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有田真優美
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3年 有田真優美
春休み課題1-10
1『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』2022年
監督:竹林亮
あらすじ:同じ1週間を繰り返していることに気づいた小さな広告代理店の社員たち。その原因である上司にどうにかタイムリープに気づいてもらおうと奮闘するが...。
お仕事×ファンタジーコメディ。
上司に気づかせないと終わらないという設定の面白さやその上司がマキタスポーツさんだというコメディに強い役者の面白さもあり、
テーマや設定がとても良いなと思う。また、上申制度で徐々に仲間を増やしていく展開はループを知っている視聴者側も一緒に気づいてくれという気持ちになり、社員たちの行動をよく見るなど視聴者を物語に引き込む展開だなと思う。
それに加え、お仕事ドラマの要素もあり学生の私から見ても会社ってこんな感じなんだろうなぁと思わせるような細かいリアルな描写が、視聴者の共感を高めているように思う。
誰もが後悔をしながら生きていて、時を戻せたらと考える瞬間もある。夢や仕事の悩みなど、普遍的でかつ今を生きる社会人の人々に深く刺さるストーリーだと思った。
曲の選曲もポップで若者にハマりそうな曲調でハトのインパクトやカメラワークなどの妙、タイムリープに慣れていく社員など全体的にテンポがよく楽しく見られる作品だと思う。楽しく、あっという間で、でも観終わった時に観る前とは違う心持ち、確かな感激に浸ることのできる作品だと思う。
2『華麗なるギャツビー』1974年 監督:ジャック・クレイトン
あらすじ:「或る男の一生」「暗黒街の巨頭」に続くF・スコット・フィッツジェラルドの小説3度目の映画化。1920年代のアメリカ上流階級を舞台に、ひとりの富豪ジェイ・ギャツビーの知られざる過去を通して、非情な社会の現実を描くが、華やかな雰囲気がそのまま作品の色となり、メロドラマ的な印象が残る。脚本はF・F・コッポラ。
序盤から、北欧人種がどうのと人種差別的な発言をしていて、使われている電話の形など様々なところから1970年代、さらに舞台となる1920年代を感じるテイストで普段古い映画を見ない私自身としてはそれだけで新鮮さを感じた。
カメラワークも見せたいところを急な顔のアップなどで表現しており、それは1900年代の邦画でも見たことのあるものだったため、カメラの技術としての流行りのようなものはあるのかなと感じた。
タイトルにもある割にはギャツビーは序盤は全く出てこない。だがそれがより登場シーンの華麗さやかっこよさを感じた。
しかしその登場シーンとは対照的に身分違いの恋などでうまくいかず、最後は寂しいものだったと思う。
逆に彼が人生をかけたデイジーは彼が死んだにもかかわらずあまりにも冷たく、葬式にも来ず次の地へと引越してしまうあたりは彼女の身勝手さをとても感じるシーンであった。
お金持ちの娘は貧しい人とは結婚しないのというような台詞から当時の女性の地位のようなものや貧富の差なども感じ、デイジーはそのような社会の中で求められる女性像を演じ、金持ちでいるために上手く立ち回っているようにも感じた。そのためにもギャツビーのことはすぐに忘れトムに戻るあたりは冷酷だが自分と娘が幸せになるために全てなかったことにしたのかなとも感じた。
メガネの広告がカメラのカットの時の車のライトとの重ねなど幾度となく大事な場面で出ており、全て見透かしているような神の視点のような目だった。この物語自体もニックがナレーションで語りをしており、オープニングの映像もギャツビーが死んだ後の廃れた家が映し出されており、全てが回想のような世界観がある。
父の持ってきたノートからも分かるように希望への飽くなき執念とたぐいまれなロマンチックな心情をギャツビーは持っていたが、それは普通の人が滅多に持ち得るものではない。その特別な親友との出会いを、ニックが友情は生きているあいだだけ、死ねば終わりとひと夏の物語に閉じ込めた美しいラスト、世界観の映画だった。
3『グレイテスト・ショーマン』2017年 監督:マイケル・グレイシー
