分野において一位を争う天才たちが集まったばしょであった。そこで一般科の生徒であり何の才能もなく自分を凡人であると思っている神田空田は絵の世界において天才的な才能を持つ椎名ましろと出会うことによって才能にぶつかり絶望しながらも自分の夢のために一歩一歩さくら荘の仲間たちと一緒に成長していく物語である。最初この作品のタイトルを見た際にこんなタイトルでいいのかと思ってしまった。他の作品とはあまり違いのない普通のラブコメ作品であろうと思ってこの作品を見た。しかし、実際見てみるとかなり内容が充実していてタイトルは全く違う物語を展開していたのである。一番重要な学生時代に夢を探し、そのために努力し続ける物語は多くの人たちに共感を得るに十分な物語である。一切でも若い時にこの作品を見る事がいいと私は思う。何事にもモチベーションが上がらない人たちにぜひおすすめする作品である。
3.プラスチック・メモリーズ
本作品の背景はAIアンドロイド技術が発展していて人間の姿をしているロボットに感情があって人間の生活の中に溶け込んでいる。ある人にとっては友達、ある人にとっては仕事の仲間、またある人にとっては家族としてAIアンドロイドロボットと生活をしている。しかし、この技術には大きな欠点があり、その欠点はAIが持つ記憶貯蔵容量、つまり寿命は約9年4ヶ月しかないため定期的に記憶をリセットする必要がある。リセットをしないと致命的なエラーが生じ暴走してしまうためリセット作業は必ず必要な作業である。この際、AIのリセットと回収を担当するターミナルサービスで働く主人公の水柿ツカサ、そのパートナーのAIアンドロイドのアイラは様々な顧客の心のカウンセリングと回収を担当している。リセットというのは顧客にとって家族同然の存在との別れを意味して、それを素直に受け入れられず拒否する場合も多くある。このような多くの場合を顧客と相談を通じて円満に回収を進めるのが主人公たちの仕事であり物語の展開である。最初、主人公たちは互いに距離をおいてあまり仲が悪く円満に仕事はできなかった。しかし、時間が経つほど互いを大切にし、感情が深まっていく。しかし、パートナーのアイラもまたAIであるためいずれはリセットする運命である、このような運命の中、二人は黙々と仕事を進み互いの感情を確かめる感動的なラブストーリーである。オリジナル作品であるにも関わらずストーリー設定も充実していて結末もきれいに終わった名作であると私は思う。泣けるような感動的な作品を探しているのであればぜひおすすめしたい作品である。
4.氷菓
岐阜県立神山高等学校1年生として入学した主人公・折木奉太郎。「やらなくてもいい事はやらない、やらなければいけない事なら手短に。」という左右名を持つ彼は自分の青春はみんなと違い灰色であると思いなんら変わりもなく高校生活を始めようとしていた。ある日、海外に住んでいる姉による一通の手紙をもらい、そこには昔、姉が所属していた「古典部」が部員が一人もなく廃部の危機であるため弟の折木に入部を頼む内容であった。部活と縁が遠いと思っていた折木にとっては面倒極まりないことではあったが姉の頼みである以上、受け入れるしかないことであって。自分一人で静かに過ごせる部室ができることを楽しみにいざ部室に入ってみるとそこには本作品のヒロイン・千反田えるがいた。好奇心の怪物である千反田と出会うことによって静かだった折木の灰色高校生活が彩り始まる。私がこの作品を目にしたきっかけはやはりクオリティーの高さである。普通このような日常系作品は内容によって退屈になるかもしれない。しかし、本作品は独特な演出を用いることによって見ている目を楽しませる。そして、主人公たちが所属している部は古典部ではあるが、実際の活動はだらだら本を読んだりお菓子を食べながら雑談をするだけである。その雑談の内容の中で千反田が疑問を抱いたらそれを折木が千反田を納得させることがメインの活動である。大きな事件性はないがある程度学校で起きる事件を折木が自分なりに推理をし解決することもある。このような内容を制作会社の独特な演出と声優さんたちの演技のおかげで作品をより輝かせているのである。原作である小説は今も現在連載中であるため続編も期待できる作品である。
5.四月は君の嘘
市立墨谷中学校3年生である有馬公生はピアノの指導者である母から厳しい指導を受け「ヒューマンメトロノーム」と呼ばれあらゆるピアノコンクールで優勝した天才ピアニストである。しかし、ある日をきっかけにピアノの音が聞こえなくなり、それがトラウマとなってピアノからは手を引くことになった。そして春、4月に本作品のヒロイン・バイオリニスト宮園かをりと出会い強引に宮園と一緒の舞台に立たされ有馬は再びピアノを弾くことになる。これをきっかけにトラウマを克服したわけではないが少しずつ有馬は自分と向き合い、宮園と一緒にまたピアニストの道を歩いていくことが本作品のあらすじである。結論から言うと本作品のヒロイン・宮園かをりは病気を抱えていて最後は死亡することになる。この事実を作中で少しずつ描写をしていくが私が最初この作品を見た時には気づくことが出来なかったのである。宮園が倒れたり入院する場面はたまに登場するがまた元気になってみんなと一緒に楽しく音楽をし続けるだろうと思っていた。しかし、最後の場面では死に至ることになり少しショックを受けたのである。このように本作品は各々事情を抱えた主人公たちが自分との闘いを仲間と一緒に乗り越えて目標のために一生懸命に努力することがメインのテーマである。作品の主なる素材が音楽であるため主人公たちの感情・心象・場面を音楽で表現することによって内容を展開していくことがよりカラフルに進めることが出来るのであると思う。そのため視聴者たちもより作品の中に入り込み、主人公と一緒に成長していくような気分になれる重要な要素の一つであると思う。
6.ばらかもん
本作品の主人公・半田清舟は書道家である。ある受賞パーティー自分の作品を酷評した書道展示館の館長を自分の感情に任せて殴ってしまう。そんな半田を見かねていた父親は「人間として欠けている部分」を見つけさせるために半田を自然豊かな五島へ送らせる。不満気味でやむを得ず行く半田であったがそこで天真爛漫な少女・琴石なるをはじめ個性的な島の住民たちと出会い交流しながら少しずつ心を動かされる。
本作品は主人公が何らかのきっかけをもって成長するありふれた物語に見えるかも知らないが一番の特徴と言えば「大人」の半田が「子供」のなるを通じて心を動かされ内面的な成長を遂げるということである。息苦しい都会では感じることが出来なかった、田舎で出会った純粋無垢な子供たちによって内面的成長を遂げることである。「子供」は「大人」の教えや言葉、行動を見て学び成長することが自然な流れではあるが、逆もありうるということを分かることが出来る作品であった。
7.やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
本作品の主人公・比企谷八幡はボッチである。そのせいか学校では友達と呼べるほど親しい友人もなしで一人静かな高校生活を送っていたが生活指導担当教員の平塚静の圧力に負けて「奉仕部」という部活に入部させられる。そこには本作品のヒロイン・雪ノ下雪乃が奉仕部の部長として一人静かに本を読んでいた。似たような似てないような二人は生徒のさまざな悩みや依頼を受け各自の方法で解決しようとして衝突する。そうする内に互いを知りながら近づいたらまた一歩遠くなる曖昧な関係のなか彼らの青春は動き出す。
本作品は普通のラブコメとは違い主人公がボッチである特徴を持っている。人との関係を一切持たず自分なりの信念を持ちながら孤高の高校生活を送る。そこで自分と似たようなヒロインと出会うことによって同族嫌悪に似た感情を抱きながら互いを理解しあい内容が展開される。他の作品とは違い主人公の個性が強いため飽きることのなく作品を楽しむことが出来た。多くの名言を残し多くのファンを作ってしまう主人公の魅力は他の作品で探すことは難しいであろうと私は思っている。
8.凪のあすから
人間は昔、海の中で普通に呼吸が出来て海の中で生活を営んでいた世界。地上にも人間が暮らして二つの世界が共存して生きている世界である。本作品の主人公・先島光は海の住民である。海の学校が廃校となり光とその友達3人は陸上の学校へ転校することになる。地上と海の人たちの間では葛藤が激しく、それは子供たちの間でも当然ながら存在する問題であった。地上の人と海の人の間で恋をするのは禁忌とされている。ある日、本作品のヒロイン・向井戸まなかは地上に住んでいる木原紡と運命的な出会いをする場面を光が目撃する。様々トラブルを起こしながら始まる海の子供たちの地上への生活、そして地上に住んでいる子供たちは互いを認めず葛藤していくなか彼らの感情が動き出す。
本作品は海の世界と地上の世界で分けられている独特な世界観を持っている作品である。それぞれの登場人物が住んでいる場所によって外見や性格にも違いがあり、そこから生じる諸問題、そして中学生という幼い頃にできる感情的な問題を適切に作中に溶け込ませて内容を展開していく。作中の内容の中で一回、海の人たちが凍結して時間が何年も過ぎて海の住民と地上の人たちの間で物理的な時間差が生じるが、そこからまた内容が変わり、どう物語が進んでいくのかが楽しみになる作品であった。
9.86‐エイティシックス
星暦2148年、サンマグノリア共和国は隣国ギアーデ帝国が投入した完全自律型無人兵器「レギオン」の侵攻に対し、同様の無人兵器「ジャガーノート」を投入する。しかし、その実態は兵器の中には多数派民族である白系種以外の人間を乗「有人搭乗式無人機」であり、国民たちはみな洗脳されてその事実を知らずに平和に暮らしていた。その事実を知っている本作品の主人公であるヴラディレーナ・ミリーゼ少佐。共和国の軍人として戦場を仕切っている。彼女は毎日、戦場で戦っている部隊員たちと無線でしか交流できないが今この国の現状を知っている上で彼らをどうにかして救おうと努力し続ける。
本作品は異常極まりない人種差別主義、それを基にした偽物の平和を保つ国の将官と兵士たちの自由を求める戦いを描いた作品である。共和国は事実を知りながらもそれらを黙認して、自分たちと別の人種の人たちを無理やりに戦場に送り出し、偽の平和を満喫している。その現実から抗おうとするミリーゼの激しく悲しい戦いを見ることが出来るのがこの作品の長所である。異なる正義、信念をもつ彼・彼女らの戦場で生まれた感情線をうまく描いているため毎回見るたびに驚くばかりの作品であった。
10.のんのんびより
両親の仕事の都合で東京から引っ越して一条蛍はあるのんびりとした小さな村にある学校へ転校することになった。しかし、この学校は小中併設校であり全校生徒が一条を含めてわずか5人しかいない小さい学校であった。小学生が二人、中学生が三人の構成で一人の先生が一斉に全生徒に授業をする形を取っている。のんびりして物静かな、しかし彼女らの日常は決して物静かではなくいつも賑やかな日常を描いている物語である。
この作品の魅力と言えばタイトルから見れば分かるようにのんびりとした気分になりながら作品を感想することが出来るということである。退屈になるかも知れないがギャグの要素や決して物静かではない日常を描いているため退屈せずに見ることができる。色んなん年齢差、生まれ育った環境の違いから生まれる様々なシチュエーションを楽しめることができるのがこの作品の魅力の一つであると思う。
この作品はタイトルを見れば分かるようにラブコメジャンルの作品である。この作品が他のラブコメ作品と違う点と言えば「中二病」という要素を作品に溶け込ませて物語を展開させる。「中二病」というテーマは普通に考えればギャグ要素として使われると思うかもしれない。しかし、この作品の一番の魅力と言えば「中二病」というテーマを真剣に向き合って扱っているところである。この作品に出る多くの主人公は様々な理由で中二病を抱えていて時には楽しく時には真剣に中二病をしている。中二病を抱えている人に恋ができるのかという原初的な疑問にこの作品はいろんな角度から中二病を探っていき恋愛成就に導くのである。この作品をアニメ化したのは「京都アニメーション」であるためクオリティーも高く、結末まで導く展開の良さも保証されているためぜひ見ていない人は見てほしい作品である。
2.さくら荘のペットな彼女
本作品の主人公である神田空田は水明芸術大学付属高校に在学していてそこの一般科の生徒である。一年生の頃、学生寮で猫を飼っていたことを学校側にバレてしまい問題児だけ集まる「さくら荘」へ追い出されることになる。しかし、実は「さくら荘」は芸術学科に在学しているある分野において一位を争う天才たちが集まったばしょであった。そこで一般科の生徒であり何の才能もなく自分を凡人であると思っている神田空田は絵の世界において天才的な才能を持つ椎名ましろと出会うことによって才能にぶつかり絶望しながらも自分の夢のために一歩一歩さくら荘の仲間たちと一緒に成長していく物語である。最初この作品のタイトルを見た際にこんなタイトルでいいのかと思ってしまった。他の作品とはあまり違いのない普通のラブコメ作品であろうと思ってこの作品を見た。しかし、実際見てみるとかなり内容が充実していてタイトルは全く違う物語を展開していたのである。一番重要な学生時代に夢を探し、そのために努力し続ける物語は多くの人たちに共感を得るに十分な物語である。一切でも若い時にこの作品を見る事がいいと私は思う。何事にもモチベーションが上がらない人たちにぜひおすすめする作品である。
3.プラスチック・メモリーズ
本作品の背景はAIアンドロイド技術が発展していて人間の姿をしているロボットに感情があって人間の生活の中に溶け込んでいる。ある人にとっては友達、ある人にとっては仕事の仲間、またある人にとっては家族としてAIアンドロイドロボットと生活をしている。しかし、この技術には大きな欠点があり、その欠点はAIが持つ記憶貯蔵容量、つまり寿命は約9年4ヶ月しかないため定期的に記憶をリセットする必要がある。リセットをしないと致命的なエラーが生じ暴走してしまうためリセット作業は必ず必要な作業である。この際、AIのリセットと回収を担当するターミナルサービスで働く主人公の水柿ツカサ、そのパートナーのAIアンドロイドのアイラは様々な顧客の心のカウンセリングと回収を担当している。リセットというのは顧客にとって家族同然の存在との別れを意味して、それを素直に受け入れられず拒否する場合も多くある。このような多くの場合を顧客と相談を通じて円満に回収を進めるのが主人公たちの仕事であり物語の展開である。最初、主人公たちは互いに距離をおいてあまり仲が悪く円満に仕事はできなかった。しかし、時間が経つほど互いを大切にし、感情が深まっていく。しかし、パートナーのアイラもまたAIであるためいずれはリセットする運命である、このような運命の中、二人は黙々と仕事を進み互いの感情を確かめる感動的なラブストーリーである。オリジナル作品であるにも関わらずストーリー設定も充実していて結末もきれいに終わった名作であると私は思う。泣けるような感動的な作品を探しているのであればぜひおすすめしたい作品である。
4.氷菓
岐阜県立神山高等学校1年生として入学した主人公・折木奉太郎。「やらなくてもいい事はやらない、やらなければいけない事なら手短に。」という左右名を持つ彼は自分の青春はみんなと違い灰色であると思いなんら変わりもなく高校生活を始めようとしていた。ある日、海外に住んでいる姉による一通の手紙をもらい、そこには昔、姉が所属していた「古典部」が部員が一人もなく廃部の危機であるため弟の折木に入部を頼む内容であった。部活と縁が遠いと思っていた折木にとっては面倒極まりないことではあったが姉の頼みである以上、受け入れるしかないことであって。自分一人で静かに過ごせる部室ができることを楽しみにいざ部室に入ってみるとそこには本作品のヒロイン・千反田えるがいた。好奇心の怪物である千反田と出会うことによって静かだった折木の灰色高校生活が彩り始まる。私がこの作品を目にしたきっかけはやはりクオリティーの高さである。普通このような日常系作品は内容によって退屈になるかもしれない。しかし、本作品は独特な演出を用いることによって見ている目を楽しませる。そして、主人公たちが所属している部は古典部ではあるが、実際の活動はだらだら本を読んだりお菓子を食べながら雑談をするだけである。その雑談の内容の中で千反田が疑問を抱いたらそれを折木が千反田を納得させることがメインの活動である。大きな事件性はないがある程度学校で起きる事件を折木が自分なりに推理をし解決することもある。このような内容を制作会社の独特な演出と声優さんたちの演技のおかげで作品をより輝かせているのである。原作である小説は今も現在連載中であるため続編も期待できる作品である。
5.四月は君の嘘
市立墨谷中学校3年生である有馬公生はピアノの指導者である母から厳しい指導を受け「ヒューマンメトロノーム」と呼ばれあらゆるピアノコンクールで優勝した天才ピアニストである。しかし、ある日をきっかけにピアノの音が聞こえなくなり、それがトラウマとなってピアノからは手を引くことになった。そして春、4月に本作品のヒロイン・バイオリニスト宮園かをりと出会い強引に宮園と一緒の舞台に立たされ有馬は再びピアノを弾くことになる。これをきっかけにトラウマを克服したわけではないが少しずつ有馬は自分と向き合い、宮園と一緒にまたピアニストの道を歩いていくことが本作品のあらすじである。結論から言うと本作品のヒロイン・宮園かをりは病気を抱えていて最後は死亡することになる。この事実を作中で少しずつ描写をしていくが私が最初この作品を見た時には気づくことが出来なかったのである。宮園が倒れたり入院する場面はたまに登場するがまた元気になってみんなと一緒に楽しく音楽をし続けるだろうと思っていた。しかし、最後の場面では死に至ることになり少しショックを受けたのである。このように本作品は各々事情を抱えた主人公たちが自分との闘いを仲間と一緒に乗り越えて目標のために一生懸命に努力することがメインのテーマである。作品の主なる素材が音楽であるため主人公たちの感情・心象・場面を音楽で表現することによって内容を展開していくことがよりカラフルに進めることが出来るのであると思う。そのため視聴者たちもより作品の中に入り込み、主人公と一緒に成長していくような気分になれる重要な要素の一つであると思う。
6.ばらかもん
本作品の主人公・半田清舟は書道家である。ある受賞パーティー自分の作品を酷評した書道展示館の館長を自分の感情に任せて殴ってしまう。そんな半田を見かねていた父親は「人間として欠けている部分」を見つけさせるために半田を自然豊かな五島へ送らせる。不満気味でやむを得ず行く半田であったがそこで天真爛漫な少女・琴石なるをはじめ個性的な島の住民たちと出会い交流しながら少しずつ心を動かされる。
本作品は主人公が何らかのきっかけをもって成長するありふれた物語に見えるかも知らないが一番の特徴と言えば「大人」の半田が「子供」のなるを通じて心を動かされ内面的な成長を遂げるということである。息苦しい都会では感じることが出来なかった、田舎で出会った純粋無垢な子供たちによって内面的成長を遂げることである。「子供」は「大人」の教えや言葉、行動を見て学び成長することが自然な流れではあるが、逆もありうるということを分かることが出来る作品であった。
7.やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
本作品の主人公・比企谷八幡はボッチである。そのせいか学校では友達と呼べるほど親しい友人もなしで一人静かな高校生活を送っていたが生活指導担当教員の平塚静の圧力に負けて「奉仕部」という部活に入部させられる。そこには本作品のヒロイン・雪ノ下雪乃が奉仕部の部長として一人静かに本を読んでいた。似たような似てないような二人は生徒のさまざな悩みや依頼を受け各自の方法で解決しようとして衝突する。そうする内に互いを知りながら近づいたらまた一歩遠くなる曖昧な関係のなか彼らの青春は動き出す。
本作品は普通のラブコメとは違い主人公がボッチである特徴を持っている。人との関係を一切持たず自分なりの信念を持ちながら孤高の高校生活を送る。そこで自分と似たようなヒロインと出会うことによって同族嫌悪に似た感情を抱きながら互いを理解しあい内容が展開される。他の作品とは違い主人公の個性が強いため飽きることのなく作品を楽しむことが出来た。多くの名言を残し多くのファンを作ってしまう主人公の魅力は他の作品で探すことは難しいであろうと私は思っている。
8.凪のあすから
人間は昔、海の中で普通に呼吸が出来て海の中で生活を営んでいた世界。地上にも人間が暮らして二つの世界が共存して生きている世界である。本作品の主人公・先島光は海の住民である。海の学校が廃校となり光とその友達3人は陸上の学校へ転校することになる。地上と海の人たちの間では葛藤が激しく、それは子供たちの間でも当然ながら存在する問題であった。地上の人と海の人の間で恋をするのは禁忌とされている。ある日、本作品のヒロイン・向井戸まなかは地上に住んでいる木原紡と運命的な出会いをする場面を光が目撃する。様々トラブルを起こしながら始まる海の子供たちの地上への生活、そして地上に住んでいる子供たちは互いを認めず葛藤していくなか彼らの感情が動き出す。
本作品は海の世界と地上の世界で分けられている独特な世界観を持っている作品である。それぞれの登場人物が住んでいる場所によって外見や性格にも違いがあり、そこから生じる諸問題、そして中学生という幼い頃にできる感情的な問題を適切に作中に溶け込ませて内容を展開していく。作中の内容の中で一回、海の人たちが凍結して時間が何年も過ぎて海の住民と地上の人たちの間で物理的な時間差が生じるが、そこからまた内容が変わり、どう物語が進んでいくのかが楽しみになる作品であった。
9.86‐エイティシックス
星暦2148年、サンマグノリア共和国は隣国ギアーデ帝国が投入した完全自律型無人兵器「レギオン」の侵攻に対し、同様の無人兵器「ジャガーノート」を投入する。しかし、その実態は兵器の中には多数派民族である白系種以外の人間を乗「有人搭乗式無人機」であり、国民たちはみな洗脳されてその事実を知らずに平和に暮らしていた。その事実を知っている本作品の主人公であるヴラディレーナ・ミリーゼ少佐。共和国の軍人として戦場を仕切っている。彼女は毎日、戦場で戦っている部隊員たちと無線でしか交流できないが今この国の現状を知っている上で彼らをどうにかして救おうと努力し続ける。
本作品は異常極まりない人種差別主義、それを基にした偽物の平和を保つ国の将官と兵士たちの自由を求める戦いを描いた作品である。共和国は事実を知りながらもそれらを黙認して、自分たちと別の人種の人たちを無理やりに戦場に送り出し、偽の平和を満喫している。その現実から抗おうとするミリーゼの激しく悲しい戦いを見ることが出来るのがこの作品の長所である。異なる正義、信念をもつ彼・彼女らの戦場で生まれた感情線をうまく描いているため毎回見るたびに驚くばかりの作品であった。
10.のんのんびより
両親の仕事の都合で東京から引っ越して一条蛍はあるのんびりとした小さな村にある学校へ転校することになった。しかし、この学校は小中併設校であり全校生徒が一条を含めてわずか5人しかいない小さい学校であった。小学生が二人、中学生が三人の構成で一人の先生が一斉に全生徒に授業をする形を取っている。のんびりして物静かな、しかし彼女らの日常は決して物静かではなくいつも賑やかな日常を描いている物語である。
この作品の魅力と言えばタイトルから見れば分かるようにのんびりとした気分になりながら作品を感想することが出来るということである。退屈になるかも知れないがギャグの要素や決して物静かではない日常を描いているため退屈せずに見ることができる。色んなん年齢差、生まれ育った環境の違いから生まれる様々なシチュエーションを楽しめることができるのがこの作品の魅力の一つであると思う。
三年井上
RES
1.『ドラゴンクエスト』
プロデューサー:千田幸信
シナリオ:堀井雄二
音楽:すぎやまこういち
日本を代表するRPG、ドラゴンクエストシリーズ第一作。1986年5月27日、エニックス社発売。現在では多くのシリーズ、スピンオフ作品が出ているが、当時は単発作品の予定であった。リメイク版としてスマホ版、プレイステーション版、3DS版、ニンテンドースイッチ版が存在する。また、『ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて』をクリアすると本作を無料でプレイすることが可能。
主人公は伝説の勇者ロトの末裔であり、かつて魔物を封じ込めるためにロトが使用した「ひかりのたま」を闇に染めた挙句、ローラ姫を攫っていった竜王を倒す旅に出る。
第一作かつ単発作品のつもりだったこともあり、設定やボリュームが現代のゲームに比べて薄く、普通にプレイしても5時間前後あればクリアすることが可能。
様々なイベントをこなしつつ最終的にラスボスである竜王を倒すことが目標。竜王を倒すためには敵を倒しながら主人公のレベルを上げたり、探索をして強力な武器や防具を手に入れ、それらを装備させたりすることが必要であり、むやみに突き進んでクリアできるというわけではない。また、ストーリー中立ち寄る様々な王国や村、町では武器や防具を購入できる武器、防具屋、様々な道具を購入できる道具屋のほか、泊まることでHPとMPを回復することができる宿屋などが存在する。
バトルシステムはターン性で主人公→敵の順番で基本的にどちらかが倒れるまで戦い続ける仕組みである。主人公はたたかう(武器で攻撃)、呪文、道具、逃げるのうちから選択する。逃げるを選択しても必ず逃げられるわけではなく、回り込まれる場合があり、回り込まれた場合、敵からの攻撃を一方的に受けることになる。
これらの基本システムは多少の変更や追加はあるものの最新作まで受け継がれている。
本作のみバッドエンドが存在し、竜王の「もし、わしの味方になれば、世界の半分をお前にやろう。わしの味方になるか?」という質問に「はい」と答えると画面が真っ暗になり、復活の呪文を教えられた後操作することができなくなる。復活の呪文を入力するとレベル1、所持金道具無しの状態で再スタートすることになる。
2.『ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々』
ドランゴンクエストシリーズ第二作。1987年1月26日エニックス社発売。
発売直後から絶大な人気を誇り、その人気は「ドラゴンクエスト現象」という言葉を生み出すほど。
ストーリーは『ドラゴンクエストⅠ』の100年後の世界。竜王を倒し、ローラ姫と共に主人公はローレシアという国を築く。その後、ローレシア、サマルトリア、ムーンブルクの3つの国に分割され、主人公とローラは3人の子供と共にそれぞれの国を治めていた。しかし、大神官ハーゴンの手によって、ムーンブルク王国は滅亡してしまう。人類の存亡のため、ハーゴンを倒すためにローレシアの王子は旅に出る。旅の途中でサマルトリアの王子とムーンブルクの王女に出会い3人でハーゴンに挑むことになる。無事ハーゴンに勝利し、世界に平和がもたらされると思いきや!?
