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3年 橋原 RES
夏休み課題1~30

1.『ディセンダント ライズ・オブ・レッド』(映画)
監督:ジェニファー・ファン
〈あらすじ〉かつてロスト島にその悪名を轟かせ、マレフィセントの娘・マルと敵対していたアースラの娘・ウーマ。時は流れ、オラドン高校の新校長となったウーマは、暴君として知られる恐ろしきヴィラン“ハートの女王”の娘・レッドを学校に迎えようと招待状を送る。ハートの女王はオラドン高校、そして特にシンデレラに対して積年の恨みがあり、娘がオラドン高校に通うことになったことをきっかけに、復讐を果たそうとクーデターを起こす。そんなさ中、レッドはシンデレラの娘クロエと共に過去にタイムスリップしてしまう。2人は協力して、過去の世界のまだ若きハートの女王を、悪の道に引きずり込むきっかけとなるトラウマ的な出来事を防ごうと奮闘する。

〈考察〉本作は『ディセンダント』シリーズの4作目になるが、続編発表が出た時から次回作のメインキャストはどうなるのか不安でもあり、予想がつかないという視聴者の声が多かったと考えられる。しかし今までのメインキャラクターたちはウーマ以外登場せず、新しいキャスト、キャラクターをメインにしていることで、これまでのシリーズのファンを極力悲しませることなく、新たなヴィランズの子供たちのストーリーを面白く展開させている。そして本作はミュージカルであるが、オープニング・ナンバーから掴みとして抜群なインパクトのあるかっこいい曲であり、主人公のキャラクター像も物語の世界観も冒頭から視聴者にわかりやすいものとしていると感じた。

2.『異世界スーサイド・スクワッド』(アニメ)
監督:長田絵里
犯罪都市、ゴッサム・シティ。A.R.G.U.S長官のアマンダ・ウォラーはある任務のため、ハーレイ・クイン、デッドショット、ピースメイカー、クレイフェイス、キング・シャークを招集。ゴッサムの悪党(ヴィラン)共が送りこまれたのは、ゲートによって繋がった剣と魔法の世界、オークが闊歩しドラゴンが空を翔ける"異世界=ISEKAI"だった。ISEKAI到着直後から暴走するハーレイ達だったが、王国の兵隊に捕まり監獄送りに。女王アルドラとの交渉の末、掴み取った解放の条件は敵対する帝国軍の征圧。自由を得るため、ハーレイ達はファンタスティックでデンジャラスな戦地へ向かう。命懸けのミッションを背負ったハーレイ達はこのISEKAIを生き抜くことができるのか。決死の特殊部隊=スーサイド・スクワッドのド派手な"暴"険譚が今、幕を開ける。

DCコミックスを原作とした、アメリカの映画でも有名な悪役たち、スーサイド・スクワッドがもしも異世界に行ったらというストーリーであり、原作や映画を好きな人には非常に面白い内容になっていると考える。また原作や映画をあまり知らない人でも、日本発のオリジナルアニメーションのため、楽しめる内容である。悪役だからこそ思いつく発想や困難の切り抜け方など、悪役というキャラクターの魅力が詰まっており、王道の正義を語るヒーローものでは味わえない面白さがあると感じた。しかし普段は悪役という立場ではあるのだが、本作では主人公として描かれていることやその性格も純粋さ故のものであり、また舞台が戦争中であることから、視聴者側からすると一概にどちらが悪で正義なのか分からないような、主人公たちがあまり悪役に見えないような部分があると感じた。

3.『杖と剣のウィストリア』(アニメ)
原作:大森藤ノ 作画:青井聖 監督:𠮷原達也
一人前の魔導士をめざして魔法学院に入学した少年ウィル。努力家の彼には魔導師として致命的な弱点があった。それは、“魔法がまったく使えない”こと。同級生や教師から冷たい視線を浴び、時にはくじけそうになりながらも、強い気持ちで邁進していくウィル。杖は使えなくとも剣を執り、魔法至上主義の世界で戦い抜く。自分だけに与えられた力を信じて。そして、大切な人との約束を守るために。

主人公が迫害を受けても諦めずに上を目指す理由は、ひとえに幼馴染への愛故のものであるのだが、それが傍から見たらふざけた理由に思えても決して軽い気持ちではなく、強く一途な思いである。そしてそれを貫き通すこと自体も主人公の愛の強さを物語っており、主人公の行動全てがその気持ちから来るものとして、その原動力とも言える思いがこの物語の根幹になっているのだと考える。またタイトルのウィストリアは魔剣譚という意味であるが、そこからも魔法と剣、すなわち杖と剣が交わる物語だということが分かる。そして主人公の名前ウィルと幼馴染の名前エルファリアの2人の名前が合わさったようでもあり、幼馴染のエルファリアは主人公と対称的に魔法の天才である。そのことからもこの物語が二人の魔法と剣の物語だということを強く表していると考える。またエンディングではエルファリアの気持ちを歌っているなど、主人公だけでなく幼馴染の気持ちも非常に強いというのがこの物語をさらに面白くさせており、物語が進むにつれ二人の愛の強さや、主人公の特殊性、杖と魔法2つが組み合わさることで得られる力などが分かっていき、その事もタイトルが物語を表しているのだと感じた。またバトルシーンなどの作画が非常に綺麗であり、そこがアニメ最大の魅力であると感じた。

4.『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』(アニメ)
原作:藤原ここあ 監督:大橋明代
悪の組織はあらゆるものを侵略し、あらゆるものを滅ぼす。残忍にして狡猾なその組織ブレーンには、王の片腕たる悪の参謀がいた。地上侵略の危機に立ち上がる、薄幸の魔法少女・白夜。しかし彼女と対峙した悪の参謀・ミラは、なんと白夜に一目ボレしてしまい。魔法少女と悪が敵対していたのは、かつての話。殺し愛わない、ふたりの行く末は?

