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2年 岩下
RES
夏休み課題11~20
11. パプリカ(アニメ映画) 制作会社:マッドハウス
監督:今敏 原作:筒井康隆(小説)
【備考】
第63回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門 正式出品。第19回東京国際映画祭animecs TIFF 2006 オープニング上映作品。作中サイト(radioclud.com)は実在しており、URLを打ち込むと本作から着想を得たラジオチャンネル『radioclud.com』のホームページに飛ぶ。
時田浩作が発明した夢を共有するための装置、DCミニが精神医療総合研究所から盗まれた。DCミニは本来患者の夢に入り込んで治療するために用いられていた装置であるが、何者かの手によって悪用され、無理矢理悪夢を見せられた人々が精神崩壊を引き起こす事件が多発した。主人公の千葉敦子は夢探偵として被害者の夢に入り込み、赤髪ショートカットの美少女「パプリカ」としてテロリストたちと戦う。しかし、徐々に現実世界も夢に侵食されていく。
アニメーション特有の表現が活かされた作品である。中でも、作中にしばしば登場するパレードのシーンが印象深かった。この作品におけるパレードは夢の世界を象徴しており、どこか不安になる曲調の主題歌に合わせて古今東西の無秩序な物たちが行進していく。その様子は極めて異様だが、どこか高熱の時に見る夢のような既視感があった。夢が侵食していく場面ではお祭りのような雰囲気と次第に広まっていく狂気とのギャップが恐怖心を煽る。
この作品では「敦子とパプリカの変化していく関係性(同一的存在→別人格的存在→分裂・独立→自我の獲得)」「悪夢に苦しむ粉川刑事がかつてのトラウマを克服し、悪夢から開放される過程」が並行して描かれている。複数の人物の成長過程を重層的に描いていくことによって密度の高い、非常に見ごたえのある物語になっており、見るたびに新たな発見のある奥深い作品だと感じた。
12. 『生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術』(小説)
平成6年11月1日 発行 著者 泡坂妻夫
発行所 株式会社新潮社
この小説は超能力によって引き起こされたとされる事件の謎に挑む探偵小説である。しかし、注目すべきはその内容よりも形式にある。この小説は「消える短編小説入ってます!」との表紙のコピーの通り、袋とじ加工が施されており、袋とじを開くことで短編小説が消えて長編小説が現れる仕掛けになっている。袋とじを開くごとに謎が解けていく高揚感や「本に鋏を入れる」未知の経験へのワクワク感など、他の小説ではできない貴重かつ斬新な読書体験こそがこの作品の魅力である。
13. かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(実写映画)監督:河合勇人
原作:赤坂アカ(漫画)
【備考】
原作はアニメ化、WEBラジオ、ノベライズ化、ファンブック、イベント等様々なメディアミックスが行われている。
数多くのエリートが在籍する名門私立高校・秀知院学園で生徒会長を務める学年一位の秀才・白銀御行と、家柄が良く文武両道の副会長・四宮かぐやは、互いに長い間告白できずにいた。「告白したら負け」だと思い込むようになった二人は、互いに相手に告白させるための恋愛頭脳戦を繰り広げる。秀知院学園の生徒たちの日常を描いた、ラブコメディ作品。
基本的に明るくくすっと笑える作風だが、家柄ゆえの複雑な事情を抱える四宮の生い立ちや狂気的なまでの努力を隠す白銀など、展開が進むにつれてシリアスな場面も増えていく。
映画版においては主に「原作1巻を中心としたコミカルな日常シーン」「花火の音は聞こえない(原作34ー35話)」「生徒会総選挙編をモチーフにしたオリジナル展開」の3本柱で、前半は日常の小話を、後半は主に原作初期の名場面とされる話をオリジナルストーリーで繋げるような形で展開していく。1つのエピソードに絞らずに極力多くの要素を取り込んでいる点から、大きな山場や分かりやすい起承転結で魅せるというよりも、複数の山場を積み重ねることで原作を読んだ時の感動を想起させているという印象を受けた。そのためこの映画を観るだけで作品の多様な面に触れることができ、役者目当ての観客が原作に対して興味を抱くための取っ掛かりにもなり得ると感じた。全体を通して、テロップやアニメーション・パロディーネタを多用した演出がコミカルさを引き立てていると思った。
