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中村 果凜
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3年 中村 果凜
1. 怪獣8号(アニメ)
怪獣が日常を脅かす世界。民間清掃会社で働く日比野カフカは、後輩である市川レノとの出会いをきっかけに、諦めかけていた日本防衛隊に入隊するという夢を叶える決意をする。その矢先、謎の生物に寄生されたことで、怪獣8号へ変身する力を身につけてしまう。 32歳である主人公が若者に負けるどころか、1番目標に向かって挑み続ける姿勢は、非常に主人公らしく、みている側が応援したくなると感じる。いつ主人公が怪獣8号であると明かさられるのかというドキドキと、主人公の見せる最強演出への期待が1期のストーリーを通して続いていて、飽きさせない展開であった。オープニング映像でかなりグロさが強調されていたため、そこに嫌悪感を抱く視聴者もいるかと思うが、本編はオープニングほどそのような演出がなかった。第2期が放送決定しているので、続きを楽しみに待ちたいと思う。
2. 新しい上司はど天然(アニメ)
上司からのパワハラで精神と胃をやられ、広告代理店の営業職に転職した桃瀬。しかし過去のトラウマが原因で「新しい上司もまたパワハラ上司だったらどうしよう……」と、初日早々に胃痛で動けなくなってしまう。そんな時、一緒に外回り中だった新しい上司・白崎がまさかの行動をとる。予想外の上司の「ど天然」行動に癒されるお仕事コメディ。 仕事が早く、人、動物に優しく思いやりのある白崎主任の格好良さと行動の可愛さ面白さがギャップとなり、短編の物語全てがほっこりしたものになっている。理想的な職場、人間関係が描かれ、ほのぼのするストーリーのなかには感動する場面、笑える場面があり、楽しみながら視聴した。このような職場で働きたい、こんな上司がいたらいいなと思う反面、パワハラ上司に苦しめられたらどうしよう、ブラック企業で働くことになるかもしれないという不安を持ったが、これは就活中である今みたからであると思われる。
3. 鬼滅の刃 柱稽古編(アニメ)
刀鍛冶の里にて上弦の鬼二体の強襲にあった炭治郎たち。玄弥や二人の柱との共闘でこれらを撃退した戦いは、禰豆子が太陽を克服し収束した。鬼として初めて日の光を浴びても消滅しない存在となった禰豆子は、炭治郎の禰豆子を人間に戻す念願に近づいたと同時に、太陽の克服を目論む鬼の元凶、鬼舞辻無惨の標的となったことを意味する。これを受けて鬼殺隊は、来る無惨たち鬼との戦いに備え全鬼殺隊員を招集した大規模な訓練、柱稽古を開催する。炭治郎たち隊員は、柱たちによる厳しい稽古に身を 投じることとなる。 全8話のなかで、柱がメインに描かれており、そのなかには今までのシリーズであまり登場していなかった悲鳴嶼行冥をはじめとするキャラクターが多く活躍していた。また、冨岡義勇の過去や善逸の覚醒など、短い話数ながらも内容は盛りだくさんであった。特に8話のお館様と鬼舞辻の邂逅のシーンや、無限城の作画、演出のクオリティが凄まじい。マンガでは9話分とのことで、若干見ていて引き伸ばしているという風に感じる部分があったものの、修行シーンが入ることで、決戦に向かっていると感じるものとなったと考える。
4. 着信アリ (映画)
携帯電話に不気味な着信音がなり、本人の死を予告する謎のメッセージが入る。 女子大生の由美を取り巻く友人たちに次々と呪いの着信が入り、恐怖が広がっていく。 携帯電話の着信という身近なものが題材となっており、リアルな恐怖心が沸いた。現代のものがトリガーとなるというのは、画期的であると感じる。説明不足である点や理解に時間がかかる箇所があったため、どうしてそうなったのだろうという疑問が残る場面がいくつかあった。また、ポルターガイスト現象が序盤は多かったが、最後の方は物理的なものに変わっていった点がホラー要素を感じられず少し残念だった。しかし、含みのある最後は先の展開を予想させられ、面白いと感じた。
5. 東京リベンジャーズ 聖夜決戦編
戻った未来で稀咲鉄太に撃たれたタケミチこと花垣武道は、羽宮一虎に助けられる。一虎は稀咲の暴力・黒龍の金がマイキーを巨悪にしたと言う。過去に戻った途端、タケミチは東卍の弍番隊副隊長・柴八戒と意気投合。だが八戒の兄は黒龍十代目の総長・柴 大寿であり、成り行きで側近2人であるココ、イヌピーと大寿本人に絡まれてしまう。八戒はタケミチを助けるために「東卍をやめる」と宣言。また、八戒は大寿のDVが続くと確信し「大寿を殺す」と心に決める。納得行かないタケミチと千冬は、不本意ながら稀咲と半間 修二と一時的に手を組み、八戒による大寿殺害を阻止することに。クリスチャンの大寿が年に1回だけ単独行動を取る12月25日の深夜、渋谷の宇田川キリスト教会にて決戦が行われる。 今までのシリーズとは違って、チームの対立がメインではなく、家族がテーマであった。また、決戦が始まり、主人公たちがボロボロになった終盤でようやくマイキーが登場したことから、設定的に強すぎるのではないかと感じた。シリーズのなかで、聖夜決戦編のみが死者が出ないという点について、テーマが家族という部分が強く関わっているのではないかと考えた。
6. 東京リベンジャーズ 天竺編
変わり果てた東京卍會を救うため、 12年前にタイムリープして黒龍との 聖夜決戦を勝利に導いた花垣武道。 裏切り者の稀咲鉄太を除名することにも成功したが、 なぜか現代の状況は悪化する一方だった。 決意を新たに再びタイムリープしたある日、 東京卍會は天竺と名乗るチームの襲撃を受けてしまう。 混乱するタケミチの前に現れたのは、 天竺の特攻服を纏った稀咲だった。 東卍史上最大にして“最後”の抗争に向けて、 リベンジは続く。 天竺総長の黒川イザナが、最後の最後に自分の大切なものに気づくことができた、というストーリーは良かったと思うが、稀咲をはじめとした天竺幹部の行動があまりにも酷いという印象を受けた。特に、怪我の具合や死者が3人も出るというのは、話がかなり重くなったと感じさせる。稀咲の動機や結末が呆気ないと感じた。また、稀咲がいなくなった今後の展開が非常に気になる。
7. ブルーロック エピソード凪 (アニメ映画)
「めんどくさい」が口グセの高校2年生・凪誠士郎は、日々を無気力に生きていた。 W杯優勝を夢見る同級生の御影玲王が、その才能を見つけだすまでは。 玲王に誘われるがままにサッカーを始めた凪は、圧倒的なサッカーセンスを発揮。 ある日、ブルーロック(青い監獄)プロジェクトの招待状が届く。 そこで待ち受けていたのは、全国から集められた選りすぐりのストライカーたちとの出会いだった。 玲王とはじめた世界一への挑戦が、凪をまだ見ぬ世界へと連れて行く。 テレビ版のブルーロックの凪視点の話であった。原作よりもテンポよく話が進むため、アニメ版のダイジェストとしてもみることができるのではないだろうか。凪と玲王の始まりから仲違いまでが多く描かれており、ある意味では、恋愛ストーリーのようなものなのではないかと感じた。主題歌であるNissyとSKY-HIによる『Stomy』は、それぞれが凪視点、玲王視点を歌っており、話の内容とかなり合致していた。
