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11.『サクラノ詩(うた) -櫻の森の上を舞う-』ブランド:枕
<あらすじ>ある春、世界的に著名な芸術家である草薙健一郎が亡くなった。身寄りのなくなった息子の草薙直哉はその莫大な遺産を父への反抗心から放棄してしまう。そのまま彼は、同じ弓張学園に通い幼馴染でクラスメイトの夏目圭とその姉で2人の担任でもある藍、その妹で女優の雫の住む屋敷に住まわせてもらうことに。直哉は父からの厳しいトレーニングと才能により、圭は絵が好きであることと直哉に負けたくないという気持ちと天性の才能によって双方が天才的な芸術家であった。しかし、直哉はある事故によって利き手を負傷してからは絵を描かなくなっていた。
美術部員と新年度を迎えた直哉は部長の鳥谷真琴の策略により、半ば無理やりに彼らに美術を教えることに。また、美術部員たちと圭は世界最高峰の美術公募展であるムーア展への応募作品の制作を始める。圭の奮闘ぶりを見て、直哉はその右手を理由にムーア展へ応募しないことへの葛藤を始める。直哉はどのような決断を下すのか。また、事故の真実とは。
<考察>シナリオ担当で制作会社の取締役でもある「SCA-自」は文学・音楽などの芸術のほか哲学の素養も持ち合わせており、本作は宮沢賢治の『春と修羅』の引用から開始される。その他にも、ストーリーの随所にソクラテスの芸術論の引用などの古代芸術が用いられることも多い。それらを応用して、主人公やその周りの人物が芸術家の設定というまさに彼にしか作ることのできないような世界観とストーリーをとなっている。
12.『サクラノ刻(とき)』ブランド:枕
<あらすじ>前作で弓張学園の美術科目の非常勤講師となった直哉。その後、咲崎桜子や栗山奈津子が既に廃部となっていた美術部を復活させることに協力し、再建後は顧問としても活動することに。そこに、氷川里奈と川内野優美の妹であるルリオと鈴菜、夏目圭の実妹である恩田寧、直哉たち行きつけの居酒屋で働く柊ノノ未が入部する。
さらに異動していた夏目藍が弓張学園の教師として帰って来たり、美術雑誌の記者となっていた鳥谷真琴の帰郷などで前作のヒロインたちとも直哉は関係を深めていく。また、直哉は聖ルーアン女学院の臨時講師も担当することになり、そこで隠れた天才芸術家・本間心鈴と出会う。
<考察>本作の主人公・草薙直哉は前述の通り、高校生から成長して非常勤講師になっている。これは現在の美少女ゲームにおけるポピュラーな年齢設定である。これには、日本の少子高齢社会と美少女ゲーム業界の特に上位の価格帯における新規流入の停滞が如実に反映されている。8800円程度の上位価格帯は「フルプライス」と呼ばれるが、2000年代から3.4000円程度の所謂「ロープライス」という価格帯の作品が台頭した。
シナリオを重視する作品のほとんどが必要とされる開発規模からフルプライス以上である。価格競争・市場の占有率で敗北したため、高齢社会において貴重な新規流入者がつくことは減少したと考えられる。そのために年齢におけるボリュームゾーンも上昇していき、それを反映させた結果として近年の美少女ゲームの主人公の年齢も上がっているのだろう。
本作の特徴として前作の続編でありながら、直哉はどのヒロインとも恋人とはならなかった設定となっている。これは、誰にも肩入れしない無難な選択とも言える。しかし、最終章にたどり着くには全員のストーリーを読む必要のある前作においては、結果的に全てのヒロインと恋愛関係に発展したために、そのギャップは大きく捉えられてしまう。
13.『パティシエなにゃんこ』ブランド:ぱじゃまソフト
