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山中 拓実 RES
3年 山中 拓実
春休み課題 10~20

11.『ef - the first tale』(minori)
<あらすじ>クリスマスの夜、雨宮優子は教会にいた。火村夕が在りし日の約束を果たすべく教会に訪れたことで、2人は再会を果たす。彼を懐かしむ優子。それから彼女は今からちょうど1年前に教会を訪れた「広野紘」について語り始める。

<考察>新海誠がオープニングアニメーションの監督を担当したことで知られる作品。本作ではムービーが多用され、事実そのクオリティは高い。背景描写なども同時代の作品とは比較にならないほどの出来栄えである。ただ、プレイヤーの任意で進めることのできるテキスト部分とは異なり一切スキップできないため、恐ろしくテンポが悪い。本作の説明には「斬新かつ映画的手法を取り入れた演出」とある。実際、場面転換にマッチカットなどの手法が再現されており非常に自然である。例えば、宮村が進路希望調査票を丸めて投げ捨てたときに切り替わり、広野が原稿を丸め捨てたところに代わる。
 本作のジャンルは「インタラクティブ・ノベル」である。それは何か。その答えはminoriの初作にあたる『BITTERSWEET FOOLS』の説明文にある。ここに引用する。

「“インタラクティブ・ノベル”である本作では、プレイヤーは従来のゲームに多くあった「主人公=プレイヤー」というスタイルではなく、言わば映画の観客のようなポジションで、幾つもの物語を紐解いて行く事になります。」

 この「主人公=プレイヤー」では主人公は簡素に描かれるもしくは、そもそも絵が存在しないこともある。これらでは主人公ではなくヒロインに常にスポットが充てられるため、本作では主人公もストーリーに登場人物として参加するというのが正しいだろう。広野自身にもしっかりと立ち絵が用意され、イベントCGでのアニメーション、背景への映り込みなどヒロインとほとんど変わらないような待遇を受けている。
 本作の主軸には宮村 みやこ・新藤 景・広野 紘の三角関係が置かれる。景は広野と幼馴染で、漫画家を目指し一生懸命な広野を見て景もバスケットボールにさらに精を出すようになった。そして2人は進学し、広野は同級生の宮村に出会った。宮村が広野と親密になったころ、景は宮村と屋上で話す。景は「やっぱり、努力してる人はなにもしてない人を認めませんよ。少なくとも、好きになるとは思えない」と突き放す。宣戦布告ととれるだろう。三角関係が終わると、雨宮の回想は終わりを告げる。そして2章に入り主人公は広野の悪友、京介に変更される。ここには本作がインタラクティブ・ノベルであることの特徴が非常に出ている。

12.『SNOW P・E』(StudioMebius)
<あらすじ>一年中雪の降り続ける龍神村。なぜ降り続けるのか。それは昔、とても悲しいことがあったから。閉ざされた、白の世界。遥か昔、空を司る龍の姫は地上の男に恋をした。しかし、それは叶わぬ恋であった。それから、龍は雪を降らせ続けた。それを村人たちは「悲恋の伝説」と呼び、降り止まぬ雪の冬の季節は今も続く。
 従姉の経営する旅館の手伝いに来た主人公は、途中で事故に巻き込まれてしまう。しかし奇跡的に生きていた。事故の直後、ある少女は神社にお百度参りをしていたという。彼女こそ、彼方の帰りを10年もの間待ち続けていた雪月澄乃。彼女との悲恋の物語が始まる。

<考察>本作の舞台設定について。舞台である龍神村は若者が少なく、過疎化の進む村であるとの説明がある。また、本作は京都府美山町が制作においてその資料となったとされている。この町は2005年の合併により現在は「南丹市」の一部となっている。長光太志によれば美山町は2001年には65歳以上の人口が32.6%を記録した。これは超高齢社会の定義である21%を優に超える数値であり、本作の架空の村である龍神村も過疎化の進む設定はそれが反映されたものと考えられる。その原因を高度経済成長に伴う若者の都市部への流入と言ってしまうことなく、土着信仰と絡めた点について幻想的で素晴らしいと感じる。
長光太志.「世代別人口の増減から見る美山町の特徴」.佛大社会学.2016-03-20.40.P.63-73.

