NEW CONTRIBUTION FORM

マナーを守ってご利用ください
TEXT FLOAT
山中拓実 RES
3年 山中
夏休み課題 1~15
1.『沙耶の唄』(ニトロプラス)
<あらすじ>匂坂郁紀はこの3カ月、常軌を逸した空間で過ごしていた。人も物もそのすべてが全く異なるものとして認識してしまう。医者の卵である彼にはその原因がわかった。事故に遭った際に、彼を助けた最先端医療の失敗によるものであると。手術を担当した医者は失踪しているという。
 しかし不思議なことが起きた。自らをその医者の娘の「沙耶」と名乗る少女が現れる。郁紀の目に彼女だけは人間の少女として映ったのだ。彼は驚きつつも、自分にとって唯一の人間である沙耶にのめり込んでいく。彼女は何者なのか、医者はどこに消えたのか。

<考察>キャラクターデザイン・原画を後に『仮面ライダー鎧武』のクリーチャーデザインを担当する中央東口、脚本を『魔法少女まどか☆マギカ』を担当する虚淵玄のタッグによって制作された有名な作品である。
 本作のジャンルはテキストを全面に描写する「ビジュアルノベル」である。ビジュアルノベルの初出は「Leaf」の『雫』であり、私は、本作が『雫』をリスペクトしているように感じた。まず双方が、狂気をテーマにしている共通点がある。これはこのシステムの性格として通常のノベルゲームと比較して、キャラクター以上に物語に入り込みやすいことが挙げられるため本作を描くに適していたのではないかと考えた。そして背景CG。『雫』では一部が実際の写真を取り込み、それをモノクロにした物が採用されていた。本作も同様の手法を利用している。また『雫』では兄が妹に依存している関係を持っていた。本作では、まったく異種の2人ではあるものの兄な存在の郁紀が沙耶に依存しているという点では類似している。さらに双方ともプレイ時間が非常に短い。
 ただ私が調べた中では『雫』と『沙耶の唄』の類似性について述べられているものを見つけることができなかった。発売当時の雑誌などを参照していないために、いずれ精査する必要はある。ただ、両者はTYPE‐MOONの『月姫』と似ているのだという話がある。そのためその『雫』を参照した『月姫』を本作が参照したことが推測される。
 私は本作をプレイする前、選択肢の減少は頭ごなしに「良くない」と決めつけていた。予算や制作時間のためであると考えていた。しかし本作の選択肢を見て、それは間違いであることに気が付いた。本作の選択肢は2つのみであるのだが、それらは非常に洗練されている。例を挙げると沙耶が郁紀に昔の自分に戻りたいのか、それともこのままの生活を続けたいのかと問われるシーンで選択肢が登場する。戻れば、郁紀は本当に天涯孤独になるが、戻らなければいずれ全てが明るみに出るかもしれない。このように究極の質問を投げかけてくるのだ。
 美少女ゲームの絵や設定が洗練されていくように、選択肢も洗練されているのだと。この上記の2択がプレイヤーに与える心理的影響は計り知れない。本作は本当に必要なところにのみ選択肢を提示することで無駄な選択によって冗長にならないようになっている。

2.『はぴねす!』(ういんどみる)
<あらすじ>悪友・渡良瀬準に日々、振り回されている主人公・小日向雄真。この町には魔法使いを養成する学校「瑞穂坂学園」があり、彼らも通っている。この学校には魔法を教える魔法科、通常の教育を施す普通科があるのだが、魔法科の校舎が謎の爆破事件に遭う。
 それによって両者が一時的に同じ校舎で授業を受けることになり、雄真は新たな出会いを経験する。事件の真相、雄真の過去、この瑞穂坂学園に

<考察>ういんどみるには「CatSystem2」と呼ばれる、独自のゲーム制作エンジンがある。これは本作に使用されており、「ういんどみるO a s i s」、「ういんどみるCOSMOS」のういんどみるが立ち上げた別ブランド、フロントウィングやクロシェット、枕といった他社のブランドでも採用されたエンジンである。
 うぃんどみるは「萌え」に定評のあるブランドであり、それはWEBサイトでも紹介されているように、立ち絵の動きにある。立ち絵によって感情や動きを表現することができるわけであるが、当ブランドはその種類が他に比べて少ない。ただその代わりに「動き」が非常に多い。画面上の座標を移動させるのであるが、Y軸のマイナス方向へ動かすことでお辞儀や納得、プラス方向であれば飛び跳ねる姿などを表現できる。また画面外からX軸で中央迄動かせば、キャラクターの登場・逆の動きであれば退場させることができる。拡大すれば近づき、縮小すれば遠ざかる。この美少女キャラクターが細かな動きを見せるというのはそのまま「萌え」に直結する要素のため、その満足度は非常に高い。見ていて飽きないのである。
 この演出を実現したのは「CatSystem2」の助けが間違いなくあるだろう。このエンジンは個人利用につき自由に使用できる。そのため私も利用してみたのだが、立ち絵の表示やその動きのスクリプトが非常に書きやすい。平たく言うと視覚的に表示する立ち絵を設定でき、それを文字列にコピー&ペーストするだけで表示できるのだ。なので、動きの多用される本作であっても手間がかからず書くことができる。
 本作は「男の娘(おとこのこ)」を大きく広めたことに功績がある。本作には渡良瀬準(わたらせ じゅん)という男の娘が登場するが、この言葉の初出というわけではないようだ。本作の公式サイトでは「学園最強のオカマちゃん」として紹介されている。ただインターネットのあらゆる記述でこの渡良瀬準が「男の娘」の初出として紹介されている。これに関しては当時の雑誌等で確認する必要があるだろうが、本作の発売後に「男の娘」がブームになったのでその代表キャラクターとして紹介されたというのが正しいのかもしれない。準は「準にゃん」として多くのファンに親しまれ、その人気は、本作の企画・原画を担当された「こ~ちゃ」先生の生み出してきたヒロイン総勢61人から行われた人気投票である「こ~ちゃヒロイン2017総選挙」でサブヒロインの準が『祝福のカンパネラ』の「カリーナ・ベルリッティ」など、あらゆるヒロインを押しのけ堂々の1位に輝いた程である。そもそも男の娘が人気になることがわかっていれば、本作で準は当初からメインヒロイン級の待遇がとられたはずである。事実、そのようなことはなく、発売後にその人気ぶりがうかがえることも根拠の一つである。

3.『はぴねす! りらっくす』(ういんどみるOasis)
<あらすじ>式守家の騒動も終わり、また平和な日々を取り戻すことができた。登場人物たちは、またそれぞれの生活に戻っていく、と思っていた。あるところでは魔法が暴走、またあるところでは魔法使いが増えたりと大波乱に。

<考察>本作は『はぴねす!』の一年後に発売された作品でその後日談を描く、所謂「ファンディスク」である。そのため、シナリオもかなり自由になっており『はぴねす!』をプレイしたファンたちは息を抜いて楽しめる作品に仕上がっている。
 ヒロインごとに制作されたストーリーがあり、それに加えて「ぱちねす!」というシナリオがある。このシナリオは『はぴねす!』にも、本作の他のヒロインのシナリオの時間軸にも沿わないパラレルストーリーになっている。基本的にはコメディ一辺倒になっているのだが、ここで注目すべきは「渡良瀬準がヒロインとして昇格している事」である。
 大まかなストーリーとしては準が何者かから魔法のステッキをもらい、魔法を発動した。それによって主人公は不思議な世界を転々と旅することになってしまう。準は「こうあって欲しい」と望む世界を生み出した。この魔法によって準は一時的にでも女性になることができた。
「男の娘」というのは外見にその裁量が寄っている。そのために準のように精神的に女性的なキャラクターもいれば、『サクラノ詩』の夏目圭のように男性そのものなキャラクターもいる。ただ本作で準は夢の世界であっても、自らの理想であった女性となって主人公と顔を合わせることができた。そのためある種、本作は準の想いを昇華する内容になっている。

4.『9-nine- ゆきいろゆきはなゆきのあと』(ぱれっと)
<あらすじ>いくつもの並行世界を旅してきた主人公・新海翔は一連の事件を根本から解決することをソフィーティアから提案される。そのために彼は事件の直接的原因となった地震の起きる前日を訪れた。主人公はついに「ジ・オーダー」の能力を持つ少女・結城希亜に接近する。
 事件の真相・仲間の裏切り・戦いの決着。物語は急転直下、解決へと向かう。

<考察>九条都、新海天、香坂春風の3人と事件解決を行ってきた翔はついに結城希亜に接近する。彼女はもっとも謎に満ちた人物である。その素性はおろか、能力の詳細も不明。その謎が随所で明かされていくため、これまでの3作よりもプレイヤーはモチベーションが損なわれにくいように感じた。
 また本編における最終章であるため、これまでの伏線が回収される。だが最も大きな問題は取り残されたままにされるので、腑に落ちないままにシナリオは終了する。これは外伝にあたる『9-nine- 新章』で解決する。

5.『9-nine- 新章』(ぱれっと)
<あらすじ>アーティファクトによる事件はひとまず解決した。しかし翔にはやり残したことがあった。転移の能力によって途中で介入を辞めた「未解決なまま」の世界線がいくつもあったのだ。そこにいるヒロインたちは今、絶望の中にいる。彼女たちを救うまではこの冒険を終わらすことはできない。 今度こそ、平穏を。翔は最後の観測を開始する。

<考察>プレイヤーの能力である「オーバーロード」についての説明が少なく、その性質がわかりづらい。しかしこれは、プログラミング言語「Java」の関数「オーバーロード」・「継承」をベースに考えると非常にわかりやすくなる。この関数は「関数の名前は同じだが、関数内に与えた引数の値を変えるでその結果も全く異なる」というものである。
例えると、今日は誰にとっても「日付」においては同様である。しかし、起きた時間、話した相手、行動が異なれば今日はそれぞれ異なった1日となるはずだ。というものである
 また「継承」は端的に言えば「異なる関数内において、任意の関数を呼び出すことができる」関数のことである。これは本作にも色濃く現れている。主人公の翔が他の世界線においても任意の記憶や能力を有していたり、他の仲間に任意の記憶を与えることもできるようになっている。
 この説明がわかりやすいかはわからないが、このように理解すると本作の能力「オーバーロード」がわかりやすくなるだろう。また私はこのことからノベルゲームが有するITに基づいた考え方は、アニメーションやマンガとは異なる性格であると感じた。

6.『劇場版 AIR』(東映アニメーション)
<あらすじ>流浪の青年・国崎往人は偶然、この町に下車した。彼はこの地で不思議な少女・神尾美鈴と出会う。彼女は不登校の少女であり、フィールドワークを行っているのだという。往人は彼女から住まいを提供してもらう代わりに、フィールドワークを手伝うことに。
 2人は調査の中で町に伝わる翼を持った「翼人」の言い伝えを知る。描かれた書物を読み進めていくと同時に、往人と観鈴に酷似した出来事が続々と起こり始める。2人に何が起こっているのか、なぜ2人に降りかかるのか。

<考察>このフィールドワークは様々な意味合いを持っている。
調査の中で訪れるのは廃校となった観鈴の小学校や埋められている実母の写真の入ったタイムカプセル。観鈴は母の写真を燃やしてしまうことで本当の娘のように観鈴に愛情をもって接してくれている叔母・晴子を実母として迎え入れる決心をする。私はこのフィールドワークによって観鈴が今までの人生に一度区切りをつけ、新たな一歩を踏み出そうとしていると読み取ることができた。
 原作では伝承の内容も知らず、ただひたすらに受け身として流され続けていた観鈴とは異なり、観鈴が能動的な人物として描かれている。
 また物語の前半パートで、観鈴が意味深な行動をとる。彼女は神社でお母さん(この時点ではまだ母と決別していないために実母か晴子かは不明)を「よろしくお願いします」と祈る。
その後、往人が「普通さ。そういうのってさ。自分は先に逝ってしまうから、神さま、あとに残していく人をよろしくって感じだ」と指摘する。
 この後の観鈴からは返答はないが、彼女の顔面がアップで映し出され愁いを帯びている。伝承を読み進めた彼女がどこかの地点で死を知ったもしくは、日に日に隊長が悪化する彼女自身が本能的に死を悟っていたのではないだろうかと私は考えた。そうすると上記の観鈴がフィールドワークで行った行動も人生を振り返ることで自らの死の直前に備えているようにとらえることもできる。
 本作が劇場公開される5年前に発売された原作の『AIR』と比較する。晴子は最初から往人を受け入れ、観鈴に恋人ができたと喜ぶ。これは終盤まで受け入れなかった原作とは大きく異なる。原作の晴子は、勝手に預けられた観鈴にいつ実父の敬介が迎えに来るかわからない。そのため、愛情を持ってはいけないと彼女を突き放すような言動をとっていた。しかしそれも観鈴の容体が悪化することで、晴子は本家に観鈴を自分の娘として育てたいと懇願しに行く。
 本作で最も重要な要素である「ゴール」の意味が一部抜け落ちているという批評がある。ただ、実際には一見抜け落ちているように見えるだけである。この「ゴール」には「観鈴の死」と「平安時代から続く呪いからの開放」の意味合いがあり、確かに台詞においては後者は考慮されていないように思える。
 だが本作は原作に忠実な演出をしているため、挿入歌の「青空」が添えられる。実はこの楽曲自体が呪いからの解放を歌っているために、事実として欠落はないのだ。だがそれを瞬時に感じ取ることのできるのかというのは映画という性質上難しいだろう。
 そのために、レビューなどでは原作以上に悲しい物語と評されるのだろうと考えた。坂上は著書で原作を幸福の物語であるとしている。しかし結末にヒロインの観鈴は命を落とす。これは一見矛盾に見えるだろう。決して、死ぬことが幸福といった物語ではない。
坂上秋成(2019)『Keyの軌跡』、講談社

7.『劇場版 カードキャプターさくら』(制作:マッドハウス)
〈あらすじ〉木之本桜は商店街の福引で特賞:四泊五日香港旅行に当選した。一行は、観光を楽しんでいたのだが、彼女の同級生の李小狼(リー・シャオラン)の家で彼の母・夜蘭(イェラン)に会い事態は変わる。彼女は桜が香港へ来たのは偶然ではなく「呼ばれた」のだと告げた。また彼女は「水」に気をつけるよう桜に忠告を残す。
 その後、夜蘭の忠告通りに一行は何者かに襲われる。彼女は「魔導士」であり「商売敵」の「クロウ・リード」を求めていた。しかしクロウは既に過去の人。桜は魔導士にクロウは故人であると伝えるが、魔導士はその現実を受け入れることができない。彼女の想いは既に恋心に変わっていた。カードキャプターさくらはこの難事件を解決することはできるのか。

〈考察〉本作は上映25周年を記念して、夏に復活上映された。それを見に行ったために今回書くことにした。
 本作は起承転結がハッキリしており、全てが伏線になり必ず回収されるため非常に見ていてわかりやすく面白い。例えば、最序盤に桜と李が封印した「THE ARROW」のクロウカード。この場面を見ただけでは、映画の導入としてTV版恒例の山場を紹介しているように思える。
 しかしこのクロウカードは映画オリジナルのものである。すると考え方は変わってくる。このクロウカードは大量の矢を放つことができるものであり、終盤の魔導士との決戦で桜を助ける重要な役割を果たす。このように何でもないような場面であってもその後に登場する場面がある。映画のオリジナルストーリーをテレビ放送に影響を与えてはいけないためではあるが、本作の中でしっかりと完結されている。

8.『機動警察パトレイバー アーリーデイズ』(ヘッドギア)
<あらすじ>1998年の日本。3年前に発生した首都直下地震からの復興、東京湾に大堤防を建設する国家事業「バビロンプロジェクト」によってこの首都・東京では無尽蔵ともいえる大量の「レイバー」が稼働していた。
 レイバー、それは「汎用人間型作業機械」の総称であり主に土木や建築といった産業において導入されている人型ロボットである。このレイバーの生産は既に産業として発展しており、日本のみならず世界中のメーカーが競争を繰り広げていた。
 しかし同時にレイバーによる事故の発生、さらにはレイバーを利用した犯罪である「レイバー犯罪」が大きな社会問題となった。そこで警視庁は「特殊車輌二課」を創設し、警察任務用レイバーを導入することで対抗した。
 この特車二課へ配属となった泉 野明。彼女は快活な性格でレイバーへの愛も強い。彼女を指揮車から助けるは篠原遊馬。2人のバディは様々な事件に挑み、キャリアを積んでいく。

<考察>本作は全7話のOVAとして発売された作品であり、現在までアニメーション、アニメーション映画、実写映画、ノベル、ゲーム、コミックなど多数のメディアミックス展開がなされているシリーズである。
 所謂「ロボットアニメ」でありながら、本作は予算の都合上からロボットのアクションが重きに置かれることはなかった。怪談や人間ドラマなどのバラエティに富んだストーリーがほとんどを占め、終盤にテロリストのクーデターが発生したことで少々のアクションが描かれている。
 本作を皮切りに様々なシリーズが登場するわけであるが、人間関係やその性格はこの7話で既に完成されているように感じた。レイバーのメーカーである篠原重工の御曹司・篠原遊馬、レイバーへの愛やここぞの判断力に優れた泉野明、かつてはキレ者として恐れられたが現在はこの特車二課の隊長に燻っている後藤喜一などである。

9.『機動警察パトレイバー the Movie』(ヘッドギア)
<あらすじ>ある夕暮れ、1人の男が東京湾へと身を投げた。
 その男は、帆場瑛一。彼は篠原重工のトッププログラマーとして知られ、レイバーの能力を飛躍的に向上させるOSである「HOS(hyper operating system)」をほとんど単独で作り上げた。この革新的な製品は既に都内のレイバーの80%に導入されている。
 しかし時を同じくして、その都内のレイバーが突如暴走を起こす事件が頻発するようになる。これは人の操作を受け付けないどころか、自動的にレイバーが起動し暴走を起こすという全く不可解な事件であった。ただのOSの不具合やバグではないと悟った後藤喜一隊長は一計を案じる。それは不具合ではなく意図的に仕組まれたために問題なく動いた結果なのではないかというのだ。帆場暎一が「確信犯」であるというわけである。
 篠原遊馬とシバ シゲオが調査とシミュレーションを重ねるとある予測が浮上する。明後日訪れる台風が引き金となり、東京中に点在する8,000台のレイバーが暴走を起こすというのだ。特車二課はこの未曾有の大犯罪を防ぐことができるのか。

