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2年 岩下 RES
夏休み課題21~30

21. パラサイト 半地下の家族(韓国映画) 監督:ポン・ジェノ

半地下に住まう貧乏一家の息子が経歴を偽って金持ち一家の家庭教師を始めた。そのことをきっかけに始まった一家全員でその家に就職すべく画策する「パラサイト計画」を通して、貧富の格差を描いた物語。
演出が効果的に、意味あるものとして使われている作品だと感じた。貧乏一家の計画が崩壊を迎える夜の雷雨を、単なる激情を表現するための演出に終わらせず、その後の展開の伏線として絡ませている点に感心した。また、一家がピザを食べるときに使用していたソースを後に計画のための小道具として用いるなど、単なる雰囲気づくりだと思うような要素が話の本筋に絡んでくるのがおもしろい。また、テーマや展開は真面目で至ってシリアスであるが、急に帰ってくる金持ち一家の無茶ぶりに応えるべく存在すら知らない「ジャージャーラー麵」を必死の形相で作るシーンなど、真面目だからこそ笑えるようなシーンが多い作品だと感じた。


22. デスカムトゥルー(実写ゲーム)
対応デバイス:スマートデバイス(Android / iOS)・PlayStation 4・Nintendo Switch・PC(Steam配信)
発売元:イザナギゲームズ シナリオ・ディレクション:小高和剛

ホテルの一室で目を覚ました記憶喪失の男・カラキマコトが、自身を取り巻く環境に戸惑いながらも謎に迫っていく、選択式ノベルゲーム。選択によってはバッドエンドも存在するが、バッドエンドを迎えるとゲームシステム的にもストーリー的にも冒頭のシーンに巻き戻されて再び同じ展開を迎える(いわゆるループ物である)ため、ストーリーとしては一本道の、映画のようなゲーム作品である。
「何度でもやり直せてしまう」という、ゲームでストーリーを表現する際に生じるシステム上の欠点を逆手に取った構成や、決断に重みをもたせるために物語のラストでセーブデータを消去してしまうという手法がおもしろいと感じた。
また、制作者は映画のようなゲームという点にこだわっており、価格も映画1回分と同程度に設定されている。

23. 五等分の花嫁(マンガ、アニメ)
原作(漫画)春場ねぎ 監督:桑原智 制作:手塚プロダクション
【備考】
店内周遊型・持ち帰り型リアル謎解きゲームの開催やWEBラジオの配信、ゲーム化などがされる。

五つ子の家庭教師を受け持つことになった貧乏高校生・上杉風太郎と、落第寸前ながら勉強への意欲を見せない五つ子たちの関係性の変化を描いたラブコメディ作品。
本作は風太郎と花嫁の結婚式の場面から始まり、風太郎が花嫁との出会いを回想するという形式で語られる。「風太郎は五つ子のうち誰か一人と必ず結ばれる」という結末が明確に示されたうえで展開されるそのあとの物語は「高校時代の淡いひと時」という従来の青春ラブコメ作品としての楽しみ方に、果たして花嫁は誰なのか?というミステリー要素を追加してくれる。
五つ子ながら個性も趣味もバラバラな5人のキャラは非常に立っており「誰が花嫁だと予想するか」という見方のほかに、「誰が花嫁であってほしいか」に基づいてキャラクターを応援するような見方や「もしもこの人が花嫁だったら」という二次創作的な楽しみもできそうだと感じた。


24.五等分の花嫁∬(マンガ、アニメ)
原作(漫画)春場ねぎ 監督:かおり 制作:バイブリ―アニメーションスタジオ

アニメ『五等分の花嫁』の続編。今作開始時点では前作よりも五つ子たちと主人公・上杉風太郎の距離感が縮まっており、前作冒頭では勉強をしたがらなかった五つ子たちも本作では勉強に対する意欲を見せている。
今作は風太郎の過去にまつわるエピソードから始まる。修学旅行で出会った少女のことを忘れられずにいた風太郎は、ある時五つ子の五女・五月が思い出の少女が買っていたお守りと同じものを持っていたことを発見する。驚いた風太郎は、初恋の少女と五つ子たちに近しい物を感じ取る。第一期では花嫁の正体に焦点があてられたが、今作では思い出の少女の正体も謎の一つになってくる。
本作には「捨てることで過去と決別する」描写が多く含まれているように感じた。五つ子のうちただ一人過去に固執して風太郎のことを認めなかった次女・二乃が変化を受け入れるため自らの意思で髪を切る場面など、前向きに未来へ進むための方法として「捨てる」「手放す」演出が用いられている。
また、前作よりも「五つ子たちがぞれぞれ風太郎に抱く恋心」が強調して描かれている。その他の前作からの変化としては、制作会社の変更に伴う微細なキャラデザインの変化が挙げられる。それに伴って五つ子たちの顔がより同じような顔に描かれており、五つ子の変装による混乱をより風太郎に近い目線で見ることができる。

25.翔んで埼玉(邦画) 原作(漫画):魔夜峰央  監督:武内英樹

場面はある埼玉県民の一家が娘の結納のため車で都内に向かう場面から始まる。結婚を機に都内に引っ越したいと娘がはしゃいでいると、カーラジオから都市伝説を題材にしたラジオドラマが流れてくる。とにかく埼玉愛に溢れた、コメディ作品。
本作は一家がドライブしながらラジオドラマの感想を語る現代パートと、埼玉県民が「埼玉県人」として迫害されていた世界観において、埼玉県人でありながらも周りから崇められる程の教養や人望を持つ超美少年転校生・麗と、埼玉県人に激しい嫌悪感を抱きながらも麗のことを愛してしまった少年・百美が埼玉県人を迫害から解放するために旅する都市伝説パートが交互に描かれる。

都市伝説パートでは全体的に煌びやかな衣装をまとった個性的な登場人物たちがオーバーアクション気味の演技をすることで、シュールな世界観が表現されている。中でも主人公の一人、百美は女性が演じる男性キャラクターであり、かつ同じく男性キャラクターである麗と恋愛関係にある、という関係性が斬新だと感じた。
また、あえて特定の県をディスることによって知名度・話題性を向上させるという手法は、町おこしの手法として新たな可能性を感じさせた。


26.ひぐらしのなく頃に業(アニメ)
原作 サウンドノベルゲーム:竜騎士07(同人サークル 07th Expansion)
監督:川口敬一郎 制作:パッショーネ

2006年より放送されたアニメひぐらしのなく頃にシリーズの新作。第一話放送時点では「ひぐらしのなく頃に」のリメイク作品として考えられていたが、第二話オープニングにおいて「ひぐらしのなく頃に業」という正式名称が発表され、公式からも完全新作であることが発表された。また、ループ物であるという特性上登場人物の年齢や過ごしている季節は基本的に前作と同じだが、時間軸的には前作の物語よりも後を舞台にしている。
雛見沢村の巫女である古手梨花は、100年にも及ぶ惨劇のループから抜け出して充実した生活を送っていた。しかしある日突然、終わったはずのループが再開してしまう。一度は抜け出したという自信からか再び突破してみせると意気込む梨花であったが、今回のループにおいては今までと何かが違っていた。
本作では、前作を知っているからこそ分かる前作との違いが大きな意味を持ってくる。大筋は前作の対応する話と同じように進んでいくが、物語の最中で起きる些細な出来事や発症者、それぞれの登場人物達のちょっとした考え方の違いなどによって「前作で発生した問題は解決したはずなのに惨劇が起こってしまう」という恐怖を、前作裏主人公の梨花と同じ視点から楽しむことができる。視聴者は今作において初めて、以前までは視聴者よりも多くの情報を持っていた古手梨花と同じ視点に立つことができる。また、番外編的な要素として、かつて梨花や視聴者が圧倒的な信頼を寄せていたようなキャラクターから掘り下げ要素の少なかったサブキャラクターまで多種多様なキャラ達が発狂する様子が描かれるなど、シリーズファンへのファンサービス的側面も大きい作品だと感じた。

