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2年渡辺
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夏休み課題 1-15
1.『20世紀少年―第1章―終わりの始まり』(映画)
原作:浦沢直樹 監督:堤幸彦
【あらすじ】
“ともだち”と呼ばれる教祖が率いる不気味な教団が現れ、同時に世界では謎の病原体による突然死などの怪事件が頻発する。コンビニを営む中年男性ケンヂは、一連の事件の内容が、子供時代に自分と仲間たちが書いた空想の予言書と酷似していることに気付く。ケンヂは世界の危機に立ち向かうべく昔の仲間たちを集め、“ともだち”の目論見を阻止し、正体を暴こうと行動する。
【考察】
本作品は3部作に分かれており、始まりとなる第1章では第3章で描かれる物語が先立って流れるため、初見では何のことかさっぱりわからない。しかし、すべてを見終わった後にもう一度見てみると、本作が3部作の1作目として如何にちゃんと機能しているかということがわかる。序盤から少ない映像で伏線を散りばめながら、日常にじわじわと近づいてくる違和感をうまく描いていた。定期的に挟まれる少年時代の記憶の映像がなんだか奇妙で目が離せなくて、とても引き込まれた。物語はケンヂたちの小学校の同窓会のシーンから動き始める。なぜ、この同窓会は中学や高校ではなく小学校なのか。この物語は“記憶”がとてもキーワードになっていると感じた。“ともだち”の正体を追いながら、ケンヂたち自身の記憶も追想していく。そんな物語の始まりとして、この1作目はとてもいいエッセンスになっていると感じた。また、3章に出てくる物語が1章の冒頭に出てくるというのも私たちにケンヂたちと同じように記憶の追想をさせる効果があるように思った。
2.『20世紀少年―第2章―最後の希望』(映画)
原作:浦沢直樹 監督:堤幸彦
【あらすじ】
一章の頃の戦い(血の大晦日)から15年後。歴史では2000年の人類滅亡計画はケンヂとその仲間が行ったものとされ、それを阻止した“ともだち”は救世主として崇められていた。血の大晦日以降、ケンヂは行方不明となったもののケンヂの姪・カンナは高校生へと成長し、仲間たちもまたそれぞれの方法で“ともだち”の正体を追っていた。
【考察】
“ともだち”の存在が社会の中で一般化して、世界に馴染み、社会が丸ごと洗脳されているのが見ていてとても不気味で政治と宗教が絡んだ時の奇妙さを感じた。本作では物語はケンヂの姪であるカンナを中心に回り始めるのだが、ケンヂの無鉄砲さとカンナの若さゆえのまっすぐさはとても似ており、物語の進み方は1作目と似るところも感じた。一方で、ケンヂとは違いカンナだから与えられた映画への効果もあったと思う。世界が“ともだち”に支配され、ケンヂが悪者とされている世界で、その真実を知っているのはカンナや仲間たちと我々視聴者のみである。映画の中でカンナはいら立ちやもどかしさを感じているシーンが多く、視聴者の感情とリンクすることが多く、より映画の中にのめり込みやすくさせる効果のある登場人物だと感じた。
3.『20世紀少年―最終章―ぼくらの旗』(映画)
原作:浦沢直樹 監督:堤幸彦
【あらすじ】
それぞれの方法でともだちを追い続ける仲間たちとカンナ。そんな彼らのもとにある曲が流れてくる。その声はケンヂの歌声にそっくりで…。戻ってきたケンヂは仲間たちと共に、“ともだち”の正体に迫り、"ともだち”がなぜ生まれてしまったのか、謎に迫っていく。
【考察】
ラストのシーンが原作とは異なるという話を多く見聞きしたのだが、長編作品を三部作の映画に落とし込むには仕方ないかと思った。ただ三部作というところだけで見れば話はとても見やすく理解しやすくなっていた。ケンヂに憧憬を抱いていた“ともだち”がケンヂに裏切られ始まったこの物語。1作目をもう1度見てみると同窓会のシーンのケンヂや仲間たちの薄情さを強く感じるがそれがとてもリアルだった。“ともだち”はケンヂたちのことを思いながら生きてきたのに当の本人たちはまるで覚えていない。1作品目でケンヂの母親が店のおにぎりを勝手に食べ、「それ万引きだぞ」とケンヂが言うシーンでケンヂは幼少期に万引きを擦り付けてしまったことを思い出すような描写はない。“ともだち”が出てくることがなかったら、ケンヂにとっては思い出すことのない些細な出来事のままだったのだろうなと思った。全編を通してみると子供の無邪気な残酷さを感じた。