<考察>本作は犯人が自作のOSにウイルスを仕込んだことが事の要因である。私は1989年に放映された本作で「コンピュータウイルス」の要素が取り上げられたというのは非常に早い段階での出来事だったのではないか、と考えたので調査した。
 そもそもコンピュータウイルスの定義は経済産業省によると「第三者のプログラムやデータベースに対して意図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプログラムであり、次の機能を一つ以上有するもの」というものである。この「次の機能」に自己伝染機能・潜伏機能・発病機能がある。本作では確かにレイバーのOSをHOSに書き換えた時点で、その根底にさえ潜んでしまうため「自己伝染機能」があり、風速40mという特定条件下でのみ発病するため「潜伏機能」を有しており、操縦者の意図しない暴走を引き起こすため「発病機能」があるのでその全てに合致していることがわかる。
 株式会社カスペルスキージャパンおよび株式会社セキュアイノベーションによると、世界最初のコンピュータウイルスは1971年に開発された。
 また日本の一般家庭におけるパソコンの普及率は文化庁によると1987年から1992年にかけて12%から13%の横ばいである。その後1995年ごろから増加していった。本作は産業用機械へのウイルスであったために一見、一般家庭は無関係と思えるが観客が認知しているかどうかが重要であるのでそうとも言えないだろう。
 さらに実際に企業におけるパソコンの普及について記載しておく。中央調査社の「調査結果によるOA機器普及率の変遷(5人以上事業所全国推計)」によると、10%を超えたのは1985年である。その後本作が放映された1989年に20%を超え、1992年に30%、1996年に40%を超えたというものである。
 そのため一般家庭はおろか、当時の社会人が働く場においても普及は多くなかったことが調査結果として判明した。私は結論として、1999年を舞台にして1989年に放映された本作が時代を先取りする重要な要素・見せ場としてコンピュータウイルスを取り入れたのではないかと考えた。また私は本作がコンピュータの前提知識を必要としていないと考えている。後藤喜一隊長の台詞などで、本作に必要なコンピュータへの知識はそれなりに補えるためである。
 他にも本作では随所にCG(コンピュータグラフィックス)などのシーンを挿入している。終盤の多層建造物「方舟」を解体する際にはCGで描かれた構造図を採用している。
文化庁「パソコン,携帯電話,インターネットの普及率等」
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/kanji_kako/07/pdf/haihu_3.pdf
株式会社セキュアイノベーション「歴史から見るコンピュータウイルス」
https://www.secure-iv.co.jp/blog/4520
株式会社カスペルスキージャパン「コンピュータウイルスの歴史とサイバー犯罪が向かう先」https://www.kaspersky.co.jp/resource-center/threats/a-brief-history-of-computer-viruses-and-what-the-future-holds#
一般社団法人中央調査社「事業所におけるOA機器普及状況調査をふりかえって」https://www.crs.or.jp/backno/old/No508/5081.htm

10.『君が望む永遠 Last Edition』(âge)
<あらすじ>主人公・鳴海孝之は涼宮遥からの告白を受け、その実感を持てないまま彼女と付き合いだした。それも、共通の友人・速瀬水月の助力もあり遥に向き合うことができるようになっていった。
 しかし孝之が予定に遅刻したある日。待っていた遥が交通事故に遭ってしまった。彼女は昏睡状態に陥り、次に目を覚ますまでには実に3年を要した。
 月日が経ち、孝之の隣には水月がいた。だが、病室には「孝之の恋人」の記憶のままで止まっている遥がいる。この出来事は誰にも非はない。ただ経過した時間が長すぎたのだ。彼女の体に障らぬように、彼は「遥の恋人」を演じる必要に迫られた。演じ続ける孝之の心には次第に遥への愛情が芽生えていく。

<考察>本作には様々な特徴がある。そのために私は前々よりプレイを熱望しており、今回ようやく叶った。アニメーションや視点移動が単に多いだけでなく、非常に効果的に活用されている。美少女ゲームにおいて、アニメーションと静止画の割合というのは別に時代が進むにつれて前者が大きくなるような、そこまで単純なものでもない。
 90年代前半において、私が知る限りではélfやアリスソフトといったメーカーがドット絵の差分を描き、それをアニメーションとして動かす所謂「目パチ」・「口パク」などを導入していた。しかし90年代も半ばを過ぎるとLeafなどが台頭し、アニメーションはオープニングなどの演出に留まるようになった。これには少人数で制作されていたために、費用や手間を削減するためという単純な理由だけではないだろう。
 例えばLeafは画面を文章で覆うビジュアルノベルの形態を持っていた。またビジュアルノベル以外の作品においても、演出力以上にそのストーリー性、物語が重視された。そのためにアニメーションの重要性は低下したということが考えられる。ただオープニング映像などにはアニメーションが使われているために、本編にのみ上記は通用すると考えるべきである。
 だが本作が登場した2000年代前半にはまたアニメーションが使用されるようになる。これにはパソコンの処理能力の向上やDVD-ROMが使われるようになったことで大容量化が進んだことが挙げられるだろう。
 その中で言えば本作のメーカーであるâgeはアニメーションの使用においてはトップメーカーであった。本作には独自の演出技術である「AGES」がふんだんに使用されており、これはマブラヴシリーズに使用されていたものであったが、本作が「Last Edition」となる際に新たに適用された。
 前述の90年代のアニメーションとその後では明らかにその性格が異なる。前者はキャラクター表現の広がりであり、より魅力的に映すことができた。また新たな表現として宣伝効果としても使用されており、実際に煽り文に使われていたことも事実である。しかし後者では、本来であれば文章で説明するような動作をアニメーションで説明することでプレイヤーがより遊びやすくしている。視点移動についても同様である。本作のアニメーションはギャグと相性がよく、無駄な文章を省くことでテンポが非常に良い。結論として本作はアニメーションを物語に付加するのではなく、物語の一部をアニメーションで補っているというのが正しいと考えた。
 現在では、キャラクターの魅力を引き出すためのアニメーションと文量を削減するアニメーションの両立したものがほとんどである。そのため本作はその先駆けといえる。
 本作はシナリオにおいてもその質は高い。涼宮遥の妹である茜を例に挙げたい。彼女は途中で主人公のことを「お兄ちゃん」と呼ぶようになる。確かに、そのときには遥は主人公の恋人になっているので彼をからかうためというのもあるだろう。しかしその少し前に明確な根拠が挿入されている。主人公と茜の共通の友人である速瀬水月が大会で振るわなかった。その際に彼女が馬鹿にされていたことに憤慨した主人公を見た後に呼称が変わる。そのためある意味では、茜が主人公のことを認めたと見ることもできる。このように本作のシナリオでは他の部分でも原因と結果がわかりやすい。

11.『CLANNAD -クラナド-』(Key)
<あらすじ>一面、白い世界…。主人公は雪の中にいた。少女の手を握っていた。そう、主人公はこの少女とずっといたのだ。この、誰もいない、もの悲しい世界で。
 主人公は父にけがを負わせた日を境に2人はは他人になった。父がいない間に家に帰る。そんな生活をしていたために、学校は遅刻ばかり。
 ある昼の時間、「この学校は好きですか」と聞いてくる少女がいた。彼女の名前は古河渚。彼女は九か月もの長い間休んでいたことで友達は全員卒業し、彼女は独りぼっちになっていた。部活に入ることのできなかったこの学園にはもうない、演劇部に入ってみたいという。演劇部は欠席の間に廃部になっていた。主人公は渚の演劇部設立を手伝うことに。
 渚の学園生活は、主人公が夜に見る世界とは…。

<考察>Keyの作品で3作目であり、はじめて学園がその舞台としてピックアップされたものである。『Kanon』では川澄舞のシナリオでは学校が舞台となったが、人っ子一人いない夜の学校である。そのため、学校活動という学園の本分がその内容に挙げられた点においての意味である。

12.『ラムネ』(ねこねこソフト)
<あらすじ>電車から見た真っ青な海、どこまでも続く白い砂浜。
主人公は鈴夏と見ていた。もとは町に住んでいたが、この海の近くの一軒家に移住することになった。海で出会った七海。新しい家、彼は新しい部屋を手に入れた。しかしそのベランダの先にいたのは七海。彼女はお隣さんだったのだ。
 それからいくつものの夏が過ぎ去り、鈴夏も成長。特に変わり映えもない一日が、また始まろうとしていた。

<考察>本作には「子供時代」のパートがある。随所で回想するような地の文が挿入されるため、振り返っていることが推測できる。当ブランドにおける前作である『みずいろ』でも子供時代が描かれるが、本作は比較的長く尺をとっている。プロローグというのにふさわしい長さと感じた。

13.『春色桜瀬』(Purple software)
<あらすじ>
「一つ、予言してあげる。きっと君は、私に恋をするよ」
春休み最後の日、主人公は寝ていたが、怒った妹の綾乃に起こされた。明日からあこがれの学園生活が始まる彼女と、下見に行くことになっていたのだ。
 この学園の桜について妹に話す。「恋桜」の伝説である。「この桜の木の下で出会った男女は運命的な恋に落ちる」というもの。実は綾乃は知っていたのだが、主人公はその時幻想的な出会いを果たす。急に風が吹いた桜の木の向こう側。そこに佇む彼女は問いかける。「君って恋したことがある?」と。押し問答をしているうちに、恋をしたことがないを彼女に悟られてしまう。「私と、恋をしよう?」主人公は断った。
「一つ、予言してあげる。きっと君は、私に恋をするよ」ちぐはぐな2人の物語が始まった。

<考察>本作における私の感想は「つかみが非常に上手」というものである。桜の木の下、テキストウィンドウのキャラクター名に「?」が表示され、突如意味不明な台詞が入る。この手法はKeyなど、様々なノベルゲームが使用してきたスタンダードなものである。しかし本作はその後の台詞が光る。「一つ、予言してあげる。きっと君は、私に恋をするよ」と謎の少女が語る。これによって、「この声の持ち主は誰なのか」「予言をできるような能力を持ったキャラクターが登場するのか」「はたまた、相手を惚れさせるような能力があるのか」「実際に主人公は恋をするのか」など様々な疑問がプレイヤーに浮かぶだろう。そのために続きを知りたいと思える。

14.『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか? Remaster』(Qruppo)
<あらすじ>身寄りのない淳之介と麻沙音の兄妹は、南の島「青藍島」へ向かう船にいた。かつて祖父が住んでいた家に移り住むのだ。しかしこの島には2人のいないうちに、新たな条例が施行されていた。
 条例により日本の一大観光地として一躍有名になった青藍島ではあるが、本島の常識は一切通じない。島民の洗脳と同調圧力は異常な光景を生み出していた。淳之介は仲間たちと島に抗う。

〈考察〉本作はQruppoブランドの初作であり、各種SNS、動画投稿サイトなどで大きな知名度を獲得した人気作品である。これらのマーケティングではシナリオや文学性を重視せず、テンポやギャグで構成された所謂「バカゲー」としてのイメージばかりが先行していたが、蓋を開けてみるとそうではなかった。
 本作は条例によって作り出されたマイノリティの立ち位置が主人公たちに与えられ、マジョリティの持つ強い圧力に抵抗する。このような構図がある。結果として確かに条例は廃止された。ただ本作はそのような単純な構造をしてはいない。
 条例は既に島の社会構造において大きな存在となっており、例を挙げると条例違反者を取り締まる組織は奨学金を受給している学生で構成されている。そのために主人公たちの反発は同世代の学生たちの人生さえも揺るがす脅威として描かれている。

15.『魔王さまといっしょ。~異世界の魔王とあまあま同棲生活~』(ボウサバG)
<あらすじ>ある夜、仕事帰りの主人公は家の近くで倒れている人を見つけた。彼女はケガをしているようだった。彼女には角がついており、言葉も全く通じない。
 救急車を呼ぼうと携帯をとりだしたところ、警戒されてしまったために仕方なく主人公は家に上げることにした。名前をジェスチャーで聞き出したところ「ヴァシュロニア」というそうだ。彼女はインターネットから恐ろしい速さで日本語を習得し、2日目には片言の日本語を話していた。
 彼女が日本語を流ちょうに話せるようになったころ、自らのことを説明しだした。彼女は魔法でこの世界に転移してきたのだという。魔界を統べていた魔王であるとも。

<考察>ヒロインとはまず言葉が通じない。これはノベルゲームにおいて、当然ながら致命的である。しかし彼女の行動が地の文や声で表現されているため、プレイヤーが読み取ろうとすればある程度は理解することができる。確かにこの通じない会話はもどかしい。それゆえに、伝わらなかった時の申し訳なさと伝わった時の楽しさがある。ただそれも、長く続きすぎて冗長にならないように彼女の学習能力が非常に高い設定になっている。
 本作は主人公が仕事から帰り、2人で夕食をとった後にプレイヤーが任意に行動できるようになる。雑談の項目ではいくつかの質問を投げかけるのだが、言葉が通じていなかった時には質問の糸が伝わらなかったり、警戒されてしまうことがあった。しかし日本語が通じるようになってから同じ質問を投げかけると、彼女は全く異なる回答をくれる。このような対照の際立つ演出はプレイヤーが彼女の成長を感じやすいだろう。
2024/11/05(火) 00:35 No.2071 EDIT DEL
宇都穂南 RES
3年 宇都
夏休み課題 1〜15

1.ルックバック/監督:押山清高(映画版)
学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の4コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう。
しかし、小学校卒業の日、教師に頼まれて京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで初めて対面した京本から「ずっとファンだった」と告げられる。
漫画を描くことを諦めるきっかけとなった京本と、今度は一緒に漫画を描き始めた藤野。二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思いだった。
しかしある日、すべてを打ち砕く事件が起きる…。

原作は藤本タツキの読切漫画。線を何度も重ねる特徴的な絵柄を映画では雰囲気そのままに表現しており、綺麗な線に整えて放送した同作者の『チェンソーマン』アニメ版とは全く違っていた。
京アニ事件を明確に匂わせる内容である。藤野は作中で京本が事件に巻き込まれなかった世界を妄想するが、結局はそれは幻想であり、事件が起こってしまった世界で漫画を描き続ける藤野の背中を写したところで映画は終わる。藤野と京本が名前からして作者の分身であろうことから、京アニ事件で作者が抱くことになった喪失感と、現在の作品づくりへの姿勢が表現されているのではないかと思った。

2.仄暗い水の底から/監督:中田秀夫
5歳の娘・郁子の親権をめぐって別れた夫と争っている松原淑美は、新しい就職先である出版社の近くにあるマンションへ引っ越す。はじめは快適そうに見えたマンション暮らしだが、大きくなる天井のシミや、上階の子どもの足音など、淑美の気にさわることが次第に増えていく。そんな中、淑美は真夜中にマンションの屋上にあがる郁子を目撃する。

古いホラー映画の画面は暗く画質が粗いので、現在の鮮明で明るい画面よりも雰囲気が作りやすい利点があったと思う。その暗いグレーがかったような画面の中で、赤いバッグが目を引き不気味な存在感があった。
この作品はホラー作品ではあるが、おそらく主題は母娘の絆である。母親を求める霊と、それを気の毒に思うのと娘を守りたい気持ちで霊についていくことを決心する母親が描かれる。
また終盤、エレベーターから大量の泥水が出てくるシーンは『シャイニング』のオマージュかもしれない。『シャイニング』に出てくるのは息子と母親の組み合わせだが、子どもを守ろうとする母親の強さが表現された作品という点で共通点がある。

3.クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記/監督:佐々木忍
現代に恐竜をよみがえらせた一大テーマパーク“ディノズアイランド”が東京にオープン。世はまさに恐篭フィーバー!しんのすけたちはその頃、シロが出会った小さな恐省“ナナ”と、特別な夏を過ごしていた。そんなナナを巡って、争奪戦がスタート!ディノズアイランドをオープンさせたバブル・オドロキーは、あの手この手でナナの居場所を探す。「ある秘密」がバレる前に……。

映画で登場させたキャラクターとは映画が終わるときに別れなければならないが、その手段として“死”が用いられていた。クレヨンしんちゃんの映画で人が死んだことは過去にもあったはずだが、一度は野原家に家族として迎え入れられた小さい生命体を最後に死なせることにかなり驚いた。
「承認欲求の暴走」や「支配してくる親からの自立」といった現代らしいテーマが取り上げられていたが、作品自体は様式美に則っており、あまり新しい展開はなかった。

4.レキシントンの幽霊/村上春樹
氷男は南極に戻り、獣はドアの隙間から忍び込む。幽霊たちはパーティに興じ、チョコレートは音もなく溶けてゆく。短篇七篇を収録。

なんとなく怖さを感じるような話を集めた短編集である。表題作「レキシントンの幽霊」には、「これは数年前に実際に起こったことである。」とあるが、村上は主人公と同じマサチューセッツ州ケンブリッジに住んでいたことがあるため、もしかすると本当に起こったことなのかもしれない。知人の家で泊まり込みの留守番をしていたら夜中に大勢の幽霊が現れパーティーをする音が聞こえたという話である。家の持ち主の台詞「つまりある種のものごとは、別のかたちをとるんだ。それは別のかたちをとらずにはいられないんだ」から、幽霊が出てきたときに姿を消していた、この家の寂しがりやの犬がその幽霊たちの正体だったのではと想像したが、想像の域を出ない。このような絶妙に考察しにくい話ばかりの短編集である。

5. 半神/萩尾望都
双子の姉妹ユージーとユーシー。神のいたずらで結びついた2人の身体。知性は姉のユージーに、美貌は妹のユーシーに。13歳のある日、ユージーは生きるためにユーシーを切り離す手術を決意した……。