8. ロストワールド/ジュラシック・パーク(洋画)
ジュラシック・パークでの悲劇から4年。イアン・マルコム博士はインジェン社の会長ハモンドに呼び出され、ジュラシック・パークに恐竜を供給するための遺伝子工場「サイトB」がイスラ・ソルナ島にあることを知らされる。閉鎖されたまま放置された島では、恐竜たちが繁殖・野生化しているという。ハモンドから島の調査を依頼されたイアンは危険であることを理由に断ろうとするが、恋人である古生物学者サラが既に現地入りしていることを知り、彼女を助けに行くことに。しかしハモンドの甥ルドローはパークの再建を企てており、島に恐竜ハンターたちを送り込んでいた。 1作目よりもアクションが少なく、あまりハラハラする展開がなかったことが残念だった。Tレックスの親子の絆を描くことにより、恐竜も命ある動物であるという印象付けがなされているように感じ、また、そこに感動があるように思う。前作から続いて登場する俳優の方がいたことで、繋がりをより強く感じた。雨が降っていたり密林であったり夜であったりする場面が非常に多く、全体的に暗かったため、何をしているのかよく分からないシーンがあった。
9. ジュラシックワールド(洋画)
恐竜と触れ合うことができるテーマパーク「ジュラシック・ワールド」がオープンし、連日多くの観光客で賑わっていた。施設の監督官であるクレアは、自身の甥であるザックとグレイが来園するも、新種の恐竜の準備のために多忙で相手ができない。そんな中、遺伝子組み換え操作によって創り出された巨大で凶暴な恐竜インドミナス・レックスが逃げ出し、未曾有の緊急事態となる。 叔母であるクレアは、最初、恐竜や甥達への関心が非常に薄いとわかるような場面が強調的に描かれるものの、話が進むにつれて興味、愛情が沸いていくのが伝わる。また、ザックとグレイも兄弟の絆や、オーウェンとラプトルの絆が描かれ、アクションや恐竜の迫力だけでない面白さがあった。
10. 傷物語 (アニメ映画)
高校二年生と三年生の狭間である春休み。阿良々木暦は、血も凍るような美女と遭遇する。彼女は自らを、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと名乗った。四肢を失い死に瀕していたキスショットは、暦に助けを求める。恐怖と混乱、そして葛藤の末に、暦は彼女を救うため自らの血を与える。そして次に目が覚めたとき、暦はキスショットの眷属となっていた。暦は吸血鬼から人間に戻りたいと望む。 だが、そのためにはキスショットが力を完全に取り戻す必要があった。交渉人をつとめる忍野メメが間に立ち、暦は失われた彼女の四肢を奪い返すべく、吸血鬼退治の専門家三人に挑むことになる。 総集編ということもあり、原作である西尾維新による小説や、アニメ、三部作として公開された映画とは異なり、様々な場面がカットされていた。特に、吸血鬼退治の専門家との戦闘シーンがかなり短縮されており、その分最初の出会う前のシーンがかなり長くなっているように感じた。ギャグシーンもほぼ省略されていたため、全体的にシリアスなイメージが強く残る映画であるという印象を受ける。また、主人公の同級生である羽川翼のイメージが、原作や他のシリーズを知っているかどうかでかなり変わる作品だった。どうして主人公に協力するのか等、謎が残るような話の流れだったため、もう少し主人公との絡みや説明があっても良かったのではないかと考える。
11. 彼女と彼女の猫 (アニメ映画)
ある夏の一番暑い日、彼女と飼い猫である“僕"の暮らしが始まった。彼女は短大の卒業を控え就職活動に追われる中、家族、友達、将来…いろいろなことがうまくいかず、立ち止まってしまいそうになる。そんな彼女を“僕”は見守っていたいと思っていた…。 猫である"僕"視点で話が進み、出会いと別れが描かれる。彼女と"僕"は言葉が通じないものの、幼い頃から傍にいて心配しながら見守っているという温かさが、音楽と共に伝わる。その一方で飼い主である彼女の状況がかなり悪く、心配になるほどであった。猫の動きや年齢と共に変わっていく様子が、非常にリアルに描かれていた。また、短編映画だからこそ、猫の寿命の短さをより感じた。犬や猫等のペットを飼っている人はさらに感情移入できるのではないだろうか。
12. つみきのいえ(アニメ)
海面が上昇したことで水没しつつある街にひとり人残り、まるで塔のようにそびえ立った家で暮らしている老人がいた。彼は家が沈みかけるたびに、積み木のように上へ上へと家を建て増しすることで難をしのぎつつも穏やかに暮らしていた。そんなある日、彼はお気に入りのパイプを海中へと落としてしまう。それを拾うために彼はダイバー姿になって海中へと潜っていくが、やがて彼はかつて共に暮らしていた家族との思い出を回想していく。 一切セリフがないが、音楽によっておじいさんの感情が伝えられる。おじいさんの人生と共に積み上げられたつみきのいえと共に思い返される記憶が、悲しげな音楽と美しい絵によって描かれ、心が揺さぶられる作品だった。思い出に対しておじいさんがどのような気持ちであるのかということがしっかりと伝えられていることに驚いた。自分で重ねてきたつみきのいえごと思い出を大切にするおじいさんの姿に切なさや感動を感じる。
13. 准教授・高槻彰良の推察(小説)
大学生である主人公深町と民俗学を研究している准教授高槻のサスペンスファンタジー。 深町は人の嘘を聞き分けられる能力を持ち、故に人を信じられない。そんな彼が出会ったのは全く嘘をつかない准教授だった。 高槻は研究の為に日々妖怪話を集めその真偽を確かめるも、どれも嘘や人が起こした事件であり本物の怪異に出会うことが無かった。しかし深町と高槻はそれぞれに人の所業では無い、怪異としか言い表しようのない体験を過去に持つ。自分達が過去に体験した原因は怪異か人か、実際は何だったのか。それを知る為に奔走する2人の物語。 作中の怪談の殆どが人によるものであり、ホラーかと背筋をぞくぞくとさせながら読むと最後人の狂気に当てられる。シリーズ物であり1冊のページ数が少ない為手軽に他と違う読後感を感じられる小説だ。
14. わたしは壁になりたい(漫画)
契約結婚した無性愛者の妻と同性愛者の夫の同棲生活をほのぼのとした柔らかいタッチで描いた漫画。 世間とのギャップに苦しみながらお互いを支え合い同棲生活をする様を描くことで、性的マイノリティの生きづらさとそのなかで出会う人々の温かさを感じさせている。他人との同居の難しさに四苦八苦しながらも、笑って日々を過ごせるように努力する彼らから、恋愛観に関係なく人との付き合いの大切さを学べるだろう。