14. プロメア(アニメ映画) 制作:TRIGGER 監督:今石洋之
【備考】
・第23回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品
・総務省消防庁とのタイアップが行われ、消防職団員募集ポスターに起用
主人公のガロは消火活動と人命救助を行う組織・バーニングレスキューの新米団員として、炎上テロを引き起こす反政府組織・マッドバーニッシュと戦って勝利を収めた。捕らえられたマッドバーニッシュのリーダー、リオは捕まったふりをして逃げ出した山奥で再びガロと出会い、一時的に捕獲する。捕獲されたガロは、自らの恩人であり現在の上司に当たる司政官、クレイ・フォーサイトらが新人類・バーニッシュを使った非道な人体実験を行っており、テロ活動もそれに対抗するための手段であるという事実を告げられる。解放されたガロはそれでもテロは悪だとみなしつつ、人体実験を行う政府らにも反発する。自らの正義を貫き通す人々の物語。
この物語の対立構造には、見方を変えればどちらが正義にも悪になるという難しさがあるが、肝心の主人公は「火があれば消す。全てを助ける。」という単純な正義に基づいた行動を取る。主人公が持つこの単純で熱い正義感こそが、物語の爽快感に繋がっていると感じた。
映像面では、主に戦闘シーンにみられる明るく派手な色味を多用した独自の色彩、随所に差し込まれた漫画のコマ割りのような画面構成、コミカルな表情を見せる個性豊かな容姿のキャラクター、主線を影の延長線上の色味で取る独自のタッチなど、アニメならではの特徴を利用しつつどこか新鮮味のある、大胆な視覚的表現が魅力に感じた。
また、全体の世界観やキャラクター達の派手な外見・セリフ回しなどから、どことなくアメコミ映画のような雰囲気だと感じた。
15. 『ヒナ 値付けされた子役たち』(漫画) 鈴音ことら
漫画配信サービス「サイコミ」にて連載されているWEB漫画。
小規模子役事務所「フライトウェザー」の新人マネージャー・烏丸は子役業界の理想と現実のギャップに落ち込んでいたところを、7歳の天才子役・ヒナに慰められる。一見無邪気で天真爛漫であるように振舞うヒナは、その実金に対する極度の執着心を持ち、着実に求められる「子役」を演じ切る鋭い頭脳の持ち主だった。ヒナの豹変ぶりに驚きつつも感心した烏丸は「5億稼ぎたい」というヒナの目標を叶えるため、事務所に所属する子役たちの抱える問題に向き合っていく。
この物語の魅力の1つが、主人公である烏丸の成長である。当初夢見がちで理想論を振りかざすばかりであった烏丸は、その情熱や想いはそのままに次第に現実を直視できるようになっていく。また、ヒナを始めとする子役たちの姿は作中でも徐々に成長していく様が描かれており、設定に臨場感と現実味を与えている。もしかしたら本当にこのような子役達がいるのでは?と思わせられるようなリアリティこそがこの作品の魅力の1つだ。
16. 『姫様、拷問の時間です』(漫画)
原作:春原ロビンソン 漫画:ひらいけい 出版社:集英社
少年ジャンプ+にて連載されているWEB漫画が書籍化。魔王軍の捕虜として捕らえられた国王軍第三騎士団騎士団長かつ王女の姫様が、拷問官トーチャーによる”拷問”にかけられて秘密を話してしまうコメディ作品。
グロテスクでシリアスな世界観を思わせるタイトルやあらすじと、ほのぼのギャグ漫画な中身のギャップがおもしろい。RPG調のファンタジーな世界観の中に、飯テロやかわいい動物などによる優しい拷問、週休2日制で妙に福利厚生のしっかりとした魔王城、拷問官という名の友達など、現実的にこんな場所に住みたい!と思わせるような要素が含まれることで、共感しやすい内容になっている。
17. 『SPY×FAMILY』(漫画) 遠藤達哉 出版:集英社
少年ジャンプ+にて隔週連載、書籍化。
父は敏腕スパイ・ロイド、娘は孤児院で育ったエスパー・アーニャ、母は凄腕殺し屋・ヨル、それに加えて実験施設から連れ出された犬・ボンドからなるフォージャー家のメンバーが、互いに素性を隠しながらもそれぞれの目的を果たすためにかりそめの家族として過ごすうちに、心を通わせていく物語。
東西冷戦時代をモチーフとしたちょっとブラックで真面目な世界観の中、天真爛漫な言動のアーニャのコミカルな表情がギャグとストーリー性のバランスを保っている。また、世界観や街並みがオシャレで、何気ない日常のシーンであっても視覚的に楽しむことができる。隔週連載であるため一話一話の密度・満足度が高く、非常に読み応えのある作品だと感じた。