前作は主人公のみの冒険であったが冒険の途中で仲間が加入し、最終的に3人で冒険をすることになる。Ⅱ以降のナンバリング作品では3人以上の仲間が加入する。
基本システムは同じだが、ストーリーのボリュームや戦略が増え、1と比べやりごたえが増した。ドラクエ史上最も攻略が難しいと言われる作品の一つであり、ダンジョンの構造や敵の攻撃が理不尽なものも多い。実際にプレイした感想も圧倒的に難しいと感じた。
3.『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ‥』
ドラゴンクエスト第三部作。1988年2月10日エニックス社より発売。発売日には家電量販店に数キロにも及ぶ行列ができるほどの爆発的人気を記録した。
大魔王ゾーマが登場する作品であり、『ドラゴンクエストⅢ~戦闘のテーマ~』は甲子園などの応援歌などに採用している学校もある。
舞台は『ドラゴンクエスト』の数百年前の世界。本作の主人公が住んでいる世界と遠い未来に『ドラゴンクエスト』の舞台となる世界の2つに分かれている。『ドラゴンクエスト』の主人公は伝説の勇者ロトの末裔だが、『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ‥』の主人公こそが伝説の勇者ロトである。アリアハン王国の勇者オルテガが魔王バラモスを倒すために旅に出るが、旅の途中で消息をたった。父の遺志を引き継ぐため、仲間を連れて旅に出た主人公は不死鳥ラーミアと共に魔王バラモスの討伐に成功する。しかし、真の黒幕大魔王ゾーマとアレフガレドというもう一つの世界が明らかになる。ゾーマとの最終決戦に向け、主人公は旅を再開するのであった。
転職システムが導入(以降6、7、9、10の作品にも導入)され戦略が広がった。ただし、本作品のみ主人公は勇者固定で他の職業に転職できない。職業ごとにレベルが分けられており、ステータスや呪文等は引き継げるものの転職するとレベルが1に戻ってしまう。
転職システムの導入や前作よりも難易度が緩和されたことで、戦略の幅は広がり、プレイはやりやすくなった。尚、本作品までがロト三部作と呼ばれる。時系列的にはⅢ→Ⅰ→Ⅱとなるが、初めてやる場合には発売順にプレイするのがおすすめである。
4.『ドラゴンクエストⅣ 選ばれし者たち』
ドラゴンクエスト第4部作。1990年2月11日エニックス社より発売。
タイトルに導かれし者“たち”と書かれている通り、8人の仲間が登場する。ドラゴンクエストナンバリング作品の中で唯一章が分かれており、本章となるのは第五章で、第一から四章までは第五章で勇者(主人公)のもとに終結する仲間たちのストーリーをプレイすることになる。本編である第五章の内容は主人公の生まれ故郷、山奥の村を恋人のシンシアもろともデスピサロ率いる魔物軍に壊滅させられ、息を潜めていた主人公がかたき討ちのために旅経つところから始まる。物語序盤は1~4章で登場したキャラクターを探しに、後編はデスピサロと闘うために選ばれし仲間たちと旅を進めていく。
小学生のころ一番最初にプレイした作品。第一章は操作キャラが一人でRPGをプレイしたことのない人でもわかりやすく、かつ最大8人の中から4人を選んで戦うという戦略性の高さも兼ねそろえており、ドラクエ入門に丁度いい作品。現在ではお馴染みの馬車の機能もこの作品で初めて実装された。
5.『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』
ドラゴンクエストシリーズ第五作。1992年9月27日エニックス社より発売。
ラスボスに打ち勝つという目標自体は変わらないものの、主人公が大人になるまでの過程を描いた作品でもある。主人公が歳を刻むごとに世界も同様に時が流れていて、時代によって様々な変化がある。物語の大幕を飾るのは結婚イベントであり、二人のうち好きなキャラクターと結婚することができる。また、リメイク版では新たにもう一人キャラクターが追加され、選んだキャラクターによってストーリーが変化する。
父親が人質にされ、殺されてしまったり、主人公は幼少期に魔物の奴隷にされてしまったりと悲劇的なストーリーがある中で、結婚イベントのような華やかなイベントも存在する。一部の魔物は仲間にすることができ、強い魔物程仲間になりにくい。最終的には人よりもモンスターの方が人間よりも活躍する場が多いため、ドラゴンクエストモンスターズシリーズが好きな人には特にお勧めと言える。ドラクエ全体を通して人気の作品なので一度プレしてみてはいかがだろうか。
6.『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』
ドラゴンクエストシリーズ第六作。1995年12月9日エニックス社より発売。
村長にお使いを頼まれた主人公。しかし、その途中で大穴に落ちてしまう。謎の血に降り立った主人公だが、その世界の住人には自分を認知してもらえない。元の世界に戻るとそこは幻の大地だと知らされる。その後故郷の教会で天からのお告げを聞くと自分探し、そして幻の大地の真相を知るため、旅を始めるのであった。
ドラゴンクエストⅡに続き、二回目の転職システム導入。モンスターを仲間にすることはできるが、Vで強すぎたため、性能が抑えられ、仲間にできるモンスターの数も減少した。
特別人気があるシリーズではないが、転職システム、モンスター要素、ストーリー構成などバランスが良い作品。裏ボスのダークドレアムはドラクエ史上最も強いボスのため挑戦してみてほしい。また、Ⅳ、V、Ⅵの三作をまとめて天空シリーズとしている。
7.『ドラゴンクエスト7 エデンの戦士たち』
ドラゴンクエストシリーズ第7作。2000年8月26日エニックス社より発売。
石板を通して封印された過去の世界と行き来し、過去の世界の謎を解いていくと最初はエスタード島という小さな島しかなかった世界が徐々に広がっていく。
するとある時、魔王オルゴ・デミーラの手によってエスタード島と過去の世界が封印されてしまう。魔王の手から世界を救うため主人公たちが立ち上がる。
転職システムあり。転職できる幅が広がり上級職の上を行く超上級職が追加。しかし、ある職業が突出して強すぎてしまったため、強さや安定感を考えると最終的に全員その職業を目標になってしまい、戦略性は少し下がってしまった。ストーリー的にも賛否両論分かれる作品であるが個人的にはかなり好き。
8.『ドラゴンクエストⅧ 空と大地と呪われし姫君』
ドラゴンクエストシリーズ第八部作。2004年11月27日スクエアエニックス社より発売。
スクエア・エニックスになり初めてのドラクエ作品。これまでドット絵の2Dな世界が特徴的だったドラゴンクエストがついに立体的な世界へと進化を遂げた。
トロデーン王国が滅亡し、トロデ王とミーティア姫が呪いをかけられ、それぞれ魔物と馬の姿にかえられてしまった。主人公は二人をもとに戻すべく主人公とその仲間たちは旅に出る。
ストーリーややりこみ要素などからかなり人気の高い作品。バトルシステムにテンションが追加され戦略の幅が大幅に広がった。リメイク版の評価もかなり高く、ドット絵から3Dになったことで世界観も把握しやすく、とりあえずどれでもいいからドラクエをやってみたいという人にはお勧めである。
9.『ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人』
ドラゴンクエストシリーズ第9作。2009年7月11日、スクエア・エニックス社より発売。
主人公は天使界に住む天使。天使は人を天から見守り、サポートする役目を持つ。天使が人の手助けをすることで感謝の気持ちである星のオーラが溜まると、天使界に聳え立つ世界樹に女神の果実が実り、神の国に通ずる。天使たちの目的は神に会うことなのであった。
しかし、ようやく女神の果実が実ったころ、とある事件が発生。女神の果実は世界中に散らばり、主人公を含む一部の天使も地上に落ちてしまうのであった。
転職システムあり。新たに必殺技が追加され、バトル中に必殺ゲージが溜まったキャラは必殺技を使用することができ、複数名同時に使うことで連携わざを使うことも可能。職業によって使用することができる必殺も異なる。仲間となるキャラクターもルイーダの酒場から自分で好きなキャラを選ぶことができる。ドラクエじゃないとの批判もある作品だが、今までの作品とは比べ物にならないほどのやりこみ要素があり、全てを終わらせるには途方もない時間と努力が必要。恐らく何もやることがないという領域に到達した人は両手で数えられるくらいしかいないのではないだろうか。ストーリーをすべてクリアしてから始まる作品と言っても過言ではない。
10.『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』
ドラゴンクエストシリーズ第十作。2012年8月2日スクエア・エニックス社より配信。
ドラクエのナンバリング作品では初のオンラインメインの無料配信作品で現在でも運営、サーバーの更新がされている。Wiiが初配信だがWiiU、Windows、dゲーム、3DS、PS4、任天堂スイッチにも続々リリース。
基本プレイは無料で、月額の課金や課金アイテムなどが存在する。ゲームに熱が入りすぎて、家庭や仕事を放棄した人まで存在した。少なくとも10年は続けたいと運営側は言っており、11年が経った現在でも運営が継続されている。
11.『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて』
ドラゴンクエストシリーズ第十一作。オフラインのナンバリング作品としては八年の時を経て2017年7月29日、スクエア・エニックス社より発売。11と呼ばれるのは3ds、PS4のもので、11Sというニンテンドースイッチ版が存在する。
ユグノア王国に生まれた主人公。手には生まれつき勇者の印であるアザが。しかし、生まれた直後に魔物軍に狙われユグノア王国は滅びてしまう。両親が命がけで主人公を逃がし、たどり着いたのはイシの村。主人公は村で健やかに成長し、大人になったころ、手の紋章についての真実を知ることになる。村の了承を経て、デルカタール王国に出向くと、勇者がいるから魔王が生まれるのだ。悪魔の子め。という理不尽な扱いを受け牢獄に収監されてしまう。
クリア後にわかることだが、ドラゴンクエストⅠ、Ⅱ、Ⅲより遥か昔の世界の話である。ロトの勇者というのは本作品の舞台であるロトゼタシア大陸からきているのではないだろうか。特技や呪文の多さ、連携わざによりさらに戦略性が上がった。裏ボスを倒し、真のエンディングを見ることでドラクエⅠを無料でプレイすることが可能。最新作ということで操作性がわかりやすくなっている上、めんどくさい部分はスキップできるようになったりとシステム的な面でストレスがなくなった。敵が強くなっている分、ダメージなども出しやすく爽快感を感じられる場面も多い。ただ、簡単になったかと言えばそんなことはなく、11Sには全員のレベルを最大まで上げても倒すのが難しい敵も存在する。
今からプレイするのであれば、11ではなく11Sを購入するのが圧倒的にお勧めである。
12.アニメ『地獄楽』
監督:牧田佳織
原作:賀来ゆうじ
石隠れの忍、がらんの画眉丸は罪に問われ、処刑に会うも幾度の死刑に耐え抜いてしまう。
全く歯が立たない画眉丸の首を切り落とすべく、打ち首執行人の山田浅エ門佐切が打ち首を試みたところ、画眉丸は無意識に抵抗。佐切には妻への未練が残っているからだと指摘される。その後佐切はたった一つの救いの手を画眉丸に提示。画眉丸は無罪放免のために佐切が提出した条件に乗るのであった。
マンガ第一巻が出たときから話題になっていた作品。罪人が主人公という珍しい設定。舞台となる島は独特な世界観で見ごたえあり。グラフィックもきれいでお勧めです。
13.『傷物語<Ⅰ鉄血編>』
原作:西尾維新
監督:新房昭之
物語シリーズ劇場版第一作。
『化物語』に至る前の話。主人公である阿良々木暦は何の変哲もない男子高校生。三年生目前の春休みのある日のこと。深夜の地下鉄の駅で常人であればとっくに死んでいるほどの傷を負った女と出会う。話を聞くとその女はキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードという名の500年の時を生きる伝説の吸血鬼だという。暦はその傷の量や見た目から人ではないことに恐怖を覚え後ずさりをするが、見捨てられると思った吸血鬼は先ほどまでの貫禄などなく泣きわめきながら助けを乞う。しかし、暦は逃げてしまう。見捨てるわけにはいかないと思う気持ちと自分の命を天秤にかけた暦は戻ることを決意。身を挺して彼女を助けるのであった。
14.『傷物語〈Ⅱ熱血編〉』
原作:西尾維新
物語シリーズ劇場版第二作。
身を挺して吸血鬼の命を救った暦だったが、身体は吸血鬼の体質になってしまった。そして、伝説の吸血鬼の姿は見えず、幼女がのこるのみであった。暦が人間に戻るには吸血鬼ハンターに奪われたキスショットの両手両足を取り戻さなければならないのであった。現状に頭が追い付かない暦は忍野メメと名乗る謎の中年男性の仲介の元吸血鬼ハンターに挑むのであった。
15.『傷物語〈Ⅲ冷血編〉』
原作:西尾維新
物語シリーズ劇場版第三作。
吸血鬼となった暦はいとも簡単に吸血鬼ハンターを倒してしまうが、その理由についてキスショット自体が伝説的な存在であるため至極当然なことだと説明される。しかし、ここで一つ疑問が生まれる。そう、何故キスショットはそんな三人を相手に負けてしまったのかということだ。その疑問を抱いた暦に忍野はとあるものを渡す。それはキスショットの心臓だった。そしてその心臓を抜き取ったのは僕だと忍野は説明する。これについては、バランスを取ることを仕事としている忍野は伝説の吸血鬼と吸血鬼ハンターがこのまま戦ってしまっては伝説の吸血鬼が圧倒的勝利を収めてしまうため、試合を五分五分にするハンデとしてこっそり心臓を抜き取ったのだという。これで物語は終わるはずであったが阿良々木暦というイレギュラーが登場したことにより、忍野の計画にずれが生じ、物語が始まっていくのであった。
物語シリーズの時系列でいうと最も最初に当たる作品であり、この三作を見ることで阿良々木とキスショットが出会った経緯を知ることができる。必須級というわけではないが物語の全貌を知るためには必要な作品。ただ、はじめは時系列順ではなく、放送順で見て頂きたい。また、今回は時系列順ではなく放映順に説明し、時系列に前後がある場合のみ記載する。
16.アニメ『化物語』
時系列でみれば『傷物語』の次の作品、放送順でいえば、物語シリーズ最初の作品である。
『傷物語』で起こった事件の後の物語。阿良々木暦が文化祭の準備に取り掛かっていたところ、同じクラスメイトなのにもかかわらずほとんど話したことのない女子生徒、戦場ヶ原ひたぎの秘密を知る。その秘密は彼女にはほとんど体重がないことであった。その体重はわずか5kg。最初は秘密を公言されることを嫌った戦場ヶ原と阿良々木は対立するが、助けられるかもしれないと忍野メメのもとに連れていくのであった。
物語シリーズの原点。まず見るならこの作品。
17.『猫物語・黒』
『傷物語Ⅲ 冷血編』と『化物語』の間の物語。4話のみの短編。羽川の
時はゴールデンウイーク。羽川翼とその家族について描かれている。忍野メメに羽川の様子を見てきた方がよいと言われた阿良々木。実際に見に行ってみると、障り猫に取りつかれてしまっていた。羽川を救うため阿良々木は妖刀「心渡(こころわたり)」と共に障り猫に挑むのであった。
また、『傷物語』~『猫物語・黒』までを第一シーズンとする。
18.『猫物語・白』
時は飛び、『猫物語・黒』、『化物語』でも解決しなかった羽川の問題についに終止符が打たれる。時系列的には自作の『傾物語』の中間辺りで、前作から4か月ほどたった後の話である。これまで阿良々木の視点で物語が進んでいたが、本作は羽川の視点になっている。
こちらは6話構成となっており、『猫物語・黒』と併せて10話で羽川翼の物語に決着がつくのであった。
19.『傾物語』
読み方はかぶきものがたり。
阿良々木は夏休みの間、怪異に関する事件に対応をしていたため、夏休み残り1日にも関わらず、宿題に一切の手を付けていなかった。忍野忍(キスショット)にタイムスリップできないかと頼むと、なんとできるとのこと。しかし、一日前に戻るはずが11年前の5月13日に戻ってしまう。11年前の世界の様子を見ていた阿良々木だが、ふと11年前の5月14日に交通事故によって亡くなってしまった少女、八九寺真宵のことを思い出す。助けられるのではないかと考えた阿良々木と忍、しかし、今ここで助けると現実世界で怪異となって現れていた八九寺との関係が切れてしまうことに気付く。葛藤の中二人は八九寺を助けると決めた二人であった。
20.『花物語』
神原駿河は死別した母親から猿の手のようなミイラを受け継いでいた。そのミイラはどんな願いでも3つまで叶えてくれるが、最終的にその代償として体と魂を乗っ取る怪異「レイニーデヴィル」であった。2つ目の願いを叶えたとき、左腕が毛むくじゃらの猿のような手となってしまう。それから約1年。「悪魔様」に相談すればどんな悩みも解決するといった噂を耳にした神原は悪魔様を探しに向かうのであった。
21.『鬼物語』
『傾物語』の続きの話。
11年前の世界で八九寺を救った阿良々木は現実世界に戻った後、八九寺との再会を遂げた。八九寺と阿良々木が雑談していた時、なんともいえない暗闇が突如目の前に現れ、阿良々木は八九寺を自転車に乗せ、本能のままに暗闇から逃げるのであった。しかし、逃げ切ることはできず、自転車が暗闇に吸い込まれてしまう。絶体絶命かと思ったその時、斧乃木余接が現れ、アンリミテッド・ルールブックによって逃げるのであった。
『猫物語・白』~『鬼物語』までを2シーズンとしている。
22.『憑物語』
大学受験を控えた2月のある日、阿良々木は自分の体が鏡に映っていないことに気づく。
また、阿良々木は忍野忍に血を吸わせることで、一時的に吸血鬼の力を手に入れていたのだが、近頃、血を分けていないのにもかかわらず、身体が吸血鬼化しているのだった。一体阿良々木の体に何が起こっているのだろうか。
23.『暦物語』
新しい話というよりは阿良々木の高校三年生としての一年間の生活の振り返りを描いた作品。しかし、まとめのようなものではなく、これまでに描かれていなかった、数々の事件の様子が描かれている。
ネットには見なくていいなどと書かれているが、この話で書かれている事件はどれも今までに触れられてこなかったものなので、見る必要はあると個人的に考えている。
24.漫画『ダーリン・イン・ザ・フランキス』
作者:矢吹健太郎
オリジナルアニメ通称ダリフラの漫画版。
地殻変動や環境破壊が進み滅びかけた世界で生き延びる人類。巨大移動要塞都市を築き上げ平和な日々を送っていたが、突如現れた叫竜によって平和が脅かされていた。人類は叫竜に対抗するべく、フランクスという男女二人で乗って操縦するロボットを開発し、そのパイロットにするためだけの名もない子たちを育てているのであった。
基本的にアニメと内容は同じだが、アニメよりも性的描写が多いので苦手な人は注意。
25.漫画版『五等分の花嫁』
作者:春場ねぎ
こちらも基本的にはアニメと内容は変わらない。
学年1の天才上杉風太郎。しかし彼の家はとても貧乏であった。そんな彼が家のため、家庭教師としてアルバイトとして新しく働くことになったのは五つ子の同級生!?
しかも5人そろって勉強は全くと言っていいほどできなかった。この五人を卒業させろと言われ、頭を悩ませる風太郎だったが、一度やってみることを決意する。
26.漫画版『寄宿学校のジュリエット』
作者:金田陽介
名門ダリア高校。完全寮制のダリア高校では寮が黒犬の寮と白猫の寮の二つの派閥にわかれていた!!しかし、黒犬の寮1年生リーダーの犬塚露壬雄は白犬寮ジュリエット・ペルシアに熱烈な恋を抱いていたのであった。他の誰にもばれてはいけない2人の秘密の恋愛物語が始まるのであった。
恋愛よりもギャグ要素強めな作品。しかし、最終回には感動的なシーンも。女子キャラが多いので男子必見のラブコメディ。
27.『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』
原作:吾峠呼世晴
鬼滅の刃第4期。
炭治郎たちは人類として100年ぶりに上限の鬼を倒し、鬼たちにも波紋を呼んでいた。
そのころ炭治郎は刀鍛冶の里に向かう途中、柱の一人、時透無一郎と小鉄に会う。
何やら言い争っている様子だったが??
時透無一郎を主とした刀鍛冶編。上限の鬼が倒され、ようやく無惨討伐へと一歩進んだ鬼殺隊。漫画で内容を知っていてもアニメでもう一度見たくなる。個人的に鬼滅の中では無一郎が最推しなので激熱な編。
28.映画『ラ・ヨローナ ~泣く女~』
監督:マイケル・チャベス
公開2019年5月10日
1970年代のロサンゼルス。ソーシャルワーカーのシングルマザー・アンナは、川で溺死した子らの母親から謎の警告を受ける。まるで意味が分からないアンナだったが、ほどなくして子供たちはその母親の警告通り、本当に女の泣き声を聞いてしまう。それは、水のある場所ならどこにでも現われて子供たちの命を奪う、ヨローナの呪いだった。
アメリカのホラー映画。かなりドッキリ強めの作品なので、心臓が弱い方は注意。
昼間、明るいうちに見ることをおすすめする。
29.『君たちはどう生きるか』
監督:宮崎駿
太平洋戦争末期、母を亡くし、疎開するも父親の再婚相手は母親に激似の女性であった。疎開先の生活に不満を抱いていた眞人。疎開先の屋敷の近くに大叔父が建てたという塔のようなものを発見し、喋るアオサギに入るよう唆された眞人はその内部へと侵入するのであった。
SNSで様々な反響を呼んだ作品。よくわからないという声が多かったが個人的には感動的で面白いと感じた。ただ、確かにわからない部分も多かったのでもう一度見たいと思うところもある。
30.アニメ『メイドインアビス』
監督:小島正幸
人類最後の秘境アビス。多くの探検家たちがアビスに立ち向かうため集まった結果気づけば大きな町ができているのであった。中には多くの宝、魔物、秘密が埋まっており、多くの探検家はロマンを求め、アビスと呼ばれる大穴に命を懸けて挑むのであった。
キャラクターデザインに釣られてわくわくの冒険アニメかと思ってみると期待を裏切られるので注意。鬱やグロに体制がない人は注意。
プロデューサー:千田幸信
シナリオ:堀井雄二
音楽:すぎやまこういち
日本を代表するRPG、ドラゴンクエストシリーズ第一作。1986年5月27日、エニックス社発売。現在では多くのシリーズ、スピンオフ作品が出ているが、当時は単発作品の予定であった。リメイク版としてスマホ版、プレイステーション版、3DS版、ニンテンドースイッチ版が存在する。また、『ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて』をクリアすると本作を無料でプレイすることが可能。
主人公は伝説の勇者ロトの末裔であり、かつて魔物を封じ込めるためにロトが使用した「ひかりのたま」を闇に染めた挙句、ローラ姫を攫っていった竜王を倒す旅に出る。
第一作かつ単発作品のつもりだったこともあり、設定やボリュームが現代のゲームに比べて薄く、普通にプレイしても5時間前後あればクリアすることが可能。
様々なイベントをこなしつつ最終的にラスボスである竜王を倒すことが目標。竜王を倒すためには敵を倒しながら主人公のレベルを上げたり、探索をして強力な武器や防具を手に入れ、それらを装備させたりすることが必要であり、むやみに突き進んでクリアできるというわけではない。また、ストーリー中立ち寄る様々な王国や村、町では武器や防具を購入できる武器、防具屋、様々な道具を購入できる道具屋のほか、泊まることでHPとMPを回復することができる宿屋などが存在する。
バトルシステムはターン性で主人公→敵の順番で基本的にどちらかが倒れるまで戦い続ける仕組みである。主人公はたたかう(武器で攻撃)、呪文、道具、逃げるのうちから選択する。逃げるを選択しても必ず逃げられるわけではなく、回り込まれる場合があり、回り込まれた場合、敵からの攻撃を一方的に受けることになる。
これらの基本システムは多少の変更や追加はあるものの最新作まで受け継がれている。
本作のみバッドエンドが存在し、竜王の「もし、わしの味方になれば、世界の半分をお前にやろう。わしの味方になるか?」という質問に「はい」と答えると画面が真っ暗になり、復活の呪文を教えられた後操作することができなくなる。復活の呪文を入力するとレベル1、所持金道具無しの状態で再スタートすることになる。
2.『ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々』
ドランゴンクエストシリーズ第二作。1987年1月26日エニックス社発売。
発売直後から絶大な人気を誇り、その人気は「ドラゴンクエスト現象」という言葉を生み出すほど。
ストーリーは『ドラゴンクエストⅠ』の100年後の世界。竜王を倒し、ローラ姫と共に主人公はローレシアという国を築く。その後、ローレシア、サマルトリア、ムーンブルクの3つの国に分割され、主人公とローラは3人の子供と共にそれぞれの国を治めていた。しかし、大神官ハーゴンの手によって、ムーンブルク王国は滅亡してしまう。人類の存亡のため、ハーゴンを倒すためにローレシアの王子は旅に出る。旅の途中でサマルトリアの王子とムーンブルクの王女に出会い3人でハーゴンに挑むことになる。無事ハーゴンに勝利し、世界に平和がもたらされると思いきや!?