15. 青に、ふれる。(漫画)
生まれつきの大きなアザを顔に持つ女子高生と、人の顔を判別できない相貌失認の担任教師の話。 自分自身であると共に周りから気を使われる対象であったアザを持つ主人公が人の機微に聡く高度な対人会話スキルを育てていたり、人の顔が分からない為に教師であるのに人とコミュニケーションをとる以前の問題を山のように抱えていたり。自分に足りないものを持っていて完璧に思えるような人間もその他の所で欠陥や問題を抱えて悩んでいる。お互いに不安を正直に打ち明け、補い合っていくことが大切であると読者に再認識させるストーリーである。
16. ちいかわ(アニメ)
ちいかわとその友達のハチワレ、うさぎが送る日常を一話完結という形で描いた物語。近くに沸くお菓子などの食べ物に関する話が多いが、仕事で収入を得て暮らしているという点や、ちいかわ達が命の危険に遭う話が描かれるという点において、シビアな世界観であることがわかる。個性の強いキャラクターのかわいさやほのぼのとした絵柄、とはギャップのある世界の根幹に関わる長編シリーズがあり、ただの可愛いキャラクターによるほのぼのするストーリーというという点が、人気の理由なのではないかと考える。
17. すみっコぐらし (アニメ)
ねこ、とんかつ・えびふらいのしっぽ、とかげ、しろくま、ぺんぎん?のそれぞれの過去のエピソードや、どんな風に出会ってすみっこにあつまってきたのかなど、すみっコたちの気持ちと空模様をリンクしながら綴られる。 隅にいるだけのキャラクターだと思いきや、重い過去を持っていたり、目標があったりとすみっこ達のかわいい意外な設定を知ることができる。一切セリフがなく、ナレーションにより優しく語られるストーリーは、時に感動するようなシーンがあり、少し考えさせられた。
18. すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ (アニメ映画)
ある日すみっコたちは、お気に入りのおみせ「喫茶すみっコ」の地下室で、古くなった一冊のとびだす絵本をみつける。 絵本を眺めていると、突然しかけが動き出し、絵本に吸い込まれてしまうすみっコたち。すると、どこからきたのか、自分がだれなのかもわからない、ひとりぼっちのひよこと出会う。新しいなかまのおうちを探すために、すみっコたちはひとはだ脱ぐことを決意する。 絵本の世界をめぐる旅が今始まる。 人魚姫や桃太郎、マッチ売りの少女などの様々な童話の世界が登場する。65分の映画のなかで、すみっコ達のセリフは一切なく、少々のナレーションで話が進む。しかし、効果音や表情で簡単に読み取ることができ、また、子供向けのためということもあり、かなりわかりやすいストーリーである。長い間、すみっコ達のかわいらしい姿にほのぼのするという話の展開が続くが、終盤になると、ひみつのコであるひよこの謎が明らかになると共に、すみっコ達の決断に感動させられる。終わりの切なさがあるものの、双方納得のいく形での結末と、心温まるひよこへ向けたすみっこ達の行動は、良い結末であった。
19. トリマニア (漫画) トリマニア共和国。そこは世界で唯一、背中に翼を持つ人々が住まう国。そんな国に留学に来た少女・あかりを中心に、一途な愛を貫くカラス、自身の恋に素直になれないカモメ、恋を傍観しすぎて前に進めないハトなど、トリマニアの人々は人生に悩みながら生きていく。 シュールな設定のキャラクターと複雑な人間関係が描かれる、とても不思議な世界観の漫画。キャラクターの鋭い指摘は、夢や希望が全くないことが多く、その毒気が心に刺さる。ただの日常系漫画ではなく、少女漫画要素も強くあることに、更なる面白さがあるのではないかと考える。
19. PUI PUI モルカー (アニメ)
アニメの舞台は、モルモットの車「モルカー」がいる世界で、人間とモルカーが共存している様を描いた日常系アニメとなっている。 ナレーションなどは一切なく、終始動きのみで話が展開され、ふわふわのフェルト生地で作られた 「モルカー」の人形を、1コマずつ撮影するストップモーションアニメの手法で制作されている。 1話ごとに変わるメインのモルカーによる、ダイナミックな展開、社会風刺とも取れる皮肉など、面白さが多く、視聴者を飽きさせない。また、フェルト生地だからこそのふわふわ感が非常にかわいらしく、どんな行動を取っていてもあまり憎めないような演出に繋がっていると感じた。
20. トナリはなにを食う人ぞ(漫画)
都内の大学へ進学し、一人暮らしを始めた稲葉すずな。大学デビューを目指してはりきるも、生活力のなさから上京早々金欠で行き倒れかける。そこを救ってくれたのが、マンションのお隣で大学のクラスメイト・瀬戸晴海。以来、すずなは瀬戸に料理を教わる日々を送る。 料理の腕前と女子力を向上させながら瀬戸と親交を深めていく、癒し系ラブストーリー。 料理を作るシーンや食べるシーンが多い。また、レシピや見た目までかなり詳しく説明されており、イラストの再現度も高いため、読んでいるだけでお腹がすいてくる。少女漫画でグルメがメインの物語はあまり見かけないため、新鮮な気持ちで読むことができる。また、あまり恋愛要素がそこまで強くないというのもこの漫画の魅力であると考える。
21. HUNTER × HUNTER38巻 (漫画)
暗黒大陸を目指す船内での三つ巴のマフィア抗争は激化。2つの組が共闘し、さらにヒソカを追う幻影旅団も抗争に加わり、エイ=イ一家を狩り始める。その最中、ノブナガは幻影旅団結成のいきさつを追懐する。 幻影旅団とは、2話、18話と序盤から名称が登場する盗賊の集団であり、主人公の仲間であるクラピカの宿敵である。2000年〜2001年に連載されたヨークシン編で活躍した彼らの過去が、20年以上の時を経てようやく明かされる。幻影旅団は、極悪非道の集団として説明されるが、作中に登場する彼らは根っからの悪人ではないような印象があり、どのような過去があるのかというのはファンの間で謎とされていた。それがようやく明かされ、今後の展開が期待される。また、主人公であるゴンが表紙に描かれているが、作中で一切登場しないという点について、作者からも本書で言及されているが、いつになったら再登場するのか気になるところである。
22. 『世界でいちばん透きとおった物語』 杉井光(小説)
出会った事も無い父親の遺作を探すとある青年を描いた小説。主人公が遺作を探す中で読者はいくつもの謎に包まれる事になるが貴方はそれを全て解けるだろうか。 ネタバレ厳禁、電子書籍化不可能と銘打つこの作品。単行本化もされておらず紙の文庫本だけの販売。ネタバレ厳禁なので内容を説明することも自分が感動した話をすることも出来ない。それでも40万部売れている事はこの作品の人気を表していると言えるだろう。授業内の作品紹介で知り、ネタバレもされたうえで読んだが、内容を知った上で改めて秘密について考えるというのも面白かった。