原作は大体四コマ漫画ということもあってギャグ要素満載な話だが、悪の組織の幹部と魔法少女が惹かれ合っていく過程として、悪役が魔法少女を溺愛する中で今まで我慢して生きてきた魔法少女の本当の気持ちを引き出していくなど、相手を尊重する二人の優しい恋愛を描いている。また魔法少女を導く御使いというキャラクターが最もまともではなく、むしろ一番悪役なのではないかと思う場面もあり、ストーリーとしても読み応えがあると考える。そして魔法少女ということもあり変身シーンも可愛く、色彩も物語にあった薄い色合いでふわふわとした世界観が演出されていると感じた。

5.『デリコズ・ナーサリー』(アニメ)
原作:末満健一 監督:錦織博
名門デリコ家の貴族であり、将来を嘱望されている《血盟議会》のエリート議員 、ダリ・デリコ。吸血種たちの最高統治機関である《血盟議会》からある任務を命じられるものの、ダリはにべもなく断ってしまう。業を煮やした同期議員であるゲルハルト、ディーノ、エンリケが説得に向かうと、そこには自ら幼子をあやすダリの姿が。吸血種の貴族たちによるノブレス・オブリージュ育児奮闘記。高貴なる貴族の吸血種たちが我が子の《育児》に奮闘する裏で、伝説の吸血種《TRUMP》に纏わる怪しい陰謀が渦巻く。2009年に劇作家・末満健一によって上演されたオリジナル演劇作品『TRUMP』。その『TRUMPシリーズ』の新たな展開として描かれる完全新作TVアニメーション。

演劇を原作とする作品であることも珍しく、本編の演劇シリーズでは吸血鬼たちの辛く悲しい物語ではあるのだが、本作はその間の唯一息抜きができるような作品として知られている。本作はその点からも高貴な吸血鬼達による育児の奮闘物語としても吸血鬼を取り巻いた陰謀渦巻くストーリーとしてもどちらの観点からでも見所がある作品だと考える。しかしやはり一番の魅力は、序盤の無邪気な可愛い子供たちとその子供たちに狼狽える父親たちであり、見ていて癒されると感じた。また本作の続編の物語である漫画『TRUMP』を読んだことがある人は、本作の子供時代と漫画本編のギャップに悩まされ、本当にこれからあの未来が来るのか、パラレルワールドであって欲しいなどという複雑な心境になり、見ていて辛くなるだろうと感じた。それ故に漫画の結末を知っている人から見ると、救いでもあると同時に救いのない絶望が襲ってくる作品でもある。

6.『TRUMP』(漫画)
原作:末満健一 漫画:はまぐり
吸血種<ヴァンプ>と人間の血が流れる少年ソフィは、養護院からクランと呼ばれる施設へと入所した。そこは繭期――人間でいうところの思春期を迎えた吸血種の少年たちが集う学園。周囲の吸血種から冷ややかな目で迎えられる中、ソフィはある一人の少年と運命的な出会いを果たす。劇作家・末満健一の人気シリーズの原点となる物語をコミック化。繊細かつ多感な少年たちの葛藤を美しく紡ぎ出すゴシック学園ファンタジー。

 本作は前述したアニメ『デリコズ・ナーサリー』と繋がっており、本作を読む前に、本作の過去の物語であるアニメを見ると可愛かった子達の成長した姿にまず驚かされ、バッドエンドともとれる結末になんとも言えない辛い気持ちに襲われること間違いなしだろう。しかし本作を見てからアニメを見ても複雑な心境になることは間違いないのでどちらを先に見た方がいいのかは答えが出ないと考える。本作での登場人物たちの関係性はあまり良い関係性と言えないため、アニメで改善されたのではなかったのか、なぜこうなってしまったのかという疑問が尽きなく、アニメの後何があったのかと非常に気になるものがある。そのため本作の前の話をいずれ漫画で見てみたいという気持ちや、他の演劇作品も漫画化やアニメ化して欲しいという気持ちに読者はなるだろうと感じた。そして結末がハッピーエンドとは言えないため、そのことからも原作である演劇作品が非常に重い話であることが伝わる。

7.『FAIRY TAIL 100年クエスト』(アニメ)
原作:真島ヒロ 漫画:上田敦夫 総監督:石平信司
フィオーレ王国随一で、お騒がせ魔導士ギルドとしても有名な「妖精の尻尾フェアリーテイル」。そこに所属するナツ・ルーシィ・ハッピー・グレイ・エルザ・ウェンディ・シャルルの最強パーティーは、旅立ちの時を迎えようとしていた。目指す先は遥か北の大地・ギルティナにあるという世界最古の魔導士ギルド「魔陣の竜マギア・ドラゴン」。魔導士ゼレフや黒竜アクノロギアとの死闘を乗り越えたナツたちが次に挑むのは、<S級クエスト>の更に上級である100年以上誰も成し遂げたことがないと言われる伝説級の難関依頼、<100年クエスト>。『FAIRY TAIL』の最終話からそのまま続く、正統続編。心躍る新たな大冒険が再び幕を開ける。

