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2年 中村 RES
夏休み課題1~30作品

1.『黒猫の遊歩あるいは美学講義』(小説)
作者 森晶麿

24歳の若い大学教授である通称「黒猫」と大学院生である女性「付き人」は、いくつもの謎や事件の解決をしていく。「付き人」は、エドガー・アラン・ポーの研究者であり、ポーの作品を鍵となって謎解きが行われていく。
「黒猫」の言っていることはとても難解であるが、「黒猫」と「付き人」の会話のテンポの良さや2人の独特の空気感が大きい魅力である。ポーの作品のネタバレが多く含まれるが、詳しく説明がなされるため、読んでいなくても元の作品の概要を理解することができる。2人の名前は明かされることがないという点は、あまり他の作品に見られないため、珍しいのではないか。

2. 『東京エイリアンズ』(マンガ)
作者 NAOE

ごく普通の高校生である郡司 晃は、帰宅途中の電車の中で、地球外生命体と人間のバトルに巻き込まれる。地球外生命体である宇宙人の存在を知った主人公は、電車の中で戦っていた人間であり、同じ高校に通う天空橋 翔と交流し、エイリアン管理組織「AMO」の特別機動隊員として共に働くことになる。
キャラクターのビジュアルが良く、見応えのあるバトルシーンが描かれている。シリアスな話がありつつも笑えるシーンが多く、また、ひとつひとつの話が長くないため、読者を飽きさせない工夫がある。作品を通して謎がいくつかあり、それが徐々に解明されるのが、読者の興味を引いているように感じる。

3. 『マリッジトキシン』(マンガ)
作者 静脈/依田瑞稀

『毒使い』の殺し屋下呂は、裏稼業に身を置く青年である。女性が苦手で、結婚願望がなかったが、後継を目的とする実家が、彼の妹に強制的に産ませることを通告する。そんななか、結婚詐欺師である城崎と出会う。妹を守るため、結婚アドバイザーとなった城崎により、下呂は婚活を始める。
「殺し屋」と「婚活」という真逆の2つの要素が鍵となるこの作品では、婚活を進める中で、バトルシーンが多く挟まれる。毒使いである主人公の他、様々な使い手が現れ、派手なバトルが繰り広げられる。激しい戦闘シーンに加え、登場人物の繊細な感情もよく描かれており、話も簡潔なものが多い。婚活バトルアクションという新しい世界観であるが、丁寧な作画や個性的なキャラクターとマッチしており、魅力のある作品である。
4. 『Nのために』 (小説)
作者 湊かなえ

超高層マンションで夫婦の変死体が発見された。現場に居合わせた4人の証言により、事件の概要が明らかになる。次の章からは、各それぞれの目線で事件までの出来事が語られていき、真実が明らかになっていく。
題名にある「N」が誰を指しているのか、読み終わるとその答えがわかり、鳥肌がたった。全員がそれぞれ勝手に思い込むことにより、少しずつ認識のズレが起きる、また、全員が誰かのために行動し、それが大きな悲劇に繋がるというところがとても面白かった。登場人物の心情がよく描かれており、それぞれの目線で語られる話の順番により、徐々に真実に繋がるようになっている。最後に全て真実がわかるため、読了後はとてもスッキリする。

5. 『言の葉の庭』(小説)
作者 新海誠

雨の日の朝の東屋。そこで出会った靴職人を目指す高校生の孝雄と謎の年上の女性雪野。雨の日にしか出会えない2人はお互いについて知らないまま合流を重ねていく。ある日孝雄が靴職人になりたいという夢を話すと、雪野はその夢を肯定するかのように微笑む。初めて他人に夢を打ち明けた孝雄は、雪野に信頼し始め、いつしか雨が降ることを願うようになっていく。
孝雄と雪野はもちろん、周りの人間も何かしらの悩みを抱えており、それが繊細に描かれている。映画では描かれていない、孝雄の兄や母親、相澤という女子生徒視点で語られる話は、映画で見た時より、物語をより深く理解することができるようになっている。アニメーションの美しさと文による表現の美しさは、別物であるが、どちらもそれぞれ魅力があり、この作品の世界観がそれぞれ綺麗に表れていると感じた。

