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3年 渡辺
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3年 渡辺
春休み課題 1~20
1.『地面師たち』(ドラマ)
監督:大根仁 原作:新庄耕
【あらすじ】
2017年、再び土地価格が高騰し始めた東京。伝説の大物地面師・ハリソン山中に誘われ地面師詐欺の道に踏み込んだ辻本拓海。それぞれにプロフェッショナルな犯罪者数名で構成された地面師グループの彼らは、緻密かつ周到な計画で大手デベロッパーに詐欺を仕掛け、巨額を巻き上げていた。そんな彼らが次なるターゲットに選んだのは、時価100億円とも言われる土地であった。
【考察】
一見、他人事のように感じてしまうが、実際の事件をもとにしたドラマということでかなり驚いた。フィクションの部分と現実味のある詐欺の部分がいいバランスであって、見ていてとても引き込まれた。この作品独特の言い回し、ネトフリ配信のみの作品だからこそできたきわどいシーンの映像などがあったからこそ人気が出たのだろうと感じた。
2.『Winny』(映画)
監督:松本優作
【あらすじ】
2002年、データのやりとりが簡単にできるファイル共有ソフト「Winny」を開発した金子勇は、その試用版をインターネットの巨大掲示板「2ちゃんねる」に公開する。公開後、瞬く間にシェアを伸ばすが、その裏では大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、次第に社会問題へ発展していく。違法コピーした者たちが逮捕される中、開発者の金子も著作権法違反ほう助の容疑で2004年に逮捕されてしまう。
【考察】
好きな話をしていると止まらなくなり、周りが見えなくなってしまう演技がとても上手で見入ってしまった。物語は淡々と進んでいく感じで、映画というよりは裁判までのドキュメンタリーという感じがした。登場人物の誰かの主観で進んでいくというよりかは俯瞰の視点で進んでいき、とても見やすかった。
3.『トゥルーマン・ショー』(映画)
監督:ピーター・ウィアー
【あらすじ】
人生のすべてをテレビのリアリティショーで生中継されていた男を描いたコメディドラマ。離島の町シーヘブンで生まれ育った男トゥルーマン。保険会社で働きながら、しっかり者の妻メリルと平穏な毎日を送る彼には、本人だけが知らない驚きの事実があった。実はトゥルーマンは生まれた時から毎日24時間すべてをテレビ番組「トゥルーマン・ショー」で生中継されており、彼が暮らす町は巨大なセット、住人も妻や親友に至るまで全員が俳優なのだ。自分が生きる世界に違和感を抱き始めた彼は、真実を突き止めようと奔走する。
【考察】
自分以外の住人が全員俳優であるという設定であるため、見終わった後に細かく映像を見直してみると、主人公が作中で気づいたところ以外にも違和感のある動きをしている人物がおり、間違い探しのような形で見直すのも楽しかった。近年だと「恋愛リアリティショー」もこの映画に似通った部分があるのかなと思った。あれは台本として決まっているのかもしれないが、視聴者たちという視点で考えると、「他人の生活・プライベートを娯楽としてメディアを通して消費している」という部分で同じともいえるのかなと思った。
4.『波紋』(映画)
監督:萩上直子
【あらすじ】
須藤依子は「緑命会」という新興宗教を信仰し、祈りと勉強会に励みながら心穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、十数年前に失踪した夫・修が突然帰ってくる。自分の父の介護を依子に押しつけたままいなくなった修は、がんになったので治療費を援助してほしいという。さらに息子・拓哉は障害のある恋人を結婚相手として連れ帰り、パート先では理不尽な客に罵倒されるなど、自分ではどうしようもない苦難が次々と依子に降りかかる。湧きあがってくる黒い感情を、宗教にすがることで必死に押さえつけようとする依子だったが…。
【考察】