『FAIRY TAIL』の正統続編ということもあり、本編でナツが挑戦したがっていた100年クエストに挑むという内容とそのアニメ化というのがまず視聴者からは非常に嬉しいと考える。本作でも本編のキャラの気になっていたその後などを知ることができ、報われなかったキャラ達が報われていくところを見られて気分も晴れるだろう。特に11話に登場したゼレフとメイビス、その子供たちは全視聴者が感動し、ナツの想像の中だとしても嬉しい限りだろうと感じた。このような本編で晴れなかった気持ちも続編ということで晴れさせてくれ、しかも漫画では真島ヒロ先生が描いていないもののアニメでは今までのシリーズと何も変わらない為、正統続編であることが身に染みて分かることが本作の最大の魅力であると考える。

8.『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』(アニメ)
原作:燦々SUN 監督:伊藤良太
久世政近の隣の席に座るアーリャさんは、いつも彼に対して冷ややかな目線を向けている。けれど、時々ボソッとロシア語で彼にデレていて……。その言葉を政近も聞き逃しはしない。なんと、政近はロシア語のリスニングがネイティブレベルだったのだ。気付いていないと思い込み、時々デレるアーリャさん。そして、その意味を理解しながらも、気付いていないような振りをする政近。ニヤニヤが止まらない、二人の恋模様の行方は。

 普通のラブコメにも見えるのだが、物語が進むにつれ政近の秘密やチートぶりが顕になっていくところがより一層ストーリーに引き込ませると感じた。しかしやはり根本はラブコメであるというところも面白く、政近とその周りのヒロインたちとの絡みが王道で面白いと感じさせる。そして一見強力なライバルでありヒロインに見える周防有希が実は政近の実妹であるという設定は、作者自身最初兄妹設定は無かったがあまりにも負けヒロインすぎて可哀想だから実妹にしたと語っており、その設定が物語を広げ最も面白くさせていると考える。原作でも人気の場面である11話の政近の表情が映像で見られたことで、政近と有希の似ている兄妹としての部分がより分かりやすくなっており、アニメでもより視聴者を興奮させる演出が多いと感じた。またエンディングが1話ごとに代わり、アーリャ役の声優による有名曲のカバーであることも面白く、話ごとに合っている選曲でもある。

9.『俺は全てを【パリイ】する』(漫画)
原作:鍋敷、カワグチ 漫画:KRSG
世界をめぐり、怪物と戦い、人々を守る。そんな冒険者に憧れる少年・ノールに下されたのは、「全てにおいて、一切の才能がない」という残酷な判定だった。でも才能がないなら、誰よりも努力すればいい!身につけた最低スキル──攻撃を弾く【パリイ】を十数年もの間ひたすら磨き続け、ついには千の剣を弾けるように成長する。しかし、どれほど極めても最低スキルだけでは冒険者にはなれず、ノールはいつの間にか世界最強クラスの力を手にしながらもそれを自覚することもなく、街の雑用をこなす日々をおくっていた。そんなある日、
魔物に襲われている王女・リーンを偶然助けたことで、ノールの運命の歯車は思わぬ方向へと回り出す。

主人公が無自覚に無双していくという小説家になろう王道のバトルファンタジーものであるが、主人公の強さは努力を積み重ねてきたものであり、強さを威張らないというような純粋さ故のものであったりするため、最強主人公に対し嫌悪感を抱くこともあまりないと思われる。またこれまで主人公が行ってきた各分野の修行の師匠がそれぞれのプロフェッショナルであり、それぞれのキャラが主人公のことを絶賛していることや主人公は冒険者界隈において伝説になっていること、主人公が自分の規格外の強さについて全く知らないというところが早く気づいて欲しいと読者に強く思わせていると感じ、物語の続きを気にならせる工夫だと考える。

10.『僕のヒーローアカデミアTHE MOVIEユアネクスト』(映画)
原作:堀越耕平 監督:岡村天斎
ヒーロー対ヴィランの最終決戦直前の完全新作オリジナルストーリー。全面戦争の影響で荒廃した日本に、突如現れた謎の男。出久たちに対して、自らを【オールマイトに代わる新たな象徴】と称し、「次は俺だ!」と高らかに宣言するその男の名は、ダークマイト。姿形はオールマイトそっくりだが、その思想は全く違い、自身の野望ために“個性”で作り出した巨大な要塞に人々を次々と取り込んでいく。出久や爆豪、轟たち雄英高校1年A組は、ダークマイトと、彼が率いる謎の犯罪組織“ゴリーニ・ファミリー”に果敢に立ち向かっていく。果たして、【新たな象徴】ダークマイトの野望を阻止し、世界を守ることができるのか。