18. 『微妙に優しいいじめっ子』(漫画) もすこ 出版社:講談社
主人公・田村はクラスメイトから「村田」と勘違いされており、友達がいなかった。しかし、いじめっ子で不良の木崎だけが名前を覚えており、さり気なく他のクラスメイトにもアピールするなど不器用ながらも「微妙に優しいいじめ」として田村に関わってくる。一見正反対の二人が、独特な関係性を経て、本物の友達になっていく物語。
二人の関係性がおもしろく、コメディ作品としても楽しめる作品だと感じた。しかしながらそれだけではなく「本人たちの関係性を周囲が規定することに対する異議」というテーマを抱える、テーマ性のある漫画である。
19. 『いびってこない義母と義姉』(漫画) おつじ
電子雑誌サービスcomic POOLにて連載中の漫画。名家の庶子である主人公・ミヤは実母の死をきっかけに本家に引き取られた。どんな仕打ちをされても受け入れようという彼女の覚悟に反し、義母も義姉も驚くほどに優しかった。どこかシンデレラの世界観を想起させるような作風の、コメディ作品。
シンデレラという多くの人が知っている作品をモチーフにしているからこそ、やさしさを引き立てるためのわかりやすいフリとして機能している。また、本家の家族たちの優しさは自分の価値観に基づく優しさではなく、相手の立場や価値観を尊重ている点に好感が持てる。
20. 『通りがかりにワンポイントアドバイスしていくタイプのヤンキー』(漫画) おつじ 出版社:スクウェア・エニックス
WEB雑誌ガンガンpixivにて連載中の漫画。
主人公の桜井はヤンキー風の見た目をしているが、知恵深く、誰に対しても優しい心の持ち主である。困っている人を放っておけない桜井は通りがかりにワンポイントアドバイスをしていくことで、周囲の人々を助けていく。そんな桜井による今日から役立つワンポイントアドバイスを他者目線で描いた作品である。
知っているとちょっと便利な雑学を学ぶことができる点が面白く感じた。また、常に優しい桜井の周りには自然と人が集まってくるため、その人間模様も楽しむことができる。
11. パプリカ(アニメ映画) 制作会社:マッドハウス
監督:今敏 原作:筒井康隆(小説)
【備考】
第63回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門 正式出品。第19回東京国際映画祭animecs TIFF 2006 オープニング上映作品。作中サイト(radioclud.com)は実在しており、URLを打ち込むと本作から着想を得たラジオチャンネル『radioclud.com』のホームページに飛ぶ。
時田浩作が発明した夢を共有するための装置、DCミニが精神医療総合研究所から盗まれた。DCミニは本来患者の夢に入り込んで治療するために用いられていた装置であるが、何者かの手によって悪用され、無理矢理悪夢を見せられた人々が精神崩壊を引き起こす事件が多発した。主人公の千葉敦子は夢探偵として被害者の夢に入り込み、赤髪ショートカットの美少女「パプリカ」としてテロリストたちと戦う。しかし、徐々に現実世界も夢に侵食されていく。
アニメーション特有の表現が活かされた作品である。中でも、作中にしばしば登場するパレードのシーンが印象深かった。この作品におけるパレードは夢の世界を象徴しており、どこか不安になる曲調の主題歌に合わせて古今東西の無秩序な物たちが行進していく。その様子は極めて異様だが、どこか高熱の時に見る夢のような既視感があった。夢が侵食していく場面ではお祭りのような雰囲気と次第に広まっていく狂気とのギャップが恐怖心を煽る。
この作品では「敦子とパプリカの変化していく関係性(同一的存在→別人格的存在→分裂・独立→自我の獲得)」「悪夢に苦しむ粉川刑事がかつてのトラウマを克服し、悪夢から開放される過程」が並行して描かれている。複数の人物の成長過程を重層的に描いていくことによって密度の高い、非常に見ごたえのある物語になっており、見るたびに新たな発見のある奥深い作品だと感じた。
12. 『生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術』(小説)
平成6年11月1日 発行 著者 泡坂妻夫
発行所 株式会社新潮社