前作は主人公のみの冒険であったが冒険の途中で仲間が加入し、最終的に3人で冒険をすることになる。Ⅱ以降のナンバリング作品では3人以上の仲間が加入する。
基本システムは同じだが、ストーリーのボリュームや戦略が増え、1と比べやりごたえが増した。ドラクエ史上最も攻略が難しいと言われる作品の一つであり、ダンジョンの構造や敵の攻撃が理不尽なものも多い。実際にプレイした感想も圧倒的に難しいと感じた。
3.『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ‥』
ドラゴンクエスト第三部作。1988年2月10日エニックス社より発売。発売日には家電量販店に数キロにも及ぶ行列ができるほどの爆発的人気を記録した。
大魔王ゾーマが登場する作品であり、『ドラゴンクエストⅢ~戦闘のテーマ~』は甲子園などの応援歌などに採用している学校もある。
舞台は『ドラゴンクエスト』の数百年前の世界。本作の主人公が住んでいる世界と遠い未来に『ドラゴンクエスト』の舞台となる世界の2つに分かれている。『ドラゴンクエスト』の主人公は伝説の勇者ロトの末裔だが、『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ‥』の主人公こそが伝説の勇者ロトである。アリアハン王国の勇者オルテガが魔王バラモスを倒すために旅に出るが、旅の途中で消息をたった。父の遺志を引き継ぐため、仲間を連れて旅に出た主人公は不死鳥ラーミアと共に魔王バラモスの討伐に成功する。しかし、真の黒幕大魔王ゾーマとアレフガレドというもう一つの世界が明らかになる。ゾーマとの最終決戦に向け、主人公は旅を再開するのであった。
転職システムが導入(以降6、7、9、10の作品にも導入)され戦略が広がった。ただし、本作品のみ主人公は勇者固定で他の職業に転職できない。職業ごとにレベルが分けられており、ステータスや呪文等は引き継げるものの転職するとレベルが1に戻ってしまう。
転職システムの導入や前作よりも難易度が緩和されたことで、戦略の幅は広がり、プレイはやりやすくなった。尚、本作品までがロト三部作と呼ばれる。時系列的にはⅢ→Ⅰ→Ⅱとなるが、初めてやる場合には発売順にプレイするのがおすすめである。
4.『ドラゴンクエストⅣ 選ばれし者たち』
ドラゴンクエスト第4部作。1990年2月11日エニックス社より発売。
タイトルに導かれし者“たち”と書かれている通り、8人の仲間が登場する。ドラゴンクエストナンバリング作品の中で唯一章が分かれており、本章となるのは第五章で、第一から四章までは第五章で勇者(主人公)のもとに終結する仲間たちのストーリーをプレイすることになる。本編である第五章の内容は主人公の生まれ故郷、山奥の村を恋人のシンシアもろともデスピサロ率いる魔物軍に壊滅させられ、息を潜めていた主人公がかたき討ちのために旅経つところから始まる。物語序盤は1~4章で登場したキャラクターを探しに、後編はデスピサロと闘うために選ばれし仲間たちと旅を進めていく。
小学生のころ一番最初にプレイした作品。第一章は操作キャラが一人でRPGをプレイしたことのない人でもわかりやすく、かつ最大8人の中から4人を選んで戦うという戦略性の高さも兼ねそろえており、ドラクエ入門に丁度いい作品。現在ではお馴染みの馬車の機能もこの作品で初めて実装された。
5.『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』
ドラゴンクエストシリーズ第五作。1992年9月27日エニックス社より発売。
ラスボスに打ち勝つという目標自体は変わらないものの、主人公が大人になるまでの過程を描いた作品でもある。主人公が歳を刻むごとに世界も同様に時が流れていて、時代によって様々な変化がある。物語の大幕を飾るのは結婚イベントであり、二人のうち好きなキャラクターと結婚することができる。また、リメイク版では新たにもう一人キャラクターが追加され、選んだキャラクターによってストーリーが変化する。
父親が人質にされ、殺されてしまったり、主人公は幼少期に魔物の奴隷にされてしまったりと悲劇的なストーリーがある中で、結婚イベントのような華やかなイベントも存在する。一部の魔物は仲間にすることができ、強い魔物程仲間になりにくい。最終的には人よりもモンスターの方が人間よりも活躍する場が多いため、ドラゴンクエストモンスターズシリーズが好きな人には特にお勧めと言える。ドラクエ全体を通して人気の作品なので一度プレしてみてはいかがだろうか。
6.『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』
ドラゴンクエストシリーズ第六作。1995年12月9日エニックス社より発売。
村長にお使いを頼まれた主人公。しかし、その途中で大穴に落ちてしまう。謎の血に降り立った主人公だが、その世界の住人には自分を認知してもらえない。元の世界に戻るとそこは幻の大地だと知らされる。その後故郷の教会で天からのお告げを聞くと自分探し、そして幻の大地の真相を知るため、旅を始めるのであった。
ドラゴンクエストⅡに続き、二回目の転職システム導入。モンスターを仲間にすることはできるが、Vで強すぎたため、性能が抑えられ、仲間にできるモンスターの数も減少した。
特別人気があるシリーズではないが、転職システム、モンスター要素、ストーリー構成などバランスが良い作品。裏ボスのダークドレアムはドラクエ史上最も強いボスのため挑戦してみてほしい。また、Ⅳ、V、Ⅵの三作をまとめて天空シリーズとしている。
7.『ドラゴンクエスト7 エデンの戦士たち』
ドラゴンクエストシリーズ第7作。2000年8月26日エニックス社より発売。
石板を通して封印された過去の世界と行き来し、過去の世界の謎を解いていくと最初はエスタード島という小さな島しかなかった世界が徐々に広がっていく。
するとある時、魔王オルゴ・デミーラの手によってエスタード島と過去の世界が封印されてしまう。魔王の手から世界を救うため主人公たちが立ち上がる。
転職システムあり。転職できる幅が広がり上級職の上を行く超上級職が追加。しかし、ある職業が突出して強すぎてしまったため、強さや安定感を考えると最終的に全員その職業を目標になってしまい、戦略性は少し下がってしまった。ストーリー的にも賛否両論分かれる作品であるが個人的にはかなり好き。
8.『ドラゴンクエストⅧ 空と大地と呪われし姫君』
ドラゴンクエストシリーズ第八部作。2004年11月27日スクエアエニックス社より発売。
スクエア・エニックスになり初めてのドラクエ作品。これまでドット絵の2Dな世界が特徴的だったドラゴンクエストがついに立体的な世界へと進化を遂げた。
トロデーン王国が滅亡し、トロデ王とミーティア姫が呪いをかけられ、それぞれ魔物と馬の姿にかえられてしまった。主人公は二人をもとに戻すべく主人公とその仲間たちは旅に出る。
ストーリーややりこみ要素などからかなり人気の高い作品。バトルシステムにテンションが追加され戦略の幅が大幅に広がった。リメイク版の評価もかなり高く、ドット絵から3Dになったことで世界観も把握しやすく、とりあえずどれでもいいからドラクエをやってみたいという人にはお勧めである。
9.『ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人』
ドラゴンクエストシリーズ第9作。2009年7月11日、スクエア・エニックス社より発売。
主人公は天使界に住む天使。天使は人を天から見守り、サポートする役目を持つ。天使が人の手助けをすることで感謝の気持ちである星のオーラが溜まると、天使界に聳え立つ世界樹に女神の果実が実り、神の国に通ずる。天使たちの目的は神に会うことなのであった。
しかし、ようやく女神の果実が実ったころ、とある事件が発生。女神の果実は世界中に散らばり、主人公を含む一部の天使も地上に落ちてしまうのであった。
転職システムあり。新たに必殺技が追加され、バトル中に必殺ゲージが溜まったキャラは必殺技を使用することができ、複数名同時に使うことで連携わざを使うことも可能。職業によって使用することができる必殺も異なる。仲間となるキャラクターもルイーダの酒場から自分で好きなキャラを選ぶことができる。ドラクエじゃないとの批判もある作品だが、今までの作品とは比べ物にならないほどのやりこみ要素があり、全てを終わらせるには途方もない時間と努力が必要。恐らく何もやることがないという領域に到達した人は両手で数えられるくらいしかいないのではないだろうか。ストーリーをすべてクリアしてから始まる作品と言っても過言ではない。
10.『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』
ドラゴンクエストシリーズ第十作。2012年8月2日スクエア・エニックス社より配信。
ドラクエのナンバリング作品では初のオンラインメインの無料配信作品で現在でも運営、サーバーの更新がされている。Wiiが初配信だがWiiU、Windows、dゲーム、3DS、PS4、任天堂スイッチにも続々リリース。
基本プレイは無料で、月額の課金や課金アイテムなどが存在する。ゲームに熱が入りすぎて、家庭や仕事を放棄した人まで存在した。少なくとも10年は続けたいと運営側は言っており、11年が経った現在でも運営が継続されている。
11.『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて』
ドラゴンクエストシリーズ第十一作。オフラインのナンバリング作品としては八年の時を経て2017年7月29日、スクエア・エニックス社より発売。11と呼ばれるのは3ds、PS4のもので、11Sというニンテンドースイッチ版が存在する。
ユグノア王国に生まれた主人公。手には生まれつき勇者の印であるアザが。しかし、生まれた直後に魔物軍に狙われユグノア王国は滅びてしまう。両親が命がけで主人公を逃がし、たどり着いたのはイシの村。主人公は村で健やかに成長し、大人になったころ、手の紋章についての真実を知ることになる。村の了承を経て、デルカタール王国に出向くと、勇者がいるから魔王が生まれるのだ。悪魔の子め。という理不尽な扱いを受け牢獄に収監されてしまう。
クリア後にわかることだが、ドラゴンクエストⅠ、Ⅱ、Ⅲより遥か昔の世界の話である。ロトの勇者というのは本作品の舞台であるロトゼタシア大陸からきているのではないだろうか。特技や呪文の多さ、連携わざによりさらに戦略性が上がった。裏ボスを倒し、真のエンディングを見ることでドラクエⅠを無料でプレイすることが可能。最新作ということで操作性がわかりやすくなっている上、めんどくさい部分はスキップできるようになったりとシステム的な面でストレスがなくなった。敵が強くなっている分、ダメージなども出しやすく爽快感を感じられる場面も多い。ただ、簡単になったかと言えばそんなことはなく、11Sには全員のレベルを最大まで上げても倒すのが難しい敵も存在する。
今からプレイするのであれば、11ではなく11Sを購入するのが圧倒的にお勧めである。
12.アニメ『地獄楽』
監督:牧田佳織
原作:賀来ゆうじ
石隠れの忍、がらんの画眉丸は罪に問われ、処刑に会うも幾度の死刑に耐え抜いてしまう。
全く歯が立たない画眉丸の首を切り落とすべく、打ち首執行人の山田浅エ門佐切が打ち首を試みたところ、画眉丸は無意識に抵抗。佐切には妻への未練が残っているからだと指摘される。その後佐切はたった一つの救いの手を画眉丸に提示。画眉丸は無罪放免のために佐切が提出した条件に乗るのであった。
マンガ第一巻が出たときから話題になっていた作品。罪人が主人公という珍しい設定。舞台となる島は独特な世界観で見ごたえあり。グラフィックもきれいでお勧めです。
13.『傷物語<Ⅰ鉄血編>』
原作:西尾維新
監督:新房昭之
物語シリーズ劇場版第一作。
『化物語』に至る前の話。主人公である阿良々木暦は何の変哲もない男子高校生。三年生目前の春休みのある日のこと。深夜の地下鉄の駅で常人であればとっくに死んでいるほどの傷を負った女と出会う。話を聞くとその女はキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードという名の500年の時を生きる伝説の吸血鬼だという。暦はその傷の量や見た目から人ではないことに恐怖を覚え後ずさりをするが、見捨てられると思った吸血鬼は先ほどまでの貫禄などなく泣きわめきながら助けを乞う。しかし、暦は逃げてしまう。見捨てるわけにはいかないと思う気持ちと自分の命を天秤にかけた暦は戻ることを決意。身を挺して彼女を助けるのであった。
14.『傷物語〈Ⅱ熱血編〉』
原作:西尾維新
物語シリーズ劇場版第二作。
身を挺して吸血鬼の命を救った暦だったが、身体は吸血鬼の体質になってしまった。そして、伝説の吸血鬼の姿は見えず、幼女がのこるのみであった。暦が人間に戻るには吸血鬼ハンターに奪われたキスショットの両手両足を取り戻さなければならないのであった。現状に頭が追い付かない暦は忍野メメと名乗る謎の中年男性の仲介の元吸血鬼ハンターに挑むのであった。
15.『傷物語〈Ⅲ冷血編〉』
原作:西尾維新
物語シリーズ劇場版第三作。
吸血鬼となった暦はいとも簡単に吸血鬼ハンターを倒してしまうが、その理由についてキスショット自体が伝説的な存在であるため至極当然なことだと説明される。しかし、ここで一つ疑問が生まれる。そう、何故キスショットはそんな三人を相手に負けてしまったのかということだ。その疑問を抱いた暦に忍野はとあるものを渡す。それはキスショットの心臓だった。そしてその心臓を抜き取ったのは僕だと忍野は説明する。これについては、バランスを取ることを仕事としている忍野は伝説の吸血鬼と吸血鬼ハンターがこのまま戦ってしまっては伝説の吸血鬼が圧倒的勝利を収めてしまうため、試合を五分五分にするハンデとしてこっそり心臓を抜き取ったのだという。これで物語は終わるはずであったが阿良々木暦というイレギュラーが登場したことにより、忍野の計画にずれが生じ、物語が始まっていくのであった。
物語シリーズの時系列でいうと最も最初に当たる作品であり、この三作を見ることで阿良々木とキスショットが出会った経緯を知ることができる。必須級というわけではないが物語の全貌を知るためには必要な作品。ただ、はじめは時系列順ではなく、放送順で見て頂きたい。また、今回は時系列順ではなく放映順に説明し、時系列に前後がある場合のみ記載する。
16.アニメ『化物語』
時系列でみれば『傷物語』の次の作品、放送順でいえば、物語シリーズ最初の作品である。
『傷物語』で起こった事件の後の物語。阿良々木暦が文化祭の準備に取り掛かっていたところ、同じクラスメイトなのにもかかわらずほとんど話したことのない女子生徒、戦場ヶ原ひたぎの秘密を知る。その秘密は彼女にはほとんど体重がないことであった。その体重はわずか5kg。最初は秘密を公言されることを嫌った戦場ヶ原と阿良々木は対立するが、助けられるかもしれないと忍野メメのもとに連れていくのであった。
物語シリーズの原点。まず見るならこの作品。
17.『猫物語・黒』
『傷物語Ⅲ 冷血編』と『化物語』の間の物語。4話のみの短編。羽川の
時はゴールデンウイーク。羽川翼とその家族について描かれている。忍野メメに羽川の様子を見てきた方がよいと言われた阿良々木。実際に見に行ってみると、障り猫に取りつかれてしまっていた。羽川を救うため阿良々木は妖刀「心渡(こころわたり)」と共に障り猫に挑むのであった。
また、『傷物語』~『猫物語・黒』までを第一シーズンとする。
18.『猫物語・白』
時は飛び、『猫物語・黒』、『化物語』でも解決しなかった羽川の問題についに終止符が打たれる。時系列的には自作の『傾物語』の中間辺りで、前作から4か月ほどたった後の話である。これまで阿良々木の視点で物語が進んでいたが、本作は羽川の視点になっている。
こちらは6話構成となっており、『猫物語・黒』と併せて10話で羽川翼の物語に決着がつくのであった。
19.『傾物語』
読み方はかぶきものがたり。
阿良々木は夏休みの間、怪異に関する事件に対応をしていたため、夏休み残り1日にも関わらず、宿題に一切の手を付けていなかった。忍野忍(キスショット)にタイムスリップできないかと頼むと、なんとできるとのこと。しかし、一日前に戻るはずが11年前の5月13日に戻ってしまう。11年前の世界の様子を見ていた阿良々木だが、ふと11年前の5月14日に交通事故によって亡くなってしまった少女、八九寺真宵のことを思い出す。助けられるのではないかと考えた阿良々木と忍、しかし、今ここで助けると現実世界で怪異となって現れていた八九寺との関係が切れてしまうことに気付く。葛藤の中二人は八九寺を助けると決めた二人であった。
20.『花物語』
神原駿河は死別した母親から猿の手のようなミイラを受け継いでいた。そのミイラはどんな願いでも3つまで叶えてくれるが、最終的にその代償として体と魂を乗っ取る怪異「レイニーデヴィル」であった。2つ目の願いを叶えたとき、左腕が毛むくじゃらの猿のような手となってしまう。それから約1年。「悪魔様」に相談すればどんな悩みも解決するといった噂を耳にした神原は悪魔様を探しに向かうのであった。
21.『鬼物語』
『傾物語』の続きの話。
11年前の世界で八九寺を救った阿良々木は現実世界に戻った後、八九寺との再会を遂げた。八九寺と阿良々木が雑談していた時、なんともいえない暗闇が突如目の前に現れ、阿良々木は八九寺を自転車に乗せ、本能のままに暗闇から逃げるのであった。しかし、逃げ切ることはできず、自転車が暗闇に吸い込まれてしまう。絶体絶命かと思ったその時、斧乃木余接が現れ、アンリミテッド・ルールブックによって逃げるのであった。
『猫物語・白』~『鬼物語』までを2シーズンとしている。
22.『憑物語』
大学受験を控えた2月のある日、阿良々木は自分の体が鏡に映っていないことに気づく。
また、阿良々木は忍野忍に血を吸わせることで、一時的に吸血鬼の力を手に入れていたのだが、近頃、血を分けていないのにもかかわらず、身体が吸血鬼化しているのだった。一体阿良々木の体に何が起こっているのだろうか。
23.『暦物語』
新しい話というよりは阿良々木の高校三年生としての一年間の生活の振り返りを描いた作品。しかし、まとめのようなものではなく、これまでに描かれていなかった、数々の事件の様子が描かれている。
ネットには見なくていいなどと書かれているが、この話で書かれている事件はどれも今までに触れられてこなかったものなので、見る必要はあると個人的に考えている。
24.漫画『ダーリン・イン・ザ・フランキス』
作者:矢吹健太郎
オリジナルアニメ通称ダリフラの漫画版。
地殻変動や環境破壊が進み滅びかけた世界で生き延びる人類。巨大移動要塞都市を築き上げ平和な日々を送っていたが、突如現れた叫竜によって平和が脅かされていた。人類は叫竜に対抗するべく、フランクスという男女二人で乗って操縦するロボットを開発し、そのパイロットにするためだけの名もない子たちを育てているのであった。
基本的にアニメと内容は同じだが、アニメよりも性的描写が多いので苦手な人は注意。
25.漫画版『五等分の花嫁』
作者:春場ねぎ
こちらも基本的にはアニメと内容は変わらない。
学年1の天才上杉風太郎。しかし彼の家はとても貧乏であった。そんな彼が家のため、家庭教師としてアルバイトとして新しく働くことになったのは五つ子の同級生!?
しかも5人そろって勉強は全くと言っていいほどできなかった。この五人を卒業させろと言われ、頭を悩ませる風太郎だったが、一度やってみることを決意する。
26.漫画版『寄宿学校のジュリエット』
作者:金田陽介
名門ダリア高校。完全寮制のダリア高校では寮が黒犬の寮と白猫の寮の二つの派閥にわかれていた!!しかし、黒犬の寮1年生リーダーの犬塚露壬雄は白犬寮ジュリエット・ペルシアに熱烈な恋を抱いていたのであった。他の誰にもばれてはいけない2人の秘密の恋愛物語が始まるのであった。
恋愛よりもギャグ要素強めな作品。しかし、最終回には感動的なシーンも。女子キャラが多いので男子必見のラブコメディ。
27.『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』
原作:吾峠呼世晴
鬼滅の刃第4期。
炭治郎たちは人類として100年ぶりに上限の鬼を倒し、鬼たちにも波紋を呼んでいた。
そのころ炭治郎は刀鍛冶の里に向かう途中、柱の一人、時透無一郎と小鉄に会う。
何やら言い争っている様子だったが??