 本作を制作した「Studio Mebius」自体には現在、実質的な動きはない。しかし、本作のプロジェクトに参加したメンバーが独立し「ゆずソフト(実際には法人化以前に「TEAM-EXODUS」として活動)」として活躍している。ゆずソフトは現在業界で抜群の知名度を誇り、若年層のユーザーからの支持の高いブランドである。また発売延期を行わないなど信頼も高く、シナリオよりもキャラクター萌えに特化した作品を作ることに定評がある。

13.『コイバナ恋愛』(ASa Project)
<あらすじ>主人公の通う男子校が廃校となり、生徒たちは女子校への編入となった。登校日、ドキドキしながらドアを開ける男子生徒たち、しかし「思ってたんとなんか違う!!!」な共学学園生活が待っていた。
 だがそれは共学化デビューをしようとイメチェンした少女・乙女こころも同じだったようで。恋愛弱者たちが繰り広げる学園コメディのはじまり。

<考察>
 本作における生徒会や部活の活用。
学園を舞台にした美少女ゲームのヒロインに最も多いのはおそらく同級生、次に後輩、先輩と続く。同級生は教室が一緒もしくは隣り、移動教室の席が近いなど自然にヒロインとの接点を作ることができる。また体育祭や文化祭でも学年ごとに行われるためにイベントを利用することもできる。
 しかし、他学年であるとどうだろうか。『それは舞い散る桜のように』の森青葉のように近所に住まわせることで遭遇を自然にする方法もある。ただ通常行われるのは部活や生徒会、委員会といった他学年も所属する団体だろう。本作もその例にもれず、一学年下の夕暮常夜は生徒会に、先輩の春風めぐりはバスケ部に所属し、さらにはクラス委員なので生徒会に出入りしている。またこれによって主人公は授業を受けるだけで下校する日々を続ける旧来のゲームシステムからの脱却を果たしている。団体は曜日や出来事によっては放課後に主人公が半ば強制的に居残らなければならない状況を自然と作り出すことができる。

14.『夜が来る! -Square of the MOON- Remastered』(アリスソフト)
<あらすじ>3年前、突如として現れた2つ目の月、通称「真月」。しかし日が経つにつれて人はその存在を気にしなくなっていた。
 最近件数を増やす異常犯罪。ある時、異形の化け物に襲われた主人公・羽村は赤い目をした少女・いずみに助けられた。彼女から誘われる。「一緒に戦ってほしいの」
 いずみと羽村、そして蒼き夜を開く仲間たちとの戦いが始まる。

<考察>2001年に発売された作品のリマスター版。本作は現代伝記RPGと謳うだけあって、ソーラーパネルを全面に張り付けた高層ビルを物語の重要なオブジェクトとしている。この発想はどこから来たものなのかを考察する。
 現代におけるソーラーパネルはその廃棄、気象災害による故障、施工にかかる費用などの問題が山積している。さらに水素エネルギーの登場もあり、その注目は凋落の一途をたどっている。しかし、本作の発売された2001年での扱いを見てみたい。90年代後半から00年代前半は日本企業がソーラーパネルを独占していた時代であった。2006年までシャープは太陽電池のシェア1位を獲得していた。
 また住宅用太陽光発電の販売は93年から開始され、翌年からは国からの補助金が出るようになった。これにより、徐々に導入数は増加。さらに、岐阜県羽島市にはノアの箱舟をアイデアとした巨大太陽光発電施設「ソーラーアーク」が三洋電機によって98年に設計、2001年に竣工した。これは発電量の低いパネルが使用されている点、南からは西へ20度ズレていることからモニュメントを意図した部分が強いだろう。
 これらのことから、本作が制作された当時ではソーラーパネルが次世代発電の期待の星であったことは想像に難くない。実際に壁面にソーラーパネルを貼り付けた巨大ビルは日本において2012年に東京工業大学が建設するまで待つことにはなる。
 本作では非常に深い問いかけがさりげなく挿入される。終盤、町を包み込んだ永遠の夜が人々に永遠の夢を見させているとき、鏡花がマコトに語りかける。「もしこの夜が明けて、朝が訪れても、それでも・・・」「夢の中に留まりたいと願う人は、たくさんいるんでしょうね」「私たちのしている事って、どれほどの人を救えるのかしら・・・」と。これには現代社会から逃げたいと願う人々が反映されているのだろう。また、この話が鏡花とマコトの2人で交わされることが重要である。鏡花には失踪したままの姉・ミサトがおり、マコトは火者ではない妹分のキララを光狩の被害に遭わせてしまった。そう、彼女らは現実から目を背けたいのだ。
 「赤色」について。日本において赤は古代より神聖視された色である。それは太陽や血の色であり、魔除け・厄除けの効果があるとされる。実際に神社の鳥居、着物の配色にも使用される。しかし赤は同時に妖怪などの人外を表現するためにも使用される。例えば、ヤマタノオロチがその代表だろう。小川宏和によれば、日本語額における赤は光を表す「明」が語源であり、意味を共有し、また『万葉集』からは赤色には清浄性の意味がつけられているという。さらに天皇の行幸の際には赤幡が掲げられていた。