本作では水が1つの物語のモチーフとなっており、印象付けるように繰り返し出てきた。また、女性監督の作品ということもあり、社会における女性の役割の認識に対する疑問を抱かせられるシーンがいくつもあった。失踪からいきなり帰ってきた旦那が晩御飯を食べる際に当たり前のように「水をくれ」と依子に持ってこさせるシーンと、息子が連れてきた彼女が同じように依子に水をくれと頼む場面の対比構造で視聴者にも息子の彼女への不快感を抱かせるような演出など、ただ宗教に狂っているやばい人として依子を終わらせず、我々が感情移入できるきっかけをいくつもつくってくれているという印象を受けた。
5.「PERFECT BLUE」(映画)
監督:今敏 原作:竹内義和(『パーフェクト・ブルー 完全変態』)
【あらすじ】
人気絶頂のアイドルグループを突如脱退し女優への転身をはかった霧越未麻。ところが、彼女の思惑とは裏腹に過激なグラビアやTVドラマへの仕事が舞い込んでくる。周囲の急激な変化に困惑する未麻。そんな折り、彼女の仕事の関係者が犠牲者となった殺人事件が多発する。そして、ファンからは「裏切り者」のメッセージ。追い詰められた彼女の前に今度は“もうひとりの未麻”が現れる。自分は狂ってしまったのか?これは夢なのだろうか?連続殺人犯は自分なのか?次第に現実と虚構の区別がつかなくなっていく未麻。果たして彼女の見た“もう一人の自分”の正体とは一体…。
【考察】
美麻自身が何者なのかわからなくなって、精神的に追い込まれ、現実と虚構の境がわからなくなっていく際に、映像でも劇中劇と本作の物語をずっと交互に流れていたので、私自身もどうなっているのかわからなくなっていった。また、自己アイデンティティの不安定さをもう一人の自分という形で映像に登場させる部分に今敏らしさを感じた。さらに鏡に映ったルミと美麻の目を通してみたルミの違いなど低予算でつくられたとは思えないほど細かな映像の作り込みがあり、目が離せない作品だった。
6.『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』(ドラマ)
監督:阪元祐吾
【あらすじ】
2人のすご腕殺し屋の正体は、社会になじめない不器用な女の子。殺し屋女子のちさととまひろの、シェアハウスでののんびりまったりオフビートな日常と、海外でも評価される本格派アクション。
【考察】
女の子二人の日常系のストーリーの中にかなりしっかりとしたアクションシーンが組み込まれており、見ていてとても見応えのある映像だった。『殺し屋』という仕事が登場人物たちの間でかなりポップなものとして扱われており、我々の想像する殺し屋という職業とのギャップが大きいためそこもギャグシーンとしてうまく機能していて面白かった。
7.『ドラゴンボールDAIMA』(アニメ)
監督:八島善孝 原作:鳥山明
【あらすじ】
平和な日常を送っていた悟空たちは、突如、ある陰謀によって小さな姿に。その理由が「大魔界」と呼ばれる世界にあるらしきことを突き止めた一行のもとに、ミステリアスな少年魔人、グロリオがあらわれる。
【考察】
過去に雑誌などで書かれていたという細かい設定が本作では使われていて、新作でありながらもこれまでの物語に追加情報を与えており、今までのドラゴンボールの物語の伏線回収が一気に行われているような感覚で目が離せない。鳥山明も本作の制作発表にあたり、「ドラゴンボールの世界観の謎に迫る展開」とコメントを寄せていたため、今後の物語もとても気になる。
8.『ベイビーわるきゅーれ』(映画)
監督:阪元祐吾
【あらすじ】
女子高生殺し屋2人組のちさととまひろは高校卒業を前に途方に暮れていた。突然オモテの顔として社会に適合しなければならなくなり、社会の公的業務や人間関係に理不尽に揉まれていく。
【考察】
ドラマ版のものよりもアクションシーンが多く、殺し屋としての描写が多かった。1作目だからということもあるのだろうが、ちひろとまひろ、2人のキャラを深く掘り下げている感じはなくて、殺し屋の少女2人組の日常という感じだった。ドラマを最初に観てしまっていたので物足りなく感じてしまった。
9.『チャイルド・プレイ』(映画)
監督:ラース・クレヴバーグ
【あらすじ】