27.『少年の初恋は美少女♂でした。』(漫画) 小林キナ 出版社:スクウェア・エニックス
高校3年生の牛若柊吾は転校先で初恋の少年・竜ケ崎蓮に再会する。牛若は幼少の頃、竜ケ崎が住んでいた屋敷に毎日通いつめ、女の子だと思い込んで告白してしまう。男だと告げられて断られたショックから、新たな恋愛ができなくなってしまう牛若。引っ越しを機に二人は疎遠になるが、牛若は竜ケ崎のことを忘れられずにいた。
この物語は、かつての恋心を忘れたくても忘れられない牛若の葛藤を軸に、竜ケ崎が部長を務める学園の名物・女装部メンバーそれぞれの恋模様を描いたラブコメディー作品である。
本作にはそれぞれの理由で女装をする5人のメンバーが登場する。中でも竜ケ崎は女装に対する並々ならぬこだわりと持論を持っており「自らの美しさに対する絶対的な自信」に反し「自分はただの女装好きの男である」というスタンスを崩さない。このような女装を肯定的なイメージで捉えつつも性やジェンダーと切り離しポップで気軽なものとして描く価値観は、非常に現代的でユニークだと感じた。

28. ローゼンメイデン(アニメ・漫画)
原作:PEACH-PIT 監督:松尾衝 制作:ノーマッド

不登校の男子中学生・桜田ジュンは通販で怪しげな商品を購入し、クーリングオフ期限ギリギリに返品するという悪趣味な遊びにハマっていた。しかしながらある日届いた伝説のドール「ローゼンメイデンシリーズ」の第三ドール・真紅のネジを巻いたことにより、その日常は大きく変化する。ドール達による生存競争「アリスゲーム」に巻き込まれながらも成長していくジュンや、生きた人形ローゼンメイデンシリーズの姉妹達による戦いを描いた物語。

最初にこの物語を知ったとき、かわいらしい人形達が熾烈な生存競争を繰り広げるという概要から残酷性の強い作品なのかと思っていたが、第一印象は見事にひっくり返った。
ドール達は互いに共存できない運命にあるものの仲は概ね良好で、一部のドールは真紅とともにジュンの家で暮らすことになる。シビアな設定とゆるやかな日常シーンの空気感から構成される世界観は一見ミスマッチ感もあるが、作中において真紅が言い放った「生きることは戦うことでしょう」というセリフがその独特な世界観に整合性を持たせているような気がする。真紅は戦うことを特別なこととして捉えておらず、人間の世界においても誰もが戦っているのだと考えている。引きこもりだったジュンが外の世界で戦う勇気を得るきっかけになったこのセリフには、人々を勇気づける力があると思う。この作品は、すべての人に対し社会の中で戦う勇気を与えてくれる作品だと感じた。


29.劇場版名探偵コナン 緋色の弾丸(アニメ映画) 原作:青山剛昌 監督:永岡智佳 制作:トムス・エンタテインメント 配給:東宝

4年に一度開かれるスポーツの祭典・WSGのスポンサー2人が拉致され、同じくスポンサーの1人が殺害される事件が15年前のアメリカで発生した。事件はFBIにより一旦解決したが、今年開催されたWSG東京開催祝賀パーティーの最中に、同様の事件が発生してしまう。拉致被害者救出後、事件について調べていたコナンはFBIとして事件を追う赤井秀一から捜査協力を依頼され、WSG東京のために名古屋に建造された「真空超電導リニア」の体験乗車会に参加し、3人目の標的ジョン・ボイドを護衛しながら犯人を探すことを決める。一方、赤井の家族である世良真澄とメアリーは別ルートからの密命のため名古屋に向かい、同じく家族である羽田秀吉も別件から恋人・宮本由美とともに名古屋に向かっていた。
FBIに纏わる事件を解決しようとするコナンと赤井ファミリーの活躍を描いた物語。
この映画は同シリーズ過去作『ゼロの執行人』との共通点が多いように感じた。第一に、2作における犯行動機の類似性が挙げられる。ゼロの執行人では公安警察への、本作ではFBIへの逆恨みが原因となって発生した事件が描かれている。これら2つはそれぞれ映画におけるメインキャラクター・降谷零と赤井秀一が所属している組織であり、正義だと思っていたものは本当に正しいのか?という疑問を視聴者に投げかける。
第二に、作中におけるコナンとメインキャラクターとの関係性が挙げられる。ゼロの執行人におけるメインキャラクター・降谷零はコナンと協力関係にあったが、互い信念の違いから相反れない面も存在し、例え反発したとしても一貫して自らの信念に基づいた行動を取っていた。本作におけるメインキャラクター・赤井秀一とコナンの関係性も同様に、基本的には協力関係にあるが、互いに信念に基づいた行動をとる、といった点で似通っている。
一方で、「孤独な降谷」「家族のいる赤井」といった点は明確に差別化して描かれており、ゼロの執行人では降谷個人や彼の所属する公安警察が中心として描かれているのに対し、本作は赤井秀一個人の物語でなく、赤井ファミリー全体の物語として描かれているように感じた。

20.シャドーハウス(漫画・アニメ) 作者:ソマトウ 出版社:集英社

貴族の真似事をしながら暮らしている「シャドー」一族と、シャドーに仕えることこそが最高の幸せであると教え込まれた生き人形達が暮らす館を描いた物語。
シャドーは顔を持っておらず、その見た目は影のように黒く塗りつぶされている。そのため子供のシャドーは自らの「顔」を務める生き人形を従え、自らの資質が試される「お披露目」を乗り越えることで初めて成人として認められる。
主人公のケイト・シャドー、並びに生き人形であるエミリコは互いに信頼関係を構築し、ともにお披露目の突破を目指す。しかしながら、徐々にシャドーや館の異質さも明らかになってくる。
物語の前半はエミリコ視点で進んでいくが、エミリコは生まれたばかりの生き人形であるため館の秘密や詳しいしきたりを知らずにいる。秘密が明かされていくにつれて、序盤では作中の世界観において当たり前のこととして受け入れていた常識が徐々に崩れていく様子が面白く感じた。また、作中では度々「大人になる」ということへの憧れや難しさ・苦痛が強調される。主な苦痛の原因はシャドー独自の成人制度によるものであるが、ただ良いことだけが待っているのではなく苦痛や困難も待ち受けているという点は、現実における成長にも似ていると感じた。
全体的にバトル要素、ミステリー要素、人間関係的要素がバランス良く配置されており、読んでいるとその独特な世界観に自然と引き込まれていく不思議な作品である。
2021/09/15(水) 00:55 No.1804 EDIT DEL
2年 岩下 RES
夏休み課題11~20

11. パプリカ(アニメ映画) 制作会社:マッドハウス
監督:今敏  原作:筒井康隆(小説)
【備考】
第63回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門 正式出品。第19回東京国際映画祭animecs TIFF 2006 オープニング上映作品。作中サイト(radioclud.com)は実在しており、URLを打ち込むと本作から着想を得たラジオチャンネル『radioclud.com』のホームページに飛ぶ。