<あらすじ>父のぎっくり腰によってケーキ屋のひよこ館を託された矢口翔一は2年ぶりに雪の降る街に帰ってきた。幼馴染の芹沢かなでとの再会、パティシエールとして働き始めていた秋月みちる。その後、ある勘違いによって翔一は猫魔法使いのミオに毎夜猫になってしまう魔法をかけられてしまう。父の事情を知り留学先のウィーンから帰国してきた翔一の妹・矢口茉理も合流し、あわただしいひよこ館での生活が始まる。
<考察>本作の評価点は可視化である。先述のように魔法で夜になると猫に変化してしまう翔一であるが、テキストを配置するメッセージウィンドウが青からオレンジ色に変化し、メニューボタンにおいても人間であるときはひよこのアイコン。猫化した時には猫の顔のイラストがアイコンとして表示されるようになっている。
本作の主人公は休学中のパティシエ見習いである。これは、また特殊な主人公であるのだが、本作が美少女ゲームの分類の中でも「萌えゲー」と呼ばれるようなキャラクターの魅力を重視した作品であるため、この設定は舞台設定を定める程度にしかならない。そのため、このような特異な設定もあまり気になることはなく、プレイヤーは容易に作品世界に入り込むことができる。
14.『こみっくパーティー』ブランド:Leaf
<あらすじ>主人公・千堂和樹は美大の受験に落ちた後、高校3年間同じクラスの高瀬瑞希と同じ大学に進学した。幼馴染の九品仏大志から漫画を描くべきだと半ば強引に誘われる和樹。彼は乗り気になり、世界最大の漫画同人誌の祭典「こみっくパーティー」、略して「こみパ」に参加する。そこで、大勢の参加者の整理をしていたスタッフの女性・牧村南、元気に宣伝をする関西弁少女・猪名川由宇と出会う。心を動かされた和樹は同人活動を始め、早速次の即売会に参加する。
<考察>本作に起用されたみつみ美里や甘露樹といったメンバーは実際に即売会に参加しているクリエイターであり、みつみは現在でもコミックマーケットにて活躍している。
また、本作のヒロインたちの設定は同人誌即売会という場を多角的に捉えている。瑞希は当初は気味悪く思いながらも、和樹とともに参加することで彼女の中で印象が変わっていく「一般人」。南はこみパを運営する社員として一歩下がった視点を持つ保護者のような「業界人」。詠美は売れっ子同人作家としてその場を利用する「参加者」。由宇も「参加者」という点では同様だが、大阪からより同人活動の活発な東京に憧れを持って遠征してきている。他にも、印刷所として参加者、こみパ自体を支える千紗など「こみパ」を中心としてヒロインたちは様々な立場が用意されているために、世界観がより深まっている。
15.『処女(おとめ)はお姉さま(ボク)に恋してる』
ブランド:キャラメルBOX
<あらすじ>由緒あるキリスト教学校の恵泉女学院。宮小路瑞穂は祖父の遺言のために男でありながら、女学院に編入することに。幼馴染の御門まりやによるサポートで女装をし、学院生活・女子寮生活を送っていた。まりやの他、活発な1年生の上岡由佳里や内気だが頑張り屋の周防院奏と同じ寮で過ごす。
しかし、転機が訪れる。容姿端麗で、文武両道な瑞穂のために周りからの指示は高まる一方で、ついにその年で最も栄誉な称号である「エルダー」に選出されてしまう。彼の人気はより高まり、その生活は一気に変わる。
<考察>本作の説明部分。本作にもいくつかの単語の説明がされている。他作品では、キャラクターに自然に説明させられるように努力がなされていることが多いが、本作は単語と説明が同時にポップアップで表示されるようになっており、プレイヤーが読む必要はあるものの作品世界の破壊を抑えている。
16.『Clover Point』ブランド:Meteor
<あらすじ>学校の創立記念式典で公演される演劇の練習を稲森真星と監督の柏木月音が行っていた。月音は若くして亡くなった卒業生の唐橋みどりが作家としてデビューする以前に作った伝説の台本『姫巫女の恋』を見つけてくる。
