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3年 北元
RES
夏休み課題1~10
01.『梨泰院クラス』
原題 이태원 클라쓰
原題訳 梨泰院クラス
邦題 梨泰院クラス
この作品は、とある理由で中卒になってしまった前科者の男パク・セロイがある組織に復讐するサクセスストーリー。弱いものいじめを見て見ぬふりをしないという信念を持っていたセロイは、チャン・グンウォンが同級生をいじめられているのに我慢できずグンウォンを殴ってしまう。だが、グンウォンは不運にもセロイの父親が勤める韓国でチェーン展開する1番の居酒屋・長屋(チャンガ)、その会長の息子であった。その後父親は解雇、セロイは退学処分を受けるが後悔など微塵もしていなかった。しばらくしてセロイの父親がグンウォンにひき逃げされ亡くなるとセロイは怒り狂い、グンウォンをボコボコに殴ってしまう。真実をねじ伏せ曲げられ、殺人未遂罪で懲役刑を受けたセロイは計画を立て始め、出所してから父の夢だった居酒屋を開店し、復讐を始める。
この作品の見所はセロイの信念である。長屋の会長とその息子・グンウォンは自分たちの思い通りにならないセロイを目の敵にして徹底的に潰そうとするが、その度に何かを失ったとしても信念を強く持ち1から立て直すセロイの精神力は簡単に真似できるものではない。虐げられてきた過去があるからこそ、やっとの思いで復讐を果たしたときの爽快感が尋常ではない。
02.『私のIDは江南美人』
原作:web漫画 「私のIDは江南美人!」
脚本:チェ・スヨン
幼い頃から容姿のことでいじめを受けていたミレは、せめて普通の人のように生きたいと大学入学を機に美容整形を決意。生まれ変わった姿で大学の化学科に入学するが、中学の同級生だったギョンソクと再会してしまう。周囲に昔の顔が知られるのを恐れたミレは、ギョンソクに秘密にしてほしいと頼むが入学早々、波乱の幕開け。
この作品は、整形によって綺麗になったミレの大学生活の話が描かれる。いまや美容大国の韓国では整形をする人も多いため、国内で整形について偏見はないのだろうと考えていた。しかし、韓国ドラマの中でヒロインのミレを周囲の人が「江南美人(=整形美人)」と呼び、元から美人な人と比較する場面が見受けられた。一度きりの人生、整形して綺麗になって生きたいと願う人がいる中で、まだまだ批判的な意見も多い整形事情に着目した韓国の実情が分かるドラマである。
03.『天井の花園』
脚本 コ・ウンニム、パク・ジョンファ
監督 イ・ジョンハン
夫に愛人がいることを知ったジェインは、二人の娘ウンス、ヒョンスとともに、長年絶縁状態になっていた父ブシクと暮らしはじめる。傷心ながらも、ジェインは子供たちのために前を向き、次第に父との絆も取り戻して行く。家族が暮らすのは、手つかずの自然が残る美しい村・江原道(カンウォンド)のコムベリョン。美しい風景と、衝突しながらも互いを思いやる家族の愛と絆が、温かな感動を運んでくれる作品。
この作品は一般的な韓国ドラマなどに比べたら大きな盛り上がりはないかもしれない。また、最初は夫の連れ子を見た村の人から、ジェインは略奪婚してきたという根も葉もない噂を立てられて形見の狭い思いをする。だが、次第に村の人との距離が縮まるにつれて、過去に複雑な家庭事情を抱える家族が、一緒に大自然の中で寄り添い合って暮らしていく様子を見守っているとこちらまで安らいでしまうようだ。
04.『新米史官 ク・ヘリョン』
ク・ヘリョンという女性は、西洋書を好み恋愛にめっぽう興味を示さないちょっとした変わり者なので、心配したヘリョンの兄が妹の婚姻を急ぎ結婚話を持ってくる。一方で、世子の弟のトウォン大君は花梅(メファ)という名前で小説を書くことを生きがいに恋愛小説を楽しんでいた。トウォン大君は自分の小説の人気度を確かめようと漢陽(ハニャン)へと行き、自分のファンと思わしき女性1人に声をかけるとまさかの大バッシング。そんなとき王命により禁書が発令され、世の中にある書物が排除されてしまうことが決定すると同時に王宮では、今まででありえない女性史官を登用することとなる。ヘリョンはこの女性史官に見事合格し、晴れて結婚は破談となる。 王宮には、自分を批判した存在が気になるトウォン大君と、大君とは知らずに花梅を小馬鹿にするヘリョンとの最悪だが胸ときめく出会いが待ち構えていた。