わずか16ページの漫画だが、自分が切り離すことを決めた妹に自分の影を見るシーンには寒気がした。昔の少女漫画の繊細な絵がこの話にマッチしている。
姉妹間格差というものは二人姉妹の姉である私も意識して生きてきており、創作物では妹や末っ子の方が善人として描かれがちなことに疑問を持ってもいた。
ユージーは人生をユーシーの存在に制限され、負担に思っている。この問題は障害児・きょうだい児問題にそのまま繋がっているだろう。ユーシーを切り離したユージーが心安らかにすごせるようになるわけでもないというところが示唆的である。

6.おたんこナース/佐々木倫子
病院に勤務しはじめて5週間の新米看護婦・似鳥ユキエは、まだまだわからないことだらけ。にぎやかな性格の彼女だが、失敗と緊張の連続に涙することも。患者の前では笑顔をと心がけているユキエだが、どうしても相性の悪い患者が1人いる。それは、腸の病気で入院している高校3年生の男の子・三浦君。何かにつけて突っかかってくる彼と、なんとか心を通わそうとするユキエだが…

ジャンルはお仕事コメディ作品である。佐々木倫子の作品には破天荒な女性キャラクター(とそれに振り回される男性キャラクター)がつきもので、今作は主人公の似鳥ユキエがそのタイプである。ギャグシーンも多いが、専門的な内容を面白く紹介したり、患者から看護師への暴言、終末ケアの問題、尊厳の問題などを取り扱っている回もある。

7.ブルーホール/吉呑太雄
とあるマンションの部屋の一室に足を踏み入れた人間は、皆行方不明になっていった。
マンションの大家は、いま話題の「オカルト調査団」にその部屋の調査を依頼するのであった。

今作はYouTubeで見ることができる、自主制作ホラー映画である。
「先の見えないような暗闇」「大量の水」に対する根源的な恐怖感を煽るようなホラーだと思う。なぜマンションの一室が異世界への入り口になったのか、あの世界は何なのか、元の世界へ戻ってこられるのか、などは説明されず終わってしまう。多くの場合、規則性を見つけると物事の怖さは薄れるので、この部屋の理不尽さやわからなさが怖さに繋がっていると思う。


8.蠱毒(poison)/山河図
一人暮らしの山下の家に来た村井と、その友達の石森。次第に打ち解けていくようで、3人の会話にはずっとどこか違和感がある。石森は山下の秘密と村井の魂胆に気がついて__。

この作品もYouTubeで見ることができる自主制作ホラー映画である(現在は公開停止中)。会って少ししか経っていない女子同士の雰囲気ってこんなかんじだよね、と頷きながら観ていたら気持ち悪い空気感がそのまま延々と続く。おそらく内容としては、山下は頭部を欲する怪異、それを利用して石森を殺そうとする村井と、その魂胆に気がついて先に村井を殺してしまう石森、というよくあるホラー映画の流れであるが、この作品の気持ち悪さは映像から出ていると思う。話している人物の顔が影になっていたり、灰皿の上にいる虫を写し続けたりと画面が気持ち悪い。虫の映像はタイトル「蠱毒」にかかっていると思われ、さらに「蠱毒」と山下の言う「孤独」もかかっているはずである。

9.辺境・近境/村上春樹
久しぶりにリュックを肩にかけた。「うん、これだよ、この感じなんだ」めざすはモンゴル草原、北米横断、砂埃舞うメキシコの町……。NY郊外の超豪華コッテージに圧倒され、無人の島・からす島では虫の大群の大襲撃! 旅の最後は震災に見舞われた故郷・神戸。ジャンルは紀行文。

村上春樹の特徴的な文体は小説だから自然に馴染んでいるのかと思っていたが、紀行文でも不思議と馴染んでいる。紀行文なので初対面の人物を描写する場面が多々あり、それが多様で面白かった。松村映三氏の写真や、安西水丸氏の絵なども楽しめるし、うどんの食リポも読むことができる貴重な作品である。(ちなみに私はこの夏休みに、この本に出てくる神戸のピザ屋に行った)

10.富豪刑事/筒井康隆
キャデラックを乗り廻し、最高のハバナの葉巻をくゆらせた“富豪刑事"こと神戸大助が、迷宮入り寸前の五億円強奪事件を、密室殺人事件を、誘拐事件を……次々と解決してゆく。金を湯水のように使って。靴底をすり減らして聞き込みに歩く“刑事もの"の常識を逆転し、この世で万能の金の魔力を巧みに使ったさまざまなトリックを構成。SFの鬼才がまったく新しいミステリーに挑戦した傑作。

全4話が収録されている。第2話では登場人物が突如「こちら」を向いて読者に話しかける。そして話し終わるとまた向こうに向き直って話が進むというメタ的な展開がある。次の第3話では、途中から文章にA、A'、B、B'、…と記号がふられ、「この順番で読むと謎解きを楽しめる」「この順番で読むと時系列順に読める」と指定される。
終盤になるにつれ、登場人物や地の文(作者)のメタ発言が増えコメディ要素が強くなっていくなど、構成において随分と実験的な作品である。

11.狂つた一頁/衣笠貞之助 (サイレント映画)
妻子を顧みず、長い旅に出ていた船員の男。置いていかれた妻は精神に異常をきたし、閉鎖病棟に入っていた。彼は病院で小間使いとして働きながら、妻を見守る。そんなある日、結婚を控えた2人の娘が病院に訪ねてくる。男は隙をついて妻を逃がそうとするが、妻に抵抗されてしまう。ささやかな夢と悲しみにはさまれ、男は幻想を見るようになる。

サイレント映画を観慣れていないので、ストーリーを全く頭に入れずに観たところ解釈した内容と実際の内容が全く違った。
精神科の閉鎖病棟が舞台で、さまざまな患者が登場する。妻の隣の房で踊り続けている女の患者や、3人組の男の患者など、台詞がなくても鬼気迫る狂った演技が観ていて怖さを感じるほどである。男の幻想で、病棟の患者たちに笑いの能面をつけていくシーンがあったが、原作を書いた川端康成が撮影の際に急遽言い出したことであったらしい。原作小説も読んでみたい。

12. グスコーブドリの伝記/宮沢賢治
グスコーブドリはイーハトーブの森に暮らすきこりの息子として生まれた。冷害による飢饉で両親を失い、妹と生き別れ、工場に労働者として拾われるも火山噴火の影響で工場が閉鎖するなどといった苦難を経験するが、農業に携わったのち、クーボー大博士に出会い学問の道に入る。課程の修了後、彼はペンネン老技師のもとでイーハトーブ火山局の技師となり、噴火被害の軽減や人工降雨を利用した施肥などを実現させる。ところがイーハトーブはまたしても深刻な冷害に見舞われる。ブドリは火山を人工的に爆発させることで飢饉を回避する方法を提案する。しかし、クーボー博士の見積もりでは、その実行に際して誰か一人は噴火から逃げることができなかった。犠牲を覚悟したブドリは、止めようとするクーボー博士やペンネン老技師を冷静に説得し、最後の一人として火山に残った。ブドリが火山を爆発させると、冷害は食い止められ、イーハトーブは救われたのだった。

作品内ではたくさんの男性キャラクターが主人公ブドリを育てる。父親のグスコーナドリ、てぐす飼いの男、「赤ひげ」と呼ばれる農家の男、クーボー大博士、ペンネン技師など、実に多くの男性がブドリに知識と経験を授けている。それに対して女性キャラクターはそもそもあまり登場せず、妹のネリ以外名前も明かされない。母親の名前すら出てこないのである。農業に携わって苦労を重ねる男たちが1人の青年を育て上げ、飢饉を回避しました、というどこかスポ根魂を感じさせる作品だと感じた。

13.伊豆の踊子/川端康成
孤独や憂鬱な気分から逃れるため伊豆へ一人旅に出た青年が、修善寺、湯ヶ島、天城峠を越え湯ヶ野、下田に向かう旅芸人一座と道連れとなり、踊子の少女に淡い恋心を抱く旅情と哀歓の物語。

これは恋心を描いた作品なのだろうか。個人的には、悩みを抱えた一高生の主人公「私」が、茶屋の病気の爺さんや乞食のように言われる旅芸人一行、孫3人を連れて水戸へ帰る婆さんなどの、なんというか「リアルな」社会的弱者と接するというところが重要なのではないかと思った。

14.銀河鉄道の夜/宮沢賢治
気弱で孤独な少年ジョバンニと親友のカムパネルラは、銀河鉄道で天の川に沿って南十字へと向かう。この鉄道の不思議な乗客たちは、天上に向かう死者たちであった。死者たちの口からは「本当の幸い」について繰り返し語られ、ジョバンニもまた、何がみんなの本当の幸いなのかと考え始める。

ジョバンニが銀河鉄道に乗る前に、今日の分の牛乳をもらいに行ってくると言って家を出る。学校では天の川の授業をやっていたり、銀河鉄道の中ではカムパネルラと天の川を見る場面があったり、天の川(milky way、乳の川)と牛乳を掛けていると思われる。

15.星の王子さま/サン・テグジュペリ
操縦士の「ぼく」は、サハラ砂漠に不時着する。1週間分の水しかなく、周囲1000マイル以内に誰もいないであろう孤独で不安な夜を過ごした「ぼく」は、翌日1人の少年と出会う。話すうちに、少年がある小惑星からやってきた王子であることを「ぼく」は知る。

青空文庫(大久保ゆう訳)と集英社文庫(池澤夏樹訳)を読んだ。青空文庫はほとんどがひらがなで書かれたおそらく子供向けのもので、集英社文庫は大人が読みやすい訳になっている。
王子さまは、自分の小さな星に自分の大事な花を置いて旅をしていた。王子さまは砂漠の星空を見て「星がきれいなのは、見えないけれどどこかに花が1本あるからなんだ……」と言う。同様に、砂漠がきれいなのはどこかに井戸があるからだとも言う。この部分について、『天空の城ラピュタ』のエンディング曲「君をのせて」の一節、「あの地平線輝くのは どこかに君をかくしているから たくさんの灯がなつかしいのは あのどれかひとつに君がいるから」と同じ意味なのではないかと思った。
2024/10/23(水) 00:50 No.2070 EDIT DEL
3年 橋原 RES
夏休み課題1~30

1.『ディセンダント ライズ・オブ・レッド』(映画)
監督:ジェニファー・ファン
〈あらすじ〉かつてロスト島にその悪名を轟かせ、マレフィセントの娘・マルと敵対していたアースラの娘・ウーマ。時は流れ、オラドン高校の新校長となったウーマは、暴君として知られる恐ろしきヴィラン“ハートの女王”の娘・レッドを学校に迎えようと招待状を送る。ハートの女王はオラドン高校、そして特にシンデレラに対して積年の恨みがあり、娘がオラドン高校に通うことになったことをきっかけに、復讐を果たそうとクーデターを起こす。そんなさ中、レッドはシンデレラの娘クロエと共に過去にタイムスリップしてしまう。2人は協力して、過去の世界のまだ若きハートの女王を、悪の道に引きずり込むきっかけとなるトラウマ的な出来事を防ごうと奮闘する。

〈考察〉本作は『ディセンダント』シリーズの4作目になるが、続編発表が出た時から次回作のメインキャストはどうなるのか不安でもあり、予想がつかないという視聴者の声が多かったと考えられる。しかし今までのメインキャラクターたちはウーマ以外登場せず、新しいキャスト、キャラクターをメインにしていることで、これまでのシリーズのファンを極力悲しませることなく、新たなヴィランズの子供たちのストーリーを面白く展開させている。そして本作はミュージカルであるが、オープニング・ナンバーから掴みとして抜群なインパクトのあるかっこいい曲であり、主人公のキャラクター像も物語の世界観も冒頭から視聴者にわかりやすいものとしていると感じた。

2.『異世界スーサイド・スクワッド』(アニメ)
監督:長田絵里
犯罪都市、ゴッサム・シティ。A.R.G.U.S長官のアマンダ・ウォラーはある任務のため、ハーレイ・クイン、デッドショット、ピースメイカー、クレイフェイス、キング・シャークを招集。ゴッサムの悪党(ヴィラン)共が送りこまれたのは、ゲートによって繋がった剣と魔法の世界、オークが闊歩しドラゴンが空を翔ける"異世界=ISEKAI"だった。ISEKAI到着直後から暴走するハーレイ達だったが、王国の兵隊に捕まり監獄送りに。女王アルドラとの交渉の末、掴み取った解放の条件は敵対する帝国軍の征圧。自由を得るため、ハーレイ達はファンタスティックでデンジャラスな戦地へ向かう。命懸けのミッションを背負ったハーレイ達はこのISEKAIを生き抜くことができるのか。決死の特殊部隊=スーサイド・スクワッドのド派手な"暴"険譚が今、幕を開ける。

DCコミックスを原作とした、アメリカの映画でも有名な悪役たち、スーサイド・スクワッドがもしも異世界に行ったらというストーリーであり、原作や映画を好きな人には非常に面白い内容になっていると考える。また原作や映画をあまり知らない人でも、日本発のオリジナルアニメーションのため、楽しめる内容である。悪役だからこそ思いつく発想や困難の切り抜け方など、悪役というキャラクターの魅力が詰まっており、王道の正義を語るヒーローものでは味わえない面白さがあると感じた。しかし普段は悪役という立場ではあるのだが、本作では主人公として描かれていることやその性格も純粋さ故のものであり、また舞台が戦争中であることから、視聴者側からすると一概にどちらが悪で正義なのか分からないような、主人公たちがあまり悪役に見えないような部分があると感じた。

3.『杖と剣のウィストリア』(アニメ)
原作:大森藤ノ 作画:青井聖 監督:𠮷原達也
一人前の魔導士をめざして魔法学院に入学した少年ウィル。努力家の彼には魔導師として致命的な弱点があった。それは、“魔法がまったく使えない”こと。同級生や教師から冷たい視線を浴び、時にはくじけそうになりながらも、強い気持ちで邁進していくウィル。杖は使えなくとも剣を執り、魔法至上主義の世界で戦い抜く。自分だけに与えられた力を信じて。そして、大切な人との約束を守るために。

主人公が迫害を受けても諦めずに上を目指す理由は、ひとえに幼馴染への愛故のものであるのだが、それが傍から見たらふざけた理由に思えても決して軽い気持ちではなく、強く一途な思いである。そしてそれを貫き通すこと自体も主人公の愛の強さを物語っており、主人公の行動全てがその気持ちから来るものとして、その原動力とも言える思いがこの物語の根幹になっているのだと考える。またタイトルのウィストリアは魔剣譚という意味であるが、そこからも魔法と剣、すなわち杖と剣が交わる物語だということが分かる。そして主人公の名前ウィルと幼馴染の名前エルファリアの2人の名前が合わさったようでもあり、幼馴染のエルファリアは主人公と対称的に魔法の天才である。そのことからもこの物語が二人の魔法と剣の物語だということを強く表していると考える。またエンディングではエルファリアの気持ちを歌っているなど、主人公だけでなく幼馴染の気持ちも非常に強いというのがこの物語をさらに面白くさせており、物語が進むにつれ二人の愛の強さや、主人公の特殊性、杖と魔法2つが組み合わさることで得られる力などが分かっていき、その事もタイトルが物語を表しているのだと感じた。またバトルシーンなどの作画が非常に綺麗であり、そこがアニメ最大の魅力であると感じた。

4.『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』(アニメ)
原作:藤原ここあ 監督:大橋明代
悪の組織はあらゆるものを侵略し、あらゆるものを滅ぼす。残忍にして狡猾なその組織ブレーンには、王の片腕たる悪の参謀がいた。地上侵略の危機に立ち上がる、薄幸の魔法少女・白夜。しかし彼女と対峙した悪の参謀・ミラは、なんと白夜に一目ボレしてしまい。魔法少女と悪が敵対していたのは、かつての話。殺し愛わない、ふたりの行く末は?