差し替えを決定したのだが、今よりも役者が必要になる。月音は最も暇な人物である天川祐真をスカウトマンに抜擢する。祐真は主役とその他3人の役者探しに奔走することになるのだが、その途中で転入生の内気な小鳥遊夜々やささやかな金貸しをしている日向美緒里、他人には姿の見えない不思議なシロツメと出会う。
<考察>本作の評価点は地の文と主人公の融合である。旧世代の作品では、地の文は固く説明口調が目立つ。不自然さが強調されてしまうため、主人公が地の文までもを侵食する手法で1つの作品としての質が向上するとされている。本作では巧妙に活用されており、例として本作では主人公のみが知らなかった時に「え?知らないの俺だけ??」と表記している。「どうやら、知らないのは自分だけらしい」と書くこともできるが、文章自体を短くすることにも成功している。
17.『se・きらら』ブランド:native
<あらすじ>奏心学園に入学したツッコミ役で面倒くさがりの上条咲と天真爛漫な河村優。二人の幼馴染の志津野泉は2年生の水泳部員でドジっ子。活発でフレンドリーなお嬢様の神楽亜矢が現れる。彼らのごく普通の学校生活が始まる。
<考察>本作は、その展開について注目することが重要である。本作はマックスファクトリーの最初で最後のゲーム作品であり、2010年にインターネット上で無料配布された。これは、美少女ゲームでは初めての出来事であり、その他のゲームを含めても2010年という早い時期にあるため極めて早い。アキバblogの2010年3月3日の記事「無料配布の美少女ゲーム「se・きらら」インタビュー なんで無料にしたんですか?」では、社長のMAX渡辺の発言が記載されており、本作はコンテンツビジネスにおける研究開発の一種であり、本作のみでの開発費の回収を目的としていないというものである。無料配布とはいっても、当初は8800円のフルプライスで販売される予定であったため、作品自体の出来も良い。キャラクターの表情差分も多数用意されている。
18.『祝福のカンパネラ』ブランド:ういんどみるOasis
<あらすじ>ノストラム地方最北端の貿易都市「エルタリア」に住む主人公のレスター・メイクラフトは腕の立つアイテム技師である。その幼馴染は公女で魔法使いのカリーナ・ベルリッティ。そこに現れた自称世界一のオートマタ技師のアニエス・ブーランジュと騎士のチェルシー・アーコット。
今年は7年に1度の流星群を見ることのできる年であり、町はお祭り騒ぎ。その夜、一つの星が大聖堂の塔に接触した。その時、塔にいたオートマタのミネットが目を覚ました。
<考察>本作の特徴は主人公以外のそれぞれのヒロインの視点が挿入されることである。これは90年代後半、とりわけWindowsの時代が到来してから現在までの美少女ゲームの傾向である主人公は出来る限り無色透明な存在にされ、ヒロインを濃く描くヒロイン主体が生み出した新たな要素である。それによりヒロインのストーリーに深みが出るほか、主人公の言動に一貫性がなくとも大きな問題にはならないために複数のシナリオライターを起用しやすいという利点がある。さらに、主人公の知識のみでストーリーを勧めていかなければならないところをヒロインの視点によって先にプレイヤーに提示することが可能になっており、物語全体のバランスをとりやすくなっていると考える。
本作の演出のレベルの高さ。本作のブランドであるういんどみるは自前でゲーム制作エンジンを用意しており、それを使った作品を販売している。エンジンの特徴は画像の扱いやすさであるために、本作でもキャラクターの立ち絵は良く動き拡大縮小も多用される。それは、現在の美少女ゲームと比較しても格段に多い。そのため、とても見た目がよく飽きずにプレイできる。
19.『Piaキャロットへようこそ!!』ブランド:カクテル・ソフト
<あらすじ>主人公の木ノ下裕介は学園生活最後の夏休みを親友の大介と新島への旅行を計画していたが、父との約束によって彼の店「Piaキャロット(通称「キャロット」)」で働きづめとなってしまった。