時透無一郎を主とした刀鍛冶編。上限の鬼が倒され、ようやく無惨討伐へと一歩進んだ鬼殺隊。漫画で内容を知っていてもアニメでもう一度見たくなる。個人的に鬼滅の中では無一郎が最推しなので激熱な編。
28.映画『ラ・ヨローナ ~泣く女~』
監督:マイケル・チャベス
公開2019年5月10日
1970年代のロサンゼルス。ソーシャルワーカーのシングルマザー・アンナは、川で溺死した子らの母親から謎の警告を受ける。まるで意味が分からないアンナだったが、ほどなくして子供たちはその母親の警告通り、本当に女の泣き声を聞いてしまう。それは、水のある場所ならどこにでも現われて子供たちの命を奪う、ヨローナの呪いだった。
アメリカのホラー映画。かなりドッキリ強めの作品なので、心臓が弱い方は注意。
昼間、明るいうちに見ることをおすすめする。
29.『君たちはどう生きるか』
監督:宮崎駿
太平洋戦争末期、母を亡くし、疎開するも父親の再婚相手は母親に激似の女性であった。疎開先の生活に不満を抱いていた眞人。疎開先の屋敷の近くに大叔父が建てたという塔のようなものを発見し、喋るアオサギに入るよう唆された眞人はその内部へと侵入するのであった。
SNSで様々な反響を呼んだ作品。よくわからないという声が多かったが個人的には感動的で面白いと感じた。ただ、確かにわからない部分も多かったのでもう一度見たいと思うところもある。
30.アニメ『メイドインアビス』
監督:小島正幸
人類最後の秘境アビス。多くの探検家たちがアビスに立ち向かうため集まった結果気づけば大きな町ができているのであった。中には多くの宝、魔物、秘密が埋まっており、多くの探検家はロマンを求め、アビスと呼ばれる大穴に命を懸けて挑むのであった。
キャラクターデザインに釣られてわくわくの冒険アニメかと思ってみると期待を裏切られるので注意。鬱やグロに体制がない人は注意。
2年 橋原
RES
夏休み課題1~30
1.『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』(アニメ)
作者:高田康太郎、麻生羽呂
監督:川越一生
〈あらすじ〉ブラック企業に勤めるアキラは、連日のパワハラやサービス残業により人間らしい生活をすることが叶わず、自殺願望を持つほど疲れ切っていた。そんな日々のとある朝、起床すると街はゾンビで溢れかえっていた。アキラはその様子を見ながら、「今日から会社に行かなくてもいいんじゃね?」と歓喜する。ブラック企業から解放されて自由の身となったアキラは、「ゾンビになるまでにしたい100のこと」というリストを作成し、親友のケンチョと共にその内容を達成すべく自分のやりたいことを次々に実現させていく。
〈考察〉物語序盤の会社に入社して希望を胸に抱き、新しい生活をスタートさせていく様子から、徐々に会社の闇に取り込まれ心身ともに疲弊していく様子を徐々に色が無くなりモノクロで表現し、会社から解放されて自由の身になった際にはモノクロから一気にカラフルな世界になる様子が主人公アキラの見ている世界を表していると感じた。また、血の表現を赤だけではなく色とりどりのカラフルな色で表現することで、ゾンビにあふれた世界をグロテスクに表現するのではなく、視聴者に不快感を与えず絶望した世界ではなく、あくまで主人公アキラの見ている楽観的な世界、コメディ作品ということを反映していると考える。
2.『アンデッドガール・マーダーファルス』(アニメ)
原作:青崎有吾
監督:畠山守
19世紀末の吸血鬼・人造人間・人狼など、異形な存在がまだ暮らしていた世界。首から下のない不老不死の探偵・輪堂鴉夜が、鬼殺しの異名を持つ半人半鬼の真打津軽と、彼女に付き従うメイドの馳井静句と共に、怪物専門の探偵「鳥籠使い」として数々の事件を解決しながら、鴉夜の奪われた体を探すなどそれぞれの目的のためにヨーロッパを巡る物語。
吸血鬼や人狼以外にも怪盗ルパンやシャーロック・ホームズ、モリアーティ教授など有名なキャラも多く登場し、探偵として様々な事件を解決したり、繰り広げる異能力バトルも迫力があったりするなど、物語の展開として見ていて飽きることがない。探偵として推理していく様や、鴉夜と津軽の目的である人物がつながっているなど、それぞれの目的や思惑が交差していて面白いと考える。
3.『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』(アニメ)
原作:天壱
監督:新田典生
8歳の時に乙女ゲーム「君と一筋の光を」の世界に転生していることに気付いたプライド第一王女。ゲームの通りなら、十数年後にはヒロインである妹のティアラ第二王女と攻略対象者たち、国民を苦しめる悲劇を巻き起こす最強外道ラスボスへと成り果ててしまう。特殊能力者が生まれる国フリージア王国で王位継承の証となる予知能力を目覚めさせたことにより第一王位継承者となったプライドは、持てる権力とチート能力で起こりうる悲劇から人々を救っていく。
乙女ゲームに悪役として転生し、主人公が前世の記憶を目覚めさせたことにより今までのわがままな性格とは一変して、素晴らしい人物となっていくというよくある設定だが、8歳から年齢が上がっていく話の展開から、年齢とともに体も心も強く成長していく主人公の様子を視聴者として間近で見ていくことで、応援したいなど主人公に対しての好感度が上がっていく作品だと考える。悲劇を回避し、本来なら憎まれるはずの攻略対象者達からも好かれ慕われているのに、元々のゲームでの自分の最悪具合を知っているが故に、常に怯えている主人公とそんな主人公を慕う登場人物たちの関係も見どころだと言える。
4.『七つの大罪 怨嗟のエジンバラ後編』(映画)
原作:鈴木央
監督:阿部記之
七つの大罪の続編であり、黙示録の四騎士へとつながる物語。
メリオダスたちの冒険から14年後、メリオダスとエリザベスの息子・トリスタンが両親から受け継いだ大きな力と向き合いながら、戦いに挑む冒険ファンタジー。前編ではトリスタンがエリザベスを救うために元聖騎士・デスピアスと対峙し、後編ではデスピアスとの対決が佳境を迎え、前編で出会った妖精の正体とトリスタンとの過去が明かされ、壮大な物語が展開していく。
後編では、七つの大罪メンバーも登場しファンに嬉しい展開となった。原作では少しだけ描かれたトリスタンとランスロットの過去の場面を大きく扱い、それに対し抱えていた両者の葛藤なども描かれ、黙示録の四騎士につながる話としてふさわしいと考える。また最後までランスロットとバン、ランスロットとキングが邂逅しなかったこと、キングとディアンヌの子供なども描かれず終わったことで、黙示録の四騎士本編でもまだ出ていないことは描かれず、より本編を楽しみにさせている。
5.『劇場版アイドリッシュセブン LIVE4bit BEYOND THE PERiOD』(映画)
原作:バンダイナムコオンライン/都志見文太
監督:錦織博、山本健介
「ブラック・オア・ホワイト ライブショーダウン」を争った男性アイドル界のトップランナーたち、4つのグループによる夢のライブが開催。IDOLISH7・TRIGGER・Re:vale・ZOOLのそれぞれ異なる魅力を持つ4組が一同に会し、壮大なライブエンタテインメントが今幕を開ける。
この作品は映画でありながらも、アイドルたちのライブ映像を見ることができ、応援上映もできるなど、まるで本当のライブ会場にいるかのような感覚になることができる。正面から、後ろから、横から上からのライブ映像が見れ、実際のライブでは見ることができない角度からの映像があることや、また通常のライブに行ける回数には限りがあるが本作は上映期間の限り何回も見に行けることができるなど、映画という形を最大限に生かしている。内容もライブさながらであり、一曲一曲フルでアイドルたちのダンスと歌や、曲間のMC、全グループでの歌を映画館という大画面で見られること、また最後に期間限定でアフタートークがあるなど、ファンたちが喜ぶことが多くあり、制作側はファンたちのことをとても理解していると感じた。
6.『亜人』(漫画)
原作:三浦追儺 漫画:桜井画門
「亜人」と呼ばれるその生物は死なない。病気の妹の為に医者を目指していた高校生・永井圭はある日、交通事故で死ぬが、その直後に生き返った。そのことから彼が亜人であり人間でないことが判明し、そこから圭を取り巻く環境が一変する。政府に追われる身となった圭に、手を差し伸べたかつての幼馴染・海斗や、他の亜人である佐藤と出会い、亜人と政府の戦いに巻き込まれていくことになる。
主人公は医者を目指していたことから頭が良く、読んでいて為になる知識も多くあり、主人公と佐藤の頭脳戦もとても見ごたえがある。最初の妹を思う優しい兄という印象から変わる描写や、主人公の亜人特有の性質がなぜ強いのかそれが明らかになる場面、亜人はなぜ生まれたかという問いに対する答えとしての過去を想像する場面などが見ていてとても引き込まれるようで、そういった場面の描写の描き方が非常に優れていると考える。そして冷酷に見えた主人公の人間らしさが垣間見えたり、ずっと冷静に、持つ知識を使って戦ってきた主人公が最後は運に頼ったり、戦いが終わった後の主人公の目指す場所と終わり方が、ストーリーとしてとても面白くまとまっていると考える。
7.『憂国のモリアーティOp.5 最後の事件』(舞台)
原作:三好輝、竹内良輔
脚本・演出:西森英行
時は19世紀末、大英帝国最盛期のロンドン。古くから根付く完全階級制度により、上流階級の人間たちに支配されている大英帝国。生まれ落ちた時から一生涯の階級制度は、必然的に人間同士の差別を生んだ。そんな中、階級制度による悪を取り除き、理想の国を作ろうとする青年がいた。ジェームズ・モリアーティ、或いはシャーロック・ホームズの敵の話。そして天才的な頭脳を持つウィリアムと志を共にする仲間たちと共に、国から階級制度をなくす計画が佳境を迎えていた。
漫画原作の舞台であるが、原作のセリフや場面、キャラクターが忠実に再現されていて、原作ファンも舞台ファンもみんな楽しめる作品だと考える。ミュージカルとしても歌の迫力が凄く、このセリフを歌にしたのかと思う曲の作りこみや、時には映像を使うなど、舞台を生かしたそれぞれの場面の映え方が工夫されていた。また最後がどのように終わるのか気になっており、状況的にアニメでの終わり方かと思ったが、アニメにはない漫画の場面での終わりとなり、誰もが納得する終わりだと感じた。
8.『もののがたり』(漫画)
原作:オニグンソウ
歳を経た器物は、やがて神錆びて心を宿し付喪神となる。付喪神は常世と現世をつなぐ存在であり、そんな付喪神を常世に還すことを生業とする塞眼という一族がいた。その一族の一員であり付喪神に大切な人を奪われ、憎む青年・兵馬と六人の付喪神と共棲し、家族として愛する少女・長月ぼたんが、訳あって一緒に暮らすことになる。三者交わる共同生活、前途多難な屋根の下で繰り広げられる人と物、絆と恋の物語。
話の内容としてはバトルものに思われるが、付喪神によって家族を失った青年と、付喪神と家族として暮らしている少女の対比から両者がそれぞれの心に寄り添いあっていき、最後には結婚するという流れから、最初から一貫してこの物語は青年と少女の恋の物語だったということに気付かされる。また少女と暮らしている付喪神たちが婚礼調度であることからも最後本来の役割を行うことが物語としてまとまっていると考える。
9.『青の祓魔師』(漫画)
原作:加藤和恵
奥村燐とその双子の弟・雪男は神父・藤本獅郎に育てられ、修道院で暮らしていた。中学卒業から間もないある日、燐は「悪魔」の存在を知る。燐は悪魔の王「魔神(サタン)」の息子であり、その力を受け継いでいた。養父の獅郎は祓魔師であり、サタンの干渉から燐を守っていたが、サタンに憑依された後、命を懸けて燐を守り死んでしまう。燐は己の無力さを悔やみ、祓魔師になってサタンと戦うことを決意する。そして祓魔師となるべく専門の学校に入学する。
燐と雪男は双子だが、悪魔の力を持っているのは燐だけである。そのことを雪男は嫉妬のような感情をもっており、最初は雪男にも悪魔の力が目覚めて欲しいと感じていた。しかし、物語が進むにつれ、最終的には雪男は悪魔になることはなく人間として、どんどん悪魔として成長していく燐と対比的に描かれるようになる。それは、燐と雪男の母親であるユリが人間と悪魔の共存を願っていたことから、燐は悪魔として雪男は人間でいることに大きな意味があるのだと考える。悪魔になるのではなくあくまで人間として燐のそばに双子として存在し、時にはぶつかりあい、お互いに複雑な感情を抱きながらも、心の奥底では兄弟としてお互いを何より大切に思いあっている、仲の良い二人の姿がユリの描いた悪魔と人間の理想であり、希望なのだと感じた。また、そのユリの願いを知っているのが燐だけであることも燐が悪魔としてだけではなく、人間に寄り添う人間の心をもった悪魔という立場を引き立たせていると考える。
10.『クズ悪役の自己救済システム』(アニメ)
原作:墨香銅臭
監督:秦鶴陽
修仙の世界を舞台に、登場人物はみんなイカれて傲慢なのに、主役より強いキャラクターが出てこないという長編ハーレム小説「狂傲仙魔途」。トンデモ設定ばかりで伏線の回収もないその終わり方に納得できず、毒づいた言葉を書き込んだ沈垣は肉まんを喉に詰まらせて死んでしまう。しかしあろうことか、その小説の世界の主人公・洛氷河を苦しめるクズ悪役・沈清秋に転生してしまった。悪役の身に待ち受ける悲惨な結末を回避して生き延びるため、小説転生システムのルールを守りながら、沈清秋(沈垣)が動き始める。
転生したのがかなり洛氷河をいじめてしまっていたあとだったが、生き残るため主人公にこれまでとはかわって優しくしようとする主人公と、そんな主人公を最初は不振に思いつつ慕うようになる洛氷河の関係性の変化が面白い。また、すぐ優しくできるというわけではなく、悪役としてのキャラ設定を守らなければならないというシステムがあることで、ルールを守りつつ奮闘する主人公の姿が際立ち、より面白くさせていると考える。キャラ設定故にクールなキャラでいる主人公だが、実際は現代から転生したオタクであり、内心ハラハラしっぱなしというギャップや主人公の環境適応能力の高さに驚かされる作品である。元は中国の小説だが、アニメになることで設定が少し変わり万人受けしやすい作品になっており、アニメならではの工夫が多くされているところも原作とはまた違った良さがあり見どころの一つである。
11.『SAND LAND』(映画)
原作:鳥山明
監督:横嶋俊久
魔物と人間が共存するサンドランドは水のない砂漠の世界。唯一の水の所有も人間の国王が持っていた。サンドランドに暮らす悪魔の王子ベルゼブブは、魔物のシーフ、人間の保安官ラオと共に、水を失った砂漠のどこかにあるという幻の泉を探すため、危険な旅に出る。
人間より純粋な魔物と欲にまみれた人間、それだけではなく魔物の魔物ゆえの邪悪さや強さ、弱いだけではなく強い人間がいることや、正義を持つ人間など種族を超えて、あらゆるものの可能性が広く描かれていると感じた。また、始まりの泉を探しに行くとこから、危険な旅を経て様々な真実を知り、最後には水を得るところまで話の起承転結が綺麗にまとまっており、作品として見やすいと考える。最後のエンディングの入りもまた感動する。
12.『青のオーケストラ』(アニメ)
原作:阿久井真
監督:岸誠二
世界的に有名なヴァイオリニストである父のもとコンクールで活躍した、元天才ヴァイオリニストの青野一。とある理由からヴァイオリンを辞め無気力になっていたが、中三の秋に同級生の秋音律子との出会いをきっかけに音楽への情熱を取り戻す。青野は秋音とともにオーケストラ部のある海幕高校に進学するが、そこは強豪校の厳しい練習とさまざまな悩みを抱えた部員たちが一つの音を作るためにぶつかり合う世界だった。
漫画を読んでいてアニメで見たいシーンが多くあり、特にアニメ2話の最後に主人公がカノンを演奏するシーンは楽しみにしていたが、期待以上に素晴らしかった。アニメでの普段の演奏シーンはCGが使われているが、カノンのシーンは普通の作画で描かれており、そのことからもそのシーンにかける制作陣の意気込みの強さも大きいということがわかる。音があることで主人公やオーケストラ部の部員たちのそれぞれの演奏の違いや、演奏にかける思い、表現の仕方がよりダイレクトに伝わり、漫画とはまた違うアニメだからこそ表現できる世界観だと考える。
13.『101人目のアリス』(漫画)
原作:かわい千草
近隣諸国の音楽エリートが集まる音楽学校・モンドヴィル学園。通常は定員が100人だが、101人入学した年があった。祖父の願いとある目的を持って、その学園に入学したアリスティドは、実は音楽の基礎をほとんど身に着けていなかった。そんな彼をみんなは「101人目」と馬鹿にする。ところがヴァイオリンの授業で、ある彼の演奏を耳にしたとき、周囲の笑いは凍り付いた。波乱万丈なアリスの学園シンフォニーが開幕する。
音楽の基礎がなくても、ある曲では人々を魅了し驚かせる演奏をしたり、たまに天才的な音楽の才能を見せたりするなど、設定としても魅力的であり、読んでいて主人公の成長や演奏がとても楽しみな作品である。徐々に明らかになる主人公の目的や、隠れた才能の秘密、主人公の周りの人間関係も変化していくことで展開としても見飽きることはない。主人公もヴァイオリニストとして成長していくが、それと共に周りの登場人物たちも過去や家族というそれぞれに抱える闇から救われ成長していく物語だと考える。
14.『空棺の烏』(小説)
原作:阿部智里
八咫烏シリーズの第四弾。
人間の代わりに八咫烏の一族が住まう世界「山内」。優秀な兄宮が廃嫡され日嗣の御子の座についた若宮。若宮に仕えることになった少年・雪哉は、御身を狙う陰謀に巻き込まれていく。エリート武官を養成する全寮制の学校「勁草院」に入学した雪哉。次の日嗣の御子たる若宮派と巻き返しを図る兄宮派との間で激化する対立の中で次々と起こる事件に雪哉は立ち向かい、また「勁草院」の競争の中で少年たちは友情を深めていく。
本作は若宮の近衛になると決意した主人公・雪哉が今までは優秀なことを隠し愚かなふりをしていたが徐々に本来の力を見せていく、シリーズの中でも読者が待ち望み楽しみにしていた展開になっていると感じる。雪哉の頭が良く冷静で冷酷な部分がより顕著に表れ、他の登場人物とは違う凡人ではない非凡な主人公という魅力が際立っている。また宮中を舞台としていた前作までとは違い、猿という敵、主従ではない仲間とのつながり、先代金烏の死の謎が描かれたことで、物語の世界が広がり、新たな展開が生まれたシリーズの転換点になった巻だと考える。
15.『サマーウォーズ』(映画)
監督:細田守
世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界OZがある世界。数学が得意な高校2年生の健二は憧れの先輩である夏希から、長野県上田市にある夏希の実家に一緒に行くというバイトに誘われる。26人の親戚が集まる中で健二は、ひょんなことから夏希の婚約者のふりをすることになった。宿泊中の夜、OZから謎のメールが届いた健二はその暗号を解いてしまう。翌朝起きると、OZのシステムがダウンし国中大混乱になり、その犯人として健二が指名手配されていた。
作中で夏希の実家に来た時期は甲子園の県予選の最中であり、そこに夏希の親戚が上田高校の野球部として登場し、度々中継が描かれている。その上田高校が好調に勝ち進んだ時には主人公たちの状況も好調に進み、危機的な場面を迎えた際は主人公たちも危ない状況に陥るなど、試合状況と作中の展開がシンクロしている。また隠し子という立場である侘助と本家の親戚たちは複雑な関係ではあるが、侘助が栄おばあちゃんを大切に思っていることや親戚たちと途中から協力関係を築くこと、幼い頃から夏希が慕っているという点を踏まえると、栄が幼い頃から侘助を他の子どもたち同様大切に育てていたということがうかがえる。作風も仮想世界のOZと現実世界が共存して描かれ、表現も現実ではできないことができるが、今の世でありえそうなことでもあるので、視聴者に非現実感だけではなく現実味をもたせ楽しませる作品だと考える。
16.『ヒックとドラゴン1.2.3』(映画)
原作:クレシッダ・コーウェル
監督:ディーン・ジュボア、クリス・サンダース
以前より、バイキングとドラゴンの戦いが続いているバーク島。ある日、ひ弱な少年・ヒックは自分の開発した武器で最も危険とされるドラゴンのナイト・ヒューリーにケガをさせることに成功する。しかし誰もそのことを信じてくれない。ドラゴンを探しにいき、そこで自分がケガをさせたドラゴン・トゥースと出会う。ドラゴンの習性を知り、トゥースと友情を築いていく中で、ドラゴンを敵と決めつけるバイキング達の意識を変えたいと思うようになる。
1作目のトゥースと出会って心が通じ合う場面と、3作目でトゥースと別れの場面のトゥースとヒックの構図が一緒であり、友情が芽生え、育み、仕方がなく別れが訪れるというヒックとトゥースの友情物語としての最初と最後での対比だと考え、意図的であると考える。また冒頭部分にヒックがバーク島とドラゴンの立ち位置についての語りのシーンがあり、最後にもヒックの語りがあるが、その最初と最後での語りの対比も面白く、かっこいいと感じる。最初は凶暴で怖い存在に見えたドラゴンも、人間と仲良くなるにつれ可愛く描かれるようになり、ペットであり友達であり家族になった人間のドラゴンたちの見え方が変化しているからだと考える。
17.『この音とまれ!』(漫画)
原作:アミュー
先輩が卒業して箏曲部唯一の部員となってしまった武蔵。四月になり新入部員の勧誘に励むのだが、部の存在自体も知らない人もいる状態。そんな彼の前に見るからに不良である久遠愛が入部したいと言い出す。筝の家元の娘・鳳月さとわや、愛の友達の堺、足立、水原や、何か思惑がある来栖なども入部することになる。各々が抱える問題や過去と向き合いながら全国大会に向けて日々練習に励んでいく。
本作は主人公達がいる高校の箏曲部がメインとなるが、大会などで演奏をするにあたりその他の高校、部員にスポットが当たることがあり、それぞれの筝にかける思いが描かれるので誰もが主人公であるのだと感じさせる。主人公である久遠愛や鳳月さとわの重い家族関係や、倉田武蔵の弟との確執、顧問である滝波先生、筝曲部員の友情など漫画らしい設定もありつつ人間関係や天才と平凡の才能の違いなどがリアルでもあり、箏を通じて描かれるその家族関係と友人関係がとても感動する。最新話では全国大会に進み、最初は否定的だった滝波先生の筝曲部員への思いと笑顔が初めて描かれたり、愛の父親が遂に登場したりするなど読者が待ち望んでいた展開が訪れ、より一層引き込まれる展開だと考える。
18.『そこで星屑見上げてろ』(漫画)
原作:奥悠
国民的アイドル・天川秀と元有名女優の息子・天川彗は、父親の影響力によって平穏だった日常生活が少しずつ崩れ始めていた。その反抗心から、父親が関わっているアイドルオーディション番組「スターダストスターダム」に参加し、ぶち壊そうと決意するが、徐々に真剣にアイドルを目指し練習に取り組むようになる。
主人公が国民的アイドルと元女優の息子という立場から描かれる二世の苦悩や国民は知らない事情、近年多く見られるオーディション番組の裏側がリアルに描かれ、ストーリーとして非常に面白いと考える。最初は父親への復讐として参加した主人公も徐々にやる気と父親譲りの才能が現れ始める展開や設定も多くの読者が好きな特別な血筋と才能を持ち、恵まれた環境だけではなく重い過去や事情もあるという普通ではない主人公であり、そんな主人公がトップアイドルになっていくような成長物語であることも、作品を面白くさせていると考える。
19.『サツドウ』(漫画)
原作:雪永ちっち
製菓メーカーに勤めるごく普通のサラリーマン・赤森六男。ある日、残業を終えて帰宅途中、六男はオヤジ狩りをしている半グレ集団に遭遇する。六男も因縁をつけられるが、武器を持った半グレ集団を一瞬で倒してしまう。実は六男は伝説の殺法術「背神活殺流拳法」を受け継ぐ「赤森家」の子孫だった。平凡ではないサラリーマンが、平穏を求め迫りくる敵を倒し歩む、血と格闘にまみれた物語。
本作は一見平凡なサラリーマンが実はすごく強く、伝説の血筋を持った普通ではない生まれの主人公という、前述でもあるように読者が好む設定と言える。格闘の話であるので主人公や主人公を倒そうとする格闘家、暗殺者などとの戦いシーンもかっこよく描かれ、誰もが一度夢見た展開や設定であると考える。また、主人公は赤森家の六番目の子供であるので主人公の上にも兄弟がおり、存在がほのめかされるものの未だに全員登場していないことや、主人公の子供時代や家から抜けサラリーマンをしている理由が明確に明かされていないことから、この先の展開も読者を非常に楽しみにさせていると考える。
20.『8クラス魔法使いのやり直し』(漫画)
作者:Tess、Ryu song