あらすじ:19世紀半ばの米国で、失敗を繰り返しながらも家族のために奮闘し続ける興行師の男性。やがて、唯一無二の個性を持つ演者を集めたかつてないサーカスを始める。彼らのショーは成功を収めたが、同時に批判家たちは酷評。なおも彼は、次なる挑戦を続けていく。
ミュージカル映画として名曲ばかりで高揚するような曲が多くあった。それはバーナムが上昇志向な人間で自信家だからこそどんどん目標を達成していくテンポの良さもあると思う。序盤の驚くほどのテンポの良さは歌に乗せてストーリーを進めているからできることだなと思った。
見世物小屋をこのような角度で表現したのはすごいなと思う。また実在した彼の人生を感動のミュージカルという形にまとめあげたのはすごいと思う。センシティブな題材ではあるが、マイノリティに億さずオンリーワンでいようとする姿や夢へのあくなき情熱などミュージカルらしく伝えたいことを全面に押し出している。多様性を叫ばれる今の時代だからこそ個性を尊重する、堂々とした登場人物たちに感動する人も多いのだろうと思う。
何より作品のキラキラとした明るい世界観、バーナムの見習いたくなるような自信家ぶり、サーカスのキャストたちの自信をつけていく様のかっこよさ、芸術とはなにか、夢を追いかける楽しさなどとても前向きになるメッセージが多く込められた作品であると思う。
4『夜明けのすべて』2024年 監督:三宅唱
あらすじ: 月経前症候群でイライラが抑えられなくなってしまう藤沢さんと、パニック障害を抱える山添くん。2人は、理解のある職場の人たちにも支えられながら、次第に同志のような気持ちで互いを思い合うようになっていく。
どちらもまだあまり知られたものではなく、pmsに関しては私もこの作品で初めてちゃんと認識した。
私はあまり重い方では無く、むしろ少し調子が悪い時に重なっていると、ああ、自分のせいではなく生理的なものなんだと少し安心材料になるものであった。ただそれは軽いからであって、ひどくなると本当にきついだろうし、それをちゃんと映画で言葉にして、映像にするということはとても大事なことだと思う。理解されづらいものだからこそこうやって作品にすることで普段表立って言えないものを表現することが出来るのは、映画や小説など創作の強みであると思う。
また、登場人物みんながとても優しい世界だなと思った。現実的な問題を提起しているからこそ、周りの人々の温かさに感動したし、理想の世界ではあるが人に恵まれるということのありがたさを感じた作品であった。
二人の関係性も現代的だなと思う。必ずしも男女が恋愛関係になる訳ではなく、2人独自の関係性があり、そこも今らしく新しい価値観を提示した作品であると思う。
5『すずめの戸締り』2022年 監督:新海誠
あらすじ:1人の少女が、ある時山の中で不思議な扉に遭遇する。その矢先、日本中で扉が出現し始め、その扉が開くことでさまざまな災いが次々と起こっていく。そこで、少女は各地の扉を閉める旅へ出発する。
地震を巨大なミミズと捉えているのは、古来の人々が地震をナマズに捉えているのと似たものを感じた。
そういった古来の伝承や倫理観を元にした設定が新海誠作品は細かく描かれている。
その中でもラブストーリーという軸はぶれず、世界が大きく変わってしまうような大災害との戦いで生まれる絆や思い出される過去の記憶など壮大であった。でも壮大でありながら地震というとても身近なものであるからこそ日本人にはより深く刺さるものがあると思う。また、ダイジンが途中で喋らなくなるシーンなどはジジを想起させ面白い。
また、これまでの新海誠作品と違い、猫が喋るという設定も面白かった。可愛らしい猫が顔を歪ませ、幼い子どもが声を当てるからこその不気味さや、怖さがある。
6『天気の子』2019年 監督:新海誠
あらすじ:離島の実家から家出して東京にやって来た高校生・森嶋帆高。職探しに苦労するも、オカルト雑誌のライターという仕事にありつく。何日も雨が降り続く中、帆高は弟と2人で暮らす明るい少女・天野陽菜と出会う。そして彼は、彼女が不思議な能力を持っていることに気づく。
この作品は陽菜の能力や沈没するという世界の形を変えるできごとなど壮大で、神話的、民族的なモチーフが多く使われている。だが、根本は純愛ストーリーだなと感じ、「君の名は。」「すずめの戸締り」と通じている部分だなと感じる。
「君の名は。」の三葉らが登場する場面は「君の名は。」がヒットしているからこそできる演出でありそうでない演出のため、新海誠という監督だからできることだなと感じた。