23. 北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし(小説)
極寒の地を治める伯爵・リツハルド。男前の元軍人・ジークリンデ。彼女の鋭い眼差しに心奪われたリツハルドは、思わずプロポーズをする。一目惚れからはじまる、1年間のお試し婚。ソリを駆ってトナカイを狩り、解体・仕分け・熟成。ベリーを摘み、保存食に蝋燭、伝統工芸品も作る合間に、凍結湖で魚釣り。自給自足な狩猟民族的スローライフを通して、奥手な2人は無事、正式な夫婦になれるのか。オーロラ輝く辺境ではじまる、不器用夫婦(仮)のほのぼの物語。 日本最大級のライトノベルコンテストである「第3回なろう(小説家になろう)コン大賞、金賞受賞作。雪国の暮らしが非常に丁寧に描かれる。料理がとても美味しそうであったり、自給自足の辛さとだからこその達成感がしっかりと描かれたりしているところから、読了後にじゅうぶんな満足感がある。また、移住してくるヒロインが軍人であるからこそ、極寒の地に耐えられるというストーリーの始まりによく納得できるため、なろう小説でよくある矛盾設定ではないので、とても理解しやすく納得できるものである。2人の関係がどんどん深まっていく様子が伝わり、非常に暖かい気持ちになる物語である。
25. 18trip(ゲーム) リベル・エンタテインメントとポニーキャニオンが共同で開発した、近未来の横浜「HAMA18区」を舞台に、"旅"をテーマにしたおもてなしアドベンチャーゲーム。 完全フルボイスのメインストーリーは、LIVE2Dでキャラクターがいきいきと動き、キャラクターの感情がリアルに伝わるのも相まって、感情移入しやすいものになっている。コメディとシリアスの差が激しく、質も量も申し分ない内容である。各観光区の区長達が時にいがみ合い時に協力して目標を達成し、絆を深めていくが、そこに至るまでの障害の癖が強く、読んでいて非常に面白い。また、旅というテーマに合わせ、現実の観光地とリンクした場所やものが登場するため、聖地巡礼を楽しむことができる点も魅力である。視覚や聴覚、そして現実世界を楽しませるゲームとなっており、ゲーム内に登場する観光客だけでなく、プレイヤーである私たちもおもてなしされている気分を味わうことができる。
26. 『ゆびさきと恋々』(漫画)
聴覚障害をもつ女子大生雪と世界を駆け巡る男子大学生逸臣の恋愛漫画。 生活を送る中で聞こえないことによる初対面の人に感じる壁が逸臣には無かった。それはおそらく逸臣がこれまで言語に関係なくコミュニケーションをとってきた経験からなのだろう。純粋な少女漫画と同じように恋愛を楽しみながら、ギャップのある人間同士の認識のすり合わせや歩み寄る意識の大切さを感じられる作品だ。聴覚障害というテーマが無かったとしても面白い作品だからこそ、ストーリーの中に上手く取り入れられてることで私達が人と関わる上でぶつかる壁と聴覚障害は何ら変わりのないものなのだと思わせてくれる。興味関心の無かった人にも広く周知してくれる作品になっている。
27. ネト充のススメ(アニメ)
会社を辞めて、自らニートになることを決意した盛岡森子、30歳。現実よりもネット世界を充実させるべく、イケメンキャラの“林”としてネトゲを開始する。自称“エリートニート”森子のネト充生活が始まる。 ゲーム内の世界と現実世界が徐々に交錯していくストーリーは、少し無理やりなところが感じられたが、もしかして、と思わせるような演出がみられ、ワクワクした。現実世界では女性だがゲーム内では男性、現実世界では男性だがゲーム内では女性のそれぞれのキャラクターが恋に落ちるのは、面白い展開であった。現実とゲームでは異なる関係性や距離感にもどかしい気持ちになりながらも、ドキドキする場面が多く、心が動かされながらみることができる作品であった。
28. Ib (ゲーム)
kouri氏による美術館を舞台とした探索ホラーアドベンチャーゲーム。両親とゲルテナ展を観に美術館に訪れた少女のイヴ。様々な作品を観ていたイヴだが、ふと気がつくとひとりぼっちになっていた。誰かいないか探し回っていると、次々に美術館に異変が起こる。 プレイヤーはイヴとなり、美術館から脱出するため探索していくことになる。そこには無数のギミックが仕掛けられており、周辺を調べて必要なアイテムを見つけ出し、パズルのようなギミックを解きながら先へと進んでいく。道中では、ギャリーとメアリーのふたりと出会う。彼らとともに行動することになるが、会話や行動の選択肢によって結末が変わっていく。 難易度の絶妙な謎解きの作り込みの数々や、不気味な雰囲気がありつつ可愛らしいピクセルアート、美しい音楽によって、プレイヤーは引き込まれる。エンディングが複数あったり、周回向けの要素があったりする点も魅力である。
29. 星屑の王子様(漫画)
不夜城・新宿歌舞伎町。欲望渦巻くこの街にきらめく、愛と狂騒を金に換えるホストと呼ばれる男たち。空前のホストブームのさなか、ナンバーワンたちの日常は、常識も倫理も超越した事件やトラブルで溢れている。シャンパンの泡のように刹那的で煌びやかで、時に残酷で狂気に満ちた男たちの生き様を描く、超新宿系サディスティックコメディ。 歌舞伎町のきらびやかな面だけでなく非常にダークな現実がしっかりとわかりやすく描かれている。救いようのないほどに性格が悪いキャラクターが大勢登場する。内容は重すぎることは全くないが、軽いタッチで生々しく描かれるホストを中心とした世界は、この世界の厳しさを伝え、安易な気持ちで近づいてはいけないことを教えてくれる。
30. 魔道具士ダリヤはうつむかない(小説)
交易と魔法技術で栄えるオルディネ王国。その王都に居を構える魔導具師のダリヤ・ロセッティは、亡き父の弟子で婚約者のトビアス・オルランドから、結婚前日に一方的に婚約破棄を迫られる。トビアスには既に新しい恋人がおり、新居にも出入りしていたのだ。予期せぬ出来事に愕然とするダリヤだったが、周囲の助けもありトビアスとの婚約を破棄、さらには生活と魔導具開発のため自身の商会を立ち上げる。そんなある日、素材の採取に森を訪れたダリヤの前に、負傷した血塗れの男が現れる。彼は王国騎士団魔物討伐部隊で最も危険な役割を担う「赤鎧」のヴォルフレード・スカルファロットであった。 様々な魔道具の発明に取り組む主人公の姿にカッコ良さを感じ、また、それを手助けするヴォルフレードとの関係性が、恋愛要素を少しずつ含んでいく過程を楽しむことができる。しかし、恋愛要素をメインとするにはあまりにも2人の進展が遅いため、魔道具の制作が本筋なのであろうと考える。転生モノではあるものの、転生要素がかなり少ないため、異世界物語を普通に楽しむことができる。今後の2人の恋愛面での展開に期待したい。