母親と暮らす少年アンディは、6歳の誕生日プレゼントに「グッドガイ人形」をもらう。欲しかったおもちゃを手に入れて、喜ぶアンディだが、その正体は殺人鬼だった。ある日、アンディの面倒を見てくれていたおばさんが死んでしまう。おばさんを殺したのはチャッキーだと主張しても、大人たちは信じてくれず、やがて、チャッキーの行為はエスカレートしていく。
【考察】
チャイルド・プレイをオマージュした「FINLEY」というショートムービーしか観たことがなかったため、人がちゃんとたくさん死んでびっくりした。呪いの人形が人を襲う設定だと思っていたのだが、実際には違っていい意味で予想を裏切ってくれた。
10.『CURE』(映画)
監督:黒沢清
【あらすじ】
ひとりの娼婦が惨殺された。現場に駆けつけその死体を見た刑事の高部は、被害者の胸をX字型に切り裂くという殺人事件が、秘かに連続していることを訝しがる。犯人もその殺意も明確な個々の事件で、まったく無関係な複数の犯人が、なぜ特異な手口を共通して使い、なぜ犯人たちはそれを認識していないのか。高部の友人である心理学者・佐久間が犯人の精神分析を施しても、この謎を解く手掛かりは何も見つからない。そのころ、東京近郊の海岸をひとりの若い男がさまよっていた。
【考察】
主人公の高部がファミレスで食事をするシーンが2度出てきた。1度目の食事では料理のほとんどを残し、ウェイトレスに食事を下げられていたのに対し、妻の死後には料理を全て平らげ満足そうにしているのが印象的だった。妻の死亡が告げられた電話に対する高部の反応がとても軽かったところにもゾッとさせられたが、病気を患い、自分の助けありきで生きていた妻は重荷でもあり、そんな妻の死は高部にとって癒しであり、救いであったのだろうと考えた。
11.『地獄の警備員』(映画)
監督:黒沢清
【あらすじ】
バブル景気で急成長を遂げた総合商社に、絵画取引担当の秋子と警備員の富士丸という2人の新人が入社した。元力士の富士丸は兄弟子とその愛人を殺害したが、精神鑑定の結果無罪となった要注意人物だ。秋子が慣れない仕事に追われる一方で、警備室では目を覆うほどの惨劇が幕を開けていた。
【考察】
男性社会に揉まれて生きづらそうにしている秋子を映像で視覚的に魅せるのが上手いなと思った。ストーリーはあらすじの内容そのままで、それ以上に深くいくことはないが若かりし頃の松重豊の演技が新鮮で良かった。
12.『静かなる叫び』(映画)
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
【あらすじ】
1989年12月6日、モントリオール理工科大学に通う女子学生バレリーと友人の男子学生ジャン=フランソワは、いつも通りの1日を送っていた。しかし突然、1人の男子学生がライフル銃を携えて構内に乱入し、女子学生だけを狙って次々と発砲を開始。犯人は14人もの女子学生を殺害し、自らも命を断つ。バレリーは重傷を負ったものの何とか生還し、ジャン=フランソワは負傷した女子学生を救う。それぞれ心に深い傷を負った2人は、その後も続く非日常の中で苦悩にさいなまれる。
【考察】
1989年のモントリオール理科工科大学で起きた銃乱射事件をもとにした作品。全編モノクロで1時間程度の時間。セリフも少ないがそれが逆にこの事件の残酷さを感じさせられた。淡々と流れていく映像が時の流れの非情さを感じさせてきた。
13.『ロゼッタ』(映画)
監督:リュック・ダルデンヌ,ジャン=ピエール・ダルデンヌ
【あらすじ】
トレーラーハウスでアル中の母親と暮らすロゼッタは、酒に溺れ、家に男を連れ込む母親と喧嘩が絶えない毎日。そんなある日、勤め先の工場を突然解雇されてしまった彼女は、ワッフルスタンドで新入りの店員・リケと知り合い、そのスタンドで働き始める。
【考察】
ハンディの長回しで撮っているからか、映画というよりもドキュメンタリーのような雰囲気を感じた。どうしようもない母への捨てきれない愛とリケへの気持ち、それら全てが生々しく、その生々しさがロゼッタの生を感じさせてくれた。思春期のもどかしさをエミリー・ドゥケンヌが好演していた。
14.『禁じられた歌声』(映画)
監督:アブデラマン・シサコ
【あらすじ】