7『PERFECT DAYS』2023年 監督:ヴィム・ヴェンダース
あらすじ:トイレ清掃員として働く男性は、音楽や読書、写真を楽しみながら平穏な毎日を過ごしていた。そんな彼に、ある時思いもよらぬ再会が訪れる。
主人公がほぼ喋らず、日常の営みが丁寧に繊細に描かれている作品。だからこそ音楽や、息遣い、言葉一つ一つ、行動一つ一つに注目でき、それが心にすっと入ってくる物語。
その中でもカセットなど普段触れることの無い生活に触れ、貧しくともどこか羨ましく感じる穏やかさや優しさがあった。
また、様々なトイレの形を見ることが出来て、そんなトイレもあるのかと普段気にしない部分に目を向けることが出来る。
個人的には上野のトイレミュージアムに入った時のことを思い出す。
トイレにも人の細やかな工夫があるということに気づかせてくれる作品でもあると思う。
生活的には落ちぶれた側に見えるかもしれないが、誰よりも綺麗な心を持った人で、丁寧な仕事ぶりに自分も頑張ろうと思わせてもらえる作品。
人の些細だけど、丁寧な生活の一部を覗かせてもらっている感じで美しい自然やほっこりする人との関わりも描かれ、観たあととても穏やかな気持ちになれる作品。
8『ドラえもん カチコチ南極冒険』2017年 監督:高橋敦史
あらすじ:真夏の暑さを避けて、のび太たちは南太平洋に浮かぶ氷山に出かける。そこで彼らは氷の中に不思議なリングを発見。調べてみると、そのリングが埋まっていた氷は人が住んでいないはずの10万年前の南極のものだった。のび太たちは謎を解くため、南極へと向かう。
映像がとても綺麗で、氷の描写などは劇場で見たらさらに綺麗だろうなと感じた。
どちらも本物じゃだめ?と言うのび太が優しいだけでなく、のび太が1番ドラえもんのことをわかっているだろうとのび太に信頼を寄せているスネ夫、ジャイアン、しずかちゃん達4人の友情にも感動した。
パオパオの設定やラストの展開はまさにドラえもんという展開で久々に見てもドラえもんの世界のタイムマシンなどひみつ道具に対するエモーショナルな気持ちを感じることが出来るラストだった。
9『空白』2021年 監督:吉田恵輔
あらすじ:スーパーの店長に万引きを見咎められた女子中学生は、逃げて車道に飛び出したところ、凄惨な事故に巻き込まれて命を落としてしまう。彼女の父親である添田は、事故の原因となったスーパーの店長を追い詰めようと、マスコミを巻き込みながら激しい憎悪をエスカレートさせていく。ヒューマンサスペンス。
万引きが悪いことであることは言うまでもないが、それすら揺らぐ人の死というものの残酷さを感じた。父親の死んでまで娘を悪く思われたくないという気持ちや、追いかけただけなのに世間からまでも批判されなければならなくなった男の苦しみなど、彼ら全員のどこにも行き場のない怒りや苦しみ、悲しみが混ざりあった作品であった。死んだ人間には何も聞くことが出来ないからこそぽっかり空いた空白にもがく人々、そして容赦のない世間が垣間見えた。
また、切り取られてしまう恐ろしさや、言葉足らずであったり、喋りすぎてしまったりという言葉の難しさや現代のSNSの見えない恐怖を感じた。
10『ふわふわ』1998年刊行
著者:村上春樹 絵:安西水丸
あらすじ:「ぼくは世界じゅうのたいていの猫が好きだけれど、この地上に生きているあらゆる種類の猫たちのなかで、年老いたおおきな雌猫がいちばん好きだ。」ふわふわとした、みごとに美しい毛をもつ猫が教えてくれる、いのちあるものにとってひとしく大事なこととはなにか。すべての人のなつかしく温かい記憶がよみがえるお話。
「長いあいだ使われていなかった広い風呂場を思わせるような広がりのある午後」
など比喩が多く使われており、想像力が掻き立てられるだけでなく、そんな表現をするのかという発見があり、面白い。村上春樹を感じる文章。でも子供向けの児童書なだけあり、その比喩が分かりやすく、絵の可愛さもある。
ぼくとねこだけの時間で、猫の毛を吸い込み猫の時間というものを感じている描写は、比喩なども含め私も犬を飼っていたので何となく言っていることがわかった。
猫は猫でも年老いた猫というのは落ち着いた、暖かい世界観、いのちのことを教えてくれるなどの点で年老いた子なのかなと思った。また、描写の細さから実際に飼っていた子なのかなとも思った。
全体を通して、最初は比喩の連発に面白くなるが、動物を飼っている人間ならではの感性に共感もでき、どこか懐かしい気持ちになれる作品であると思う。