 原作の決戦の最中に起きた話として映画を繋げるのが上手いと感じた。本作の映画の中でも燈矢や初代が登場し、原作勢も興奮するような感動場面が散りばめられていたと考える。また今回もオリジナルキャラクターが素晴らしく、毎回劇場版に登場するキャラクターは惹かれるものがあり劇場版の魅力である。そして最後には劇場版の続きもしくは原作、アニメの続きを思わせるような描写があり、もし劇場版の続きであったのなら原作が完結した今次は何をするのかなど視聴者をより一層楽しみにさせる演出だと感じた。

11.『刻刻』(アニメ)
原作:堀尾省太 監督:大橋誉志光
佑河家に代々伝わる止界術。止界術を使うと、森羅万象が止まった“止界”に入る事が出来る。ある日、主人公樹里の甥と兄が、誘拐犯にさらわれてしまう。救出の為にやむを得ず“止界術”を使うが、そこにいるはずのない自分以外の“動く”人間たちに急襲される。彼らは、止界術を崇める「真純実愛会」。止界術を使用する際に必要な“石”をめぐり、止界の謎、佑河家の謎が徐々に解明されてゆく。

一家に伝わる止界術という特別な術で無双していくような話かと思ったが、1話からその術を破るものたちが現れいきなり戦いになり、午後6時29分からずっと変わらずその時間が繰り返されるという予想できないストーリー展開が魅力であると考える。また登場人物たちもそれぞれ個性的であり、一家の中で特別な力を持つものが力を駆使し突破していくところなど魅力が多い作品である。そして冒頭のシーンが最後に繋がるところがなるほどと言わせるような構成である。また本作ホームページに時計が着いている演出が時を司る話として非常に面白い演出だと感じた。

12.『毒を喰らわば皿まで』(漫画)
原作:十河 漫画:戸帳さわ
竜の恩恵を受けるパルセミス王国。その国の悪の宰相アンドリムは、娘が王太子に婚約破棄されたことで前世を思い出す。同時に、ここが前世で流行していた乙女ゲームの世界であること、娘は最後に王太子に処刑される悪役令嬢で、自分は彼女と共に身を滅ぼされる運命にあることに気が付いた。そんなことは許せないと、アンドリムは姦計をめぐらせ王太子側の人間であるゲームの攻略対象達を陥れていく。ついには、ライバルでもあった清廉な騎士団長を自身の魅力で籠絡していく。

単なる悪役令嬢系異世界転生ものという訳ではなく、悪役令嬢の父親が主人公であり、そして前世を思い出したから性格が変わるということもなく、ゲームの中の悪役という立場から一切変わらずに、非常に頭が切れる冷酷非道な人物として振舞っていることが特徴である。徐々に良い人物に見えていくがそれすらも計画など、一貫して悪役としての考え方などもぶれず、全てにおいて冷静に物事を判断し、様々な策略を巡らせ、結果的には全て主人公の掌の上という点が本作の最大の魅力である。そして原作も分かりやすく面白いのだが、漫画の美しい繊細な絵で描くことで、綿密に考え込まれた世界観や主人公の美しい悪役としての人物像をより魅力的に演出しており、登場人物や物語の魅力が漫画になることでより一層高まっていると考える。

13.『松かげに憩う』(漫画)
原作:雨瀬シオリ
描かれるのは、幕末の器才・吉田松陰。幕末という狂乱の時代の中で、教育とは何か、人とはどう生きるべきなのかを説く。今まで描かれていなかった伊藤博文のやりのこした想い。高杉晋作がなぜ、狂乱のカリスマとなれたのか。そして、なぜ吉田松陰という幕府転覆の核が生まれ、その男の目に日本の未来がどう映っていたのか。全日本人必読の美麗ヒストリーコミック。時代を越えて“狂”のレクイエムが鳴る。

吉田松陰と伊藤博文や高杉晋作などの背景を細かく描いており、歴史の勉強にもなる作品である。また作者の絵の雰囲気によって、当時の時代の世界観などを重厚かつリアル描き出しており、作者の絵が作品に非常に合っていると感じた。吉田松陰という人物が最期なぜああなったのかという部分を、正義感が強く、頭が良く人一倍未来が見通せたが故に見過ごせなかったというような人柄、それに伴う過去、教え子たちなどの関係のある事柄と、一人の人間の中にある狂気の部分を魅力的に描き、それらを丁寧に紐解いていくことで繋がるストーリーが惹かれ、面白いと考える。そして本作からは吉田松陰への尊敬と畏敬の念が伝わるようであり、まさに吉田松陰へのレクイエムであると感じた。

14.『結ばる焼け跡』(漫画)
原作:雨瀬シオリ
昭和20年、上野。終戦直後の焼け跡で、全てを失った者達の魂が爆ぜる。自分以外の家族を失った戦争孤児・兼吉は、絶望の中でもがき続ける。だが謎の青年・金井田との出会いが、少年の心を解きほぐし…?