ティンブクトゥ近郊の街で暮らす音楽好きの男性キダーンは、妻サティマや娘トーヤ、12歳の羊飼いイッサンと共に幸せな毎日を送っていた。ところがある日、イスラム過激派が街を占拠し、住人たちは音楽もタバコもサッカーも禁じられてしまう。住人の中にはささやかな抵抗をする者もいたが、キダーン一家は混乱を避けてティンブクトゥに避難する。しかし、ある漁師がキダーンの牛を殺したのをきっかけに、彼らの運命は思いがけない方向へと転がっていく。
【考察】
前半がのんびりとした雰囲気だったため拍子抜けしたが、後半から段々と理不尽さが見えるようになってきた。しかし、物語は淡々と進んでいき、この世界のどこかでも同じようなことが行われているのかと考えさせられた。
15.『永遠の門 ゴッホの見た未来』(映画)
監督:ジュリアン・シュナーベル
【あらすじ】
画家としてパリで全く評価されないゴッホは、出会ったばかりの画家ゴーギャンの助言に従い南仏のアルルにやってくるが、地元の人々との間にはトラブルが生じるなど孤独な日々が続く。やがて弟テオの手引きもあり、ゴッホはゴーギャンと共同生活をしながら創作活動にのめりこんでいく。しかし、その日々も長くは続かず…。
【考察】
同性愛を思わせるほどの弟・テオへとゴーギャンへの愛情深さをみて、彼は人間関係にも自然のようなありのままの美しさを求めていたのではと思った。だからこそ自分の弱さもすべて見せており、そんな自分も認めてもらいたかったのだろうと感じた。
16.『ザ・ボーイ 人形少年の館』(映画)
監督:ウィリアム・ブレント・ベル
【あらすじ】
過去と決別するためアメリカからイギリスにやって来たグレタは、老夫婦と暮らす8歳の少年のベビーシッターを引き受けることになる。しかし、その少年ブラームスは、人間サイズの人形だった。ブラームスを溺愛する老夫婦は、世話する際の「10のルール」を徹底して守るようグレタに言いつけ、旅行へと出かける。やがてグレタがルールを破ったことをきっかけに、人形に奇妙な現象が起こりはじめる。
【考察】
設定が面白くて、冒頭の人形を本物の息子のように世話をする老夫婦の奇妙な姿に見入ってしまった。全体的に脅かし系のホラーで1周回って怖くないので、ホラーが苦手な人でも観られそうだなと思った。
17.『ローゼンメイデン』(アニメ)
監督:松尾衝
【あらすじ】
ひきこもりの中学生・桜田ジュンは、ネット通販でクーリングするスリルを楽しんでいた。ある日、心当たりのない荷物から出て来たのは、精巧なアンティークドール。動き出したその人形の家来となったことでジュンは人形たちの戦いに巻き込まれていく。
【考察】
キャラがかわいかった。それぞれのドールのキャラも立っていて見ていて面白かった。
18.『メン・イン・ブラック』(映画)
監督:バリー・ソネンフェルド
【あらすじ】
ニューヨーク市警の若き警官ジェームズは、追跡していた犯人を目の前で逃してしまう。しかし、そこへ黒服の男「K」が現れ、逃がした犯人が宇宙人であったことを知らされる。Kはジェームズの素質を見込んでMIBにスカウトし、ジェームズはMIBの新たなエージェント「J」としてコンビを組んで活動を始める。一方その頃、地球壊滅を企む昆虫型エイリアンが地球に侵入し、不穏な動きを見せはじめていた。
【考察】
SF映画はあまり見ないのだが、テンポよく物語が進んでいくのでとても見やすかった。程よく緊張感もあり、アクションもあり、SFらしさもあり1作品だけでも満足感が高かった。
19.『ラブやん』1巻−7巻(漫画)
作者:田丸浩史
【あらすじ】
愛の天使ラブやんが、ニートの青年、大森カズフサの恋を成就させるため奮闘する。しかし、カズフサには数々の欠点があり、ラブやんの使命はなかなか達成されない。大森家に住み着いたラブやんは、カズフサや彼の友人たち、さらには同僚たちも巻き込んで自堕落な生活を送るようになる。
【考察】
ちょうど何も考えずに読めて良い。オタクの気持ち悪いところがたくさんあって面白い。主人公がかっこいいわけでもなく、本当に救いようがないのがいい。
20.『注文の多い料理店』(アニメ)
監督:岡本忠成 原作:宮沢賢治
【あらすじ】
山に猟に出た2人のハンターは、道に迷いたどり着いたある西洋料理店で不思議な体験をする。
【考察】
絵本や教科書でしか読んでこなかったため、挿絵とは違う不気味な雰囲気の映像を見て、頭の中のイメージの幅がかなり広がった。音声がないというのも新鮮だったし、綺麗な女性の踊り子たちがおどろおどろしい猫の姿に変わっていく場面が印象に残った。