この小説は超能力によって引き起こされたとされる事件の謎に挑む探偵小説である。しかし、注目すべきはその内容よりも形式にある。この小説は「消える短編小説入ってます!」との表紙のコピーの通り、袋とじ加工が施されており、袋とじを開くことで短編小説が消えて長編小説が現れる仕掛けになっている。袋とじを開くごとに謎が解けていく高揚感や「本に鋏を入れる」未知の経験へのワクワク感など、他の小説ではできない貴重かつ斬新な読書体験こそがこの作品の魅力である。
13. かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(実写映画)監督:河合勇人
原作:赤坂アカ(漫画)
【備考】
原作はアニメ化、WEBラジオ、ノベライズ化、ファンブック、イベント等様々なメディアミックスが行われている。
数多くのエリートが在籍する名門私立高校・秀知院学園で生徒会長を務める学年一位の秀才・白銀御行と、家柄が良く文武両道の副会長・四宮かぐやは、互いに長い間告白できずにいた。「告白したら負け」だと思い込むようになった二人は、互いに相手に告白させるための恋愛頭脳戦を繰り広げる。秀知院学園の生徒たちの日常を描いた、ラブコメディ作品。
基本的に明るくくすっと笑える作風だが、家柄ゆえの複雑な事情を抱える四宮の生い立ちや狂気的なまでの努力を隠す白銀など、展開が進むにつれてシリアスな場面も増えていく。
映画版においては主に「原作1巻を中心としたコミカルな日常シーン」「花火の音は聞こえない(原作34ー35話)」「生徒会総選挙編をモチーフにしたオリジナル展開」の3本柱で、前半は日常の小話を、後半は主に原作初期の名場面とされる話をオリジナルストーリーで繋げるような形で展開していく。1つのエピソードに絞らずに極力多くの要素を取り込んでいる点から、大きな山場や分かりやすい起承転結で魅せるというよりも、複数の山場を積み重ねることで原作を読んだ時の感動を想起させているという印象を受けた。そのためこの映画を観るだけで作品の多様な面に触れることができ、役者目当ての観客が原作に対して興味を抱くための取っ掛かりにもなり得ると感じた。全体を通して、テロップやアニメーション・パロディーネタを多用した演出がコミカルさを引き立てていると思った。
14. プロメア(アニメ映画) 制作:TRIGGER 監督:今石洋之
【備考】
・第23回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品
・総務省消防庁とのタイアップが行われ、消防職団員募集ポスターに起用
主人公のガロは消火活動と人命救助を行う組織・バーニングレスキューの新米団員として、炎上テロを引き起こす反政府組織・マッドバーニッシュと戦って勝利を収めた。捕らえられたマッドバーニッシュのリーダー、リオは捕まったふりをして逃げ出した山奥で再びガロと出会い、一時的に捕獲する。捕獲されたガロは、自らの恩人であり現在の上司に当たる司政官、クレイ・フォーサイトらが新人類・バーニッシュを使った非道な人体実験を行っており、テロ活動もそれに対抗するための手段であるという事実を告げられる。解放されたガロはそれでもテロは悪だとみなしつつ、人体実験を行う政府らにも反発する。自らの正義を貫き通す人々の物語。
この物語の対立構造には、見方を変えればどちらが正義にも悪になるという難しさがあるが、肝心の主人公は「火があれば消す。全てを助ける。」という単純な正義に基づいた行動を取る。主人公が持つこの単純で熱い正義感こそが、物語の爽快感に繋がっていると感じた。
映像面では、主に戦闘シーンにみられる明るく派手な色味を多用した独自の色彩、随所に差し込まれた漫画のコマ割りのような画面構成、コミカルな表情を見せる個性豊かな容姿のキャラクター、主線を影の延長線上の色味で取る独自のタッチなど、アニメならではの特徴を利用しつつどこか新鮮味のある、大胆な視覚的表現が魅力に感じた。
また、全体の世界観やキャラクター達の派手な外見・セリフ回しなどから、どことなくアメコミ映画のような雰囲気だと感じた。
15. 『ヒナ 値付けされた子役たち』(漫画) 鈴音ことら
漫画配信サービス「サイコミ」にて連載されているWEB漫画。
小規模子役事務所「フライトウェザー」の新人マネージャー・烏丸は子役業界の理想と現実のギャップに落ち込んでいたところを、7歳の天才子役・ヒナに慰められる。一見無邪気で天真爛漫であるように振舞うヒナは、その実金に対する極度の執着心を持ち、着実に求められる「子役」を演じ切る鋭い頭脳の持ち主だった。ヒナの豹変ぶりに驚きつつも感心した烏丸は「5億稼ぎたい」というヒナの目標を叶えるため、事務所に所属する子役たちの抱える問題に向き合っていく。
