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宇都穂南 RES
3年 宇都
春休み課題11〜20

11.セブン/監督:デヴィッド・フィンチャー
あらすじ:退職を間近に控えたベテラン刑事サマセットと若手刑事ミルズは猟奇連続殺人事件の捜査にあたる。犯人はキリスト教における7つの大罪に基づいて殺人を繰り返していることが明らかに。やがてサマセットとミルズは容疑者を割り出すが、その人物に逃げられ、さらにミルズの素性が知られていたことも発覚する。そしてさらなる殺人事件が続いた後、驚愕の事態が……。独特のビジュアルセンスとダークな物語が話題を呼んだ戦慄のサスペンススリラー。

冷静なベテラン刑事×熱血若手刑事という今では定番のコンビものである。ラストの展開もなんとなく予想がついてしまうようなわかりやすいものなのだが、今作は1995年の映画であり、「ド定番の設定・結末の映画」なのではなくその定番を作ってきた映画の系譜のひとつなのではないかと思った。

12.パン屋再襲撃/村上春樹
あらすじ:堪えがたいほどの空腹を覚えたある晩、彼女は断言した。「もう一度パン屋を襲うのよ」。それ以外に、学生時代にパン屋を襲撃して以来僕にかけられた呪いをとく方法はない。かくして妻と僕は中古カローラで、午前2時半の東京の街へ繰り出した…。表題作ほか「象の消滅」、“ねじまき鳥”の原型となった作品など、初期の傑作6篇。

短編が6作品収録されているのだが、いくつかの作品に「渡辺昇」という人名が出てくる。他のさまざまな短編にも出てくるようなのでどうしても気になって調べてしまったのだが、漫画家・イラストレーターである安西水丸氏の本名らしい。安西水丸と村上春樹といえば、村上の書いたコラムに安西が絵をつけて本になっていた。人物の名前を考えるのが苦手な村上が安西に頼んで本名を使わせてもらっているそうだが、正直この短編集で渡辺昇の名前を付けられている人物や動物は敢えて名付ける必要もないような主要ではない人物ばかりなので、本当にそうなのか考察の余地があると思う。

13.変な家(小説版)/雨穴
あらすじ:YouTubeで2000万回以上再生のバズ動画
あの「【不動産ミステリー】変な家」にはさらなる続きがあった!!
謎の空間、二重扉、窓のない子供部屋——
間取りの謎をたどった先に見た、「事実」とは!?
知人が購入を検討している都内の中古一軒家。開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、間取り図に「謎の空間」が存在していた。知り合いの設計士にその間取り図を見せると、この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が存在すると言う。
間取りの謎をたどった先に見たものとは……。不可解な間取りの真相は!?突如消えた「元住人」は一体何者!?本書で全ての謎が解き明かされる!

YouTubeの動画→小説→映画、と変わったやり方でメディアミックスされた作品である。登場人物同士の会話がメインで進んでいくのだが、YouTubeでは人物が喋る映像と同時に字幕が出ている。小説は普通の散文の形式になるのかと思っていたら、「A(人名):『〜〜〜〜〜。』B:『〜〜〜〜〜。』」といった会話形式も用いられていた。これにより元動画らしさを引き継いでいる。無料で見られるYouTubeの動画からより踏み込んで事実を追い求める展開になっており、小説の方がミステリー色が強くなっている。

14.魔眼の匣の殺人/今村昌弘
あらすじ:その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。人里離れた施設の孤独な主は予言者と恐れられる老女だ。彼女は葉村譲と剣崎比留子をはじめとする来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。外界と唯一繋がる橋が燃え落ちた直後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ第二弾。

「クローズドサークル」で人が死ぬ、というと古典的だが、今作では予言者の予言を信じた一般人、それも犯人とは全く関係のないいわゆるモブがクローズドサークルを作る点が新鮮である。4人の犠牲者のうち2人が他殺ではなく自然による死(土砂崩れと熊によるもの)を迎えたのも新鮮な点であった。また第一作の『屍人荘の殺人』と同様、推理シーンに関しては本格ミステリといえる作品でありながら「超能力」の存在を真実として描いているところが大きな特徴といえる。

15.スプートニクの恋人/村上春樹
あらすじ:22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。――そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー!!