4.『0.5の男』(ドラマ)
監督:牧田百音・沖田修一
【あらすじ】
古くなった実家を二世帯住宅に立て直すことにした立花家。しかし、そこで引きこもりの兄・雅治(40歳)がどこに住むかが問題になる。議論の末、ハウスメーカーの提案で2世帯+0.5世帯(雅治)の“2.5世帯”で暮らすことに。“2.5世帯”での暮らしによって外の世界に放り出された雅治は少しずつ変わっていく。
【考察】
40歳で引きこもりの男が主人公というなかなかインパクトのある設定。引きこもりの高年齢化が近年問題になっている中で、40歳実家暮らしの引きこもりの男に焦点を置きながらも深刻になりすぎず、コミカルに描かれていた。大きな事件が起きることもなく、優しくてたまにクスッと笑えて見ていてとても楽になるドラマだった。
5.『HUNTER×HUNTER』キメラアント編 第76話~第136話(アニメ)
原作:冨樫義博 監督:神志那弘志
【あらすじ】
カイトがいたのはアイジエン大陸中央にある「カキン国」の奥地。3年前から仲間と共に新種の発見と生態調査を主にした生物調査をしていたのだ。興味がわいた二人は新種探しに挑戦。研ぎ澄まされた感覚と高い集中力で次々に新種珍種を見つけていく。一方、ヨルビアン大陸に打ち上げられた謎の生物は、王を産むという女王としての使命を全うすべく、体を回復させるための大きな獲物を求め動き出した。
【考察】
キメラアント編前までのストーリーでは、ゴンがずっとキルアにとっての光だったが、イカルゴとの回でキルアが誰かにとっての希望になっていたのがとてもよかった。ゴンが光でキルアが影として描かれることが多かった今までのストーリーと比べ、キルアの存在がゴンを救ったり、キルア自身が光に包まれる描写があったりとキルアの成長をとても感じられた。
6.『オペラ座の怪人(字幕版)』(映画)
監督:アーサー・ルービン
【あらすじ】
オペラ座の交響楽団だったエリックは、ピアノ演奏曲を書き上げ音楽出版社に持ち込むが喧嘩となり、顔に硫酸をかけられ醜いようしとなってしまう。オペラ座の地下室に逃げ込んだ彼は、プリマドンナの代役を務めるクリスティーヌを成功させるため、次々と罪を重ね始める。
【考察】
オペラ座の怪人といえばといった曲は全くなく歌唱シーンは出てくるといってもクリスティーヌが舞台で歌うシーンのみで意外にもミュージカル映画の要素はなかった。この映画は世間でよく語られる「オペラ座の怪人」のストーリーというよりもなぜオペラ座の怪人が生まれたのかという前日譚的な要素が多く含まれていると感じた。また、作中で光り輝く舞台できらびやかな衣装を着て歌うクリスティーヌとそれを暗闇で聴くファントムという対比表現が随所に見受けられた。
7.『オペラ座の怪人 25周年記念公演inロンドン(字幕版)』(ミュージカル)
監督・演出:スティーヴン・ダルドリー
【あらすじ】
アンドリュー・ロイド=ウェバー作のミュージカル「オペラ座の怪人」25周年を記念して、キャメロン・マッキントッシュがプロデュースした、これまでにない壮大なスケールの豪華な舞台の映像版。ロンドンの有名な劇場、ヴィクトリア朝の豪奢さを誇るロイヤル・アルバート・ホールで行われた絢爛豪華な記念公演。特別出演のゲストも華を添える。
【考察】
オペラ座の怪人の有名な演目を多く聞くことができて、世間一般に語られるオペラ座の怪人の物語を知ることができた。長尺のミュージカルであったものの、セットもとても豪華で見飽きることもなく見ることができた。同じ曲をシーン・キャラ、歌詞を変え、歌い、ミュージカルならではの方法で登場人物同士の対比や物語の展開を進めていた。
8.『らき☆すたOVA(オリジナルなビジュアルとアニメーション)』(アニメ)
原作:美水かがみ 監督:武本康弘
【あらすじ】
OVAならではの実験的な映像や、TVでは描かれなかったキャラクターの意外な素顔を凝縮。一方で、普段通りのほのぼのしたやり取りもたっぷり堪能できるファン必見作。
【考察】