時田浩作が発明した夢を共有するための装置、DCミニが精神医療総合研究所から盗まれた。DCミニは本来患者の夢に入り込んで治療するために用いられていた装置であるが、何者かの手によって悪用され、無理矢理悪夢を見せられた人々が精神崩壊を引き起こす事件が多発した。主人公の千葉敦子は夢探偵として被害者の夢に入り込み、赤髪ショートカットの美少女「パプリカ」としてテロリストたちと戦う。しかし、徐々に現実世界も夢に侵食されていく。
アニメーション特有の表現が活かされた作品である。中でも、作中にしばしば登場するパレードのシーンが印象深かった。この作品におけるパレードは夢の世界を象徴しており、どこか不安になる曲調の主題歌に合わせて古今東西の無秩序な物たちが行進していく。その様子は極めて異様だが、どこか高熱の時に見る夢のような既視感があった。夢が侵食していく場面ではお祭りのような雰囲気と次第に広まっていく狂気とのギャップが恐怖心を煽る。
この作品では「敦子とパプリカの変化していく関係性(同一的存在→別人格的存在→分裂・独立→自我の獲得)」「悪夢に苦しむ粉川刑事がかつてのトラウマを克服し、悪夢から開放される過程」が並行して描かれている。複数の人物の成長過程を重層的に描いていくことによって密度の高い、非常に見ごたえのある物語になっており、見るたびに新たな発見のある奥深い作品だと感じた。

12. 『生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術』(小説)
平成6年11月1日 発行   著者 泡坂妻夫
発行所 株式会社新潮社
この小説は超能力によって引き起こされたとされる事件の謎に挑む探偵小説である。しかし、注目すべきはその内容よりも形式にある。この小説は「消える短編小説入ってます!」との表紙のコピーの通り、袋とじ加工が施されており、袋とじを開くことで短編小説が消えて長編小説が現れる仕掛けになっている。袋とじを開くごとに謎が解けていく高揚感や「本に鋏を入れる」未知の経験へのワクワク感など、他の小説ではできない貴重かつ斬新な読書体験こそがこの作品の魅力である。

13. かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(実写映画)監督:河合勇人
原作:赤坂アカ(漫画)
【備考】
原作はアニメ化、WEBラジオ、ノベライズ化、ファンブック、イベント等様々なメディアミックスが行われている。

数多くのエリートが在籍する名門私立高校・秀知院学園で生徒会長を務める学年一位の秀才・白銀御行と、家柄が良く文武両道の副会長・四宮かぐやは、互いに長い間告白できずにいた。「告白したら負け」だと思い込むようになった二人は、互いに相手に告白させるための恋愛頭脳戦を繰り広げる。秀知院学園の生徒たちの日常を描いた、ラブコメディ作品。
基本的に明るくくすっと笑える作風だが、家柄ゆえの複雑な事情を抱える四宮の生い立ちや狂気的なまでの努力を隠す白銀など、展開が進むにつれてシリアスな場面も増えていく。
映画版においては主に「原作1巻を中心としたコミカルな日常シーン」「花火の音は聞こえない(原作34ー35話)」「生徒会総選挙編をモチーフにしたオリジナル展開」の3本柱で、前半は日常の小話を、後半は主に原作初期の名場面とされる話をオリジナルストーリーで繋げるような形で展開していく。1つのエピソードに絞らずに極力多くの要素を取り込んでいる点から、大きな山場や分かりやすい起承転結で魅せるというよりも、複数の山場を積み重ねることで原作を読んだ時の感動を想起させているという印象を受けた。そのためこの映画を観るだけで作品の多様な面に触れることができ、役者目当ての観客が原作に対して興味を抱くための取っ掛かりにもなり得ると感じた。全体を通して、テロップやアニメーション・パロディーネタを多用した演出がコミカルさを引き立てていると思った。

14. プロメア(アニメ映画) 制作:TRIGGER  監督:今石洋之
【備考】
・第23回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品
・総務省消防庁とのタイアップが行われ、消防職団員募集ポスターに起用

主人公のガロは消火活動と人命救助を行う組織・バーニングレスキューの新米団員として、炎上テロを引き起こす反政府組織・マッドバーニッシュと戦って勝利を収めた。捕らえられたマッドバーニッシュのリーダー、リオは捕まったふりをして逃げ出した山奥で再びガロと出会い、一時的に捕獲する。捕獲されたガロは、自らの恩人であり現在の上司に当たる司政官、クレイ・フォーサイトらが新人類・バーニッシュを使った非道な人体実験を行っており、テロ活動もそれに対抗するための手段であるという事実を告げられる。解放されたガロはそれでもテロは悪だとみなしつつ、人体実験を行う政府らにも反発する。自らの正義を貫き通す人々の物語。
この物語の対立構造には、見方を変えればどちらが正義にも悪になるという難しさがあるが、肝心の主人公は「火があれば消す。全てを助ける。」という単純な正義に基づいた行動を取る。主人公が持つこの単純で熱い正義感こそが、物語の爽快感に繋がっていると感じた。
映像面では、主に戦闘シーンにみられる明るく派手な色味を多用した独自の色彩、随所に差し込まれた漫画のコマ割りのような画面構成、コミカルな表情を見せる個性豊かな容姿のキャラクター、主線を影の延長線上の色味で取る独自のタッチなど、アニメならではの特徴を利用しつつどこか新鮮味のある、大胆な視覚的表現が魅力に感じた。
また、全体の世界観やキャラクター達の派手な外見・セリフ回しなどから、どことなくアメコミ映画のような雰囲気だと感じた。

15. 『ヒナ 値付けされた子役たち』(漫画) 鈴音ことら

漫画配信サービス「サイコミ」にて連載されているWEB漫画。
小規模子役事務所「フライトウェザー」の新人マネージャー・烏丸は子役業界の理想と現実のギャップに落ち込んでいたところを、7歳の天才子役・ヒナに慰められる。一見無邪気で天真爛漫であるように振舞うヒナは、その実金に対する極度の執着心を持ち、着実に求められる「子役」を演じ切る鋭い頭脳の持ち主だった。ヒナの豹変ぶりに驚きつつも感心した烏丸は「5億稼ぎたい」というヒナの目標を叶えるため、事務所に所属する子役たちの抱える問題に向き合っていく。
この物語の魅力の1つが、主人公である烏丸の成長である。当初夢見がちで理想論を振りかざすばかりであった烏丸は、その情熱や想いはそのままに次第に現実を直視できるようになっていく。また、ヒナを始めとする子役たちの姿は作中でも徐々に成長していく様が描かれており、設定に臨場感と現実味を与えている。もしかしたら本当にこのような子役達がいるのでは?と思わせられるようなリアリティこそがこの作品の魅力の1つだ。

16. 『姫様、拷問の時間です』(漫画)
原作:春原ロビンソン 漫画:ひらいけい 出版社:集英社

少年ジャンプ+にて連載されているWEB漫画が書籍化。魔王軍の捕虜として捕らえられた国王軍第三騎士団騎士団長かつ王女の姫様が、拷問官トーチャーによる”拷問”にかけられて秘密を話してしまうコメディ作品。
グロテスクでシリアスな世界観を思わせるタイトルやあらすじと、ほのぼのギャグ漫画な中身のギャップがおもしろい。RPG調のファンタジーな世界観の中に、飯テロやかわいい動物などによる優しい拷問、週休2日制で妙に福利厚生のしっかりとした魔王城、拷問官という名の友達など、現実的にこんな場所に住みたい!と思わせるような要素が含まれることで、共感しやすい内容になっている。

17. 『SPY×FAMILY』(漫画) 遠藤達哉  出版:集英社

少年ジャンプ+にて隔週連載、書籍化。
父は敏腕スパイ・ロイド、娘は孤児院で育ったエスパー・アーニャ、母は凄腕殺し屋・ヨル、それに加えて実験施設から連れ出された犬・ボンドからなるフォージャー家のメンバーが、互いに素性を隠しながらもそれぞれの目的を果たすためにかりそめの家族として過ごすうちに、心を通わせていく物語。
東西冷戦時代をモチーフとしたちょっとブラックで真面目な世界観の中、天真爛漫な言動のアーニャのコミカルな表情がギャグとストーリー性のバランスを保っている。また、世界観や街並みがオシャレで、何気ない日常のシーンであっても視覚的に楽しむことができる。隔週連載であるため一話一話の密度・満足度が高く、非常に読み応えのある作品だと感じた。

