NEW CONTRIBUTION FORM
3年 北郷
RES
3年 北郷
春休み課題 1~10
①パラサイト 半地下の家族(映画) 2019年 監督:ポン・ジュノ
仕事も計画性もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強く当たる母チュンスク。大学受験に落ち続ける息子・ギヴ。美大を目指すが予備校に通うお金もない娘・ギジョン。しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“半地下住宅”で暮らす貧しい4人家族である。ギヴはある時、エリート大学生の友人から家庭教師のアルバイトを頼まれる。そのアルバイト先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸であった。ギヴはその後、妹のギジョンも家庭教師として紹介し、キム一家はパク一家にパラサイトしていく。“半地下”で暮らすキム一家と、“高台の豪邸”で暮らすパク一家。相反する2つの家族が交差した先に、想像を遙かに超える衝撃の光景が広がっていく。
カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いた作品。第92回アカデミー賞国際長編映画賞韓国代表にも選出された。
7放時代と称される、韓国の競争社会や格差社会の問題を扱った作品。キム一家とパク一家がそれぞれ貧困層と富裕層を体現している。
この作品で着目するのは、「匂い」で貧富の格差が表現されている点である。パク・ドンイクは、運転手として雇ったキム・ギテクの匂いを「古い切り干し大根のような匂い、あるいは地下鉄の乗客の匂い」と言う場面がある。そしてこの匂いは作品を通して、キム一家が纏う匂いとして表現される。これは、半地下に住むが故の、カビやほこり臭さ、度々家の近くで撒かれる消毒剤の匂いが混ざりあった独特な匂いであると考える。消すことができない家の匂いによって、貧富の差が表現されており、両者が共存することの難しさを表現していると考える。
②そして父になる(映画) 2013年 監督:是枝裕和
順調な人生を送るエリート会社員の野々宮良太。しかしある日、妻と6年間育ててきた息子・慶多が、出生時に病院で取り違えられていたことを知る。そして、夫婦は共に過ごした時間と血縁のどちらが大切なのかを考え、苦悩する。
映画は小学校受験の面接の場面から始まる。そこでは、面接官と家族をカメラの真正面から捉える手法が使われており、是枝監督の画面切り替えの特徴が出ている。
また、対話を通して人物らの本音が語られていくことも特徴であると考える。
この作品では、登場人物らが会話をする中で、本音が語られる場面が多いと感じた。その際、カメラは固定されず、役者と一緒に動いていく。これによって生まれる画面の揺らぎが、不安を抱え、不器用ながらも問題に向き合う人物の心情と一致していると考える。
そして内容の面に関して、本作では取り違えられた子どもを巡って、2つの家族の在り方が描かれる。一人息子を大切に育てるエリート家族、野々宮夫婦と、三人兄弟に囲まれ、自由な教育方針をとる斎木夫婦である。夫婦は子どもを交換しあい、相手方の家族と子どもを共に生活させて様子をうかがうことにした。しかし、生みの親と育ての親では教育方針が全く異なり、夫婦や子どもたちは違和感や不信感を抱きつつも、互いに寄り添おうとし、次第に心を通わせていく。
最後、2つの家族が子どもたちを取り替えるのか否かは明示されない。幸せや家族の在り方を明確にしないことで、作品に余韻を持たせていると考える。ここに、是枝監督の作風が表れていると考える。
③美少女戦士セーラームーン(アニメ)1992年 制作会社:東映アニメーション 監督:佐藤順一、吉沢孝男、幾原邦彦、竹之内和久、小坂春女
月野うさぎは、ちょっぴりドジで泣き虫な14歳の女の子でふつうの中学2年生。ある日黒猫のルナから自分が月の戦士“セーラームーン”だと告げられる。ほかのセーラー戦士とともに月の戦士を探して欲しいというのだ。うさぎは月の戦士セーラームーンとなって、街の人々からエナジーを奪うダークキングダムの妖魔と戦うことになる。
これまでの魔法少女モノとは異なる、戦う少女を描いた作品で、女性の活躍に対する当時の社会意識の高まりが影響していると考える。
作中で、主人公は徐々に戦う仲間を増やしていき、最終的には5人となって、チームとして戦う。ここには、戦うヒーローであるスーパー戦隊モノの要素がみられる。しかし、戦いは肉弾戦を伴うものではなく、魔法やスティックなどを使うものであり、暴力性や攻撃性をキラキラなエフェクトや効果音によって和らげていると考える。また、ピンチになったときは「タキシード仮面」という男性キャラクターがさっそうと現れ、セーラー戦士たちを手助けする。
女の子が力を合わせて戦うといった新しい構図が生まれたものの、最終的には魔法や男性の力が必要である点に、当時の女の子に対する価値観が反映していると考えた。
④キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜(アニメ)2023年 制作会社:東映アニメーション、スタジオディーン シリーズディレクター:浜名孝行
おっちょこちょいなところもあるが、いつも明るく前向きな夢原のぞみ。どこにでもいる普通の中学生だった彼女は、パルミエ王国からやってきた不思議な妖精・ココと出会い、みんなの希望を守るため、希望のプリキュア・キュアドリームとして仲間と力を合わせ強大な敵に立ち向かった。それから時は過ぎオトナになったのぞみたち。それぞれの道を未来に向かって進んでいた。仕事にプライベート、仲間、家族、恋、楽しく忙しく過ごしながらも…オトナになってからの悩みや壁に苦悩を抱える日々。そんな中、突如、人間を襲う謎の影・シャドウが現れて…!時計塔の鐘の音が響くとき、オトナになったのぞみたちの新たな物語が動き出す!
20周年を記念して、『ふたりはプリキュアSplash☆Star』『Yes!プリキュア5GOGO』のキャラクターたちが大人になった世界線を描いた作品。
社会人になったプリキュアたちが、社会の荒波に揉まれ、自分自身と葛藤する姿が描かれる。
「プリキュア」では、真っ直ぐな思いがあれば何でもできる、といった姿が描かれることが多いが、本作では思いだけではどうにもならないこと、努力が必ずしも報われない場面など、現実味のある内容となっている。また、新しい敵「ベル」が人々を襲う理由として、戦争や地球環境問題が絡んでいるなど、全体的にファンタジー要素は切り離され、現実世界と地続きになっている点が多いと考えた。
しかし、プリキュアたちが敵を倒すために変身する際、一時的に中学生の姿に戻り、変身バンクも当時使われていたものがそのまま使われている。この変身シーンは、本作の一番の見どころとなっている。この演出は、視聴者に懐かしさをもたらすとともに、プリキュアたちの中にある子どもの頃から変わらない信念を象徴しているのではないかと考えた。
このように本作では、従来の作品と視聴者のターゲット層が異なるために、プリキュアたちの成長の描き方、敵の背景、変身シーンの意味づけを変え、視聴者に寄り添う作品になっている。
⑤ミギとダリ(アニメ)2023年 制作会社:GEEKTOYS × CompTown 監督:まんきゅう
1990年2月神戸市北区オリゴン村。児童養護施設で過ごしていた双子の少年ミギとダリは、ある日裕福で穏やかな老夫婦、園山夫妻に養子として迎えられる。しかしそれはふたりの少年「ミギ」と「ダリ」としてではなく、ひとりの少年「園山秘鳥」としてだった。2人は正体を隠し、園山秘鳥を演じながらオリゴン村に溶け込んでいく。一体何のために2人で1人の人間を演じているのか。そこには大きな秘密と恐るべき目的があった。
母を殺した犯人を探すために、1人の人物として振る舞う双子の物語。
完全な主観であるが、本作では『パラサイト 半地下の家族』との類似点がいくつか見られると感じた。
例えば、血の繋がりがない家族が描かれている点である。主人公らの母親は昔に殺されており、園山老夫婦に、養子縁組として引き取られる。また、主人公らと対をなす存在の「一条瑛二」の家族も、血の繋がらない家族であることが後半で明かされる。このように、本作では血の繋がらない家族が描かれている。
さらに、本作品では「地下」的場所が重要な位置を占めている。
主人公らは園山家では「園山秘鳥」という1人の人物として振る舞わなけれはならないため、片方は姿を隠さなければならない。
食事をする際には片方はダイニングテーブルの下にもぐって食べ物をもらい、片方が家の中で生活している間は片方がベッドの下に隠れる。また、一条家の地下には特別な部屋があり、怪しい動きを見せた人物はそこで「再教育」させられる、という設定がある。
このように本作では、テーブルやベッドの下という「地下」的な場所や地下室そのものが出てくる。
そして、それは見られたくない真実を隠す場所として描かれており、『パラサイト 半地下の家族』にも共通する。
これらのことから、『ミギとダリ』には『パラサイト 半地下の家族』と類似する点があると考えた。
⑥ズートピア(アニメ映画) 2016年 制作会社:ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ 監督:バイロン・ハワード、リッチ・ムーア、ジャレッド・ブッシュ
様々な動物たちが暮らす大都会ズートピア。主人公のウサギ、ジュディは新人警察官としてズートピアに配属される。そこで出会った詐欺師のキツネ、ニックと共に、ズートピアで起こった大事件を解決していく。
この作品では、肉食動物と草食動物の関わりを通して、隠れた偏見や差別の問題が描かれている。
例えば、草食動物は弱い存在と決めつけられ、能力や社会的立場が低く描かる。一方で、肉食動物は凶暴であるなど、種でその人の人格や価値が決められてしまう。
このような状況の中、主人公のジュディは草食動物と肉食動物が平和に暮らす社会に憧れ、警察官として働き始める。差別を許さず、平和や平等を掲げるジュディであるが、肉食動物に対する無意識な偏見に気づいていない。しかし、ニックとの関わりを通して、自分が持つ偏見に気づき、反省し、新しい価値観を見つける。
よって、この作品では差別や偏見をなくすためには自分が無意識に持っている固定観念に気づくことが重要であることを訴えかけており、差別問題に対するディズニーなりの解決策を提示していると考える。
⑦怪人二十面相 私立探偵 明智小五郎(小説)江戸川乱歩 新潮社 2016年
大物実業家・羽柴壮太郎に届いた一通の予告状。その差出人は天下の大泥棒「二十面相」。二十面相はありとあらゆる人物に成りすまし、数々の秘宝を盗み出していく。勇敢な少年探偵、小林の活躍と、明智小五郎によって劇的トリックの空中戦が繰り広げられる。
本作では正義の天才として明智小五郎が、悪の天才として二十面相が描かれている。二十面相は盗みを働く悪者である。しかし、犯行前に予告状を出すことや、決して人は殺さないなど、怪盗としてのプライドを持ち合わせており、どこか紳士的な一面もある。
巻末の解説で、辻村は、明智と二十面相はそれぞれに自分なりの正義を持っていることを指摘する。
私はこの意見に賛成で、それぞれが正義を持つからこそ、両者の立場になって読むことができ、物語に深みが増していると考える。
これらのことから、正義とは、悪を許さない信念を意味するのではなく、個々が持つ揺るぎない信念を意味しているのではないかと考えた。
⑧変身(小説) フランツ・カフカ 新潮社 1952年
男・グレーゴル・ザムザは、ある朝気がかりな夢から目を覚ますと、一匹の巨大な虫に変身していた。この異常事態の説明はされないまま、レポートのような形式で家族の物語が綴られていく。
本作品では、虫になったグレーゴルの視点を通して物語が描かれていく。
グレーゴルの視点からでは、グレーゴルに対する家族の言動は愛や思いやりに溢れたものとして写っている。しかし、その言動は明らかに虫を避け、気味悪がっているものであり、それは読者にしか分からない。
この形式は、『アルジャーノンに花束を』で、主人公が周りからバカにされているのにも関わらず、周りの人は優しい、と思い込んでいる点と共通するところがあると考えた。
このように、レポート形式の物語は、ある一定の人物の視点から物語が描かれることで、読者は第三者の視点から物語を読むことができ、文に隠れた人間ドラマを想像させていると考える。
⑨三度目の殺人(映画)2017年 監督:是枝裕和
殺人の前科がある三隅が解雇された工場の社長を殺し、火をつけた容疑で起訴された。犯行も自供し死刑はほぼ確実。しかし、弁護を担当することになった重盛は、無期懲役に持ち込むために調査を始める。しかし、三隅の供述が会うたびに変わる。金目当ての殺人のはずが、被害者の妻・美津江に頼まれたと答え、動機さえも二転三転していく。さらには、被害者の娘・咲江と三隅の接点が浮かび上がる。誰も本当のことを話さない法廷で繰り広げられるサスペンスの物語である。
この作品では、容疑者との面会、被害者との事情聴取など、面談の場面が多い。
ここにおける特徴は、重要な面会の場面では長回しが使われていることである。裁判が順調に進む中、重盛との面会で、突然三隅が殺人を否定する場面がある。この場面では長回しが使われ、緊張感の持続がもたらされている。また、人物らの感情の高まりを途切れることなく映し出し、視聴者を惹き付けている。
法廷では誰も本当のことを話さない。誰を誰が裁くのか。嘘をつくことで誰かを庇うことができるのか。それぞれの供述が真実かどうか分からないまま、物語は幕を閉じる。人間の利己的な部分、利他的な部分が描かれ、それが錯綜することで物語に混沌をもたらしている。
⑩かがみの孤城(アニメ映画)2022年 制作会社:A-1 Pictures 監督:原恵一
学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの中学生6人が。さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。期限は約1年間。
戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。
そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、ある出来事が彼らを襲う。果たして鍵は見つかるのか?なぜこの7人が集められたのか?
それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?