まさにOVAといった感じであった。特にこの中で物語が進むわけでもなく、ぼーっとみられるような茶番が続いていて疲れた時にみて癒される感じの内容だった。
9.『トリック劇場版 ラストステージ』(映画)
監督:堤幸彦
【あらすじ】
ある日、天才物理学者・上田次郎は村上商事の加賀美慎一から、海外の秘境にあるレアアース採掘のために力を貸して欲しいという依頼を受ける。採掘権は獲得したのだが、その地域に住む部族が立ち退きに応じない。彼らが信奉する呪術師が持つ不思議な力、未来を予知したり人を呪い殺したりするトリックを見破るため、上田は自称超売れっ子天才美人マジシャン・山田奈緒子の力を借りることに。
【考察】
全編通してほかの作品だったら深刻そうにみえるシーンでもうまい具合にギャグっぽく見せているのが上手だなと思った。シリーズの最終回ということでラストの終わり方も良い余韻を残す終わり方で見ていて「おおっ」となった。
10.『ヴィ―ガンズ・ハム』(映画)
監督:ファブリス・エブエ
【あらすじ】
肉屋を営むある夫婦が経営難に陥る。そんな中、店を襲ったビーガン活動家の1人を、夫が誤って殺してしまう。死体の処理に困った彼は、それをハムに加工して売ることを思いつく。
【考察】
最初はヴィ―ガンに対する偏見を皮肉ったシーンが多数見受けられたが、話が進むにつれ、この世のすべての偏見を集めましたと言わんばかりの数のセリフが出てきた。物凄い勢いのブラックコメディなので心から笑えるかというと微妙なところではあるが、「これ皮肉か」と気づいたときにちょっと鼻で笑える感じの映画だった。本作はフランスの作品なのだが、実際に2018年ごろにフランスでは菜食主義者の人たちが肉屋を襲撃する事件が多発していたらしく、この作品はその問題を取り上げてコミカルにしたものなのだなと分かった。
11.『ルパン三世 ルパンVS複製人間』(映画)
監督:吉川惣司
【あらすじ】
峰不二子にねだられ、エジプトのピラミッドから「賢者の石」という石ころを盗み出したルパン三世。不二子はその石の入手をマモーと名乗る不気味な男から依頼されていた。そんな中、すり替えた偽物を渡してマモーに捕らえられたルパンは、賢者の石が不老不死の力を得るために必要な秘宝だと知る。
【考察】
本作はルパン三世の劇場映画の第一作目である。この映画はTVアニメシリーズ2の人気を受け作られたものであるが、「初期の頃の大人向けのルパンが見たいという声にお応えします」という制作趣旨が明言されているだけあって、TV第1シリーズのアダルトでハードな作風となっており、大人のほうが見やすい作品となっている。ルパンが階段を上ったり下ったりして逃げ回り、突然背景が絵画の中にその中で逃げ回るシーンやヒトラーとナポレオンが突然出てくる場面がありながらもその中にテクノロジーが発達していることがわかるシーンが挟まっていて、「王と鳥」の映像みたいだなと感じたのだが、それもこの映画制作時の裏テーマとして「映画を盗め」というものがあったといわれており、そのため様々な映画のパロディが散りばめられている。
12.『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』(映画)
監督:小池健
【あらすじ】
秘宝「リトルコメット」を狙い東ドロアに潜入したルパンと次元。東ドロアでは自国の歌手が隣国・西ドロアで暗殺される事件が起こり、緊張状態が続いていた。そんな中、ルパンと次元は捜査網をかいくぐり盗みに成功するが、一発の銃弾が次元を襲う。
【考察】
スピンオフ作品である本作のラストに少しだけであるが、『ルパンVS複製人間』のマモーが出てきていた。『次元大介の墓標』と『ルパンVS複製人間』は物語上での繋がりは描かれることはなかったものの、マモーの登場により本作が『ルパンVS複製人間』の物語の前日譚としての役割を担う形にもなり、すべてが同じ時間軸で起きているということを視聴者たちに改めて明示している。また、ルパンといえば赤色のジャケットというイメージがあるが、本作では水色のジャケットを着ていたり、次元も緑のジャケットを着ていたりと全体を通して全キャラがとてもファッショナブルな服装をしていて視覚的にも見応えがあった。加えて、次元が自身の服装について「俺はGIVENCHYからFENDIまで幅が広い」と言及するなど本作のキャラクターデザインのこだわりを感じた。