戦後の日本を舞台として、戦後の人々の暮らしなど悲惨な現状を如実に描きながらも、あったかもしれないフィクションのような過去を持つ金井田という主人公を登場させることで、フィクションとノンフィクションが上手く混ざりあった作品になっていると感じた。しかし実際金井田のような人物がいてもおかしくないため、過去に日本でこんなことがあったと戦後という時代をリアルに描いている作品でもある。また金井田と最初に出会った兼吉の二人の絆の深さやお互いに心から大切に思っているという描写が回を追うごとに描かれ、非常に感動すると感じた。

15.『しょせん他人事ですから』(漫画)
原作:左藤真通 作画:富士屋カツヒト
ネット炎上・SNSトラブルに遭ったことはありますか。誹謗中傷を受けた女性が出会った弁護士はネット案件に強いようだけど、だいぶ変わり者…?誰もが今日にも被害者に、そして加害者になる、現代の闇!他人事ではいられない誹謗中傷&情報開示請求のリアルドラマが幕開け。

誰もが被害者になり加害者にもなるという現代のネットトラブルの闇をリアルに細かく描いており、現代の人々が必読した方が良い非常に勉強になる作品である。SNSで顔が見えないからと言って、誹謗中傷やその記事をリポストしただけでも身元を割り出すことも訴えることもでき、些細なことで他人や自分の人生を狂わせてしまうという現実を突きつけられ、見えないことで他人を時に面白半分に時に深く考えずに叩くという人間の恐ろしさも知れる作品だと感じた。

16.『赤と白のロイヤルブルー』(映画)
原作:ケイシー・マクイストン 監督:マシュー・ロペス
ケイシー・マクイストンの同名ベストセラー小説を映画化し、アメリカ大統領の息子とイギリスの王子の恋の行方を描いたロマンティックコメディ。アメリカ初の女性大統領の息子アレックスとイギリスのヘンリー王子は、ともに端正なルックスとカリスマ性を兼ね備え国際的な人気を集めていたが、互いのことを軽蔑しあっていた。ある日、王室行事での2人の口論がタブロイド紙で大きく報じられ、米英関係に亀裂が入りそうになってしまう。事態の修復を図る関係者たちは2人を強制的に仲直りさせ、やがて両者の間には思わぬ友情が芽生えはじめる。

アメリカ大統領の息子とイギリスの王子の恋という物語の設定からも面白さが伝わる作品であると考える。立場ある二人の美しい青年の美しい恋を美しい映像で見ることができ、キャストやストーリーの素晴らしさを身に染みて感じた作品であった。また本作のキャラクターのインスタグラムのアカウントがあることが、二人が現実世界にいると視聴者に錯覚させ喜ばせる演出であり、制作側の非常に粋な視聴者への心遣いだと感じた。

17.『逃げ上手の若君』(漫画)
原作:松井優征
1333年、鎌倉。幕府の後継として生きるはずだった少年・北条時行は突然の謀反で故郷も家族も全て失う。しかし時行は、生き延びることに関しては誰よりも秀でていた。信濃国の神官・諏訪頼重に誘われ、少年は逃げて英雄になる道を歩み始めた。史実を描く逃亡譚。

中先代の乱で知られる北条時行にスポットを当てた作品として、詳しく描かれており、歴史好きの人にもそうでない人にも面白く分かりやすく読めて学べる物語だと考える。史実を元にしているため知っている偉人の名前が出る度に興奮し、その一人一人についても詳しく、その時代の思考も特徴も学ぶことが出来る。教科書では数行で終わってしまう間に、北条時行という人物がその周りの何人もの人達が力強く生き抜き死んでいった事実があったのだと再確認させられるような作品でもある。また前半の舞台である長野県の諏訪大社は、個人的によく訪れる馴染みの場所でもあり嬉しく感じた。そして今期のアニメとしても非常に評価が高く人気になる作品だと考えるため、本作の影響で諏訪大社に訪れる人が今後多くなるのではと考える。

18.『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(ドラマ)
原作:宮木あや子 脚本:中谷まゆみ/川﨑いづみ
おしゃれ大好き!スーパーポジティブ!河野悦子は、夢のファッション誌編集者を目指し、出版社に入社。なのに、配属されたのは、超地味な校閲部。しかし、夢を諦めずに地味な仕事でも真っ向勝負。時には、矛盾点を作家に訴え内容を大幅に変更させるなど校閲の仕事を超えて大暴れ!今日も、ド派手ファッションという戦闘服に身を包み、校閲の仕事に立ち向かう!夢を叶えた人にも、まだ叶えていない人にもエールを送るお仕事ドラマ。

出版社の校閲部という仕事に焦点を当てており、このドラマで校閲という存在を知った人も多いだろう。主人公の河野悦子という人物から、夢を諦めないこと、たとえ望んでいなかった仕事だとしてもその仕事の楽しさは自分次第で決まるということが強く分かる作品だと感じた。また編集者、出版社、作家、それぞれについても詳しくなり、校閲という仕事の面白さが全面に描かれていることが魅力だと考える。そして河野悦子の毎話のファッションも非常にオシャレで可愛いことから、視聴者の気分が上がると共に、たとえ地味な仕事でも何の服を着てもいい、仕事へのやる気は自分で決めるという河野悦子の人柄が表されていると感じた。

19.『ACCA13区監察課P.S.』(漫画)
原作:オノ・ナツメ
 組織に生きる男たちが泡沫に隠してしまうもの。古い約束、人知れぬ信念、大切な存在。ACCA5長官として組織をけん引した彼らは、何を思い、あの場所にいたのか。「ACCA」本編に隠された思いがにじみ出す過去編。