一緒に働き始めてくれた活発な幼馴染の後輩、稲葉翔子と裕介が過去にフラれた森原さとみ。ウェイトレスの大学生・小久保麗香、マネージャーの神無月志保と出会う。裕介は夏休みを充実させることができるのか⁉
<考察>本作のゲームシステムは良く洗練されている。旧世代の美少女ゲームは総当たりで攻略していくことが多い。これは、容量の関係であまりボリュームを持たせることができなかったために難しくすることで長い時間遊ばせるためと言われている。本作ではオーソドックスに主人公のパラメータを各ヒロインに合わせて高めていくシステムをとっているのだが、ストーリーとマッチしているためにとてもわかりやすい。
例えば、麗香は裕介と出かける際にはブティックに行く行動をとることからプレイヤーは裕介の「容姿」のパラメータを向上させればよいことが推測できる。また、教師の清美であれば「学力」を向上させることが必要になっている。このようにヒロインの特徴から攻略の方法を読み取ることができるようになっているのだ。
20.『ONE ~輝く季節へ~』12月にリメイク発売予定。ブランド:Tactics
<あらすじ>主人公・折原浩平は高校2年生。幼馴染でクラスメイトの長森瑞佳、転校生の七瀬留美、一つ上の川名みさき、後輩の上月澪といった個性的で変わり者のヒロインたちと出会いながら浩平の過去の自分を乗り越える戦いが始まる。
<考察>『Kanon』や『Air』をのちに世に送ることになるkeyを立ち上げることとなるスタッフがTacticsのメンバーが開発した二作品目。クオリティは上記2作品に劣るものの、意図や試みなどは共通しているためにその腕を上げていった作品であると位置付けることができるだろう。
しかし、発売当時としても使いづらいUIや不足した機能はkey設立後も抱え続けた問題点であり許容できるわけではない。
<あらすじ>ある春、世界的に著名な芸術家である草薙健一郎が亡くなった。身寄りのなくなった息子の草薙直哉はその莫大な遺産を父への反抗心から放棄してしまう。そのまま彼は、同じ弓張学園に通い幼馴染でクラスメイトの夏目圭とその姉で2人の担任でもある藍、その妹で女優の雫の住む屋敷に住まわせてもらうことに。直哉は父からの厳しいトレーニングと才能により、圭は絵が好きであることと直哉に負けたくないという気持ちと天性の才能によって双方が天才的な芸術家であった。しかし、直哉はある事故によって利き手を負傷してからは絵を描かなくなっていた。
美術部員と新年度を迎えた直哉は部長の鳥谷真琴の策略により、半ば無理やりに彼らに美術を教えることに。また、美術部員たちと圭は世界最高峰の美術公募展であるムーア展への応募作品の制作を始める。圭の奮闘ぶりを見て、直哉はその右手を理由にムーア展へ応募しないことへの葛藤を始める。直哉はどのような決断を下すのか。また、事故の真実とは。
<考察>シナリオ担当で制作会社の取締役でもある「SCA-自」は文学・音楽などの芸術のほか哲学の素養も持ち合わせており、本作は宮沢賢治の『春と修羅』の引用から開始される。その他にも、ストーリーの随所にソクラテスの芸術論の引用などの古代芸術が用いられることも多い。それらを応用して、主人公やその周りの人物が芸術家の設定というまさに彼にしか作ることのできないような世界観とストーリーをとなっている。
12.『サクラノ刻(とき)』ブランド:枕
<あらすじ>前作で弓張学園の美術科目の非常勤講師となった直哉。その後、咲崎桜子や栗山奈津子が既に廃部となっていた美術部を復活させることに協力し、再建後は顧問としても活動することに。そこに、氷川里奈と川内野優美の妹であるルリオと鈴菜、夏目圭の実妹である恩田寧、直哉たち行きつけの居酒屋で働く柊ノノ未が入部する。
