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山中 拓実 RES
3年 山中 拓実
春休み課題 1~10

1.『姫様、”拷問”の時間です』原作:春原ロビンソン 漫画:ひらけい
<あらすじ>王国の王女でありながら、第三騎士団の長を務める才色兼備の「姫」
しかし彼女は運悪く魔王軍の囚われの身となってしまう。最高拷問官のトーチャー・トルチュールは情報を聞き出すべく、彼女を拷問にかけていくのであった。

<考察>グルメや温泉などで姫を篭絡し、役に立たない情報を吐かせていくギャグマンガ。考察として拷問の内容に着目した。「公園で遊ぶ」や「一緒にゲームをする」など一見、ただふざけたものに思えるが、その多くが姫が囚われる前に禁止されていたものである。そのため、実際に彼女の興味を引くには有効なものである。ある意味では、姫が周りの人間が普通に行ってきたことを遅れながらも獲得していく話と捉えることもできると感じた。

2.『江口さんはゲーム脳』作者:となりの岸田
<あらすじ>美少女ゲームを愛する高校生・江口真子。今日も今日とてオタク仲間と他愛のない話をしていた。しかし今日は違った。学年一のイケメンで文武両道。さらには「幼馴染」の王子 翔が真子を訪ねて現れた。まるでゲームのような急展開に驚きを隠せない彼女は共に屋上へ。
 真子はそこでデッサンモデルを頼まれる。期待は大外れ。読者困惑のフラグ乱立系ラブコメ、今始まる。

<考察>本作は多くのパロディや共通認識がちりばめられている。それらから私は『動物化するポストモダン』で東浩紀が語っていた「萌え要素」を強く認識することができた。先述のパロディは名前やキャラクターの表情や台詞から推測することができるためわかりやすい。
 しかし、共通認識は美少女ゲームをプレイしたことのある者しかわからないようなものばかりである。人物のポーズ、髪型、アクセサリー、台詞を読み上げる際のニュアンスなど。これらはある特定の出典があるというよりも「美少女ゲームらしい要素」であり、明文化されているわけではない。これらは「萌え要素」といって差支えないだろう。


3.『映画大好きポンポさん』(映画)配給:角川ANIMATION
<あらすじ>映画の都「ニャリウッド」で活躍する天才映画プロデューサー・ポンポさんのもとで働く青年・ジーン。屈指の映画通である彼は、同時に確固たる自分だけの映画の世界を持っていた。
 彼を見込んだポンポさんは映画『MEISTER』の脚本を渡し、制作を任せることに。またその主演女優には、田舎から出てきた役者志望のナタリー・ウッドワードを指名。2人の過酷な映画製作が始まった。

<考察>本作の面白さとしてジーンが動画編集をするシーンがある。多く挿入されるのだが、そこでは彼自身がフィルムを斧のような武器で切り裂く演出がなされている。また、様々な映画のオマージュが見受けられ見ていて満足感も非常に高い。しかし全体の視点は制作者や映画オタクではなく、一般の観客に向けられている。

4.『WHITE ALBUM2 -introductory chapter-』(Leaf)
<あらすじ>軽音楽同好会に所属する北原春希。彼は学園祭でのコンサートに向け、準備を進めていたが、直前にしてメンバーの起こした痴情のもつれにより同好会は崩壊。そこで持ち前の生真面目さが働き、足りない担当のスカウトを始める。学園のアイドル・小木曽雪菜、天才ピアニストを母に持つ素行の悪い冬馬かずさをそれぞれボーカル、ピアノに加入させた。そして無事、コンサートは大成功に終わった。
 学園祭が終わり、雪菜は春希に告白した。3人の関係は変化していく。