 これらのことから、赤色には吉凶にかかわらず人知を超える力があると認識されていたと考えれられる。本作で人を超えた力を有する「火者」は火倉いずみのように赤い目を持っている。また、古代より夜や闇を払うものとして活動しているため、日本における赤色への認識と一致しているだろう。
小川宏和.「[論文] 赤幡考 : 日本古代における赤色の機能について」.国立歴史民俗博物館研究報告.国立歴史民俗博物館.第218集.2019-12-27.P.167-182

15.『弟切草』(チュンソフト)
〈あらすじ〉山道を車で走る二人の男女。奈美は、ある植物の群生を見つける。それは凄惨な事件の伝説で知られる「弟切草」であった。そのとき、車が故障。
 車から降りた2人は近くに灯りを見つけ、近づく。そこはあたりを弟切草に覆われ、古びた洋館がそびえたっていた。迷い込んだ2人は運命やいかに。

〈考察〉本作はノベルゲームの始祖とされる「サウンドノベル」をたった一作で築き上げた知る人ぞ知る名作。30年以上前の古い作品だが、前述の評価から一度は触れておきたいと思いプレイした。
 私は本作から多くのことを考察することができた。シナリオを担当した長坂秀佳は江戸川乱歩賞を受賞したことで知られる人物であり、多くのテレビ番組の脚本を担当している。本作はホラーであり、この後の多くの美少女ゲームがホラーテイストであったことには本作の影響があるだろう。
 BGMは要所要所で使用されるのみで、その他ではSEのみが鳴るようになっている。当然、技術的な制約による仕様ではないだろう。考察としてホラー作品として電話のベルが鳴ること、シャワーから水が流れる音などが強調されることで緊張感を演出しているのだろう。またBGMが流れるシーンでは焦燥感や重要なシーンが非常にわかりやすく全体に緩急をつけることにも成功している。
 特筆すべき点として、本作の機能には現在では普通だが当時としては珍しいものが多い。オートセーブ、制約は多いがバックログも搭載している。
 本作は何度も繰り返しクリアーすることで選択肢が追加され、他のエンディングを見ることができるようになっている。そのため最初のプレイは1時間ほどであり、ボリューム自体は短編小説並みである。プレイ自体は容易と見ることもできなくはないが、さすがに短すぎるというのが本音である。ただ、長坂は説明書で「ゲームソフトでドラマが語れたら!」と記述している。そのため1時間というのはある意味では狙ったものではないだろうか。

16.『ヨスガノソラ』(Sphere)
<あらすじ>双子の兄妹・春日野 悠と穹はある日、かつて祖父母の住んでいた街に逃げるように移住した。そこには一つ上の依媛奈緒、叉依姫(さよりひめ)神社の氏子の家系である天女目 瑛といった2人にとって幼少期の仲間が変わらず住んでいた。
 彼女たちとの再会と、成長した登場人物たちの抱える問題にぶつかっていく。

<考察>瑛の祖父が氏子であることについて。私は氏子をよく知らなかったのでここに記述する。氏子とは神社を支える場に立つものである。また、山田らは「氏子は崇敬対象である神社を維持・運営してきた存在」としている。さらに氏子は複数おり、経常費や維持費を捻出する立場でもある。しかし現代は祭礼の形骸化が進んでいるとしており、それらの継続が難しくなっていることを指摘している。
 私はまた「氏子」が祖父であるというのに瑛は神社の家系であり、彼女自身は巫女であることに疑問に感じた。これは調べた結果判明したのだが、小規模の神社では氏子の少女が巫女の担当をすることはありふれたことであるそうなのだ。そのために瑛がこの状況であるのはそこまでおかしくないのだろう。このことから本作は神社、さらには神道への理解が他よりも優れていると感じた。また、キャラクターごとに知識に差があると人柄にしっかりと違いが出る。
山田 歩美, 加藤 雅大, 有賀 隆.「社会的紐帯としての神社祭礼の形式と運営の変容に関する研究」.都市計画論文集.55巻3号.2020-10-25.P.1159-1164