1. 怪獣8号(アニメ)
怪獣が日常を脅かす世界。民間清掃会社で働く日比野カフカは、後輩である市川レノとの出会いをきっかけに、諦めかけていた日本防衛隊に入隊するという夢を叶える決意をする。その矢先、謎の生物に寄生されたことで、怪獣8号へ変身する力を身につけてしまう。 32歳である主人公が若者に負けるどころか、1番目標に向かって挑み続ける姿勢は、非常に主人公らしく、みている側が応援したくなると感じる。いつ主人公が怪獣8号であると明かさられるのかというドキドキと、主人公の見せる最強演出への期待が1期のストーリーを通して続いていて、飽きさせない展開であった。オープニング映像でかなりグロさが強調されていたため、そこに嫌悪感を抱く視聴者もいるかと思うが、本編はオープニングほどそのような演出がなかった。第2期が放送決定しているので、続きを楽しみに待ちたいと思う。
2. 新しい上司はど天然(アニメ)
上司からのパワハラで精神と胃をやられ、広告代理店の営業職に転職した桃瀬。しかし過去のトラウマが原因で「新しい上司もまたパワハラ上司だったらどうしよう……」と、初日早々に胃痛で動けなくなってしまう。そんな時、一緒に外回り中だった新しい上司・白崎がまさかの行動をとる。予想外の上司の「ど天然」行動に癒されるお仕事コメディ。 仕事が早く、人、動物に優しく思いやりのある白崎主任の格好良さと行動の可愛さ面白さがギャップとなり、短編の物語全てがほっこりしたものになっている。理想的な職場、人間関係が描かれ、ほのぼのするストーリーのなかには感動する場面、笑える場面があり、楽しみながら視聴した。このような職場で働きたい、こんな上司がいたらいいなと思う反面、パワハラ上司に苦しめられたらどうしよう、ブラック企業で働くことになるかもしれないという不安を持ったが、これは就活中である今みたからであると思われる。
3. 鬼滅の刃 柱稽古編(アニメ)
刀鍛冶の里にて上弦の鬼二体の強襲にあった炭治郎たち。玄弥や二人の柱との共闘でこれらを撃退した戦いは、禰豆子が太陽を克服し収束した。鬼として初めて日の光を浴びても消滅しない存在となった禰豆子は、炭治郎の禰豆子を人間に戻す念願に近づいたと同時に、太陽の克服を目論む鬼の元凶、鬼舞辻無惨の標的となったことを意味する。これを受けて鬼殺隊は、来る無惨たち鬼との戦いに備え全鬼殺隊員を招集した大規模な訓練、柱稽古を開催する。炭治郎たち隊員は、柱たちによる厳しい稽古に身を 投じることとなる。 全8話のなかで、柱がメインに描かれており、そのなかには今までのシリーズであまり登場していなかった悲鳴嶼行冥をはじめとするキャラクターが多く活躍していた。また、冨岡義勇の過去や善逸の覚醒など、短い話数ながらも内容は盛りだくさんであった。特に8話のお館様と鬼舞辻の邂逅のシーンや、無限城の作画、演出のクオリティが凄まじい。マンガでは9話分とのことで、若干見ていて引き伸ばしているという風に感じる部分があったものの、修行シーンが入ることで、決戦に向かっていると感じるものとなったと考える。
4. 着信アリ (映画)
携帯電話に不気味な着信音がなり、本人の死を予告する謎のメッセージが入る。 女子大生の由美を取り巻く友人たちに次々と呪いの着信が入り、恐怖が広がっていく。 携帯電話の着信という身近なものが題材となっており、リアルな恐怖心が沸いた。現代のものがトリガーとなるというのは、画期的であると感じる。説明不足である点や理解に時間がかかる箇所があったため、どうしてそうなったのだろうという疑問が残る場面がいくつかあった。また、ポルターガイスト現象が序盤は多かったが、最後の方は物理的なものに変わっていった点がホラー要素を感じられず少し残念だった。しかし、含みのある最後は先の展開を予想させられ、面白いと感じた。
5. 東京リベンジャーズ 聖夜決戦編
戻った未来で稀咲鉄太に撃たれたタケミチこと花垣武道は、羽宮一虎に助けられる。一虎は稀咲の暴力・黒龍の金がマイキーを巨悪にしたと言う。過去に戻った途端、タケミチは東卍の弍番隊副隊長・柴八戒と意気投合。だが八戒の兄は黒龍十代目の総長・柴 大寿であり、成り行きで側近2人であるココ、イヌピーと大寿本人に絡まれてしまう。八戒はタケミチを助けるために「東卍をやめる」と宣言。また、八戒は大寿のDVが続くと確信し「大寿を殺す」と心に決める。納得行かないタケミチと千冬は、不本意ながら稀咲と半間 修二と一時的に手を組み、八戒による大寿殺害を阻止することに。クリスチャンの大寿が年に1回だけ単独行動を取る12月25日の深夜、渋谷の宇田川キリスト教会にて決戦が行われる。 今までのシリーズとは違って、チームの対立がメインではなく、家族がテーマであった。また、決戦が始まり、主人公たちがボロボロになった終盤でようやくマイキーが登場したことから、設定的に強すぎるのではないかと感じた。シリーズのなかで、聖夜決戦編のみが死者が出ないという点について、テーマが家族という部分が強く関わっているのではないかと考えた。
6. 東京リベンジャーズ 天竺編
変わり果てた東京卍會を救うため、 12年前にタイムリープして黒龍との 聖夜決戦を勝利に導いた花垣武道。 裏切り者の稀咲鉄太を除名することにも成功したが、 なぜか現代の状況は悪化する一方だった。 決意を新たに再びタイムリープしたある日、 東京卍會は天竺と名乗るチームの襲撃を受けてしまう。 混乱するタケミチの前に現れたのは、 天竺の特攻服を纏った稀咲だった。 東卍史上最大にして“最後”の抗争に向けて、 リベンジは続く。 天竺総長の黒川イザナが、最後の最後に自分の大切なものに気づくことができた、というストーリーは良かったと思うが、稀咲をはじめとした天竺幹部の行動があまりにも酷いという印象を受けた。特に、怪我の具合や死者が3人も出るというのは、話がかなり重くなったと感じさせる。稀咲の動機や結末が呆気ないと感じた。また、稀咲がいなくなった今後の展開が非常に気になる。
7. ブルーロック エピソード凪 (アニメ映画)
「めんどくさい」が口グセの高校2年生・凪誠士郎は、日々を無気力に生きていた。 W杯優勝を夢見る同級生の御影玲王が、その才能を見つけだすまでは。 玲王に誘われるがままにサッカーを始めた凪は、圧倒的なサッカーセンスを発揮。 ある日、ブルーロック(青い監獄)プロジェクトの招待状が届く。 そこで待ち受けていたのは、全国から集められた選りすぐりのストライカーたちとの出会いだった。 玲王とはじめた世界一への挑戦が、凪をまだ見ぬ世界へと連れて行く。 テレビ版のブルーロックの凪視点の話であった。原作よりもテンポよく話が進むため、アニメ版のダイジェストとしてもみることができるのではないだろうか。凪と玲王の始まりから仲違いまでが多く描かれており、ある意味では、恋愛ストーリーのようなものなのではないかと感じた。主題歌であるNissyとSKY-HIによる『Stomy』は、それぞれが凪視点、玲王視点を歌っており、話の内容とかなり合致していた。