6. 『呪術廻戦 懐玉・玉折』 (アニメ)
原作 芥見下々 監督 御所園翔太

呪術廻戦のアニメの2期である懐玉・玉折編は、1期では主人公の先生であり呪術界最強の人物として登場した五条悟が高専生であった頃のエピソードである。高専時代の五条悟とその親友である夏油傑は、不死の術式を持つ天元に、星漿体(天元と適合する人間)である少女の護衛と抹消を依頼される。任務遂行のために動く2人だが、少女を狙う呪詛師が現れるなか、術師殺しの奇襲により、最悪の事態に陥る。
マンガでは、高専時代の話より先に主人公の同級生の話があるので、話の順序を入れ替えているところが印象的だった。また、3話で、崎山蒼志によるエンディングテーマ「燈」が流れているなかで、星漿体の少女の頭が銃で撃ち抜かれるシーンは、エンディングの使い方を工夫しており、視聴者側の衝撃を誘うものだった。1期と比べ、作画が全体的にはっきりとしておらず、夢の中のような雰囲気だった。過去編であることが強調されており、儚さを感じた。

7. 『赤髪の白雪姫』 (マンガ)
作者 あきづき空太

世にも珍しいリンゴのような赤い髪を持つ娘、白雪。白雪は、彼女の住むタンバルン王国の王子であるラジに、赤い髪が珍しいという理由で求婚される。自分の物語は自分で決めると思う白雪は、長かった髪を切り置き土産にし、国を出ると決断する。隣国であるクラリネス王国に向かう道中、森で、クラリネス王国第2王子のゼン、その側近のミツヒデと木々に出会う。白雪を気に入ったゼンは、白雪を助け、ゆっくりと恋が始まり進んでいく。
主人公である白雪の意志の強さや、自らの運命を必死に切り開いていく様子に胸を打たれる。また、キャラクター同士の絆や関係性が美しく描かれている。街の様子や、小物などが細やかに描かれており、世界観が想像しやすい。少女マンガにしては、恋愛色が強すぎない点も魅力を感じた。

8. 『探偵は絵にならない』(小説)
作者 森晶麿

若くして評価を受けるが、失業目前の画家、濱松蒼。同棲していたフオンが謎の言葉を言い残して家を出て行ってしまう。彼女を追いかけ、2人の出身地である浜松に戻った蒼は、腐れ縁のアロマテラピストである小吹蘭都の家に転がり込み、仕事と彼女の行方を探す。そのなかで奇妙な依頼を受ける。
舞台が作者の故郷であるため、街の様子がとても細かく書かれている。一見関係ないような依頼を受ける中で、謎の真相が明かされつつ、フオンとの関係がわかっていく点が面白い。絵やアロマの要素が強く、謎解きがおしゃれであるように感じた。

9. 『博多豚骨ラーメンズ』(小説)
作者 木崎ちあき

人口の3%が殺し屋の街、博多。犯罪が蔓延するこの街には、殺し屋を専門に殺す『殺し屋殺し』がいるという都市伝説がある。博多を愛する私立探偵、天才ハッカー、美しい女装の殺し屋など、個性豊かな裏稼業の男たちが暗躍する博多で、多くの事件が起こる。
癖のある登場人物の過去が各話の事件に強く結びついている。彼らが巻き込まれる事件は、途中で戦闘する場面も発生し、展開の動きが激しいストーリーとなっている。人が亡くなる描写が少なくないものの、あまり話が重くならないようになっている。登場人物同士の掛け合いも面白い。実際に存在する場所や、方言が出てくるため、殺し屋が存在するという世界観とのギャップを感じる。

10. 『デュラララ!!』(小説)

非日常に憧れる少年、竜ヶ峰帝人は、進学のため東京・池袋に出てきた。そこには、チンピラ、電波娘、情報屋の青年、闇医者、そして漆黒のバイクを駆る首なしライダーが集う。彼らが繰り広げる痛快でマトモとは程遠い日々を描く日常系ストーリー。
池袋を舞台にしており、変わった登場人物が多いものの、一見日常を描く物語といえる。しかし、首なしライダーという空想上のキャラクターが出てくることにより、それが一変する。新しく繋がっていくキャラクターや元々の関係性が魅力である。それぞれのキャラクターのもつ闇の部分や人間らしさが描かれており、面白い。様々な思惑が交錯するが、鮮やかに伏線が回収されるため、とても読みやすい。