<考察>本作は『冴えない彼女の育てかた』や『パルフェ 〜ショコラ second brew〜』で知られる丸戸史明が脚本を担当した作品である。また本作は導入であり、後述の『WHITE ALBUM2 -closing chapter-』と合わせて作品は完成する。さらに、本シリーズは美少女ゲームにおける最高傑作と言われている。
 特に目新しい点はないものの、とても丁寧に作られていると感じた。シナリオは痴情のもつれを収拾した主人公が痴情のもつれによって関係を崩壊させるいわば「ミイラ取りがミイラになる」ようなものであり、簡潔でわかりやすい。導入の作品としてとても良いと感じる。
 雪菜がコンサートのラストナンバーとして作詞してきた「届かない恋」が本作の主題歌となっている。この詞には雪菜の春希との馴れ初めから恋心を抱いた後までの彼女の心が詳細に記されている。本作からは夏目漱石の長編小説『こゝろ』が連想されるとの指摘がある。先生は雪菜、親友のKをかずさ、お嬢さんを春希に重ねることができ、雪菜はかずさの想いを知っていながら出し抜くように春希に告白した。そしてそれぞれの心情の描写が非常に丁寧であるのも共通点だと思う。

5.『WHITE ALBUM2 -closing chapter-』(Leaf)
<あらすじ>峰城大学へ進学した春希は雪菜から逃げるような生活を送っていた。そこではマイペースな親友・和泉千晶とともに大学生活を送っていた。
 しかし、ひょんなことから雪菜と再会。さらにバイト先である出版社の記事に「冬馬かずさ」の名前を発見。ピアニストになるべく、ウィーンに飛び立った彼女は、当初の期待を超える活躍を見せていた。さあ、WHITE ALBUMの季節を終わらせよう。

<考察>本シリーズは「精神的に参る作品である」や「プレイすることで体調不良に見舞われる」と言われる。私としても息が詰まるような非常に辛い内容で、幾度もプレイの続行ができなくなった。その理由について考察する。
 前半は春希と千晶のかけ合いやアルバイトがコメディとして成り立っており、春希もいたって平穏な大学生活を送る。しかし、雪菜との再会を機に大きく変容する。彼女は少しでも春希と素直な関係を持ちたいがために、半ば自暴自棄になる。だが、そんな時でも春希は怒ることができず、なだめるばかり。そのため、本作でピックアップされるのは「怒ってくれる」ことである。相手のことが嫌いな場合を除いて、怒ることは相手を心配して、また素直に行われるものではないだろうか。そのため、雪菜は「自分をどの程度想っているか」の尺度として利用している。
 後半になると、雪菜との関係修復に春希とともにプレイヤーも頭を抱えることに。その時に魅力的なサブヒロインに逃げ込むと当然、修復には失敗し八方塞がりになってしまう。この救いのない展開が待ち受けているため、プレイヤーが進むべき道は実質的に雪菜に縛られている。

6.『WHITE ALBUM2 -coda-』(Leaf)
<あらすじ>雪菜とよりを戻してから3年後の冬。それぞれ就職した2人は、多忙ながらも順風満帆といえる生活を送っていた。そんな中、春希がフランスに出張することに。雪菜も行きたいと出張の最終日、2人はストラスブールで落ち合う約束をしていた。また春希は、この地でプロポーズしようと意気込んでいた。
 そんな彼のもとに、ある女性が現れる。それは、彼が5年もの間一瞬たりとも忘れることのできなかった想い人。WHITE ALBUMの季節がまた始まり、俺はまた嘘を重ね始める。

<考察>本シナリオは『WHITE ALBUM2 -closing chapter-』に収録されている本当の最終章である。私はプレイしている間の大半は頭痛がしていた。予測しうる最悪の展開が頭をもたげ、この先を知りたくないと感じていた。本作こそがシリーズの集大成であり、最も辛いものであった。しかし、かずさとのシナリオを読まずにはいられないのがここまでプレイしてきた者の性であろう。
 舞台に海外であるフランスを盛り込み、主人公たちが成長したことを感じさせる。ただピアニストとして母とともに過ごしていたかずさは2人と比較して幼く見える。取り残されてしまっているような彼女ではあるのだが、本作ではそのかずさに焦点が当てられる。彼女自身も置き去りにされていることは感じており、その感情を露わにする。それがひどく切なく、また魅力的に映る。