13.『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』(映画)
監督:小池健
【あらすじ】
ヤクザの組長の護衛を務めていた若き五エ門は、隙を突かれて組長を殺される。犯人は戦場で2000人もの敵を殺したという元兵士ホーク。インターポールもマークする、この凄腕の暗殺者への復讐を誓った五ェ門は、奔走するうちにルパンと名乗る怪盗と出会う。
【考察】
石川五ェ門にフォーカスした作品ということで、五ェ門が白の和服とシンプルな服装なのでそれが際立つようにほかのキャラには意識的に黒などの服があてがわれたように感じた。五ェ門が手間取る相手というのがあまり見たことがないのでとても新鮮な映像だった。途中の鍛錬のシーンが長すぎて中だるみしているなと思ったものの、そこも五ェ門の生真面目さを描いているという意味では味なのかなと思った。
14.『西園寺さんは家事をしない』(ドラマ)
脚本:宮本武史 山下すばる 原作:ひうらさとる
【あらすじ】
家事をしない家事アプリ社員の西園寺さんは、38年かけてやっと手に入れた自由な独り暮らしを満喫中!ところがそんなある日やってきたのはシリコンバレー帰りの天才エンジニアの楠見くん。変わった年下男子には大きな“秘密”があって!?家事力ゼロの西園寺さんが挑む、ラブ&ファミリー物語!!
【考察】
ほのぼの系の恋愛ドラマだった。多様性の時代にちょうど良いドラマだなと思った。がっつり恋愛シーンというよりも家族の形とか家族について考えさせられる作品だった。
15.『僕と魔女についての備忘録』(漫画)
著者:三つ葉優雨
【あらすじ】
幼い頃、とある森で100歳超えの魔女に拾われた渉。 ほどなくして、魔女さんと過ごす毎日を「備忘録」として書き始める。 魔女さんと過ごすこの愛おし日々を、ずっとずっと忘れないために。
【考察】
ちょっと大人向けの童話のような恋愛漫画でありながらも御伽噺のような雰囲気を感じた。叙情的なシーンも多くしっぽり読みたいときにぴったりだった。短めで終わり方もきれいなので暇なときにまた読み返したい。
1.『20世紀少年―第1章―終わりの始まり』(映画)
原作:浦沢直樹 監督:堤幸彦
【あらすじ】
“ともだち”と呼ばれる教祖が率いる不気味な教団が現れ、同時に世界では謎の病原体による突然死などの怪事件が頻発する。コンビニを営む中年男性ケンヂは、一連の事件の内容が、子供時代に自分と仲間たちが書いた空想の予言書と酷似していることに気付く。ケンヂは世界の危機に立ち向かうべく昔の仲間たちを集め、“ともだち”の目論見を阻止し、正体を暴こうと行動する。
【考察】
本作品は3部作に分かれており、始まりとなる第1章では第3章で描かれる物語が先立って流れるため、初見では何のことかさっぱりわからない。しかし、すべてを見終わった後にもう一度見てみると、本作が3部作の1作目として如何にちゃんと機能しているかということがわかる。序盤から少ない映像で伏線を散りばめながら、日常にじわじわと近づいてくる違和感をうまく描いていた。定期的に挟まれる少年時代の記憶の映像がなんだか奇妙で目が離せなくて、とても引き込まれた。物語はケンヂたちの小学校の同窓会のシーンから動き始める。なぜ、この同窓会は中学や高校ではなく小学校なのか。この物語は“記憶”がとてもキーワードになっていると感じた。“ともだち”の正体を追いながら、ケンヂたち自身の記憶も追想していく。そんな物語の始まりとして、この1作目はとてもいいエッセンスになっていると感じた。また、3章に出てくる物語が1章の冒頭に出てくるというのも私たちにケンヂたちと同じように記憶の追想をさせる効果があるように思った。
2.『20世紀少年―第2章―最後の希望』(映画)
原作:浦沢直樹 監督:堤幸彦
【あらすじ】
一章の頃の戦い(血の大晦日)から15年後。歴史では2000年の人類滅亡計画はケンヂとその仲間が行ったものとされ、それを阻止した“ともだち”は救世主として崇められていた。血の大晦日以降、ケンヂは行方不明となったもののケンヂの姪・カンナは高校生へと成長し、仲間たちもまたそれぞれの方法で“ともだち”の正体を追っていた。