18. 『微妙に優しいいじめっ子』(漫画) もすこ  出版社:講談社

主人公・田村はクラスメイトから「村田」と勘違いされており、友達がいなかった。しかし、いじめっ子で不良の木崎だけが名前を覚えており、さり気なく他のクラスメイトにもアピールするなど不器用ながらも「微妙に優しいいじめ」として田村に関わってくる。一見正反対の二人が、独特な関係性を経て、本物の友達になっていく物語。
二人の関係性がおもしろく、コメディ作品としても楽しめる作品だと感じた。しかしながらそれだけではなく「本人たちの関係性を周囲が規定することに対する異議」というテーマを抱える、テーマ性のある漫画である。

19. 『いびってこない義母と義姉』(漫画) おつじ

電子雑誌サービスcomic POOLにて連載中の漫画。名家の庶子である主人公・ミヤは実母の死をきっかけに本家に引き取られた。どんな仕打ちをされても受け入れようという彼女の覚悟に反し、義母も義姉も驚くほどに優しかった。どこかシンデレラの世界観を想起させるような作風の、コメディ作品。
シンデレラという多くの人が知っている作品をモチーフにしているからこそ、やさしさを引き立てるためのわかりやすいフリとして機能している。また、本家の家族たちの優しさは自分の価値観に基づく優しさではなく、相手の立場や価値観を尊重ている点に好感が持てる。

20. 『通りがかりにワンポイントアドバイスしていくタイプのヤンキー』(漫画) おつじ  出版社:スクウェア・エニックス

WEB雑誌ガンガンpixivにて連載中の漫画。
主人公の桜井はヤンキー風の見た目をしているが、知恵深く、誰に対しても優しい心の持ち主である。困っている人を放っておけない桜井は通りがかりにワンポイントアドバイスをしていくことで、周囲の人々を助けていく。そんな桜井による今日から役立つワンポイントアドバイスを他者目線で描いた作品である。
知っているとちょっと便利な雑学を学ぶことができる点が面白く感じた。また、常に優しい桜井の周りには自然と人が集まってくるため、その人間模様も楽しむことができる。
2021/09/15(水) 00:25 No.1803 EDIT DEL
2年 岩下 RES
夏休み課題1~10

1.東京卍リベンジャーズ(アニメ・漫画) 原作:和久井健 制作:ライデンフィルム
【備考】実写映画も公開された。

中学時代、暴走族・東京卍會のメンバーに喧嘩を売って痛い目を見たタケミチは、中学卒業後、友人も恋人も捨てて一人暮らしを始めるもただなんとなく日々を過ごしていた。26歳の時、元恋人である橘 ヒナタが東京卍會によって殺されたというニュースを目にしたタケミチは、翌日、自身も何者かの手によって電車のホームに突き落とされ、気が付くと中学時代にタイムリープしていた。本来ヒナタと共に死ぬはずだった弟・橘 直人を助けたタケミチは「直人と握手をすることで12年前のその日にタイムリープできる能力」を手に入れ、成長した直人とともにヒナタを助けるべく奮闘する。

主人公のタケミチは喧嘩こそ強くはないが、自分より強い相手にも果敢に挑むことのできる、精神的な強さやひたむきさ、仲間を思う熱い心を持っており、これぞ近年の少年漫画の王道的主人公だと感じた。一方で、単純な構成になりがちな不良漫画にSFやミステリーの要素を加えることで、王道感は残しつつも先の展開が楽しみなストーリーに仕上がっている。




2.トモダチゲーム(漫画) 原作:山口ミコト 漫画:佐藤友生
【備考】テレビドラマ化、並びに映画化もされた

貧乏ながら金より友を大切にしている主人公・片切友一、政治家の息子・四部誠、学年トップの天才・美笠天智、真面目で正義感が強い刑事の娘・沢良宜志保、元いじめられっ子・心木ゆとりは、同じクラスの友達グループだった。ある日、クラスで修学旅行費の盗難騒動が起き、その後手紙で呼び出された5人は謎の軍団に襲われて意識を失ってしまう。目が覚めると、マナブくんと名乗る謎の案内人から「5人のうち誰かが2000万円の借金を返すため、盗んだ修学旅行費を参加料として”トモダチゲーム”に申し込んだ」と告げられる。ゲームに参加すれば借金は5等分され一人あたり400万円の借金を背負うことになるという条件をのみ、一同は誰の借金か追及しないまま友を助けるを決意する。果たして友一たちは友を信じ、運営の裏をかき、ゲームに勝利することができるのか。

この漫画は一見『バトルロワイアル』のような殺伐とした雰囲気だが、表現自体はかなり柔らかい。従来のデスゲーム系作品(何者かに誘拐され、謎のゲームに参加させられるような作品)であればクリアに失敗時に惨たらしく殺される残虐シーンが一種の見せ場となっているが、本作においてはクリアできなくても命は取られず、借金を背負わせた状態で帰宅させられる(ただし、その後一緒に参加した友人には二度と会えない)。このような表現により、本来のテーマである「友情」「金」の重要性が引き立っている。また、本作では主人公自身が謎を抱えており、仲間は大事にするがゲームに勝つためなら手段を選ばない、ダークヒーロー的な側面を持っている。そのため主人公≠読者であり、読者は主人公の言動を新鮮な気持ちで楽しむことができる。


3.出口ゼロ(漫画) 瀬田ハルヒ

女優志望の15歳・赤羽夕日は演劇部の元部長で憧れの先輩である咲夜の後を追い、全寮制の名門俳優養成所「D(ダイヤモンド)・A(アクターズ)スクール」へ入学した。
しかしながら、その実態は生徒を閉じ込めて過酷な課題を課し、達成できなかった生徒の記憶や人格を抹殺する非人道的な施設であった。「人格を消して真っさらな状態になってこそ真の俳優」という方針を持つ学園に立ち向かう物語。

この漫画は、少女漫画的なエッセンスは残しつつも、少女漫画雑誌「なかよし」に掲載されていた作品としては異例なまでに少年漫画的な要素を含んでいる。全体を通して主人公・夕日の強さが描かれており、その強さが周囲の人々を動かしていく。このようなストーリーは、少年漫画にも多く見られる。本作は、このような少年漫画的なストーリーをあえて少女漫画誌で、少女たちが憧れる女優という題材を用い少女漫画らしい絵柄で描くことによって、新たな少女漫画の可能性を提示している作品だといえる。


4. ローマの休日(吹き替え版) 1953年 アメリカ映画
監督 ウィリアム・ワイラー 主演 オードリー・ヘップバーン、ジョー・ブラドリー

オードリーヘップバーン演じる小国の王女・アン王女は王室の堅苦しい生活に嫌気がさし、こっそり王室を抜け出す。街で出会った新聞記者ジョー・ブラドリーの助けにより、お忍びで「普通の生活」を楽しむアン王女。一方新聞記者のジョーは、実は元々アン王女のスキャンダル記事を書くために手助けをしていた。最終的に二人は別れを迎え、ジョーは記事をお蔵入りにする決心をする。

実際に見る前はローマの休日=恋愛映画というイメージが強かったのだが、ジョーとの恋愛よりも自分のやるべき仕事を選び、王室に戻ったアン王女の姿からは「人生は恋愛がすべてではない」というメッセージが感じられた。それと同時に、仕事(スキャンダル記事の執筆)よりもアン王女を選び、記事をお蔵入りにしたジョーとの対比が興味深く感じた。
街中のオシャレでいきいきとした雰囲気や「記者」と「王女」が再会するどこかコミカルなラストシーンはモノクロながらも非常に鮮やかに感じられて、冒頭の堅苦しい儀式との対比が、モノクロであるがゆえにより一層引き立てられている。
リアリティの中にどこか品のある吹替えの演技も相まって、60年以上前に作られた作品であるにも関わらず非常に観やすく感じた。