学校に馴染めず、様々な悩みを抱える7人の中学生は、後半で、彼らがそれぞれ違う時代を生きる人物であることが明かされる。そして彼らの共通点として、同じ中学校に通っていたということも明かされる。これは、時代が変わっても無くならない学生のいじめや不登校の問題を表現していると考える。
また、映像表現に着目すると、主人公の行動範囲が内面の成長を表現しているといえる。
前半では主人公が立ち止まったり、座り込んだり、弱々しく歩いたりする描写が多かった。しかし、物語の後半では階段を駆け上ったり、走ったり、大きな歩幅で歩く描写が多くなり、最後は主人公が学校に向かうときの足元が大きく映し出される。このことから、主人公の前に進む力が歩き方によって表現されていると考えた。
春休み課題 1~10
①パラサイト 半地下の家族(映画) 2019年 監督:ポン・ジュノ
仕事も計画性もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強く当たる母チュンスク。大学受験に落ち続ける息子・ギヴ。美大を目指すが予備校に通うお金もない娘・ギジョン。しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“半地下住宅”で暮らす貧しい4人家族である。ギヴはある時、エリート大学生の友人から家庭教師のアルバイトを頼まれる。そのアルバイト先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸であった。ギヴはその後、妹のギジョンも家庭教師として紹介し、キム一家はパク一家にパラサイトしていく。“半地下”で暮らすキム一家と、“高台の豪邸”で暮らすパク一家。相反する2つの家族が交差した先に、想像を遙かに超える衝撃の光景が広がっていく。
カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いた作品。第92回アカデミー賞国際長編映画賞韓国代表にも選出された。
7放時代と称される、韓国の競争社会や格差社会の問題を扱った作品。キム一家とパク一家がそれぞれ貧困層と富裕層を体現している。
この作品で着目するのは、「匂い」で貧富の格差が表現されている点である。パク・ドンイクは、運転手として雇ったキム・ギテクの匂いを「古い切り干し大根のような匂い、あるいは地下鉄の乗客の匂い」と言う場面がある。そしてこの匂いは作品を通して、キム一家が纏う匂いとして表現される。これは、半地下に住むが故の、カビやほこり臭さ、度々家の近くで撒かれる消毒剤の匂いが混ざりあった独特な匂いであると考える。消すことができない家の匂いによって、貧富の差が表現されており、両者が共存することの難しさを表現していると考える。
②そして父になる(映画) 2013年 監督:是枝裕和
順調な人生を送るエリート会社員の野々宮良太。しかしある日、妻と6年間育ててきた息子・慶多が、出生時に病院で取り違えられていたことを知る。そして、夫婦は共に過ごした時間と血縁のどちらが大切なのかを考え、苦悩する。
映画は小学校受験の面接の場面から始まる。そこでは、面接官と家族をカメラの真正面から捉える手法が使われており、是枝監督の画面切り替えの特徴が出ている。
また、対話を通して人物らの本音が語られていくことも特徴であると考える。
この作品では、登場人物らが会話をする中で、本音が語られる場面が多いと感じた。その際、カメラは固定されず、役者と一緒に動いていく。これによって生まれる画面の揺らぎが、不安を抱え、不器用ながらも問題に向き合う人物の心情と一致していると考える。
そして内容の面に関して、本作では取り違えられた子どもを巡って、2つの家族の在り方が描かれる。一人息子を大切に育てるエリート家族、野々宮夫婦と、三人兄弟に囲まれ、自由な教育方針をとる斎木夫婦である。夫婦は子どもを交換しあい、相手方の家族と子どもを共に生活させて様子をうかがうことにした。しかし、生みの親と育ての親では教育方針が全く異なり、夫婦や子どもたちは違和感や不信感を抱きつつも、互いに寄り添おうとし、次第に心を通わせていく。
最後、2つの家族が子どもたちを取り替えるのか否かは明示されない。幸せや家族の在り方を明確にしないことで、作品に余韻を持たせていると考える。ここに、是枝監督の作風が表れていると考える。
③美少女戦士セーラームーン(アニメ)1992年 制作会社:東映アニメーション 監督:佐藤順一、吉沢孝男、幾原邦彦、竹之内和久、小坂春女
月野うさぎは、ちょっぴりドジで泣き虫な14歳の女の子でふつうの中学2年生。ある日黒猫のルナから自分が月の戦士“セーラームーン”だと告げられる。ほかのセーラー戦士とともに月の戦士を探して欲しいというのだ。うさぎは月の戦士セーラームーンとなって、街の人々からエナジーを奪うダークキングダムの妖魔と戦うことになる。
これまでの魔法少女モノとは異なる、戦う少女を描いた作品で、女性の活躍に対する当時の社会意識の高まりが影響していると考える。
作中で、主人公は徐々に戦う仲間を増やしていき、最終的には5人となって、チームとして戦う。ここには、戦うヒーローであるスーパー戦隊モノの要素がみられる。しかし、戦いは肉弾戦を伴うものではなく、魔法やスティックなどを使うものであり、暴力性や攻撃性をキラキラなエフェクトや効果音によって和らげていると考える。また、ピンチになったときは「タキシード仮面」という男性キャラクターがさっそうと現れ、セーラー戦士たちを手助けする。
女の子が力を合わせて戦うといった新しい構図が生まれたものの、最終的には魔法や男性の力が必要である点に、当時の女の子に対する価値観が反映していると考えた。
④キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜(アニメ)2023年 制作会社:東映アニメーション、スタジオディーン シリーズディレクター:浜名孝行
おっちょこちょいなところもあるが、いつも明るく前向きな夢原のぞみ。どこにでもいる普通の中学生だった彼女は、パルミエ王国からやってきた不思議な妖精・ココと出会い、みんなの希望を守るため、希望のプリキュア・キュアドリームとして仲間と力を合わせ強大な敵に立ち向かった。それから時は過ぎオトナになったのぞみたち。それぞれの道を未来に向かって進んでいた。仕事にプライベート、仲間、家族、恋、楽しく忙しく過ごしながらも…オトナになってからの悩みや壁に苦悩を抱える日々。そんな中、突如、人間を襲う謎の影・シャドウが現れて…!時計塔の鐘の音が響くとき、オトナになったのぞみたちの新たな物語が動き出す!
20周年を記念して、『ふたりはプリキュアSplash☆Star』『Yes!プリキュア5GOGO』のキャラクターたちが大人になった世界線を描いた作品。
社会人になったプリキュアたちが、社会の荒波に揉まれ、自分自身と葛藤する姿が描かれる。
「プリキュア」では、真っ直ぐな思いがあれば何でもできる、といった姿が描かれることが多いが、本作では思いだけではどうにもならないこと、努力が必ずしも報われない場面など、現実味のある内容となっている。また、新しい敵「ベル」が人々を襲う理由として、戦争や地球環境問題が絡んでいるなど、全体的にファンタジー要素は切り離され、現実世界と地続きになっている点が多いと考えた。
しかし、プリキュアたちが敵を倒すために変身する際、一時的に中学生の姿に戻り、変身バンクも当時使われていたものがそのまま使われている。この変身シーンは、本作の一番の見どころとなっている。この演出は、視聴者に懐かしさをもたらすとともに、プリキュアたちの中にある子どもの頃から変わらない信念を象徴しているのではないかと考えた。
このように本作では、従来の作品と視聴者のターゲット層が異なるために、プリキュアたちの成長の描き方、敵の背景、変身シーンの意味づけを変え、視聴者に寄り添う作品になっている。
⑤ミギとダリ(アニメ)2023年 制作会社:GEEKTOYS × CompTown 監督:まんきゅう
1990年2月神戸市北区オリゴン村。児童養護施設で過ごしていた双子の少年ミギとダリは、ある日裕福で穏やかな老夫婦、園山夫妻に養子として迎えられる。しかしそれはふたりの少年「ミギ」と「ダリ」としてではなく、ひとりの少年「園山秘鳥」としてだった。2人は正体を隠し、園山秘鳥を演じながらオリゴン村に溶け込んでいく。一体何のために2人で1人の人間を演じているのか。そこには大きな秘密と恐るべき目的があった。
母を殺した犯人を探すために、1人の人物として振る舞う双子の物語。
完全な主観であるが、本作では『パラサイト 半地下の家族』との類似点がいくつか見られると感じた。
例えば、血の繋がりがない家族が描かれている点である。主人公らの母親は昔に殺されており、園山老夫婦に、養子縁組として引き取られる。また、主人公らと対をなす存在の「一条瑛二」の家族も、血の繋がらない家族であることが後半で明かされる。このように、本作では血の繋がらない家族が描かれている。
さらに、本作品では「地下」的場所が重要な位置を占めている。
主人公らは園山家では「園山秘鳥」という1人の人物として振る舞わなけれはならないため、片方は姿を隠さなければならない。
食事をする際には片方はダイニングテーブルの下にもぐって食べ物をもらい、片方が家の中で生活している間は片方がベッドの下に隠れる。また、一条家の地下には特別な部屋があり、怪しい動きを見せた人物はそこで「再教育」させられる、という設定がある。
このように本作では、テーブルやベッドの下という「地下」的な場所や地下室そのものが出てくる。
そして、それは見られたくない真実を隠す場所として描かれており、『パラサイト 半地下の家族』にも共通する。
これらのことから、『ミギとダリ』には『パラサイト 半地下の家族』と類似する点があると考えた。
⑥ズートピア(アニメ映画) 2016年 制作会社:ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ 監督:バイロン・ハワード、リッチ・ムーア、ジャレッド・ブッシュ
様々な動物たちが暮らす大都会ズートピア。主人公のウサギ、ジュディは新人警察官としてズートピアに配属される。そこで出会った詐欺師のキツネ、ニックと共に、ズートピアで起こった大事件を解決していく。
この作品では、肉食動物と草食動物の関わりを通して、隠れた偏見や差別の問題が描かれている。
例えば、草食動物は弱い存在と決めつけられ、能力や社会的立場が低く描かる。一方で、肉食動物は凶暴であるなど、種でその人の人格や価値が決められてしまう。
このような状況の中、主人公のジュディは草食動物と肉食動物が平和に暮らす社会に憧れ、警察官として働き始める。差別を許さず、平和や平等を掲げるジュディであるが、肉食動物に対する無意識な偏見に気づいていない。しかし、ニックとの関わりを通して、自分が持つ偏見に気づき、反省し、新しい価値観を見つける。
よって、この作品では差別や偏見をなくすためには自分が無意識に持っている固定観念に気づくことが重要であることを訴えかけており、差別問題に対するディズニーなりの解決策を提示していると考える。
⑦怪人二十面相 私立探偵 明智小五郎(小説)江戸川乱歩 新潮社 2016年
大物実業家・羽柴壮太郎に届いた一通の予告状。その差出人は天下の大泥棒「二十面相」。二十面相はありとあらゆる人物に成りすまし、数々の秘宝を盗み出していく。勇敢な少年探偵、小林の活躍と、明智小五郎によって劇的トリックの空中戦が繰り広げられる。
本作では正義の天才として明智小五郎が、悪の天才として二十面相が描かれている。二十面相は盗みを働く悪者である。しかし、犯行前に予告状を出すことや、決して人は殺さないなど、怪盗としてのプライドを持ち合わせており、どこか紳士的な一面もある。
巻末の解説で、辻村は、明智と二十面相はそれぞれに自分なりの正義を持っていることを指摘する。
私はこの意見に賛成で、それぞれが正義を持つからこそ、両者の立場になって読むことができ、物語に深みが増していると考える。
これらのことから、正義とは、悪を許さない信念を意味するのではなく、個々が持つ揺るぎない信念を意味しているのではないかと考えた。
⑧変身(小説) フランツ・カフカ 新潮社 1952年
男・グレーゴル・ザムザは、ある朝気がかりな夢から目を覚ますと、一匹の巨大な虫に変身していた。この異常事態の説明はされないまま、レポートのような形式で家族の物語が綴られていく。
本作品では、虫になったグレーゴルの視点を通して物語が描かれていく。
グレーゴルの視点からでは、グレーゴルに対する家族の言動は愛や思いやりに溢れたものとして写っている。しかし、その言動は明らかに虫を避け、気味悪がっているものであり、それは読者にしか分からない。
この形式は、『アルジャーノンに花束を』で、主人公が周りからバカにされているのにも関わらず、周りの人は優しい、と思い込んでいる点と共通するところがあると考えた。
このように、レポート形式の物語は、ある一定の人物の視点から物語が描かれることで、読者は第三者の視点から物語を読むことができ、文に隠れた人間ドラマを想像させていると考える。
⑨三度目の殺人(映画)2017年 監督:是枝裕和
殺人の前科がある三隅が解雇された工場の社長を殺し、火をつけた容疑で起訴された。犯行も自供し死刑はほぼ確実。しかし、弁護を担当することになった重盛は、無期懲役に持ち込むために調査を始める。しかし、三隅の供述が会うたびに変わる。金目当ての殺人のはずが、被害者の妻・美津江に頼まれたと答え、動機さえも二転三転していく。さらには、被害者の娘・咲江と三隅の接点が浮かび上がる。誰も本当のことを話さない法廷で繰り広げられるサスペンスの物語である。
この作品では、容疑者との面会、被害者との事情聴取など、面談の場面が多い。
ここにおける特徴は、重要な面会の場面では長回しが使われていることである。裁判が順調に進む中、重盛との面会で、突然三隅が殺人を否定する場面がある。この場面では長回しが使われ、緊張感の持続がもたらされている。また、人物らの感情の高まりを途切れることなく映し出し、視聴者を惹き付けている。
法廷では誰も本当のことを話さない。誰を誰が裁くのか。嘘をつくことで誰かを庇うことができるのか。それぞれの供述が真実かどうか分からないまま、物語は幕を閉じる。人間の利己的な部分、利他的な部分が描かれ、それが錯綜することで物語に混沌をもたらしている。
⑩かがみの孤城(アニメ映画)2022年 制作会社:A-1 Pictures 監督:原恵一
学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの中学生6人が。さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。期限は約1年間。
戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。
そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、ある出来事が彼らを襲う。果たして鍵は見つかるのか?なぜこの7人が集められたのか?
それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?
学校に馴染めず、様々な悩みを抱える7人の中学生は、後半で、彼らがそれぞれ違う時代を生きる人物であることが明かされる。そして彼らの共通点として、同じ中学校に通っていたということも明かされる。これは、時代が変わっても無くならない学生のいじめや不登校の問題を表現していると考える。
また、映像表現に着目すると、主人公の行動範囲が内面の成長を表現しているといえる。
前半では主人公が立ち止まったり、座り込んだり、弱々しく歩いたりする描写が多かった。しかし、物語の後半では階段を駆け上ったり、走ったり、大きな歩幅で歩く描写が多くなり、最後は主人公が学校に向かうときの足元が大きく映し出される。このことから、主人公の前に進む力が歩き方によって表現されていると考えた。
4年 橋本
RES
4年 橋本
春休み課題 11~20
11,『かがみの孤城』原作:辻村深月、監督:原恵一
学校で酷いいじめに遭い家に閉じこもっていた中学生のこころは、ある日突然部屋の鏡に吸い込まれる。そこには一つの城と見ず知らずの中学生6人がいた。さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げられる。戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、彼らは次第に心を通わせていく。
保健室に向かって心の状態が不安定な時に、扉や廊下の雰囲気が薄暗く描写されたり、早まる秒針の音で、視聴者に緊迫感と不安を煽る構成になっていたことが印象的だった。それぞれの世界で孤独だった7人が、居場所となった一つの城で時間や感情を共有し、共感し合うことによって救われ苦しみを乗り越えていくストーリーが、人に向き合い想い合うことをストレートに伝えていたと感じた。すべての真相が判明したのちにもう一度見返したくなる印象的な作品だった。
12,『ニューノーマル』著者:相原瑛人
マスクで口元を隠すことが当たり前の日常となった近未来。パンデミック前の時代に密かに思いを馳せる少女・夏木とクラスメイトの秦は、ふとしたことから小さな秘密を共有する仲になる。「新しい日常」の世界を生きる二人の「新しい非日常」の物語。
実際に現実であったコロナ禍をモデルに描いたものだと思うが、マスクをつけることが絶対の世界で、クラスメイトの顔も知らない、ピクニックもできないという、もしかしたらあったかもしれない、その「もし」のストーリーを描いていることがとても斬新で面白かった。このような日常からの気づきによって書かれた作品は、それを経験した人はどうしても興味をそそられるし、世界に没入しながら楽しむことのできる作品だと感じた。
13,『今世は当主になります』漫画:Antstudio、Mon、原作:Kim Roah
交通事故で命を落とした後、ロンバルディ家の婚外子として転生したフィレンティア。 だが、彼女を待ち受けていたのは愛する父の死とロンバルディ家の滅亡だった。家門の滅亡を知った日に、彼女は酒を飲んで馬車に轢かれてしまうのだが、目を覚ますと7歳の自分に戻っていた。彼女は、今度こそ父と家門を守り抜くと決意する。
Webtoonの特徴であるフルカラーの縦読みの形式に、綺麗な絵柄とストーリー展開のスムーズさが調和していると感じた。未来で起きる出来事を知っていることを上手く利用しながら、周囲からの子どもとしての認識も崩さないように、頭を使って賢く立ち回る姿がチート系の要素もあり面白く読むことができる作品だった。
14,『不運からの最強男』原作:フクフク、作画:中林ずん