8. ロストワールド/ジュラシック・パーク(洋画)
ジュラシック・パークでの悲劇から4年。イアン・マルコム博士はインジェン社の会長ハモンドに呼び出され、ジュラシック・パークに恐竜を供給するための遺伝子工場「サイトB」がイスラ・ソルナ島にあることを知らされる。閉鎖されたまま放置された島では、恐竜たちが繁殖・野生化しているという。ハモンドから島の調査を依頼されたイアンは危険であることを理由に断ろうとするが、恋人である古生物学者サラが既に現地入りしていることを知り、彼女を助けに行くことに。しかしハモンドの甥ルドローはパークの再建を企てており、島に恐竜ハンターたちを送り込んでいた。 1作目よりもアクションが少なく、あまりハラハラする展開がなかったことが残念だった。Tレックスの親子の絆を描くことにより、恐竜も命ある動物であるという印象付けがなされているように感じ、また、そこに感動があるように思う。前作から続いて登場する俳優の方がいたことで、繋がりをより強く感じた。雨が降っていたり密林であったり夜であったりする場面が非常に多く、全体的に暗かったため、何をしているのかよく分からないシーンがあった。
9. ジュラシックワールド(洋画)
恐竜と触れ合うことができるテーマパーク「ジュラシック・ワールド」がオープンし、連日多くの観光客で賑わっていた。施設の監督官であるクレアは、自身の甥であるザックとグレイが来園するも、新種の恐竜の準備のために多忙で相手ができない。そんな中、遺伝子組み換え操作によって創り出された巨大で凶暴な恐竜インドミナス・レックスが逃げ出し、未曾有の緊急事態となる。 叔母であるクレアは、最初、恐竜や甥達への関心が非常に薄いとわかるような場面が強調的に描かれるものの、話が進むにつれて興味、愛情が沸いていくのが伝わる。また、ザックとグレイも兄弟の絆や、オーウェンとラプトルの絆が描かれ、アクションや恐竜の迫力だけでない面白さがあった。
10. 傷物語 (アニメ映画)
高校二年生と三年生の狭間である春休み。阿良々木暦は、血も凍るような美女と遭遇する。彼女は自らを、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと名乗った。四肢を失い死に瀕していたキスショットは、暦に助けを求める。恐怖と混乱、そして葛藤の末に、暦は彼女を救うため自らの血を与える。そして次に目が覚めたとき、暦はキスショットの眷属となっていた。暦は吸血鬼から人間に戻りたいと望む。 だが、そのためにはキスショットが力を完全に取り戻す必要があった。交渉人をつとめる忍野メメが間に立ち、暦は失われた彼女の四肢を奪い返すべく、吸血鬼退治の専門家三人に挑むことになる。 総集編ということもあり、原作である西尾維新による小説や、アニメ、三部作として公開された映画とは異なり、様々な場面がカットされていた。特に、吸血鬼退治の専門家との戦闘シーンがかなり短縮されており、その分最初の出会う前のシーンがかなり長くなっているように感じた。ギャグシーンもほぼ省略されていたため、全体的にシリアスなイメージが強く残る映画であるという印象を受ける。また、主人公の同級生である羽川翼のイメージが、原作や他のシリーズを知っているかどうかでかなり変わる作品だった。どうして主人公に協力するのか等、謎が残るような話の流れだったため、もう少し主人公との絡みや説明があっても良かったのではないかと考える。
11. 彼女と彼女の猫 (アニメ映画)
ある夏の一番暑い日、彼女と飼い猫である“僕"の暮らしが始まった。彼女は短大の卒業を控え就職活動に追われる中、家族、友達、将来…いろいろなことがうまくいかず、立ち止まってしまいそうになる。そんな彼女を“僕”は見守っていたいと思っていた…。 猫である"僕"視点で話が進み、出会いと別れが描かれる。彼女と"僕"は言葉が通じないものの、幼い頃から傍にいて心配しながら見守っているという温かさが、音楽と共に伝わる。その一方で飼い主である彼女の状況がかなり悪く、心配になるほどであった。猫の動きや年齢と共に変わっていく様子が、非常にリアルに描かれていた。また、短編映画だからこそ、猫の寿命の短さをより感じた。犬や猫等のペットを飼っている人はさらに感情移入できるのではないだろうか。
12. つみきのいえ(アニメ)
海面が上昇したことで水没しつつある街にひとり人残り、まるで塔のようにそびえ立った家で暮らしている老人がいた。彼は家が沈みかけるたびに、積み木のように上へ上へと家を建て増しすることで難をしのぎつつも穏やかに暮らしていた。そんなある日、彼はお気に入りのパイプを海中へと落としてしまう。それを拾うために彼はダイバー姿になって海中へと潜っていくが、やがて彼はかつて共に暮らしていた家族との思い出を回想していく。 一切セリフがないが、音楽によっておじいさんの感情が伝えられる。おじいさんの人生と共に積み上げられたつみきのいえと共に思い返される記憶が、悲しげな音楽と美しい絵によって描かれ、心が揺さぶられる作品だった。思い出に対しておじいさんがどのような気持ちであるのかということがしっかりと伝えられていることに驚いた。自分で重ねてきたつみきのいえごと思い出を大切にするおじいさんの姿に切なさや感動を感じる。
13. 准教授・高槻彰良の推察(小説)
大学生である主人公深町と民俗学を研究している准教授高槻のサスペンスファンタジー。 深町は人の嘘を聞き分けられる能力を持ち、故に人を信じられない。そんな彼が出会ったのは全く嘘をつかない准教授だった。 高槻は研究の為に日々妖怪話を集めその真偽を確かめるも、どれも嘘や人が起こした事件であり本物の怪異に出会うことが無かった。しかし深町と高槻はそれぞれに人の所業では無い、怪異としか言い表しようのない体験を過去に持つ。自分達が過去に体験した原因は怪異か人か、実際は何だったのか。それを知る為に奔走する2人の物語。 作中の怪談の殆どが人によるものであり、ホラーかと背筋をぞくぞくとさせながら読むと最後人の狂気に当てられる。シリーズ物であり1冊のページ数が少ない為手軽に他と違う読後感を感じられる小説だ。
14. わたしは壁になりたい(漫画)
契約結婚した無性愛者の妻と同性愛者の夫の同棲生活をほのぼのとした柔らかいタッチで描いた漫画。 世間とのギャップに苦しみながらお互いを支え合い同棲生活をする様を描くことで、性的マイノリティの生きづらさとそのなかで出会う人々の温かさを感じさせている。他人との同居の難しさに四苦八苦しながらも、笑って日々を過ごせるように努力する彼らから、恋愛観に関係なく人との付き合いの大切さを学べるだろう。
15. 青に、ふれる。(漫画)