【考察】
“ともだち”の存在が社会の中で一般化して、世界に馴染み、社会が丸ごと洗脳されているのが見ていてとても不気味で政治と宗教が絡んだ時の奇妙さを感じた。本作では物語はケンヂの姪であるカンナを中心に回り始めるのだが、ケンヂの無鉄砲さとカンナの若さゆえのまっすぐさはとても似ており、物語の進み方は1作目と似るところも感じた。一方で、ケンヂとは違いカンナだから与えられた映画への効果もあったと思う。世界が“ともだち”に支配され、ケンヂが悪者とされている世界で、その真実を知っているのはカンナや仲間たちと我々視聴者のみである。映画の中でカンナはいら立ちやもどかしさを感じているシーンが多く、視聴者の感情とリンクすることが多く、より映画の中にのめり込みやすくさせる効果のある登場人物だと感じた。
3.『20世紀少年―最終章―ぼくらの旗』(映画)
原作:浦沢直樹 監督:堤幸彦
【あらすじ】
それぞれの方法でともだちを追い続ける仲間たちとカンナ。そんな彼らのもとにある曲が流れてくる。その声はケンヂの歌声にそっくりで…。戻ってきたケンヂは仲間たちと共に、“ともだち”の正体に迫り、"ともだち”がなぜ生まれてしまったのか、謎に迫っていく。
【考察】
ラストのシーンが原作とは異なるという話を多く見聞きしたのだが、長編作品を三部作の映画に落とし込むには仕方ないかと思った。ただ三部作というところだけで見れば話はとても見やすく理解しやすくなっていた。ケンヂに憧憬を抱いていた“ともだち”がケンヂに裏切られ始まったこの物語。1作目をもう1度見てみると同窓会のシーンのケンヂや仲間たちの薄情さを強く感じるがそれがとてもリアルだった。“ともだち”はケンヂたちのことを思いながら生きてきたのに当の本人たちはまるで覚えていない。1作品目でケンヂの母親が店のおにぎりを勝手に食べ、「それ万引きだぞ」とケンヂが言うシーンでケンヂは幼少期に万引きを擦り付けてしまったことを思い出すような描写はない。“ともだち”が出てくることがなかったら、ケンヂにとっては思い出すことのない些細な出来事のままだったのだろうなと思った。全編を通してみると子供の無邪気な残酷さを感じた。
4.『0.5の男』(ドラマ)
監督:牧田百音・沖田修一
【あらすじ】
古くなった実家を二世帯住宅に立て直すことにした立花家。しかし、そこで引きこもりの兄・雅治(40歳)がどこに住むかが問題になる。議論の末、ハウスメーカーの提案で2世帯+0.5世帯(雅治)の“2.5世帯”で暮らすことに。“2.5世帯”での暮らしによって外の世界に放り出された雅治は少しずつ変わっていく。
【考察】
40歳で引きこもりの男が主人公というなかなかインパクトのある設定。引きこもりの高年齢化が近年問題になっている中で、40歳実家暮らしの引きこもりの男に焦点を置きながらも深刻になりすぎず、コミカルに描かれていた。大きな事件が起きることもなく、優しくてたまにクスッと笑えて見ていてとても楽になるドラマだった。
5.『HUNTER×HUNTER』キメラアント編 第76話~第136話(アニメ)
原作:冨樫義博 監督:神志那弘志
【あらすじ】
カイトがいたのはアイジエン大陸中央にある「カキン国」の奥地。3年前から仲間と共に新種の発見と生態調査を主にした生物調査をしていたのだ。興味がわいた二人は新種探しに挑戦。研ぎ澄まされた感覚と高い集中力で次々に新種珍種を見つけていく。一方、ヨルビアン大陸に打ち上げられた謎の生物は、王を産むという女王としての使命を全うすべく、体を回復させるための大きな獲物を求め動き出した。
【考察】
キメラアント編前までのストーリーでは、ゴンがずっとキルアにとっての光だったが、イカルゴとの回でキルアが誰かにとっての希望になっていたのがとてもよかった。ゴンが光でキルアが影として描かれることが多かった今までのストーリーと比べ、キルアの存在がゴンを救ったり、キルア自身が光に包まれる描写があったりとキルアの成長をとても感じられた。
6.『オペラ座の怪人(字幕版)』(映画)
監督:アーサー・ルービン
【あらすじ】
オペラ座の交響楽団だったエリックは、ピアノ演奏曲を書き上げ音楽出版社に持ち込むが喧嘩となり、顔に硫酸をかけられ醜いようしとなってしまう。オペラ座の地下室に逃げ込んだ彼は、プリマドンナの代役を務めるクリスティーヌを成功させるため、次々と罪を重ね始める。