不運ばかりの人生の末、最後は事故によって命を落とした男は、ジークベルトとして転生する。今世では平穏な日々を過ごそうと思った男だったが、彼は規格外の幸運値を持っていた。いわゆるチート能力を有していたものの、病に臥した母親を救うことはできず彼女は命を落としてしまう。この出来事により、彼は能力を駆使して強くなることを決意する。
分かりやすいチートもので展開も速く読み易かった。チートものではあったが、幸運を持っていてチート能力も有しているのに、その使い方が分からず利用できないと母親ひとりでさえも救うことができないという序盤の展開が、どんなに能力が高い人でも努力をしていないということをストレートに伝えていると強く感じた。また、家族愛について強調されて描かれており、家族のキャラクター像が立っていたことも印象的だった。
15,『気になってる人が男じゃなかった』著者:新井すみこ
大の洋楽ロック好きの女子高生・あやは、ある日CDショップで出会った店員の「おにーさん」に一目惚れする。しかし、その正体は同じクラスの目立たない女子・みつきだった。
元々、SNSで短話更新されていたものであるため、一つ一つの話が簡潔で分かりやすい特徴があったため、物語の展開が早く読み易かった。また、モノクロカラーの色調をしていて、目を引く漫画作品であると感じた。洋楽ロックが大好きなあやが、仲の良い友達には話が伝わらないからと好きなものを隠している様子が、すごくリアルで共感できると思った。さらに、「おにーさん」の正体に気づき、みつきと好きな音楽の話をするようになってから、彼女が生き生きと楽しそうに変わっていく姿が、好きなものや熱中できるものによって、人の人生が豊かになることを強く感じられてとても良かった。
16,『俺だけレベルアップな件』漫画:DUBU、原作:Chugong
十数年前、異次元と現世界を結ぶ通路”ゲート”というものが現れてからハンターと呼ばれる覚醒者たちが出現した。ハンターはゲート内のダンジョンに潜むモンスターを倒し対価を得る人である。人類最弱兵器と呼ばれるE級ハンター・水篠旬は、母親の病院代を稼ぐため嫌々ながらハンターを続けている。ある日、D級ダンジョンに隠された高難易度の二重ダンジョンに遭遇した旬は死の直前に特別な能力を授かる。その能力は、毎日届くクエストをクリアし、モンスターを倒せばレベルアップする能力だった。
本作はWEBTOONが認識されてきたころの作品であり、成り上がり系統のはしりであったようにも思う。爽快感のあるチート作品で、もやもやを感じることなく読み進められた。母親と妹を守るために強くあろうとして、死に直面しても自分を犠牲に他の人を助けようとする主人公の善良な人格が印象的だった。だが、物語が進み主人公が強くなっていくにつれて、その根幹はわずかに残っていても冷酷な人格へと変化していく様子が見られて、少し皮肉を感じられて面白かった。
17,『私の百合はお仕事です!』著者:未幡
女子高生の陽芽は、将来億万長者と結婚して玉の輿に乗ることを夢見ており、そのために演技(ソトヅラ)を駆使して誰からも愛されるように振舞っていた。しかし、ある日道端で少女とぶつかったことから、彼女は「リーベ女学園」というコンセプトカフェの店員をすることになってしまう。そこはお嬢様学校の学生に扮した店員同士が、姉妹(シュベスター)となり清らかに美しく給仕をするサロンだった。
周囲から、誰にでも優しく善良で性格も容姿も完璧だと思われている主人公が、実は社会を上手に生きていくためにすべて計算で行っており計算された人格だというキャラクター像が面白かった。このキャラクター像は、多くの人が上手く世渡りしていくために自然に行っているものだと思うため、共感しながら読むことができると感じた。また、そんな主人公が役を演じなければいけないサロンの仲間たちの前では、着飾らない自分をさらけ出して関わっていくことができることが、対比的で面白いと思った。
18,『劇場版 名探偵コナン ハロウィンの花嫁』原作:青山剛昌、監督:満仲勧
渋谷で開かれていた佐藤刑事の結婚式会場で、突然暴漢が乱入する事件が発生。同じ頃、過去に起きた連続爆破事件の犯人が脱獄する。やがて、その人物を見つけ出す公安警察の降谷だったが、直後何者かによって首輪爆弾をつけられてしまう。爆弾を解除するべくコナンが奔走する中、謎の仮装爆弾犯の存在が浮かび上がる。
公安など警察組織の人物が多く登場する作品であったものの、ストーリーが理解しやすく展開も早かったところに、ファミリー層も見ることのできる映画であることを感じた。正直、渋谷の爆発のための計画の非現実感や、プラーニャがなぜ村中をだます相手に選んだのかなど違和感が残る部分もあったが、そこを現実的にしたり詳しく描くことで、先に挙げた展開の早さや分かりやすさが失われてしまうとも思ったため、良いバランスのとり方なのだろうと感じた。切迫感のある場面に転の部分が一つではなく複数あることで、緊迫感と満足感が十分にあると感じた。
19,『劇場版「黒執事 Book of the Atlantic」』原作:枢やな、監督:阿部記之
19世紀英国、門貴族ファントムハイヴ家の執事セバスチャン・ミカエリスは、13歳の主人シエル・ファントムハイヴとともに、“女王の番犬”として裏社会の汚れ仕事を請け負っていた。ある日、まことしやかにささやかれる「死者蘇生」の噂を耳にしたシエルとセバスチャンは調査のため、豪華客船『カンパニア号』へと乗り込む。果たして、そこで彼らを待ち受けるものとは。
本作の中で最も印象に残った部分は、リジーがシエルの前で剣を振るうシーンだった。英国騎士団団長の娘であることから、幼いころから剣の修練をしており兄以上にその才能を持っていたというリジーが、「シエルの前では可愛い女の子でいたかった」「守られるお嫁さんになろう」と言いながらも、シエルを守るために剣を振るという場面に、リジーの身体面だけでなく意思の強さが感じられた。また、もともとシエルの「強い女の人は怖い」によってかわいい女の子でいようと思っていたが、シエルが失踪して帰還した時の姿を見て、「シエルを守れるようになりたい」と強く思うようになったという、リジーの心の変化がすべてシエルのためであることがとても印象的でとても良いキャラクターだと思った。19世紀かつ貴族の話ということで、古典的なジェンダー観を感じる部分が多くあるものの、主人公の周りでは強い女性が描かれることが多く、それにより現代的なジェンダー観をより強く感じることができるのではないかと考えた。
20、『宝石の国』著者:市川春子
「この星には、かつて“にんげん”という動物がいたという」。今から遠い未来、宝石のカラダを持つ28人は、彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人に備えるべく、戦闘や医療などそれぞれの持ち場についていた。月人と戦うことを望みながら、硬度が低く脆い上に不器用が故に何も役割を与えられていなかったフォスは、宝石たちを束ねる金剛先生から博物誌を編むように頼まれる。
人間がいなくなった世界で、宝石たちが自らを害する月人と戦うという設定がとても印象的だった。それぞれの宝石が実際の宝石に対応した硬度を持っており、それによって体の脆さや強さが変わるという設定によって、全く宝石に興味がなかった人が本作を好きになることで、宝石について調べたり好きになることもあるのだろうと感じ、物語作品が全く異なる業界への架け橋になることにストーリーだけに収まらない大きな魅力を感じた。個人的には、宝石たちの体が宝石であるからこそ、戦闘によって体がばらばらになったり、それを完全に治すことができる描写があり、それゆえの生命の軽い扱いがあるように感じられ、そこに独特の生死観があり切なく儚い雰囲気につながっているように思った。
春休み課題 11~20
11,『かがみの孤城』原作:辻村深月、監督:原恵一
学校で酷いいじめに遭い家に閉じこもっていた中学生のこころは、ある日突然部屋の鏡に吸い込まれる。そこには一つの城と見ず知らずの中学生6人がいた。さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げられる。戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、彼らは次第に心を通わせていく。
保健室に向かって心の状態が不安定な時に、扉や廊下の雰囲気が薄暗く描写されたり、早まる秒針の音で、視聴者に緊迫感と不安を煽る構成になっていたことが印象的だった。それぞれの世界で孤独だった7人が、居場所となった一つの城で時間や感情を共有し、共感し合うことによって救われ苦しみを乗り越えていくストーリーが、人に向き合い想い合うことをストレートに伝えていたと感じた。すべての真相が判明したのちにもう一度見返したくなる印象的な作品だった。
12,『ニューノーマル』著者:相原瑛人
マスクで口元を隠すことが当たり前の日常となった近未来。パンデミック前の時代に密かに思いを馳せる少女・夏木とクラスメイトの秦は、ふとしたことから小さな秘密を共有する仲になる。「新しい日常」の世界を生きる二人の「新しい非日常」の物語。
実際に現実であったコロナ禍をモデルに描いたものだと思うが、マスクをつけることが絶対の世界で、クラスメイトの顔も知らない、ピクニックもできないという、もしかしたらあったかもしれない、その「もし」のストーリーを描いていることがとても斬新で面白かった。このような日常からの気づきによって書かれた作品は、それを経験した人はどうしても興味をそそられるし、世界に没入しながら楽しむことのできる作品だと感じた。
13,『今世は当主になります』漫画:Antstudio、Mon、原作:Kim Roah
交通事故で命を落とした後、ロンバルディ家の婚外子として転生したフィレンティア。 だが、彼女を待ち受けていたのは愛する父の死とロンバルディ家の滅亡だった。家門の滅亡を知った日に、彼女は酒を飲んで馬車に轢かれてしまうのだが、目を覚ますと7歳の自分に戻っていた。彼女は、今度こそ父と家門を守り抜くと決意する。
Webtoonの特徴であるフルカラーの縦読みの形式に、綺麗な絵柄とストーリー展開のスムーズさが調和していると感じた。未来で起きる出来事を知っていることを上手く利用しながら、周囲からの子どもとしての認識も崩さないように、頭を使って賢く立ち回る姿がチート系の要素もあり面白く読むことができる作品だった。
14,『不運からの最強男』原作:フクフク、作画:中林ずん
不運ばかりの人生の末、最後は事故によって命を落とした男は、ジークベルトとして転生する。今世では平穏な日々を過ごそうと思った男だったが、彼は規格外の幸運値を持っていた。いわゆるチート能力を有していたものの、病に臥した母親を救うことはできず彼女は命を落としてしまう。この出来事により、彼は能力を駆使して強くなることを決意する。
分かりやすいチートもので展開も速く読み易かった。チートものではあったが、幸運を持っていてチート能力も有しているのに、その使い方が分からず利用できないと母親ひとりでさえも救うことができないという序盤の展開が、どんなに能力が高い人でも努力をしていないということをストレートに伝えていると強く感じた。また、家族愛について強調されて描かれており、家族のキャラクター像が立っていたことも印象的だった。
15,『気になってる人が男じゃなかった』著者:新井すみこ
大の洋楽ロック好きの女子高生・あやは、ある日CDショップで出会った店員の「おにーさん」に一目惚れする。しかし、その正体は同じクラスの目立たない女子・みつきだった。
元々、SNSで短話更新されていたものであるため、一つ一つの話が簡潔で分かりやすい特徴があったため、物語の展開が早く読み易かった。また、モノクロカラーの色調をしていて、目を引く漫画作品であると感じた。洋楽ロックが大好きなあやが、仲の良い友達には話が伝わらないからと好きなものを隠している様子が、すごくリアルで共感できると思った。さらに、「おにーさん」の正体に気づき、みつきと好きな音楽の話をするようになってから、彼女が生き生きと楽しそうに変わっていく姿が、好きなものや熱中できるものによって、人の人生が豊かになることを強く感じられてとても良かった。
16,『俺だけレベルアップな件』漫画:DUBU、原作:Chugong
十数年前、異次元と現世界を結ぶ通路”ゲート”というものが現れてからハンターと呼ばれる覚醒者たちが出現した。ハンターはゲート内のダンジョンに潜むモンスターを倒し対価を得る人である。人類最弱兵器と呼ばれるE級ハンター・水篠旬は、母親の病院代を稼ぐため嫌々ながらハンターを続けている。ある日、D級ダンジョンに隠された高難易度の二重ダンジョンに遭遇した旬は死の直前に特別な能力を授かる。その能力は、毎日届くクエストをクリアし、モンスターを倒せばレベルアップする能力だった。
本作はWEBTOONが認識されてきたころの作品であり、成り上がり系統のはしりであったようにも思う。爽快感のあるチート作品で、もやもやを感じることなく読み進められた。母親と妹を守るために強くあろうとして、死に直面しても自分を犠牲に他の人を助けようとする主人公の善良な人格が印象的だった。だが、物語が進み主人公が強くなっていくにつれて、その根幹はわずかに残っていても冷酷な人格へと変化していく様子が見られて、少し皮肉を感じられて面白かった。
17,『私の百合はお仕事です!』著者:未幡
女子高生の陽芽は、将来億万長者と結婚して玉の輿に乗ることを夢見ており、そのために演技(ソトヅラ)を駆使して誰からも愛されるように振舞っていた。しかし、ある日道端で少女とぶつかったことから、彼女は「リーベ女学園」というコンセプトカフェの店員をすることになってしまう。そこはお嬢様学校の学生に扮した店員同士が、姉妹(シュベスター)となり清らかに美しく給仕をするサロンだった。
周囲から、誰にでも優しく善良で性格も容姿も完璧だと思われている主人公が、実は社会を上手に生きていくためにすべて計算で行っており計算された人格だというキャラクター像が面白かった。このキャラクター像は、多くの人が上手く世渡りしていくために自然に行っているものだと思うため、共感しながら読むことができると感じた。また、そんな主人公が役を演じなければいけないサロンの仲間たちの前では、着飾らない自分をさらけ出して関わっていくことができることが、対比的で面白いと思った。
18,『劇場版 名探偵コナン ハロウィンの花嫁』原作:青山剛昌、監督:満仲勧
渋谷で開かれていた佐藤刑事の結婚式会場で、突然暴漢が乱入する事件が発生。同じ頃、過去に起きた連続爆破事件の犯人が脱獄する。やがて、その人物を見つけ出す公安警察の降谷だったが、直後何者かによって首輪爆弾をつけられてしまう。爆弾を解除するべくコナンが奔走する中、謎の仮装爆弾犯の存在が浮かび上がる。
公安など警察組織の人物が多く登場する作品であったものの、ストーリーが理解しやすく展開も早かったところに、ファミリー層も見ることのできる映画であることを感じた。正直、渋谷の爆発のための計画の非現実感や、プラーニャがなぜ村中をだます相手に選んだのかなど違和感が残る部分もあったが、そこを現実的にしたり詳しく描くことで、先に挙げた展開の早さや分かりやすさが失われてしまうとも思ったため、良いバランスのとり方なのだろうと感じた。切迫感のある場面に転の部分が一つではなく複数あることで、緊迫感と満足感が十分にあると感じた。
19,『劇場版「黒執事 Book of the Atlantic」』原作:枢やな、監督:阿部記之
19世紀英国、門貴族ファントムハイヴ家の執事セバスチャン・ミカエリスは、13歳の主人シエル・ファントムハイヴとともに、“女王の番犬”として裏社会の汚れ仕事を請け負っていた。ある日、まことしやかにささやかれる「死者蘇生」の噂を耳にしたシエルとセバスチャンは調査のため、豪華客船『カンパニア号』へと乗り込む。果たして、そこで彼らを待ち受けるものとは。
本作の中で最も印象に残った部分は、リジーがシエルの前で剣を振るうシーンだった。英国騎士団団長の娘であることから、幼いころから剣の修練をしており兄以上にその才能を持っていたというリジーが、「シエルの前では可愛い女の子でいたかった」「守られるお嫁さんになろう」と言いながらも、シエルを守るために剣を振るという場面に、リジーの身体面だけでなく意思の強さが感じられた。また、もともとシエルの「強い女の人は怖い」によってかわいい女の子でいようと思っていたが、シエルが失踪して帰還した時の姿を見て、「シエルを守れるようになりたい」と強く思うようになったという、リジーの心の変化がすべてシエルのためであることがとても印象的でとても良いキャラクターだと思った。19世紀かつ貴族の話ということで、古典的なジェンダー観を感じる部分が多くあるものの、主人公の周りでは強い女性が描かれることが多く、それにより現代的なジェンダー観をより強く感じることができるのではないかと考えた。
20、『宝石の国』著者:市川春子
「この星には、かつて“にんげん”という動物がいたという」。今から遠い未来、宝石のカラダを持つ28人は、彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人に備えるべく、戦闘や医療などそれぞれの持ち場についていた。月人と戦うことを望みながら、硬度が低く脆い上に不器用が故に何も役割を与えられていなかったフォスは、宝石たちを束ねる金剛先生から博物誌を編むように頼まれる。
人間がいなくなった世界で、宝石たちが自らを害する月人と戦うという設定がとても印象的だった。それぞれの宝石が実際の宝石に対応した硬度を持っており、それによって体の脆さや強さが変わるという設定によって、全く宝石に興味がなかった人が本作を好きになることで、宝石について調べたり好きになることもあるのだろうと感じ、物語作品が全く異なる業界への架け橋になることにストーリーだけに収まらない大きな魅力を感じた。個人的には、宝石たちの体が宝石であるからこそ、戦闘によって体がばらばらになったり、それを完全に治すことができる描写があり、それゆえの生命の軽い扱いがあるように感じられ、そこに独特の生死観があり切なく儚い雰囲気につながっているように思った。
4年 橋本
RES
4年 橋本
春休み課題 1~10
1,『ファンタスティック・プラネット』監督:ルネ・ラルー、原作:ステファン・ウル
地球ではないどこかの惑星に住む、青い皮膚と赤い目を有する巨人ドラーグ人と、彼らに虐げられている人類オム族の話。ある日、ドラーグ人のティバは、ドラーグ人の子どもたちに弄ばれて母を亡くしたオム族の赤ん坊を拾う。彼女は赤ん坊をテールと名付けペットとして飼うことにした。