村上春樹の作品でよくテーマになるのは「喪失」だと思うが、本作のテーマは「孤独」だと私は感じた。性愛や、反対に性を伴わない愛や友愛をそれぞれ主人公の「ぼく」、すみれ、すみれの想い人である「ミュウ」は抱いているが、どれもうまくいくことはなく全員がそれぞれ孤独を感じている。そんな中すみれがこの世界ではないどこかへ行ってしまうのだが、この「異世界との行き来」もまた村上作品によく登場するモチーフである。またこの作品は「ミュウ」がすみれとひとまわり以上歳の離れた同性の人物であることから、クィア小説の側面を持っている。

16.夢で逢いましょう/村上春樹・糸井重里
あらすじ:片仮名の外来語を題目にして、村上と糸井がショートショートの競作をした本である。それぞれのショートショートは、取り上げられた外来語の五十音順に掲載されている。

村上春樹と糸井重里は文体の軽さという点で若干似ているが、この本を読んでいるとすぐ見分けがつくようになる。完全なフィクションもあれば、エッセイに近いものも収録されている。糸井が付けた『夢で逢いましょう』というタイトルについて、前書きで村上が「正確な意味は僕にもよくわからないけれど、『なんか、寝る前に読みなさい』ということかもしれない。あるいは僕と糸井さんが夢で会おうとしたのかもしれない」と述べているが、私は「夢みたいな支離滅裂な世界観を楽しもうよ」という趣旨の本ではないかと思った。高熱が出ているときに見る夢のような作品が多いからである。それぞれの作品がとても短く、「好き勝手書きたい場面を書く」ということがやりやすかったのだろうと感じさせる作品集である。

17.永沢君/さくらももこ
あらすじ:『ちびまる子ちゃん』の中でも異彩を放つキャラが多感な中学生男子となり主人公に! その名は「永沢君」! 藤木・小杉・花輪クンなど、おなじみのキャラクターも登場!

さくらももこの作品といえばブラックユーモアだが、その極致のような作品である。永沢君というキャラクターは、『ちびまる子ちゃん』においては主人公まる子のクラスメイトのひとりで暗く陰湿な男子であるが、その中学時代を描いたフィクションであり、ジャンルがエッセイに近い『ちびまる子ちゃん』とは一線を画している。
この本の紙の質感は古い漫画の紙の質感と似ていて、2019年に出た本なのにも関わらず『ちびまる子ちゃん』と同じような年代の雰囲気を感じる装丁になっている。

18.ひとりずもう 上/さくらももこ
あらすじ:「ちびまる子ちゃん」では永遠の小学3年生。でも、現実のまる子は成長していき、思春期を迎えていく。小5から、中学、高校…。まる子のその後を描くほのぼの成長記。おなじみのメンバーも登場! 描き下ろしエッセイ「ひとりずもう」のコミック版。上巻では小5から高2までを描く。

本作はエッセイや『ちびまる子ちゃん』の作風とはかなり毛色が違い、とても繊細に思春期の頃の気持ちを描いている。虫や鳥を飼い、毎日絵を描いて過ごすといったゆっくりとした時間の流れが感じられる。作者の学生時代にはSNSなどはもちろん無いため、友達と雑誌を読んでアイドルに憧れて服を買ったり、バイトをして貯めたお金で東京に遊びに行ったりとその頃の学生が何にどのように時間を使っていたのか、私たちにあまり想像がつかない部分が描かれておりその意味でも興味深い。

19.ひとりずもう 下/さくらももこ
下巻では高2から雑誌「りぼん」でのデビューまでを描く。

『ちびまる子ちゃん』から登場している、実在する作者の親友であるたまちゃんがアメリカに渡ることによる別れ、そして夢である漫画家を目指す過程をメインに描く。小学校からずっと一緒に育ってきた親友との別れが繊細な言葉と絵で描かれると同時に、そこから作者の内面の繊細さまでもが伝わってくるような気がする。
漫画家になるという夢を持っているなか、エッセイ漫画を描くというアイデアを実家の風呂場で思いつくシーンがあるのだが、風呂場に光が差しているような絵が本当にパッと光っているように見えるのがすごい。また上巻にも言えることだが、作者は本当に暇さえあれば絵を描いたり絵本を読んだり可愛いものを集めたりしていて、やはりなるべくして漫画家になったのだと思った。

20.Curve/監督:ティム・イーガン
あらすじ:目を覚ますと、そこは急勾配のコンクリートの上だった。女性はここから逃れられるのか。わずか10分ほどの短さながら怖すぎると話題のショート映画。

コンクリートの曲がった壁に不安定な体勢でどうにか滑り落ちず止まっている状態で、女性が上に登ろうともがく映像が10分続く。女性の演技の気迫が凄く、感情移入しながら見ていると心拍数が増える。考察が色々とできそうな作品だった。単にどう見ても登ることが不可能そうな壁でも、落ちるのが怖ければ人は登るしかできないという暗喩か、コンクリートの壁を女性の子宮に見立てて中絶を表しているのだと考えることもできるようである。たしかに向かい合った曲がった壁の形は子宮の形を想起させる。私は単純に人間の根源的な恐怖を擬似的に味わうことのできる映像作品を作ったのではないかと考えた。
2024/06/04(火) 04:40 No.2041 EDIT DEL
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