春休み課題1-10
1『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』2022年
監督:竹林亮
あらすじ:同じ1週間を繰り返していることに気づいた小さな広告代理店の社員たち。その原因である上司にどうにかタイムリープに気づいてもらおうと奮闘するが...。
お仕事×ファンタジーコメディ。
上司に気づかせないと終わらないという設定の面白さやその上司がマキタスポーツさんだというコメディに強い役者の面白さもあり、
テーマや設定がとても良いなと思う。また、上申制度で徐々に仲間を増やしていく展開はループを知っている視聴者側も一緒に気づいてくれという気持ちになり、社員たちの行動をよく見るなど視聴者を物語に引き込む展開だなと思う。
それに加え、お仕事ドラマの要素もあり学生の私から見ても会社ってこんな感じなんだろうなぁと思わせるような細かいリアルな描写が、視聴者の共感を高めているように思う。
誰もが後悔をしながら生きていて、時を戻せたらと考える瞬間もある。夢や仕事の悩みなど、普遍的でかつ今を生きる社会人の人々に深く刺さるストーリーだと思った。
曲の選曲もポップで若者にハマりそうな曲調でハトのインパクトやカメラワークなどの妙、タイムリープに慣れていく社員など全体的にテンポがよく楽しく見られる作品だと思う。楽しく、あっという間で、でも観終わった時に観る前とは違う心持ち、確かな感激に浸ることのできる作品だと思う。
2『華麗なるギャツビー』1974年 監督:ジャック・クレイトン
あらすじ:「或る男の一生」「暗黒街の巨頭」に続くF・スコット・フィッツジェラルドの小説3度目の映画化。1920年代のアメリカ上流階級を舞台に、ひとりの富豪ジェイ・ギャツビーの知られざる過去を通して、非情な社会の現実を描くが、華やかな雰囲気がそのまま作品の色となり、メロドラマ的な印象が残る。脚本はF・F・コッポラ。
序盤から、北欧人種がどうのと人種差別的な発言をしていて、使われている電話の形など様々なところから1970年代、さらに舞台となる1920年代を感じるテイストで普段古い映画を見ない私自身としてはそれだけで新鮮さを感じた。
カメラワークも見せたいところを急な顔のアップなどで表現しており、それは1900年代の邦画でも見たことのあるものだったため、カメラの技術としての流行りのようなものはあるのかなと感じた。
タイトルにもある割にはギャツビーは序盤は全く出てこない。だがそれがより登場シーンの華麗さやかっこよさを感じた。
しかしその登場シーンとは対照的に身分違いの恋などでうまくいかず、最後は寂しいものだったと思う。
逆に彼が人生をかけたデイジーは彼が死んだにもかかわらずあまりにも冷たく、葬式にも来ず次の地へと引越してしまうあたりは彼女の身勝手さをとても感じるシーンであった。
お金持ちの娘は貧しい人とは結婚しないのというような台詞から当時の女性の地位のようなものや貧富の差なども感じ、デイジーはそのような社会の中で求められる女性像を演じ、金持ちでいるために上手く立ち回っているようにも感じた。そのためにもギャツビーのことはすぐに忘れトムに戻るあたりは冷酷だが自分と娘が幸せになるために全てなかったことにしたのかなとも感じた。
メガネの広告がカメラのカットの時の車のライトとの重ねなど幾度となく大事な場面で出ており、全て見透かしているような神の視点のような目だった。この物語自体もニックがナレーションで語りをしており、オープニングの映像もギャツビーが死んだ後の廃れた家が映し出されており、全てが回想のような世界観がある。
父の持ってきたノートからも分かるように希望への飽くなき執念とたぐいまれなロマンチックな心情をギャツビーは持っていたが、それは普通の人が滅多に持ち得るものではない。その特別な親友との出会いを、ニックが友情は生きているあいだだけ、死ねば終わりとひと夏の物語に閉じ込めた美しいラスト、世界観の映画だった。
3『グレイテスト・ショーマン』2017年 監督:マイケル・グレイシー
あらすじ:19世紀半ばの米国で、失敗を繰り返しながらも家族のために奮闘し続ける興行師の男性。やがて、唯一無二の個性を持つ演者を集めたかつてないサーカスを始める。彼らのショーは成功を収めたが、同時に批判家たちは酷評。なおも彼は、次なる挑戦を続けていく。