 本作は『ACCA13区監察課』の外伝作品であり、本編の最中それぞれの登場人物は何があったのか、どんな思惑が交錯していたのかが描かれている物語である。本作を読むことで本編への理解度も面白さも高まるので、本編を読んだことがある人は必ず読んだ方が良いと感じた。本編では描かれなかった主人公ではない五長官たちなどのサイドストーリーを知ることで、各キャラクターへの好感度も上がると考える。

20.『うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE1000%』(アニメ)
原作:紅ノ月歌音、ブロッコリー 監督:紅優
超人気アイドル「HAYATO」に憧れ、 作曲家を夢見た少女・七海春歌は念願叶って競争率200倍の芸能専門学校「早乙女学園」作曲家コースに入学。春歌の前に現れるのは、アイドルを夢見るまばゆき6人のプリンスたち。数々の試練も訪れる春歌と麗しきうたのプリンスたちのドキドキ青春ラブコメディ。2010年6月にPSPゲームソフトとして登場した人気ゲームのアニメ第1弾。

 タイトルやキャラクターは少し知っていたものの、ストーリーなどは詳しく知らなかっため、本作で6人のアイドルグループ誕生に繋がる過程などを知った時は感動した。またアイドルとプレイヤーというゲームコンテンツの古参の作品でもあるが、似たようなコンテンツとして『あんさんぶるスターズ!!』や『アイドリッシュセブン』などが挙げられ、本作ではキャラクターほぼ全員が主人公に明らかな恋愛感情を抱いているという点が最近の似たゲームコンテンツとの最大の違いではないかと考える。そして魔法などのファンタジー要素も登場し、主人公とアイドルたちの歌によって繋がる強い絆を描く上で空中を周りながら飛ぶなどの演出があり、ツッコミどころも満載な作品であるのでストーリーでも演出でも視聴者を楽しませる部分が多いと感じた。

21.『A3!ACT4第14幕、第15幕』(ゲーム)
シナリオ:トム 開発:リベル・エンタテインメント
第四部では新生フルール賞の概要が発表され、MANKAIカンパニーもその新たな仕組みに翻弄されることになる。そしてMANKAIカンパニーでは無事に春組第十一回公演を終え、新生フルール賞のランキングも着実と上がっていく。第14幕では春組から繋いだバトンを夏組が受け継ぎ、第十一回公演『Water me!!〜333年の約束〜』を、第15幕では秋組が『ピカレスク・リターンズ』を上演する。

第14幕、第15幕では夏組と秋組が第十一回公演を公演したが、春組同様旗揚げ公演の続編である。旗揚げ公演の続編であることはやはり視聴者に感慨深さを感じさせるものであるが、ストーリーもまたそれぞれの団員の新たな挑戦と旅立ちを描いており、挑戦したことで得られた経験と思いを糧に公演を一段と素晴らしくさせている。そして新フルール賞へ向けて本気で向かっているみんなの熱量を感じさせるストーリーであった。いつか見て想像した二次創作かと見紛う程の興奮するような内容であり、新キャラクターと団員たちとの掛け合いなどもまた視聴者を楽しませる内容だと感じた。総じて各キャラクターの成長が描かれ、旗揚げ公演からの成長をひしひしと感じ取ることができ感動すると共に、視聴者もカンパニーも次の第16幕へ向けて冬組の舞台が整った万全の状態であると考える。それ故に次の冬組の公演が非常に楽しみであり、現在は視聴者全体の期待が高まっている状態だと感じた。

22.『ディズニー ツイステッドワンダーランド 1~7章chapter10』(ゲーム)
シナリオ:枢やな 開発:f4samurai
この物語が描くのは、「悪役たち(ヴィランズ)」の真の姿。魔法の鏡に導かれ、異世界「ツイステッドワンダーランド」に召喚されてしまった主人公。辿り着いた先は名門魔法士養成学校「ナイトレイブンカレッジ」。行く当てのない主人公は、仮面の学園長の保護を受け、
元の世界へ帰る方法を探し始める。しかし、そこで待ち受けていた生徒たちは、才能豊かだが、協調性皆無の問題児ばかりだった!はたして主人公は、彼らと協力し、元の世界へ帰ることができるのか?そして、ヴィランズの魂を持つ、生徒たちの秘密とは?ディズニー公式が送る、リズムとバトルで紡ぐディズニーヴィランズ学園アドベンチャーゲーム。

協力がウォルト・ディズニー・ジャパンという強力な布陣であり、ストーリーもディズニーの作品、キャラクターの設定が細かく反映されているためディズニー好きにはたまらない作品だろうと考える。また原案・メインシナリオ・キャラクターデザインを『黒執事』の枢やな先生が担当しており、キャラクターデザインが作品をより引き立てている非常に魅力的な作品である。そして設定の細かさもさることながら、それに伴う伏線も豊富であり、ストーリーに漂う不穏さとストーリー展開の面白さが尋常ではなく、さすが枢やな先生と言わざるを得ない。現在7章chapter10まで進んでいるが、ここからの展開とまだ登場していないヴィランズの登場、4年生たちなど解明されていない部分がまだ多くあるので、これからの展開も期待が尽きない。また学園は男子校であるのだが、主人公である監督生が女性であるか男性だと思うかによって解釈なども変わってくると感じた。ゲームをプレイしている人は恐らく女性が多いため、女性だと考える人も多いが単純に男子である可能性も高い。ゲームでは明確になっておらず、コミックス版では章ごとに主人公が変わりどちらもいるなど、プレイヤーの期待を裏切らないような配慮がされていると考える。そして今までのストーリーを振り返り、やはり2章にはオーバーブロットなどの謎が多いと感じ、ハーツラビュル寮も謎が多いため、これから描かれる7章で何か繋がって来るのでは、何か明かされるのではという期待が高まっている。