さらに異動していた夏目藍が弓張学園の教師として帰って来たり、美術雑誌の記者となっていた鳥谷真琴の帰郷などで前作のヒロインたちとも直哉は関係を深めていく。また、直哉は聖ルーアン女学院の臨時講師も担当することになり、そこで隠れた天才芸術家・本間心鈴と出会う。
<考察>本作の主人公・草薙直哉は前述の通り、高校生から成長して非常勤講師になっている。これは現在の美少女ゲームにおけるポピュラーな年齢設定である。これには、日本の少子高齢社会と美少女ゲーム業界の特に上位の価格帯における新規流入の停滞が如実に反映されている。8800円程度の上位価格帯は「フルプライス」と呼ばれるが、2000年代から3.4000円程度の所謂「ロープライス」という価格帯の作品が台頭した。
シナリオを重視する作品のほとんどが必要とされる開発規模からフルプライス以上である。価格競争・市場の占有率で敗北したため、高齢社会において貴重な新規流入者がつくことは減少したと考えられる。そのために年齢におけるボリュームゾーンも上昇していき、それを反映させた結果として近年の美少女ゲームの主人公の年齢も上がっているのだろう。
本作の特徴として前作の続編でありながら、直哉はどのヒロインとも恋人とはならなかった設定となっている。これは、誰にも肩入れしない無難な選択とも言える。しかし、最終章にたどり着くには全員のストーリーを読む必要のある前作においては、結果的に全てのヒロインと恋愛関係に発展したために、そのギャップは大きく捉えられてしまう。
13.『パティシエなにゃんこ』ブランド:ぱじゃまソフト
<あらすじ>父のぎっくり腰によってケーキ屋のひよこ館を託された矢口翔一は2年ぶりに雪の降る街に帰ってきた。幼馴染の芹沢かなでとの再会、パティシエールとして働き始めていた秋月みちる。その後、ある勘違いによって翔一は猫魔法使いのミオに毎夜猫になってしまう魔法をかけられてしまう。父の事情を知り留学先のウィーンから帰国してきた翔一の妹・矢口茉理も合流し、あわただしいひよこ館での生活が始まる。
<考察>本作の評価点は可視化である。先述のように魔法で夜になると猫に変化してしまう翔一であるが、テキストを配置するメッセージウィンドウが青からオレンジ色に変化し、メニューボタンにおいても人間であるときはひよこのアイコン。猫化した時には猫の顔のイラストがアイコンとして表示されるようになっている。
本作の主人公は休学中のパティシエ見習いである。これは、また特殊な主人公であるのだが、本作が美少女ゲームの分類の中でも「萌えゲー」と呼ばれるようなキャラクターの魅力を重視した作品であるため、この設定は舞台設定を定める程度にしかならない。そのため、このような特異な設定もあまり気になることはなく、プレイヤーは容易に作品世界に入り込むことができる。
14.『こみっくパーティー』ブランド:Leaf
<あらすじ>主人公・千堂和樹は美大の受験に落ちた後、高校3年間同じクラスの高瀬瑞希と同じ大学に進学した。幼馴染の九品仏大志から漫画を描くべきだと半ば強引に誘われる和樹。彼は乗り気になり、世界最大の漫画同人誌の祭典「こみっくパーティー」、略して「こみパ」に参加する。そこで、大勢の参加者の整理をしていたスタッフの女性・牧村南、元気に宣伝をする関西弁少女・猪名川由宇と出会う。心を動かされた和樹は同人活動を始め、早速次の即売会に参加する。
<考察>本作に起用されたみつみ美里や甘露樹といったメンバーは実際に即売会に参加しているクリエイターであり、みつみは現在でもコミックマーケットにて活躍している。