5. Cube(吹き替え版) 1997年 カナダ映画
監督 ヴィンチェンゾ・ナタリ 主演 ニコール・デ・ボア、ニッキー・グァダーニ、デヴィッド・ヒューレット

死のトラップが張り巡らされた立方体に閉じ込められた見ず知らずの男女6人が、水も食料も無い迷宮の出口を探していく物語。

物語中盤、閉じ込められていた男の一人がこの迷宮・CUBEの外壁を設計した設計士だということが判明する。「最初から知っていたのか」「黒幕は誰なんだ」と詰め寄られるも「自分は外壁を設計しただけで内部も目的も知らない。誰に頼まれたのかもわからず、自分みたいに建物の一部を請け負った設計士と電話で打合せしただけだ」と設計士は言い訳をする。「これがなにかなんて”誰も”知らない」と言う設計士に対して、女医は「これが奴らのやり方なのよ。全部分業にしちゃえば本体が何かなんて嗅ぎつけられないで済む。見えない頭脳が操ってるのよ」「だって世の中全部そうじゃない」と陰謀論に結び付ける。しかしながら設計士は陰謀の存在を否定し、CUBEは金を生み出すためだけに作られた無用の長物であり、悪意も敵も黒幕もいないと論じた。

上記のやりとりに本作で一番衝撃を受けた。これだけ壮大な殺戮マシーンを作っておいて悪意も目的も無いという発想が、本作における数々の残虐シーンをも上回るほどの恐怖である。また、設計士を始めとして過度な分業化によって罪悪感も悪意もなく無自覚に悪へと加担している人々の様子は、詐欺や犯罪集団の下端の構造に似ていると感じた。本作には、分業により効率も上がり便利にはなったが、一方でそれによる危険性や弊害も潜んでいる現代社会に対する風刺が感じられた。

6. 日常(アニメ)
原作(漫画)あらゐけいいち  制作 京都アニメーション
【備考】
原作漫画は2011年にプレイステーションポータブル用としてゲーム化したほか、角川書店による小説化、iOS向け歩数計アプリやandroid向けきせかえテーマアプリの配信などがなされた。

時定高校の生徒を中心とした様々な人の不条理な日常を描く、マンガ原作のアニメーション作品。毎回9個程度の短いエピソードや小話、ミニコーナーなどの詰め合わせが1話として放送されるため複数の主人公・ストーリー軸が存在する。
中でも私は「東雲研究所」関連のエピソードが印象深かった。高校生の容姿で背中にはネジがついている女性型ロボット「東雲なの」、なのを製作した8歳の天才少女「はかせ」、はかせが発明したスカーフをつけたことにより人語を喋れるようになった黒猫「阪本」の3名の日常を描いたシリーズで、天真爛漫で破天荒なはかせを世話するロボットと、振り回される猫という構図がおもしろい。また、東雲なのが抱えるロボットであるがゆえの苦悩と人間への憧れを描いた回では、背中のネジがコンプレックスで取りたい東雲なのと、かわいいからとネジを外したがらないはかせの攻防がコミカルに描かれている。このシーンは一見単なるギャグシーンであるが、ネジがついていてもいなくても「なの」は「なの」であるとするはかせの考えからは、自分では欠点だと思っていることも前向きに捉えることもできる、というメッセージが伝わってくる。


7. 約束のネバーランド(アニメ、マンガ)
原作・原案::白井カイウ  作画::出水ぽすか アニメーション制作 CloverWorks
【備考】小説、ウェブラジオ、実写映画、リアル脱出ゲーム、内閣府とのタイアップなど、多数のメディアミックス・タイアップ等がなされている。


特殊なしきたりが存在する孤児院・グレイス=フィールドで暮らしていた主人公のエマと、同じく孤児院育ちの天才・ノーマンはある日、里親に引き取られていったはずの仲間の1人が鬼の元に食肉として出荷されていく様子を目撃する。それをきっかけに孤児院に潜む数々の違和感に気づいたエマ達は、脱獄計画を立てて他の孤児達とともに脱獄することを目指す。鬼の世界から逃げ出して人間の世界を目指す食用児を描いた作品。

この作品は少年少女の脱獄冒険譚である一方で、食に隠された残酷性やそれゆえの神聖さを描いた、食育作品としての側面も併せ持つ。作中に登場する鬼の大半は人肉を食べる際に「グプナ」と呼ばれる儀式を行う。グプナは血抜きの儀式であると同時に神への捧げ物としての意味合いがあり、糧への感謝の念が伴わなければ成立しない。この点がいわゆる食人鬼を描いた作品としては異様に感じた。一般に食人鬼は恐ろしい存在で、本能のままに人を食い荒らすというイメージが強い。本作においてもイメージ同様の知能の低い鬼は登場するが、儀式を行い感謝の念をもって肉を食す鬼や、宗教上の理由から人間は食べないという鬼の登場は鬼も人と同様に食べなければ生きていけないのだという事実を気づかせてくれる。一方、アニメ第二期のオープニング映像に含まれる「ウサギが一羽ずつ皿に載せられ、孤児達の食卓に並べられているシーン」では人間も鬼と同様に命を喰らって生きているのだという事実を視覚的に訴えかけてくる。


8. アイドルマスターシンデレラガールズ(アニメ) 制作:A-1 Pictures
原作【ソーシャルゲーム】開発元:バンダイナムコエンターテインメント、Cygames
【備考】原作ゲームとのコラボイベントの実施、アニメ内ユニットによるCDの発売、アニメ内で行われた大規模イベント『シンデレラの舞踏会』をモデルにしたコンサートの開催などが行われた。

346プロダクションに所属するアイドル達の成長を群像劇的に描いた物語。原作ゲームでは自分がプロデューサーとなり200人超のアイドルから好きな娘を選んでプロデュースしていくが、アニメではオリジナルキャラクターである大柄な男性プロデューサー(通称竹内P)が立ち上げた「シンデレラプロジェクト」に所属する計14名のアイドルが中心に据えられている。

原作では「キャラクターに付随した物語」として各キャラクターの中に物語が存在するのに対し、アニメでは登場アイドルの数を絞ることで人間関係が明確化・物語的なおもしろさが増し、物語の中にキャラクターが存在しているように感じられた。
そのため批判を浴びかねないような視野狭窄な言動をとるキャラクターが存在したり、他者との関係性の中で成長するキャラクター達の様子など、各キャラクターの魅力を最重要視する原作ではあまり見られないような展開が多くどこか斬新に感じられた。


9. アイドルマスターシンデレラガールズ劇場(アニメ)
原作 バンダイナムコエンターテインメント 制作:ギャザリング

上記のアニメの原作にもなったゲーム『アイドルマスターシンデレラガールズ』内で発表されている5コマ漫画を原作とした、ミニキャラ化したアイドル達による日常を描いた5分枠の短編アニメ作品。

前述のアニメ版アイドルマスターシンデレラガールズとは異なり、とにかくキャラクターの魅力を引き出すことに特化した作品だと感じた。基本的にボイス実装済アイドルは全員出演しているものの、1度に出演するキャラクター数を1人~数人程度に絞ることでくすっと笑えるギャグ要素と出演キャラクターの魅力とを両立している。第四期放送後もゲーム内において定期的に配信されていることからも、キャラクターの魅力を重視するソーシャルゲームのファン層との親和性が高い作風だと思った。