 瑛は巫女として神楽舞の役目がある。題目は「開闢新地」。これは神社を舞台として彼女が「叉依姫」に扮し、民を悪の手から救う勧善懲悪な物語形式の舞となっている。
 これ自体はフィクションであろうが、本作の舞台となっている栃木県の樺崎八幡宮には「太々神楽」と呼ばれる神楽舞がある。実際に氏子が奉納や模擬店を運営する。ただ題目は完全に変更されている。この太々神楽は伊勢から伝わったとされているので伊勢流神楽の発展形だと考えるのが妥当であるが、本作では瑛が巫女の格好で登場するので「巫女神楽」の一つだろう。

17.『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』(エルフ)
<あらすじ>日本史研究者の父が落石事故で亡くなった。時を同じくして、家に小包が届く。中には見たこともない鏡とガラス玉のはまった物体が入っていた。それとともに手紙が入っており、それは父が自分にあてたものであった。「過去から現代へと至る道が、唯一無二の、一つの道ではないとしたら、どうか。」
歴史は繰り返さないが、時の流れは可逆であるという。父は死んでおらず、時をさかのぼったというのだ。
 そして物体は時間を、可逆可能とする装置であった。これはタイムマシンではない。時間を移動したとして、その先は唯一無二の場所ではないからだ。主人公は父を探す旅を始める。

<考察>『動物化するポストモダン』でも紹介されている作品。分岐を可視化し、特性を利用したストーリーとしたことが重要である。分岐を意図的に遡ることができるようになっているなど、世界観にしっかりと労力を割いている。実際に遡って別の行動をとると、登場人物たちの反応や主人公への態度が大きく変わるようになっている。プレイヤーとしても疑似体験しているような感覚になるので満足感の高い作品である。しかしほとんどノーヒントであるので難しい。

18.『ATRI -My Dear Moments-』(ANIPLEX.EXE)
<あらすじ>「この星は沈みゆこうとしている」原因不明の海面上昇で、地球沿岸部の大半は海に呑まれた。さらに人口減少が加速度的に進むこの世界で生きる主人公・夏生。
 彼は海洋地質学者であった亡き祖母が遺した遺産を見つけるべく、今日もかつての都市に潜っていた。そこで見つけたのは棺のようなものであった。やっとのことで掬い上げると中からは少女の姿をしたヒューマノイドが現れた。彼女こそが祖母の遺した宝であった。
 「私は見守る、沈みゆく地球を。滅びの運命に抗おうと、あがくヒトたちを。」

〈考察〉本作は発売がアニプレックスの新ブランド・ANIPLEX.EXEであり、制作はFrontwingと枕が行っている。双方、「グリザイアシリーズ」や「素晴らしき日々~不連続存在~」・「サクラノ詩」などの大作で知られる名高いメーカーのタッグによって生まれた作品。
 主人公の設定は近年になってようやく現実の世代に沿ってきたという印象。本作の夏生は人口減少の最中に生まれ、大人たちの話す豊かな時代を知らない。それどころかそのまま海面上昇が起きてしまった。これは高度経済成長期やバブル期を知らない世代、すでに人口減少が始まっていたという記述から氷河期世代よりも後の世代と重ねることができるのではないか。現代の20代に向けた作品になっていると考えられる。
 ただ、ロボット少女との邂逅譚というのは美少女ゲームでは25年以上前からある。はっきり言ってありきたり、ポピュラーな題材である。その最初の出世作は『To Heart』の「HMX-12マルチ」だろうが、彼女とアトリの比較をしてみたい。まず演出上において双方がロボットらしく見せる場面について。マルチはノートパソコンを使用した充電機能や耳にハリボテのアンテナ、ついでにその姉妹機に当たる「HMX-13セリオ」と製作者である「長瀬主任」がいた。このように容姿や環境によって人間ではないことを見せている。
 しかし、アトリは打って変わる。彼女自身は見た目は人間そのものである。しかし彼女の行動や発言からそのロボットらしい部分が見えるようになっている。記憶を辿る時には「私のメモリーには…」と発言したり、「高性能ですから」と自慢げに話したりする。またそのボディ、運動能力は人間を遥かに凌駕しており、主人公を抱えて橋から飛び移ろうとしたり、痛覚こそあるようだがダメージはほとんどない。また彼女は呼吸を必要としないため、海に落ちても多少驚くだけである。このように、人間とはかけ離れた姿を見せている。
 これらのことから私は表現力の向上によってヒロインの外側からではなく、内面からの演出によって形作ることに成功していると感じた。
 またアトリは義足の主人公を介抱するヒューマノイドである。彼は幻肢痛に悩まされているし、ある意味ではケアの物語として受容できる。主人公がうなされた夜、アトリは彼を介抱する。そのために幻肢痛が和らぎ、彼自身も安らぎを感じている。さらに結果として彼が一念発起し、再スタートをきることにもつながった。
 これは、実際に足の代わりになるのではなく彼が必要している安心を満たすことで心のケアを行っていると考えることはできないだろうか。
 設定上、主人公専用に作られていない義肢のために幻肢痛は起きていた。だが、住谷は患者の心理的要因は幻肢痛の発生頻度に影響するとし、さらに「日常生活で心理的ストレスを多く感じる患者ほど幻肢痛の発症頻度が高いことなどが報告されている。」としている。明言されることはないが、制作陣もこれを認識していたのではないだろうか。
住谷昌彦 幻肢痛 脳科学辞典 DOI:10.14931/bsd.2324 (2014)