23.『ヒプノシスマイクJust Friend、Not For You』(ドラマトラック)
原作:KING RECORDS
2017年9月に始動した音楽原作キャラクターラッププロジェクト“ヒプノシスマイグ”。
ラップミュージックには、日本のヒップホップシーンを牽引するラッパー・トラックメーカーがクリエイターとして参加。キャラクター性の強い音楽と、物語性の強い音声ドラマを原作として、コミック、ゲームアプリなど様々なメディアミックスを行う。時はH歴。人の精神に干渉する特殊なマイク「ヒプノシスマイク」の登場により、戦争は根絶された。女性党首率いる“言の葉党”が政権を握り、言葉の力が武力に取って代わった世界で、男たちはラップで優劣を決するようになった。イケブクロ・ディビジョン、ヨコハマ・ディビジョン、シブヤ・ディビジョン、シンジュク・ディビジョン、オオサカ・ディビジョン、ナゴヤ・ディビジョンの6つのMCグループによる男たちの威信をかけたラップバトルが始まる。その後言の葉党が失墜するという事態が起きたものの、目前に第3回ディビジョンラップバトルを控えた各々の、過去のしがらみやバトルに向ける真意が明かされていく。

 本作はシブヤとシンジュク・ディビジョンの最新ドラマトラックであり、言の葉党の失墜後と第3回ディビジョンラップバトルを控えた状況のそれぞれのディビジョンのストーリーが描かれている。シブヤでは、帝統の母親の正体を仲間に明かし、また幻太郎の兄が登場するというそれぞれの家族の真実が明らかとなったが、ここに来ての幻太郎が兄になりすましていたことなど、仲間へ真実が露見することが描かれ、待ち望んだ展開と驚くべき真実に視聴者は非常に感慨深かったと思われる。そして幻太郎と兄の関係性に『あんさんぶるスターズ!!』のHiMERUと要が思い浮かんだ人も多いと考える。シンジュクでは一二三の仄仄との過去が明かされ、今までも少しずつ語られてきたことで辛い過去だということは分かっていたが、やはり予想通りの酷い仕打ちであり、それでも仄仄のことを理解したいと願う一二三になんて優しい人物なのかと一二三の凄さを実感する内容であった。しかし一二三には自分だけだと思わせたかった仄仄だが、一二三の一番傍にいる独歩を篭絡できなかったことが仄仄の最大の失敗であり、一二三が倒れなかった理由であることが挙げられ、独歩と一二三の絆の強さも再確認された内容だと感じた。

24.『地面師たち』(ドラマ)
原作:新庄耕 監督:大根仁
 土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る不動産をめぐる詐欺を行う「地面師」の犯罪を描く。2017年に実際に起きた被害額約55億円に上る「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルとしている。100億円の市場価値を持つ希少な土地に目をつけた地面師詐欺集団は、あらゆる手段を使って前代未聞の巨額詐欺を成功させようとする。

地面師という詐欺グループの話で実際に起きた事件を元にしており、内容もNetflixだからできる地上波ではできないような攻めた内容であったと考える。各話の中に「辰年」や「ピーコック」、あの女抱けるかなど同じフレーズが度々登場し、言葉が往復している。それが後にもまた語られ、同じような場面に繋がっているため、前の会話の中に伏線が多く張られていると感じた。

25.『双星の陰陽師』(漫画)
原作:助野嘉昭
少年陰陽師焔魔堂ろくろはトラウマから夢を諦め漫然と日々を過ごしていた。ある日突然少女陰陽師化野紅緒と共に陰陽頭土御門有馬に「双星の陰陽師」の称号を与えられる。「双星」の役割とは人類の宿敵「ケガレ」との戦いに終焉を齎す「神子」を生むべく、夫婦になることだった。2人は反発するが共に過ごすうちに互いのトラウマを乗り越え、絆を深めていく。

本作は10年もの連載を経て最近完結したのだが、小学生の頃から読み続けてきた身として10年共に育ってきた身として非常に感慨深いものがあった。ケガレを無くすために神子を産むことを目的としていた本作だが、最終的にその目的を成し遂げるという終わり方が非常に綺麗であったと考える。ろくろと紅緒が、陰陽師が、ケガレ達が夢見た世界へと根本から解決していくという過程が、途中紆余曲折あったもののまとまった完結となり、最初のろくろの目標から一切変わらずに進んできたというのが伝わる内容である。

26.『推しの子』(アニメ)
原作:赤坂アカ 作画:横槍メンゴ 監督:平牧大輔
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」地方都市で、産婦人科医として働くゴロー。芸能界とは無縁の日々。一方、彼の“推し”のアイドル・星野アイは、スターダムを上り始めていた。そんな二人が“最悪”の出会いを果たし、運命が動き出す。ゴローが死後に前世の記憶を持ったまま、推していたアイドルの子供に生まれ変わる転生もの。