10. ここは今から倫理です。(ドラマ、漫画)
原作 雨瀬シオリ(漫画)
【備考】
ドラマ連動企画として視聴者投稿番組『ここはぺこぱと倫理です。』が放送された。

悩みを抱えた高校生たちが、倫理の選択授業で出会った”高柳先生”の授業を通して気づきを得たり、変化していく様子を描いた作品。

この物語の視点は話ごとに変わっていくが、大抵の場合問題を抱えた生徒が主体となって描かれる。その問題は自覚の有無も含めて多岐にわたり、「夜遊びのしすぎで学校が眠い」「いじめられっ子を助ける『いい先生』になりたいが、見本となる『いい先生』が居ない」「家庭環境で悩んでる」など身近で俗世的なテーマが多く、その話の主役となる生徒のモノローグを多用した作風のための没入しやすい。そのためどれか1つは共感できるような悩みを見つけることができる。どこか浮世離れした先生と俗っぽい悩みを持った生徒達との対比が、リアルでしっとりとした作風ながらもどこか笑える、独特な空気感を醸し出している。ドラマ版ではその空気感を維持しつつ、高柳先生が生徒との接し方に悩む姿も描かれ、高柳先生の人間味が強調されているように感じる。また、原作ではギャルや不良など個性的な容姿をした生徒が多く登場するのに対し、ドラマではより現実に即した、落ちついた容姿に変更されている。ドラマ版ではNHKで放送された特性上一部の表現がマイルドにされているものの、限られた尺の中に上手く原作の雰囲気を落とし込まれていると感じた。

2021/09/14(火) 23:23 No.1802 EDIT DEL
2年 大橋 RES
夏休み課題21~30

21『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(実写映画) 原作:赤坂アカ
エリートたちが通う名門校、秀知院学園。その生徒会の会長白銀御行と副会長四宮かぐやは、互いに恋心を抱いているがプライドが邪魔をし、自らは告白しないという強い意志を持っている。どちらが先に告白させるか、平野紫耀と橋本環奈が白熱の演技で演じるラブコメディ。

私はこの映画でこの作品に初めて触れたが、プライドの高い二人が葛藤し合うコメディ要素がとても面白かった。是非原作にも触れてみたい。

22『憂国のモリアーティ case2』(舞台) 構成:竹内良輔 漫画:三好輝
舞台は大英帝国全盛期ロンドン。古くから続く階級制度に下層階級の人々は苦しめられていた。貴族が征服するこの時代を覆すべく、主人公ウィリアム・ジェームズ・モリアーティとその兄アルバート・ジェームズ・モリアーティ、弟のルイス・ジェームズ・モリアーティの三人は立ち向かっていくというストーリー。

舞台版第二作目ということもあり、演者の方々のキャラクターへの入り込み具合が素晴らしいものであった。原作に描かれる舞台背景を忠実に再現していることは勿論、身分に隔たれる不自由さを改めて考えさせられるものであった。

23『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』 監督:原恵一
ある日の夜、しんのすけは水面を眺める綺麗なお姉さんが出てくる夢を見る。しんのすけが家に帰るとシロが小屋の近くを掘り返しており、そこから手紙が入った箱が出てきた。しんのすけは我に返るとそこには夢に出てきた水面が目の前に広がっていた。知らない場所をさまよい歩いているとそこには軍勢の合戦が。しんのすけは戦国時代にタイムスリップしてしまったのだ。しんのすけを戻すべく立ち上がる野原一族と、戦国時代で繰り広げられるリアル戦争。

突然いなくなったしんのすけを取り戻すべく試行錯誤する家族の温かさを感じることが出来る作品だった。特に最後のシーンは子供だけでなく大人も涙を流してしまうような効果がある展開だと考えられる。

24『神様はじめました』(アニメ) 監督:大地丙太郎
主人公桃園奈々生は、ギャンブル依存症の父が借金を残したまま蒸発し家を追い出されることに。さまよい歩いているとき、犬に追われるミカゲという男を助ける。神社の土地神であるミカゲは奈々生に土地神の役割を譲り渡す。女子高生として生活する奈々生は土地神として神使の巴衛と共に波乱万丈な日々を過ごすことに。

女子高生の奈々生は全く違う世界に住んでいる巴衛と出会い、恋愛感情を抱くようになったりと心情変化を楽しめる要素がとても多いのが魅力的であった。ひたむきな主人公の成長、神や妖怪といった非現実的なキャラクターの活躍は視聴者を引き付ける効果があるのではないかと考えられる。

25『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(アニメ) 監督:暁佳奈
感情を持たない少女ヴァイオレット。元兵士の彼女は戦後、自動手記人形という手紙の代筆を仕事にすることになる。兵士時代に大切にしてくれた、今は亡きギルベルト少佐が与えてくれた「愛してる」という言葉の意味を探す彼女の旅。

京都アニメーションが作り出す、戦場の圧迫感や緊張感、また手紙や水、機械などの細やかな描写がとても素晴らしかった。美しい絵と共に繰り広げられる美しく感動するストーリーはこれまで感じたことが無い体験をさせてくれるようだった。感情を持たず笑顔も見せない少女ヴァイオレットの想いが少しずつ見えていく様子にも目が離せない。

26『映画 ギヴン』(アニメ) 作者:キヅナツキ
優れたギターテクニックを持つ上ノ山立夏だが、日に日にその熱が冷めていくのを感じていた。そんなある日学校の階段でギターを抱えて眠る佐藤真冬と出会い、彼の音楽への想いが変わっていく。大学生の中山春樹、梶秋彦を含めた「ギヴン」というバンドを組み、彼らの関係性に進展が生まれていく。

原作BL作品ということもあり、バンド内恋愛や過去の恋愛を通して成長していく彼らの関係性が素晴らしいものであった。この劇場版は、アニメ一期の続編なのでアニメを閲覧してから観ることをお勧めしたい。一人一人が持つ音楽への想いが強いからこそぶつかり合う葛藤や劇中歌がとても綺麗で見応えがあるので音楽からでも触れてみて欲しい作品だ。

27『うらみちお兄さん』(アニメ) 作者:久世岳
MHKの教育番組「ママンとトゥギャザー」に登場する体操のお兄さん(うらみちお兄さん)、歌のお兄さん(いけてるお兄さん)、歌のお姉さん(うたのお姉さん)、着ぐるみのウサオ君、クマオ君たちが繰り広げるブラック・コメディ。うらみちお兄さんは子供たちに笑顔を振りまき優しい印象を持たせるが、大人社会の闇に埋もれる暗い裏の顔が顔に出てしまう事が多い。情緒不安定なうらみちお兄さんとその仲間たちが作り上げる教育番組に注目だ。

例え仕事に行くことが辛くても、疲れていても仕事が始まると何事もなかったかのように笑顔を作り進行していくうらみちお兄さんの闇に触れる瞬間がとても面白い。大人社会の現実を時々子供に察してしまわれるほど衰弱しているうらみちお兄さんを応援したくなってしまう。また、歌のお兄さんお姉さん、ウサオ君やクマオ君などと繰り広げられる大人同士の闇深い会話ややりとりもとても面白く続きが気になってしまう。コミックにも触れてみたいと思わせてくれる作品だ。

28『文豪ストレイドッグスわん!』(アニメ) 原作:朝霧カフカ、春河35、かないねこ
舞台は架空都市ヨコハマ。異能力による死闘が繰り広げられる中、お馴染みの文豪のキャラクターがミニキャラになって展開されていくスピンオフバラエティー。

文豪ストレイドッグスのキャラクターがミニキャラになって進んでいく一話15分のミニアニメ。本編ではシリアスな物語が、このアニメではコメディ要素溢れる展開になっていくのが面白い。普段見ることが出来ないキャラクターたちの面白おかしい様子が垣間見れて新鮮だった。

29『河童のクゥと夏休み』(アニメ) 監督:原恵一
江戸時代、河童のクゥと父親が侍に池を干拓して田んぼにすることをやめて欲しいと願うが、侍は河童を気味悪がり父親を殺してしまう。それと同時に地震が起こり、クゥも巻き込まれて地下深くに埋もれてしまう。
時は現代、小学生の上原康一はある日川の近くで化石のようなものを拾う。これが上原家と河童のクゥとの出会いであった。現代にいるはずがない河童。そんな彼らは混乱の渦に巻き込まれていく。