春休み課題 1~20
1.『地面師たち』(ドラマ)
監督:大根仁 原作:新庄耕
【あらすじ】
2017年、再び土地価格が高騰し始めた東京。伝説の大物地面師・ハリソン山中に誘われ地面師詐欺の道に踏み込んだ辻本拓海。それぞれにプロフェッショナルな犯罪者数名で構成された地面師グループの彼らは、緻密かつ周到な計画で大手デベロッパーに詐欺を仕掛け、巨額を巻き上げていた。そんな彼らが次なるターゲットに選んだのは、時価100億円とも言われる土地であった。
【考察】
一見、他人事のように感じてしまうが、実際の事件をもとにしたドラマということでかなり驚いた。フィクションの部分と現実味のある詐欺の部分がいいバランスであって、見ていてとても引き込まれた。この作品独特の言い回し、ネトフリ配信のみの作品だからこそできたきわどいシーンの映像などがあったからこそ人気が出たのだろうと感じた。
2.『Winny』(映画)
監督:松本優作
【あらすじ】
2002年、データのやりとりが簡単にできるファイル共有ソフト「Winny」を開発した金子勇は、その試用版をインターネットの巨大掲示板「2ちゃんねる」に公開する。公開後、瞬く間にシェアを伸ばすが、その裏では大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、次第に社会問題へ発展していく。違法コピーした者たちが逮捕される中、開発者の金子も著作権法違反ほう助の容疑で2004年に逮捕されてしまう。
【考察】
好きな話をしていると止まらなくなり、周りが見えなくなってしまう演技がとても上手で見入ってしまった。物語は淡々と進んでいく感じで、映画というよりは裁判までのドキュメンタリーという感じがした。登場人物の誰かの主観で進んでいくというよりかは俯瞰の視点で進んでいき、とても見やすかった。
3.『トゥルーマン・ショー』(映画)
監督:ピーター・ウィアー
【あらすじ】
人生のすべてをテレビのリアリティショーで生中継されていた男を描いたコメディドラマ。離島の町シーヘブンで生まれ育った男トゥルーマン。保険会社で働きながら、しっかり者の妻メリルと平穏な毎日を送る彼には、本人だけが知らない驚きの事実があった。実はトゥルーマンは生まれた時から毎日24時間すべてをテレビ番組「トゥルーマン・ショー」で生中継されており、彼が暮らす町は巨大なセット、住人も妻や親友に至るまで全員が俳優なのだ。自分が生きる世界に違和感を抱き始めた彼は、真実を突き止めようと奔走する。
【考察】
自分以外の住人が全員俳優であるという設定であるため、見終わった後に細かく映像を見直してみると、主人公が作中で気づいたところ以外にも違和感のある動きをしている人物がおり、間違い探しのような形で見直すのも楽しかった。近年だと「恋愛リアリティショー」もこの映画に似通った部分があるのかなと思った。あれは台本として決まっているのかもしれないが、視聴者たちという視点で考えると、「他人の生活・プライベートを娯楽としてメディアを通して消費している」という部分で同じともいえるのかなと思った。
4.『波紋』(映画)
監督:萩上直子
【あらすじ】
須藤依子は「緑命会」という新興宗教を信仰し、祈りと勉強会に励みながら心穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、十数年前に失踪した夫・修が突然帰ってくる。自分の父の介護を依子に押しつけたままいなくなった修は、がんになったので治療費を援助してほしいという。さらに息子・拓哉は障害のある恋人を結婚相手として連れ帰り、パート先では理不尽な客に罵倒されるなど、自分ではどうしようもない苦難が次々と依子に降りかかる。湧きあがってくる黒い感情を、宗教にすがることで必死に押さえつけようとする依子だったが…。
【考察】
本作では水が1つの物語のモチーフとなっており、印象付けるように繰り返し出てきた。また、女性監督の作品ということもあり、社会における女性の役割の認識に対する疑問を抱かせられるシーンがいくつもあった。失踪からいきなり帰ってきた旦那が晩御飯を食べる際に当たり前のように「水をくれ」と依子に持ってこさせるシーンと、息子が連れてきた彼女が同じように依子に水をくれと頼む場面の対比構造で視聴者にも息子の彼女への不快感を抱かせるような演出など、ただ宗教に狂っているやばい人として依子を終わらせず、我々が感情移入できるきっかけをいくつもつくってくれているという印象を受けた。