宮崎駿作品のモデルとなったことで知られる作品と聞いていたため、YouTubeで二週間限定公開がされていた時期に鑑賞した。確かに、王蟲のようなキャラクターが登場しており本作に影響を受けたのだろうと実感した。本作は、人間が自分たちより強大な存在に脅かされるという点で、『進撃の巨人』や『約束のネバーランド』と世界観が似ていると感じた。だが、それらの作品では巨人や鬼が人間を食べることに一切疑問を抱いていないのに対し、本作のドラーグ人は人類を殲滅した方が良いかどうかを議論している様子が見られた。また、テールたち人類がドラーグ人たちに立ち向かう時に活用したものが、人間の特徴である知識を得て活用することだった。このような点から、先に挙げた2作品と本作には共通する点と異なる点があり、その比較を考えることができる点で面白い作品だと感じた。
2,『ミギとダリ』監督・シリーズ構成・音響監督:まんきゅう、原作:佐野菜見
児童養護施設で過ごしていた双子の少年ミギとダリは、ある日裕福で穏やかな老夫婦、
園山夫妻に養子として迎えられる。しかし、それはふたりの少年「ミギ」と「ダリ」としてではなく、ひとりの少年「園山秘鳥」としてだった。二人は正体を隠し、園山秘鳥を演じながらオリゴン村に溶け込んでいく。一体何のために二人で一人の人間を演じているのか。
そこには大きな秘密と恐るべき目的があった。
最初はホラーミステリー系の作品だと思って見始めたが、ところどころにジュールなギャグ描写が多くあり、統一されていない不思議な世界観を感じることができる作品だった。序盤は目的のために二人だけで隠密に行動しており、互い以外を信頼していないことが見て取れた。だが、園山夫妻や周囲の村人と関わり合い裏のない優しさに触れることで、同一人物のようだった双子それぞれの個性が現れ始めて、衝突したりすることで彼らが一人の人間として成長していく姿が感じられる作品だった。
3,『薬屋のひとりごと』原作:日向夏、監督・シリーズ構成:長沼範裕
医師である養父を手伝って薬師として花街で働く少女・猫猫は、薬草採取に出かけた森で人攫いにあって後宮に下女として売られてしまう。年季が明けるまで目立たぬように勤めるつもりだったが、皇子の衰弱事件の謎を解いたことから美形の宦官である壬氏の目に留まり、様々な事件の解決を手伝わされることとなる。
キャラクター設定として、猫猫の設定は従来のヒロイン像ではなく、毒や薬を好む所謂ゲテモノ好きの変わったキャラクター像であり、対して壬氏は見目麗しい姿で従来の男性性が失われているように思う。この新しい要素を取り入れた正反対のヒーローとヒロイン像が、読者や視聴者の興味を引くものであり印象的だったと感じた。
4,『葬送のフリーレン』原作:山田鐘人・アベツカサ、監督:斎藤圭一郎
魔王を倒し王都へ凱旋した勇者ヒンメル一行。各々が冒険した10年を振り返りながらこれからの人生に想いを馳せる中、エルフのフリーレンは感慨にふけることもなく、また魔法探求へと旅立っていく。50年後、皆との約束のためフリーレンは再び王都へ。その再会をきっかけに、彼女は新たな旅へと向かうことに。
なろう系で勇者パーティー追放からの成り上がりや復讐の系統が流行している中で、勇者パーティーが魔王を倒した後の話を描いている点が斬新で面白いと感じた。また、主人公だけが1000年以上生きるエルフで、パーティーの仲間と生きられる年数に大きな差があることにより、死生観や時間への認識に大きなずれがあり、仲間の死を見届けることでその大切さを実感するという、物語序盤からの心に訴えかけるストーリーがとても良かったと感じた。
5,『エヌ氏の遊園地』著者:星新一
星新一のショートショート31編を集め昭和六〇年に発行された作品。その物語のどれもが何らかの事件にまつわる話であり、ブラックユーモアや世間への皮肉に富んだもの。
本作内の「危険な年代」では、冤罪で裁判にかけられている青年が冤罪なのではないか、と思ったアール氏が、最終的には息子が罪に問われるかもしれないと危惧してみて見ぬふりを物語だった。本作を読了後、タイトルである「危険な年代」とは、加害者の可能性がある青年や息子の若い年代を指すのではなく、自分の息子のためであれば一人の青年の冤罪もしょうがないと見逃してしまうような、年配らの年代を指していることが分かり、意味の解釈が180度変わってしまう展開となっていたことが衝撃で印象的だった。
6,『ダメンズ婚~この結婚はアウトですか?~』 著者:藤東馬
デザイナーの希望と営業の真太郎は社内でも有名な犬猿の仲だった。しかし、二人は社内恋愛禁止の社内で秘密裏に付き合っている関係であった。年齢的に真太郎との結婚を考えていた希望だが、それには大きな懸念点があった。それが、社内では顔も仕事も完璧な真太郎が、私生活では無気力で何もしない所謂ダメンズであることだった。
恋愛だけでなく仕事に関しての描写も多く、大人の女性に向けた作品だと感じた。描写や構成の面から分析すると、本作は意志の強いヒロインと相対してヒロインにだけ弱みを見せるヒーローという人物像がとても魅力的だと感じ、女性読者にとってヒロインの一生懸命な姿や意思の強さに憧れを抱き共感することができる作品だと感じた。
7,『わたしの幸せな結婚』原作:顎木あくみ、漫画:高坂りと
名家に生まれた美世は、実母が早くに亡くなったことによって、継母と異母妹に使用人のように扱われ虐げられて育った。ある日嫁入りを命じられるが、その相手は冷酷無慈悲と噂されている軍人の清霞という青年だった。悪評の主である相手に、切り捨てられることを覚悟して門を叩いた美世だったが、日々彼のために料理を作るうちに少しずつ心を通わせていく。
家からひどい扱いを受けている主人公が、名家の人格者である男性に救われるという王道の展開だと感じた。しかし、悪女ものや復讐ものの物語が流行している現在では、謙虚で誰にでも慈悲を向ける所謂いい人という主人公のキャラクター像は、逆に珍しく共感できることがヒットの理由だったのかもしれないと考えた。
8,『新しい上司はど天然』原作:いちかわ暖、監督:阿部記之
上司からのパワハラが原因で精神と胃をやられ退職し、広告代理店の営業職に転職した桃瀬。しかし、初日から早々に過去のトラウマによって胃痛で動けなくなってしまう。その時、一緒に外回りをしていた新しい上司・白崎が予想外の励まし方をしてくる。上司のど天然さに癒される物語。
職場での日常を描いた作品で、ホワイト企業とブラック企業が明確に対比的に描かれていた。タイトルから作品の内容が分かりやすく、一貫して社会人の日常を描いていて、軽い気持ちでゆっくり見ることができた。また、作中に登場する捨て猫のキャラクターなどを、予告映像やショート動画で活用しており、商業的な意味でキャラクターが大きな役割を果たしていると感じた。
9,『外科医エリーゼ』著者:yuin、イラスト:mini
ヒロイン・高本葵の前世はエリーゼという悪女皇后であった。様々な悪行を働いた彼女は、現代に生まれ変わった2度目の人生では、罪を償うべく外科医として人々の命を救い人のために生きてきた。だが、ある日飛行機事故に遭ってしまい、目を覚ますと1度目の人生に戻っていた。そこで彼女は、外科医としての医療の知識を活かし、一度目の人生で自分の生で命を落とした家族やほかの人々を救うために再び医者になろうと決意する。
転生系の作品が王道な中で、様々な他と異なる要素を多く組み込んでいる作品だと感じた。その要素とは、1度目、2度目の人生を経験したうえで、もう一度1度目の人生をやり直すという要素や、医療によって人を救うという現代のジェンダー観を意識したものだと考えた。このように、他作品と差別化した要素が意識的に組み込まれ、世界観と調和しているからこそヒットしたのではないかと考えた。
10,『夏へのトンネル、さよならの出口』原作:八目迷、くっか、監督・脚本:田口智久
入ったら欲しい物が何でも手に入るが、それと引き換えに100歳年をとると噂されているウラシマトンネル。かつて妹と死別したカオルと転校生のあんずは、トンネルに入り自らの願いを叶えるために二人で協力関係を結ぶ。
映像と音楽が特徴的な作品だったと感じた。夏の風景を繊細に描いた美麗な映像に加えて、観客が作品に没入しやすいタイミングでかなり特徴的に音楽が使用されていた。作品全体の展開としては、展開が速すぎて強引な流れもあるように思われた部分もあったが、テンポ感がよく見やすい作品だと感じられた。
春休み課題 1~10
1,『ファンタスティック・プラネット』監督:ルネ・ラルー、原作:ステファン・ウル
地球ではないどこかの惑星に住む、青い皮膚と赤い目を有する巨人ドラーグ人と、彼らに虐げられている人類オム族の話。ある日、ドラーグ人のティバは、ドラーグ人の子どもたちに弄ばれて母を亡くしたオム族の赤ん坊を拾う。彼女は赤ん坊をテールと名付けペットとして飼うことにした。
宮崎駿作品のモデルとなったことで知られる作品と聞いていたため、YouTubeで二週間限定公開がされていた時期に鑑賞した。確かに、王蟲のようなキャラクターが登場しており本作に影響を受けたのだろうと実感した。本作は、人間が自分たちより強大な存在に脅かされるという点で、『進撃の巨人』や『約束のネバーランド』と世界観が似ていると感じた。だが、それらの作品では巨人や鬼が人間を食べることに一切疑問を抱いていないのに対し、本作のドラーグ人は人類を殲滅した方が良いかどうかを議論している様子が見られた。また、テールたち人類がドラーグ人たちに立ち向かう時に活用したものが、人間の特徴である知識を得て活用することだった。このような点から、先に挙げた2作品と本作には共通する点と異なる点があり、その比較を考えることができる点で面白い作品だと感じた。
2,『ミギとダリ』監督・シリーズ構成・音響監督:まんきゅう、原作:佐野菜見
児童養護施設で過ごしていた双子の少年ミギとダリは、ある日裕福で穏やかな老夫婦、
園山夫妻に養子として迎えられる。しかし、それはふたりの少年「ミギ」と「ダリ」としてではなく、ひとりの少年「園山秘鳥」としてだった。二人は正体を隠し、園山秘鳥を演じながらオリゴン村に溶け込んでいく。一体何のために二人で一人の人間を演じているのか。
そこには大きな秘密と恐るべき目的があった。
最初はホラーミステリー系の作品だと思って見始めたが、ところどころにジュールなギャグ描写が多くあり、統一されていない不思議な世界観を感じることができる作品だった。序盤は目的のために二人だけで隠密に行動しており、互い以外を信頼していないことが見て取れた。だが、園山夫妻や周囲の村人と関わり合い裏のない優しさに触れることで、同一人物のようだった双子それぞれの個性が現れ始めて、衝突したりすることで彼らが一人の人間として成長していく姿が感じられる作品だった。
3,『薬屋のひとりごと』原作:日向夏、監督・シリーズ構成:長沼範裕
医師である養父を手伝って薬師として花街で働く少女・猫猫は、薬草採取に出かけた森で人攫いにあって後宮に下女として売られてしまう。年季が明けるまで目立たぬように勤めるつもりだったが、皇子の衰弱事件の謎を解いたことから美形の宦官である壬氏の目に留まり、様々な事件の解決を手伝わされることとなる。
キャラクター設定として、猫猫の設定は従来のヒロイン像ではなく、毒や薬を好む所謂ゲテモノ好きの変わったキャラクター像であり、対して壬氏は見目麗しい姿で従来の男性性が失われているように思う。この新しい要素を取り入れた正反対のヒーローとヒロイン像が、読者や視聴者の興味を引くものであり印象的だったと感じた。
4,『葬送のフリーレン』原作:山田鐘人・アベツカサ、監督:斎藤圭一郎
魔王を倒し王都へ凱旋した勇者ヒンメル一行。各々が冒険した10年を振り返りながらこれからの人生に想いを馳せる中、エルフのフリーレンは感慨にふけることもなく、また魔法探求へと旅立っていく。50年後、皆との約束のためフリーレンは再び王都へ。その再会をきっかけに、彼女は新たな旅へと向かうことに。
なろう系で勇者パーティー追放からの成り上がりや復讐の系統が流行している中で、勇者パーティーが魔王を倒した後の話を描いている点が斬新で面白いと感じた。また、主人公だけが1000年以上生きるエルフで、パーティーの仲間と生きられる年数に大きな差があることにより、死生観や時間への認識に大きなずれがあり、仲間の死を見届けることでその大切さを実感するという、物語序盤からの心に訴えかけるストーリーがとても良かったと感じた。
5,『エヌ氏の遊園地』著者:星新一
星新一のショートショート31編を集め昭和六〇年に発行された作品。その物語のどれもが何らかの事件にまつわる話であり、ブラックユーモアや世間への皮肉に富んだもの。
本作内の「危険な年代」では、冤罪で裁判にかけられている青年が冤罪なのではないか、と思ったアール氏が、最終的には息子が罪に問われるかもしれないと危惧してみて見ぬふりを物語だった。本作を読了後、タイトルである「危険な年代」とは、加害者の可能性がある青年や息子の若い年代を指すのではなく、自分の息子のためであれば一人の青年の冤罪もしょうがないと見逃してしまうような、年配らの年代を指していることが分かり、意味の解釈が180度変わってしまう展開となっていたことが衝撃で印象的だった。
6,『ダメンズ婚~この結婚はアウトですか?~』 著者:藤東馬
デザイナーの希望と営業の真太郎は社内でも有名な犬猿の仲だった。しかし、二人は社内恋愛禁止の社内で秘密裏に付き合っている関係であった。年齢的に真太郎との結婚を考えていた希望だが、それには大きな懸念点があった。それが、社内では顔も仕事も完璧な真太郎が、私生活では無気力で何もしない所謂ダメンズであることだった。
恋愛だけでなく仕事に関しての描写も多く、大人の女性に向けた作品だと感じた。描写や構成の面から分析すると、本作は意志の強いヒロインと相対してヒロインにだけ弱みを見せるヒーローという人物像がとても魅力的だと感じ、女性読者にとってヒロインの一生懸命な姿や意思の強さに憧れを抱き共感することができる作品だと感じた。
7,『わたしの幸せな結婚』原作:顎木あくみ、漫画:高坂りと
名家に生まれた美世は、実母が早くに亡くなったことによって、継母と異母妹に使用人のように扱われ虐げられて育った。ある日嫁入りを命じられるが、その相手は冷酷無慈悲と噂されている軍人の清霞という青年だった。悪評の主である相手に、切り捨てられることを覚悟して門を叩いた美世だったが、日々彼のために料理を作るうちに少しずつ心を通わせていく。
家からひどい扱いを受けている主人公が、名家の人格者である男性に救われるという王道の展開だと感じた。しかし、悪女ものや復讐ものの物語が流行している現在では、謙虚で誰にでも慈悲を向ける所謂いい人という主人公のキャラクター像は、逆に珍しく共感できることがヒットの理由だったのかもしれないと考えた。
8,『新しい上司はど天然』原作:いちかわ暖、監督:阿部記之
上司からのパワハラが原因で精神と胃をやられ退職し、広告代理店の営業職に転職した桃瀬。しかし、初日から早々に過去のトラウマによって胃痛で動けなくなってしまう。その時、一緒に外回りをしていた新しい上司・白崎が予想外の励まし方をしてくる。上司のど天然さに癒される物語。
職場での日常を描いた作品で、ホワイト企業とブラック企業が明確に対比的に描かれていた。タイトルから作品の内容が分かりやすく、一貫して社会人の日常を描いていて、軽い気持ちでゆっくり見ることができた。また、作中に登場する捨て猫のキャラクターなどを、予告映像やショート動画で活用しており、商業的な意味でキャラクターが大きな役割を果たしていると感じた。
9,『外科医エリーゼ』著者:yuin、イラスト:mini
ヒロイン・高本葵の前世はエリーゼという悪女皇后であった。様々な悪行を働いた彼女は、現代に生まれ変わった2度目の人生では、罪を償うべく外科医として人々の命を救い人のために生きてきた。だが、ある日飛行機事故に遭ってしまい、目を覚ますと1度目の人生に戻っていた。そこで彼女は、外科医としての医療の知識を活かし、一度目の人生で自分の生で命を落とした家族やほかの人々を救うために再び医者になろうと決意する。
転生系の作品が王道な中で、様々な他と異なる要素を多く組み込んでいる作品だと感じた。その要素とは、1度目、2度目の人生を経験したうえで、もう一度1度目の人生をやり直すという要素や、医療によって人を救うという現代のジェンダー観を意識したものだと考えた。このように、他作品と差別化した要素が意識的に組み込まれ、世界観と調和しているからこそヒットしたのではないかと考えた。
10,『夏へのトンネル、さよならの出口』原作:八目迷、くっか、監督・脚本:田口智久
入ったら欲しい物が何でも手に入るが、それと引き換えに100歳年をとると噂されているウラシマトンネル。かつて妹と死別したカオルと転校生のあんずは、トンネルに入り自らの願いを叶えるために二人で協力関係を結ぶ。
映像と音楽が特徴的な作品だったと感じた。夏の風景を繊細に描いた美麗な映像に加えて、観客が作品に没入しやすいタイミングでかなり特徴的に音楽が使用されていた。作品全体の展開としては、展開が速すぎて強引な流れもあるように思われた部分もあったが、テンポ感がよく見やすい作品だと感じられた。
2年 加藤一花
RES
二年 加藤一花
春休み課題11~20
11.最愛(ドラマ)
脚本・ 奥寺佐渡子 清水友佳子
あらすじ
殺人事件の重要参考人となった実業家・真田梨央(さなだ・りお)と、梨央の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事、そして、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士の3人を中心に展開するサスペンスラブストーリー。2006年、梨央が青春時代を過ごしていたのどかな田舎町で失踪事件が起きた。15年後、時代を牽引する実業家となった梨央の前に事件の関係者が現れたことにより、当時の記憶とともに封印したはずの事件が再び動き出す。過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていく…
登場人物たちの心情がそれぞれ丁寧に描かれており、その分その人物にも感情移入しやすい作品であったと思う。どのキャラも次第にその内心が明らかになるのだが、一番裏で手をまわしていた人物の心情だけ最後の最後まで明かされず、最終話の終盤も終盤ですべての謎がとける構成になっていた。その終盤で明らかになる事実であるのだが、梨央たち兄弟の幸せは彼女の弁護士の犠牲の上で成り立っており、完全なるハッピーエンドではなかったという点が魅力の一部だというふうに感じた。
12.ハイキュー‼(漫画)
作者・古舘春一
あらすじ
偶然高校バレーのテレビ中継を見かけた小柄な少年・日向翔陽は、「小さな巨人」と呼ばれる低身長ながらもコートの上で大活躍する選手の姿に憧れを抱く。やがて日向はその小さな巨人が在籍した宮城県立烏野高校に進学しバレーボール部に入部。そこには中学時代「コート上の王様」と呼ばれた天才セッター・影山飛雄の姿があった。影山に惨敗し、中学での3年間を完全否定された日向は、高校でリベンジを果たす筈だった影山とまさかの同じチームになってしまう!