11. 『あんさんぶるスターズ!』(アニメ)
監督 菱田正和

男性アイドル育成2 に特化した私立夢ノ咲学院。試験的に新設されたプロデュース科に転入してきた女子生徒、あんずは、アイドル科に通う4人に出会う。学院を舞台に起こる問題を乗り越えながら、アイドル達が成長していく姿が描かれている。
アイドルひとりひとりに悩みがあり、人によっては、重い過去が存在しており驚いた。明るいだけのアイドルではなく、時には汚い手を使う姿が描かれており、リアルさを感じた。グループの絆が強く、葛藤を抱えながらも仲間と共に問題に立ち向かう姿は、思わず応援したくなった。

12.『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(アニメーション映画)
監督 アーロン・ホーヴァス/マイケル・ジェレニック

世界を支配しようとする大魔王クッパを、キノコ王国のピーチ姫はキノピオたちと迎え撃とうとしていた。一方、双子のマリオとルイージは、現代で配管工の会社を立ち上げ、仕事に励んでいた。しかし、ルイージがクッパに囚われてしまう。マリオは、弟を救うためピーチ姫やキノピオたちと共に、クッパを倒す旅に出る。
ゲームの世界観のままの映画だった。音楽やキャラクターが馴染みのあるものであり、話の本筋もほぼゲームと同じだった。ゲームを映画化したものは初めてみたが、ゲームに忠実であり、ストーリーもまとまっていた。ところどころ、スーパーマリオブラザーズ以外の任天堂の作品も登場しており、ファンがみたらより満足するものであったのではないか。

13. 『動物のお医者さん』(マンガ)
作者 佐々木 倫子

H大の獣医学部の学生である西根公輝(通称ハムテル)とその親友の二階堂昭夫。2人は、個性豊かな教授や友人、動物に囲まれながら獣医師となるために成長していく物語である。
コミカルに日常が描かれるなかで、獣医学部で学ぶ内容や動物の生態を細かく知ることができる。たくさんの動物が出てくるが、ここまでリアルに描かかれることはあまりないのではないか。また、その動物たちの心の声も書かれており、動物それぞれの個性が出ているため、心の声のセリフでどの動物のものなのか分かるところが面白い。また、名言が多く登場するのも魅力である。

14. 『スタンド・バイ・ミー』(映画)
監督 ロブ・ライナー

性格も個性も違う12歳の少年4人は、いつも仲良く遊んでいた。ある日、数日間行方不明となっている少年の死体が、森の奥でそのままになっているという噂を聞き、その死体を探すため、4人で2日間の大冒険へと出る事となる。そしてそこで体験した事は、生涯忘れられないものとなる。
冒険の中で、4人が悩みを語りあっている姿や、冒険のなかで友達としての絆を深めあう姿が、青春を感じさせる。4人は大人になっても仲が良いというように終わるのではなく、大人になるにつれ離れていくが、友情は永遠だというように締めくくるところが、リアルであり、冒険した日々が、少年時代のかけがえのないものであるということが際立っているように感じた。

15. 『フォレスト・ガンプ』(映画)
監督 ロバート・ゼメキス

生まれつき背骨が曲っているため脚装具がなければ歩けず、知能指数が人より劣っているフォレスト・ガンプ。彼は、並外れた足の速さと誠実な人柄を持つ。激動の時代のアメリカを、誠実さと瞬足で駆け抜ける彼の一生が描かれている。作中に登場する台詞「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない。」は『アメリカ映画の名台詞ベスト100』に選ばれている。
主人公が純粋に一生懸命に生きている様子は、見ている私たちに感動を与える。また、その波乱万丈の人生のなかで出会う人々に、主人公が影響を与え、彼らだけでなく、私たちにもひたむきに生きていくことの大切さを教えてくれる。

16. 『最高の人生の見つけ方』(映画)
監督 ロブ・ライナー

傲慢なお金持ちの男と実直な整備工の男。シルバーエイジの2人は共にガンにより余命半年と宣告を受ける。そんな中、整備工の男は、実業家の男に対し、棺桶に入るまでにやりたいことを書いたリストを見せる。全く異なる人生を歩んできた2人はリストを書き、それらを叶えるため、人生最後の旅に出る。
性格や仕事も違う高齢の男2人が、最初は険悪な仲であるにも関わらず、短期間ではあるが旅をするまでに友情を築きあげるというのは、見ている側にまで笑顔を与える。また、リストを1つずつ消化していく姿は、やりたいことをやる大切さを教えてくれ、また、それを可能であるはずだと勇気づける。このように視聴者に希望を与えてくれる作品であると考えた。