7.『9-nine-ここのつここのかここのいろ』(ぱれっと)
<あらすじ>ある日、地元の神社に安置されていた神器の破損を皮切りにその都市に暮らす生徒たちが続々と特殊能力に目覚めた。主人公・新海翔のクラスメイトで優等生で御令嬢の九条 都も目覚める。
 そこに能力を悪用したとみられる怪事件が続けざまに発生。彼女たちは命を賭けた事件解決に取り組む。

<考察>9-nine-シリーズの1作目。本作は全体において起承転結の起から承ととれる内容となっている。ナンバリングごとに焦点に当てるヒロインが定められており、本作では主人公のクラスメイトである九条都がピックアップされている。
 本作は怪事件への導入を果たしつつも、九条の「人となり」を魅力的に見せている。彼女は「他人の所有物と所有権を奪うことができる」能力に目覚める。
 なぜこの能力を得たのかを見ていくことで、その描き方を理解することができる。この能力の悪用がたやすいことは想像に難くないだろう。さらに本作の設定として、思い入れのある所有物が「アーティファクト」として所有者に能力を持たせる。このアーティファクトを盗むことができれば相手を無力化させることさえできてしまう。
 このような能力を持っていながらも彼女は平和利用を志しており、仲間を助けるためや事件を解決するために使用する。そのため、能力は彼女の存在意義を底上げしているが、彼女自身が善人であることを強調している。そのためにヒロインを魅力的に見せることに成功していると感じる。

8.『9-nine-そらいろそらうたそらのおと』(ぱれっと)
<あらすじ>ある日、主人公の妹・天が「他人から存在を気づかれないようになる」能力に目覚めた。彼女は表面上では能力のない兄をからかいながらも、怪事件を追い続ける彼を助けられると喜んでおり、兄もその能力に頼りきりになっていた。しかしその矢先、兄の危機を救おうとした天の能力が暴走し巨大な厄災が訪れる。

<考察>本シリーズは4作が同じ世界を起点として各ヒロインをピックアップし、オリジナルの脚本が描かれる。そのため、本作は天が能力に目覚める地点から開始されている。主題に置かれたヒロインは物語だけでなく、新たな表情差分が7つ追加されているなどの優遇措置が設けられている。
 今回は主人公の妹である「天(そら)」が選ばれた。それはなぜなのか。彼女の能力は対象の存在感を操るものだが、後半では彼女自身の存在が薄れるという悲劇に転じる。そこで兄は天のことを絶対に忘れないと約束する。
 本シリーズの一本はあまり長くない。価格としてもロープライスなので当然ではあるのだが、この存在が薄れてしまうのが赤の他人から親交を深めたヒロインであったならどうだろうか。プレイヤーは短時間で急に構築された強いきずなについていけるだろうか。そのために生まれた時から常に共に過ごしてきた兄妹という関係性を利用することで、それらを払拭することを目指したのではないだろうかと考えた。
 ノベルゲームにおいてある村や町の土着信仰をもとにした和製ファンタジーというストーリーは非常にオーソドックスなものであり、既に30年ほど利用されている。本作も例にもれず、白蛇を信仰対象としているのだが、その伝承をぬいぐるみ型のキャラクター・ソフィーティアを介して異世界とつなげてしまうとは斬新で面白いと感じた。
 本作の評価点は天の軽口や主人公との掛け合いなどのシーンと能力者同士による生死の懸かったシリアスなシーンとのメリハリが非常に上手につけられていることであろう。それゆえにエンディングの感動も高まる。

9.『9-nine-はるいろはるこいこいのかぜ』(ぱれっと)
<あらすじ>香坂春風、主人公の先輩の3年生。普段の彼女はおとなしく、人見知りが激しいが能力を使うと一変。堂々とした大胆不敵なお嬢様に。彼女は能力を得た際に春風を助けるための二重人格として誕生した姿であった。
 時を同じくして、九十九神社の巫女・成瀬沙月が神・イーリスを降ろすことができるようになる。彼女はソフィーティアと同じ容姿・声色をしていた。2人の関係は。事件の真相が明らかになる第3章、はじまる。