多くの高校や人物が登場するこの作品は、部活やバレーに対しての思いが十人十色であり、まさに青春を思い出させてくれる作品だというふうに感じた。スポーツものでは強いチームに焦点が当たることが多いと思うのだが、この漫画では万年一回戦負けのいわゆる弱小チームにも焦点が当たる会があり、部活をしていたどの層にも刺さるものがあるように思う。
13.劇場版ハイキュー‼ゴミ捨て場の決戦
監督・満仲勧 原作・古舘春一
あらすじ
東京の音駒高校との合同合宿で、日向は因縁のライバルとなる孤爪研磨と出会う。超攻撃的なプレースタイルの烏野高校に対し、“繋ぐ”をモットーにした超守備的なプレースタイルの音駒高校。春の高校バレー宮城県代表決定戦、春高初戦と、強敵を次々と倒す中で進化を遂げた烏野高校は、春高2回戦で優勝候補・稲荷崎高校を下す。そして、遂に3回戦で、因縁のライバル校・音駒高校と対戦することとなる。
幾度となく練習試合を重ねても、公式の舞台で兵刃を交えることが一度もなかった両雄烏野高校対音駒高校の通称“ゴミ捨て場の決戦”。
約束の地で、「もう一回」が無い戦いがいよいよ始まる― 。
3セット目に関して、長い間得点の描写がなかったことに加え試合もヒートアップしていたためかおそらく登場人物たちが感じていたであろう“もう終わりなのか”と言った感情が見ている側にも共有された感じがした。1.2セット目がそれぞれ戦略や考えていることを詳しく説明しながら試合が進んで行ったのに比べ、3セット目はそういった心情描写、チーム内ミーティングの様子が省かれており、あっという間に終わってしまったと感じたものの、でも確かな満足感があったように思う。
14.空港大占拠
チーフプロデューサー・田中宏史 脚本・福田哲平
あらすじ
病院占拠事件から1年、神奈川県警捜査一課の武蔵三郎に、再び最悪の一日がやって来る。県初の国際空港「かながわ新空港」を、獣の面をかぶった武装集団が占拠する。またも事件に巻き込まれた武蔵は、1年前の事件以来休職中の管理官・和泉さくらに協力を要請。情報分析官の志摩や新たな仲間も加わり、空港からの人質救出と鬼以上に危険な獣退治へ乗り出す。その頃、横浜湾岸病院でメスを握る武蔵の妻・裕子(比嘉愛未さん)もある事件に巻き込まれていた。人質救出の期限はわずか一日。獣たちの正体と目的は? 武蔵一家の運命は?
多くの刑事ものは黒幕が誰か分からずそのために様々な考察をするという楽しみ方があると思う。このような場合はだいたい既出の登場人物の中に犯人が潜んでいることが多いため、犯人が発覚した際にこの人が犯人だなんて意外だという反応になったりすると思う。しかしこの作品は犯人一行が一話目から姿を現しているのにも関わらず、このドラマの世界観の中ではどのような生い立ちで、どのような思いを秘めているかも分からない状態どころか仮面を装着しているため、そもそも俳優が分からないのである。そのため、その役がどのような人間であるか考える前に、このお面をつけている人は誰なんだろうという本編には関係のない部分の考察から始まる。このドラマの面白さに関係なく、話題性を作ることが出来るのである。この話題性の作り方はとても賢いなというふうに感じた。
15.orange(漫画)
作者・高野苺
あらすじ
高校2年の始業式、高宮菜穂の元に10年後の自分から手紙が届いた。 手紙には「転校生の成瀬翔を救ってほしい」と書かれていた。 願いを叶えるため奮闘する菜穂と仲間達。 友情と恋心が交差する中、5人は翔を救うことが出来るのだろうか。
菜穂と翔は似た者同士だなという印象をもった。そのような印象をもつシーンは作中に散りばめられていたのだが、特に手紙に関する部分での描写が二人の関連性を隠喩しているように感じた。手紙が届かなかった世界線の菜穂はその気の弱さからなかなか行動できず後悔を募らせていったと思うのだが、手紙が届いた世界線の菜穂は手紙に背中を押されて積極的に様々なことを行動に移せたと思う。それでも完全に後悔のない道を選べた訳ではないのだが、それは積極的になりすぎたゆえの衝突であったと思う。翔は、生き残った後未来の子供から手紙がくる。その手紙には子供の母親、つまり翔が将来結婚するであろう人の名前が伏せられていた。その手紙に背中を押されたのか、焦ったのか読み終わった後翔はすぐ菜穂にプロポーズをする。おそらくこの手紙がなければプロポーズは当分先であった可能性が高かったであろう。最後の手紙のシーンの真意は分からなかったが、以上のように両者とも、手紙がきっかけで少々大胆な行動を起こせているという点で二人は似ているなと感じた。
16.ミギとダリ(アニメ)
監督・まんきゅう 原作・佐野菜見
あらすじ
1990年2月、アメリカ郊外を模した神戸市北区のニュータウン、オリゴン村。子供のいない老夫婦の園山夫妻は、多くの孤児が過ごす養護施設の中から“秘鳥”と言う金髪の美少年を養子に迎える。しかし秘鳥の正体は「ミギ」と「ダリ」と言う双子の少年であり、引き取られた園山家の中で巧妙に入れ替わりながら、2人で1人の人物を演じていた。双子の目的は、園山家が居を構えるオリゴン村にいるはずの、実母を殺した犯人を探し出し復讐することだった。
このアニメの序盤、すでに母親を亡くしていたミギとダリはそれまで二人の世界で生きてきたからか互いに依存性が強く、自分たち以外はどうでも良い精神で生きているように感じた。しかし彼らは自分たちをよく見て愛してくれている里親の二人や、心から信用できる友人を手に入れ世界が広がったことで成長し、母親の仇であるはずの人物を許すという大人な選択をすることが出来るようになっていたのだと思う。序盤の彼らであればできない選択であったように思う。
17.翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜
監督・武内英樹 原作・魔夜峰央
あらすじ
埼玉県人、彼らは日本において日々蔑まれながら生きている人々だった。華やかさ、名産、知名度、何一つとして東京には敵わない。しかし、そんな彼らに救世主が現れる。彼の名前は麻実麗。圧倒的な麗しさとカリスマ性で埼玉解放戦線を率い、見事埼玉県人に勝利と自由をもたらしたのだ。彼の理想は、埼玉県に海を作ること。そこで彼が向かったのは、美しい砂浜を誇る和歌山県。しかし、そこには埼玉県同様、迫害される人々の姿があった。そして、何故か日本全土を巻き込む大きな戦いが勃発して…?
埼玉県は魅力度ランキングをはじめとした様々な都道府県ランキングで下位になっているというイメージが強く、むしろそれ以外のイメージが全くない。しかしながらそれを逆手に取り、行田タワーを埼玉唯一のタワーといじりながら登場させたり、田んぼアートを活用したりと、映画本編を楽しみつつ埼玉の魅力を伝えることが出来る良い映画だというふうに感じた。行田タワーについて調べてみたところ、この映画を見て実際に足を運んだ人がいるようであった。
18.宝石の国
作者・市川春子
あらすじ
今から遠い未来、宝石のカラダを持つ28人は、彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人に備えるべく、戦闘や医療などそれぞれの持ち場についていた。月人と戦うことを望みながら、何も役割を与えられていなかったフォスは、宝石たちを束ねる金剛先生から博物誌を編むように頼まれる。
主人公であるフォスの強くなりたいという願望が叶えば叶うほど、知りたいという探求心が満たされれば満たされるほど、彼がどんどん不幸に、そして孤独になっていくのを感じた。はじめは戦いたいという小さなことだったのにも関わらず、みんなのことを想っての行動であったのに敵視され、利用され、とても悲しい自己犠牲であったなと思う。
19.赤ずきん、旅の途中で死体と出会う
監督・福田雄一 原作・青柳碧人
あらすじ
赤いずきんを被った少女・赤ずきんは、旅の途中で灰だらけの少女・シンデレラと出会う。魔法使いに素敵なドレス姿に変えてもらった2人は舞踏会へと向かう途中でカボチャの馬車で男をひき殺してしまう。バレることを恐れ、なんとか死体を隠した2人はお城の舞踏会に無事到着し、シンデレラは王子様と恋に落ちる。そんな中、男の死体が発見されたことで舞踏会は中断。赤ずきんとシンデレラは最大のピンチに直面するが……。
監督が福田雄一ということで、『勇者ヨシヒコ』や『今日から俺は』のようにコメディチックなままストーリーが展開していくのかと思っていたのだが、途中から真面目よりな推理パートがはじまり驚いた。正直冒頭の方は退屈さを感じる展開であったがその後は最後まで犯人が予想できずコメディ色は弱めではあったものの面白い作品であったと思う。
20.ホリミヤ(アニメ)
監督・石浜真史 原作:HERO・萩原ダイスケ「ホリミヤ」
あらすじ
堀 京子(ほりきょうこ)は、美人で成績も良く学校ではクラスの中心的存在。だけど実は共働きの両親に代わり、寄り道もせず家事や年の離れた弟の面倒に勤しむ家庭的な高校生。 ある日、ケガをした弟 創太を見知らぬ男が堀の家に送り届けに来た。 「堀さん」 そう呼ばれ話してみると、実は彼はクラスメイトで――
堀さんも宮村も、相手のことを見た目ではなく心で見ていたからこそ、放課後雰囲気の違うお互いの姿をすんなり受け入れることができたのだと思う。言葉にするのは簡単でも、実際内面を見て相手を判断するというのは難しいように感じる。多くの人の感性であると欠点となってしまう要素でも当たり前に受け入れている姿がまるで、昔から一緒にいた人同士のようで、そこに二人の相性の良さが表れているのかもしれないなと思った。
春休み課題11~20
11.最愛(ドラマ)
脚本・ 奥寺佐渡子 清水友佳子
あらすじ
殺人事件の重要参考人となった実業家・真田梨央(さなだ・りお)と、梨央の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事、そして、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士の3人を中心に展開するサスペンスラブストーリー。2006年、梨央が青春時代を過ごしていたのどかな田舎町で失踪事件が起きた。15年後、時代を牽引する実業家となった梨央の前に事件の関係者が現れたことにより、当時の記憶とともに封印したはずの事件が再び動き出す。過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていく…
登場人物たちの心情がそれぞれ丁寧に描かれており、その分その人物にも感情移入しやすい作品であったと思う。どのキャラも次第にその内心が明らかになるのだが、一番裏で手をまわしていた人物の心情だけ最後の最後まで明かされず、最終話の終盤も終盤ですべての謎がとける構成になっていた。その終盤で明らかになる事実であるのだが、梨央たち兄弟の幸せは彼女の弁護士の犠牲の上で成り立っており、完全なるハッピーエンドではなかったという点が魅力の一部だというふうに感じた。
12.ハイキュー‼(漫画)
作者・古舘春一
あらすじ
偶然高校バレーのテレビ中継を見かけた小柄な少年・日向翔陽は、「小さな巨人」と呼ばれる低身長ながらもコートの上で大活躍する選手の姿に憧れを抱く。やがて日向はその小さな巨人が在籍した宮城県立烏野高校に進学しバレーボール部に入部。そこには中学時代「コート上の王様」と呼ばれた天才セッター・影山飛雄の姿があった。影山に惨敗し、中学での3年間を完全否定された日向は、高校でリベンジを果たす筈だった影山とまさかの同じチームになってしまう!
多くの高校や人物が登場するこの作品は、部活やバレーに対しての思いが十人十色であり、まさに青春を思い出させてくれる作品だというふうに感じた。スポーツものでは強いチームに焦点が当たることが多いと思うのだが、この漫画では万年一回戦負けのいわゆる弱小チームにも焦点が当たる会があり、部活をしていたどの層にも刺さるものがあるように思う。
13.劇場版ハイキュー‼ゴミ捨て場の決戦
監督・満仲勧 原作・古舘春一
あらすじ
東京の音駒高校との合同合宿で、日向は因縁のライバルとなる孤爪研磨と出会う。超攻撃的なプレースタイルの烏野高校に対し、“繋ぐ”をモットーにした超守備的なプレースタイルの音駒高校。春の高校バレー宮城県代表決定戦、春高初戦と、強敵を次々と倒す中で進化を遂げた烏野高校は、春高2回戦で優勝候補・稲荷崎高校を下す。そして、遂に3回戦で、因縁のライバル校・音駒高校と対戦することとなる。
幾度となく練習試合を重ねても、公式の舞台で兵刃を交えることが一度もなかった両雄烏野高校対音駒高校の通称“ゴミ捨て場の決戦”。
約束の地で、「もう一回」が無い戦いがいよいよ始まる― 。
3セット目に関して、長い間得点の描写がなかったことに加え試合もヒートアップしていたためかおそらく登場人物たちが感じていたであろう“もう終わりなのか”と言った感情が見ている側にも共有された感じがした。1.2セット目がそれぞれ戦略や考えていることを詳しく説明しながら試合が進んで行ったのに比べ、3セット目はそういった心情描写、チーム内ミーティングの様子が省かれており、あっという間に終わってしまったと感じたものの、でも確かな満足感があったように思う。
14.空港大占拠
チーフプロデューサー・田中宏史 脚本・福田哲平
あらすじ
病院占拠事件から1年、神奈川県警捜査一課の武蔵三郎に、再び最悪の一日がやって来る。県初の国際空港「かながわ新空港」を、獣の面をかぶった武装集団が占拠する。またも事件に巻き込まれた武蔵は、1年前の事件以来休職中の管理官・和泉さくらに協力を要請。情報分析官の志摩や新たな仲間も加わり、空港からの人質救出と鬼以上に危険な獣退治へ乗り出す。その頃、横浜湾岸病院でメスを握る武蔵の妻・裕子(比嘉愛未さん)もある事件に巻き込まれていた。人質救出の期限はわずか一日。獣たちの正体と目的は? 武蔵一家の運命は?