19.『ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart』(コナミ)

〈あらすじ〉この春、「はばたき学園」に入学した主人公。時を同じく、主人公には小学校以来にイギリスから帰ってきた幼馴染・風真玲太と再会した。彼とは幼少期に願い事をのせて願いが叶うといわれている風車を回していた。彼との再会。
 同級生、幼馴染、はたまた教師と主人公のハチャメチャな恋愛譚が幕を開ける。

〈考察〉美少女ゲーム、所謂アドベンチャーやノベルタイプの作品は男性向けのみならず女性向け作品も根強い人気がある。現在では男性向け作品が家庭用ゲーム機に移植されることは減少し、ゲーム業界の重鎮である「コナミデジタルエンタテインメント」が『ときめきメモリアル Girl's Side』シリーズを手かげているためその知名度は逆転していると言って差し支えないだろう。
 本作を開始してまず驚いたのはその演出力。基本的なシステムはオーソドックスであるのだが、立ち絵を動かすLive 2Dの質が高い。また、ときめきメモリアルシリーズといえば主人公の能力をコマンド選択によって上昇させていくシミュレーションの要素が大部分を占める。そのUIのピクトグラムも洗練されていて一目で内容がわかる。
 しかし、ADVとしては「足りない」と感じるシステムもある。例えば、バックログ。これはすでに読んでしまったテキストをその場で読み直すことができる機能であるが、本作には搭載されていない。だが、これについては本シリーズがコマンド選択とノベル部分を交互に行き来するシステムをとっているためさほど問題にはならないだろう。
 次に既読スキップ機能。これはすでに読んでしまったテキストのみをスキップできるものである。未読と既読の違いが明確になり、既読の文章をまた読むことなく周回できるため美少女ゲームでは重宝される。特定のボタンを押すことでスキップ自体は可能だがこちらも搭載されていないようだ。

20.『AIR』(KEy)
<あらすじ>ある、暑い暑い夏の日。身寄りのない主人公は、旅を続けていた。彼は法術、簡単な魔法で人形劇を見せ、日銭を稼いでいた。だが、ついにこの田舎町で金が底をついた。旅の目的は亡き母から聞かされた「空の夢」を見ること。そこには翼を生やした少女がいるという。
 主人公を拾った神尾観鈴とその母、橋で出会った霧島佳乃とその姉。配線になった駅で出会った遠野美凪。心に穴が開いたままの登場人物たちの運命は。夢の真相は。

<考察>本作のテーマは「親子愛」だろう。様々な親子関係が登場する。本作では観鈴のような母子家庭、主人公のような天涯孤独、佳乃のように両親とは死別した姉との二人暮らしなどがある。そのため、主人公の情報の割合が非常に少ない。各ヒロインの家庭環境についての内容が大半を占めている。またそれ以外にも、ヒロインの語りや日常生活を見ることが多い。そのためにプレイヤーは主人公に感情移入することが難しく、ヒロインに同調してしまう部分が大きいだろう。
 主人公はぶっきらぼうで、プライドが高く、少なくとも善良ではない。それに素直に謝ることができない。そのため、本作の選択肢では、彼の性格とは正反対の「正直に話す」や理不尽ともいえる提案に「素直にうなずく」などを選ぶことが攻略の鍵になってくる。
2024/05/29(水) 13:10 No.2029 EDIT DEL
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