ミュージカル映画として名曲ばかりで高揚するような曲が多くあった。それはバーナムが上昇志向な人間で自信家だからこそどんどん目標を達成していくテンポの良さもあると思う。序盤の驚くほどのテンポの良さは歌に乗せてストーリーを進めているからできることだなと思った。
見世物小屋をこのような角度で表現したのはすごいなと思う。また実在した彼の人生を感動のミュージカルという形にまとめあげたのはすごいと思う。センシティブな題材ではあるが、マイノリティに億さずオンリーワンでいようとする姿や夢へのあくなき情熱などミュージカルらしく伝えたいことを全面に押し出している。多様性を叫ばれる今の時代だからこそ個性を尊重する、堂々とした登場人物たちに感動する人も多いのだろうと思う。
何より作品のキラキラとした明るい世界観、バーナムの見習いたくなるような自信家ぶり、サーカスのキャストたちの自信をつけていく様のかっこよさ、芸術とはなにか、夢を追いかける楽しさなどとても前向きになるメッセージが多く込められた作品であると思う。
4『夜明けのすべて』2024年 監督:三宅唱
あらすじ: 月経前症候群でイライラが抑えられなくなってしまう藤沢さんと、パニック障害を抱える山添くん。2人は、理解のある職場の人たちにも支えられながら、次第に同志のような気持ちで互いを思い合うようになっていく。
どちらもまだあまり知られたものではなく、pmsに関しては私もこの作品で初めてちゃんと認識した。
私はあまり重い方では無く、むしろ少し調子が悪い時に重なっていると、ああ、自分のせいではなく生理的なものなんだと少し安心材料になるものであった。ただそれは軽いからであって、ひどくなると本当にきついだろうし、それをちゃんと映画で言葉にして、映像にするということはとても大事なことだと思う。理解されづらいものだからこそこうやって作品にすることで普段表立って言えないものを表現することが出来るのは、映画や小説など創作の強みであると思う。
また、登場人物みんながとても優しい世界だなと思った。現実的な問題を提起しているからこそ、周りの人々の温かさに感動したし、理想の世界ではあるが人に恵まれるということのありがたさを感じた作品であった。
二人の関係性も現代的だなと思う。必ずしも男女が恋愛関係になる訳ではなく、2人独自の関係性があり、そこも今らしく新しい価値観を提示した作品であると思う。
5『すずめの戸締り』2022年 監督:新海誠
あらすじ:1人の少女が、ある時山の中で不思議な扉に遭遇する。その矢先、日本中で扉が出現し始め、その扉が開くことでさまざまな災いが次々と起こっていく。そこで、少女は各地の扉を閉める旅へ出発する。
地震を巨大なミミズと捉えているのは、古来の人々が地震をナマズに捉えているのと似たものを感じた。
そういった古来の伝承や倫理観を元にした設定が新海誠作品は細かく描かれている。
その中でもラブストーリーという軸はぶれず、世界が大きく変わってしまうような大災害との戦いで生まれる絆や思い出される過去の記憶など壮大であった。でも壮大でありながら地震というとても身近なものであるからこそ日本人にはより深く刺さるものがあると思う。また、ダイジンが途中で喋らなくなるシーンなどはジジを想起させ面白い。
また、これまでの新海誠作品と違い、猫が喋るという設定も面白かった。可愛らしい猫が顔を歪ませ、幼い子どもが声を当てるからこその不気味さや、怖さがある。
6『天気の子』2019年 監督:新海誠
あらすじ:離島の実家から家出して東京にやって来た高校生・森嶋帆高。職探しに苦労するも、オカルト雑誌のライターという仕事にありつく。何日も雨が降り続く中、帆高は弟と2人で暮らす明るい少女・天野陽菜と出会う。そして彼は、彼女が不思議な能力を持っていることに気づく。
この作品は陽菜の能力や沈没するという世界の形を変えるできごとなど壮大で、神話的、民族的なモチーフが多く使われている。だが、根本は純愛ストーリーだなと感じ、「君の名は。」「すずめの戸締り」と通じている部分だなと感じる。
「君の名は。」の三葉らが登場する場面は「君の名は。」がヒットしているからこそできる演出でありそうでない演出のため、新海誠という監督だからできることだなと感じた。
7『PERFECT DAYS』2023年 監督:ヴィム・ヴェンダース
あらすじ:トイレ清掃員として働く男性は、音楽や読書、写真を楽しみながら平穏な毎日を過ごしていた。そんな彼に、ある時思いもよらぬ再会が訪れる。