原作は大体四コマ漫画ということもあってギャグ要素満載な話だが、悪の組織の幹部と魔法少女が惹かれ合っていく過程として、悪役が魔法少女を溺愛する中で今まで我慢して生きてきた魔法少女の本当の気持ちを引き出していくなど、相手を尊重する二人の優しい恋愛を描いている。また魔法少女を導く御使いというキャラクターが最もまともではなく、むしろ一番悪役なのではないかと思う場面もあり、ストーリーとしても読み応えがあると考える。そして魔法少女ということもあり変身シーンも可愛く、色彩も物語にあった薄い色合いでふわふわとした世界観が演出されていると感じた。

5.『デリコズ・ナーサリー』(アニメ)
原作:末満健一 監督:錦織博
名門デリコ家の貴族であり、将来を嘱望されている《血盟議会》のエリート議員 、ダリ・デリコ。吸血種たちの最高統治機関である《血盟議会》からある任務を命じられるものの、ダリはにべもなく断ってしまう。業を煮やした同期議員であるゲルハルト、ディーノ、エンリケが説得に向かうと、そこには自ら幼子をあやすダリの姿が。吸血種の貴族たちによるノブレス・オブリージュ育児奮闘記。高貴なる貴族の吸血種たちが我が子の《育児》に奮闘する裏で、伝説の吸血種《TRUMP》に纏わる怪しい陰謀が渦巻く。2009年に劇作家・末満健一によって上演されたオリジナル演劇作品『TRUMP』。その『TRUMPシリーズ』の新たな展開として描かれる完全新作TVアニメーション。

演劇を原作とする作品であることも珍しく、本編の演劇シリーズでは吸血鬼たちの辛く悲しい物語ではあるのだが、本作はその間の唯一息抜きができるような作品として知られている。本作はその点からも高貴な吸血鬼達による育児の奮闘物語としても吸血鬼を取り巻いた陰謀渦巻くストーリーとしてもどちらの観点からでも見所がある作品だと考える。しかしやはり一番の魅力は、序盤の無邪気な可愛い子供たちとその子供たちに狼狽える父親たちであり、見ていて癒されると感じた。また本作の続編の物語である漫画『TRUMP』を読んだことがある人は、本作の子供時代と漫画本編のギャップに悩まされ、本当にこれからあの未来が来るのか、パラレルワールドであって欲しいなどという複雑な心境になり、見ていて辛くなるだろうと感じた。それ故に漫画の結末を知っている人から見ると、救いでもあると同時に救いのない絶望が襲ってくる作品でもある。

6.『TRUMP』(漫画)
原作:末満健一 漫画:はまぐり
吸血種<ヴァンプ>と人間の血が流れる少年ソフィは、養護院からクランと呼ばれる施設へと入所した。そこは繭期――人間でいうところの思春期を迎えた吸血種の少年たちが集う学園。周囲の吸血種から冷ややかな目で迎えられる中、ソフィはある一人の少年と運命的な出会いを果たす。劇作家・末満健一の人気シリーズの原点となる物語をコミック化。繊細かつ多感な少年たちの葛藤を美しく紡ぎ出すゴシック学園ファンタジー。

 本作は前述したアニメ『デリコズ・ナーサリー』と繋がっており、本作を読む前に、本作の過去の物語であるアニメを見ると可愛かった子達の成長した姿にまず驚かされ、バッドエンドともとれる結末になんとも言えない辛い気持ちに襲われること間違いなしだろう。しかし本作を見てからアニメを見ても複雑な心境になることは間違いないのでどちらを先に見た方がいいのかは答えが出ないと考える。本作での登場人物たちの関係性はあまり良い関係性と言えないため、アニメで改善されたのではなかったのか、なぜこうなってしまったのかという疑問が尽きなく、アニメの後何があったのかと非常に気になるものがある。そのため本作の前の話をいずれ漫画で見てみたいという気持ちや、他の演劇作品も漫画化やアニメ化して欲しいという気持ちに読者はなるだろうと感じた。そして結末がハッピーエンドとは言えないため、そのことからも原作である演劇作品が非常に重い話であることが伝わる。

7.『FAIRY TAIL 100年クエスト』(アニメ)
原作:真島ヒロ 漫画:上田敦夫 総監督:石平信司
フィオーレ王国随一で、お騒がせ魔導士ギルドとしても有名な「妖精の尻尾フェアリーテイル」。そこに所属するナツ・ルーシィ・ハッピー・グレイ・エルザ・ウェンディ・シャルルの最強パーティーは、旅立ちの時を迎えようとしていた。目指す先は遥か北の大地・ギルティナにあるという世界最古の魔導士ギルド「魔陣の竜マギア・ドラゴン」。魔導士ゼレフや黒竜アクノロギアとの死闘を乗り越えたナツたちが次に挑むのは、<S級クエスト>の更に上級である100年以上誰も成し遂げたことがないと言われる伝説級の難関依頼、<100年クエスト>。『FAIRY TAIL』の最終話からそのまま続く、正統続編。心躍る新たな大冒険が再び幕を開ける。

『FAIRY TAIL』の正統続編ということもあり、本編でナツが挑戦したがっていた100年クエストに挑むという内容とそのアニメ化というのがまず視聴者からは非常に嬉しいと考える。本作でも本編のキャラの気になっていたその後などを知ることができ、報われなかったキャラ達が報われていくところを見られて気分も晴れるだろう。特に11話に登場したゼレフとメイビス、その子供たちは全視聴者が感動し、ナツの想像の中だとしても嬉しい限りだろうと感じた。このような本編で晴れなかった気持ちも続編ということで晴れさせてくれ、しかも漫画では真島ヒロ先生が描いていないもののアニメでは今までのシリーズと何も変わらない為、正統続編であることが身に染みて分かることが本作の最大の魅力であると考える。

8.『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』(アニメ)
原作:燦々SUN 監督:伊藤良太
久世政近の隣の席に座るアーリャさんは、いつも彼に対して冷ややかな目線を向けている。けれど、時々ボソッとロシア語で彼にデレていて……。その言葉を政近も聞き逃しはしない。なんと、政近はロシア語のリスニングがネイティブレベルだったのだ。気付いていないと思い込み、時々デレるアーリャさん。そして、その意味を理解しながらも、気付いていないような振りをする政近。ニヤニヤが止まらない、二人の恋模様の行方は。

 普通のラブコメにも見えるのだが、物語が進むにつれ政近の秘密やチートぶりが顕になっていくところがより一層ストーリーに引き込ませると感じた。しかしやはり根本はラブコメであるというところも面白く、政近とその周りのヒロインたちとの絡みが王道で面白いと感じさせる。そして一見強力なライバルでありヒロインに見える周防有希が実は政近の実妹であるという設定は、作者自身最初兄妹設定は無かったがあまりにも負けヒロインすぎて可哀想だから実妹にしたと語っており、その設定が物語を広げ最も面白くさせていると考える。原作でも人気の場面である11話の政近の表情が映像で見られたことで、政近と有希の似ている兄妹としての部分がより分かりやすくなっており、アニメでもより視聴者を興奮させる演出が多いと感じた。またエンディングが1話ごとに代わり、アーリャ役の声優による有名曲のカバーであることも面白く、話ごとに合っている選曲でもある。

9.『俺は全てを【パリイ】する』(漫画)
原作:鍋敷、カワグチ 漫画:KRSG
世界をめぐり、怪物と戦い、人々を守る。そんな冒険者に憧れる少年・ノールに下されたのは、「全てにおいて、一切の才能がない」という残酷な判定だった。でも才能がないなら、誰よりも努力すればいい!身につけた最低スキル──攻撃を弾く【パリイ】を十数年もの間ひたすら磨き続け、ついには千の剣を弾けるように成長する。しかし、どれほど極めても最低スキルだけでは冒険者にはなれず、ノールはいつの間にか世界最強クラスの力を手にしながらもそれを自覚することもなく、街の雑用をこなす日々をおくっていた。そんなある日、
魔物に襲われている王女・リーンを偶然助けたことで、ノールの運命の歯車は思わぬ方向へと回り出す。

主人公が無自覚に無双していくという小説家になろう王道のバトルファンタジーものであるが、主人公の強さは努力を積み重ねてきたものであり、強さを威張らないというような純粋さ故のものであったりするため、最強主人公に対し嫌悪感を抱くこともあまりないと思われる。またこれまで主人公が行ってきた各分野の修行の師匠がそれぞれのプロフェッショナルであり、それぞれのキャラが主人公のことを絶賛していることや主人公は冒険者界隈において伝説になっていること、主人公が自分の規格外の強さについて全く知らないというところが早く気づいて欲しいと読者に強く思わせていると感じ、物語の続きを気にならせる工夫だと考える。

10.『僕のヒーローアカデミアTHE MOVIEユアネクスト』(映画)
原作:堀越耕平 監督:岡村天斎
ヒーロー対ヴィランの最終決戦直前の完全新作オリジナルストーリー。全面戦争の影響で荒廃した日本に、突如現れた謎の男。出久たちに対して、自らを【オールマイトに代わる新たな象徴】と称し、「次は俺だ!」と高らかに宣言するその男の名は、ダークマイト。姿形はオールマイトそっくりだが、その思想は全く違い、自身の野望ために“個性”で作り出した巨大な要塞に人々を次々と取り込んでいく。出久や爆豪、轟たち雄英高校1年A組は、ダークマイトと、彼が率いる謎の犯罪組織“ゴリーニ・ファミリー”に果敢に立ち向かっていく。果たして、【新たな象徴】ダークマイトの野望を阻止し、世界を守ることができるのか。

 原作の決戦の最中に起きた話として映画を繋げるのが上手いと感じた。本作の映画の中でも燈矢や初代が登場し、原作勢も興奮するような感動場面が散りばめられていたと考える。また今回もオリジナルキャラクターが素晴らしく、毎回劇場版に登場するキャラクターは惹かれるものがあり劇場版の魅力である。そして最後には劇場版の続きもしくは原作、アニメの続きを思わせるような描写があり、もし劇場版の続きであったのなら原作が完結した今次は何をするのかなど視聴者をより一層楽しみにさせる演出だと感じた。

11.『刻刻』(アニメ)
原作:堀尾省太 監督:大橋誉志光
佑河家に代々伝わる止界術。止界術を使うと、森羅万象が止まった“止界”に入る事が出来る。ある日、主人公樹里の甥と兄が、誘拐犯にさらわれてしまう。救出の為にやむを得ず“止界術”を使うが、そこにいるはずのない自分以外の“動く”人間たちに急襲される。彼らは、止界術を崇める「真純実愛会」。止界術を使用する際に必要な“石”をめぐり、止界の謎、佑河家の謎が徐々に解明されてゆく。

一家に伝わる止界術という特別な術で無双していくような話かと思ったが、1話からその術を破るものたちが現れいきなり戦いになり、午後6時29分からずっと変わらずその時間が繰り返されるという予想できないストーリー展開が魅力であると考える。また登場人物たちもそれぞれ個性的であり、一家の中で特別な力を持つものが力を駆使し突破していくところなど魅力が多い作品である。そして冒頭のシーンが最後に繋がるところがなるほどと言わせるような構成である。また本作ホームページに時計が着いている演出が時を司る話として非常に面白い演出だと感じた。

12.『毒を喰らわば皿まで』(漫画)
原作:十河 漫画:戸帳さわ
竜の恩恵を受けるパルセミス王国。その国の悪の宰相アンドリムは、娘が王太子に婚約破棄されたことで前世を思い出す。同時に、ここが前世で流行していた乙女ゲームの世界であること、娘は最後に王太子に処刑される悪役令嬢で、自分は彼女と共に身を滅ぼされる運命にあることに気が付いた。そんなことは許せないと、アンドリムは姦計をめぐらせ王太子側の人間であるゲームの攻略対象達を陥れていく。ついには、ライバルでもあった清廉な騎士団長を自身の魅力で籠絡していく。

単なる悪役令嬢系異世界転生ものという訳ではなく、悪役令嬢の父親が主人公であり、そして前世を思い出したから性格が変わるということもなく、ゲームの中の悪役という立場から一切変わらずに、非常に頭が切れる冷酷非道な人物として振舞っていることが特徴である。徐々に良い人物に見えていくがそれすらも計画など、一貫して悪役としての考え方などもぶれず、全てにおいて冷静に物事を判断し、様々な策略を巡らせ、結果的には全て主人公の掌の上という点が本作の最大の魅力である。そして原作も分かりやすく面白いのだが、漫画の美しい繊細な絵で描くことで、綿密に考え込まれた世界観や主人公の美しい悪役としての人物像をより魅力的に演出しており、登場人物や物語の魅力が漫画になることでより一層高まっていると考える。

13.『松かげに憩う』(漫画)
原作:雨瀬シオリ
描かれるのは、幕末の器才・吉田松陰。幕末という狂乱の時代の中で、教育とは何か、人とはどう生きるべきなのかを説く。今まで描かれていなかった伊藤博文のやりのこした想い。高杉晋作がなぜ、狂乱のカリスマとなれたのか。そして、なぜ吉田松陰という幕府転覆の核が生まれ、その男の目に日本の未来がどう映っていたのか。全日本人必読の美麗ヒストリーコミック。時代を越えて“狂”のレクイエムが鳴る。

吉田松陰と伊藤博文や高杉晋作などの背景を細かく描いており、歴史の勉強にもなる作品である。また作者の絵の雰囲気によって、当時の時代の世界観などを重厚かつリアル描き出しており、作者の絵が作品に非常に合っていると感じた。吉田松陰という人物が最期なぜああなったのかという部分を、正義感が強く、頭が良く人一倍未来が見通せたが故に見過ごせなかったというような人柄、それに伴う過去、教え子たちなどの関係のある事柄と、一人の人間の中にある狂気の部分を魅力的に描き、それらを丁寧に紐解いていくことで繋がるストーリーが惹かれ、面白いと考える。そして本作からは吉田松陰への尊敬と畏敬の念が伝わるようであり、まさに吉田松陰へのレクイエムであると感じた。

14.『結ばる焼け跡』(漫画)
原作:雨瀬シオリ
昭和20年、上野。終戦直後の焼け跡で、全てを失った者達の魂が爆ぜる。自分以外の家族を失った戦争孤児・兼吉は、絶望の中でもがき続ける。だが謎の青年・金井田との出会いが、少年の心を解きほぐし…?

戦後の日本を舞台として、戦後の人々の暮らしなど悲惨な現状を如実に描きながらも、あったかもしれないフィクションのような過去を持つ金井田という主人公を登場させることで、フィクションとノンフィクションが上手く混ざりあった作品になっていると感じた。しかし実際金井田のような人物がいてもおかしくないため、過去に日本でこんなことがあったと戦後という時代をリアルに描いている作品でもある。また金井田と最初に出会った兼吉の二人の絆の深さやお互いに心から大切に思っているという描写が回を追うごとに描かれ、非常に感動すると感じた。

15.『しょせん他人事ですから』(漫画)
原作:左藤真通 作画:富士屋カツヒト
ネット炎上・SNSトラブルに遭ったことはありますか。誹謗中傷を受けた女性が出会った弁護士はネット案件に強いようだけど、だいぶ変わり者…?誰もが今日にも被害者に、そして加害者になる、現代の闇!他人事ではいられない誹謗中傷&情報開示請求のリアルドラマが幕開け。

誰もが被害者になり加害者にもなるという現代のネットトラブルの闇をリアルに細かく描いており、現代の人々が必読した方が良い非常に勉強になる作品である。SNSで顔が見えないからと言って、誹謗中傷やその記事をリポストしただけでも身元を割り出すことも訴えることもでき、些細なことで他人や自分の人生を狂わせてしまうという現実を突きつけられ、見えないことで他人を時に面白半分に時に深く考えずに叩くという人間の恐ろしさも知れる作品だと感じた。

16.『赤と白のロイヤルブルー』(映画)
原作:ケイシー・マクイストン 監督:マシュー・ロペス
ケイシー・マクイストンの同名ベストセラー小説を映画化し、アメリカ大統領の息子とイギリスの王子の恋の行方を描いたロマンティックコメディ。アメリカ初の女性大統領の息子アレックスとイギリスのヘンリー王子は、ともに端正なルックスとカリスマ性を兼ね備え国際的な人気を集めていたが、互いのことを軽蔑しあっていた。ある日、王室行事での2人の口論がタブロイド紙で大きく報じられ、米英関係に亀裂が入りそうになってしまう。事態の修復を図る関係者たちは2人を強制的に仲直りさせ、やがて両者の間には思わぬ友情が芽生えはじめる。

アメリカ大統領の息子とイギリスの王子の恋という物語の設定からも面白さが伝わる作品であると考える。立場ある二人の美しい青年の美しい恋を美しい映像で見ることができ、キャストやストーリーの素晴らしさを身に染みて感じた作品であった。また本作のキャラクターのインスタグラムのアカウントがあることが、二人が現実世界にいると視聴者に錯覚させ喜ばせる演出であり、制作側の非常に粋な視聴者への心遣いだと感じた。

17.『逃げ上手の若君』(漫画)
原作:松井優征
1333年、鎌倉。幕府の後継として生きるはずだった少年・北条時行は突然の謀反で故郷も家族も全て失う。しかし時行は、生き延びることに関しては誰よりも秀でていた。信濃国の神官・諏訪頼重に誘われ、少年は逃げて英雄になる道を歩み始めた。史実を描く逃亡譚。

中先代の乱で知られる北条時行にスポットを当てた作品として、詳しく描かれており、歴史好きの人にもそうでない人にも面白く分かりやすく読めて学べる物語だと考える。史実を元にしているため知っている偉人の名前が出る度に興奮し、その一人一人についても詳しく、その時代の思考も特徴も学ぶことが出来る。教科書では数行で終わってしまう間に、北条時行という人物がその周りの何人もの人達が力強く生き抜き死んでいった事実があったのだと再確認させられるような作品でもある。また前半の舞台である長野県の諏訪大社は、個人的によく訪れる馴染みの場所でもあり嬉しく感じた。そして今期のアニメとしても非常に評価が高く人気になる作品だと考えるため、本作の影響で諏訪大社に訪れる人が今後多くなるのではと考える。

18.『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(ドラマ)
原作:宮木あや子 脚本:中谷まゆみ/川﨑いづみ
おしゃれ大好き!スーパーポジティブ!河野悦子は、夢のファッション誌編集者を目指し、出版社に入社。なのに、配属されたのは、超地味な校閲部。しかし、夢を諦めずに地味な仕事でも真っ向勝負。時には、矛盾点を作家に訴え内容を大幅に変更させるなど校閲の仕事を超えて大暴れ!今日も、ド派手ファッションという戦闘服に身を包み、校閲の仕事に立ち向かう!夢を叶えた人にも、まだ叶えていない人にもエールを送るお仕事ドラマ。

出版社の校閲部という仕事に焦点を当てており、このドラマで校閲という存在を知った人も多いだろう。主人公の河野悦子という人物から、夢を諦めないこと、たとえ望んでいなかった仕事だとしてもその仕事の楽しさは自分次第で決まるということが強く分かる作品だと感じた。また編集者、出版社、作家、それぞれについても詳しくなり、校閲という仕事の面白さが全面に描かれていることが魅力だと考える。そして河野悦子の毎話のファッションも非常にオシャレで可愛いことから、視聴者の気分が上がると共に、たとえ地味な仕事でも何の服を着てもいい、仕事へのやる気は自分で決めるという河野悦子の人柄が表されていると感じた。

19.『ACCA13区監察課P.S.』(漫画)
原作:オノ・ナツメ
 組織に生きる男たちが泡沫に隠してしまうもの。古い約束、人知れぬ信念、大切な存在。ACCA5長官として組織をけん引した彼らは、何を思い、あの場所にいたのか。「ACCA」本編に隠された思いがにじみ出す過去編。