ファンタジー設定でありながらもサスペンスや芸能界の闇をリアルに描き出していることが本作の特徴であり、引き込まれる内容である。アニメになったことで、誰かの憧れや火をつける原動力になる時の人物の目の輝き、誰かにとっての星になる時の演出が非常に綺麗に描かれており、圧倒的だと感じた。また2期の舞台編では、役柄と演者が混じり合う演出が素晴らしいと考える。

27.『ファミレス行こ。』(漫画)
原作:和山やま
あの「地獄のカラオケ大会」から4年。大学1年生の岡聡実は、東京で「普通の大人」になるべく学業に勤しんでいた。しかし、ひょんな出来事から始めた、深夜のファミレスのアルバイトをきっかけに奇妙な縁は、再びめぐり始める。バイト先のファミレスに現れるマンガ家・北条先生、マンガオタクでバイトの先輩・森田さん、そして、あの夏の日に出会ったヤクザ・成田狂児など、個性豊かなメンツが聡実くんの日常に関わってきて。『カラオケ行こ!』のその後を描く続編。

 同作家『カラオケ行こ!』の続編であり、読者は非常に待ち望んだ作品であったと考える。前作では中学生だった岡聡美が大学生になった内容であり、前作のラストから繋がっている。前作同様面白さはそのままに、また聡美と狂児のふたりの掛け合いが見られることは大変喜ばしいことである。しかし徐々に二人の関係性に少しずつ変化が訪れ、特に最新話の12話では二人の間に少し波紋が広がるという最高な展開に読者は胸が張り裂けそうなほど悶えることになるだろうと感じた。

28.『忘れ得ぬ貴方との邂逅』(漫画)
原作:Nichtigall 作画:Ganno
 仮面が半分に割れ、この世のものとは思えない彫刻のような顔が現れた。しかし、賛嘆してやまない美男子を前に、芮康吾の表情は徐々に崩れ落ちた。あの顔が見分けられないはずがなかった。「あなただったのですか…?」黒天主の末弟子が敬愛し、恋慕してやまない男。行方不明になったと思われていた白羅宮主がそこにいた。

1話が未来の話だとしてすぐに2話から過去の話へと飛ぶのだが、過去からどうやって1話の冒頭に繋がるのか、それをそれより以前の過去の話も絡めながら繋がっていくという内容であり、それぞれの登場人物の心情や関係、思惑に目が離せないと考える。白羅宮主が何を思って耐え難い扱いに耐えてきたのか、なんのために顔を焼き身分を捨てたのか、何を一番大切に考えているかなど徐々に明かされていくストーリー展開に感動する。またその父親や母親についての真実も未だ明かされておらず、これからまた何があって1話に繋がるのか非常に楽しみな作品であると感じた。

29.『魔王と勇者の戦いの裏で』(漫画)
原作:涼樹悠樹 漫画:葦尾乱平
やがて世界は勇者マゼルと魔王の戦いにより命運を決する。そんなRPGのゲーム世界に貴族の子息として転生したヴェルナー。スキルは『槍術』と平凡で、紛うこと無くモブキャラであった。このままではモブとして死を待つだけ……そう判断したヴェルナーは悲劇を回避するため、生き残る術を模索し始める。頼みは、勇者と築いた友情と前世の知識と知恵のみ。伝説の裏側で奮闘する凡人の本格戦記ファンタジー。

主人公はゲーム世界のモブキャラクターに転生したのだが、元々生き抜こうと努力していたところを勇者と親友になったことをきっかけに、ただのモブでは無い重要人物として世界の平和を目指す一端になり活躍していくというストーリーが単純に面白い。主人公は謙遜しているものの頭が良く、私利私欲に走らず、冷静にひたむきに努力を重ねていく性格であり、こういう系統の話では珍しく、主人公に非常に好感が持てる作品だと考える。また主人公と勇者の友情にも感動し、ゲームでは語られない世界で、魔王と勇者の戦いの裏で、何があったのか、主人公は何をしたのかと語られていく物語構成に惹かれるものがあると感じた。

30.『たまのこしいれ ―アシガールEDO―』(漫画)
原作:森本梢子
 江戸時代にタイムスリップし、気づけば大名家にお輿入れしてしまった令和の17歳、速川月。夫となる病弱な志喜家嫡男・晴貴が実は毒を盛られているらしいと知り、現代に連れ帰り病気を治そうと隠密作戦を決行するが――!? 少しずつ近づくふたりの距離。ときめきはもう止まらない!?『アシガール』と同じ世界観と、その後を描く物語。

 本作は同作家『アシガール』のスピンオフ兼続編であり、主人公の月は『アシガール』に登場した主人公の弟・尊の娘である。『アシガール』を読んでいた読者にとっては、『アシガール』の馴染み深い人物達が登場し、その後が見られたことで歓喜するだろう。主人公はさすが前作の主人公・唯の姪であり、尊の娘なので猪突猛進な性格と天才発明家気質なところがあるという両者に似ている部分が演出されていると感じた。また現代ではそれほど時間が経っていないがタイムスリップした先は前作の何十年も後という設定である。それが後にこれから唯や前作の登場人物は出てくるのか、唯や子供たちのその後の話は詳しく描かれるのかと読者に期待させており、これからのストーリーが非常に楽しみな作品だと考える。
2024/09/25(水) 21:06 No.2069 EDIT DEL
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