河童という前代未聞の生物をここまで現実的に表現している描写はとても魅力的であった。妙にリアルに描かれる表情の変化や描写が、河童と人の共存という現実にマッチしているように感じられた。また、人間の好奇心におびえる非人間のことを考えない人間の愚かさを第三者の視点で学ばせてくれる作品だと考えた。

30『夏目友人帳 特別編』(アニメ)  作者:緑川ゆき
四期と五期の間にOVAとして全2話が制作された。

まず一作目の「いつかのゆきのひに」は、主人公夏目がゆきだるまに似た妖に出会い、この妖が探している「何か」を求めていくストーリーだ。探していたものは心の中にあり、信じる心があれば必ず見つかるという心温まる話だった。
二作目の「ニャンコ先生とはじめてのおつかい」では、妖であるニャンコ先生と迷子になってしまった人間の子供が種間の垣根を越えて協力していく様子が垣間見えた。
夏目友人帳がもたらす優しさに成長させられたような気がした。
2021/09/12(日) 15:06 No.1801 EDIT DEL
2年 大橋 RES
夏休み課題11~20

11『ジュラシック・パーク』(映画) 監督:スティーヴン・スピルバーグ
マイケル・クライントンの小説が1993年に映画化され大ヒット。絶滅した恐竜たちのDNA復元により、現代に再び恐竜が誕生した。夢のテーマパークになるはずが、恐竜たちが織の外へと脱走してしまい人間たちへの被害が広がっていく。

シリーズも第三弾まで展開されており、恐竜の種類が増えていくのも魅力の一つだ。また、古さを感じさせないCG技術は、今見ても劣ることを知らない。恐竜がいる世界が想像出来なかった現代の思考を覆すような体験が面白い作品だ。

12『ジュラシック・ワールド』(映画) 監督:コリン・トレヴォロウ
ジュラシック・パークの惨劇から22年が経過した。所持者も変わり新たなリゾートとして再建がなされ、新種の恐竜が遺伝子操作により開発がされた。しかしこの恐竜の脱走によりパークの悲劇が再び起こる。

ジュラシック・パークでも輝いていたCG技術がさらに進化してよりリアリティが上がっている様子を感じることができた。ワールドは二作公開されているが、新作の公開も決定している。お馴染みの恐竜T-REXの他にも様々な恐竜が登場する臨場感や毎回異なるストーリーの展開に目が離せない作品。

13『RE-MAIN』(アニメ) 総監督:西田征史
主人公の清水みなとは、水球の実力者であったが事故で記憶喪失となってしまう。中学時代の記憶が無く水球の知識もごっそりと抜け落ちてしまっていたが、新たに出会った高校の仲間と共に日々の向上を目指す青春ストーリーだ。

水球アニメという事でMAPPAの描く水の描写がとても美しい印象を受ける。また、キャラクター一人一人が抱えている想いや姿勢を少しずつ噛み砕いていく展開に色々と考えさせられることも多い。今後のみなとたちの成長が楽しみになる話だ。

14『幽☆遊☆白書 暗黒武術会編』(アニメ) 原作:冨樫義博
主人公浦飯幽助は子供を助けようとした際に交通事故で死んでしまう。しかしこの死は霊界にとっては想定外のことで、浦飯を生き返させるべくコエンマは試練を与える。霊界探偵として蘇った浦飯は桑原、蔵馬、飛影と共に敵を倒していく。
そんなある日格闘トーナメント「暗黒武術会」のゲストとして選ばれた彼らは、数多くの敵と対戦していくことに。

昔から大人気の作品である幽遊白書のストーリーにようやく触れることが出来た。魅力的なキャラクターはもちろん、昔ながらのアニメーション制作に興味を持った。CG技術をあまり使わない、殆ど手書きで作られたアニメの完成度はとても高く感心した。

15『ひまわりと子犬の7日間』(映画) 監督:平松恵美子
とあるおじいさんとおばあさんの元で生まれた一匹の柴犬の雌。しかしこの子犬の成長速度は遅く、心配されていたがおばあさんのおかげで大きく成長していった。そんなある日おばあさんが亡くなってしまう。一人になってしまったおじいさんは施設に入ることになり、柴犬を知人に預けることにしたがおじいさんが乗る車を追いかけるも追い付けずに野犬となってしまう。この野犬と生まれた子供は保健所に連れていかれてしまうが、そこで主人公の彰司達家族が何とか殺処分を避けることが出来ないか立ち向かっていくというストーリー。

コロナ禍で増えたペット需要にある裏側を見ているかのようだった。最期まで責任をもって世話が出来ない人達が安易に命のやり取りをしようとしていることに危機感を感じた。動物も人も命の価値は同じだと私は考えているので、ペットを飼おうと思うならこの作品を観てみると価値観が変わると思う。

16『テセウスの船』(ドラマ) 作者:東元俊哉
時は1989年冬。ある村で連続毒殺事件が発生し、その犯人として警察官、佐野文吾が逮捕された。彼の息子田村心は父が冤罪であることを証明するため行動を始める。そんなある日、心は事件の31年前にタイムスリップしてしまう。この出来事をきっかけに心は過去を変える決意をする。

関係のない人を巻き込まないよう、身を犠牲にして立ち向かっていく田村心の強さを感じる瞬間が多かった。毎話起こる何かしらの事件にこちらまで緊張してしまうシーンも多く、感情輸入させる効果がドラマのあちらこちらに散りばめられているように考えられた。

17『しろくまカフェ』(アニメ) 作者:ヒガアロハ
カフェの経営をするしろくまとこの店の常連客のペンギン、パンダなどの動物を中心として描かれたギャグアニメ。職が無く、家でゴロゴロとしているパンダ君がバイトを探すことからこのアニメは始まる。動物の大きさや好物などは実際の動物と同じで、デフォルメ化された彼らの醸し出すほのぼのとした雰囲気が特徴的。

種類関係なく仲良く過ごす動物と人が共存する世界観にとても癒された。電車に乗って動物園に向かうパンダ君の様子など、非現実的な情景が溶け込む世界線に行ってみたいという好奇心も生まれた。また見方を変えてみれば、動物と人が共存する現代の改善にも役立つところがあるのではないかと考えられた。

18『ドクターX~外科医・大門未知子~ シーズン6』(ドラマ) 監督:田村直己、松田秀知、山田勇人
フリーランスの外科医大門未知子の活躍を描いている。どんな困難なオペでも”失敗しない”という強い意志を持った一匹狼の女医が、数々の病の治療に立ち向かっていくストーリー。

シーズン6まで放送されており、シーズン7の放送も決定している大人気シリーズだ。私も昔から観ているが、改めてじっくり観てみると医師たちの想いや意志の強さ覚悟の重さなどがひしひしと伝わってきた。私はいつも患者として診てもらっている立場なので、医師側の視点から描かれるこの作品はそういった新鮮な見解を見せてくれるものだと感じた。

19『チェンソーマン』(漫画) 作者:藤本タツキ
悪魔というものが蔓延る世界線。主人公デンジは死亡した父の借金返済をすべく、チェンソーの悪魔ポチタと共にデビルハンターとして生きていくことに。そんなある日、公安対魔特異化のマキマとの出会いをきっかけにありとあらゆる者から心臓を狙われることになる。

藤本先生のキャラクター一人一人の表情の描き方から心境が窺えたりと思わず見入ってしまう事が多かった。スピード感や臨場感がアクションにマッチしていて見ごたえある作品であった。原作の続きやアニメ化も決定しているので楽しみにしたい。