 本作は『ACCA13区監察課』の外伝作品であり、本編の最中それぞれの登場人物は何があったのか、どんな思惑が交錯していたのかが描かれている物語である。本作を読むことで本編への理解度も面白さも高まるので、本編を読んだことがある人は必ず読んだ方が良いと感じた。本編では描かれなかった主人公ではない五長官たちなどのサイドストーリーを知ることで、各キャラクターへの好感度も上がると考える。

20.『うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE1000%』(アニメ)
原作:紅ノ月歌音、ブロッコリー 監督:紅優
超人気アイドル「HAYATO」に憧れ、 作曲家を夢見た少女・七海春歌は念願叶って競争率200倍の芸能専門学校「早乙女学園」作曲家コースに入学。春歌の前に現れるのは、アイドルを夢見るまばゆき6人のプリンスたち。数々の試練も訪れる春歌と麗しきうたのプリンスたちのドキドキ青春ラブコメディ。2010年6月にPSPゲームソフトとして登場した人気ゲームのアニメ第1弾。

 タイトルやキャラクターは少し知っていたものの、ストーリーなどは詳しく知らなかっため、本作で6人のアイドルグループ誕生に繋がる過程などを知った時は感動した。またアイドルとプレイヤーというゲームコンテンツの古参の作品でもあるが、似たようなコンテンツとして『あんさんぶるスターズ!!』や『アイドリッシュセブン』などが挙げられ、本作ではキャラクターほぼ全員が主人公に明らかな恋愛感情を抱いているという点が最近の似たゲームコンテンツとの最大の違いではないかと考える。そして魔法などのファンタジー要素も登場し、主人公とアイドルたちの歌によって繋がる強い絆を描く上で空中を周りながら飛ぶなどの演出があり、ツッコミどころも満載な作品であるのでストーリーでも演出でも視聴者を楽しませる部分が多いと感じた。

21.『A3!ACT4第14幕、第15幕』(ゲーム)
シナリオ:トム 開発:リベル・エンタテインメント
第四部では新生フルール賞の概要が発表され、MANKAIカンパニーもその新たな仕組みに翻弄されることになる。そしてMANKAIカンパニーでは無事に春組第十一回公演を終え、新生フルール賞のランキングも着実と上がっていく。第14幕では春組から繋いだバトンを夏組が受け継ぎ、第十一回公演『Water me!!〜333年の約束〜』を、第15幕では秋組が『ピカレスク・リターンズ』を上演する。

第14幕、第15幕では夏組と秋組が第十一回公演を公演したが、春組同様旗揚げ公演の続編である。旗揚げ公演の続編であることはやはり視聴者に感慨深さを感じさせるものであるが、ストーリーもまたそれぞれの団員の新たな挑戦と旅立ちを描いており、挑戦したことで得られた経験と思いを糧に公演を一段と素晴らしくさせている。そして新フルール賞へ向けて本気で向かっているみんなの熱量を感じさせるストーリーであった。いつか見て想像した二次創作かと見紛う程の興奮するような内容であり、新キャラクターと団員たちとの掛け合いなどもまた視聴者を楽しませる内容だと感じた。総じて各キャラクターの成長が描かれ、旗揚げ公演からの成長をひしひしと感じ取ることができ感動すると共に、視聴者もカンパニーも次の第16幕へ向けて冬組の舞台が整った万全の状態であると考える。それ故に次の冬組の公演が非常に楽しみであり、現在は視聴者全体の期待が高まっている状態だと感じた。

22.『ディズニー ツイステッドワンダーランド 1~7章chapter10』(ゲーム)
シナリオ:枢やな 開発:f4samurai
この物語が描くのは、「悪役たち(ヴィランズ)」の真の姿。魔法の鏡に導かれ、異世界「ツイステッドワンダーランド」に召喚されてしまった主人公。辿り着いた先は名門魔法士養成学校「ナイトレイブンカレッジ」。行く当てのない主人公は、仮面の学園長の保護を受け、
元の世界へ帰る方法を探し始める。しかし、そこで待ち受けていた生徒たちは、才能豊かだが、協調性皆無の問題児ばかりだった!はたして主人公は、彼らと協力し、元の世界へ帰ることができるのか?そして、ヴィランズの魂を持つ、生徒たちの秘密とは?ディズニー公式が送る、リズムとバトルで紡ぐディズニーヴィランズ学園アドベンチャーゲーム。

協力がウォルト・ディズニー・ジャパンという強力な布陣であり、ストーリーもディズニーの作品、キャラクターの設定が細かく反映されているためディズニー好きにはたまらない作品だろうと考える。また原案・メインシナリオ・キャラクターデザインを『黒執事』の枢やな先生が担当しており、キャラクターデザインが作品をより引き立てている非常に魅力的な作品である。そして設定の細かさもさることながら、それに伴う伏線も豊富であり、ストーリーに漂う不穏さとストーリー展開の面白さが尋常ではなく、さすが枢やな先生と言わざるを得ない。現在7章chapter10まで進んでいるが、ここからの展開とまだ登場していないヴィランズの登場、4年生たちなど解明されていない部分がまだ多くあるので、これからの展開も期待が尽きない。また学園は男子校であるのだが、主人公である監督生が女性であるか男性だと思うかによって解釈なども変わってくると感じた。ゲームをプレイしている人は恐らく女性が多いため、女性だと考える人も多いが単純に男子である可能性も高い。ゲームでは明確になっておらず、コミックス版では章ごとに主人公が変わりどちらもいるなど、プレイヤーの期待を裏切らないような配慮がされていると考える。そして今までのストーリーを振り返り、やはり2章にはオーバーブロットなどの謎が多いと感じ、ハーツラビュル寮も謎が多いため、これから描かれる7章で何か繋がって来るのでは、何か明かされるのではという期待が高まっている。

23.『ヒプノシスマイクJust Friend、Not For You』(ドラマトラック)
原作:KING RECORDS
2017年9月に始動した音楽原作キャラクターラッププロジェクト“ヒプノシスマイグ”。
ラップミュージックには、日本のヒップホップシーンを牽引するラッパー・トラックメーカーがクリエイターとして参加。キャラクター性の強い音楽と、物語性の強い音声ドラマを原作として、コミック、ゲームアプリなど様々なメディアミックスを行う。時はH歴。人の精神に干渉する特殊なマイク「ヒプノシスマイク」の登場により、戦争は根絶された。女性党首率いる“言の葉党”が政権を握り、言葉の力が武力に取って代わった世界で、男たちはラップで優劣を決するようになった。イケブクロ・ディビジョン、ヨコハマ・ディビジョン、シブヤ・ディビジョン、シンジュク・ディビジョン、オオサカ・ディビジョン、ナゴヤ・ディビジョンの6つのMCグループによる男たちの威信をかけたラップバトルが始まる。その後言の葉党が失墜するという事態が起きたものの、目前に第3回ディビジョンラップバトルを控えた各々の、過去のしがらみやバトルに向ける真意が明かされていく。

 本作はシブヤとシンジュク・ディビジョンの最新ドラマトラックであり、言の葉党の失墜後と第3回ディビジョンラップバトルを控えた状況のそれぞれのディビジョンのストーリーが描かれている。シブヤでは、帝統の母親の正体を仲間に明かし、また幻太郎の兄が登場するというそれぞれの家族の真実が明らかとなったが、ここに来ての幻太郎が兄になりすましていたことなど、仲間へ真実が露見することが描かれ、待ち望んだ展開と驚くべき真実に視聴者は非常に感慨深かったと思われる。そして幻太郎と兄の関係性に『あんさんぶるスターズ!!』のHiMERUと要が思い浮かんだ人も多いと考える。シンジュクでは一二三の仄仄との過去が明かされ、今までも少しずつ語られてきたことで辛い過去だということは分かっていたが、やはり予想通りの酷い仕打ちであり、それでも仄仄のことを理解したいと願う一二三になんて優しい人物なのかと一二三の凄さを実感する内容であった。しかし一二三には自分だけだと思わせたかった仄仄だが、一二三の一番傍にいる独歩を篭絡できなかったことが仄仄の最大の失敗であり、一二三が倒れなかった理由であることが挙げられ、独歩と一二三の絆の強さも再確認された内容だと感じた。

24.『地面師たち』(ドラマ)
原作:新庄耕 監督:大根仁
 土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る不動産をめぐる詐欺を行う「地面師」の犯罪を描く。2017年に実際に起きた被害額約55億円に上る「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルとしている。100億円の市場価値を持つ希少な土地に目をつけた地面師詐欺集団は、あらゆる手段を使って前代未聞の巨額詐欺を成功させようとする。

地面師という詐欺グループの話で実際に起きた事件を元にしており、内容もNetflixだからできる地上波ではできないような攻めた内容であったと考える。各話の中に「辰年」や「ピーコック」、あの女抱けるかなど同じフレーズが度々登場し、言葉が往復している。それが後にもまた語られ、同じような場面に繋がっているため、前の会話の中に伏線が多く張られていると感じた。

25.『双星の陰陽師』(漫画)
原作:助野嘉昭
少年陰陽師焔魔堂ろくろはトラウマから夢を諦め漫然と日々を過ごしていた。ある日突然少女陰陽師化野紅緒と共に陰陽頭土御門有馬に「双星の陰陽師」の称号を与えられる。「双星」の役割とは人類の宿敵「ケガレ」との戦いに終焉を齎す「神子」を生むべく、夫婦になることだった。2人は反発するが共に過ごすうちに互いのトラウマを乗り越え、絆を深めていく。

本作は10年もの連載を経て最近完結したのだが、小学生の頃から読み続けてきた身として10年共に育ってきた身として非常に感慨深いものがあった。ケガレを無くすために神子を産むことを目的としていた本作だが、最終的にその目的を成し遂げるという終わり方が非常に綺麗であったと考える。ろくろと紅緒が、陰陽師が、ケガレ達が夢見た世界へと根本から解決していくという過程が、途中紆余曲折あったもののまとまった完結となり、最初のろくろの目標から一切変わらずに進んできたというのが伝わる内容である。

26.『推しの子』(アニメ)
原作:赤坂アカ 作画:横槍メンゴ 監督:平牧大輔
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」地方都市で、産婦人科医として働くゴロー。芸能界とは無縁の日々。一方、彼の“推し”のアイドル・星野アイは、スターダムを上り始めていた。そんな二人が“最悪”の出会いを果たし、運命が動き出す。ゴローが死後に前世の記憶を持ったまま、推していたアイドルの子供に生まれ変わる転生もの。

ファンタジー設定でありながらもサスペンスや芸能界の闇をリアルに描き出していることが本作の特徴であり、引き込まれる内容である。アニメになったことで、誰かの憧れや火をつける原動力になる時の人物の目の輝き、誰かにとっての星になる時の演出が非常に綺麗に描かれており、圧倒的だと感じた。また2期の舞台編では、役柄と演者が混じり合う演出が素晴らしいと考える。

27.『ファミレス行こ。』(漫画)
原作:和山やま
あの「地獄のカラオケ大会」から4年。大学1年生の岡聡実は、東京で「普通の大人」になるべく学業に勤しんでいた。しかし、ひょんな出来事から始めた、深夜のファミレスのアルバイトをきっかけに奇妙な縁は、再びめぐり始める。バイト先のファミレスに現れるマンガ家・北条先生、マンガオタクでバイトの先輩・森田さん、そして、あの夏の日に出会ったヤクザ・成田狂児など、個性豊かなメンツが聡実くんの日常に関わってきて。『カラオケ行こ!』のその後を描く続編。

 同作家『カラオケ行こ!』の続編であり、読者は非常に待ち望んだ作品であったと考える。前作では中学生だった岡聡美が大学生になった内容であり、前作のラストから繋がっている。前作同様面白さはそのままに、また聡美と狂児のふたりの掛け合いが見られることは大変喜ばしいことである。しかし徐々に二人の関係性に少しずつ変化が訪れ、特に最新話の12話では二人の間に少し波紋が広がるという最高な展開に読者は胸が張り裂けそうなほど悶えることになるだろうと感じた。

28.『忘れ得ぬ貴方との邂逅』(漫画)
原作:Nichtigall 作画:Ganno
 仮面が半分に割れ、この世のものとは思えない彫刻のような顔が現れた。しかし、賛嘆してやまない美男子を前に、芮康吾の表情は徐々に崩れ落ちた。あの顔が見分けられないはずがなかった。「あなただったのですか…?」黒天主の末弟子が敬愛し、恋慕してやまない男。行方不明になったと思われていた白羅宮主がそこにいた。

1話が未来の話だとしてすぐに2話から過去の話へと飛ぶのだが、過去からどうやって1話の冒頭に繋がるのか、それをそれより以前の過去の話も絡めながら繋がっていくという内容であり、それぞれの登場人物の心情や関係、思惑に目が離せないと考える。白羅宮主が何を思って耐え難い扱いに耐えてきたのか、なんのために顔を焼き身分を捨てたのか、何を一番大切に考えているかなど徐々に明かされていくストーリー展開に感動する。またその父親や母親についての真実も未だ明かされておらず、これからまた何があって1話に繋がるのか非常に楽しみな作品であると感じた。

29.『魔王と勇者の戦いの裏で』(漫画)
原作:涼樹悠樹 漫画:葦尾乱平
やがて世界は勇者マゼルと魔王の戦いにより命運を決する。そんなRPGのゲーム世界に貴族の子息として転生したヴェルナー。スキルは『槍術』と平凡で、紛うこと無くモブキャラであった。このままではモブとして死を待つだけ……そう判断したヴェルナーは悲劇を回避するため、生き残る術を模索し始める。頼みは、勇者と築いた友情と前世の知識と知恵のみ。伝説の裏側で奮闘する凡人の本格戦記ファンタジー。

主人公はゲーム世界のモブキャラクターに転生したのだが、元々生き抜こうと努力していたところを勇者と親友になったことをきっかけに、ただのモブでは無い重要人物として世界の平和を目指す一端になり活躍していくというストーリーが単純に面白い。主人公は謙遜しているものの頭が良く、私利私欲に走らず、冷静にひたむきに努力を重ねていく性格であり、こういう系統の話では珍しく、主人公に非常に好感が持てる作品だと考える。また主人公と勇者の友情にも感動し、ゲームでは語られない世界で、魔王と勇者の戦いの裏で、何があったのか、主人公は何をしたのかと語られていく物語構成に惹かれるものがあると感じた。

30.『たまのこしいれ ―アシガールEDO―』(漫画)
原作:森本梢子
 江戸時代にタイムスリップし、気づけば大名家にお輿入れしてしまった令和の17歳、速川月。夫となる病弱な志喜家嫡男・晴貴が実は毒を盛られているらしいと知り、現代に連れ帰り病気を治そうと隠密作戦を決行するが――!? 少しずつ近づくふたりの距離。ときめきはもう止まらない!?『アシガール』と同じ世界観と、その後を描く物語。

 本作は同作家『アシガール』のスピンオフ兼続編であり、主人公の月は『アシガール』に登場した主人公の弟・尊の娘である。『アシガール』を読んでいた読者にとっては、『アシガール』の馴染み深い人物達が登場し、その後が見られたことで歓喜するだろう。主人公はさすが前作の主人公・唯の姪であり、尊の娘なので猪突猛進な性格と天才発明家気質なところがあるという両者に似ている部分が演出されていると感じた。また現代ではそれほど時間が経っていないがタイムスリップした先は前作の何十年も後という設定である。それが後にこれから唯や前作の登場人物は出てくるのか、唯や子供たちのその後の話は詳しく描かれるのかと読者に期待させており、これからのストーリーが非常に楽しみな作品だと考える。
2024/09/25(水) 21:06 No.2069 EDIT DEL
2年渡辺 RES
夏休み課題 16-30
16.『映画ドラえもん のび太の魔界冒険』(映画)
監督:芝山努 原作:藤子不二雄
【あらすじ】
 空想の世界を実現させる、「もしもボックス」で創りだされた魔法世界。そこで、ドラえもんたちは、魔学博士の満月とその娘美夜子に出会う。なんと、魔法世界の地球は、魔界の悪魔に狙われていた。
【考察】
 最初から最後まで伏線だらけで子供だけじゃなく大人も楽しめる作品だった。見れば見るほど新しい発見がある。細かな描写まで見逃せない。
 
17.『よだかの星』(小説)
著者:宮沢賢治
【あらすじ】
よだかは醜い鳥であった。そのためよだかは他の鳥たちから嫌われ、いじめられていた。よだかは鷹の仲間ではないが、その強靭な翼と鋭い鳴き声がどことなく鷹に似ているため、その名前となったが、鷹はこれを嫌がっていた。ある夕方、鷹がよだかの巣にやってきて、「市蔵」に改名しろと命令する。よだかは断ったが、鷹は改名しなければ殺すと脅してくる。
【考察】
 鷹に殺すと言われたよだか自身が虫を食べてしまい、よだかも捕食者側になってしまうという描写にとても宮沢賢治らしさを感じた。一見弱いように見えて気高いプライドを持っているところにも自身の宗教観を貫いた宮沢賢治を彷彿とさせられた。
 
18.『猫の事務所』(小説)
著者:宮沢賢治
【あらすじ】
軽便鉄道の停車場のちかくにある猫の第六事務所は猫のための歴史と地理の案内所。そこには大きな黒猫の事務長、一番書記の白猫、二番書記の虎猫、三番書記の三毛猫、そして、四番書記の竈猫がいた。かま猫は三人の書記にいじめられながらも、仕事に励み続ける。
【考察】
 この時代にもこんなに具体的に物語を書けるほど、いじめが存在していたのかと思った。事務所の中でいじめながら自分の地位を守っていたものたちが、自分たちよりも身分の高い人たちによってあっけなくやられてしまうのがリアルだなと思った。あんなに苦しんでいたいじめがこんなにあっさり解決してしまうのかというむなしさと物語が急に終わってしまう感じがリンクしているなと思った。
 