多くの刑事ものは黒幕が誰か分からずそのために様々な考察をするという楽しみ方があると思う。このような場合はだいたい既出の登場人物の中に犯人が潜んでいることが多いため、犯人が発覚した際にこの人が犯人だなんて意外だという反応になったりすると思う。しかしこの作品は犯人一行が一話目から姿を現しているのにも関わらず、このドラマの世界観の中ではどのような生い立ちで、どのような思いを秘めているかも分からない状態どころか仮面を装着しているため、そもそも俳優が分からないのである。そのため、その役がどのような人間であるか考える前に、このお面をつけている人は誰なんだろうという本編には関係のない部分の考察から始まる。このドラマの面白さに関係なく、話題性を作ることが出来るのである。この話題性の作り方はとても賢いなというふうに感じた。
15.orange(漫画)
作者・高野苺
あらすじ
高校2年の始業式、高宮菜穂の元に10年後の自分から手紙が届いた。 手紙には「転校生の成瀬翔を救ってほしい」と書かれていた。 願いを叶えるため奮闘する菜穂と仲間達。 友情と恋心が交差する中、5人は翔を救うことが出来るのだろうか。
菜穂と翔は似た者同士だなという印象をもった。そのような印象をもつシーンは作中に散りばめられていたのだが、特に手紙に関する部分での描写が二人の関連性を隠喩しているように感じた。手紙が届かなかった世界線の菜穂はその気の弱さからなかなか行動できず後悔を募らせていったと思うのだが、手紙が届いた世界線の菜穂は手紙に背中を押されて積極的に様々なことを行動に移せたと思う。それでも完全に後悔のない道を選べた訳ではないのだが、それは積極的になりすぎたゆえの衝突であったと思う。翔は、生き残った後未来の子供から手紙がくる。その手紙には子供の母親、つまり翔が将来結婚するであろう人の名前が伏せられていた。その手紙に背中を押されたのか、焦ったのか読み終わった後翔はすぐ菜穂にプロポーズをする。おそらくこの手紙がなければプロポーズは当分先であった可能性が高かったであろう。最後の手紙のシーンの真意は分からなかったが、以上のように両者とも、手紙がきっかけで少々大胆な行動を起こせているという点で二人は似ているなと感じた。
16.ミギとダリ(アニメ)
監督・まんきゅう 原作・佐野菜見
あらすじ
1990年2月、アメリカ郊外を模した神戸市北区のニュータウン、オリゴン村。子供のいない老夫婦の園山夫妻は、多くの孤児が過ごす養護施設の中から“秘鳥”と言う金髪の美少年を養子に迎える。しかし秘鳥の正体は「ミギ」と「ダリ」と言う双子の少年であり、引き取られた園山家の中で巧妙に入れ替わりながら、2人で1人の人物を演じていた。双子の目的は、園山家が居を構えるオリゴン村にいるはずの、実母を殺した犯人を探し出し復讐することだった。
このアニメの序盤、すでに母親を亡くしていたミギとダリはそれまで二人の世界で生きてきたからか互いに依存性が強く、自分たち以外はどうでも良い精神で生きているように感じた。しかし彼らは自分たちをよく見て愛してくれている里親の二人や、心から信用できる友人を手に入れ世界が広がったことで成長し、母親の仇であるはずの人物を許すという大人な選択をすることが出来るようになっていたのだと思う。序盤の彼らであればできない選択であったように思う。
17.翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜
監督・武内英樹 原作・魔夜峰央
あらすじ
埼玉県人、彼らは日本において日々蔑まれながら生きている人々だった。華やかさ、名産、知名度、何一つとして東京には敵わない。しかし、そんな彼らに救世主が現れる。彼の名前は麻実麗。圧倒的な麗しさとカリスマ性で埼玉解放戦線を率い、見事埼玉県人に勝利と自由をもたらしたのだ。彼の理想は、埼玉県に海を作ること。そこで彼が向かったのは、美しい砂浜を誇る和歌山県。しかし、そこには埼玉県同様、迫害される人々の姿があった。そして、何故か日本全土を巻き込む大きな戦いが勃発して…?
埼玉県は魅力度ランキングをはじめとした様々な都道府県ランキングで下位になっているというイメージが強く、むしろそれ以外のイメージが全くない。しかしながらそれを逆手に取り、行田タワーを埼玉唯一のタワーといじりながら登場させたり、田んぼアートを活用したりと、映画本編を楽しみつつ埼玉の魅力を伝えることが出来る良い映画だというふうに感じた。行田タワーについて調べてみたところ、この映画を見て実際に足を運んだ人がいるようであった。
18.宝石の国
作者・市川春子
あらすじ
今から遠い未来、宝石のカラダを持つ28人は、彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人に備えるべく、戦闘や医療などそれぞれの持ち場についていた。月人と戦うことを望みながら、何も役割を与えられていなかったフォスは、宝石たちを束ねる金剛先生から博物誌を編むように頼まれる。
主人公であるフォスの強くなりたいという願望が叶えば叶うほど、知りたいという探求心が満たされれば満たされるほど、彼がどんどん不幸に、そして孤独になっていくのを感じた。はじめは戦いたいという小さなことだったのにも関わらず、みんなのことを想っての行動であったのに敵視され、利用され、とても悲しい自己犠牲であったなと思う。
19.赤ずきん、旅の途中で死体と出会う
監督・福田雄一 原作・青柳碧人
あらすじ
赤いずきんを被った少女・赤ずきんは、旅の途中で灰だらけの少女・シンデレラと出会う。魔法使いに素敵なドレス姿に変えてもらった2人は舞踏会へと向かう途中でカボチャの馬車で男をひき殺してしまう。バレることを恐れ、なんとか死体を隠した2人はお城の舞踏会に無事到着し、シンデレラは王子様と恋に落ちる。そんな中、男の死体が発見されたことで舞踏会は中断。赤ずきんとシンデレラは最大のピンチに直面するが……。
監督が福田雄一ということで、『勇者ヨシヒコ』や『今日から俺は』のようにコメディチックなままストーリーが展開していくのかと思っていたのだが、途中から真面目よりな推理パートがはじまり驚いた。正直冒頭の方は退屈さを感じる展開であったがその後は最後まで犯人が予想できずコメディ色は弱めではあったものの面白い作品であったと思う。
20.ホリミヤ(アニメ)
監督・石浜真史 原作:HERO・萩原ダイスケ「ホリミヤ」
あらすじ
堀 京子(ほりきょうこ)は、美人で成績も良く学校ではクラスの中心的存在。だけど実は共働きの両親に代わり、寄り道もせず家事や年の離れた弟の面倒に勤しむ家庭的な高校生。 ある日、ケガをした弟 創太を見知らぬ男が堀の家に送り届けに来た。 「堀さん」 そう呼ばれ話してみると、実は彼はクラスメイトで――
堀さんも宮村も、相手のことを見た目ではなく心で見ていたからこそ、放課後雰囲気の違うお互いの姿をすんなり受け入れることができたのだと思う。言葉にするのは簡単でも、実際内面を見て相手を判断するというのは難しいように感じる。多くの人の感性であると欠点となってしまう要素でも当たり前に受け入れている姿がまるで、昔から一緒にいた人同士のようで、そこに二人の相性の良さが表れているのかもしれないなと思った。
2年 加藤一花
RES
二年 加藤一花
春休み課題1~10
1.ウォンカとチョコレート工場のはじまり
監督・ポール・キング
あらすじ
ウィリー・ウォンカの夢は、世界一のチョコレート店を開くこと。そんな彼は、亡き母と約束したその夢を叶えるため、一流のチョコ職人が集まる町にやってきました。彼が開発した世界一おいしくて、空も飛べる「魔法のチョコレート」は、瞬く間に町の人々を虜にしていきます。しかしそこは「夢見ることを禁じられた町」でした。そしてウォンカは、彼の才能を妬んだ「チョコレート組合3人組」に目をつけられてしまいます。さらにウォンカのチョコを盗むオレンジ色の小さな紳士、ウンパルンパも現れ……。果たしてウォンカは無事にチョコレート店を開くことができるのでしょうか?
前作の『チャーリーとチョコレート工場』にて、権力のある人、欲張りな人らは次々と脱落していきあまり欲のないチャーリーが最後まで残ったのは、今作に登場した宿屋のおばちゃんや権力を振りかざす警察と関係があるのではないかと思う。宿屋のおばちゃんは人を騙しお金をだまし取るような強欲な人物であり、警察は悪いことをしていないウォンカたちをチョコレートが欲しいがために追いかけまわす。自分が店を持つまでに邪魔をしてきた人たちと同じような特性の人物には工場をどうにかしてほしくはなかったのではないだろうか。
2.葬送のフリーレン(アニメ)
監督・斎藤圭一郎 原作・山田鐘人 作画・アベツカサ
あらすじ
勇者ヒンメルたちと共に、10 年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和を もたらした魔法使いフリーレン。千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたち と再会の約束をし、独り旅に出る。それから 50 年後、フリーレンはヒンメルのもと を訪ねるが、50 年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだ った。その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをし てこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出 る。その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ヒルメルという名の勇者が亡くなったのが序盤も序盤だったということもあり、はじめは特に悲しくも惜しくもなかった。しかしながら物語が進むにつれ、彼の死が重みを増していき、惜しくなっていっているように感じた。彼が読者にとっても主人公であるフリーレンにとっても世界にとってもどれほど大きく重大な人物であったかというのが明らかになるにつれ、彼がすでに亡き人という事実に切なさを感じた。
3.梨泰院クラス(ドラマ)
監督・キム セオン-ヨオン 原作・チョ・グァンジン
あらすじ
大都市ソウルの中でもひと際ホットな街で、小さな飲み屋を開店させた前科者の青年とその仲間たち。成功をつかむため、大物相手に無謀ともいえる戦いを仕掛ける。
この作品は小さな飲み屋の青年が大企業のトップ相手に戦うというストーリーと同時並行で主要人物たちの恋愛模様も描かれている。主要登場人物たちの多くはそれぞれ何かしらの問題を抱えていたのだが、そのたびに主人公の器の大きさが垣間見え、企業が大きくなるたびこの地位になるべくしてなった人間なのだというのが伝わって来た。その一方で、主人公に助けられた人たちもただ受け身でいたわけではなく、主人公を支えており、一方通行ではないからこその成功だったのだと感じた。恋愛の部分でも、当然その人に惚れるのでなくその過程が視聴者にもわかりやすく描かれていて早く次を見たくなるような作品であるというふうに思う。
4.ドクターホワイト(ドラマ)
脚本・小峯裕之 原作・樹林 伸
あらすじ
社会性が皆無にも関わらず、天才的な診断能力を持ち、現役医師の誤診を正す——自らの名を「白夜」と告げ、素肌にたった一枚、白衣をまとって現れたナゾの女性・雪村白夜(ゆきむらびゃくや)が、医師たちの診断を「それ、誤診です!!」と覆して患者の命を救っていく、新感覚の医療ミステリードラマ。
単純に患者のいくつかの違和感をつなぎ合わせて誤診という答えにたどり着く展開も面白いものである。しかしながらそれとは別に最終回にてすべてが明かされるまで視聴者目線では謎である主人公白夜の正体に関するヒントが各回に散りばめられており、回をまたいで視聴者自身が考察する余地のある参加型ミステリー要素のある作品だなと感じた。視聴者が受け身でないからこそ、自分の仮説はあっているのかが気になり飽きがこない作品だと思う。
5.わたしの幸せな結婚(アニメ)
監督・久保田雄大 原作・顎木あくみ
あらすじ
名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、 継母と異母妹に虐げられて育った。 嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞(きよか)。 数多の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。 斬り捨てられることを覚悟して 久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、 色素の薄い美貌の男。 初対面で辛く当たられた美世だけれど、 実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、 少しずつ清霞と心を通わせていく――。
こうじさん(妹の婚約相手)が漫画よりも積極的な感じがした。漫画と比べて登場人物たちの心理描写がはっきりしているなと思った。漫画では表情などで心理を描いているのに対して、アニメでは心の声を吐露していたり、比較的シリアスなシーンにて雨が降っていたりなど、目に見えてわかりやすくなっていたと思う。
6.メイドインアビス2期(アニメ)
監督・小島正幸 原作・つくしあきひと
あらすじ
(1期の続きから)一同は深界六層「還らずの都」へと進む。そこには、成れ果てが独自の価値観を持って生活している「成れ果ての村」が存在していた。
イルミューイの子供が唯一の食料となってしまった状況を、彼女自身が望んでいるのかいないのかにより物語の印象は大きく変わってくると思う。個人的に、彼女は自身や子供を犠牲にしてでもイルミューイを迎え入れてくれた仲間、もしくはブエコを守りたかったのではないだろうかと感じた。あえて長くは生きることのできない子供を産み続け、自己犠牲にて仲間を守ったように思う。最後の方にあったブエコの”子供が欲しいこと以外のイルミューイの願い”を聞き取っていたことから、ブエコもイルミューイが望んだ上での自己犠牲だったということを気づいていたのかもしれないなと感じた。
7.コンフィデンスマンJP 英雄編
監督・田中亮
あらすじ
その昔、英雄と呼ばれた「ツチノコ」というコンフィデンスマン(信用詐欺師)がいました。それ以来、腕の立つコンフィデンスマンによって受け継がれてきた「ツチノコ」の称号。
ある時「4代目ツチノコ」の犯行と思われる事件が発生しますが、4代目ツチノコの座は空席のはずでした。ダー子、ボクちゃん、リチャードは4代目ツチノコの名をかけて勝負することに。ルールは、7日間で最も稼いだ者が勝ち。彼らが狙うのは幻の古代ギリシャ彫刻「踊るビーナス」。3人はそれぞれの方法でオサカナに近づきますが……。
”目に見えるものが真実とは限らない。何が本当で何が嘘か”の口上の通り、最後の最後までどこからが嘘だったのか分からずほぼすべての視聴者が騙されたのではないかと思う。最後、すべてが明かされるまでジェラール・ゴンザレスがオサカナだと思わせておいて、その前提から嘘であった、つまりジェラール・ゴンザレス自身も仕掛け人側の人間であったという驚きの展開は思いつきもしないものであり、うまくミスリードに引っかかるような構成になっていたのだなというふうに感じた。
8.今日から俺は‼劇場版
監督・福田雄一 原作・西森博之
あらすじ
転校を機に、髪を金髪に変えてつっぱりデビューした軟葉高校二年生・三橋貴志。同じ日に転校してきたトゲトゲ頭の伊藤真司とコンビを組んで、次々やってくる強敵を返り討ちにしていく毎日。三橋と友達以上恋人未満な赤坂理子や、伊藤とラブラブな早川京子とのラブコメ的青春を謳歌したいのに、寄ってくるのはワルばかり。3年になったある日、かつて2人が壮絶な戦いを繰り広げた不良の巣窟・開久高校の一角を隣町の北根壊高校が間借りすることに。かなりの極悪高校で名の通った北根壊の番長は柳鋭次と大嶽重弘。彼らは、智司と相良という圧倒的な“頭”を失った開久の生徒に対して妙な商売を始める。一方、怪しいスケバン・涼子が今井に近づく……。
シリアスシーンとお笑いシーンのバランスが非常に絶妙で飽きない作品だと思う。普通のドラマ・アニメ・漫画などであれば、この雰囲気はこれからシリアスシーンになるなと感じる場面でも、シリアス担当とコメディー担当がおり、完全的なシリアスパートにはならないという部分がこの作品ならではの魅力だと感じた。
9.コンフィデンスマンJP(ドラマ)
演出・田中亮 三橋利行 金井紘
あらすじ
“欲望”や“金”をテーマに、一見、平凡で善良そうな姿をした、ダー子、ボクちゃん、リチャードという3人の信用詐欺師たちが、金融業界、不動産業界、美術界、芸能界、美容業界など、毎回、さまざまな業界の華やかな世界を舞台に、壮大で奇想天外な計画で、欲望にまみれた人間たちから大金をだましとる、痛快エンターテインメントコメディー作品。
どこからが主人公たちの計画で、どれが想定外のことなのか最後のネタバラシシーンまで謎に包まれており、いい意味で期待を裏切ってくれる作品だというふうに思う。緻密に練られた作戦を最後まで視聴者が分からないようにするという構成が斬新で、ダー子たちに騙されているターゲットは勿論、見ている側の人間まで手玉に取っているなと感じた。
10.余命10年(映画)
監督・藤井道人 原作・小坂流加
あらすじ
数万人に一人という不治の病を患い、余命10年と知った20歳の高林茉莉(小松菜奈)。自らの余命を知った彼女は、生きることに執着しないために「もう恋はしない」と心に決めていた。そんなある日、かつて同級生だった真部和人(坂口健太郎)と同窓会で再会し恋に落ちる。最初から終わりの見えている恋だから、もう会ってはいけない。そう思いつつ、自分の気持ちに嘘をつけなくなった茉莉は、自らが病に侵されていることを隠しながら、どこにでもいる20代の男女のように和人と楽しい時を重ねていく。そうして2人の人生が交わっていくことで、茉莉の残された人生が輝き出す。
以前原作である小説版を読んだことがあったのだが、そこからかなり内容に変化があったように感じた。原作ではあまり茉莉の家族視点が描かれていなかったのだが、この映画では病気になった人の家族の心情までも表されていて、病気とは本人だけではなく周りの人々もなにかしら戦っているし、辛いものなのだと気付かされた。それと、両想いだとわかっている人からのプロポーズを断らなければいけない状況というのがどれだけ辛いものなのかというのは私には理解できないが、そのシーンを見ているだけで心が締め付けられるような切なさを感じた。
春休み課題1~10
1.ウォンカとチョコレート工場のはじまり
監督・ポール・キング
あらすじ
ウィリー・ウォンカの夢は、世界一のチョコレート店を開くこと。そんな彼は、亡き母と約束したその夢を叶えるため、一流のチョコ職人が集まる町にやってきました。彼が開発した世界一おいしくて、空も飛べる「魔法のチョコレート」は、瞬く間に町の人々を虜にしていきます。しかしそこは「夢見ることを禁じられた町」でした。そしてウォンカは、彼の才能を妬んだ「チョコレート組合3人組」に目をつけられてしまいます。さらにウォンカのチョコを盗むオレンジ色の小さな紳士、ウンパルンパも現れ……。果たしてウォンカは無事にチョコレート店を開くことができるのでしょうか?