生まれつきの大きなアザを顔に持つ女子高生と、人の顔を判別できない相貌失認の担任教師の話。 自分自身であると共に周りから気を使われる対象であったアザを持つ主人公が人の機微に聡く高度な対人会話スキルを育てていたり、人の顔が分からない為に教師であるのに人とコミュニケーションをとる以前の問題を山のように抱えていたり。自分に足りないものを持っていて完璧に思えるような人間もその他の所で欠陥や問題を抱えて悩んでいる。お互いに不安を正直に打ち明け、補い合っていくことが大切であると読者に再認識させるストーリーである。
16. ちいかわ(アニメ)
ちいかわとその友達のハチワレ、うさぎが送る日常を一話完結という形で描いた物語。近くに沸くお菓子などの食べ物に関する話が多いが、仕事で収入を得て暮らしているという点や、ちいかわ達が命の危険に遭う話が描かれるという点において、シビアな世界観であることがわかる。個性の強いキャラクターのかわいさやほのぼのとした絵柄、とはギャップのある世界の根幹に関わる長編シリーズがあり、ただの可愛いキャラクターによるほのぼのするストーリーというという点が、人気の理由なのではないかと考える。
17. すみっコぐらし (アニメ)
ねこ、とんかつ・えびふらいのしっぽ、とかげ、しろくま、ぺんぎん?のそれぞれの過去のエピソードや、どんな風に出会ってすみっこにあつまってきたのかなど、すみっコたちの気持ちと空模様をリンクしながら綴られる。 隅にいるだけのキャラクターだと思いきや、重い過去を持っていたり、目標があったりとすみっこ達のかわいい意外な設定を知ることができる。一切セリフがなく、ナレーションにより優しく語られるストーリーは、時に感動するようなシーンがあり、少し考えさせられた。
18. すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ (アニメ映画)
ある日すみっコたちは、お気に入りのおみせ「喫茶すみっコ」の地下室で、古くなった一冊のとびだす絵本をみつける。 絵本を眺めていると、突然しかけが動き出し、絵本に吸い込まれてしまうすみっコたち。すると、どこからきたのか、自分がだれなのかもわからない、ひとりぼっちのひよこと出会う。新しいなかまのおうちを探すために、すみっコたちはひとはだ脱ぐことを決意する。 絵本の世界をめぐる旅が今始まる。 人魚姫や桃太郎、マッチ売りの少女などの様々な童話の世界が登場する。65分の映画のなかで、すみっコ達のセリフは一切なく、少々のナレーションで話が進む。しかし、効果音や表情で簡単に読み取ることができ、また、子供向けのためということもあり、かなりわかりやすいストーリーである。長い間、すみっコ達のかわいらしい姿にほのぼのするという話の展開が続くが、終盤になると、ひみつのコであるひよこの謎が明らかになると共に、すみっコ達の決断に感動させられる。終わりの切なさがあるものの、双方納得のいく形での結末と、心温まるひよこへ向けたすみっこ達の行動は、良い結末であった。
19. トリマニア (漫画) トリマニア共和国。そこは世界で唯一、背中に翼を持つ人々が住まう国。そんな国に留学に来た少女・あかりを中心に、一途な愛を貫くカラス、自身の恋に素直になれないカモメ、恋を傍観しすぎて前に進めないハトなど、トリマニアの人々は人生に悩みながら生きていく。 シュールな設定のキャラクターと複雑な人間関係が描かれる、とても不思議な世界観の漫画。キャラクターの鋭い指摘は、夢や希望が全くないことが多く、その毒気が心に刺さる。ただの日常系漫画ではなく、少女漫画要素も強くあることに、更なる面白さがあるのではないかと考える。
19. PUI PUI モルカー (アニメ)
アニメの舞台は、モルモットの車「モルカー」がいる世界で、人間とモルカーが共存している様を描いた日常系アニメとなっている。 ナレーションなどは一切なく、終始動きのみで話が展開され、ふわふわのフェルト生地で作られた 「モルカー」の人形を、1コマずつ撮影するストップモーションアニメの手法で制作されている。 1話ごとに変わるメインのモルカーによる、ダイナミックな展開、社会風刺とも取れる皮肉など、面白さが多く、視聴者を飽きさせない。また、フェルト生地だからこそのふわふわ感が非常にかわいらしく、どんな行動を取っていてもあまり憎めないような演出に繋がっていると感じた。
20. トナリはなにを食う人ぞ(漫画)
都内の大学へ進学し、一人暮らしを始めた稲葉すずな。大学デビューを目指してはりきるも、生活力のなさから上京早々金欠で行き倒れかける。そこを救ってくれたのが、マンションのお隣で大学のクラスメイト・瀬戸晴海。以来、すずなは瀬戸に料理を教わる日々を送る。 料理の腕前と女子力を向上させながら瀬戸と親交を深めていく、癒し系ラブストーリー。 料理を作るシーンや食べるシーンが多い。また、レシピや見た目までかなり詳しく説明されており、イラストの再現度も高いため、読んでいるだけでお腹がすいてくる。少女漫画でグルメがメインの物語はあまり見かけないため、新鮮な気持ちで読むことができる。また、あまり恋愛要素がそこまで強くないというのもこの漫画の魅力であると考える。
21. HUNTER × HUNTER38巻 (漫画)
暗黒大陸を目指す船内での三つ巴のマフィア抗争は激化。2つの組が共闘し、さらにヒソカを追う幻影旅団も抗争に加わり、エイ=イ一家を狩り始める。その最中、ノブナガは幻影旅団結成のいきさつを追懐する。 幻影旅団とは、2話、18話と序盤から名称が登場する盗賊の集団であり、主人公の仲間であるクラピカの宿敵である。2000年〜2001年に連載されたヨークシン編で活躍した彼らの過去が、20年以上の時を経てようやく明かされる。幻影旅団は、極悪非道の集団として説明されるが、作中に登場する彼らは根っからの悪人ではないような印象があり、どのような過去があるのかというのはファンの間で謎とされていた。それがようやく明かされ、今後の展開が期待される。また、主人公であるゴンが表紙に描かれているが、作中で一切登場しないという点について、作者からも本書で言及されているが、いつになったら再登場するのか気になるところである。
22. 『世界でいちばん透きとおった物語』 杉井光(小説)
出会った事も無い父親の遺作を探すとある青年を描いた小説。主人公が遺作を探す中で読者はいくつもの謎に包まれる事になるが貴方はそれを全て解けるだろうか。 ネタバレ厳禁、電子書籍化不可能と銘打つこの作品。単行本化もされておらず紙の文庫本だけの販売。ネタバレ厳禁なので内容を説明することも自分が感動した話をすることも出来ない。それでも40万部売れている事はこの作品の人気を表していると言えるだろう。授業内の作品紹介で知り、ネタバレもされたうえで読んだが、内容を知った上で改めて秘密について考えるというのも面白かった。