19.『マニアック#6 黴』(アニメ)
監督:田頭しのぶ 原作:伊藤潤二
【あらすじ】
海外に赴任している間、建てたばかりの家を嫌いな教師に貸した。久しぶりの我が家に帰ってみると、そこは変わり果てていた。壁も、天井もカビだらけになっていたのだ。そのカビの原因を探っていくうちに、恐ろしい出来事が起こる。
【考察】
 ほぼモノクロなので漫画の方が見ていてゾワッとするなあと思った。黴について謎が明かされることもないのでただ気持ち悪いだけだが、最初の家を見て回るシーンが気味が悪くてとてもいい。
 
20.『マニアック#6 蔵書幻影』(アニメ)
【あらすじ】
書庫は恐ろしい数の蔵書で溢れていた。五郎はその蔵書に異様な執着を見せる。1冊の蔵書がなくなり、さらに五郎はおかしくなっていく。
【考察】
 オタクも社会的に認知されてきて“痛バ”など、同じ絵柄の缶バッジを大量に買ってバッグに付ける行為が流行っている中、“収集癖”というのをホラーに落とし込んでいるのが流石だなと思った。身近なテーマから生まれている話が多いので見ていてとてもワクワクするし面白い。
 
21.『マニアック#1 怪奇ひきずり兄弟 降霊会』(アニメ)
監督:田頭しのぶ 原作:伊藤潤二
【あらすじ】
引摺家は六人兄弟。父母は既に亡くなっている。長男の一也はある日、公園で写真を趣味としている美しい女性サチヨに出会う。怪奇現象が好きだというサチヨに気に入ってもらいたい一也は引摺家主催の降霊会に彼女を誘う。そして始まる降霊会。サチヨの目の前で亡くなった父の霊が次男、四五郎に降りてくる。そして、奇妙な出来事がサチヨの目の前で次から次へと起こるのだった
【考察】
 伊藤潤二作品では双一シリーズに並ぶギャグ回な気がする。伊藤潤二自身もお笑いが好きなので、ギャグを書きたかった感じが伝わってくる話。ただ、絵もキャラデザも不気味なのでハード目なコメディになりがちなのも伊藤潤二作品らしいなと思う。
 
22.『マニアック#7 墓標の町』(アニメ)
監督:田頭しのぶ 原作:伊藤潤二
【あらすじ】
かおるは兄の運転で、親友の泉が引っ越した町に向かう。だが、二人の車は途中、少女をはねてしまう。気が動転しながらもたどり着いたその町は、死んだ者たちが墓標に変わってしまう不思議な町だった。泉の家に身を寄せた二人だったが、泉の妹が帰宅していないことがわかり、捜索が行われる。かおる達がはねてしまったのは、泉の妹だったのか? 
【考察】
 マニアックシリーズでは一番わかりやすいホラー。伊藤潤二作品は基本起承転結の結をぼやかして終わることが多いのだが、この話の途中の緊張感のある雰囲気が一番好きなのでそこが味わえてよかった。
 
23.『秘密』(小説)
著者:谷崎潤一郎
【あらすじ】
元いた環境から逃げ出したくなった「私」は、とある寺に住み着いた。夜な夜な読書したり酒を飲んだり変装したりして街に繰り出していたが、古着屋で見つけた小紋縮緬の袷をきっかけに本格的な女装をはじめる。
【考察】
 谷崎の時代に女装という文化があったのが衝撃であった。自分の欲で女の秘密を暴きながらも身勝手にも興味をなくしてしまうという人間の醜さを露わに書き出している点、化粧をする場面の妖艶な文章にも谷崎らしさを感じた。
 
24.『刺青』(小説)
著者:谷崎潤一郎
【あらすじ】
「世の中が今のように激しく軋みあわない時分」、多くの人々が刺青をしてその意匠を比べ合っていた中に、清吉という、元浮世絵職人の彫り師がいた。清吉は美女の体に己の魂を彫り込みたいという宿願を持っていたが、満足する女を見つけられずに過ごしていた。そんな中、駕籠の簾から女の美しい白い足がこぼれているのを見て、清吉はこれぞ自分の求めていた女だと確信した。
【考察】
 谷崎の耽美主義的思想を大いに感じられる作品の一つだと思う。耽美主義では「美」を最高の価値観とするが、谷崎の中での「美」は女性なのだろうということをひしひしと感じる。また、無垢な少女が男を支配する女性へと変わった姿は、当時の女性像とはかけ離れていたのだろうと思うとやはり谷崎の趣味嗜好が出ているなと思う。
 
25.『春琴抄』
著者:谷崎潤一郎
【あらすじ】
容姿端麗な春琴には舞の才能があったが、彼女は9歳の頃に病気で失明し、三味線を学ぶようになる。彼女は三味線の才能も持っていた。春琴に仕え、世話係をしていた佐助も三味線を学ぶようになり、彼女の弟子となる。春琴は気性が荒く、稽古は激しい。ばちが飛び、叱声が響き、佐助は泣き出す。しかしそんなサディスティックな師匠の人格否定のレッスンを、佐助は待ち遠しく感じるようになる。
【考察】
 この小説には他の作家に見受けられるような問いかけや訴えは感じ取れず、ただひたすらに美への陶酔のみを感じる。佐助の行き過ぎな春琴への信仰ともいえる描写を読むと美への恍惚とした感情をこちらも持ちそうになる。
 
26.『サマーゴースト』(映画)
監督:loundraw
【あらすじ】
高校生の杉崎友也、春川あおい、小林涼の3人は、それぞれ家族や友人、将来について悩みを抱えていた。インターネットを通じて知り合った彼らは、花火をすると現れると噂される若い女性の幽霊"サマーゴースト"に会いに行こうと思い立つ。
【考察】
 40分という短編映画でありながらも、キャラ同士の衝突、各々の葛藤、キャラの成長とすべてが丁寧に描かれていてとても見応えがあった。線の細い儚い雰囲気の映像とたびたび出てくる花火の映像、夏らしさ満点の映像だった。
 
27.『ガヴリールドロップアウト』(アニメ)
監督:太田雅彦 原作:うかみ
【あらすじ】
天界にある「天使学校」を首席で卒業したガヴリールは更なる修行のため人間界に下り、高校に通うこととなった。「立派な天使になって人間達を幸せに導く」と誓った彼女だが、下界の様々な楽しみを知ってしまい、いつしか「ドロップアウト」して自堕落な生活を送るようになってしまっていた。
【考察】
 ダメダメキャラにドジっ子、お姉さん系などありとあらゆる系統の女の子の学園生活を描いているので、みんな好きなキャラができそうだなというイメージ。昔はやっていたことにも納得した。日常系なので頭を空っぽにしてみられてよかった。
 
28.『ふしぎ遊戯』(アニメ)
監督:亀垣一 原作:渡瀬悠宇
【あらすじ】
受験を間近に控える中学3年生の夕城美朱と本郷唯は、ある日図書館で見つけた「四神天地書」という古い本の中に吸い込まれ、異世界に入り込んでしまった。迷いこんだ世界で暴漢に襲われる美朱と唯は、額に“鬼”の文字を持つ少年・鬼宿に助けられる。この出逢いが、全ての始まりであった……。互いにすれ違い、敵対していく美朱と唯。過酷な運命の中で惹かれあう鬼宿と美朱。朱雀と青龍の戦いが今始まる。
【考察】
 小学生のころに見たときは恋愛ものとしてしか見ていなかったが、見返してみると設定が面白く、キャラも立っていて飽きずに見られた。昔のアニメなので今の大御所声優が大量に出ているのも見どころ。朱雀七星士の身体に刻まれる文字も里見八犬伝と繋がっているのだなと思った。
 
29.『グリッドマンユニバース』(映画)
監督:雨宮哲
【あらすじ】
フジヨキ台の高校生、麻中蓬は学校帰りにガウマという風変わりな男と出会った。ガウマは怪獣使いと名乗り、行き倒れ寸前だった自分を救ってくれた蓬に何かと絡み始める。ガウマを中心として、蓬、夢芽、暦、そして暦のイトコの飛鳥川ちせが加わって対怪獣チーム・ガウマ隊が結成されるのだった。ガウマ隊に立ちはだかるのは、ジュウガ、オニジャ、ムジナ、シズムたち怪獣優生思想である。ガウマ隊と怪獣優生思想、仲間と仲間の戦いの果てに待つものは何か?
【考察】
 クロスオーバー作品ということで、映画館でも見たが見返してみても面白かった。このキャラ同士はこう絡むのだなというのが見ていて面白い。劇場版なのでメカシーンもがっつり動くし、若干のハルヒっぽさのあるストーリーといい、やっぱり好みの脚本だなあと思った。
30.『ブレンド・S』(アニメ)
監督:益山亮司 原作:中山幸
【あらすじ】
ツンデレ・妹などなど、店員さんのいろんな「属性」が楽しめる喫茶店で、新人アルバイトの苺香が店長にリクエストされたのはなんと「ドS」キャラ!?一生懸命働くうちに、意外と「ドS」の才能が開花してしまい…。踏まれたって全部がご褒美、倒錯的ワーキングコメディ!
【考察】
 様々な属性のキャラがいるのでアニメといえばの物語展開が多くて久しぶりの感覚だった。各々の恋愛模様も合間に挟まってきたり、オタクが共感できるネタがあったりとみていて飽きなかった。
2024/09/24(火) 23:35 No.2068 EDIT DEL
2年渡辺 RES
夏休み課題 1-15
1.『20世紀少年―第1章―終わりの始まり』(映画)
原作:浦沢直樹 監督:堤幸彦
【あらすじ】
“ともだち”と呼ばれる教祖が率いる不気味な教団が現れ、同時に世界では謎の病原体による突然死などの怪事件が頻発する。コンビニを営む中年男性ケンヂは、一連の事件の内容が、子供時代に自分と仲間たちが書いた空想の予言書と酷似していることに気付く。ケンヂは世界の危機に立ち向かうべく昔の仲間たちを集め、“ともだち”の目論見を阻止し、正体を暴こうと行動する。
【考察】
本作品は3部作に分かれており、始まりとなる第1章では第3章で描かれる物語が先立って流れるため、初見では何のことかさっぱりわからない。しかし、すべてを見終わった後にもう一度見てみると、本作が3部作の1作目として如何にちゃんと機能しているかということがわかる。序盤から少ない映像で伏線を散りばめながら、日常にじわじわと近づいてくる違和感をうまく描いていた。定期的に挟まれる少年時代の記憶の映像がなんだか奇妙で目が離せなくて、とても引き込まれた。物語はケンヂたちの小学校の同窓会のシーンから動き始める。なぜ、この同窓会は中学や高校ではなく小学校なのか。この物語は“記憶”がとてもキーワードになっていると感じた。“ともだち”の正体を追いながら、ケンヂたち自身の記憶も追想していく。そんな物語の始まりとして、この1作目はとてもいいエッセンスになっていると感じた。また、3章に出てくる物語が1章の冒頭に出てくるというのも私たちにケンヂたちと同じように記憶の追想をさせる効果があるように思った。
 
2.『20世紀少年―第2章―最後の希望』(映画)
原作:浦沢直樹 監督:堤幸彦
【あらすじ】
 一章の頃の戦い(血の大晦日)から15年後。歴史では2000年の人類滅亡計画はケンヂとその仲間が行ったものとされ、それを阻止した“ともだち”は救世主として崇められていた。血の大晦日以降、ケンヂは行方不明となったもののケンヂの姪・カンナは高校生へと成長し、仲間たちもまたそれぞれの方法で“ともだち”の正体を追っていた。
【考察】
 “ともだち”の存在が社会の中で一般化して、世界に馴染み、社会が丸ごと洗脳されているのが見ていてとても不気味で政治と宗教が絡んだ時の奇妙さを感じた。本作では物語はケンヂの姪であるカンナを中心に回り始めるのだが、ケンヂの無鉄砲さとカンナの若さゆえのまっすぐさはとても似ており、物語の進み方は1作目と似るところも感じた。一方で、ケンヂとは違いカンナだから与えられた映画への効果もあったと思う。世界が“ともだち”に支配され、ケンヂが悪者とされている世界で、その真実を知っているのはカンナや仲間たちと我々視聴者のみである。映画の中でカンナはいら立ちやもどかしさを感じているシーンが多く、視聴者の感情とリンクすることが多く、より映画の中にのめり込みやすくさせる効果のある登場人物だと感じた。
 
3.『20世紀少年―最終章―ぼくらの旗』(映画)
原作:浦沢直樹 監督:堤幸彦
【あらすじ】
それぞれの方法でともだちを追い続ける仲間たちとカンナ。そんな彼らのもとにある曲が流れてくる。その声はケンヂの歌声にそっくりで…。戻ってきたケンヂは仲間たちと共に、“ともだち”の正体に迫り、"ともだち”がなぜ生まれてしまったのか、謎に迫っていく。
【考察】
 ラストのシーンが原作とは異なるという話を多く見聞きしたのだが、長編作品を三部作の映画に落とし込むには仕方ないかと思った。ただ三部作というところだけで見れば話はとても見やすく理解しやすくなっていた。ケンヂに憧憬を抱いていた“ともだち”がケンヂに裏切られ始まったこの物語。1作目をもう1度見てみると同窓会のシーンのケンヂや仲間たちの薄情さを強く感じるがそれがとてもリアルだった。“ともだち”はケンヂたちのことを思いながら生きてきたのに当の本人たちはまるで覚えていない。1作品目でケンヂの母親が店のおにぎりを勝手に食べ、「それ万引きだぞ」とケンヂが言うシーンでケンヂは幼少期に万引きを擦り付けてしまったことを思い出すような描写はない。“ともだち”が出てくることがなかったら、ケンヂにとっては思い出すことのない些細な出来事のままだったのだろうなと思った。全編を通してみると子供の無邪気な残酷さを感じた。
 
4.『0.5の男』(ドラマ)
監督:牧田百音・沖田修一
【あらすじ】
 古くなった実家を二世帯住宅に立て直すことにした立花家。しかし、そこで引きこもりの兄・雅治(40歳)がどこに住むかが問題になる。議論の末、ハウスメーカーの提案で2世帯+0.5世帯(雅治)の“2.5世帯”で暮らすことに。“2.5世帯”での暮らしによって外の世界に放り出された雅治は少しずつ変わっていく。
【考察】
 40歳で引きこもりの男が主人公というなかなかインパクトのある設定。引きこもりの高年齢化が近年問題になっている中で、40歳実家暮らしの引きこもりの男に焦点を置きながらも深刻になりすぎず、コミカルに描かれていた。大きな事件が起きることもなく、優しくてたまにクスッと笑えて見ていてとても楽になるドラマだった。
 
5.『HUNTER×HUNTER』キメラアント編 第76話~第136話(アニメ) 
原作:冨樫義博 監督:神志那弘志
【あらすじ】
カイトがいたのはアイジエン大陸中央にある「カキン国」の奥地。3年前から仲間と共に新種の発見と生態調査を主にした生物調査をしていたのだ。興味がわいた二人は新種探しに挑戦。研ぎ澄まされた感覚と高い集中力で次々に新種珍種を見つけていく。一方、ヨルビアン大陸に打ち上げられた謎の生物は、王を産むという女王としての使命を全うすべく、体を回復させるための大きな獲物を求め動き出した。
【考察】
 キメラアント編前までのストーリーでは、ゴンがずっとキルアにとっての光だったが、イカルゴとの回でキルアが誰かにとっての希望になっていたのがとてもよかった。ゴンが光でキルアが影として描かれることが多かった今までのストーリーと比べ、キルアの存在がゴンを救ったり、キルア自身が光に包まれる描写があったりとキルアの成長をとても感じられた。
 
6.『オペラ座の怪人(字幕版)』(映画)
監督:アーサー・ルービン
【あらすじ】
オペラ座の交響楽団だったエリックは、ピアノ演奏曲を書き上げ音楽出版社に持ち込むが喧嘩となり、顔に硫酸をかけられ醜いようしとなってしまう。オペラ座の地下室に逃げ込んだ彼は、プリマドンナの代役を務めるクリスティーヌを成功させるため、次々と罪を重ね始める。
【考察】
オペラ座の怪人といえばといった曲は全くなく歌唱シーンは出てくるといってもクリスティーヌが舞台で歌うシーンのみで意外にもミュージカル映画の要素はなかった。この映画は世間でよく語られる「オペラ座の怪人」のストーリーというよりもなぜオペラ座の怪人が生まれたのかという前日譚的な要素が多く含まれていると感じた。また、作中で光り輝く舞台できらびやかな衣装を着て歌うクリスティーヌとそれを暗闇で聴くファントムという対比表現が随所に見受けられた。
 
7.『オペラ座の怪人 25周年記念公演inロンドン(字幕版)』(ミュージカル)
監督・演出:スティーヴン・ダルドリー
【あらすじ】
アンドリュー・ロイド=ウェバー作のミュージカル「オペラ座の怪人」25周年を記念して、キャメロン・マッキントッシュがプロデュースした、これまでにない壮大なスケールの豪華な舞台の映像版。ロンドンの有名な劇場、ヴィクトリア朝の豪奢さを誇るロイヤル・アルバート・ホールで行われた絢爛豪華な記念公演。特別出演のゲストも華を添える。
【考察】
 オペラ座の怪人の有名な演目を多く聞くことができて、世間一般に語られるオペラ座の怪人の物語を知ることができた。長尺のミュージカルであったものの、セットもとても豪華で見飽きることもなく見ることができた。同じ曲をシーン・キャラ、歌詞を変え、歌い、ミュージカルならではの方法で登場人物同士の対比や物語の展開を進めていた。
 
8.『らき☆すたOVA(オリジナルなビジュアルとアニメーション)』(アニメ)
原作:美水かがみ 監督:武本康弘
【あらすじ】
OVAならではの実験的な映像や、TVでは描かれなかったキャラクターの意外な素顔を凝縮。一方で、普段通りのほのぼのしたやり取りもたっぷり堪能できるファン必見作。
【考察】
 まさにOVAといった感じであった。特にこの中で物語が進むわけでもなく、ぼーっとみられるような茶番が続いていて疲れた時にみて癒される感じの内容だった。
 