また、本作のヒロインたちの設定は同人誌即売会という場を多角的に捉えている。瑞希は当初は気味悪く思いながらも、和樹とともに参加することで彼女の中で印象が変わっていく「一般人」。南はこみパを運営する社員として一歩下がった視点を持つ保護者のような「業界人」。詠美は売れっ子同人作家としてその場を利用する「参加者」。由宇も「参加者」という点では同様だが、大阪からより同人活動の活発な東京に憧れを持って遠征してきている。他にも、印刷所として参加者、こみパ自体を支える千紗など「こみパ」を中心としてヒロインたちは様々な立場が用意されているために、世界観がより深まっている。
15.『処女(おとめ)はお姉さま(ボク)に恋してる』
ブランド:キャラメルBOX
<あらすじ>由緒あるキリスト教学校の恵泉女学院。宮小路瑞穂は祖父の遺言のために男でありながら、女学院に編入することに。幼馴染の御門まりやによるサポートで女装をし、学院生活・女子寮生活を送っていた。まりやの他、活発な1年生の上岡由佳里や内気だが頑張り屋の周防院奏と同じ寮で過ごす。
しかし、転機が訪れる。容姿端麗で、文武両道な瑞穂のために周りからの指示は高まる一方で、ついにその年で最も栄誉な称号である「エルダー」に選出されてしまう。彼の人気はより高まり、その生活は一気に変わる。
<考察>本作の説明部分。本作にもいくつかの単語の説明がされている。他作品では、キャラクターに自然に説明させられるように努力がなされていることが多いが、本作は単語と説明が同時にポップアップで表示されるようになっており、プレイヤーが読む必要はあるものの作品世界の破壊を抑えている。
16.『Clover Point』ブランド:Meteor
<あらすじ>学校の創立記念式典で公演される演劇の練習を稲森真星と監督の柏木月音が行っていた。月音は若くして亡くなった卒業生の唐橋みどりが作家としてデビューする以前に作った伝説の台本『姫巫女の恋』を見つけてくる。
差し替えを決定したのだが、今よりも役者が必要になる。月音は最も暇な人物である天川祐真をスカウトマンに抜擢する。祐真は主役とその他3人の役者探しに奔走することになるのだが、その途中で転入生の内気な小鳥遊夜々やささやかな金貸しをしている日向美緒里、他人には姿の見えない不思議なシロツメと出会う。
<考察>本作の評価点は地の文と主人公の融合である。旧世代の作品では、地の文は固く説明口調が目立つ。不自然さが強調されてしまうため、主人公が地の文までもを侵食する手法で1つの作品としての質が向上するとされている。本作では巧妙に活用されており、例として本作では主人公のみが知らなかった時に「え?知らないの俺だけ??」と表記している。「どうやら、知らないのは自分だけらしい」と書くこともできるが、文章自体を短くすることにも成功している。
17.『se・きらら』ブランド:native
<あらすじ>奏心学園に入学したツッコミ役で面倒くさがりの上条咲と天真爛漫な河村優。二人の幼馴染の志津野泉は2年生の水泳部員でドジっ子。活発でフレンドリーなお嬢様の神楽亜矢が現れる。彼らのごく普通の学校生活が始まる。
<考察>本作は、その展開について注目することが重要である。本作はマックスファクトリーの最初で最後のゲーム作品であり、2010年にインターネット上で無料配布された。これは、美少女ゲームでは初めての出来事であり、その他のゲームを含めても2010年という早い時期にあるため極めて早い。アキバblogの2010年3月3日の記事「無料配布の美少女ゲーム「se・きらら」インタビュー なんで無料にしたんですか?」では、社長のMAX渡辺の発言が記載されており、本作はコンテンツビジネスにおける研究開発の一種であり、本作のみでの開発費の回収を目的としていないというものである。無料配布とはいっても、当初は8800円のフルプライスで販売される予定であったため、作品自体の出来も良い。キャラクターの表情差分も多数用意されている。
18.『祝福のカンパネラ』ブランド:ういんどみるOasis