17. 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(映画)
監督 デビッド・フィンチャー

80歳の老人の姿で生まれたベンジャミンバトンは、歳を重ねるごとに若返っていく特殊な体質の持ち主である。数奇な運命を背負いながら、青い瞳の少女と出会い、懸命に人生を歩む姿が描かれる。
人とは違う体質に苦悩しながらも、必死に生き、時に恋をし、愛を知る主人公に、色々と考えさせられる。外見ではなく、中身という人としての魅力に気づく少女との恋は、主人公の人生に大きな影響を与えると共に、それに気づくことの大切さを視聴者に伝えている。
ベンジャミンを演じるブラッド・ピットが、特殊メイクにより、子供の姿以外全てを担当している。年少しずつ若返っていることが見てわかることから、特殊メイクの技術の凄さが伝わる作品でもある。

18. 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(アニメ)
監督 長井 龍雪

小学校時代、「超平和バスターズ」というグループを結成し、秘密基地に集まって遊んでいた男女5人。しかし、その中の1人であるめんまの突然事故死により、決別してしまう。めんまの事故死から7年、高校受験に失敗し、引きこもり気味の生活を送るじんたんの元に、死んだはずのめんまが現れる。願いを叶えてほしいという彼女に協力し、彼女を無事に成仏させるため、「超平和バスターズ」の仲間たちが再び絆を取り戻す。
成長した「超平和バスターズ」の彼らは、それぞれめんまの死を引きずっており、重い影となっている。もっとこうしとけばよかった、やらなければ、言わなければよかったという気持ちは、誰しもが持つものである。多くの後悔を持つ彼らが気持ちをぶつけあう姿は、とてもリアルな感情をむき出しにしているため、視聴者は共感するのではないか。

19. 『黒執事』(マンガ)
作者 枢 やな

舞台は19世紀末期のイギリス。名門貴族・ファントムハイヴ伯爵家の当主である12歳のシエル・ファントムハイヴ。彼に忠実に尽くす完璧な執事、セバスチャン・ミカエリス。主従関係にある2人が女王陛下から命令を受け、様々な未解決事件や奇妙な現象の真相を暴く物語。
イギリスが舞台となっており、実際に存在する建物がアニメの中で存在する。設定も時代や舞台の背景に即しており、貴族文化や様子を知ることができる。また、ダークとコメディのバランスが良く、それぞれのシリーズが長すぎず読みやすいと思った。

20. 『ヨルムンガンド』(マンガ)
作者:高橋慶太郎

両親を戦争で失い、兵器や武器に関する一切を憎む主人公の元少年兵ヨナ。武器商人の女性ココ・ヘクマティアルに拾われ、彼女の私兵8人と共に世界中を旅する物語。
多くの武器・兵器が登場し、それらは実際に存在するものである。これらが好きな人には特にオススメしたい。戦争をなくすため、平和な世界になるために奔走するココの言動にはとても考えさせられた。絵に癖があるが、戦争を舞台にしている割にグロさがなく、また、壮大な話で難しさはあるものの一つ一つが長すぎないため楽しんで読むことができた。

21. 『暁のヨナ』(マンガ)
作者 草凪 みずほ

高華王国の王女、ヨナは珍しい赤い癖毛を持つ、気が強いが無知でか弱い姫君だった。大切に甘やかされて育てられたヨナであったが、突如、王である父が殺されてしまう。父を殺したのは、長年恋心を抱いていた相手である幼なじみのスウォンだった。自らも命を狙われるヨナは、もう1人の幼なじみであるハクに助けられ、城の外へ逃げ出す。民を守り、自らも戦う覚悟を決めたヨナは、道中で出会う「四龍の戦士」と共に旅に出る。
王女という立場にある主人公が、勇ましく自ら武器を取り果敢に戦う姿は、良い意味で少女マンガの主人公らしくない。物語が進むにつれ、ヨナがわがままや弱さを自覚し、それらが見られなくなるところに、彼女の人生の壮絶さや旅の過酷さが現れている。主人公の成長の様子や周りの人々との絆が美しい世界観のなかに描かれている。恋愛の描写と戦いの描写は、どちらも魅力的で目が離せない。