【考察】
オペラ座の怪人といえばといった曲は全くなく歌唱シーンは出てくるといってもクリスティーヌが舞台で歌うシーンのみで意外にもミュージカル映画の要素はなかった。この映画は世間でよく語られる「オペラ座の怪人」のストーリーというよりもなぜオペラ座の怪人が生まれたのかという前日譚的な要素が多く含まれていると感じた。また、作中で光り輝く舞台できらびやかな衣装を着て歌うクリスティーヌとそれを暗闇で聴くファントムという対比表現が随所に見受けられた。
7.『オペラ座の怪人 25周年記念公演inロンドン(字幕版)』(ミュージカル)
監督・演出:スティーヴン・ダルドリー
【あらすじ】
アンドリュー・ロイド=ウェバー作のミュージカル「オペラ座の怪人」25周年を記念して、キャメロン・マッキントッシュがプロデュースした、これまでにない壮大なスケールの豪華な舞台の映像版。ロンドンの有名な劇場、ヴィクトリア朝の豪奢さを誇るロイヤル・アルバート・ホールで行われた絢爛豪華な記念公演。特別出演のゲストも華を添える。
【考察】
オペラ座の怪人の有名な演目を多く聞くことができて、世間一般に語られるオペラ座の怪人の物語を知ることができた。長尺のミュージカルであったものの、セットもとても豪華で見飽きることもなく見ることができた。同じ曲をシーン・キャラ、歌詞を変え、歌い、ミュージカルならではの方法で登場人物同士の対比や物語の展開を進めていた。
8.『らき☆すたOVA(オリジナルなビジュアルとアニメーション)』(アニメ)
原作:美水かがみ 監督:武本康弘
【あらすじ】
OVAならではの実験的な映像や、TVでは描かれなかったキャラクターの意外な素顔を凝縮。一方で、普段通りのほのぼのしたやり取りもたっぷり堪能できるファン必見作。
【考察】
まさにOVAといった感じであった。特にこの中で物語が進むわけでもなく、ぼーっとみられるような茶番が続いていて疲れた時にみて癒される感じの内容だった。
9.『トリック劇場版 ラストステージ』(映画)
監督:堤幸彦
【あらすじ】
ある日、天才物理学者・上田次郎は村上商事の加賀美慎一から、海外の秘境にあるレアアース採掘のために力を貸して欲しいという依頼を受ける。採掘権は獲得したのだが、その地域に住む部族が立ち退きに応じない。彼らが信奉する呪術師が持つ不思議な力、未来を予知したり人を呪い殺したりするトリックを見破るため、上田は自称超売れっ子天才美人マジシャン・山田奈緒子の力を借りることに。
【考察】
全編通してほかの作品だったら深刻そうにみえるシーンでもうまい具合にギャグっぽく見せているのが上手だなと思った。シリーズの最終回ということでラストの終わり方も良い余韻を残す終わり方で見ていて「おおっ」となった。
10.『ヴィ―ガンズ・ハム』(映画)
監督:ファブリス・エブエ
【あらすじ】
肉屋を営むある夫婦が経営難に陥る。そんな中、店を襲ったビーガン活動家の1人を、夫が誤って殺してしまう。死体の処理に困った彼は、それをハムに加工して売ることを思いつく。
【考察】
最初はヴィ―ガンに対する偏見を皮肉ったシーンが多数見受けられたが、話が進むにつれ、この世のすべての偏見を集めましたと言わんばかりの数のセリフが出てきた。物凄い勢いのブラックコメディなので心から笑えるかというと微妙なところではあるが、「これ皮肉か」と気づいたときにちょっと鼻で笑える感じの映画だった。本作はフランスの作品なのだが、実際に2018年ごろにフランスでは菜食主義者の人たちが肉屋を襲撃する事件が多発していたらしく、この作品はその問題を取り上げてコミカルにしたものなのだなと分かった。
11.『ルパン三世 ルパンVS複製人間』(映画)
監督:吉川惣司
【あらすじ】
峰不二子にねだられ、エジプトのピラミッドから「賢者の石」という石ころを盗み出したルパン三世。不二子はその石の入手をマモーと名乗る不気味な男から依頼されていた。そんな中、すり替えた偽物を渡してマモーに捕らえられたルパンは、賢者の石が不老不死の力を得るために必要な秘宝だと知る。
【考察】