5.「PERFECT BLUE」(映画)
監督:今敏 原作:竹内義和(『パーフェクト・ブルー 完全変態』)
【あらすじ】
人気絶頂のアイドルグループを突如脱退し女優への転身をはかった霧越未麻。ところが、彼女の思惑とは裏腹に過激なグラビアやTVドラマへの仕事が舞い込んでくる。周囲の急激な変化に困惑する未麻。そんな折り、彼女の仕事の関係者が犠牲者となった殺人事件が多発する。そして、ファンからは「裏切り者」のメッセージ。追い詰められた彼女の前に今度は“もうひとりの未麻”が現れる。自分は狂ってしまったのか?これは夢なのだろうか?連続殺人犯は自分なのか?次第に現実と虚構の区別がつかなくなっていく未麻。果たして彼女の見た“もう一人の自分”の正体とは一体…。
【考察】
美麻自身が何者なのかわからなくなって、精神的に追い込まれ、現実と虚構の境がわからなくなっていく際に、映像でも劇中劇と本作の物語をずっと交互に流れていたので、私自身もどうなっているのかわからなくなっていった。また、自己アイデンティティの不安定さをもう一人の自分という形で映像に登場させる部分に今敏らしさを感じた。さらに鏡に映ったルミと美麻の目を通してみたルミの違いなど低予算でつくられたとは思えないほど細かな映像の作り込みがあり、目が離せない作品だった。
6.『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』(ドラマ)
監督:阪元祐吾
【あらすじ】
2人のすご腕殺し屋の正体は、社会になじめない不器用な女の子。殺し屋女子のちさととまひろの、シェアハウスでののんびりまったりオフビートな日常と、海外でも評価される本格派アクション。
【考察】
女の子二人の日常系のストーリーの中にかなりしっかりとしたアクションシーンが組み込まれており、見ていてとても見応えのある映像だった。『殺し屋』という仕事が登場人物たちの間でかなりポップなものとして扱われており、我々の想像する殺し屋という職業とのギャップが大きいためそこもギャグシーンとしてうまく機能していて面白かった。
7.『ドラゴンボールDAIMA』(アニメ)
監督:八島善孝 原作:鳥山明
【あらすじ】
平和な日常を送っていた悟空たちは、突如、ある陰謀によって小さな姿に。その理由が「大魔界」と呼ばれる世界にあるらしきことを突き止めた一行のもとに、ミステリアスな少年魔人、グロリオがあらわれる。
【考察】
過去に雑誌などで書かれていたという細かい設定が本作では使われていて、新作でありながらもこれまでの物語に追加情報を与えており、今までのドラゴンボールの物語の伏線回収が一気に行われているような感覚で目が離せない。鳥山明も本作の制作発表にあたり、「ドラゴンボールの世界観の謎に迫る展開」とコメントを寄せていたため、今後の物語もとても気になる。
8.『ベイビーわるきゅーれ』(映画)
監督:阪元祐吾
【あらすじ】
女子高生殺し屋2人組のちさととまひろは高校卒業を前に途方に暮れていた。突然オモテの顔として社会に適合しなければならなくなり、社会の公的業務や人間関係に理不尽に揉まれていく。
【考察】
ドラマ版のものよりもアクションシーンが多く、殺し屋としての描写が多かった。1作目だからということもあるのだろうが、ちひろとまひろ、2人のキャラを深く掘り下げている感じはなくて、殺し屋の少女2人組の日常という感じだった。ドラマを最初に観てしまっていたので物足りなく感じてしまった。
9.『チャイルド・プレイ』(映画)
監督:ラース・クレヴバーグ
【あらすじ】
母親と暮らす少年アンディは、6歳の誕生日プレゼントに「グッドガイ人形」をもらう。欲しかったおもちゃを手に入れて、喜ぶアンディだが、その正体は殺人鬼だった。ある日、アンディの面倒を見てくれていたおばさんが死んでしまう。おばさんを殺したのはチャッキーだと主張しても、大人たちは信じてくれず、やがて、チャッキーの行為はエスカレートしていく。