9.『トリック劇場版 ラストステージ』(映画)
監督:堤幸彦
【あらすじ】
ある日、天才物理学者・上田次郎は村上商事の加賀美慎一から、海外の秘境にあるレアアース採掘のために力を貸して欲しいという依頼を受ける。採掘権は獲得したのだが、その地域に住む部族が立ち退きに応じない。彼らが信奉する呪術師が持つ不思議な力、未来を予知したり人を呪い殺したりするトリックを見破るため、上田は自称超売れっ子天才美人マジシャン・山田奈緒子の力を借りることに。
【考察】
 全編通してほかの作品だったら深刻そうにみえるシーンでもうまい具合にギャグっぽく見せているのが上手だなと思った。シリーズの最終回ということでラストの終わり方も良い余韻を残す終わり方で見ていて「おおっ」となった。
 
10.『ヴィ―ガンズ・ハム』(映画)
監督:ファブリス・エブエ
【あらすじ】
肉屋を営むある夫婦が経営難に陥る。そんな中、店を襲ったビーガン活動家の1人を、夫が誤って殺してしまう。死体の処理に困った彼は、それをハムに加工して売ることを思いつく。
【考察】
 最初はヴィ―ガンに対する偏見を皮肉ったシーンが多数見受けられたが、話が進むにつれ、この世のすべての偏見を集めましたと言わんばかりの数のセリフが出てきた。物凄い勢いのブラックコメディなので心から笑えるかというと微妙なところではあるが、「これ皮肉か」と気づいたときにちょっと鼻で笑える感じの映画だった。本作はフランスの作品なのだが、実際に2018年ごろにフランスでは菜食主義者の人たちが肉屋を襲撃する事件が多発していたらしく、この作品はその問題を取り上げてコミカルにしたものなのだなと分かった。
 
11.『ルパン三世 ルパンVS複製人間』(映画)
監督:吉川惣司
【あらすじ】
峰不二子にねだられ、エジプトのピラミッドから「賢者の石」という石ころを盗み出したルパン三世。不二子はその石の入手をマモーと名乗る不気味な男から依頼されていた。そんな中、すり替えた偽物を渡してマモーに捕らえられたルパンは、賢者の石が不老不死の力を得るために必要な秘宝だと知る。
【考察】
本作はルパン三世の劇場映画の第一作目である。この映画はTVアニメシリーズ2の人気を受け作られたものであるが、「初期の頃の大人向けのルパンが見たいという声にお応えします」という制作趣旨が明言されているだけあって、TV第1シリーズのアダルトでハードな作風となっており、大人のほうが見やすい作品となっている。ルパンが階段を上ったり下ったりして逃げ回り、突然背景が絵画の中にその中で逃げ回るシーンやヒトラーとナポレオンが突然出てくる場面がありながらもその中にテクノロジーが発達していることがわかるシーンが挟まっていて、「王と鳥」の映像みたいだなと感じたのだが、それもこの映画制作時の裏テーマとして「映画を盗め」というものがあったといわれており、そのため様々な映画のパロディが散りばめられている。
 
12.『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』(映画)
監督:小池健
【あらすじ】
 秘宝「リトルコメット」を狙い東ドロアに潜入したルパンと次元。東ドロアでは自国の歌手が隣国・西ドロアで暗殺される事件が起こり、緊張状態が続いていた。そんな中、ルパンと次元は捜査網をかいくぐり盗みに成功するが、一発の銃弾が次元を襲う。
【考察】
 スピンオフ作品である本作のラストに少しだけであるが、『ルパンVS複製人間』のマモーが出てきていた。『次元大介の墓標』と『ルパンVS複製人間』は物語上での繋がりは描かれることはなかったものの、マモーの登場により本作が『ルパンVS複製人間』の物語の前日譚としての役割を担う形にもなり、すべてが同じ時間軸で起きているということを視聴者たちに改めて明示している。また、ルパンといえば赤色のジャケットというイメージがあるが、本作では水色のジャケットを着ていたり、次元も緑のジャケットを着ていたりと全体を通して全キャラがとてもファッショナブルな服装をしていて視覚的にも見応えがあった。加えて、次元が自身の服装について「俺はGIVENCHYからFENDIまで幅が広い」と言及するなど本作のキャラクターデザインのこだわりを感じた。
 
13.『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』(映画)
監督:小池健
【あらすじ】
ヤクザの組長の護衛を務めていた若き五エ門は、隙を突かれて組長を殺される。犯人は戦場で2000人もの敵を殺したという元兵士ホーク。インターポールもマークする、この凄腕の暗殺者への復讐を誓った五ェ門は、奔走するうちにルパンと名乗る怪盗と出会う。
【考察】
 石川五ェ門にフォーカスした作品ということで、五ェ門が白の和服とシンプルな服装なのでそれが際立つようにほかのキャラには意識的に黒などの服があてがわれたように感じた。五ェ門が手間取る相手というのがあまり見たことがないのでとても新鮮な映像だった。途中の鍛錬のシーンが長すぎて中だるみしているなと思ったものの、そこも五ェ門の生真面目さを描いているという意味では味なのかなと思った。
 
14.『西園寺さんは家事をしない』(ドラマ)
脚本:宮本武史 山下すばる 原作:ひうらさとる
【あらすじ】
家事をしない家事アプリ社員の西園寺さんは、38年かけてやっと手に入れた自由な独り暮らしを満喫中!ところがそんなある日やってきたのはシリコンバレー帰りの天才エンジニアの楠見くん。変わった年下男子には大きな“秘密”があって!?家事力ゼロの西園寺さんが挑む、ラブ&ファミリー物語!!
【考察】
 ほのぼの系の恋愛ドラマだった。多様性の時代にちょうど良いドラマだなと思った。がっつり恋愛シーンというよりも家族の形とか家族について考えさせられる作品だった。
 
15.『僕と魔女についての備忘録』(漫画)
著者:三つ葉優雨
【あらすじ】
幼い頃、とある森で100歳超えの魔女に拾われた渉。 ほどなくして、魔女さんと過ごす毎日を「備忘録」として書き始める。 魔女さんと過ごすこの愛おし日々を、ずっとずっと忘れないために。 
【考察】
 ちょっと大人向けの童話のような恋愛漫画でありながらも御伽噺のような雰囲気を感じた。叙情的なシーンも多くしっぽり読みたいときにぴったりだった。短めで終わり方もきれいなので暇なときにまた読み返したい。
2024/09/24(火) 23:32 No.2067 EDIT DEL
2年 赤羽美咲 RES
夏休み課題30作品
アニメ28作品、アニメ映画2作品

1アイカツ!第1シーズン(1~50話)
《あらすじ》
歌、ダンス、ファッション、ステージ・・・少女達のトップアイドルを目指す成長ストーリーの第一期。弁当屋の娘である中学1年生の“星宮いちご”は、弟の“らいち”が大ファンのトップアイドル神崎美月のコンサートチケットを手に入れるため、親友でアイドル好きの“霧矢あおい”を頼る。あおいのツテでチケットを手に入れた3人はコンサートへ行き、その魅力にいちごは人生初の衝撃を受けた。そんな折、あおいが美月も通う名門アイドル養成校「スターライト学園」で編入試験が行われることを知り、一緒に受けるよういちごを誘う。これといった夢や目標の無かったいちごは母親の後押しもあり受験を決意、いちごはパフォーマンスが、あおいは筆記試験が特に評価され、2人はスターライト学園に編入した。
物語の終盤、毎年恒例の学園内No1アイドルを決める大会「スターライトクイーンカップ」が開催され、いちご含め主要メンバーは全員準決勝進出、いちごが決勝へ進出し、2年連続クイーンの憧れの美月と対決する。しかし、この時いちごは渡米する決意を固めていた。決勝戦は美月の辛勝に終わるもいちごは大急ぎで空港に向かい、あおいをはじめとする仲間達と別れ、アメリカへ旅立っていった。一方で美月もスターライト学園を辞め、表舞台から姿を消した。そこで、第1シーズンは幕を閉じた。
《印象》
将来の夢を母親に尋ねられて母親とともに“お弁当屋さん”になりたいと言った主人公が、何気なく友達についていったライブをきっかけに“アイドル”という自分の夢を見つけていく過程が、とても成長物語らしいという印象を受けた。また、50話というとても長い物語の中でライブ映像の進化だったり小さいころには気づけなかったが、今回見てて目覚ましいものがあるなと感じた。

2おかしな転生(1~12話)
《あらすじ》
貧乏領地・モルテールン領の次期領主として期待される少年:ペイストリーに転生した前世天才菓子職人の転生物語。変わらぬお菓子づくりへの情熱を胸に、転生した世界でもお菓子づくりに励む主人公。自分の家の領地の赤字問題や戦争問題などに尽力しつつも「お菓子を作りたい」という気持ちの根幹がぶれない主人公から目が離せない。
《印象》
転生物語の中でも元お菓子職人の経歴が、珍しく思えて惹かれたので、視聴。面白かった。個人的に主人公とリコリス(作中で婚約者になるご令嬢)の恋模様がほほえましかった。

3クールドジ男子(1~24話)※15分アニメ2クール
《あらすじ》
一際目を引くクールでかっこいい男子たち。どこか近寄りがたい彼らは“全員ドジ”だった。財布を忘れたり、電車でイヤホンを付けず音楽を流したり、コンタクトなのにメガネを上げる仕草をしたり、曲がるストローだと気付かず逆に刺して使ったり、傘と間違えて靴べらを持ち歩いたりしてしまう。しかし、そんなドジさえもクールにキメてしまう、それが「クールドジ男子」。ドジもするけど等身大で頑張る彼らの日常譚。笑って癒されるドジコメディ。
《印象》
自分もかなりドジをしてしまう方なので共感性が本当に高かった。ドジをしてしまうことがある人が見たら同じように共感を味わえると思う。特にドアの押し引きを間違えるのは私自身よくやってしまうので思わず笑ってしまった。この物語では、どんなドジを登場人物がやってしまっても、楽しく物語が進んでいくので終始良い気持ちで見ていられるのも魅力だと感じた。

4新しい上司はど天然(1~12話)
《あらすじ》
上司からのパワハラで精神と胃をやられ、広告代理店の営業職に転職した主人公の桃瀬。しかし過去のトラウマが原因で「新しい上司もまたパワハラ上司だったらどうしよう…」と、初日早々に胃痛で動けなくなってしまう。そんな時、一緒に外回り中だった新しい上司・白崎がとった行動とは?予想外の上司の「ど天然」に、癒されるお仕事コメディ。
《印象》
パワハラ上司に耐えかねて転職をした主人公だが、転職をして新しい職場での楽しくほっこりする日常を送ることになり、見ていて「良かったね」と思える作品だった。数年後に社会に出る自分にとっては働く職場によって日常がこんなにも変わるのかと思わされる作品でもあった。また、白桃という捨て猫が登場し、白崎に飼われることになるのだが、「どうせ捨てられるんだ」と思ってしまっている猫が心を開いていく様子も作品のメインでは無いものの印象的で微笑ましかった。

5ヲタクに恋は難しい(1~11話)
《あらすじ》
隠れ腐女子の桃瀬 成海とゲームオタクの二藤 宏嵩、2人の恋愛を描いたラブ・コメディ作品。原作は漫画でアニメ化された作品である。隠れ腐女子でOLの桃瀬 成海は転職先の会社で幼なじみの二藤 宏嵩と再会する。桃瀬が会社ではヲタクであることを隠していることを知らない自身もヲタクである二藤。うっかり同僚の前で桃瀬がヲタクであることを話してしまう。桃瀬は二藤としばしば呑みに行くようになり、そのうち恋人として付き合い始める。その後不器用な2人が2人なりに恋人になっていく物語。
《印象》
タイトルはだいぶ前から知っていたものの、何となく見てこなかった作品の一つ。2人ともヲタクというそれぞれが夢中になれる好きなものがある2人の恋は見ていて新鮮だった。恋愛も大事だけどお互いの好きな物もそれぞれ大事で、そんなそれぞれをお互い理解し尊重しているような恋物語だった。

6田中くんはいつも気だるげ(1~12話)
《あらすじ》
いつも無気力な主人公・田中と、彼を取り巻く同級生たちの学園生活を描いた青春コメディ。だらけるということに全力を尽くす主人公と賑やかな登場人物たちが交じりあい、楽しく見れるコメディ作品となっている。
《印象》
主人公が極度の面倒くさがりで、雨の日に傘を差すのが面倒くさくてびしょ濡れで登校してくるような主人公なので、そのキャラクター性でまず笑いを誘う。さらに、彼を取り巻く登場人物たちもそれぞれ個性があり、だいぶ過保護な友達や秘密を抱えたマドンナや主人公に憧れて弟子入りを目論むクラスメイトなど、色々な人物達が加わっていくので、そこでまた面白い作品になっている印象だった。あまりシリアスでなく頭を使わず、終始楽しく見ていられる作品だった。

7花野井くんと恋の病(1~12話)
《あらすじ》
高校1年生の主人公の日生ほたるは花野井くんがカフェで女性と別れ話をしていたところを友達のきょーちゃんと共に目撃する。その後、雪の中椅子に座る花野井に傘を差し出したことがきっかけで告白され、お試しで付き合うことに。お互いのしたいことを叶える「したいことノート」を作り、初めて手を繋いだ。お試し交際から本当に付き合い始めたほたると花野井くんは徐々に距離を縮めていく。恋が分からない女子・ほたるちゃん×愛が重すぎる男子・花野井くんの恋物語。
《印象》
本屋さんで漫画を見かけたことがあるくらいで一切触れてこなかった作品。花野井くんは好きな子のためならなんでもしてあげたいタイプの男子で、自分の身を顧みず彼女に尽くしてしまう一面を持っていたが、ほたるちゃんと恋人になり自分の身も大切にお互いを思いやる恋愛を学んでいく物語だった。ほたるちゃんも花野井くんもお付き合いをきっかけにお互い成長していって成長物語でもある印象を受けた。

8氷属性男子とクールな同僚女子(1~12話)
《あらすじ》
現代を生きる雪女の末裔の氷室くんは、感情があふれると吹雪を起こしたり、雪だるまやかまくらをつくりだしてしまう新社会人。ちょっとユニークだけれど優しい同僚の冬月さんへの秘めた恋心が高まって、周囲を凍てつかせてしまうことも。 一方、周りからはクールに見られがちな冬月さんもミステリアスな氷室くんに興味津々。 二人の関係は日々の仕事や会社行事を通して少しずつ変化していき、プライベートでも一緒の時間を過ごすようになっていくが、どちらも恋愛には不器用であと一歩の距離が縮まらない物語。一見クールな二人が織りなす、心温まるお仕事系ファンタジーラブコメ。
《印象》
雪女の末裔、不死鳥の末裔、妖狐の末裔、など人外じみたキャラクターが沢山出てくるものの、あくまで普通に受け入れられ、数ある個性のひとつとして人間社会に溶け込んでコメディとして成立してるのが印象的な物語でした。内容もほっこり系で安心して見ていられました。

9勇者、辞めます(1~12話)
《あらすじ》
剣術や魔術、様々な技術に精通する勇者に魔王軍は敗れ、戦後再起を図るべく活動していた。そこへ、かつての勇者であったレオが訪れる。単独で魔王軍を倒したその強大さを危険視され、人間の国から追放されていたレオは、戦後の様々な問題を抱えている魔王軍にまさかの就職希望。魔王に認められず採用されなかったので、正体を隠したまま入ると、迅速に魔王軍を立て直していく。まもなく、レオは新たな幹部にまで昇格する。しかし、彼の真の目的は「世界を救うために」生み出された自身が、存在意義を失い、後に「救うために世界を壊す」存在にならないように自分を滅することであった。
《印象》
敵として戦った魔王軍に就職を希望するというのがクレイジーすぎて面白そうだなと思い、手を出した作品。最初はコメディのように楽しく物語が進んでいくが、途中からシリアスが多くなってくる。急に話が重くなったと感じる人もいそうだが、私は面白かった。自らの存在意義を満たすことで喜びを感じる人間の心、それが失われた時の恐怖、などの心情描写が人間として共感できる部分も多かった作品。

10私がモテてどうすんだ(1~12話)
《あらすじ》
主人公の高校生・芹沼花依は、男同士が仲良くしているのを見て妄想するのが大好きな肥満体の腐女子。ある日、花依は大好きなアニメキャラが死んだショックで体重が激減。それがきっかけで美少女に変身。同じ高校の4人の美少年から熱烈なアプローチを受けるようになる。相変わらず腐女子な彼女は、真っ当な恋愛観で接する努力をしながらも、全く実らず、ずれた考えで彼らと接することとなる。
《印象》
主人公がとにかく斜め上の思考回路を持っていて、視聴者として見ていても、それはずれてるのでは、と思う機会が多かった。人によってはもどかしい気持ちになる作品だと思った。そこも含めて楽しめれば、ドタバタとした恋模様を面白く見ていられる作品だった。特に主人公・花依の体型が元に戻ってしまった回では、見た目がぽっちゃりに戻ってしまい、それでも気持ちが変わらないのか登場人物たちが葛藤する様子が描かれていて、中身が大切だけど見た目も大切という人間の思考が現れているような気がした。

11無能なナナ(1~13話)
《あらすじ》
能力者と呼ばれる特殊な能力を持った少年少女たちがいた。彼らは"人類の敵"と呼ばれる怪物と戦うため、孤島の学園に集められ、日夜訓練を行っていた。しかし、実は能力者達こそが"人類の敵"であり、ナナは能力者達を秘密裏に始末させるために"委員会"から送られた能力を持たない刺客だったのだ。次々に能力者達を始末するナナだったが、もう1人の転入生である小野寺キョウヤから疑いの目を向けられるようになる。また、純真な心を持つ犬飼ミチルと交流することによって、ナナの能力者への気持ちに変化が生じる。
《印象》
この作品は漫画の方をどこかで無料で一巻だけ読んだくらいの作品だったが、気になっていた作品。推定殺害人数という"委員会"から教え込まれた文字でしかない情報を信じてナナは様々な方法で能力者を殺害していくが、犬飼ミチルという便利な駒として最初接していた登場人物との関わりを通じて、ナナは段々と"委員会”に対して不信感を持つようになっていく。推定殺害人数とは本当に正しいのか?能力者は全て悪なのか?と疑い始め、犬飼ミチルに段々と心を開いていくナナだが、アニメは衝撃的なラストを迎えてしまう。これからナナがどうしていくのか気になるような終わり方となっていて、原作に興味をひかれるようなラストになっていると感じた。