皇帝ラグナルと帝国のため手を血に染めてきた数十年間。故郷に戻り、罪を償うごとく静かに暮らしていた8クラスの大魔法使いのイアン・ペイジ。ところが、友であり主君であったラグナルに裏切られ命を奪われそうになる。その時、時間魔法の呪文が刻まれている短剣で自らの心臓を貫き、30年前の過去に戻ってきた。人類初の8クラス魔法使いであるイアンが未来での死を防ぐべくやり直しをする物語。
本作は最強である魔法使いが過去に戻り、自らの後悔や死を防ごうと奮闘する話であり、過去の選択を違うものにしたり、本来もっと先に知るような出来事を過去に戻ってきたという強みを生かし、地位や強さを確立していくという設定自体は王道の回帰ものであるが、読者が好む設定だけではなく、作品自体に魅力があり楽しめる物語だと考える。主人公が無双していく展開もだが、本来の過去では知りえなかった真実が違う選択をしたことにより明らかになる展開もまた面白いストーリー構成である。終わりに近づくにつれ、この物語はイアンの2回の人生を経た、イアンとラグナルの友情関係を描いている物語なのだと感じた。
21.『武功教官ペク教師』(漫画)
作者:ORIBORI、S.JLEE、Ganjiajang
血教で教官をしていた男は捕らえられた天下一を争う四人の高手たちに10年間教えを請い、彼らと共に血教に反逆する。その後敗北し殺されたが、田舎にある武館のペク師匠に転生した。4人の師匠から授かった武功ともう一つの武功を駆使し青龍学館の人気講師になるべく教官として就職する。そこで師匠たちの武功を継承する弟子を探し、滅びたと言われる血教との過去の因縁に巻き込まれながら、武術界を鍛えなおしていく。
本作は武俠小説で転生ものというよく見られる設定だが、主人公が学校に入学する生徒ではなく先生というのが多くの作品との決定的な違いである。教師だからこそ、教わる立場ではなくものを教える立場として生徒や権力を持った家系に媚をうるような同僚たちを指導し正しい道につき進めるように指導していくことが本作の最大の魅力だと考える。また転生する前と転生した後で主人公自身も考えを改め、武功の強さも指導方法も成長していくので主人公個人も魅力的な作品である。
22.『ランカーの帰還』(漫画)
作者:zuno、TOWALK、B-ram
バーチャルリアリティゲーム「アレナ」の初期、世界最高のランカーだったメレーゴッド。そんな最強のランカー・メレーゴッドは突然姿を消した。メレーゴッドの正体である五条政典はアカウントを削除してゲームを辞めていた。しかし親の会社が倒産し多額の借金を背負ったことにより、生きるためお金を稼ごうと「アレナ」に復帰することを決意する。メレーゴッドだった正体を隠し、新たなアカウントを作り、名前をガキ大将としてゲームを進めていく。
主人公は元々ゲームの世界で最強の存在であり、ゲームを辞め新たなアカウントとして戻ってきたが、普通ならレベルも装備もない弱いアカウントでも強いという天才的な人物である。そんな主人公がレベルも装備も上のアカウントたちに勝利し、さらに驚異的な速度で成長し周囲を震撼させていくという展開は読者が好む無双ものであると言える。主人公のゲームへの考えの根底にゲームを楽しむという意識があり、単純にゲームを楽しんでいない、悪用しているような者たちを倒していく様子もまた爽快である。作中では度々ゲーム内でライブ配信が行われ、ライブ配信をしている体で視聴者のコメントも描かれ、本物のライブ配信をしているかのように話が進んでいくのだが、小説や一般的な漫画よりも読みやすく、webtoonの縦読みフルカラーだからこそ映える絵で強みを最大限生かしていると考える。
23.『無限の魔法使い』(漫画)
作者:Themis、kiraz、kim chi woo
厩舎に捨てられて平民として育てられたシロネ。生まれ持った洞察力で文字を学び、街に出たある日興味のあった魔法を経験する。それ以来魔術師を夢見るが、身分の壁がシロネに厚くのしかかる。大人になる前にこの世の裏側を知り尽くしてしまったシロネだが、ある日育ての父によって紹介された仕事により、道が少しずつ開けていくようになる。貴族が力を持つ歪んだ世界で魔術師になるため奮闘する。
主人公は平民でありながらも、貴族の生まれを感じさせるどこか普通ではない才能を持った人物である。夢を諦めることも、育ての両親を否定することもなく、逆境に立ち向かい成長していく様は読者に勇気を与えてくれると感じた。貴族の登場人物は心根は優しくても、結局はどこまでも貴族的な考えも持つ自分勝手な人物たちであり、そんな貴族たちに振り回されながらも強い意志と目標持って人生を歩んでいく主人公の姿は、単なる天才の最強になっていくような話ではなく、リアリティを持った深い話だと感じさせる。
24.『来世は他人がいい』(漫画)
作者:小西明日翔
極道の家で生まれ育った女子高生・染井吉乃。家庭環境は特殊でも、おとなしく平穏に日々を過ごしてきた。しかし婚約者だという深山霧島と出会い、彼の暮らす東京の極道の家に居候することになる。はみ出し者たちが織り成す、スリルと笑いが融合した極道エンタメ。
主人公は自分は普通だと考えているが、組長である祖父譲りの根っからの極道の考えを持った人物であり、それが初めて描かれ霧島が惚れるきっかけとなったシーンや、主人公の極道の部分を見せるシーンは迫力があり、読者を引き込ませるような魅力があると考える。物語が進むにつれ、主人公の父親が死んだ本当の理由や主人公が霧島の家に居候することになった本当の祖父の考え、霧島の主人公への思いの深さが明かされることになり、物語の展開としても面白い。本作は極道の世界を描き、フィクションであるのだが、登場人物や極道と一般人の世界の描かれ方がどこかリアルで現実味があるようで、重い話のような雰囲気を感じさせる。
25.『出禁のモグラ』(漫画)
作者:江口夏美
大学生の真木と八重子はある日、空から降ってきた広辞苑で男がケガをする現場に遭遇する。男は頭から血を流しているのに救急車も警察も嫌がり、どこか様子がおかしい。そして自らを仙人と名乗ったこの男・百暗桃弓木(モグラ)と出会ってから二人は何か妙なものが見えるようになる。モグラの目的のため、おかしなものに巻き込まれ、時に首を突っ込みながらモグラと関わっていく。
本作はこの世の幽霊や神様といったものが描かれ、モグラ自身もあの世に行けない元神様という立場であり、あの世のことなどを知っているように語っていることから、作者の前作である『鬼灯の冷徹』とつながっており、前作の登場人物がいずれ出てくるのではないかという期待感を持たせている。実際、最新話では前作の登場人物を感じさせるような人物が出てきており、他の登場人物や特に主人公の鬼灯の登場がとても楽しみである。また、作者は人間関係や個人の在り方を描くのが非常に優れていると感じ、それをまた作者特有の絵柄で引き立たせていると考える。リアルなだけでなく合間に挟まれるギャグも面白く、作品も重くなりすぎず読みやすいと感じる。
26.『陰陽師と天狗眼』(小説)
作者:歌峰由子
古より怪異と隣り合わせの町・広島県巴市。巴市役所の「危機管理課特自災害係(通称もののけトラブル係)」に採用された、出雲の高名な陰陽師一族出身ながら、少し訳アリの黒髪美青年・宮澤美郷と、幼い頃に在野の天狗を名乗る男に拾われ、フリーの山伏となった金髪緑銀眼の男・狩野怜路。いきなり同居することになった異色の二人が、現代に起こる怪異を華麗に、お役所仕事に追われながら解決していく。
美郷は陰陽師一族の才能あふれる身でありながら、呪いをうけたことで家から追われる羽目になったり、腹違いの弟がいたりなど生まれも育ちも複雑であるものの、それを感じさせない普段の明るい態度や時折見せる裏の部分が描かれることが魅力的である。しかし複雑ではあるもののそこまで父親や弟との関係は悪くもなく、徐々に家族関係などが明かされていく展開もまた面白い。陰陽師と山伏が怪異に立ち向かうという内容だが、アクションが多いバトルものではなく、仕事として怪異の事件を解決する日常物であるため、読みやすいというのも魅力の一つであると考える。
27.『グッド・ドクター名医の条件』(ドラマ)
原作:パク・ジェボム
企画:デイヴィッド・ショア
カリフォルニア州の権威ある聖ボナベントゥラ病院。院長グラスマンは、自閉症だが天才的な記憶力と驚異的な空間認知能力を持つサヴァン症候群の青年ショーンを自らの病院に外科研修医として招く。だが院長の座を狙う外科部長マーカスなど理事会メンバーや多くのドクターは、ショーンが自閉症であること自体が患者に不安を与えたり、現場に混乱をもたらすと彼の勤務に反対する。それでもただドクターになるという一心で、ショーンは難病を抱える患者たちを次々と救い、院内で旋風を巻き起こしていく。
元々は韓国原作のテレビドラマで、日本でもリメイクされ放送されている作品であるが、本作はアメリカ版のドラマである。韓国と日本のドラマを見ていないので比較できないが、本作だけ見てもとても面白い内容であり、その内容から世界各国でリメイクされているのだと考える。主人公の周りの登場人物の自閉症の捉え方、主人公への対応が最初の態度から主人公に関わっていくことで変化していく様子や、医者の苦悩、上司との関係の描かれ方にリアリティがあり、視聴者を魅了するストーリーだと感じた。
28.『真夜中のオカルト公務員』(漫画)
作者:たもつ葉子
東京23区全ての区役所に人知れず存在する“夜間地域交流課”。そこはアナザーと呼ばれるものと人間の問題“オカルト的事象”を解決する特殊な課だった。その新宿区役所に配属された社会人一年目の宮古新。配属一日目に本来なら理解できないはずのアナザーの話し声がわかる特殊な耳を持つ事が判明し、新宿御苑で会った天狗に「安倍晴明だ」と言われる。特殊な耳「砂の耳」を駆使し、アナザーの問題を解決していく区役所職員の物語。
主人公は他の人物が聞くことが出来ないアナザーの声が分かるという特殊な耳を持っていることで、アナザーの事件を解決するのにも役立つのだが、アナザーと人間の価値観や考えが決定的に違うことで上手く事が運ばないなど順調に行かないこともあり、紆余曲折に進むストーリーは見ていて飽きないと感じる。物語終盤途中で、主人公の特殊な耳の能力が奪われるという展開が訪れるが、最終的には本来の持ち主である主人公に戻り、主人公自身にしか使いこなせないことが分かるなど、主人公が特別な存在であるということも強調され、読者が好む展開と言えるだろう。また作中最大の事件であり目的が解決された後も、そこから何年か経ったあとも主人公達職員はアナザーの問題を日々解決しているという終わりで、物語が終わる訳ではなくこれからも日々は続いていくというような日常生活を強く感じさせる終わり方だと考える。
29.『AYAKA-あやか-』(アニメ)
原作:GoRA、KINGRECORDS
監督:長山延好
八凪幸人は、本土の児童養護施設で育った少年だったが、ある時亡き父の弟子であるという傍若無人な青年・沙川尽義がやってきて、幸人を故郷である綾ヵ島に連れ出してしまう。七つの島が連なる綾ヵ島は、火と水の龍の伝説が色濃く伝えられ、「ミタマ」と呼ばれる不思議な存在が当たり前のように生息する奇妙な島だった。 幸人は、綾ヵ島の調和を守る仙人であったという父の三人の弟子たちと関わりながら綾ヵ島で暮らし始める。だが尽義の二人の兄弟子である鞍馬春秋と伊吹朱の間には深い確執があった。調和の崩れ始めた「あやかい」島で、幸人が直面する真実とは何なのか。
主人公は児童養護施設で育ち特殊な力を持つという、主人公のお手本のような設定であるがそんな設定もまた視聴者が好む作品であると考える。さらに物語終盤で主人公の本当の力、正体が明かされ、力が覚醒するなどより視聴者を引き込ませる展開になっている。普通では無い主人公だが島に来て、ずっと欲しかった友達ができたことに喜ぶなど、子供らしい一面を持ち合わせていることも魅力の一つである。また主人公達が使う不思議な力が、作品の絵柄と色彩に合っていて内容を絵柄でより引き立たせていると考える。
30.『鹿楓堂よついろ日和』(漫画)
原作:清水ユウ
和風喫茶・鹿楓堂(ろくほうどう)が舞台のグルメ漫画。鹿楓堂では店主・料理人・パティシエ・バリスタの4人のスペシャリストが働いており、美味しい甘味や食事を提供しながら様々な客の悩みにそっと寄り添っていく。時に4人のバックグラウンドにも触れつつ1~2話完結方式がとられているハートフルストーリー。
本作の軸としては喫茶店を舞台とする、喫茶店の従業員とそこに訪れる客の話が描かれる日常ものであるのだが、時折従業員個人の過去などが描かれることで、物語に深みを持たせていると考える。主人公である店主のスイが抱える秘密として描かれる自身の出自では、双子の兄との確執は漫画とアニメで展開が変わってはいるものの一応は収まりを迎えたが、家族関係の特に父親との関係は未だに深くは明かされておらずこれからの展開が楽しみだと考える。最新話でも98話という話数でありながら、やっと最後の従業員のお店になぜ就職したのかという経緯が描かれ、読者が気になる話をすぐにせず、日常の合間合間に挟み、それに繋げるように日常を描いていくことで読者の読みたいという気持ちと期待感を高めさせ、長く読まれる作品にしているのだと感じた。
1.『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』(アニメ)
作者:高田康太郎、麻生羽呂
監督:川越一生
〈あらすじ〉ブラック企業に勤めるアキラは、連日のパワハラやサービス残業により人間らしい生活をすることが叶わず、自殺願望を持つほど疲れ切っていた。そんな日々のとある朝、起床すると街はゾンビで溢れかえっていた。アキラはその様子を見ながら、「今日から会社に行かなくてもいいんじゃね?」と歓喜する。ブラック企業から解放されて自由の身となったアキラは、「ゾンビになるまでにしたい100のこと」というリストを作成し、親友のケンチョと共にその内容を達成すべく自分のやりたいことを次々に実現させていく。
〈考察〉物語序盤の会社に入社して希望を胸に抱き、新しい生活をスタートさせていく様子から、徐々に会社の闇に取り込まれ心身ともに疲弊していく様子を徐々に色が無くなりモノクロで表現し、会社から解放されて自由の身になった際にはモノクロから一気にカラフルな世界になる様子が主人公アキラの見ている世界を表していると感じた。また、血の表現を赤だけではなく色とりどりのカラフルな色で表現することで、ゾンビにあふれた世界をグロテスクに表現するのではなく、視聴者に不快感を与えず絶望した世界ではなく、あくまで主人公アキラの見ている楽観的な世界、コメディ作品ということを反映していると考える。
2.『アンデッドガール・マーダーファルス』(アニメ)
原作:青崎有吾
監督:畠山守
19世紀末の吸血鬼・人造人間・人狼など、異形な存在がまだ暮らしていた世界。首から下のない不老不死の探偵・輪堂鴉夜が、鬼殺しの異名を持つ半人半鬼の真打津軽と、彼女に付き従うメイドの馳井静句と共に、怪物専門の探偵「鳥籠使い」として数々の事件を解決しながら、鴉夜の奪われた体を探すなどそれぞれの目的のためにヨーロッパを巡る物語。
吸血鬼や人狼以外にも怪盗ルパンやシャーロック・ホームズ、モリアーティ教授など有名なキャラも多く登場し、探偵として様々な事件を解決したり、繰り広げる異能力バトルも迫力があったりするなど、物語の展開として見ていて飽きることがない。探偵として推理していく様や、鴉夜と津軽の目的である人物がつながっているなど、それぞれの目的や思惑が交差していて面白いと考える。
3.『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』(アニメ)
原作:天壱
監督:新田典生
8歳の時に乙女ゲーム「君と一筋の光を」の世界に転生していることに気付いたプライド第一王女。ゲームの通りなら、十数年後にはヒロインである妹のティアラ第二王女と攻略対象者たち、国民を苦しめる悲劇を巻き起こす最強外道ラスボスへと成り果ててしまう。特殊能力者が生まれる国フリージア王国で王位継承の証となる予知能力を目覚めさせたことにより第一王位継承者となったプライドは、持てる権力とチート能力で起こりうる悲劇から人々を救っていく。
乙女ゲームに悪役として転生し、主人公が前世の記憶を目覚めさせたことにより今までのわがままな性格とは一変して、素晴らしい人物となっていくというよくある設定だが、8歳から年齢が上がっていく話の展開から、年齢とともに体も心も強く成長していく主人公の様子を視聴者として間近で見ていくことで、応援したいなど主人公に対しての好感度が上がっていく作品だと考える。悲劇を回避し、本来なら憎まれるはずの攻略対象者達からも好かれ慕われているのに、元々のゲームでの自分の最悪具合を知っているが故に、常に怯えている主人公とそんな主人公を慕う登場人物たちの関係も見どころだと言える。
4.『七つの大罪 怨嗟のエジンバラ後編』(映画)
原作:鈴木央
監督:阿部記之
七つの大罪の続編であり、黙示録の四騎士へとつながる物語。
メリオダスたちの冒険から14年後、メリオダスとエリザベスの息子・トリスタンが両親から受け継いだ大きな力と向き合いながら、戦いに挑む冒険ファンタジー。前編ではトリスタンがエリザベスを救うために元聖騎士・デスピアスと対峙し、後編ではデスピアスとの対決が佳境を迎え、前編で出会った妖精の正体とトリスタンとの過去が明かされ、壮大な物語が展開していく。
後編では、七つの大罪メンバーも登場しファンに嬉しい展開となった。原作では少しだけ描かれたトリスタンとランスロットの過去の場面を大きく扱い、それに対し抱えていた両者の葛藤なども描かれ、黙示録の四騎士につながる話としてふさわしいと考える。また最後までランスロットとバン、ランスロットとキングが邂逅しなかったこと、キングとディアンヌの子供なども描かれず終わったことで、黙示録の四騎士本編でもまだ出ていないことは描かれず、より本編を楽しみにさせている。
5.『劇場版アイドリッシュセブン LIVE4bit BEYOND THE PERiOD』(映画)
原作:バンダイナムコオンライン/都志見文太
監督:錦織博、山本健介
「ブラック・オア・ホワイト ライブショーダウン」を争った男性アイドル界のトップランナーたち、4つのグループによる夢のライブが開催。IDOLISH7・TRIGGER・Re:vale・ZOOLのそれぞれ異なる魅力を持つ4組が一同に会し、壮大なライブエンタテインメントが今幕を開ける。
この作品は映画でありながらも、アイドルたちのライブ映像を見ることができ、応援上映もできるなど、まるで本当のライブ会場にいるかのような感覚になることができる。正面から、後ろから、横から上からのライブ映像が見れ、実際のライブでは見ることができない角度からの映像があることや、また通常のライブに行ける回数には限りがあるが本作は上映期間の限り何回も見に行けることができるなど、映画という形を最大限に生かしている。内容もライブさながらであり、一曲一曲フルでアイドルたちのダンスと歌や、曲間のMC、全グループでの歌を映画館という大画面で見られること、また最後に期間限定でアフタートークがあるなど、ファンたちが喜ぶことが多くあり、制作側はファンたちのことをとても理解していると感じた。
6.『亜人』(漫画)
原作:三浦追儺 漫画:桜井画門
「亜人」と呼ばれるその生物は死なない。病気の妹の為に医者を目指していた高校生・永井圭はある日、交通事故で死ぬが、その直後に生き返った。そのことから彼が亜人であり人間でないことが判明し、そこから圭を取り巻く環境が一変する。政府に追われる身となった圭に、手を差し伸べたかつての幼馴染・海斗や、他の亜人である佐藤と出会い、亜人と政府の戦いに巻き込まれていくことになる。
主人公は医者を目指していたことから頭が良く、読んでいて為になる知識も多くあり、主人公と佐藤の頭脳戦もとても見ごたえがある。最初の妹を思う優しい兄という印象から変わる描写や、主人公の亜人特有の性質がなぜ強いのかそれが明らかになる場面、亜人はなぜ生まれたかという問いに対する答えとしての過去を想像する場面などが見ていてとても引き込まれるようで、そういった場面の描写の描き方が非常に優れていると考える。そして冷酷に見えた主人公の人間らしさが垣間見えたり、ずっと冷静に、持つ知識を使って戦ってきた主人公が最後は運に頼ったり、戦いが終わった後の主人公の目指す場所と終わり方が、ストーリーとしてとても面白くまとまっていると考える。
7.『憂国のモリアーティOp.5 最後の事件』(舞台)
原作:三好輝、竹内良輔
脚本・演出:西森英行
時は19世紀末、大英帝国最盛期のロンドン。古くから根付く完全階級制度により、上流階級の人間たちに支配されている大英帝国。生まれ落ちた時から一生涯の階級制度は、必然的に人間同士の差別を生んだ。そんな中、階級制度による悪を取り除き、理想の国を作ろうとする青年がいた。ジェームズ・モリアーティ、或いはシャーロック・ホームズの敵の話。そして天才的な頭脳を持つウィリアムと志を共にする仲間たちと共に、国から階級制度をなくす計画が佳境を迎えていた。
漫画原作の舞台であるが、原作のセリフや場面、キャラクターが忠実に再現されていて、原作ファンも舞台ファンもみんな楽しめる作品だと考える。ミュージカルとしても歌の迫力が凄く、このセリフを歌にしたのかと思う曲の作りこみや、時には映像を使うなど、舞台を生かしたそれぞれの場面の映え方が工夫されていた。また最後がどのように終わるのか気になっており、状況的にアニメでの終わり方かと思ったが、アニメにはない漫画の場面での終わりとなり、誰もが納得する終わりだと感じた。
8.『もののがたり』(漫画)
原作:オニグンソウ
歳を経た器物は、やがて神錆びて心を宿し付喪神となる。付喪神は常世と現世をつなぐ存在であり、そんな付喪神を常世に還すことを生業とする塞眼という一族がいた。その一族の一員であり付喪神に大切な人を奪われ、憎む青年・兵馬と六人の付喪神と共棲し、家族として愛する少女・長月ぼたんが、訳あって一緒に暮らすことになる。三者交わる共同生活、前途多難な屋根の下で繰り広げられる人と物、絆と恋の物語。
話の内容としてはバトルものに思われるが、付喪神によって家族を失った青年と、付喪神と家族として暮らしている少女の対比から両者がそれぞれの心に寄り添いあっていき、最後には結婚するという流れから、最初から一貫してこの物語は青年と少女の恋の物語だったということに気付かされる。また少女と暮らしている付喪神たちが婚礼調度であることからも最後本来の役割を行うことが物語としてまとまっていると考える。
9.『青の祓魔師』(漫画)
原作:加藤和恵
奥村燐とその双子の弟・雪男は神父・藤本獅郎に育てられ、修道院で暮らしていた。中学卒業から間もないある日、燐は「悪魔」の存在を知る。燐は悪魔の王「魔神(サタン)」の息子であり、その力を受け継いでいた。養父の獅郎は祓魔師であり、サタンの干渉から燐を守っていたが、サタンに憑依された後、命を懸けて燐を守り死んでしまう。燐は己の無力さを悔やみ、祓魔師になってサタンと戦うことを決意する。そして祓魔師となるべく専門の学校に入学する。
燐と雪男は双子だが、悪魔の力を持っているのは燐だけである。そのことを雪男は嫉妬のような感情をもっており、最初は雪男にも悪魔の力が目覚めて欲しいと感じていた。しかし、物語が進むにつれ、最終的には雪男は悪魔になることはなく人間として、どんどん悪魔として成長していく燐と対比的に描かれるようになる。それは、燐と雪男の母親であるユリが人間と悪魔の共存を願っていたことから、燐は悪魔として雪男は人間でいることに大きな意味があるのだと考える。悪魔になるのではなくあくまで人間として燐のそばに双子として存在し、時にはぶつかりあい、お互いに複雑な感情を抱きながらも、心の奥底では兄弟としてお互いを何より大切に思いあっている、仲の良い二人の姿がユリの描いた悪魔と人間の理想であり、希望なのだと感じた。また、そのユリの願いを知っているのが燐だけであることも燐が悪魔としてだけではなく、人間に寄り添う人間の心をもった悪魔という立場を引き立たせていると考える。
10.『クズ悪役の自己救済システム』(アニメ)
原作:墨香銅臭
監督:秦鶴陽
修仙の世界を舞台に、登場人物はみんなイカれて傲慢なのに、主役より強いキャラクターが出てこないという長編ハーレム小説「狂傲仙魔途」。トンデモ設定ばかりで伏線の回収もないその終わり方に納得できず、毒づいた言葉を書き込んだ沈垣は肉まんを喉に詰まらせて死んでしまう。しかしあろうことか、その小説の世界の主人公・洛氷河を苦しめるクズ悪役・沈清秋に転生してしまった。悪役の身に待ち受ける悲惨な結末を回避して生き延びるため、小説転生システムのルールを守りながら、沈清秋(沈垣)が動き始める。