22. 『葬送のフリーレン』(マンガ)
原作 山田鐘人 作画 アベツカサ

エルフの魔法使いフリーレンが、勇者ヒンメル達と共に魔王を討伐し、世界に平和をもたらした「その後」の物語。長命種であるフリーレンにとって、ヒンメル達と旅をした10年間は非常に短いものだった。50年後に会う約束をして別れた彼女らが再会したとき、ヒンメルはすっかり年老いてしまった。まもなく亡くなったヒンメルの葬儀で、フリーレンは彼について何も知らず、知ろうともしなかったことに気づき涙する。人間を知るため、フリーレンは旅をする。
勇者一行が魔王を討伐する話がメインではなく、その後が描かれているところが新しい。また、人間と比べて寿命が長く、生きる時間にどうしようもない差があるにも関わらず、長く生きているフリーレンに強く影響を与えたのが、10年という短い時間しか共にいなかったヒンメルであるという事実が心を強く打つ。
人を知ろうとしなかったフリーレンが、ヒンメルの死によって考えが変わり、それを知る旅の中で、彼らとの旅が思い返されるところからフリーレンの旅をしていた短い日々への愛しさが伝わる。

23. 『キノの旅』(小説)
作者 時雨沢恵一

言葉を話す二輪車エルメスとそれに乗って世界を旅するキノの物語。一つ一つの国は隣合うことなく領土を持つためそれぞれが独立した文化を確立している、キノとエルメスはそんな国々を訪れては3日滞在し、また次の国へと旅立つ。
その世界の人々の殆どは、生まれた国から出ることなく一生を1つの国で過ごす。その為各々の国はとても個性的で、読者の我々からすれば信じられないような日常を暮らしているのだ。そんな世界を旅しているキノとエルメスは、世界の広さを、常識とは儚いものであることを知っている。そんな彼らの旅物語は読者に様々な感情をもたらしてくれる。世界は決して美しくはない、しかしそれ故に美しい、ということを教えられる。国ごとに短編集のようになっており、読了後の余韻に魅せられて次を次をと読みたくなる作品だ。

24. 『文豪ストレイドッグス』(マンガ)
原作 朝霧カフカ 作画 春河35

孤児院を追い出された中島敦は武装探偵社を名乗る男太宰治と出会う。武装探偵社を含め複数の組織が陰謀犇めくヨコハマの街を守るべく活躍する。文豪の名前を冠したキャラクター達がヨコハマを舞台に生きる意味を追い求め戦う異能バトルストーリー。
文豪がイケメン化して能力バトルしたら絵になるという発想から生まれた作品であり、当初の狙い通り数多くの女性ファンを獲得している。そして出版社として嬉しい誤算が生まれた。著作権の切れた古い作品が新たに脚光を浴びる機会が出来たのである。1つの作品に収まらない経済効果を出版社にもたらしたり文豪や近代の作品がこのように再度周知されることになったりするのは、とても素晴らしいことなのではないか。

25. 『鬼灯の冷徹』(マンガ)
作者 江口 夏実

 広大な地獄を取り仕切る閻魔大王の下で、第一補佐官を務める鬼神・鬼灯。有能で冷徹な彼の周囲には、おとぎ話で有名な桃太郎とそのお供たちや中国神獣の白澤、後輩獄卒の唐瓜や茄子などの個性豊かなメンバーが集う。日本の地獄を舞台に、「鬼灯と愉快な地獄の仲間たち」が繰り広げる、日常的で楽しげな毎日を綴ったブラックコメディである。
 日本の地獄を舞台とし、神話や妖怪だけでなく、様々なサブカルチャー的知識が詰め込まれており、テンポのよい笑いが魅力的である。また、一般的に親しみの持ちにくい神話や宗教的な内容が、閻魔大王はおおらかな癒し系、中国の神獣・白澤は女好きといった独特なキャラクター設定によって読みやすく、理解しやすいものとなっている。加えて、地獄と妖怪という古めかしい題材でありながら、時代設定は現代である点が作品をより身近なものに感じることに繋がっていると考える。

26. 『夏目友人帳』(マンガ)
作者 緑川ゆき

幼い頃から人には見えない妖が見えるが故に人から理解されることの無かった少年夏目貴志は、親を亡くし親戚の家をたらい回しにされるうちにようやく大切な場所を見つける。引き取ってくれた家族、妖が見えることを理解してくれる友人、そして困っている人を見過ごせない夏目貴志は避けていた妖とも関わり絆を紡いでいく。
人と妖、決して交わることの無いはずのどちらとも関わる主人公を通して見る世界は人間同士の関係ではありえない繊細な感情で溢れており、田園風景等の田舎の描写や妖特有の美しい世界と共に味わうことができる。心に深く響く切ない人間ドラマ・妖ドラマは1話完結で描かれており、その様々な感情に触れることで孤独に慣れていた主人公の心が癒され人々と関わるように成長していく姿を見られる。それらの日本人に根付く風景とドラマが人々を惹き付ける要因だろう。