20『ドラゴン、家を買う。』(アニメ) 作者:多貫カヲ、絢薔子
家族から臆病者であるという理由で勘当されてしまったドラゴンのレティ。ひ弱な自分が生きていくためには壊れない頑丈な家が必要と考え、エルフの建築士ディアリアとの出会いをきっかけに理想のマイホームを探す旅に出ることに。

人ではなくドラゴンが主役の物語は私にとって新鮮な作品であったので、とても楽しみながら見ることが出来た。神の声という第三者からの視点が入ることで、我々視聴者をより世界観に近づける効果があるのではないかと考えられる。また、レティとディアリアの愉快な会話などといったギャグ要素、勇者達との戦闘要素など視聴者が楽しめる構成になっていたようにも感じた。更にエンディングの後の豆知識のコーナーでは、家を建てる際のコツや知識を知ることが出来てとても勉強になった。
2021/09/12(日) 15:06 No.1800 EDIT DEL
2年 大橋 RES
夏休み課題1~10

1.『夏目友人帳』(アニメ) 作者:緑川ゆき
高校生の主人公夏目貴志は昔から普通の人には見えない「妖」を見る能力を持っている。幼いころ両親を亡くした夏目は、親せきの家を転々として過ごしてきたがこの能力により気味悪がられたりと悲痛な幼少期を送ってきた。そんな時遠縁の藤原夫妻に引き取られ、ニャンコ先生という力強い妖の仲間や友人に囲まれながら日常を過ごしていくストーリー。

貴志の祖母レイコが作った「友人帳」がトリガーとなって始まる物語だが、人や妖の温かさや切なさが感じられる素敵な作品。また、アニメは1~6期と長く、多くのファンに愛されていることが分かる。

2.『天官賜福』 (漫画) 作者:墨香銅臭
中国のWeb小説作品が原作のファンタジー作品。
架空の古代中国が舞台。主人公の仙楽国の太子「謝憐」は人々を救うため17歳の若さで神となるが二度も天界から追放をされてしまう。そして800年後三度目の飛昇をするがもう信者は一人もいない状態であった。その為下界でガラクタ集めをして生計を立てようとしているときに「三郎」と名乗る家出青年と出会う。謎多き青年と始まる精密なストーリー。

アニメも放送され中国では二期の放送も決定している作品。日本語版の小説や漫画がまだ発売されておらず、英語で漫画を読んだが絵の繊細さや描写は日本の漫画に引けを取らない素晴らしいものであった。

3.『東京卍リベンジャーズ』(漫画) 作者:和久井健
不良中学生である主人公の花垣武道は、かつての恋人橘日向が抗争に巻き込まれて死亡したことを知る。その後、バイト帰りの駅のホームで何者かに突き落とされもう終わりかと思った瞬間、12年前にタイムリープしてしまう。失われた恋人を救うべく、タイムリープを利用し未来を切り開いていくヤンキー×SF漫画。

魅力的なキャラクターが多く登場し、彼らの過去や目的を知っていくうちに感情輸入をしてしまう作品であった。主人公だけでなく、周りの人々の成長も垣間見える作品だ。

4.『アイドリッシュセブン third beat』(アニメ) 監督:別所誠人
ゲームが原作で、先日6周年を迎えたロングセラー作品だ。
父の経営する「小鳥遊芸能事務所」で勤務が決まった主人公はIDOLiSH7のマネージャーを任されることになる。デビューに至るまで、また彼らの成長や葛藤がリアルに描かれる作品だ。

ゲームをやっていてもアニメを見ても、芸能界の厳しさや一人一人の抱える想いをぶつけ合うというようなリアリティーの再現度が高い。ライブやイベントなどの催しも充実しており、今後の展開も楽しみだ。

5.『SK∞ エスケーエイト』(アニメ) 監督:内海紘子
舞台は沖縄。主人公の暦は夜に開催される妨害行為など何度もありのスケートボードレース「S」に参加していた。後日、暦の通う学校にカナダから転校してきたランガという青年を誘い共にスケートボードを始めることになる。そんなランガはカナダでスノーボードをやっていたという事もあり、あっという間に暦より技術を上げていってしまう。この二人の間に生まれる葛藤や絆、他の魅力的な仲間と繰り広げられる青春ストーリー。

内海監督に惹かれて拝見し始めたが、制作陣の思いが詰まった作品であることがオーディオコメンタリー等を聞いていて分かったことだ。新作の制作も決まったという事で、今後の暦たちのストーリーの展開を楽しみにしたい。

6.『Free! dive to the future』(アニメ) 原作;おおじこうじ
高校生時代が舞台であったこれまでのシリーズとは違い、大学生編として描かれる三期。主人公七瀬遙は、中学時代の仲間であった椎名旭と再会し再び共に競泳をするようになる。しかし、中学時代にばらばらになってしまった仲間で別の大学にいる桐嶋郁弥との仲は良いものではなかった。水泳を通して別れてしまった心が繋がっていく青春ストーリー。

夏休み中の再放送をきっかけに見返したが、仲間間に生まれる葛藤が自分にも当てはまるような気がして考えさせられるシーンが多かった。もうすぐ公開の新作映画の前に見ることをお勧めしたい。

7.『BANANA FISH』(アニメ) 監督:内海紘子
舞台は1980年代NY・ダウンタウン。ストリートギャングを取りまとめる17歳の美少年アッシュ・リンクスと日本から来た奥村英二の2人が主人公。ある夜、アッシュのもとに「バナナフィッシュ」というワードとある住所、薬物のサンプルが届けられる。この薬物が兄の病に関わっているかもしれないということでこの謎を追うアッシュ。そして時を同じくして英二と出会い、様々な事件に合いながらも立ち向かっていくストーリー。

アッシュを慕う仲間たちの絆や死が見ていてとても辛いものであった。MAPPAが制作したという事もあり、繊細で美しい作品である。またアニメ化されていないアナザーストーリーもあるので読んでみたい。

8『K SEVEN STORIES』(アニメ) 原作:GoRA×GoHands
異能組織の7人の王のもと、7つの組織が集い戦う。アニメや小説、映画やOVAなども制作される大人気アクションアニメーションだ。

このSEVEN STORIESは、6作品構成で劇場版として制作された。
各組織の結成秘話や失った仲間の過去など、裏話のような展開が繰り広げられた。失われた仲間が残していった想いを背負う生存者の意志の裏側を知ることが出来るので是非本編のアニメを見た後に見ることをお勧めしたい。

9『劇場版 弱虫ペダル』(アニメ) 作者:渡辺航
今作の舞台は熊本、阿蘇。インターハイでチーム総北高校を総合優勝へ導いた主人公小野田坂道。夏の終わりが近づき先輩方の引退の日も近づく。そんなある日インターハイの優秀チームが熊本やまなみレースに招待される。先輩方との最後のレースが繰り広げられる。

これまで培ってい来た絆があるからこそ、此処まで来れたというキャラクター一人一人の強い気持ちが感じられる作品であった。出会いと別れをここまで丁寧に描かれていることに感動したし、自分が所属していた部活動について思い出すことも出来た素晴らしいストーリーであった。

10『旅猫リポート』(映画) 作者:有川浩
主人公は人語を理解できる元野良猫のナナと主人の宮脇悟。彼らは共に暮らして5年になるが、悟はある事情でナナを手放さなくてはならない。引き取りてとしてかつての旧友が何人も名乗り出てくれたが、悟はやはりナナと離れたくないと願うように。実は病気と闘っていた悟とナナの最期の物語。

最期の最期まで悟に付き添ったナナの様子から、彼らの絆が感じられ思わず涙してしまった。引き取り手を探していても、悟は本当はナナと離れたくないと思っていたり、その気持ちをナナも理解している関係性や悟の周りの家族の温かさは、視聴者の心を鷲掴みにしてくれると思う。
2021/09/12(日) 15:06 No.1799 EDIT DEL