転生したのがかなり洛氷河をいじめてしまっていたあとだったが、生き残るため主人公にこれまでとはかわって優しくしようとする主人公と、そんな主人公を最初は不振に思いつつ慕うようになる洛氷河の関係性の変化が面白い。また、すぐ優しくできるというわけではなく、悪役としてのキャラ設定を守らなければならないというシステムがあることで、ルールを守りつつ奮闘する主人公の姿が際立ち、より面白くさせていると考える。キャラ設定故にクールなキャラでいる主人公だが、実際は現代から転生したオタクであり、内心ハラハラしっぱなしというギャップや主人公の環境適応能力の高さに驚かされる作品である。元は中国の小説だが、アニメになることで設定が少し変わり万人受けしやすい作品になっており、アニメならではの工夫が多くされているところも原作とはまた違った良さがあり見どころの一つである。
11.『SAND LAND』(映画)
原作:鳥山明
監督:横嶋俊久
魔物と人間が共存するサンドランドは水のない砂漠の世界。唯一の水の所有も人間の国王が持っていた。サンドランドに暮らす悪魔の王子ベルゼブブは、魔物のシーフ、人間の保安官ラオと共に、水を失った砂漠のどこかにあるという幻の泉を探すため、危険な旅に出る。
人間より純粋な魔物と欲にまみれた人間、それだけではなく魔物の魔物ゆえの邪悪さや強さ、弱いだけではなく強い人間がいることや、正義を持つ人間など種族を超えて、あらゆるものの可能性が広く描かれていると感じた。また、始まりの泉を探しに行くとこから、危険な旅を経て様々な真実を知り、最後には水を得るところまで話の起承転結が綺麗にまとまっており、作品として見やすいと考える。最後のエンディングの入りもまた感動する。
12.『青のオーケストラ』(アニメ)
原作:阿久井真
監督:岸誠二
世界的に有名なヴァイオリニストである父のもとコンクールで活躍した、元天才ヴァイオリニストの青野一。とある理由からヴァイオリンを辞め無気力になっていたが、中三の秋に同級生の秋音律子との出会いをきっかけに音楽への情熱を取り戻す。青野は秋音とともにオーケストラ部のある海幕高校に進学するが、そこは強豪校の厳しい練習とさまざまな悩みを抱えた部員たちが一つの音を作るためにぶつかり合う世界だった。
漫画を読んでいてアニメで見たいシーンが多くあり、特にアニメ2話の最後に主人公がカノンを演奏するシーンは楽しみにしていたが、期待以上に素晴らしかった。アニメでの普段の演奏シーンはCGが使われているが、カノンのシーンは普通の作画で描かれており、そのことからもそのシーンにかける制作陣の意気込みの強さも大きいということがわかる。音があることで主人公やオーケストラ部の部員たちのそれぞれの演奏の違いや、演奏にかける思い、表現の仕方がよりダイレクトに伝わり、漫画とはまた違うアニメだからこそ表現できる世界観だと考える。
13.『101人目のアリス』(漫画)
原作:かわい千草
近隣諸国の音楽エリートが集まる音楽学校・モンドヴィル学園。通常は定員が100人だが、101人入学した年があった。祖父の願いとある目的を持って、その学園に入学したアリスティドは、実は音楽の基礎をほとんど身に着けていなかった。そんな彼をみんなは「101人目」と馬鹿にする。ところがヴァイオリンの授業で、ある彼の演奏を耳にしたとき、周囲の笑いは凍り付いた。波乱万丈なアリスの学園シンフォニーが開幕する。
音楽の基礎がなくても、ある曲では人々を魅了し驚かせる演奏をしたり、たまに天才的な音楽の才能を見せたりするなど、設定としても魅力的であり、読んでいて主人公の成長や演奏がとても楽しみな作品である。徐々に明らかになる主人公の目的や、隠れた才能の秘密、主人公の周りの人間関係も変化していくことで展開としても見飽きることはない。主人公もヴァイオリニストとして成長していくが、それと共に周りの登場人物たちも過去や家族というそれぞれに抱える闇から救われ成長していく物語だと考える。
14.『空棺の烏』(小説)
原作:阿部智里
八咫烏シリーズの第四弾。
人間の代わりに八咫烏の一族が住まう世界「山内」。優秀な兄宮が廃嫡され日嗣の御子の座についた若宮。若宮に仕えることになった少年・雪哉は、御身を狙う陰謀に巻き込まれていく。エリート武官を養成する全寮制の学校「勁草院」に入学した雪哉。次の日嗣の御子たる若宮派と巻き返しを図る兄宮派との間で激化する対立の中で次々と起こる事件に雪哉は立ち向かい、また「勁草院」の競争の中で少年たちは友情を深めていく。
本作は若宮の近衛になると決意した主人公・雪哉が今までは優秀なことを隠し愚かなふりをしていたが徐々に本来の力を見せていく、シリーズの中でも読者が待ち望み楽しみにしていた展開になっていると感じる。雪哉の頭が良く冷静で冷酷な部分がより顕著に表れ、他の登場人物とは違う凡人ではない非凡な主人公という魅力が際立っている。また宮中を舞台としていた前作までとは違い、猿という敵、主従ではない仲間とのつながり、先代金烏の死の謎が描かれたことで、物語の世界が広がり、新たな展開が生まれたシリーズの転換点になった巻だと考える。
15.『サマーウォーズ』(映画)
監督:細田守
世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界OZがある世界。数学が得意な高校2年生の健二は憧れの先輩である夏希から、長野県上田市にある夏希の実家に一緒に行くというバイトに誘われる。26人の親戚が集まる中で健二は、ひょんなことから夏希の婚約者のふりをすることになった。宿泊中の夜、OZから謎のメールが届いた健二はその暗号を解いてしまう。翌朝起きると、OZのシステムがダウンし国中大混乱になり、その犯人として健二が指名手配されていた。
作中で夏希の実家に来た時期は甲子園の県予選の最中であり、そこに夏希の親戚が上田高校の野球部として登場し、度々中継が描かれている。その上田高校が好調に勝ち進んだ時には主人公たちの状況も好調に進み、危機的な場面を迎えた際は主人公たちも危ない状況に陥るなど、試合状況と作中の展開がシンクロしている。また隠し子という立場である侘助と本家の親戚たちは複雑な関係ではあるが、侘助が栄おばあちゃんを大切に思っていることや親戚たちと途中から協力関係を築くこと、幼い頃から夏希が慕っているという点を踏まえると、栄が幼い頃から侘助を他の子どもたち同様大切に育てていたということがうかがえる。作風も仮想世界のOZと現実世界が共存して描かれ、表現も現実ではできないことができるが、今の世でありえそうなことでもあるので、視聴者に非現実感だけではなく現実味をもたせ楽しませる作品だと考える。
16.『ヒックとドラゴン1.2.3』(映画)
原作:クレシッダ・コーウェル
監督:ディーン・ジュボア、クリス・サンダース
以前より、バイキングとドラゴンの戦いが続いているバーク島。ある日、ひ弱な少年・ヒックは自分の開発した武器で最も危険とされるドラゴンのナイト・ヒューリーにケガをさせることに成功する。しかし誰もそのことを信じてくれない。ドラゴンを探しにいき、そこで自分がケガをさせたドラゴン・トゥースと出会う。ドラゴンの習性を知り、トゥースと友情を築いていく中で、ドラゴンを敵と決めつけるバイキング達の意識を変えたいと思うようになる。
1作目のトゥースと出会って心が通じ合う場面と、3作目でトゥースと別れの場面のトゥースとヒックの構図が一緒であり、友情が芽生え、育み、仕方がなく別れが訪れるというヒックとトゥースの友情物語としての最初と最後での対比だと考え、意図的であると考える。また冒頭部分にヒックがバーク島とドラゴンの立ち位置についての語りのシーンがあり、最後にもヒックの語りがあるが、その最初と最後での語りの対比も面白く、かっこいいと感じる。最初は凶暴で怖い存在に見えたドラゴンも、人間と仲良くなるにつれ可愛く描かれるようになり、ペットであり友達であり家族になった人間のドラゴンたちの見え方が変化しているからだと考える。
17.『この音とまれ!』(漫画)
原作:アミュー
先輩が卒業して箏曲部唯一の部員となってしまった武蔵。四月になり新入部員の勧誘に励むのだが、部の存在自体も知らない人もいる状態。そんな彼の前に見るからに不良である久遠愛が入部したいと言い出す。筝の家元の娘・鳳月さとわや、愛の友達の堺、足立、水原や、何か思惑がある来栖なども入部することになる。各々が抱える問題や過去と向き合いながら全国大会に向けて日々練習に励んでいく。
本作は主人公達がいる高校の箏曲部がメインとなるが、大会などで演奏をするにあたりその他の高校、部員にスポットが当たることがあり、それぞれの筝にかける思いが描かれるので誰もが主人公であるのだと感じさせる。主人公である久遠愛や鳳月さとわの重い家族関係や、倉田武蔵の弟との確執、顧問である滝波先生、筝曲部員の友情など漫画らしい設定もありつつ人間関係や天才と平凡の才能の違いなどがリアルでもあり、箏を通じて描かれるその家族関係と友人関係がとても感動する。最新話では全国大会に進み、最初は否定的だった滝波先生の筝曲部員への思いと笑顔が初めて描かれたり、愛の父親が遂に登場したりするなど読者が待ち望んでいた展開が訪れ、より一層引き込まれる展開だと考える。
18.『そこで星屑見上げてろ』(漫画)
原作:奥悠
国民的アイドル・天川秀と元有名女優の息子・天川彗は、父親の影響力によって平穏だった日常生活が少しずつ崩れ始めていた。その反抗心から、父親が関わっているアイドルオーディション番組「スターダストスターダム」に参加し、ぶち壊そうと決意するが、徐々に真剣にアイドルを目指し練習に取り組むようになる。
主人公が国民的アイドルと元女優の息子という立場から描かれる二世の苦悩や国民は知らない事情、近年多く見られるオーディション番組の裏側がリアルに描かれ、ストーリーとして非常に面白いと考える。最初は父親への復讐として参加した主人公も徐々にやる気と父親譲りの才能が現れ始める展開や設定も多くの読者が好きな特別な血筋と才能を持ち、恵まれた環境だけではなく重い過去や事情もあるという普通ではない主人公であり、そんな主人公がトップアイドルになっていくような成長物語であることも、作品を面白くさせていると考える。
19.『サツドウ』(漫画)
原作:雪永ちっち
製菓メーカーに勤めるごく普通のサラリーマン・赤森六男。ある日、残業を終えて帰宅途中、六男はオヤジ狩りをしている半グレ集団に遭遇する。六男も因縁をつけられるが、武器を持った半グレ集団を一瞬で倒してしまう。実は六男は伝説の殺法術「背神活殺流拳法」を受け継ぐ「赤森家」の子孫だった。平凡ではないサラリーマンが、平穏を求め迫りくる敵を倒し歩む、血と格闘にまみれた物語。
本作は一見平凡なサラリーマンが実はすごく強く、伝説の血筋を持った普通ではない生まれの主人公という、前述でもあるように読者が好む設定と言える。格闘の話であるので主人公や主人公を倒そうとする格闘家、暗殺者などとの戦いシーンもかっこよく描かれ、誰もが一度夢見た展開や設定であると考える。また、主人公は赤森家の六番目の子供であるので主人公の上にも兄弟がおり、存在がほのめかされるものの未だに全員登場していないことや、主人公の子供時代や家から抜けサラリーマンをしている理由が明確に明かされていないことから、この先の展開も読者を非常に楽しみにさせていると考える。
20.『8クラス魔法使いのやり直し』(漫画)
作者:Tess、Ryu song
皇帝ラグナルと帝国のため手を血に染めてきた数十年間。故郷に戻り、罪を償うごとく静かに暮らしていた8クラスの大魔法使いのイアン・ペイジ。ところが、友であり主君であったラグナルに裏切られ命を奪われそうになる。その時、時間魔法の呪文が刻まれている短剣で自らの心臓を貫き、30年前の過去に戻ってきた。人類初の8クラス魔法使いであるイアンが未来での死を防ぐべくやり直しをする物語。
本作は最強である魔法使いが過去に戻り、自らの後悔や死を防ごうと奮闘する話であり、過去の選択を違うものにしたり、本来もっと先に知るような出来事を過去に戻ってきたという強みを生かし、地位や強さを確立していくという設定自体は王道の回帰ものであるが、読者が好む設定だけではなく、作品自体に魅力があり楽しめる物語だと考える。主人公が無双していく展開もだが、本来の過去では知りえなかった真実が違う選択をしたことにより明らかになる展開もまた面白いストーリー構成である。終わりに近づくにつれ、この物語はイアンの2回の人生を経た、イアンとラグナルの友情関係を描いている物語なのだと感じた。
21.『武功教官ペク教師』(漫画)
作者:ORIBORI、S.JLEE、Ganjiajang
血教で教官をしていた男は捕らえられた天下一を争う四人の高手たちに10年間教えを請い、彼らと共に血教に反逆する。その後敗北し殺されたが、田舎にある武館のペク師匠に転生した。4人の師匠から授かった武功ともう一つの武功を駆使し青龍学館の人気講師になるべく教官として就職する。そこで師匠たちの武功を継承する弟子を探し、滅びたと言われる血教との過去の因縁に巻き込まれながら、武術界を鍛えなおしていく。
本作は武俠小説で転生ものというよく見られる設定だが、主人公が学校に入学する生徒ではなく先生というのが多くの作品との決定的な違いである。教師だからこそ、教わる立場ではなくものを教える立場として生徒や権力を持った家系に媚をうるような同僚たちを指導し正しい道につき進めるように指導していくことが本作の最大の魅力だと考える。また転生する前と転生した後で主人公自身も考えを改め、武功の強さも指導方法も成長していくので主人公個人も魅力的な作品である。
22.『ランカーの帰還』(漫画)
作者:zuno、TOWALK、B-ram
バーチャルリアリティゲーム「アレナ」の初期、世界最高のランカーだったメレーゴッド。そんな最強のランカー・メレーゴッドは突然姿を消した。メレーゴッドの正体である五条政典はアカウントを削除してゲームを辞めていた。しかし親の会社が倒産し多額の借金を背負ったことにより、生きるためお金を稼ごうと「アレナ」に復帰することを決意する。メレーゴッドだった正体を隠し、新たなアカウントを作り、名前をガキ大将としてゲームを進めていく。
主人公は元々ゲームの世界で最強の存在であり、ゲームを辞め新たなアカウントとして戻ってきたが、普通ならレベルも装備もない弱いアカウントでも強いという天才的な人物である。そんな主人公がレベルも装備も上のアカウントたちに勝利し、さらに驚異的な速度で成長し周囲を震撼させていくという展開は読者が好む無双ものであると言える。主人公のゲームへの考えの根底にゲームを楽しむという意識があり、単純にゲームを楽しんでいない、悪用しているような者たちを倒していく様子もまた爽快である。作中では度々ゲーム内でライブ配信が行われ、ライブ配信をしている体で視聴者のコメントも描かれ、本物のライブ配信をしているかのように話が進んでいくのだが、小説や一般的な漫画よりも読みやすく、webtoonの縦読みフルカラーだからこそ映える絵で強みを最大限生かしていると考える。
23.『無限の魔法使い』(漫画)
作者:Themis、kiraz、kim chi woo
厩舎に捨てられて平民として育てられたシロネ。生まれ持った洞察力で文字を学び、街に出たある日興味のあった魔法を経験する。それ以来魔術師を夢見るが、身分の壁がシロネに厚くのしかかる。大人になる前にこの世の裏側を知り尽くしてしまったシロネだが、ある日育ての父によって紹介された仕事により、道が少しずつ開けていくようになる。貴族が力を持つ歪んだ世界で魔術師になるため奮闘する。
主人公は平民でありながらも、貴族の生まれを感じさせるどこか普通ではない才能を持った人物である。夢を諦めることも、育ての両親を否定することもなく、逆境に立ち向かい成長していく様は読者に勇気を与えてくれると感じた。貴族の登場人物は心根は優しくても、結局はどこまでも貴族的な考えも持つ自分勝手な人物たちであり、そんな貴族たちに振り回されながらも強い意志と目標持って人生を歩んでいく主人公の姿は、単なる天才の最強になっていくような話ではなく、リアリティを持った深い話だと感じさせる。
24.『来世は他人がいい』(漫画)
作者:小西明日翔
極道の家で生まれ育った女子高生・染井吉乃。家庭環境は特殊でも、おとなしく平穏に日々を過ごしてきた。しかし婚約者だという深山霧島と出会い、彼の暮らす東京の極道の家に居候することになる。はみ出し者たちが織り成す、スリルと笑いが融合した極道エンタメ。
主人公は自分は普通だと考えているが、組長である祖父譲りの根っからの極道の考えを持った人物であり、それが初めて描かれ霧島が惚れるきっかけとなったシーンや、主人公の極道の部分を見せるシーンは迫力があり、読者を引き込ませるような魅力があると考える。物語が進むにつれ、主人公の父親が死んだ本当の理由や主人公が霧島の家に居候することになった本当の祖父の考え、霧島の主人公への思いの深さが明かされることになり、物語の展開としても面白い。本作は極道の世界を描き、フィクションであるのだが、登場人物や極道と一般人の世界の描かれ方がどこかリアルで現実味があるようで、重い話のような雰囲気を感じさせる。
25.『出禁のモグラ』(漫画)
作者:江口夏美
大学生の真木と八重子はある日、空から降ってきた広辞苑で男がケガをする現場に遭遇する。男は頭から血を流しているのに救急車も警察も嫌がり、どこか様子がおかしい。そして自らを仙人と名乗ったこの男・百暗桃弓木(モグラ)と出会ってから二人は何か妙なものが見えるようになる。モグラの目的のため、おかしなものに巻き込まれ、時に首を突っ込みながらモグラと関わっていく。
本作はこの世の幽霊や神様といったものが描かれ、モグラ自身もあの世に行けない元神様という立場であり、あの世のことなどを知っているように語っていることから、作者の前作である『鬼灯の冷徹』とつながっており、前作の登場人物がいずれ出てくるのではないかという期待感を持たせている。実際、最新話では前作の登場人物を感じさせるような人物が出てきており、他の登場人物や特に主人公の鬼灯の登場がとても楽しみである。また、作者は人間関係や個人の在り方を描くのが非常に優れていると感じ、それをまた作者特有の絵柄で引き立たせていると考える。リアルなだけでなく合間に挟まれるギャグも面白く、作品も重くなりすぎず読みやすいと感じる。
26.『陰陽師と天狗眼』(小説)
作者:歌峰由子
古より怪異と隣り合わせの町・広島県巴市。巴市役所の「危機管理課特自災害係(通称もののけトラブル係)」に採用された、出雲の高名な陰陽師一族出身ながら、少し訳アリの黒髪美青年・宮澤美郷と、幼い頃に在野の天狗を名乗る男に拾われ、フリーの山伏となった金髪緑銀眼の男・狩野怜路。いきなり同居することになった異色の二人が、現代に起こる怪異を華麗に、お役所仕事に追われながら解決していく。
美郷は陰陽師一族の才能あふれる身でありながら、呪いをうけたことで家から追われる羽目になったり、腹違いの弟がいたりなど生まれも育ちも複雑であるものの、それを感じさせない普段の明るい態度や時折見せる裏の部分が描かれることが魅力的である。しかし複雑ではあるもののそこまで父親や弟との関係は悪くもなく、徐々に家族関係などが明かされていく展開もまた面白い。陰陽師と山伏が怪異に立ち向かうという内容だが、アクションが多いバトルものではなく、仕事として怪異の事件を解決する日常物であるため、読みやすいというのも魅力の一つであると考える。
27.『グッド・ドクター名医の条件』(ドラマ)
原作:パク・ジェボム
企画:デイヴィッド・ショア
カリフォルニア州の権威ある聖ボナベントゥラ病院。院長グラスマンは、自閉症だが天才的な記憶力と驚異的な空間認知能力を持つサヴァン症候群の青年ショーンを自らの病院に外科研修医として招く。だが院長の座を狙う外科部長マーカスなど理事会メンバーや多くのドクターは、ショーンが自閉症であること自体が患者に不安を与えたり、現場に混乱をもたらすと彼の勤務に反対する。それでもただドクターになるという一心で、ショーンは難病を抱える患者たちを次々と救い、院内で旋風を巻き起こしていく。
元々は韓国原作のテレビドラマで、日本でもリメイクされ放送されている作品であるが、本作はアメリカ版のドラマである。韓国と日本のドラマを見ていないので比較できないが、本作だけ見てもとても面白い内容であり、その内容から世界各国でリメイクされているのだと考える。主人公の周りの登場人物の自閉症の捉え方、主人公への対応が最初の態度から主人公に関わっていくことで変化していく様子や、医者の苦悩、上司との関係の描かれ方にリアリティがあり、視聴者を魅了するストーリーだと感じた。
28.『真夜中のオカルト公務員』(漫画)
作者:たもつ葉子
東京23区全ての区役所に人知れず存在する“夜間地域交流課”。そこはアナザーと呼ばれるものと人間の問題“オカルト的事象”を解決する特殊な課だった。その新宿区役所に配属された社会人一年目の宮古新。配属一日目に本来なら理解できないはずのアナザーの話し声がわかる特殊な耳を持つ事が判明し、新宿御苑で会った天狗に「安倍晴明だ」と言われる。特殊な耳「砂の耳」を駆使し、アナザーの問題を解決していく区役所職員の物語。
主人公は他の人物が聞くことが出来ないアナザーの声が分かるという特殊な耳を持っていることで、アナザーの事件を解決するのにも役立つのだが、アナザーと人間の価値観や考えが決定的に違うことで上手く事が運ばないなど順調に行かないこともあり、紆余曲折に進むストーリーは見ていて飽きないと感じる。物語終盤途中で、主人公の特殊な耳の能力が奪われるという展開が訪れるが、最終的には本来の持ち主である主人公に戻り、主人公自身にしか使いこなせないことが分かるなど、主人公が特別な存在であるということも強調され、読者が好む展開と言えるだろう。また作中最大の事件であり目的が解決された後も、そこから何年か経ったあとも主人公達職員はアナザーの問題を日々解決しているという終わりで、物語が終わる訳ではなくこれからも日々は続いていくというような日常生活を強く感じさせる終わり方だと考える。
29.『AYAKA-あやか-』(アニメ)
原作:GoRA、KINGRECORDS
監督:長山延好
八凪幸人は、本土の児童養護施設で育った少年だったが、ある時亡き父の弟子であるという傍若無人な青年・沙川尽義がやってきて、幸人を故郷である綾ヵ島に連れ出してしまう。七つの島が連なる綾ヵ島は、火と水の龍の伝説が色濃く伝えられ、「ミタマ」と呼ばれる不思議な存在が当たり前のように生息する奇妙な島だった。 幸人は、綾ヵ島の調和を守る仙人であったという父の三人の弟子たちと関わりながら綾ヵ島で暮らし始める。だが尽義の二人の兄弟子である鞍馬春秋と伊吹朱の間には深い確執があった。調和の崩れ始めた「あやかい」島で、幸人が直面する真実とは何なのか。
主人公は児童養護施設で育ち特殊な力を持つという、主人公のお手本のような設定であるがそんな設定もまた視聴者が好む作品であると考える。さらに物語終盤で主人公の本当の力、正体が明かされ、力が覚醒するなどより視聴者を引き込ませる展開になっている。普通では無い主人公だが島に来て、ずっと欲しかった友達ができたことに喜ぶなど、子供らしい一面を持ち合わせていることも魅力の一つである。また主人公達が使う不思議な力が、作品の絵柄と色彩に合っていて内容を絵柄でより引き立たせていると考える。
30.『鹿楓堂よついろ日和』(漫画)
原作:清水ユウ
和風喫茶・鹿楓堂(ろくほうどう)が舞台のグルメ漫画。鹿楓堂では店主・料理人・パティシエ・バリスタの4人のスペシャリストが働いており、美味しい甘味や食事を提供しながら様々な客の悩みにそっと寄り添っていく。時に4人のバックグラウンドにも触れつつ1~2話完結方式がとられているハートフルストーリー。
本作の軸としては喫茶店を舞台とする、喫茶店の従業員とそこに訪れる客の話が描かれる日常ものであるのだが、時折従業員個人の過去などが描かれることで、物語に深みを持たせていると考える。主人公である店主のスイが抱える秘密として描かれる自身の出自では、双子の兄との確執は漫画とアニメで展開が変わってはいるものの一応は収まりを迎えたが、家族関係の特に父親との関係は未だに深くは明かされておらずこれからの展開が楽しみだと考える。最新話でも98話という話数でありながら、やっと最後の従業員のお店になぜ就職したのかという経緯が描かれ、読者が気になる話をすぐにせず、日常の合間合間に挟み、それに繋げるように日常を描いていくことで読者の読みたいという気持ちと期待感を高めさせ、長く読まれる作品にしているのだと感じた。
2年 中村
RES
夏休み課題1~30作品
1.『黒猫の遊歩あるいは美学講義』(小説)
作者 森晶麿
24歳の若い大学教授である通称「黒猫」と大学院生である女性「付き人」は、いくつもの謎や事件の解決をしていく。「付き人」は、エドガー・アラン・ポーの研究者であり、ポーの作品を鍵となって謎解きが行われていく。
「黒猫」の言っていることはとても難解であるが、「黒猫」と「付き人」の会話のテンポの良さや2人の独特の空気感が大きい魅力である。ポーの作品のネタバレが多く含まれるが、詳しく説明がなされるため、読んでいなくても元の作品の概要を理解することができる。2人の名前は明かされることがないという点は、あまり他の作品に見られないため、珍しいのではないか。
2. 『東京エイリアンズ』(マンガ)
作者 NAOE