主人公がほぼ喋らず、日常の営みが丁寧に繊細に描かれている作品。だからこそ音楽や、息遣い、言葉一つ一つ、行動一つ一つに注目でき、それが心にすっと入ってくる物語。
その中でもカセットなど普段触れることの無い生活に触れ、貧しくともどこか羨ましく感じる穏やかさや優しさがあった。
また、様々なトイレの形を見ることが出来て、そんなトイレもあるのかと普段気にしない部分に目を向けることが出来る。
個人的には上野のトイレミュージアムに入った時のことを思い出す。
トイレにも人の細やかな工夫があるということに気づかせてくれる作品でもあると思う。
生活的には落ちぶれた側に見えるかもしれないが、誰よりも綺麗な心を持った人で、丁寧な仕事ぶりに自分も頑張ろうと思わせてもらえる作品。
人の些細だけど、丁寧な生活の一部を覗かせてもらっている感じで美しい自然やほっこりする人との関わりも描かれ、観たあととても穏やかな気持ちになれる作品。
8『ドラえもん カチコチ南極冒険』2017年 監督:高橋敦史
あらすじ:真夏の暑さを避けて、のび太たちは南太平洋に浮かぶ氷山に出かける。そこで彼らは氷の中に不思議なリングを発見。調べてみると、そのリングが埋まっていた氷は人が住んでいないはずの10万年前の南極のものだった。のび太たちは謎を解くため、南極へと向かう。
映像がとても綺麗で、氷の描写などは劇場で見たらさらに綺麗だろうなと感じた。
どちらも本物じゃだめ?と言うのび太が優しいだけでなく、のび太が1番ドラえもんのことをわかっているだろうとのび太に信頼を寄せているスネ夫、ジャイアン、しずかちゃん達4人の友情にも感動した。
パオパオの設定やラストの展開はまさにドラえもんという展開で久々に見てもドラえもんの世界のタイムマシンなどひみつ道具に対するエモーショナルな気持ちを感じることが出来るラストだった。
9『空白』2021年 監督:吉田恵輔
あらすじ:スーパーの店長に万引きを見咎められた女子中学生は、逃げて車道に飛び出したところ、凄惨な事故に巻き込まれて命を落としてしまう。彼女の父親である添田は、事故の原因となったスーパーの店長を追い詰めようと、マスコミを巻き込みながら激しい憎悪をエスカレートさせていく。ヒューマンサスペンス。
万引きが悪いことであることは言うまでもないが、それすら揺らぐ人の死というものの残酷さを感じた。父親の死んでまで娘を悪く思われたくないという気持ちや、追いかけただけなのに世間からまでも批判されなければならなくなった男の苦しみなど、彼ら全員のどこにも行き場のない怒りや苦しみ、悲しみが混ざりあった作品であった。死んだ人間には何も聞くことが出来ないからこそぽっかり空いた空白にもがく人々、そして容赦のない世間が垣間見えた。
また、切り取られてしまう恐ろしさや、言葉足らずであったり、喋りすぎてしまったりという言葉の難しさや現代のSNSの見えない恐怖を感じた。
10『ふわふわ』1998年刊行
著者:村上春樹 絵:安西水丸
あらすじ:「ぼくは世界じゅうのたいていの猫が好きだけれど、この地上に生きているあらゆる種類の猫たちのなかで、年老いたおおきな雌猫がいちばん好きだ。」ふわふわとした、みごとに美しい毛をもつ猫が教えてくれる、いのちあるものにとってひとしく大事なこととはなにか。すべての人のなつかしく温かい記憶がよみがえるお話。
「長いあいだ使われていなかった広い風呂場を思わせるような広がりのある午後」
など比喩が多く使われており、想像力が掻き立てられるだけでなく、そんな表現をするのかという発見があり、面白い。村上春樹を感じる文章。でも子供向けの児童書なだけあり、その比喩が分かりやすく、絵の可愛さもある。
ぼくとねこだけの時間で、猫の毛を吸い込み猫の時間というものを感じている描写は、比喩なども含め私も犬を飼っていたので何となく言っていることがわかった。
猫は猫でも年老いた猫というのは落ち着いた、暖かい世界観、いのちのことを教えてくれるなどの点で年老いた子なのかなと思った。また、描写の細さから実際に飼っていた子なのかなとも思った。
全体を通して、最初は比喩の連発に面白くなるが、動物を飼っている人間ならではの感性に共感もでき、どこか懐かしい気持ちになれる作品であると思う。
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