【考察】
チャイルド・プレイをオマージュした「FINLEY」というショートムービーしか観たことがなかったため、人がちゃんとたくさん死んでびっくりした。呪いの人形が人を襲う設定だと思っていたのだが、実際には違っていい意味で予想を裏切ってくれた。
10.『CURE』(映画)
監督:黒沢清
【あらすじ】
ひとりの娼婦が惨殺された。現場に駆けつけその死体を見た刑事の高部は、被害者の胸をX字型に切り裂くという殺人事件が、秘かに連続していることを訝しがる。犯人もその殺意も明確な個々の事件で、まったく無関係な複数の犯人が、なぜ特異な手口を共通して使い、なぜ犯人たちはそれを認識していないのか。高部の友人である心理学者・佐久間が犯人の精神分析を施しても、この謎を解く手掛かりは何も見つからない。そのころ、東京近郊の海岸をひとりの若い男がさまよっていた。
【考察】
主人公の高部がファミレスで食事をするシーンが2度出てきた。1度目の食事では料理のほとんどを残し、ウェイトレスに食事を下げられていたのに対し、妻の死後には料理を全て平らげ満足そうにしているのが印象的だった。妻の死亡が告げられた電話に対する高部の反応がとても軽かったところにもゾッとさせられたが、病気を患い、自分の助けありきで生きていた妻は重荷でもあり、そんな妻の死は高部にとって癒しであり、救いであったのだろうと考えた。
11.『地獄の警備員』(映画)
監督:黒沢清
【あらすじ】
バブル景気で急成長を遂げた総合商社に、絵画取引担当の秋子と警備員の富士丸という2人の新人が入社した。元力士の富士丸は兄弟子とその愛人を殺害したが、精神鑑定の結果無罪となった要注意人物だ。秋子が慣れない仕事に追われる一方で、警備室では目を覆うほどの惨劇が幕を開けていた。
【考察】
男性社会に揉まれて生きづらそうにしている秋子を映像で視覚的に魅せるのが上手いなと思った。ストーリーはあらすじの内容そのままで、それ以上に深くいくことはないが若かりし頃の松重豊の演技が新鮮で良かった。
12.『静かなる叫び』(映画)
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
【あらすじ】
1989年12月6日、モントリオール理工科大学に通う女子学生バレリーと友人の男子学生ジャン=フランソワは、いつも通りの1日を送っていた。しかし突然、1人の男子学生がライフル銃を携えて構内に乱入し、女子学生だけを狙って次々と発砲を開始。犯人は14人もの女子学生を殺害し、自らも命を断つ。バレリーは重傷を負ったものの何とか生還し、ジャン=フランソワは負傷した女子学生を救う。それぞれ心に深い傷を負った2人は、その後も続く非日常の中で苦悩にさいなまれる。
【考察】
1989年のモントリオール理科工科大学で起きた銃乱射事件をもとにした作品。全編モノクロで1時間程度の時間。セリフも少ないがそれが逆にこの事件の残酷さを感じさせられた。淡々と流れていく映像が時の流れの非情さを感じさせてきた。
13.『ロゼッタ』(映画)
監督:リュック・ダルデンヌ,ジャン=ピエール・ダルデンヌ
【あらすじ】
トレーラーハウスでアル中の母親と暮らすロゼッタは、酒に溺れ、家に男を連れ込む母親と喧嘩が絶えない毎日。そんなある日、勤め先の工場を突然解雇されてしまった彼女は、ワッフルスタンドで新入りの店員・リケと知り合い、そのスタンドで働き始める。
【考察】
ハンディの長回しで撮っているからか、映画というよりもドキュメンタリーのような雰囲気を感じた。どうしようもない母への捨てきれない愛とリケへの気持ち、それら全てが生々しく、その生々しさがロゼッタの生を感じさせてくれた。思春期のもどかしさをエミリー・ドゥケンヌが好演していた。
14.『禁じられた歌声』(映画)
監督:アブデラマン・シサコ
【あらすじ】
ティンブクトゥ近郊の街で暮らす音楽好きの男性キダーンは、妻サティマや娘トーヤ、12歳の羊飼いイッサンと共に幸せな毎日を送っていた。ところがある日、イスラム過激派が街を占拠し、住人たちは音楽もタバコもサッカーも禁じられてしまう。住人の中にはささやかな抵抗をする者もいたが、キダーン一家は混乱を避けてティンブクトゥに避難する。しかし、ある漁師がキダーンの牛を殺したのをきっかけに、彼らの運命は思いがけない方向へと転がっていく。