ごく普通の高校生である郡司 晃は、帰宅途中の電車の中で、地球外生命体と人間のバトルに巻き込まれる。地球外生命体である宇宙人の存在を知った主人公は、電車の中で戦っていた人間であり、同じ高校に通う天空橋 翔と交流し、エイリアン管理組織「AMO」の特別機動隊員として共に働くことになる。
キャラクターのビジュアルが良く、見応えのあるバトルシーンが描かれている。シリアスな話がありつつも笑えるシーンが多く、また、ひとつひとつの話が長くないため、読者を飽きさせない工夫がある。作品を通して謎がいくつかあり、それが徐々に解明されるのが、読者の興味を引いているように感じる。
3. 『マリッジトキシン』(マンガ)
作者 静脈/依田瑞稀
『毒使い』の殺し屋下呂は、裏稼業に身を置く青年である。女性が苦手で、結婚願望がなかったが、後継を目的とする実家が、彼の妹に強制的に産ませることを通告する。そんななか、結婚詐欺師である城崎と出会う。妹を守るため、結婚アドバイザーとなった城崎により、下呂は婚活を始める。
「殺し屋」と「婚活」という真逆の2つの要素が鍵となるこの作品では、婚活を進める中で、バトルシーンが多く挟まれる。毒使いである主人公の他、様々な使い手が現れ、派手なバトルが繰り広げられる。激しい戦闘シーンに加え、登場人物の繊細な感情もよく描かれており、話も簡潔なものが多い。婚活バトルアクションという新しい世界観であるが、丁寧な作画や個性的なキャラクターとマッチしており、魅力のある作品である。
4. 『Nのために』 (小説)
作者 湊かなえ
超高層マンションで夫婦の変死体が発見された。現場に居合わせた4人の証言により、事件の概要が明らかになる。次の章からは、各それぞれの目線で事件までの出来事が語られていき、真実が明らかになっていく。
題名にある「N」が誰を指しているのか、読み終わるとその答えがわかり、鳥肌がたった。全員がそれぞれ勝手に思い込むことにより、少しずつ認識のズレが起きる、また、全員が誰かのために行動し、それが大きな悲劇に繋がるというところがとても面白かった。登場人物の心情がよく描かれており、それぞれの目線で語られる話の順番により、徐々に真実に繋がるようになっている。最後に全て真実がわかるため、読了後はとてもスッキリする。
5. 『言の葉の庭』(小説)
作者 新海誠
雨の日の朝の東屋。そこで出会った靴職人を目指す高校生の孝雄と謎の年上の女性雪野。雨の日にしか出会えない2人はお互いについて知らないまま合流を重ねていく。ある日孝雄が靴職人になりたいという夢を話すと、雪野はその夢を肯定するかのように微笑む。初めて他人に夢を打ち明けた孝雄は、雪野に信頼し始め、いつしか雨が降ることを願うようになっていく。
孝雄と雪野はもちろん、周りの人間も何かしらの悩みを抱えており、それが繊細に描かれている。映画では描かれていない、孝雄の兄や母親、相澤という女子生徒視点で語られる話は、映画で見た時より、物語をより深く理解することができるようになっている。アニメーションの美しさと文による表現の美しさは、別物であるが、どちらもそれぞれ魅力があり、この作品の世界観がそれぞれ綺麗に表れていると感じた。
6. 『呪術廻戦 懐玉・玉折』 (アニメ)
原作 芥見下々 監督 御所園翔太
呪術廻戦のアニメの2期である懐玉・玉折編は、1期では主人公の先生であり呪術界最強の人物として登場した五条悟が高専生であった頃のエピソードである。高専時代の五条悟とその親友である夏油傑は、不死の術式を持つ天元に、星漿体(天元と適合する人間)である少女の護衛と抹消を依頼される。任務遂行のために動く2人だが、少女を狙う呪詛師が現れるなか、術師殺しの奇襲により、最悪の事態に陥る。
マンガでは、高専時代の話より先に主人公の同級生の話があるので、話の順序を入れ替えているところが印象的だった。また、3話で、崎山蒼志によるエンディングテーマ「燈」が流れているなかで、星漿体の少女の頭が銃で撃ち抜かれるシーンは、エンディングの使い方を工夫しており、視聴者側の衝撃を誘うものだった。1期と比べ、作画が全体的にはっきりとしておらず、夢の中のような雰囲気だった。過去編であることが強調されており、儚さを感じた。
7. 『赤髪の白雪姫』 (マンガ)
作者 あきづき空太
世にも珍しいリンゴのような赤い髪を持つ娘、白雪。白雪は、彼女の住むタンバルン王国の王子であるラジに、赤い髪が珍しいという理由で求婚される。自分の物語は自分で決めると思う白雪は、長かった髪を切り置き土産にし、国を出ると決断する。隣国であるクラリネス王国に向かう道中、森で、クラリネス王国第2王子のゼン、その側近のミツヒデと木々に出会う。白雪を気に入ったゼンは、白雪を助け、ゆっくりと恋が始まり進んでいく。
主人公である白雪の意志の強さや、自らの運命を必死に切り開いていく様子に胸を打たれる。また、キャラクター同士の絆や関係性が美しく描かれている。街の様子や、小物などが細やかに描かれており、世界観が想像しやすい。少女マンガにしては、恋愛色が強すぎない点も魅力を感じた。
8. 『探偵は絵にならない』(小説)
作者 森晶麿
若くして評価を受けるが、失業目前の画家、濱松蒼。同棲していたフオンが謎の言葉を言い残して家を出て行ってしまう。彼女を追いかけ、2人の出身地である浜松に戻った蒼は、腐れ縁のアロマテラピストである小吹蘭都の家に転がり込み、仕事と彼女の行方を探す。そのなかで奇妙な依頼を受ける。
舞台が作者の故郷であるため、街の様子がとても細かく書かれている。一見関係ないような依頼を受ける中で、謎の真相が明かされつつ、フオンとの関係がわかっていく点が面白い。絵やアロマの要素が強く、謎解きがおしゃれであるように感じた。
9. 『博多豚骨ラーメンズ』(小説)
作者 木崎ちあき
人口の3%が殺し屋の街、博多。犯罪が蔓延するこの街には、殺し屋を専門に殺す『殺し屋殺し』がいるという都市伝説がある。博多を愛する私立探偵、天才ハッカー、美しい女装の殺し屋など、個性豊かな裏稼業の男たちが暗躍する博多で、多くの事件が起こる。
癖のある登場人物の過去が各話の事件に強く結びついている。彼らが巻き込まれる事件は、途中で戦闘する場面も発生し、展開の動きが激しいストーリーとなっている。人が亡くなる描写が少なくないものの、あまり話が重くならないようになっている。登場人物同士の掛け合いも面白い。実際に存在する場所や、方言が出てくるため、殺し屋が存在するという世界観とのギャップを感じる。
10. 『デュラララ!!』(小説)
非日常に憧れる少年、竜ヶ峰帝人は、進学のため東京・池袋に出てきた。そこには、チンピラ、電波娘、情報屋の青年、闇医者、そして漆黒のバイクを駆る首なしライダーが集う。彼らが繰り広げる痛快でマトモとは程遠い日々を描く日常系ストーリー。
池袋を舞台にしており、変わった登場人物が多いものの、一見日常を描く物語といえる。しかし、首なしライダーという空想上のキャラクターが出てくることにより、それが一変する。新しく繋がっていくキャラクターや元々の関係性が魅力である。それぞれのキャラクターのもつ闇の部分や人間らしさが描かれており、面白い。様々な思惑が交錯するが、鮮やかに伏線が回収されるため、とても読みやすい。
11. 『あんさんぶるスターズ!』(アニメ)
監督 菱田正和
男性アイドル育成2 に特化した私立夢ノ咲学院。試験的に新設されたプロデュース科に転入してきた女子生徒、あんずは、アイドル科に通う4人に出会う。学院を舞台に起こる問題を乗り越えながら、アイドル達が成長していく姿が描かれている。
アイドルひとりひとりに悩みがあり、人によっては、重い過去が存在しており驚いた。明るいだけのアイドルではなく、時には汚い手を使う姿が描かれており、リアルさを感じた。グループの絆が強く、葛藤を抱えながらも仲間と共に問題に立ち向かう姿は、思わず応援したくなった。
12.『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(アニメーション映画)
監督 アーロン・ホーヴァス/マイケル・ジェレニック
世界を支配しようとする大魔王クッパを、キノコ王国のピーチ姫はキノピオたちと迎え撃とうとしていた。一方、双子のマリオとルイージは、現代で配管工の会社を立ち上げ、仕事に励んでいた。しかし、ルイージがクッパに囚われてしまう。マリオは、弟を救うためピーチ姫やキノピオたちと共に、クッパを倒す旅に出る。
ゲームの世界観のままの映画だった。音楽やキャラクターが馴染みのあるものであり、話の本筋もほぼゲームと同じだった。ゲームを映画化したものは初めてみたが、ゲームに忠実であり、ストーリーもまとまっていた。ところどころ、スーパーマリオブラザーズ以外の任天堂の作品も登場しており、ファンがみたらより満足するものであったのではないか。
13. 『動物のお医者さん』(マンガ)
作者 佐々木 倫子
H大の獣医学部の学生である西根公輝(通称ハムテル)とその親友の二階堂昭夫。2人は、個性豊かな教授や友人、動物に囲まれながら獣医師となるために成長していく物語である。
コミカルに日常が描かれるなかで、獣医学部で学ぶ内容や動物の生態を細かく知ることができる。たくさんの動物が出てくるが、ここまでリアルに描かかれることはあまりないのではないか。また、その動物たちの心の声も書かれており、動物それぞれの個性が出ているため、心の声のセリフでどの動物のものなのか分かるところが面白い。また、名言が多く登場するのも魅力である。
14. 『スタンド・バイ・ミー』(映画)
監督 ロブ・ライナー
性格も個性も違う12歳の少年4人は、いつも仲良く遊んでいた。ある日、数日間行方不明となっている少年の死体が、森の奥でそのままになっているという噂を聞き、その死体を探すため、4人で2日間の大冒険へと出る事となる。そしてそこで体験した事は、生涯忘れられないものとなる。
冒険の中で、4人が悩みを語りあっている姿や、冒険のなかで友達としての絆を深めあう姿が、青春を感じさせる。4人は大人になっても仲が良いというように終わるのではなく、大人になるにつれ離れていくが、友情は永遠だというように締めくくるところが、リアルであり、冒険した日々が、少年時代のかけがえのないものであるということが際立っているように感じた。
15. 『フォレスト・ガンプ』(映画)
監督 ロバート・ゼメキス
生まれつき背骨が曲っているため脚装具がなければ歩けず、知能指数が人より劣っているフォレスト・ガンプ。彼は、並外れた足の速さと誠実な人柄を持つ。激動の時代のアメリカを、誠実さと瞬足で駆け抜ける彼の一生が描かれている。作中に登場する台詞「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない。」は『アメリカ映画の名台詞ベスト100』に選ばれている。
主人公が純粋に一生懸命に生きている様子は、見ている私たちに感動を与える。また、その波乱万丈の人生のなかで出会う人々に、主人公が影響を与え、彼らだけでなく、私たちにもひたむきに生きていくことの大切さを教えてくれる。
16. 『最高の人生の見つけ方』(映画)
監督 ロブ・ライナー
傲慢なお金持ちの男と実直な整備工の男。シルバーエイジの2人は共にガンにより余命半年と宣告を受ける。そんな中、整備工の男は、実業家の男に対し、棺桶に入るまでにやりたいことを書いたリストを見せる。全く異なる人生を歩んできた2人はリストを書き、それらを叶えるため、人生最後の旅に出る。
性格や仕事も違う高齢の男2人が、最初は険悪な仲であるにも関わらず、短期間ではあるが旅をするまでに友情を築きあげるというのは、見ている側にまで笑顔を与える。また、リストを1つずつ消化していく姿は、やりたいことをやる大切さを教えてくれ、また、それを可能であるはずだと勇気づける。このように視聴者に希望を与えてくれる作品であると考えた。
17. 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(映画)
監督 デビッド・フィンチャー
80歳の老人の姿で生まれたベンジャミンバトンは、歳を重ねるごとに若返っていく特殊な体質の持ち主である。数奇な運命を背負いながら、青い瞳の少女と出会い、懸命に人生を歩む姿が描かれる。
人とは違う体質に苦悩しながらも、必死に生き、時に恋をし、愛を知る主人公に、色々と考えさせられる。外見ではなく、中身という人としての魅力に気づく少女との恋は、主人公の人生に大きな影響を与えると共に、それに気づくことの大切さを視聴者に伝えている。
ベンジャミンを演じるブラッド・ピットが、特殊メイクにより、子供の姿以外全てを担当している。年少しずつ若返っていることが見てわかることから、特殊メイクの技術の凄さが伝わる作品でもある。
18. 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(アニメ)
監督 長井 龍雪
小学校時代、「超平和バスターズ」というグループを結成し、秘密基地に集まって遊んでいた男女5人。しかし、その中の1人であるめんまの突然事故死により、決別してしまう。めんまの事故死から7年、高校受験に失敗し、引きこもり気味の生活を送るじんたんの元に、死んだはずのめんまが現れる。願いを叶えてほしいという彼女に協力し、彼女を無事に成仏させるため、「超平和バスターズ」の仲間たちが再び絆を取り戻す。
成長した「超平和バスターズ」の彼らは、それぞれめんまの死を引きずっており、重い影となっている。もっとこうしとけばよかった、やらなければ、言わなければよかったという気持ちは、誰しもが持つものである。多くの後悔を持つ彼らが気持ちをぶつけあう姿は、とてもリアルな感情をむき出しにしているため、視聴者は共感するのではないか。
19. 『黒執事』(マンガ)
作者 枢 やな
舞台は19世紀末期のイギリス。名門貴族・ファントムハイヴ伯爵家の当主である12歳のシエル・ファントムハイヴ。彼に忠実に尽くす完璧な執事、セバスチャン・ミカエリス。主従関係にある2人が女王陛下から命令を受け、様々な未解決事件や奇妙な現象の真相を暴く物語。
イギリスが舞台となっており、実際に存在する建物がアニメの中で存在する。設定も時代や舞台の背景に即しており、貴族文化や様子を知ることができる。また、ダークとコメディのバランスが良く、それぞれのシリーズが長すぎず読みやすいと思った。
20. 『ヨルムンガンド』(マンガ)
作者:高橋慶太郎
両親を戦争で失い、兵器や武器に関する一切を憎む主人公の元少年兵ヨナ。武器商人の女性ココ・ヘクマティアルに拾われ、彼女の私兵8人と共に世界中を旅する物語。
多くの武器・兵器が登場し、それらは実際に存在するものである。これらが好きな人には特にオススメしたい。戦争をなくすため、平和な世界になるために奔走するココの言動にはとても考えさせられた。絵に癖があるが、戦争を舞台にしている割にグロさがなく、また、壮大な話で難しさはあるものの一つ一つが長すぎないため楽しんで読むことができた。
21. 『暁のヨナ』(マンガ)
作者 草凪 みずほ
高華王国の王女、ヨナは珍しい赤い癖毛を持つ、気が強いが無知でか弱い姫君だった。大切に甘やかされて育てられたヨナであったが、突如、王である父が殺されてしまう。父を殺したのは、長年恋心を抱いていた相手である幼なじみのスウォンだった。自らも命を狙われるヨナは、もう1人の幼なじみであるハクに助けられ、城の外へ逃げ出す。民を守り、自らも戦う覚悟を決めたヨナは、道中で出会う「四龍の戦士」と共に旅に出る。
王女という立場にある主人公が、勇ましく自ら武器を取り果敢に戦う姿は、良い意味で少女マンガの主人公らしくない。物語が進むにつれ、ヨナがわがままや弱さを自覚し、それらが見られなくなるところに、彼女の人生の壮絶さや旅の過酷さが現れている。主人公の成長の様子や周りの人々との絆が美しい世界観のなかに描かれている。恋愛の描写と戦いの描写は、どちらも魅力的で目が離せない。
22. 『葬送のフリーレン』(マンガ)
原作 山田鐘人 作画 アベツカサ
エルフの魔法使いフリーレンが、勇者ヒンメル達と共に魔王を討伐し、世界に平和をもたらした「その後」の物語。長命種であるフリーレンにとって、ヒンメル達と旅をした10年間は非常に短いものだった。50年後に会う約束をして別れた彼女らが再会したとき、ヒンメルはすっかり年老いてしまった。まもなく亡くなったヒンメルの葬儀で、フリーレンは彼について何も知らず、知ろうともしなかったことに気づき涙する。人間を知るため、フリーレンは旅をする。
勇者一行が魔王を討伐する話がメインではなく、その後が描かれているところが新しい。また、人間と比べて寿命が長く、生きる時間にどうしようもない差があるにも関わらず、長く生きているフリーレンに強く影響を与えたのが、10年という短い時間しか共にいなかったヒンメルであるという事実が心を強く打つ。
人を知ろうとしなかったフリーレンが、ヒンメルの死によって考えが変わり、それを知る旅の中で、彼らとの旅が思い返されるところからフリーレンの旅をしていた短い日々への愛しさが伝わる。
23. 『キノの旅』(小説)
作者 時雨沢恵一
言葉を話す二輪車エルメスとそれに乗って世界を旅するキノの物語。一つ一つの国は隣合うことなく領土を持つためそれぞれが独立した文化を確立している、キノとエルメスはそんな国々を訪れては3日滞在し、また次の国へと旅立つ。
その世界の人々の殆どは、生まれた国から出ることなく一生を1つの国で過ごす。その為各々の国はとても個性的で、読者の我々からすれば信じられないような日常を暮らしているのだ。そんな世界を旅しているキノとエルメスは、世界の広さを、常識とは儚いものであることを知っている。そんな彼らの旅物語は読者に様々な感情をもたらしてくれる。世界は決して美しくはない、しかしそれ故に美しい、ということを教えられる。国ごとに短編集のようになっており、読了後の余韻に魅せられて次を次をと読みたくなる作品だ。
24. 『文豪ストレイドッグス』(マンガ)
原作 朝霧カフカ 作画 春河35
孤児院を追い出された中島敦は武装探偵社を名乗る男太宰治と出会う。武装探偵社を含め複数の組織が陰謀犇めくヨコハマの街を守るべく活躍する。文豪の名前を冠したキャラクター達がヨコハマを舞台に生きる意味を追い求め戦う異能バトルストーリー。
文豪がイケメン化して能力バトルしたら絵になるという発想から生まれた作品であり、当初の狙い通り数多くの女性ファンを獲得している。そして出版社として嬉しい誤算が生まれた。著作権の切れた古い作品が新たに脚光を浴びる機会が出来たのである。1つの作品に収まらない経済効果を出版社にもたらしたり文豪や近代の作品がこのように再度周知されることになったりするのは、とても素晴らしいことなのではないか。
25. 『鬼灯の冷徹』(マンガ)
作者 江口 夏実
広大な地獄を取り仕切る閻魔大王の下で、第一補佐官を務める鬼神・鬼灯。有能で冷徹な彼の周囲には、おとぎ話で有名な桃太郎とそのお供たちや中国神獣の白澤、後輩獄卒の唐瓜や茄子などの個性豊かなメンバーが集う。日本の地獄を舞台に、「鬼灯と愉快な地獄の仲間たち」が繰り広げる、日常的で楽しげな毎日を綴ったブラックコメディである。
日本の地獄を舞台とし、神話や妖怪だけでなく、様々なサブカルチャー的知識が詰め込まれており、テンポのよい笑いが魅力的である。また、一般的に親しみの持ちにくい神話や宗教的な内容が、閻魔大王はおおらかな癒し系、中国の神獣・白澤は女好きといった独特なキャラクター設定によって読みやすく、理解しやすいものとなっている。加えて、地獄と妖怪という古めかしい題材でありながら、時代設定は現代である点が作品をより身近なものに感じることに繋がっていると考える。
26. 『夏目友人帳』(マンガ)
作者 緑川ゆき
幼い頃から人には見えない妖が見えるが故に人から理解されることの無かった少年夏目貴志は、親を亡くし親戚の家をたらい回しにされるうちにようやく大切な場所を見つける。引き取ってくれた家族、妖が見えることを理解してくれる友人、そして困っている人を見過ごせない夏目貴志は避けていた妖とも関わり絆を紡いでいく。
人と妖、決して交わることの無いはずのどちらとも関わる主人公を通して見る世界は人間同士の関係ではありえない繊細な感情で溢れており、田園風景等の田舎の描写や妖特有の美しい世界と共に味わうことができる。心に深く響く切ない人間ドラマ・妖ドラマは1話完結で描かれており、その様々な感情に触れることで孤独に慣れていた主人公の心が癒され人々と関わるように成長していく姿を見られる。それらの日本人に根付く風景とドラマが人々を惹き付ける要因だろう。
27. 『三月のライオン』(マンガ)
作者 羽海野チカ
17歳のプロ将棋棋士、桐山零は史上5人目の中学生プロデビュー棋士として周囲の人間から期待されているが、幼い頃に事故で家族を失い、引き取られた先の家庭とも馴染めずに、六月町に一人で暮らしている。生活においても、棋士としても深い孤独の中にいた零だったが、橋を渡った三月町で暮らす川本あかり、ひなた、モモの三姉妹との出会いをきっかけに、様々な人々と触れ合うことで、棋士としても、一人の人間としても成長していく人情ドラマである。
やわらかなタッチの画風からは想像できないほど重く苦しい人間関係や才能の差、勝負の勝敗を描きながらも、ほのぼのとした日常やクスっと笑えるギャグシーンが作品を魅力的で飽きないものにしている。また、先輩棋士の島田や零に敗北した棋士、山崎などの主人公である零以外の視点で描かれるストーリーを時々挟むことで、一度は敵として戦ったキャラクターも、魅力的に感じることができるようになり、勝負により深みが生まれていると考える。
28. 『すずめの戸締り』(映画)
監督 新海 誠
九州のとある静かな町で暮らす少女すずめは「扉」を探しているという不思議な青年草太と出会う。彼を追った先の廃墟ですずめは扉を開け、石像を抜いてしまった。その扉とは、開くと向こう側から災いが訪れる不吉なもので、石像はその不吉なものを封じていた。その封印を解いてしまったすずめの、「扉」を閉じる旅が始まる。
災いを封じていた石像はすずめの手によってその責務から解き放たれた後、猫の姿となって逃走する。その姿はすずめや草太、多くの読者にとって災いの被害を顧みず好き勝手に自由を謳歌する悪に映る。しかしすずめや草太を振り回した猫の行動の裏に隠された真実が物語後半で判明した時、読者の思考をひっくり返すことになる。物語のキーマンである猫の前提が変わったことで、物語前半のストーリーの見え方までもが変わる。これが「すずめの戸締り」の魅力であり映画館でのリピーターを増やす要因になっていると考える。
29. 『血界戦線』(アニメ)
監督 松本 理恵
舞台はりかつてニューヨークがあった場所に突如として現れた異界の街ヘルサレムズ・ロット。世界に危機をもたらす者たちと秘密結社ライブラの戦いを描いた物語。様々な年齢性別種族の個性的なキャラクターが登場する話であり、作者によるコンセプトは「技名を叫んでから殴る漫画」である。
戦闘の様子や戦闘能力がわかりやすいため、アクションシーンが単純、スピーディに進む。とてもシンプルな話であり、とてもシュールなギャグや表現が多いため、あまり頭を使わずに読むことが出来る。EDテーマであるUNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」が非常に有名であるが、実際にこのアニメを見ている人は少ない。曲だけでなく、作品自体も素晴らしいためぜひ見てもらいたい。
『Dr.STONE』
作者 稲垣理一郎 作画 Boich
ある日、突如として空がまばゆい光で覆われ、世界中の人類が一斉に石化してから3700年後、超人的な頭脳を持つ化学少年・千空が目覚めた。文明が滅んだ石の世界(ストーンワールド)で、千空は科学の力で文明を復活させ、石化の原理を突き止めて全人類を救うことを誓う。時を同じくしてよみがえった幼馴染の大木大樹をはじめとした仲間たちと共に、原始時代から現代文明まで一気に駆け上がる熱血化学冒険譚である。
この作品の魅力は、何より人類全員が石化するという非現実的な導入に反して、本作には大学講師もしているくられ氏が科学監修を行っており、携帯電話や自動車などを原始時代で創り上げる工程をノンフィクションで描いている点である。また、登場人物のキャラクター性も魅力的であり、主人公の千空はジャンプ作品では珍しく、合理的に物事を考えるクールな性格だが、仲間を切り捨てることのできない情に厚い一面を持つ。また、千空一人が活躍するのではなく、登場人物一人一人に得意な分野があり、それぞれが協力し合って人類復興を目指す、まさにジャンプの理念である「友情・努力・勝利」が体現されたような作品である。
1.『黒猫の遊歩あるいは美学講義』(小説)
作者 森晶麿
24歳の若い大学教授である通称「黒猫」と大学院生である女性「付き人」は、いくつもの謎や事件の解決をしていく。「付き人」は、エドガー・アラン・ポーの研究者であり、ポーの作品を鍵となって謎解きが行われていく。