本作はルパン三世の劇場映画の第一作目である。この映画はTVアニメシリーズ2の人気を受け作られたものであるが、「初期の頃の大人向けのルパンが見たいという声にお応えします」という制作趣旨が明言されているだけあって、TV第1シリーズのアダルトでハードな作風となっており、大人のほうが見やすい作品となっている。ルパンが階段を上ったり下ったりして逃げ回り、突然背景が絵画の中にその中で逃げ回るシーンやヒトラーとナポレオンが突然出てくる場面がありながらもその中にテクノロジーが発達していることがわかるシーンが挟まっていて、「王と鳥」の映像みたいだなと感じたのだが、それもこの映画制作時の裏テーマとして「映画を盗め」というものがあったといわれており、そのため様々な映画のパロディが散りばめられている。
12.『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』(映画)
監督:小池健
【あらすじ】
秘宝「リトルコメット」を狙い東ドロアに潜入したルパンと次元。東ドロアでは自国の歌手が隣国・西ドロアで暗殺される事件が起こり、緊張状態が続いていた。そんな中、ルパンと次元は捜査網をかいくぐり盗みに成功するが、一発の銃弾が次元を襲う。
【考察】
スピンオフ作品である本作のラストに少しだけであるが、『ルパンVS複製人間』のマモーが出てきていた。『次元大介の墓標』と『ルパンVS複製人間』は物語上での繋がりは描かれることはなかったものの、マモーの登場により本作が『ルパンVS複製人間』の物語の前日譚としての役割を担う形にもなり、すべてが同じ時間軸で起きているということを視聴者たちに改めて明示している。また、ルパンといえば赤色のジャケットというイメージがあるが、本作では水色のジャケットを着ていたり、次元も緑のジャケットを着ていたりと全体を通して全キャラがとてもファッショナブルな服装をしていて視覚的にも見応えがあった。加えて、次元が自身の服装について「俺はGIVENCHYからFENDIまで幅が広い」と言及するなど本作のキャラクターデザインのこだわりを感じた。
13.『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』(映画)
監督:小池健
【あらすじ】
ヤクザの組長の護衛を務めていた若き五エ門は、隙を突かれて組長を殺される。犯人は戦場で2000人もの敵を殺したという元兵士ホーク。インターポールもマークする、この凄腕の暗殺者への復讐を誓った五ェ門は、奔走するうちにルパンと名乗る怪盗と出会う。
【考察】
石川五ェ門にフォーカスした作品ということで、五ェ門が白の和服とシンプルな服装なのでそれが際立つようにほかのキャラには意識的に黒などの服があてがわれたように感じた。五ェ門が手間取る相手というのがあまり見たことがないのでとても新鮮な映像だった。途中の鍛錬のシーンが長すぎて中だるみしているなと思ったものの、そこも五ェ門の生真面目さを描いているという意味では味なのかなと思った。
14.『西園寺さんは家事をしない』(ドラマ)
脚本:宮本武史 山下すばる 原作:ひうらさとる
【あらすじ】
家事をしない家事アプリ社員の西園寺さんは、38年かけてやっと手に入れた自由な独り暮らしを満喫中!ところがそんなある日やってきたのはシリコンバレー帰りの天才エンジニアの楠見くん。変わった年下男子には大きな“秘密”があって!?家事力ゼロの西園寺さんが挑む、ラブ&ファミリー物語!!
【考察】
ほのぼの系の恋愛ドラマだった。多様性の時代にちょうど良いドラマだなと思った。がっつり恋愛シーンというよりも家族の形とか家族について考えさせられる作品だった。
15.『僕と魔女についての備忘録』(漫画)
著者:三つ葉優雨
【あらすじ】
幼い頃、とある森で100歳超えの魔女に拾われた渉。 ほどなくして、魔女さんと過ごす毎日を「備忘録」として書き始める。 魔女さんと過ごすこの愛おし日々を、ずっとずっと忘れないために。
【考察】
ちょっと大人向けの童話のような恋愛漫画でありながらも御伽噺のような雰囲気を感じた。叙情的なシーンも多くしっぽり読みたいときにぴったりだった。短めで終わり方もきれいなので暇なときにまた読み返したい。
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