<考察>パラレルワールドの疑似体験について。
本シリーズは同じ舞台で別のヒロインを主体としたオリジナルの物語が描かれる。しかし巧妙なのは主人公が前作とは異なった行動を起こすことで作品世界内に別の世界線、所謂「パラレルワールド」を発現させていることだ。また、それを異世界の住人・ソフィーティアは「あなたの小さな選択が大勢に影響を与え、枝分かれを発生させている」と発言しているため、感知している。つまりプレイヤーは主人公の視点を持ちながら、キャラクターであるソフィーティアがメタ的視点を持っているということだ。
 そのため本作は、プレイヤーが順当にシリーズを進めていくことでゲーム媒体を利用して疑似的にパラレルワールドを体験できるようになっているのである。
 主観を利用した構成。
本作では氏神「イーリス」が登場し、これまで主人公たちを手助けしてきたソフィーティアが危険であると忠告してくる。ソフィーティアは能力者の所持する力の源・アーティファクトの回収が目的であるとして主人公に近づいたのだが、イーリスは本当に主人公たちだけを手助けしているのかと疑問を投げかけたのだ。ノベルゲームというゲームジャンルはその性質上、プレイヤーが主人公と同化し主観としてストーリーを進めていく物が多い。そのため、主人公が知り得た情報のみがそのままプレイヤーの考えに直結する。
 そのため、ソフィーティアの視点に立つことは非常に困難であり気づきにくい。つまり、本作は媒体の特性を逆手に取っている。しかしこの問いかけはミスリードであり、プレイヤーはこのイーリスにまんまと騙されることになる。
 実は本作、3作目にして初めて主人公のいない視点での会話が詳細に演出されている。それはソフィーティアに扮した敵と主人公の親友であり、一連の事件の首謀者・深沢与一の会話である。このことからもこれまで主観を重要視してきたというのは読み取れるだろう。

10.『彼方の人魚姫』(Wonder Fool)
<あらすじ>海に面した村に1人で暮らす波島伊月はある日、溺れた子供を助けようと入り江に飛び込んだ。しかし、彼自身も溺れてしまう。その時、海中から「人魚」が現れ、2人は助けられることとなる。人魚、それはこの村で古くから人を助ける神として信仰されてきた。また人魚には人の姿になってしまう奇怪な病があることも知られていた。
 そして今年は、夏休みの直前に1人の人魚が陸に上がる。

<考察>葵は藍魚が綾音に似ていると感じ始める。考察として、既に亡くなっている綾音がどのような人物であったかを回想シーンなどでプレイヤーに説明するのではなく、人魚という話の本質をブレさせないためにも、あえて簡単に説明を施すのみにしているのではないか。
 舞台が田舎であり、転校生が登場するのは美少女ゲームの定番のシチュエーションであるといってもよいだろう。しかし、そこにオリジナルの要素として「人魚」がある。他の作品でも村の風習として、ある特定の伝説や偶像をかつてより信仰してきたことはそれもまた定番であった。そのため、オリジナルにはなり切っていない部分もあると思った。
 本作では語り手の交代が度々行われる。通常は暗転と話者の名前が表示されることでそれを知らせるが、本作ではそれに加えてアイキャッチを利用することでよりわかりやすくなっている。また語り手の交代は雰囲気を変える役目も、話者の気持ちを描くことができるという特徴があるためにより会話をしているかのような疑似的な双方向性を感じることができるのではないか。
 本作は正直に言ってあまり評判は良くない。その最たるものには「なんでもないことを大事として扱っていて冗長」というものがある。私としてもこれは共感できないわけではない。藍魚が綾音との過去の秘密を打ち明けるときが顕著である。彼女は人魚の王族に伝わる超能力を使い、綾音を生き返らせることに失敗したことを懺悔する。このシーンが本作において最も盛り上がるシーンなのだが、はっきり言って許されることは見え見えで端的に言えば「予定調和」だ。冗長である。
2024/05/29(水) 13:08 No.2028 EDIT DEL
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