「黒猫」の言っていることはとても難解であるが、「黒猫」と「付き人」の会話のテンポの良さや2人の独特の空気感が大きい魅力である。ポーの作品のネタバレが多く含まれるが、詳しく説明がなされるため、読んでいなくても元の作品の概要を理解することができる。2人の名前は明かされることがないという点は、あまり他の作品に見られないため、珍しいのではないか。
2. 『東京エイリアンズ』(マンガ)
作者 NAOE
ごく普通の高校生である郡司 晃は、帰宅途中の電車の中で、地球外生命体と人間のバトルに巻き込まれる。地球外生命体である宇宙人の存在を知った主人公は、電車の中で戦っていた人間であり、同じ高校に通う天空橋 翔と交流し、エイリアン管理組織「AMO」の特別機動隊員として共に働くことになる。
キャラクターのビジュアルが良く、見応えのあるバトルシーンが描かれている。シリアスな話がありつつも笑えるシーンが多く、また、ひとつひとつの話が長くないため、読者を飽きさせない工夫がある。作品を通して謎がいくつかあり、それが徐々に解明されるのが、読者の興味を引いているように感じる。
3. 『マリッジトキシン』(マンガ)
作者 静脈/依田瑞稀
『毒使い』の殺し屋下呂は、裏稼業に身を置く青年である。女性が苦手で、結婚願望がなかったが、後継を目的とする実家が、彼の妹に強制的に産ませることを通告する。そんななか、結婚詐欺師である城崎と出会う。妹を守るため、結婚アドバイザーとなった城崎により、下呂は婚活を始める。
「殺し屋」と「婚活」という真逆の2つの要素が鍵となるこの作品では、婚活を進める中で、バトルシーンが多く挟まれる。毒使いである主人公の他、様々な使い手が現れ、派手なバトルが繰り広げられる。激しい戦闘シーンに加え、登場人物の繊細な感情もよく描かれており、話も簡潔なものが多い。婚活バトルアクションという新しい世界観であるが、丁寧な作画や個性的なキャラクターとマッチしており、魅力のある作品である。
4. 『Nのために』 (小説)
作者 湊かなえ
超高層マンションで夫婦の変死体が発見された。現場に居合わせた4人の証言により、事件の概要が明らかになる。次の章からは、各それぞれの目線で事件までの出来事が語られていき、真実が明らかになっていく。
題名にある「N」が誰を指しているのか、読み終わるとその答えがわかり、鳥肌がたった。全員がそれぞれ勝手に思い込むことにより、少しずつ認識のズレが起きる、また、全員が誰かのために行動し、それが大きな悲劇に繋がるというところがとても面白かった。登場人物の心情がよく描かれており、それぞれの目線で語られる話の順番により、徐々に真実に繋がるようになっている。最後に全て真実がわかるため、読了後はとてもスッキリする。
5. 『言の葉の庭』(小説)
作者 新海誠
雨の日の朝の東屋。そこで出会った靴職人を目指す高校生の孝雄と謎の年上の女性雪野。雨の日にしか出会えない2人はお互いについて知らないまま合流を重ねていく。ある日孝雄が靴職人になりたいという夢を話すと、雪野はその夢を肯定するかのように微笑む。初めて他人に夢を打ち明けた孝雄は、雪野に信頼し始め、いつしか雨が降ることを願うようになっていく。
孝雄と雪野はもちろん、周りの人間も何かしらの悩みを抱えており、それが繊細に描かれている。映画では描かれていない、孝雄の兄や母親、相澤という女子生徒視点で語られる話は、映画で見た時より、物語をより深く理解することができるようになっている。アニメーションの美しさと文による表現の美しさは、別物であるが、どちらもそれぞれ魅力があり、この作品の世界観がそれぞれ綺麗に表れていると感じた。
6. 『呪術廻戦 懐玉・玉折』 (アニメ)
原作 芥見下々 監督 御所園翔太
呪術廻戦のアニメの2期である懐玉・玉折編は、1期では主人公の先生であり呪術界最強の人物として登場した五条悟が高専生であった頃のエピソードである。高専時代の五条悟とその親友である夏油傑は、不死の術式を持つ天元に、星漿体(天元と適合する人間)である少女の護衛と抹消を依頼される。任務遂行のために動く2人だが、少女を狙う呪詛師が現れるなか、術師殺しの奇襲により、最悪の事態に陥る。
マンガでは、高専時代の話より先に主人公の同級生の話があるので、話の順序を入れ替えているところが印象的だった。また、3話で、崎山蒼志によるエンディングテーマ「燈」が流れているなかで、星漿体の少女の頭が銃で撃ち抜かれるシーンは、エンディングの使い方を工夫しており、視聴者側の衝撃を誘うものだった。1期と比べ、作画が全体的にはっきりとしておらず、夢の中のような雰囲気だった。過去編であることが強調されており、儚さを感じた。
7. 『赤髪の白雪姫』 (マンガ)
作者 あきづき空太
世にも珍しいリンゴのような赤い髪を持つ娘、白雪。白雪は、彼女の住むタンバルン王国の王子であるラジに、赤い髪が珍しいという理由で求婚される。自分の物語は自分で決めると思う白雪は、長かった髪を切り置き土産にし、国を出ると決断する。隣国であるクラリネス王国に向かう道中、森で、クラリネス王国第2王子のゼン、その側近のミツヒデと木々に出会う。白雪を気に入ったゼンは、白雪を助け、ゆっくりと恋が始まり進んでいく。
主人公である白雪の意志の強さや、自らの運命を必死に切り開いていく様子に胸を打たれる。また、キャラクター同士の絆や関係性が美しく描かれている。街の様子や、小物などが細やかに描かれており、世界観が想像しやすい。少女マンガにしては、恋愛色が強すぎない点も魅力を感じた。
8. 『探偵は絵にならない』(小説)
作者 森晶麿
若くして評価を受けるが、失業目前の画家、濱松蒼。同棲していたフオンが謎の言葉を言い残して家を出て行ってしまう。彼女を追いかけ、2人の出身地である浜松に戻った蒼は、腐れ縁のアロマテラピストである小吹蘭都の家に転がり込み、仕事と彼女の行方を探す。そのなかで奇妙な依頼を受ける。
舞台が作者の故郷であるため、街の様子がとても細かく書かれている。一見関係ないような依頼を受ける中で、謎の真相が明かされつつ、フオンとの関係がわかっていく点が面白い。絵やアロマの要素が強く、謎解きがおしゃれであるように感じた。
9. 『博多豚骨ラーメンズ』(小説)
作者 木崎ちあき
人口の3%が殺し屋の街、博多。犯罪が蔓延するこの街には、殺し屋を専門に殺す『殺し屋殺し』がいるという都市伝説がある。博多を愛する私立探偵、天才ハッカー、美しい女装の殺し屋など、個性豊かな裏稼業の男たちが暗躍する博多で、多くの事件が起こる。
癖のある登場人物の過去が各話の事件に強く結びついている。彼らが巻き込まれる事件は、途中で戦闘する場面も発生し、展開の動きが激しいストーリーとなっている。人が亡くなる描写が少なくないものの、あまり話が重くならないようになっている。登場人物同士の掛け合いも面白い。実際に存在する場所や、方言が出てくるため、殺し屋が存在するという世界観とのギャップを感じる。
10. 『デュラララ!!』(小説)
非日常に憧れる少年、竜ヶ峰帝人は、進学のため東京・池袋に出てきた。そこには、チンピラ、電波娘、情報屋の青年、闇医者、そして漆黒のバイクを駆る首なしライダーが集う。彼らが繰り広げる痛快でマトモとは程遠い日々を描く日常系ストーリー。
池袋を舞台にしており、変わった登場人物が多いものの、一見日常を描く物語といえる。しかし、首なしライダーという空想上のキャラクターが出てくることにより、それが一変する。新しく繋がっていくキャラクターや元々の関係性が魅力である。それぞれのキャラクターのもつ闇の部分や人間らしさが描かれており、面白い。様々な思惑が交錯するが、鮮やかに伏線が回収されるため、とても読みやすい。
11. 『あんさんぶるスターズ!』(アニメ)
監督 菱田正和
男性アイドル育成2 に特化した私立夢ノ咲学院。試験的に新設されたプロデュース科に転入してきた女子生徒、あんずは、アイドル科に通う4人に出会う。学院を舞台に起こる問題を乗り越えながら、アイドル達が成長していく姿が描かれている。
アイドルひとりひとりに悩みがあり、人によっては、重い過去が存在しており驚いた。明るいだけのアイドルではなく、時には汚い手を使う姿が描かれており、リアルさを感じた。グループの絆が強く、葛藤を抱えながらも仲間と共に問題に立ち向かう姿は、思わず応援したくなった。
12.『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(アニメーション映画)
監督 アーロン・ホーヴァス/マイケル・ジェレニック
世界を支配しようとする大魔王クッパを、キノコ王国のピーチ姫はキノピオたちと迎え撃とうとしていた。一方、双子のマリオとルイージは、現代で配管工の会社を立ち上げ、仕事に励んでいた。しかし、ルイージがクッパに囚われてしまう。マリオは、弟を救うためピーチ姫やキノピオたちと共に、クッパを倒す旅に出る。
ゲームの世界観のままの映画だった。音楽やキャラクターが馴染みのあるものであり、話の本筋もほぼゲームと同じだった。ゲームを映画化したものは初めてみたが、ゲームに忠実であり、ストーリーもまとまっていた。ところどころ、スーパーマリオブラザーズ以外の任天堂の作品も登場しており、ファンがみたらより満足するものであったのではないか。
13. 『動物のお医者さん』(マンガ)
作者 佐々木 倫子
H大の獣医学部の学生である西根公輝(通称ハムテル)とその親友の二階堂昭夫。2人は、個性豊かな教授や友人、動物に囲まれながら獣医師となるために成長していく物語である。
コミカルに日常が描かれるなかで、獣医学部で学ぶ内容や動物の生態を細かく知ることができる。たくさんの動物が出てくるが、ここまでリアルに描かかれることはあまりないのではないか。また、その動物たちの心の声も書かれており、動物それぞれの個性が出ているため、心の声のセリフでどの動物のものなのか分かるところが面白い。また、名言が多く登場するのも魅力である。
14. 『スタンド・バイ・ミー』(映画)
監督 ロブ・ライナー
性格も個性も違う12歳の少年4人は、いつも仲良く遊んでいた。ある日、数日間行方不明となっている少年の死体が、森の奥でそのままになっているという噂を聞き、その死体を探すため、4人で2日間の大冒険へと出る事となる。そしてそこで体験した事は、生涯忘れられないものとなる。
冒険の中で、4人が悩みを語りあっている姿や、冒険のなかで友達としての絆を深めあう姿が、青春を感じさせる。4人は大人になっても仲が良いというように終わるのではなく、大人になるにつれ離れていくが、友情は永遠だというように締めくくるところが、リアルであり、冒険した日々が、少年時代のかけがえのないものであるということが際立っているように感じた。
15. 『フォレスト・ガンプ』(映画)
監督 ロバート・ゼメキス
生まれつき背骨が曲っているため脚装具がなければ歩けず、知能指数が人より劣っているフォレスト・ガンプ。彼は、並外れた足の速さと誠実な人柄を持つ。激動の時代のアメリカを、誠実さと瞬足で駆け抜ける彼の一生が描かれている。作中に登場する台詞「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない。」は『アメリカ映画の名台詞ベスト100』に選ばれている。
主人公が純粋に一生懸命に生きている様子は、見ている私たちに感動を与える。また、その波乱万丈の人生のなかで出会う人々に、主人公が影響を与え、彼らだけでなく、私たちにもひたむきに生きていくことの大切さを教えてくれる。
16. 『最高の人生の見つけ方』(映画)
監督 ロブ・ライナー
傲慢なお金持ちの男と実直な整備工の男。シルバーエイジの2人は共にガンにより余命半年と宣告を受ける。そんな中、整備工の男は、実業家の男に対し、棺桶に入るまでにやりたいことを書いたリストを見せる。全く異なる人生を歩んできた2人はリストを書き、それらを叶えるため、人生最後の旅に出る。
性格や仕事も違う高齢の男2人が、最初は険悪な仲であるにも関わらず、短期間ではあるが旅をするまでに友情を築きあげるというのは、見ている側にまで笑顔を与える。また、リストを1つずつ消化していく姿は、やりたいことをやる大切さを教えてくれ、また、それを可能であるはずだと勇気づける。このように視聴者に希望を与えてくれる作品であると考えた。
17. 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(映画)
監督 デビッド・フィンチャー
80歳の老人の姿で生まれたベンジャミンバトンは、歳を重ねるごとに若返っていく特殊な体質の持ち主である。数奇な運命を背負いながら、青い瞳の少女と出会い、懸命に人生を歩む姿が描かれる。
人とは違う体質に苦悩しながらも、必死に生き、時に恋をし、愛を知る主人公に、色々と考えさせられる。外見ではなく、中身という人としての魅力に気づく少女との恋は、主人公の人生に大きな影響を与えると共に、それに気づくことの大切さを視聴者に伝えている。
ベンジャミンを演じるブラッド・ピットが、特殊メイクにより、子供の姿以外全てを担当している。年少しずつ若返っていることが見てわかることから、特殊メイクの技術の凄さが伝わる作品でもある。
18. 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(アニメ)
監督 長井 龍雪
小学校時代、「超平和バスターズ」というグループを結成し、秘密基地に集まって遊んでいた男女5人。しかし、その中の1人であるめんまの突然事故死により、決別してしまう。めんまの事故死から7年、高校受験に失敗し、引きこもり気味の生活を送るじんたんの元に、死んだはずのめんまが現れる。願いを叶えてほしいという彼女に協力し、彼女を無事に成仏させるため、「超平和バスターズ」の仲間たちが再び絆を取り戻す。
成長した「超平和バスターズ」の彼らは、それぞれめんまの死を引きずっており、重い影となっている。もっとこうしとけばよかった、やらなければ、言わなければよかったという気持ちは、誰しもが持つものである。多くの後悔を持つ彼らが気持ちをぶつけあう姿は、とてもリアルな感情をむき出しにしているため、視聴者は共感するのではないか。
19. 『黒執事』(マンガ)
作者 枢 やな
舞台は19世紀末期のイギリス。名門貴族・ファントムハイヴ伯爵家の当主である12歳のシエル・ファントムハイヴ。彼に忠実に尽くす完璧な執事、セバスチャン・ミカエリス。主従関係にある2人が女王陛下から命令を受け、様々な未解決事件や奇妙な現象の真相を暴く物語。
イギリスが舞台となっており、実際に存在する建物がアニメの中で存在する。設定も時代や舞台の背景に即しており、貴族文化や様子を知ることができる。また、ダークとコメディのバランスが良く、それぞれのシリーズが長すぎず読みやすいと思った。
20. 『ヨルムンガンド』(マンガ)
作者:高橋慶太郎
両親を戦争で失い、兵器や武器に関する一切を憎む主人公の元少年兵ヨナ。武器商人の女性ココ・ヘクマティアルに拾われ、彼女の私兵8人と共に世界中を旅する物語。
多くの武器・兵器が登場し、それらは実際に存在するものである。これらが好きな人には特にオススメしたい。戦争をなくすため、平和な世界になるために奔走するココの言動にはとても考えさせられた。絵に癖があるが、戦争を舞台にしている割にグロさがなく、また、壮大な話で難しさはあるものの一つ一つが長すぎないため楽しんで読むことができた。
21. 『暁のヨナ』(マンガ)
作者 草凪 みずほ
高華王国の王女、ヨナは珍しい赤い癖毛を持つ、気が強いが無知でか弱い姫君だった。大切に甘やかされて育てられたヨナであったが、突如、王である父が殺されてしまう。父を殺したのは、長年恋心を抱いていた相手である幼なじみのスウォンだった。自らも命を狙われるヨナは、もう1人の幼なじみであるハクに助けられ、城の外へ逃げ出す。民を守り、自らも戦う覚悟を決めたヨナは、道中で出会う「四龍の戦士」と共に旅に出る。
王女という立場にある主人公が、勇ましく自ら武器を取り果敢に戦う姿は、良い意味で少女マンガの主人公らしくない。物語が進むにつれ、ヨナがわがままや弱さを自覚し、それらが見られなくなるところに、彼女の人生の壮絶さや旅の過酷さが現れている。主人公の成長の様子や周りの人々との絆が美しい世界観のなかに描かれている。恋愛の描写と戦いの描写は、どちらも魅力的で目が離せない。
22. 『葬送のフリーレン』(マンガ)
原作 山田鐘人 作画 アベツカサ
エルフの魔法使いフリーレンが、勇者ヒンメル達と共に魔王を討伐し、世界に平和をもたらした「その後」の物語。長命種であるフリーレンにとって、ヒンメル達と旅をした10年間は非常に短いものだった。50年後に会う約束をして別れた彼女らが再会したとき、ヒンメルはすっかり年老いてしまった。まもなく亡くなったヒンメルの葬儀で、フリーレンは彼について何も知らず、知ろうともしなかったことに気づき涙する。人間を知るため、フリーレンは旅をする。
勇者一行が魔王を討伐する話がメインではなく、その後が描かれているところが新しい。また、人間と比べて寿命が長く、生きる時間にどうしようもない差があるにも関わらず、長く生きているフリーレンに強く影響を与えたのが、10年という短い時間しか共にいなかったヒンメルであるという事実が心を強く打つ。
人を知ろうとしなかったフリーレンが、ヒンメルの死によって考えが変わり、それを知る旅の中で、彼らとの旅が思い返されるところからフリーレンの旅をしていた短い日々への愛しさが伝わる。
23. 『キノの旅』(小説)
作者 時雨沢恵一
言葉を話す二輪車エルメスとそれに乗って世界を旅するキノの物語。一つ一つの国は隣合うことなく領土を持つためそれぞれが独立した文化を確立している、キノとエルメスはそんな国々を訪れては3日滞在し、また次の国へと旅立つ。
その世界の人々の殆どは、生まれた国から出ることなく一生を1つの国で過ごす。その為各々の国はとても個性的で、読者の我々からすれば信じられないような日常を暮らしているのだ。そんな世界を旅しているキノとエルメスは、世界の広さを、常識とは儚いものであることを知っている。そんな彼らの旅物語は読者に様々な感情をもたらしてくれる。世界は決して美しくはない、しかしそれ故に美しい、ということを教えられる。国ごとに短編集のようになっており、読了後の余韻に魅せられて次を次をと読みたくなる作品だ。
24. 『文豪ストレイドッグス』(マンガ)
原作 朝霧カフカ 作画 春河35
孤児院を追い出された中島敦は武装探偵社を名乗る男太宰治と出会う。武装探偵社を含め複数の組織が陰謀犇めくヨコハマの街を守るべく活躍する。文豪の名前を冠したキャラクター達がヨコハマを舞台に生きる意味を追い求め戦う異能バトルストーリー。
文豪がイケメン化して能力バトルしたら絵になるという発想から生まれた作品であり、当初の狙い通り数多くの女性ファンを獲得している。そして出版社として嬉しい誤算が生まれた。著作権の切れた古い作品が新たに脚光を浴びる機会が出来たのである。1つの作品に収まらない経済効果を出版社にもたらしたり文豪や近代の作品がこのように再度周知されることになったりするのは、とても素晴らしいことなのではないか。
25. 『鬼灯の冷徹』(マンガ)
作者 江口 夏実
広大な地獄を取り仕切る閻魔大王の下で、第一補佐官を務める鬼神・鬼灯。有能で冷徹な彼の周囲には、おとぎ話で有名な桃太郎とそのお供たちや中国神獣の白澤、後輩獄卒の唐瓜や茄子などの個性豊かなメンバーが集う。日本の地獄を舞台に、「鬼灯と愉快な地獄の仲間たち」が繰り広げる、日常的で楽しげな毎日を綴ったブラックコメディである。
日本の地獄を舞台とし、神話や妖怪だけでなく、様々なサブカルチャー的知識が詰め込まれており、テンポのよい笑いが魅力的である。また、一般的に親しみの持ちにくい神話や宗教的な内容が、閻魔大王はおおらかな癒し系、中国の神獣・白澤は女好きといった独特なキャラクター設定によって読みやすく、理解しやすいものとなっている。加えて、地獄と妖怪という古めかしい題材でありながら、時代設定は現代である点が作品をより身近なものに感じることに繋がっていると考える。
26. 『夏目友人帳』(マンガ)
作者 緑川ゆき
幼い頃から人には見えない妖が見えるが故に人から理解されることの無かった少年夏目貴志は、親を亡くし親戚の家をたらい回しにされるうちにようやく大切な場所を見つける。引き取ってくれた家族、妖が見えることを理解してくれる友人、そして困っている人を見過ごせない夏目貴志は避けていた妖とも関わり絆を紡いでいく。
人と妖、決して交わることの無いはずのどちらとも関わる主人公を通して見る世界は人間同士の関係ではありえない繊細な感情で溢れており、田園風景等の田舎の描写や妖特有の美しい世界と共に味わうことができる。心に深く響く切ない人間ドラマ・妖ドラマは1話完結で描かれており、その様々な感情に触れることで孤独に慣れていた主人公の心が癒され人々と関わるように成長していく姿を見られる。それらの日本人に根付く風景とドラマが人々を惹き付ける要因だろう。
27. 『三月のライオン』(マンガ)
作者 羽海野チカ
17歳のプロ将棋棋士、桐山零は史上5人目の中学生プロデビュー棋士として周囲の人間から期待されているが、幼い頃に事故で家族を失い、引き取られた先の家庭とも馴染めずに、六月町に一人で暮らしている。生活においても、棋士としても深い孤独の中にいた零だったが、橋を渡った三月町で暮らす川本あかり、ひなた、モモの三姉妹との出会いをきっかけに、様々な人々と触れ合うことで、棋士としても、一人の人間としても成長していく人情ドラマである。
やわらかなタッチの画風からは想像できないほど重く苦しい人間関係や才能の差、勝負の勝敗を描きながらも、ほのぼのとした日常やクスっと笑えるギャグシーンが作品を魅力的で飽きないものにしている。また、先輩棋士の島田や零に敗北した棋士、山崎などの主人公である零以外の視点で描かれるストーリーを時々挟むことで、一度は敵として戦ったキャラクターも、魅力的に感じることができるようになり、勝負により深みが生まれていると考える。
28. 『すずめの戸締り』(映画)
監督 新海 誠
九州のとある静かな町で暮らす少女すずめは「扉」を探しているという不思議な青年草太と出会う。彼を追った先の廃墟ですずめは扉を開け、石像を抜いてしまった。その扉とは、開くと向こう側から災いが訪れる不吉なもので、石像はその不吉なものを封じていた。その封印を解いてしまったすずめの、「扉」を閉じる旅が始まる。
災いを封じていた石像はすずめの手によってその責務から解き放たれた後、猫の姿となって逃走する。その姿はすずめや草太、多くの読者にとって災いの被害を顧みず好き勝手に自由を謳歌する悪に映る。しかしすずめや草太を振り回した猫の行動の裏に隠された真実が物語後半で判明した時、読者の思考をひっくり返すことになる。物語のキーマンである猫の前提が変わったことで、物語前半のストーリーの見え方までもが変わる。これが「すずめの戸締り」の魅力であり映画館でのリピーターを増やす要因になっていると考える。
29. 『血界戦線』(アニメ)
監督 松本 理恵
舞台はりかつてニューヨークがあった場所に突如として現れた異界の街ヘルサレムズ・ロット。世界に危機をもたらす者たちと秘密結社ライブラの戦いを描いた物語。様々な年齢性別種族の個性的なキャラクターが登場する話であり、作者によるコンセプトは「技名を叫んでから殴る漫画」である。
戦闘の様子や戦闘能力がわかりやすいため、アクションシーンが単純、スピーディに進む。とてもシンプルな話であり、とてもシュールなギャグや表現が多いため、あまり頭を使わずに読むことが出来る。EDテーマであるUNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」が非常に有名であるが、実際にこのアニメを見ている人は少ない。曲だけでなく、作品自体も素晴らしいためぜひ見てもらいたい。
『Dr.STONE』
作者 稲垣理一郎 作画 Boich
ある日、突如として空がまばゆい光で覆われ、世界中の人類が一斉に石化してから3700年後、超人的な頭脳を持つ化学少年・千空が目覚めた。文明が滅んだ石の世界(ストーンワールド)で、千空は科学の力で文明を復活させ、石化の原理を突き止めて全人類を救うことを誓う。時を同じくしてよみがえった幼馴染の大木大樹をはじめとした仲間たちと共に、原始時代から現代文明まで一気に駆け上がる熱血化学冒険譚である。
この作品の魅力は、何より人類全員が石化するという非現実的な導入に反して、本作には大学講師もしているくられ氏が科学監修を行っており、携帯電話や自動車などを原始時代で創り上げる工程をノンフィクションで描いている点である。また、登場人物のキャラクター性も魅力的であり、主人公の千空はジャンプ作品では珍しく、合理的に物事を考えるクールな性格だが、仲間を切り捨てることのできない情に厚い一面を持つ。また、千空一人が活躍するのではなく、登場人物一人一人に得意な分野があり、それぞれが協力し合って人類復興を目指す、まさにジャンプの理念である「友情・努力・勝利」が体現されたような作品である。