<あらすじ>ノストラム地方最北端の貿易都市「エルタリア」に住む主人公のレスター・メイクラフトは腕の立つアイテム技師である。その幼馴染は公女で魔法使いのカリーナ・ベルリッティ。そこに現れた自称世界一のオートマタ技師のアニエス・ブーランジュと騎士のチェルシー・アーコット。
今年は7年に1度の流星群を見ることのできる年であり、町はお祭り騒ぎ。その夜、一つの星が大聖堂の塔に接触した。その時、塔にいたオートマタのミネットが目を覚ました。
<考察>本作の特徴は主人公以外のそれぞれのヒロインの視点が挿入されることである。これは90年代後半、とりわけWindowsの時代が到来してから現在までの美少女ゲームの傾向である主人公は出来る限り無色透明な存在にされ、ヒロインを濃く描くヒロイン主体が生み出した新たな要素である。それによりヒロインのストーリーに深みが出るほか、主人公の言動に一貫性がなくとも大きな問題にはならないために複数のシナリオライターを起用しやすいという利点がある。さらに、主人公の知識のみでストーリーを勧めていかなければならないところをヒロインの視点によって先にプレイヤーに提示することが可能になっており、物語全体のバランスをとりやすくなっていると考える。
本作の演出のレベルの高さ。本作のブランドであるういんどみるは自前でゲーム制作エンジンを用意しており、それを使った作品を販売している。エンジンの特徴は画像の扱いやすさであるために、本作でもキャラクターの立ち絵は良く動き拡大縮小も多用される。それは、現在の美少女ゲームと比較しても格段に多い。そのため、とても見た目がよく飽きずにプレイできる。
19.『Piaキャロットへようこそ!!』ブランド:カクテル・ソフト
<あらすじ>主人公の木ノ下裕介は学園生活最後の夏休みを親友の大介と新島への旅行を計画していたが、父との約束によって彼の店「Piaキャロット(通称「キャロット」)」で働きづめとなってしまった。
一緒に働き始めてくれた活発な幼馴染の後輩、稲葉翔子と裕介が過去にフラれた森原さとみ。ウェイトレスの大学生・小久保麗香、マネージャーの神無月志保と出会う。裕介は夏休みを充実させることができるのか⁉
<考察>本作のゲームシステムは良く洗練されている。旧世代の美少女ゲームは総当たりで攻略していくことが多い。これは、容量の関係であまりボリュームを持たせることができなかったために難しくすることで長い時間遊ばせるためと言われている。本作ではオーソドックスに主人公のパラメータを各ヒロインに合わせて高めていくシステムをとっているのだが、ストーリーとマッチしているためにとてもわかりやすい。
例えば、麗香は裕介と出かける際にはブティックに行く行動をとることからプレイヤーは裕介の「容姿」のパラメータを向上させればよいことが推測できる。また、教師の清美であれば「学力」を向上させることが必要になっている。このようにヒロインの特徴から攻略の方法を読み取ることができるようになっているのだ。
20.『ONE ~輝く季節へ~』12月にリメイク発売予定。ブランド:Tactics
<あらすじ>主人公・折原浩平は高校2年生。幼馴染でクラスメイトの長森瑞佳、転校生の七瀬留美、一つ上の川名みさき、後輩の上月澪といった個性的で変わり者のヒロインたちと出会いながら浩平の過去の自分を乗り越える戦いが始まる。
<考察>『Kanon』や『Air』をのちに世に送ることになるkeyを立ち上げることとなるスタッフがTacticsのメンバーが開発した二作品目。クオリティは上記2作品に劣るものの、意図や試みなどは共通しているためにその腕を上げていった作品であると位置付けることができるだろう。
しかし、発売当時としても使いづらいUIや不足した機能はkey設立後も抱え続けた問題点であり許容できるわけではない。
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