12覆面系ノイズ(1~12話)
《あらすじ》
聴く者を惹きつける歌声を持つ少女・ニノと、彼女の幼馴染で初恋の相手であるモモ、そして作曲が得意な少年・ユズという、音楽的な才能に恵まれた高校生3人を中心に、それぞれの想いがすれ違いながら交錯していく「音楽×青春×片恋ストーリー」。
《印象》
小・中学生頃、漫画作品の方で心を奪われていた作品のひとつ。財力がなかったので、漫画も買えず、中途半端なところまで何回も読み、続きを読まないままそのまま成長し、今に至っていた作品のアニメがU-NEXTにあったため、視聴。ニノ・モモ・ユズの三角関係も見所だが、それぞれの心情に踏み込んだ心情描写も見ていて良かった。アニメの段階では基本片恋で全てが終わるのでモヤモヤする部分もあるが、漫画の方をまた読んでみたいと思えた。

13ゲーマーズ!(1~12話)
《あらすじ》
趣味はゲームと言う以外目立った特徴もないモブキャラぼっちゲーマーの雨野景太はある日突然に学園一の美少女でゲーム部部長の天道花憐に声をかけられる。そこから景太の日常は一転する。こじらせゲーマーな登場人物が沢山登場する。すれ違い青春錯綜系ラブコメ。
《印象》
とにかくすれ違いが多い。人によってもどかしいと感じる人もいそうだが、楽しく見れる範囲であると感じた。それぞれの登場人物の解像度が高く、人物像にも説得性があってよかった。

14外科医エリーゼ(1~12話)
《あらすじ》
主人公・高本 葵の前世は“悪女皇后“エリーゼ。数多の悪行を働き人々に不幸をもたらした彼女は、夫・リンデンによって処刑されるという最期を迎えた。 現代に生まれ変わった2度目の人生では、過ちを償うべく外科医として人のため生きてきた葵だが、ある日飛行機事故で帰らぬ人になる。 しかし、目を覚ますと今度は1度目の人生に戻っていた。 処刑される10年前に転生したエリーゼの目の前に現れたのは、自分のせいで命を落とした家族たちだった。3度目の人生は悲劇のきっかけとなったリンデンとの結婚を回避し、医学の知識を生かして再び医者になりたいと決意。ところがそんなエリーゼの道のりには、さまざまな困難が待ち受けていた。運命にあらがう“天才外科医”の、ひたむき医療ファンタジー。
《印象》
漫画の方のこの作品を漫画アプリで結構な範囲を無料で読んだことのある作品。内容が好きだったのでアニメも見てみたく視聴。転生後の人生から転生前の人生にまた戻るというのが印象的な作品だった。天才外科医としての技術を引き継いで転生して後悔していた前世をやり直す爽快なお話だった。

15悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません~(1~12話)
《あらすじ》
主人公の女性は前世でプレイしていた乙女ゲームRPG『光の魔法と勇者様』(略称:ヒカユウ)の世界に、悪役令嬢にしてゲームの裏ボスでもあるユミエラ・ドルクネスとして転生した。主人公は自分が倒される結末を回避するためにゲームのストーリーに干渉しないと決めるが、不測の事態に備えてレベル上げを徹底したことから強くなりすぎてしまい、王立学園入学時にはレベル99に到達していたことが発覚する。レベルを詐称しているのではないかと疑われたり、ゲームの主人公であるアリシアから魔王なのではないかと疑われたりしながら学園生活を送っていく物語。
《印象》
漫画版を単行本で追っていた作品。アニメもあったのかと気づき視聴。主人公の「何かが嫌になったら逃げてしまおう、腕っぷしでなんとかなるよ」という達観した価値観が印象的な作品で、精神状態が前世の影響で大人な主人公が学生生活を送る様子も楽しめる。

16ひきこまり吸血鬼の悶々(1~12話)
《あらすじ》
ムルナイト帝国の名門貴族ガンデスブラッド家の令嬢、テラコマリ・ガンデスブラッド。
吸血鬼なのに血が飲めないコマリは、魔法が使えない、運動ができない、背が伸びないという三重苦に悩まされ、3年間の引きこもり生活を送っていた。しかし、ある日親バカの父がとんでもない就職先を見つけてくる。その名も『七紅天大将軍』。
それは本来帝国の猛者しかなれず、3ヶ月に一度のペースで他国に戦争を仕掛け勝利しなければならない超ハードな役職。絶対に断りたいけど、皇帝直々の任命なので辞めることすら許されない。
本当の実力がバレたら即破滅。それでもコマリはハッタリと可愛さを武器に己の任務を遂行。最強(?)吸血姫による歴史に残る快進撃。
《印象》
主人公のテラコマリは自分が弱いと思い込んでいるが、実は記憶を失ってしまうだけでかなりの強さを持っていたりしていて、ギャップ萌えが激しいキャラクターだった。でも弱いと思っているのに大切にしているメイドのために立ち向かう姿などは感動させるものがあった。

17わたしの幸せな結婚(1~12話)
《あらすじ》
舞台となるのは、日本古来の美意識と西洋文明の流行が織りなすロマンの香り高い明治大正を思わせる架空の時代。継母たちから虐げられて育った少女・美世が、孤高のエリート軍人・清霞と出会い、ぎこちないながらも、互いを信じ、慈しみ合いながら、生きることのよろこびを知っていく。政略結婚から始まる和風シンデレラ・ストーリー。
《印象》
漫画作品の方で単行本で追っている作品だった。アニメが最近やっていたと知り視聴。個人的に声優の声の解釈違いもなく、とても良かった。愛されることになれていない主人公の心をどんどん溶かしていく恋愛模様はとても微笑ましく見れる作品だった。

18山田くんとLv999の恋をする(1~13話)
《あらすじ》
彼氏がネトゲで知り合った女性と浮気し、そのまま別れを告げられてしまうというサイアクな出来事に直面した女子大生の主人公・木之下茜。話を合わせるためにネトゲをはじめていた茜の元に残ったのは、彼氏との愛と共に育んでいたはずのキャラだけだった。ストレス発散のため、ネトゲの狩り場で暴れていた茜は、たまたま遭遇した同じギルドの「山田」に失恋の愚痴をこぼすものの、「興味はないすね」と、そっけなく返されてしまう。だが、キレイになって元彼を見返そうと参加したオフラインイベントで、再びその言葉を耳にする。それが“山田”との、運命的な出会いになる。王道ラブコメディ。
《印象》
漫画の方をアプリで追っていた作品。とても好きな恋愛作品で何回も読み返しているが、アニメも楽しく見られた。個人的には作画も綺麗で声優の解釈違いもなく良かった。ずっと幸せでいて欲しいなと思わせてくれるカップルだと思う。

19 HoneyWorks 10th Anniversary “LIP×LIP FILM×LIVE”(映画)
《あらすじ》
クリエイターユニット、HoneyWorksプロデュースの元で人気を広めてきたバーチャルアイドル“LIP×LIP”が初の主演を務めるアニメーション。物語に加え、バーチャルライブも存分に楽しめる。HoneyWorks作品ではお馴染みのキャラも登場し、物語を盛り立てる。
《印象》
LIP×LIPはHoneyWorksの曲を聞く時によく聞いていて、知っていたユニットではあったけど、この映画を見てキャラクターの人物像や結成までの道のりなどを知れてますます好きになれるような映画になっていた。最初は仲が良くなくて相性が悪いように見えていた2人がだんだんと良きパートナーに成長していく成長物語だ。ストーリーも良かったが、ライブの方もアニメバージョンもバーチャルライブの方も見ていて圧巻だった。

20 ホリミヤ(1~13話)
《あらすじ》
クラスの人気者で派手なギャルの堀京子と、暗くて目立たないオタクの宮村伊澄。本来交わるはずのない二人はある日偶然、お互いの秘密を知ってしまう。互いのギャップに驚きながらも「秘密の共有者」になった二人の距離は急速に縮まっていく。
《印象》
主人公カップルを始め、友情や恋愛など色々な人間関係が交錯する青春物語だった。キャラ一人一人も個性的でどのキャラの感情にも共感できる部分があり、面白かった。ちょっとしたシーンの隙間に水彩画のような絵が映り込む時があり、これは感情表現の一環なのかな、と思い興味深かった。原作は漫画なので、漫画の方も読んでみたいと思った。

21 ホリミヤ-peace-(1~13話)
《あらすじ》
20で挙げたホリミヤの原作マンガのストーリーのうち取り上げられなかったストーリーを時系列順に挙げていくような作品。
《印象》
13話の「卒業」で20の方の『ホリミヤ』ではヒーローの宮村視点だった場面がヒロインの堀さん視点になっているのがすごく印象的で、表現としてうまいなと思った。

22 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(1~12話)
《あらすじ》
童貞のまま30歳を迎えた主人公・安達は「触れた人の心が読める魔法」を使えるようになってしまった。地味な魔法の力を持て余していたある日、ひょんなことから営業部エースのイケメン同期・黒沢の心を読んでしまう。黒沢の心の中は、なんと安達への恋心でいっぱい。ちょっと不思議な魔法の力が巻き起こす、“爽やかイケメン”から“30歳拗らせ童貞”へのダダ漏れ好意ラブコメディ。
《印象》
BL作品に抵抗は無いもののあまり映像で見たことは無かったため、少し身構えながら視聴。この作品は元々漫画版で少し読んだことがあったのだが、2人の恋模様が面白さを保ったまま、原作に忠実に繊細に描かれていて見ていて良かった。個人的には声優の解釈違いもなく、安心して見れた作品。

23 赤髪の白雪姫(1~12話)
《あらすじ》
林檎のような赤髪を持つ主人公・白雪。その珍しさを気に入ったラジ王子の愛姿にされかかり、生まれ育った国を出ることに。 隣国の森に辿り着き、そこで出会い、力を貸してくれたのはクラリネス王国の第二王子・ゼン。 出会った二人が互いの手をとり、様々な人との出会いの中で足音を重ね、道を行く物語。
《印象》
白雪姫というタイトルと白雪という名前の主人公から、童話白雪姫に通じるものがあるのかなと思っていたが、あまりその面影は感じなかった。ただ、活発で勇気のある主人公とヒーローとなる王子の恋模様は見ていて美しいなと思った。ありがちな恋敵は不在。

24 赤髪の白雪姫2nd season(1~12話)
《あらすじ》
23の『赤髪の白雪姫』の続編アニメ2期。1期で良い別れ方をしていなかったラジ王子から、招待され、クラリネス王国に来てから帰っていなかったタンバルンに帰国することになる。それから主人公白雪が拉致されたりと物語は目まぐるしく進んでいく。
《印象》
1期よりもより恋模様が進展した2期。「白雪を王子妃に考えている」という言葉もゼンが発せるほどに進展する2人の関係。宮廷薬剤師見習いだった白雪もついに一人前の宮廷薬剤師になるまでに成長していた。特に恋敵が出てくることも無く、2人の恋模様は1期同様ただただ美しく描かれていた印象。

25劇場版 ソードアート・オンライン-プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ(映画)
《あらすじ》
TVアニメをはじめメディアミックス展開している、川原礫の小説『ソードアート・オンライン』シリーズを、原作者が物語の視点を変えてリブートしたオリジナル劇場版第2弾。ゲーム“ソードアート・オンライン”の世界にプレーヤーが閉じこめられて1カ月が経った頃、アスナはコンビを組んだキリトと、最上階を目指し順調に攻略していく。しかし、ふたつのゲーム攻略最前線ギルドの対立と黒幕の存在が、ふたりを死と隣り合わせの戦いに巻き込んでいく。
《印象》
第1作『星なき夜のアリア』と同様、2012年に放送されたソードアート・オンラインとは違う視点で描かれていて、面白かった。第1層ボスクリア後、キリトがソロへの道を行こうとして、そのままアスナと別れていた物語をアスナが追いかけることによってパーティを組む方向へと変わっている。そして今回の『冥き夕闇のスケルツォ』ではパーティを組んだ2人のその後が描かれ、5層攻略に挑むストーリーとなっていた。2人の相棒としての立ち位置が早まっている印象で、2012年『ソードアート・オンライン』ではもっと後半にこの感じが出ていたのでこの後、モノガタリがどう進んでいくのが楽しみだ。

26休日のわるものさん(1~12話)
《あらすじ》
地球侵略を目論む悪の組織で”将軍”と呼ばれる主人公は、地球防衛組織「レンジャー」と日々死闘を繰り広げる。けれど、仕事の日と休日はきっちり分けたいタイプ。日々の激務に疲れた心身を癒すべく、パンダを見に動物園へ行ったり、アイスを買いにコンビニに行ったりと地球でオフを満喫する一面も持つ。完全オフモードで充実した休日を過ごす、そんな“わるものさん”の日常を描く、心癒されるヒーリングコメディ。
《印象》
悪役にも休日があるのだという新しい視点が新鮮な作品だった。母星のために地球を侵略したいものの、オフで地球を満喫している主人公だったので、シリアスが途中ではいるのかと思いきや、少なくともこのアニメ版ではその辺のシリアス展開はなかった。(漫画の方は読んだことがない)
コメディとして笑える部分もありつつ、桜の木とその近くの木の擬人化(精霊?)の少女と少年の恋などには感動させられ、見ていて単調になりすぎてなくて良い作品だと思った。

27ゆびさきと恋々(1~12話)
《あらすじ》
女子大生の雪は、ある日困っているところを同じ大学の先輩・逸臣に助けてもらう。聴覚障がいがあって耳が聴こえない雪にも動じることなく、自然に接してくれる逸臣。 自分に新しい世界を感じさせてくれる逸臣のことを雪は次第に意識し始めて。聴覚障がいのある女の子・雪と世界を旅する大学の先輩・逸臣のピュアラブストーリー。
《印象》
聴覚障害の主人公を中心とするラブストーリーはどんな描かれ方をするのだろうかと興味があり視聴。終始綺麗なラブストーリーだった。恋敵も出てくるものの、直接的にもめるなどはなく、平和に幕を閉じていて、サブキャラ達もそれぞれが別々に幸せを見つけていて、後味も良かった。

28会長はメイド様!(1~12話)
《あらすじ》
文武両道の完璧な会長は、実はメイドさんだった。
元・男子校だった星華高校は、男子生徒が全体の8割を占めている。数少ない女子生徒は粗野で無神経な男子に耐えるのみの毎日を送っている。そんな状況を打開すべく、初の女生徒会長になったのが鮎沢美咲生徒会長。文武両道の美咲は、親律ある学校生活をもたらすべく日々奮闘していた。だが、美味にはある秘密があった。"メイド喫茶”でアルバイトをしていること。周りにバレないようにと願いながらアルバイトを続けるある日、学校一のモテ男・碓氷拓海に見られてしまい、最大のピンチ。美咲の、生徒会長”ど"メイド”の二重生活が始まる。
《印象》
若干絵柄が昔めで抵抗感があり、なかなか見れていなかった作品。漫画版は読んだことがあり、面白かったので視聴。ストーリーが面白くて絵柄が途中から気にならなくなっていった。私は絵柄を見て作品を見るのを控えたりしていた節があったが、この作品を見て、意外と見ていくうちに、気にならなくなってくる場合もあるのだなと学んだ。ストーリー自体はあらすじ通りの恋愛ものだが、ヒロインの鮎沢美咲もヒーローの碓氷拓海もどちらも現実に有り得なくはないけど個性的なキャラクターで想像しやすくて良かった。

29ミイラの飼い方(1~12話)
《あらすじ》
ごく普通の生活を送る男子高校生・柏木空はある日、旅先のエジプトにいる自称“冒険家”の父から突如、ミイラを送りつけられる。「面白いミイラを見つけたからお前に預けることにした!」と書かれた父の手紙におののく空。だが、送られてきた大きな箱から現れたのは、全長12cmのミイラだった。そこから空とミイラの共同生活が始まった。
《印象》
珍しい生き物たちと主人公たちの日常を描いた作品だった。あらすじ記載の通り、主人公の空はミイラ(後にミーくんと名づける)と一緒に暮らすようになり、親友の他月やクラスメイトの茂木さんや大地という登場人物が登場しそれぞれ珍しい生き物と暮らすようになる。お話自体はすごくほっこりする日常物がメインで見やすかった。飼い主立ち位置の登場人物同士、友情が芽生えたり深まったりという友情物語的側面もあったので、単調になりすぎない作品だと感じた。

30経験済みな君と経験ゼロな俺がお付き合いする話(1~12話)
《あらすじ》
加島龍斗(リュート)は冴えない陰キャ男子で16年間彼女ナシ。 そんなリュートの憧れは、クラスメイトの白河月愛(ルナ)。学年一の美少女ギャルで、恋愛経験も豊富。 遠くから見ているだけで十分だと思っていたけれど、友人との賭けの罰ゲームをきっかけに告白し、なんと付き合うことになる。恋愛経験ゼロの陰キャ男子と経験済みなギャル、住む世界が違いすぎる二人が織りなす凸凹だけど、ピュアでリアルでドキドキがつまった極上青春ラブストーリー。
《印象》
罰ゲームで告白させる友人群にはあまり好感がもてなかったけど、主人公カップルは価値観も生き方も凹凸で違うけど、お互いを尊重していくストーリーになっていて、うまくいっていて良かったと素直に思えた作品。漫画作品を知っていて気になってたものの、あまり手を出してなかった作品の1つだったので見れてよかった。
2024/09/24(火) 22:04 No.2066 EDIT DEL