前作の『チャーリーとチョコレート工場』にて、権力のある人、欲張りな人らは次々と脱落していきあまり欲のないチャーリーが最後まで残ったのは、今作に登場した宿屋のおばちゃんや権力を振りかざす警察と関係があるのではないかと思う。宿屋のおばちゃんは人を騙しお金をだまし取るような強欲な人物であり、警察は悪いことをしていないウォンカたちをチョコレートが欲しいがために追いかけまわす。自分が店を持つまでに邪魔をしてきた人たちと同じような特性の人物には工場をどうにかしてほしくはなかったのではないだろうか。
2.葬送のフリーレン(アニメ)
監督・斎藤圭一郎 原作・山田鐘人 作画・アベツカサ
あらすじ
勇者ヒンメルたちと共に、10 年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和を もたらした魔法使いフリーレン。千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたち と再会の約束をし、独り旅に出る。それから 50 年後、フリーレンはヒンメルのもと を訪ねるが、50 年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだ った。その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをし てこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出 る。その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ヒルメルという名の勇者が亡くなったのが序盤も序盤だったということもあり、はじめは特に悲しくも惜しくもなかった。しかしながら物語が進むにつれ、彼の死が重みを増していき、惜しくなっていっているように感じた。彼が読者にとっても主人公であるフリーレンにとっても世界にとってもどれほど大きく重大な人物であったかというのが明らかになるにつれ、彼がすでに亡き人という事実に切なさを感じた。
3.梨泰院クラス(ドラマ)
監督・キム セオン-ヨオン 原作・チョ・グァンジン
あらすじ
大都市ソウルの中でもひと際ホットな街で、小さな飲み屋を開店させた前科者の青年とその仲間たち。成功をつかむため、大物相手に無謀ともいえる戦いを仕掛ける。
この作品は小さな飲み屋の青年が大企業のトップ相手に戦うというストーリーと同時並行で主要人物たちの恋愛模様も描かれている。主要登場人物たちの多くはそれぞれ何かしらの問題を抱えていたのだが、そのたびに主人公の器の大きさが垣間見え、企業が大きくなるたびこの地位になるべくしてなった人間なのだというのが伝わって来た。その一方で、主人公に助けられた人たちもただ受け身でいたわけではなく、主人公を支えており、一方通行ではないからこその成功だったのだと感じた。恋愛の部分でも、当然その人に惚れるのでなくその過程が視聴者にもわかりやすく描かれていて早く次を見たくなるような作品であるというふうに思う。
4.ドクターホワイト(ドラマ)
脚本・小峯裕之 原作・樹林 伸
あらすじ
社会性が皆無にも関わらず、天才的な診断能力を持ち、現役医師の誤診を正す——自らの名を「白夜」と告げ、素肌にたった一枚、白衣をまとって現れたナゾの女性・雪村白夜(ゆきむらびゃくや)が、医師たちの診断を「それ、誤診です!!」と覆して患者の命を救っていく、新感覚の医療ミステリードラマ。
単純に患者のいくつかの違和感をつなぎ合わせて誤診という答えにたどり着く展開も面白いものである。しかしながらそれとは別に最終回にてすべてが明かされるまで視聴者目線では謎である主人公白夜の正体に関するヒントが各回に散りばめられており、回をまたいで視聴者自身が考察する余地のある参加型ミステリー要素のある作品だなと感じた。視聴者が受け身でないからこそ、自分の仮説はあっているのかが気になり飽きがこない作品だと思う。
5.わたしの幸せな結婚(アニメ)
監督・久保田雄大 原作・顎木あくみ
あらすじ
名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、 継母と異母妹に虐げられて育った。 嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞(きよか)。 数多の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。 斬り捨てられることを覚悟して 久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、 色素の薄い美貌の男。 初対面で辛く当たられた美世だけれど、 実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、 少しずつ清霞と心を通わせていく――。
こうじさん(妹の婚約相手)が漫画よりも積極的な感じがした。漫画と比べて登場人物たちの心理描写がはっきりしているなと思った。漫画では表情などで心理を描いているのに対して、アニメでは心の声を吐露していたり、比較的シリアスなシーンにて雨が降っていたりなど、目に見えてわかりやすくなっていたと思う。
6.メイドインアビス2期(アニメ)
監督・小島正幸 原作・つくしあきひと
あらすじ
(1期の続きから)一同は深界六層「還らずの都」へと進む。そこには、成れ果てが独自の価値観を持って生活している「成れ果ての村」が存在していた。
イルミューイの子供が唯一の食料となってしまった状況を、彼女自身が望んでいるのかいないのかにより物語の印象は大きく変わってくると思う。個人的に、彼女は自身や子供を犠牲にしてでもイルミューイを迎え入れてくれた仲間、もしくはブエコを守りたかったのではないだろうかと感じた。あえて長くは生きることのできない子供を産み続け、自己犠牲にて仲間を守ったように思う。最後の方にあったブエコの”子供が欲しいこと以外のイルミューイの願い”を聞き取っていたことから、ブエコもイルミューイが望んだ上での自己犠牲だったということを気づいていたのかもしれないなと感じた。
7.コンフィデンスマンJP 英雄編
監督・田中亮
あらすじ
その昔、英雄と呼ばれた「ツチノコ」というコンフィデンスマン(信用詐欺師)がいました。それ以来、腕の立つコンフィデンスマンによって受け継がれてきた「ツチノコ」の称号。
ある時「4代目ツチノコ」の犯行と思われる事件が発生しますが、4代目ツチノコの座は空席のはずでした。ダー子、ボクちゃん、リチャードは4代目ツチノコの名をかけて勝負することに。ルールは、7日間で最も稼いだ者が勝ち。彼らが狙うのは幻の古代ギリシャ彫刻「踊るビーナス」。3人はそれぞれの方法でオサカナに近づきますが……。
”目に見えるものが真実とは限らない。何が本当で何が嘘か”の口上の通り、最後の最後までどこからが嘘だったのか分からずほぼすべての視聴者が騙されたのではないかと思う。最後、すべてが明かされるまでジェラール・ゴンザレスがオサカナだと思わせておいて、その前提から嘘であった、つまりジェラール・ゴンザレス自身も仕掛け人側の人間であったという驚きの展開は思いつきもしないものであり、うまくミスリードに引っかかるような構成になっていたのだなというふうに感じた。
8.今日から俺は‼劇場版
監督・福田雄一 原作・西森博之
あらすじ
転校を機に、髪を金髪に変えてつっぱりデビューした軟葉高校二年生・三橋貴志。同じ日に転校してきたトゲトゲ頭の伊藤真司とコンビを組んで、次々やってくる強敵を返り討ちにしていく毎日。三橋と友達以上恋人未満な赤坂理子や、伊藤とラブラブな早川京子とのラブコメ的青春を謳歌したいのに、寄ってくるのはワルばかり。3年になったある日、かつて2人が壮絶な戦いを繰り広げた不良の巣窟・開久高校の一角を隣町の北根壊高校が間借りすることに。かなりの極悪高校で名の通った北根壊の番長は柳鋭次と大嶽重弘。彼らは、智司と相良という圧倒的な“頭”を失った開久の生徒に対して妙な商売を始める。一方、怪しいスケバン・涼子が今井に近づく……。
シリアスシーンとお笑いシーンのバランスが非常に絶妙で飽きない作品だと思う。普通のドラマ・アニメ・漫画などであれば、この雰囲気はこれからシリアスシーンになるなと感じる場面でも、シリアス担当とコメディー担当がおり、完全的なシリアスパートにはならないという部分がこの作品ならではの魅力だと感じた。
9.コンフィデンスマンJP(ドラマ)
演出・田中亮 三橋利行 金井紘
あらすじ
“欲望”や“金”をテーマに、一見、平凡で善良そうな姿をした、ダー子、ボクちゃん、リチャードという3人の信用詐欺師たちが、金融業界、不動産業界、美術界、芸能界、美容業界など、毎回、さまざまな業界の華やかな世界を舞台に、壮大で奇想天外な計画で、欲望にまみれた人間たちから大金をだましとる、痛快エンターテインメントコメディー作品。
どこからが主人公たちの計画で、どれが想定外のことなのか最後のネタバラシシーンまで謎に包まれており、いい意味で期待を裏切ってくれる作品だというふうに思う。緻密に練られた作戦を最後まで視聴者が分からないようにするという構成が斬新で、ダー子たちに騙されているターゲットは勿論、見ている側の人間まで手玉に取っているなと感じた。
10.余命10年(映画)
監督・藤井道人 原作・小坂流加
あらすじ
数万人に一人という不治の病を患い、余命10年と知った20歳の高林茉莉(小松菜奈)。自らの余命を知った彼女は、生きることに執着しないために「もう恋はしない」と心に決めていた。そんなある日、かつて同級生だった真部和人(坂口健太郎)と同窓会で再会し恋に落ちる。最初から終わりの見えている恋だから、もう会ってはいけない。そう思いつつ、自分の気持ちに嘘をつけなくなった茉莉は、自らが病に侵されていることを隠しながら、どこにでもいる20代の男女のように和人と楽しい時を重ねていく。そうして2人の人生が交わっていくことで、茉莉の残された人生が輝き出す。
以前原作である小説版を読んだことがあったのだが、そこからかなり内容に変化があったように感じた。原作ではあまり茉莉の家族視点が描かれていなかったのだが、この映画では病気になった人の家族の心情までも表されていて、病気とは本人だけではなく周りの人々もなにかしら戦っているし、辛いものなのだと気付かされた。それと、両想いだとわかっている人からのプロポーズを断らなければいけない状況というのがどれだけ辛いものなのかというのは私には理解できないが、そのシーンを見ているだけで心が締め付けられるような切なさを感じた。
3年藤田ことみ
春休み20作品課題11-20
【アニメ】
11.葬送のフリーレン(アニメ)シーズン1・2 監督:斎藤圭一郎 原作山田鐘人 作画: アベツカサ
あらすじ:エルフの主人公が勇者ヒンメルの死後、人間をより知る為に旅をする。エルフと人間の感覚が違うが弟子と共に旅しているうちに人間がどんなことを考え生きているのか分かるようになっていくお話。
感想:アニメでは珍しく人が喋っている場面は町のざわめきや包丁で野菜を切る音、木々のざわめき等の日常的な自然な音だけにしている。音楽が流れるのは喋っていないシーン、移動した際や回想シーン、場面が移るシーンだけであった。人が喋るときにバックミュージックを入れない、または音量を下げることで視聴者が言葉に集中出来ることや日常を描いていることを強調できる効果があると考えた。また漫画では表情が乏しい主人公やキャラクターの表情は、情景や空間で表し、段々表情が豊かになっていくのが魅力だが、アニメでは主人公の無表情を声優の演技力で表現することに重点を置く事で現実味を出しながら、微妙な気持ちを表現する方法をとっていると考えた。
12.ミギとダリ 監督:まんきゅう 原作:佐野菜見
あらすじ:ミギとダリという双子の少年が一人の人物として引き取られた先で暮らしていく。双子の目的は引っ越した街にいる母親を殺した犯人を捜すこと。
感想:二人が喋らずに意思疎通出来る様子や通常ではありえないほど息が合っている連携が不気味さを醸し出していると思った。しかしミギとダリは孤児院にいたからか、知らないことが多く赤子のようで、見ていてほっこりする場面もある。しかし段々と意見が合わず、一心同体ではなくなる様子が悲しくもありまた成長を感じられていて少し複雑な気分だったが、最初の頃と対になっているような構成が面白いと思った。カットがミギは右側になるようにで、ダリは左側になるようにされていることが見やすくもあり、監督のこだわりを感じた。
13.アンデッドガール・マーダーファルス 監督:畠山守 原作:青崎有吾 作画:友山ハルカ
あらすじ:生首の美少女、輪堂鴉夜と彼女のメイドと「鬼殺し」の異名を持つ真打津軽と共に怪物専門探偵「鳥籠使い」としてヨーロッパで各々の目的のために事件を解決していく。
感想:舞台はロンドンでキャラクターデザインも西洋風だが、話し方や効果音が落語で使われていることと、主人公のポーズが歌舞伎だったことから、日本要素をふんだんに感じられた。場面やキャラクター切り替えも扇を回すように線が動いて区切られることや、左右に人を分けるところが落語のようだった。
14. 文豪ストレイドッグス(アニメ)シーズン4 監督:五十嵐卓也 脚本:
榎戸洋司 原作:朝霧カフカ 作画:春河35(作画)
あらすじ:江戸川乱歩と福沢諭吉の出会いと探偵社単葉の秘話と探偵社が国家反逆罪とされるように仕向けたヒョードルの計画と異能力者で構成されている国や世界の秩序を取り締まる集団、「猟犬」との戦い。
感想:彩度が低い状態で始まる描き方は、カラーテレビがない昔の時代を表しているのかと思っていたが、後から乱歩が自分だけ世界がよく見えなくて孤立していると思っていたが、乱歩が物をよく見えすぎているからうまくかみ合わない方頃が多いと知った後に、アニメの彩度が高くなる。彩度はシーズン1と同じような彩度であった。このことを踏まえると、彩度が低かったことは乱歩から見た世界が味気なくつまらないものであったことを表していると考えた。
15.薬屋のひとりごと シーズン1 監督:長沼範裕 作者:日向夏
あらすじ:医師である養父を手伝って薬師として花街で働く少女・猫猫は、薬草採取に出かけた森で人攫いにあって後宮に下女として売られてしまう。 年季が明けるまで目立たぬように勤めるつもりだったが、皇子の衰弱事件の謎を解いたことから美形の宦官である壬氏の目に留まり、様々な事件の解決を手伝わされることとなる
感想:主人公の豊富な薬の知識を見抜いた上位の人々とのやり取りが率直なところがこの主人公の魅力の一つだと思った。映像が宝石をまとっている人が多いからか、ハイライトが多く使われていてきらびやかな雰囲気を出していた。また色の使い方が一つではなく反対色を使う、グラデーションにすることを化粧のシーンを見ていて強く感じた。髪の毛も他のアニメよりも艶が出ていると思った。更に美味しそうに毒見した後に言う「これ、毒です」のように注目して欲しい場面には動きをゆっくりにして、視聴者を引き付けていると思った。
16.幼女戦記 監督:上村泰、春藤佳奈(副)作者:カルロ・ゼン
あらすじ:神への信仰がない合理主義のサラリーマンが神の怒りに触れて、神を信仰するようにという神の意志で過酷な世界、ナチスドイツに似ている国がある世界に転生した。主人公は孤児の幼女(ターニャ・デグレシブ)になったので生きていくために軍に入り、国の敵や神の思惑と戦い平和で安寧な暮らしを目指す話。