【考察】
前半がのんびりとした雰囲気だったため拍子抜けしたが、後半から段々と理不尽さが見えるようになってきた。しかし、物語は淡々と進んでいき、この世界のどこかでも同じようなことが行われているのかと考えさせられた。
15.『永遠の門 ゴッホの見た未来』(映画)
監督:ジュリアン・シュナーベル
【あらすじ】
画家としてパリで全く評価されないゴッホは、出会ったばかりの画家ゴーギャンの助言に従い南仏のアルルにやってくるが、地元の人々との間にはトラブルが生じるなど孤独な日々が続く。やがて弟テオの手引きもあり、ゴッホはゴーギャンと共同生活をしながら創作活動にのめりこんでいく。しかし、その日々も長くは続かず…。
【考察】
同性愛を思わせるほどの弟・テオへとゴーギャンへの愛情深さをみて、彼は人間関係にも自然のようなありのままの美しさを求めていたのではと思った。だからこそ自分の弱さもすべて見せており、そんな自分も認めてもらいたかったのだろうと感じた。
16.『ザ・ボーイ 人形少年の館』(映画)
監督:ウィリアム・ブレント・ベル
【あらすじ】
過去と決別するためアメリカからイギリスにやって来たグレタは、老夫婦と暮らす8歳の少年のベビーシッターを引き受けることになる。しかし、その少年ブラームスは、人間サイズの人形だった。ブラームスを溺愛する老夫婦は、世話する際の「10のルール」を徹底して守るようグレタに言いつけ、旅行へと出かける。やがてグレタがルールを破ったことをきっかけに、人形に奇妙な現象が起こりはじめる。
【考察】
設定が面白くて、冒頭の人形を本物の息子のように世話をする老夫婦の奇妙な姿に見入ってしまった。全体的に脅かし系のホラーで1周回って怖くないので、ホラーが苦手な人でも観られそうだなと思った。
17.『ローゼンメイデン』(アニメ)
監督:松尾衝
【あらすじ】
ひきこもりの中学生・桜田ジュンは、ネット通販でクーリングするスリルを楽しんでいた。ある日、心当たりのない荷物から出て来たのは、精巧なアンティークドール。動き出したその人形の家来となったことでジュンは人形たちの戦いに巻き込まれていく。
【考察】
キャラがかわいかった。それぞれのドールのキャラも立っていて見ていて面白かった。
18.『メン・イン・ブラック』(映画)
監督:バリー・ソネンフェルド
【あらすじ】
ニューヨーク市警の若き警官ジェームズは、追跡していた犯人を目の前で逃してしまう。しかし、そこへ黒服の男「K」が現れ、逃がした犯人が宇宙人であったことを知らされる。Kはジェームズの素質を見込んでMIBにスカウトし、ジェームズはMIBの新たなエージェント「J」としてコンビを組んで活動を始める。一方その頃、地球壊滅を企む昆虫型エイリアンが地球に侵入し、不穏な動きを見せはじめていた。
【考察】
SF映画はあまり見ないのだが、テンポよく物語が進んでいくのでとても見やすかった。程よく緊張感もあり、アクションもあり、SFらしさもあり1作品だけでも満足感が高かった。
19.『ラブやん』1巻−7巻(漫画)
作者:田丸浩史
【あらすじ】
愛の天使ラブやんが、ニートの青年、大森カズフサの恋を成就させるため奮闘する。しかし、カズフサには数々の欠点があり、ラブやんの使命はなかなか達成されない。大森家に住み着いたラブやんは、カズフサや彼の友人たち、さらには同僚たちも巻き込んで自堕落な生活を送るようになる。
【考察】
ちょうど何も考えずに読めて良い。オタクの気持ち悪いところがたくさんあって面白い。主人公がかっこいいわけでもなく、本当に救いようがないのがいい。
20.『注文の多い料理店』(アニメ)
監督:岡本忠成 原作:宮沢賢治
【あらすじ】
山に猟に出た2人のハンターは、道に迷いたどり着いたある西洋料理店で不思議な体験をする。
【考察】
絵本や教科書でしか読んでこなかったため、挿絵とは違う不気味な雰囲気の映像を見て、頭の中のイメージの幅がかなり広がった。音声がないというのも新鮮だったし、綺麗な女性の踊り子たちがおどろおどろしい猫の姿に変わっていく場面が印象に残った。
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