23. 北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし(小説)
極寒の地を治める伯爵・リツハルド。男前の元軍人・ジークリンデ。彼女の鋭い眼差しに心奪われたリツハルドは、思わずプロポーズをする。一目惚れからはじまる、1年間のお試し婚。ソリを駆ってトナカイを狩り、解体・仕分け・熟成。ベリーを摘み、保存食に蝋燭、伝統工芸品も作る合間に、凍結湖で魚釣り。自給自足な狩猟民族的スローライフを通して、奥手な2人は無事、正式な夫婦になれるのか。オーロラ輝く辺境ではじまる、不器用夫婦(仮)のほのぼの物語。 日本最大級のライトノベルコンテストである「第3回なろう(小説家になろう)コン大賞、金賞受賞作。雪国の暮らしが非常に丁寧に描かれる。料理がとても美味しそうであったり、自給自足の辛さとだからこその達成感がしっかりと描かれたりしているところから、読了後にじゅうぶんな満足感がある。また、移住してくるヒロインが軍人であるからこそ、極寒の地に耐えられるというストーリーの始まりによく納得できるため、なろう小説でよくある矛盾設定ではないので、とても理解しやすく納得できるものである。2人の関係がどんどん深まっていく様子が伝わり、非常に暖かい気持ちになる物語である。
25. 18trip(ゲーム) リベル・エンタテインメントとポニーキャニオンが共同で開発した、近未来の横浜「HAMA18区」を舞台に、"旅"をテーマにしたおもてなしアドベンチャーゲーム。 完全フルボイスのメインストーリーは、LIVE2Dでキャラクターがいきいきと動き、キャラクターの感情がリアルに伝わるのも相まって、感情移入しやすいものになっている。コメディとシリアスの差が激しく、質も量も申し分ない内容である。各観光区の区長達が時にいがみ合い時に協力して目標を達成し、絆を深めていくが、そこに至るまでの障害の癖が強く、読んでいて非常に面白い。また、旅というテーマに合わせ、現実の観光地とリンクした場所やものが登場するため、聖地巡礼を楽しむことができる点も魅力である。視覚や聴覚、そして現実世界を楽しませるゲームとなっており、ゲーム内に登場する観光客だけでなく、プレイヤーである私たちもおもてなしされている気分を味わうことができる。
26. 『ゆびさきと恋々』(漫画)
聴覚障害をもつ女子大生雪と世界を駆け巡る男子大学生逸臣の恋愛漫画。 生活を送る中で聞こえないことによる初対面の人に感じる壁が逸臣には無かった。それはおそらく逸臣がこれまで言語に関係なくコミュニケーションをとってきた経験からなのだろう。純粋な少女漫画と同じように恋愛を楽しみながら、ギャップのある人間同士の認識のすり合わせや歩み寄る意識の大切さを感じられる作品だ。聴覚障害というテーマが無かったとしても面白い作品だからこそ、ストーリーの中に上手く取り入れられてることで私達が人と関わる上でぶつかる壁と聴覚障害は何ら変わりのないものなのだと思わせてくれる。興味関心の無かった人にも広く周知してくれる作品になっている。
27. ネト充のススメ(アニメ)
会社を辞めて、自らニートになることを決意した盛岡森子、30歳。現実よりもネット世界を充実させるべく、イケメンキャラの“林”としてネトゲを開始する。自称“エリートニート”森子のネト充生活が始まる。 ゲーム内の世界と現実世界が徐々に交錯していくストーリーは、少し無理やりなところが感じられたが、もしかして、と思わせるような演出がみられ、ワクワクした。現実世界では女性だがゲーム内では男性、現実世界では男性だがゲーム内では女性のそれぞれのキャラクターが恋に落ちるのは、面白い展開であった。現実とゲームでは異なる関係性や距離感にもどかしい気持ちになりながらも、ドキドキする場面が多く、心が動かされながらみることができる作品であった。
28. Ib (ゲーム)
kouri氏による美術館を舞台とした探索ホラーアドベンチャーゲーム。両親とゲルテナ展を観に美術館に訪れた少女のイヴ。様々な作品を観ていたイヴだが、ふと気がつくとひとりぼっちになっていた。誰かいないか探し回っていると、次々に美術館に異変が起こる。 プレイヤーはイヴとなり、美術館から脱出するため探索していくことになる。そこには無数のギミックが仕掛けられており、周辺を調べて必要なアイテムを見つけ出し、パズルのようなギミックを解きながら先へと進んでいく。道中では、ギャリーとメアリーのふたりと出会う。彼らとともに行動することになるが、会話や行動の選択肢によって結末が変わっていく。 難易度の絶妙な謎解きの作り込みの数々や、不気味な雰囲気がありつつ可愛らしいピクセルアート、美しい音楽によって、プレイヤーは引き込まれる。エンディングが複数あったり、周回向けの要素があったりする点も魅力である。
29. 星屑の王子様(漫画)
不夜城・新宿歌舞伎町。欲望渦巻くこの街にきらめく、愛と狂騒を金に換えるホストと呼ばれる男たち。空前のホストブームのさなか、ナンバーワンたちの日常は、常識も倫理も超越した事件やトラブルで溢れている。シャンパンの泡のように刹那的で煌びやかで、時に残酷で狂気に満ちた男たちの生き様を描く、超新宿系サディスティックコメディ。 歌舞伎町のきらびやかな面だけでなく非常にダークな現実がしっかりとわかりやすく描かれている。救いようのないほどに性格が悪いキャラクターが大勢登場する。内容は重すぎることは全くないが、軽いタッチで生々しく描かれるホストを中心とした世界は、この世界の厳しさを伝え、安易な気持ちで近づいてはいけないことを教えてくれる。
30. 魔道具士ダリヤはうつむかない(小説)
交易と魔法技術で栄えるオルディネ王国。その王都に居を構える魔導具師のダリヤ・ロセッティは、亡き父の弟子で婚約者のトビアス・オルランドから、結婚前日に一方的に婚約破棄を迫られる。トビアスには既に新しい恋人がおり、新居にも出入りしていたのだ。予期せぬ出来事に愕然とするダリヤだったが、周囲の助けもありトビアスとの婚約を破棄、さらには生活と魔導具開発のため自身の商会を立ち上げる。そんなある日、素材の採取に森を訪れたダリヤの前に、負傷した血塗れの男が現れる。彼は王国騎士団魔物討伐部隊で最も危険な役割を担う「赤鎧」のヴォルフレード・スカルファロットであった。 様々な魔道具の発明に取り組む主人公の姿にカッコ良さを感じ、また、それを手助けするヴォルフレードとの関係性が、恋愛要素を少しずつ含んでいく過程を楽しむことができる。しかし、恋愛要素をメインとするにはあまりにも2人の進展が遅いため、魔道具の制作が本筋なのであろうと考える。転生モノではあるものの、転生要素がかなり少ないため、異世界物語を普通に楽しむことができる。今後の2人の恋愛面での展開に期待したい。
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