27. 『三月のライオン』(マンガ)
作者 羽海野チカ

 17歳のプロ将棋棋士、桐山零は史上5人目の中学生プロデビュー棋士として周囲の人間から期待されているが、幼い頃に事故で家族を失い、引き取られた先の家庭とも馴染めずに、六月町に一人で暮らしている。生活においても、棋士としても深い孤独の中にいた零だったが、橋を渡った三月町で暮らす川本あかり、ひなた、モモの三姉妹との出会いをきっかけに、様々な人々と触れ合うことで、棋士としても、一人の人間としても成長していく人情ドラマである。
やわらかなタッチの画風からは想像できないほど重く苦しい人間関係や才能の差、勝負の勝敗を描きながらも、ほのぼのとした日常やクスっと笑えるギャグシーンが作品を魅力的で飽きないものにしている。また、先輩棋士の島田や零に敗北した棋士、山崎などの主人公である零以外の視点で描かれるストーリーを時々挟むことで、一度は敵として戦ったキャラクターも、魅力的に感じることができるようになり、勝負により深みが生まれていると考える。

28. 『すずめの戸締り』(映画)
監督 新海 誠

九州のとある静かな町で暮らす少女すずめは「扉」を探しているという不思議な青年草太と出会う。彼を追った先の廃墟ですずめは扉を開け、石像を抜いてしまった。その扉とは、開くと向こう側から災いが訪れる不吉なもので、石像はその不吉なものを封じていた。その封印を解いてしまったすずめの、「扉」を閉じる旅が始まる。
災いを封じていた石像はすずめの手によってその責務から解き放たれた後、猫の姿となって逃走する。その姿はすずめや草太、多くの読者にとって災いの被害を顧みず好き勝手に自由を謳歌する悪に映る。しかしすずめや草太を振り回した猫の行動の裏に隠された真実が物語後半で判明した時、読者の思考をひっくり返すことになる。物語のキーマンである猫の前提が変わったことで、物語前半のストーリーの見え方までもが変わる。これが「すずめの戸締り」の魅力であり映画館でのリピーターを増やす要因になっていると考える。

29. 『血界戦線』(アニメ)
監督 松本 理恵

舞台はりかつてニューヨークがあった場所に突如として現れた異界の街ヘルサレムズ・ロット。世界に危機をもたらす者たちと秘密結社ライブラの戦いを描いた物語。様々な年齢性別種族の個性的なキャラクターが登場する話であり、作者によるコンセプトは「技名を叫んでから殴る漫画」である。
戦闘の様子や戦闘能力がわかりやすいため、アクションシーンが単純、スピーディに進む。とてもシンプルな話であり、とてもシュールなギャグや表現が多いため、あまり頭を使わずに読むことが出来る。EDテーマであるUNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」が非常に有名であるが、実際にこのアニメを見ている人は少ない。曲だけでなく、作品自体も素晴らしいためぜひ見てもらいたい。

『Dr.STONE』
作者 稲垣理一郎 作画 Boich

 ある日、突如として空がまばゆい光で覆われ、世界中の人類が一斉に石化してから3700年後、超人的な頭脳を持つ化学少年・千空が目覚めた。文明が滅んだ石の世界(ストーンワールド)で、千空は科学の力で文明を復活させ、石化の原理を突き止めて全人類を救うことを誓う。時を同じくしてよみがえった幼馴染の大木大樹をはじめとした仲間たちと共に、原始時代から現代文明まで一気に駆け上がる熱血化学冒険譚である。
この作品の魅力は、何より人類全員が石化するという非現実的な導入に反して、本作には大学講師もしているくられ氏が科学監修を行っており、携帯電話や自動車などを原始時代で創り上げる工程をノンフィクションで描いている点である。また、登場人物のキャラクター性も魅力的であり、主人公の千空はジャンプ作品では珍しく、合理的に物事を考えるクールな性格だが、仲間を切り捨てることのできない情に厚い一面を持つ。また、千空一人が活躍するのではなく、登場人物一人一人に得意な分野があり、それぞれが協力し合って人類復興を目指す、まさにジャンプの理念である「友情・努力・勝利」が体現されたような作品である。
2023/10/09(月) 23:30 No.2000 EDIT DEL
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