感想:自称神と名乗る存在Xは一切神を信じたり、祈ったりしないターニャを緊迫して絶望的な状況下に置くことで信仰させようと考えている。ターニャが特別な技を出すときに神に祈る言葉を話すようになったが、神による力を利用しているだけで信仰はしていない。ターニャの考えや行動は現代の考えが顕著に反映されていると考えた。日本人も慣習だから神社に行っているが本当に神がいると思っているわけではない。ただ神がいるなら力を借りたいという願いと祈るより行動しないとことをなすことが出来ないという相反する考えを持ち合わせている現代人は次第に科学を神のように信仰している流れがあると私は考えた。『幼女戦記』はどのように現代社会に生きる私たちの神と科学に対する考えを捉えて、どう着地するのか気になった。
17.キャロル&チューズデイ アニメ シーズン1・2
監督:渡辺 信一郎 原作者BONES・渡辺信一郎
あらすじ:主人公は、スラム出身でアルバイトをしながら一人で音楽活動をしている女の子「キャロル」と、裕福な家庭に生まれ音楽をしたかったが誰にも理解されない孤独な女の子「チューズデイ」の二人。 この二人が偶然出会い、音楽で人生が変わっていくというお話です。 女の子のユニットを組んで歌う。
感想:同一人物でも会話と歌う場面とで、声優を変えていることに驚いた。歌が中心のアニメは内容も日常系多く、また声優がアイドル的人気を得ていくことが多い。しかしプロの歌手を起用することで、歌に対するクオリティをあげつつ、現実に近い世界を描いていると考えた。更に写実的なキャラクターデザインにすることで、現実の世界とは違う道を選んでいる人類の世界線や将来の世界を表せると思った。
18.マッシュル シーズン1 監督:田中智也 原作者:甲本一
あらすじ:当たり前のように魔法が存在し、誰もが当たり前のように魔法が使える世界「魔法界」。 卓越した魔法使いたちが所属する魔法局によって管理される社会では、魔法の能力が高ければ社会の上層になれる一方で、能力が低いと落ちこぼれ扱いを受け、さらに魔法が一切使えない魔法不全者は殺処分される厳しい社会でもあった。
感想:こぶしで解決する系統マンガだが、ありきたりの演出ではなく単調ではない。魔法が当たり前の世界に現実の魔法は使えない私達と同じ目線で魔法にツッコミを入れていくところが共感しつつ新たな目線で魔法を見ることができ、興味深かった。また漫画の主人公は大抵、現状を変える為、または世界の為に戦うことが多いが、マッシュルの主人公は今ある平穏を守るために、世界と戦うところが他の漫画にはあまり見られないところだと思った。
【書籍】
19.マスカレードナイト 作者:東野圭吾
あらすじ:マスカレードホテルの続編。有名ホテルで開催される大晦日のパーティー「マスカレード・ナイト」に、殺人事件の犯人が現れるという匿名の密告状が、警察に届く。潜入捜査のために、主人公の新田刑事が再びホテルのフロントクラークとして、真面目過ぎるホテル従業員・山岸尚美と再びコンビを組み、犯人の手掛かりを求めて捜査を開始する。ホテルコンシェルジュと刑事の仕事に密着したサスペンス小説。
感想:文化が異なっていても分かりやすい内容だったので、ローコンテクストだと思った。また人の個性を中心に、いろいろな人が登場し物語が展開していくのでアメリカ映画にようだと感じた。また日本文化や時代背景を基に描かれている作品は人生を俯瞰して、小説の中の出来事を目に映る景色のように書く作品が多いが、この作品は人物中心に書くこと読者が主人公や他の登場人物に自身を重ねて読めるようにしていると考えた。
【ゲーム】
20.ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
プロデューサー:齊藤陽介、岡本北斗(PS4/Switch 版)、横田賢人(3DS版) ディレクター:内川毅 デザイナー、シナリオ:堀井雄二 音楽:すぎやまこういち 美術:鳥山明
あらすじ:成人の儀式で主人公は、自分が かつて世界を救ったとされる「勇者」の生まれ変わり だと知るところから物語始まる。勇者とは何か、勇者の使命とは何かを知るために旅立つ。しかしデルカダール帝国から悪魔の子として虐げられ、逃亡生活が始まる。その中で仲間と出会い、世界の秘密を知り、自分は何者なのか知って行く物語。
感想:ウィルス(黄金病と魔女の隔離)・多様性、(人魚との恋)差別、貧困(黄金城)等様々な社会問題を扱っている話だった。特に黄金の城編の触れたものを黄金に変えてしまうことをテーマにした話は、様々な作品で扱われている。多くの作品は、似ていて強欲は己を滅ぼすという内容メインで王を中心に物語を組み立て、貧富の差を問題として扱っている。しかしこの作品では、貧民の目戦から描き、貧富の差も描きつつ、家族愛を中心に作品のメインテーマである仲間の愛や魔物と人類との差別や偏見も取り入れている。短編集のように社会問題を取り入れつつも、独立した話だが全て関連しているところがこの作品の最大の魅力だと思った。またグラフィックがとても良く、没入感があって最高だった。他にも、魔王が世界を支配した後、世界が絶望したが、各地の人々を元気づける一連の流れが、コロナ禍の情勢と似ていると感じた。また魔王との戦いや病気で死んだとしてもまたこの世に戻ってくるという考え方が、輪廻転生を表していると考えた。そしてコロナ禍で多くの命を失った現実の人々を物語を通して勇気づけようとしているゲームだと思った。
春休み20作品課題11-20
【アニメ】
11.葬送のフリーレン(アニメ)シーズン1・2 監督:斎藤圭一郎 原作山田鐘人 作画: アベツカサ
あらすじ:エルフの主人公が勇者ヒンメルの死後、人間をより知る為に旅をする。エルフと人間の感覚が違うが弟子と共に旅しているうちに人間がどんなことを考え生きているのか分かるようになっていくお話。
感想:アニメでは珍しく人が喋っている場面は町のざわめきや包丁で野菜を切る音、木々のざわめき等の日常的な自然な音だけにしている。音楽が流れるのは喋っていないシーン、移動した際や回想シーン、場面が移るシーンだけであった。人が喋るときにバックミュージックを入れない、または音量を下げることで視聴者が言葉に集中出来ることや日常を描いていることを強調できる効果があると考えた。また漫画では表情が乏しい主人公やキャラクターの表情は、情景や空間で表し、段々表情が豊かになっていくのが魅力だが、アニメでは主人公の無表情を声優の演技力で表現することに重点を置く事で現実味を出しながら、微妙な気持ちを表現する方法をとっていると考えた。
12.ミギとダリ 監督:まんきゅう 原作:佐野菜見
あらすじ:ミギとダリという双子の少年が一人の人物として引き取られた先で暮らしていく。双子の目的は引っ越した街にいる母親を殺した犯人を捜すこと。
感想:二人が喋らずに意思疎通出来る様子や通常ではありえないほど息が合っている連携が不気味さを醸し出していると思った。しかしミギとダリは孤児院にいたからか、知らないことが多く赤子のようで、見ていてほっこりする場面もある。しかし段々と意見が合わず、一心同体ではなくなる様子が悲しくもありまた成長を感じられていて少し複雑な気分だったが、最初の頃と対になっているような構成が面白いと思った。カットがミギは右側になるようにで、ダリは左側になるようにされていることが見やすくもあり、監督のこだわりを感じた。
13.アンデッドガール・マーダーファルス 監督:畠山守 原作:青崎有吾 作画:友山ハルカ
あらすじ:生首の美少女、輪堂鴉夜と彼女のメイドと「鬼殺し」の異名を持つ真打津軽と共に怪物専門探偵「鳥籠使い」としてヨーロッパで各々の目的のために事件を解決していく。
感想:舞台はロンドンでキャラクターデザインも西洋風だが、話し方や効果音が落語で使われていることと、主人公のポーズが歌舞伎だったことから、日本要素をふんだんに感じられた。場面やキャラクター切り替えも扇を回すように線が動いて区切られることや、左右に人を分けるところが落語のようだった。
14. 文豪ストレイドッグス(アニメ)シーズン4 監督:五十嵐卓也 脚本:
榎戸洋司 原作:朝霧カフカ 作画:春河35(作画)
あらすじ:江戸川乱歩と福沢諭吉の出会いと探偵社単葉の秘話と探偵社が国家反逆罪とされるように仕向けたヒョードルの計画と異能力者で構成されている国や世界の秩序を取り締まる集団、「猟犬」との戦い。
感想:彩度が低い状態で始まる描き方は、カラーテレビがない昔の時代を表しているのかと思っていたが、後から乱歩が自分だけ世界がよく見えなくて孤立していると思っていたが、乱歩が物をよく見えすぎているからうまくかみ合わない方頃が多いと知った後に、アニメの彩度が高くなる。彩度はシーズン1と同じような彩度であった。このことを踏まえると、彩度が低かったことは乱歩から見た世界が味気なくつまらないものであったことを表していると考えた。
15.薬屋のひとりごと シーズン1 監督:長沼範裕 作者:日向夏
あらすじ:医師である養父を手伝って薬師として花街で働く少女・猫猫は、薬草採取に出かけた森で人攫いにあって後宮に下女として売られてしまう。 年季が明けるまで目立たぬように勤めるつもりだったが、皇子の衰弱事件の謎を解いたことから美形の宦官である壬氏の目に留まり、様々な事件の解決を手伝わされることとなる
感想:主人公の豊富な薬の知識を見抜いた上位の人々とのやり取りが率直なところがこの主人公の魅力の一つだと思った。映像が宝石をまとっている人が多いからか、ハイライトが多く使われていてきらびやかな雰囲気を出していた。また色の使い方が一つではなく反対色を使う、グラデーションにすることを化粧のシーンを見ていて強く感じた。髪の毛も他のアニメよりも艶が出ていると思った。更に美味しそうに毒見した後に言う「これ、毒です」のように注目して欲しい場面には動きをゆっくりにして、視聴者を引き付けていると思った。
16.幼女戦記 監督:上村泰、春藤佳奈(副)作者:カルロ・ゼン
あらすじ:神への信仰がない合理主義のサラリーマンが神の怒りに触れて、神を信仰するようにという神の意志で過酷な世界、ナチスドイツに似ている国がある世界に転生した。主人公は孤児の幼女(ターニャ・デグレシブ)になったので生きていくために軍に入り、国の敵や神の思惑と戦い平和で安寧な暮らしを目指す話。
感想:自称神と名乗る存在Xは一切神を信じたり、祈ったりしないターニャを緊迫して絶望的な状況下に置くことで信仰させようと考えている。ターニャが特別な技を出すときに神に祈る言葉を話すようになったが、神による力を利用しているだけで信仰はしていない。ターニャの考えや行動は現代の考えが顕著に反映されていると考えた。日本人も慣習だから神社に行っているが本当に神がいると思っているわけではない。ただ神がいるなら力を借りたいという願いと祈るより行動しないとことをなすことが出来ないという相反する考えを持ち合わせている現代人は次第に科学を神のように信仰している流れがあると私は考えた。『幼女戦記』はどのように現代社会に生きる私たちの神と科学に対する考えを捉えて、どう着地するのか気になった。
17.キャロル&チューズデイ アニメ シーズン1・2
監督:渡辺 信一郎 原作者BONES・渡辺信一郎
あらすじ:主人公は、スラム出身でアルバイトをしながら一人で音楽活動をしている女の子「キャロル」と、裕福な家庭に生まれ音楽をしたかったが誰にも理解されない孤独な女の子「チューズデイ」の二人。 この二人が偶然出会い、音楽で人生が変わっていくというお話です。 女の子のユニットを組んで歌う。
感想:同一人物でも会話と歌う場面とで、声優を変えていることに驚いた。歌が中心のアニメは内容も日常系多く、また声優がアイドル的人気を得ていくことが多い。しかしプロの歌手を起用することで、歌に対するクオリティをあげつつ、現実に近い世界を描いていると考えた。更に写実的なキャラクターデザインにすることで、現実の世界とは違う道を選んでいる人類の世界線や将来の世界を表せると思った。
18.マッシュル シーズン1 監督:田中智也 原作者:甲本一
あらすじ:当たり前のように魔法が存在し、誰もが当たり前のように魔法が使える世界「魔法界」。 卓越した魔法使いたちが所属する魔法局によって管理される社会では、魔法の能力が高ければ社会の上層になれる一方で、能力が低いと落ちこぼれ扱いを受け、さらに魔法が一切使えない魔法不全者は殺処分される厳しい社会でもあった。
感想:こぶしで解決する系統マンガだが、ありきたりの演出ではなく単調ではない。魔法が当たり前の世界に現実の魔法は使えない私達と同じ目線で魔法にツッコミを入れていくところが共感しつつ新たな目線で魔法を見ることができ、興味深かった。また漫画の主人公は大抵、現状を変える為、または世界の為に戦うことが多いが、マッシュルの主人公は今ある平穏を守るために、世界と戦うところが他の漫画にはあまり見られないところだと思った。
【書籍】
19.マスカレードナイト 作者:東野圭吾
あらすじ:マスカレードホテルの続編。有名ホテルで開催される大晦日のパーティー「マスカレード・ナイト」に、殺人事件の犯人が現れるという匿名の密告状が、警察に届く。潜入捜査のために、主人公の新田刑事が再びホテルのフロントクラークとして、真面目過ぎるホテル従業員・山岸尚美と再びコンビを組み、犯人の手掛かりを求めて捜査を開始する。ホテルコンシェルジュと刑事の仕事に密着したサスペンス小説。
感想:文化が異なっていても分かりやすい内容だったので、ローコンテクストだと思った。また人の個性を中心に、いろいろな人が登場し物語が展開していくのでアメリカ映画にようだと感じた。また日本文化や時代背景を基に描かれている作品は人生を俯瞰して、小説の中の出来事を目に映る景色のように書く作品が多いが、この作品は人物中心に書くこと読者が主人公や他の登場人物に自身を重ねて読めるようにしていると考えた。
【ゲーム】
20.ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
プロデューサー:齊藤陽介、岡本北斗(PS4/Switch 版)、横田賢人(3DS版) ディレクター:内川毅 デザイナー、シナリオ:堀井雄二 音楽:すぎやまこういち 美術:鳥山明
あらすじ:成人の儀式で主人公は、自分が かつて世界を救ったとされる「勇者」の生まれ変わり だと知るところから物語始まる。勇者とは何か、勇者の使命とは何かを知るために旅立つ。しかしデルカダール帝国から悪魔の子として虐げられ、逃亡生活が始まる。その中で仲間と出会い、世界の秘密を知り、自分は何者なのか知って行く物語。
感想:ウィルス(黄金病と魔女の隔離)・多様性、(人魚との恋)差別、貧困(黄金城)等様々な社会問題を扱っている話だった。特に黄金の城編の触れたものを黄金に変えてしまうことをテーマにした話は、様々な作品で扱われている。多くの作品は、似ていて強欲は己を滅ぼすという内容メインで王を中心に物語を組み立て、貧富の差を問題として扱っている。しかしこの作品では、貧民の目戦から描き、貧富の差も描きつつ、家族愛を中心に作品のメインテーマである仲間の愛や魔物と人類との差別や偏見も取り入れている。短編集のように社会問題を取り入れつつも、独立した話だが全て関連しているところがこの作品の最大の魅力だと思った。またグラフィックがとても良く、没入感があって最高だった。他にも、魔王が世界を支配した後、世界が絶望したが、各地の人々を元気づける一連の流れが、コロナ禍の情勢と似ていると感じた。また魔王との戦いや病気で死んだとしてもまたこの世に戻ってくるという考え方が、輪廻転生を表していると考えた。そしてコロナ禍で多くの命を失った現実の人々を物語を通して勇気づけようとしているゲームだと思った。