この物語の魅力の1つが、主人公である烏丸の成長である。当初夢見がちで理想論を振りかざすばかりであった烏丸は、その情熱や想いはそのままに次第に現実を直視できるようになっていく。また、ヒナを始めとする子役たちの姿は作中でも徐々に成長していく様が描かれており、設定に臨場感と現実味を与えている。もしかしたら本当にこのような子役達がいるのでは?と思わせられるようなリアリティこそがこの作品の魅力の1つだ。
16. 『姫様、拷問の時間です』(漫画)
原作:春原ロビンソン 漫画:ひらいけい 出版社:集英社
少年ジャンプ+にて連載されているWEB漫画が書籍化。魔王軍の捕虜として捕らえられた国王軍第三騎士団騎士団長かつ王女の姫様が、拷問官トーチャーによる”拷問”にかけられて秘密を話してしまうコメディ作品。
グロテスクでシリアスな世界観を思わせるタイトルやあらすじと、ほのぼのギャグ漫画な中身のギャップがおもしろい。RPG調のファンタジーな世界観の中に、飯テロやかわいい動物などによる優しい拷問、週休2日制で妙に福利厚生のしっかりとした魔王城、拷問官という名の友達など、現実的にこんな場所に住みたい!と思わせるような要素が含まれることで、共感しやすい内容になっている。
17. 『SPY×FAMILY』(漫画) 遠藤達哉 出版:集英社
少年ジャンプ+にて隔週連載、書籍化。
父は敏腕スパイ・ロイド、娘は孤児院で育ったエスパー・アーニャ、母は凄腕殺し屋・ヨル、それに加えて実験施設から連れ出された犬・ボンドからなるフォージャー家のメンバーが、互いに素性を隠しながらもそれぞれの目的を果たすためにかりそめの家族として過ごすうちに、心を通わせていく物語。
東西冷戦時代をモチーフとしたちょっとブラックで真面目な世界観の中、天真爛漫な言動のアーニャのコミカルな表情がギャグとストーリー性のバランスを保っている。また、世界観や街並みがオシャレで、何気ない日常のシーンであっても視覚的に楽しむことができる。隔週連載であるため一話一話の密度・満足度が高く、非常に読み応えのある作品だと感じた。
18. 『微妙に優しいいじめっ子』(漫画) もすこ 出版社:講談社
主人公・田村はクラスメイトから「村田」と勘違いされており、友達がいなかった。しかし、いじめっ子で不良の木崎だけが名前を覚えており、さり気なく他のクラスメイトにもアピールするなど不器用ながらも「微妙に優しいいじめ」として田村に関わってくる。一見正反対の二人が、独特な関係性を経て、本物の友達になっていく物語。
二人の関係性がおもしろく、コメディ作品としても楽しめる作品だと感じた。しかしながらそれだけではなく「本人たちの関係性を周囲が規定することに対する異議」というテーマを抱える、テーマ性のある漫画である。
19. 『いびってこない義母と義姉』(漫画) おつじ
電子雑誌サービスcomic POOLにて連載中の漫画。名家の庶子である主人公・ミヤは実母の死をきっかけに本家に引き取られた。どんな仕打ちをされても受け入れようという彼女の覚悟に反し、義母も義姉も驚くほどに優しかった。どこかシンデレラの世界観を想起させるような作風の、コメディ作品。
シンデレラという多くの人が知っている作品をモチーフにしているからこそ、やさしさを引き立てるためのわかりやすいフリとして機能している。また、本家の家族たちの優しさは自分の価値観に基づく優しさではなく、相手の立場や価値観を尊重ている点に好感が持てる。
20. 『通りがかりにワンポイントアドバイスしていくタイプのヤンキー』(漫画) おつじ 出版社:スクウェア・エニックス
WEB雑誌ガンガンpixivにて連載中の漫画。
主人公の桜井はヤンキー風の見た目をしているが、知恵深く、誰に対しても優しい心の持ち主である。困っている人を放っておけない桜井は通りがかりにワンポイントアドバイスをしていくことで、周囲の人々を助けていく。そんな桜井による今日から役立つワンポイントアドバイスを他者目線で描いた作品である。
知っているとちょっと便利な雑学を学ぶことができる点が面白く感じた。また、常に優しい桜井の周りには自然と人が集まってくるため、その人間模様も楽しむことができる。
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