この作品は、小説や書き物を愛すク・ヘリョンとトウォン大君が個々の力は弱くとも、二人で間違った国の制度に正面から向き合う強さが垣間見える。単に恋愛に特化した韓国ドラマではなく、重圧がのしかかりながら自分が自分らしく在るためにどうもがくかに注視する中で、お互いを支えるうちに少しずつ恋愛感情が生まれていく。そのため恋愛要素はそこまで多くはないが、心から信頼の置ける存在として互いに役割を担うことで、ドラマの内容はとても充実していて見ていて飽きない。
05.『ムーブ・トゥ-・ヘブン 私は遺品整理士です』
原作・制作 キム・ソンホ、ユン・ジリョン
遺品を整理して死者の思いを遺族に届ける仕事、遺品整理士。アスペルガー症候群の主人公ハン・グルが、父の死をきっかけに義弟でグルの叔父にあたるチンピラのサングとともに仕事を勤める話。
この作品の見所は「生死を超越した本当の幸せとは」という深い問いを私たちに委ねてくるところだ。重い病気にかかりお金はあまりなくても愛する人と心中できただけで幸せに思う老夫婦がいる一方で、布団の下にお金を隠したおじいさんが寝たまま亡くなりウジの沸く布団の下から、お金に執着し取り出す孫たちがいる。お金持ちでも息子を愛さなかった父親がいたり、同性愛者で本当の愛を伝えられないままどちらかがなくなってしまったり。韓国の格差社会が顕著に表れているのはもちろんだが、多種多様な愛の形や死の形が鮮明に胸に突き刺さってくる作品である。
06.『愛の不時着』
原題: 사랑의 불시착
原題訳: 愛の不時着
韓国最大の財閥「クィーングループ」の末娘ユン・セリ。彼女は自らファッションブランドを立ち上げ、恋愛スキャンダルすら利用して大成功を収めていた。そんなある日、長らく疎遠だったセリの父でありグループ会長のジュンピョンが、長男のセジュンでも次男のセヒョンでもなく、セリを後継者に指名する。 上機嫌のセリは翌日、新製品のテストのためパラグライダーで飛行するが突然の竜巻に遭って、そのまま意識を失ってしまう。木の上で目覚めた彼女は、北朝鮮の人民軍隊5中隊の隊長リ・ジョンヒョクに見つかり、非武装地帯に不時着していたことを知る。セリはスパイではなく、民間人だと悟ったリ・ジョンヒョクは何度も韓国へ戻す方法を模索するが保衛部少佐チョ・チョルガンに見破られ、韓国と北朝鮮を股にかけた壮絶な争いが巻き起こる。
この作品は、これまで誰も触れようとしなかった北朝鮮を舞台としその現実に忠実に寄り添っているように感じる。真偽は確かめようもないが、北朝鮮を侮辱しようとしているのではなく他の国では見られない状況を、ストーリーを進める上で見事に活用していると思う。日本で話題になっただけあって、危機的状況に陥った男女が大きな諍いを破ってまで愛を貫こうとする様子に心打たれた。
07.『ブリジャートン家』
原作 ジュリア・クイン
監督 ションダ・ライムズ
Netflixで2020年のクリスマスから独占配信がスタートしたオリジナルドラマ。19世紀初めのイギリス・ロンドンの社交界が舞台となり、摂政時代末期の貴族たちの胸を焦がすようなロマンスや華やかな日常、そしてその裏側の人間臭さを描いている。
ジョージ4世が芸術を奨励したこともあり、上流階級の美しく華やかな芸術・建物・衣装が見所である。また、彼らにとって一家の命運を賭ける社交界や結婚市場を巡る見栄と権力渦巻く社会の生きずらさが垣間見えた。本作はそのような上流階級事情を書いたゴシップ誌「レディ・ホイッスルダウン」が語り手となり、人々を翻弄していく。貴族社会では噂話の広がりが早く特に女性において一挙手一投足がその対象になるため、上流とゴシップという切っても切れない関係が足枷となったり、時に利用して好機を手に入れたりと興味をそそられた。
08.『トッケビ ~君がくれた愛しい日々~』
脚本 キム・ウンスク
監督 イ・ウンボク
高麗時代、戦場へ赴く武将だったキム・シンが王に逆賊として処刑されてしまったことを不憫に思った神がその力でシンをトッケビ(鬼)にする。トッケビには不死の力があり、900年の時を生き続けるシンは永遠の命を解き放つことができるというたった1人、トッケビの花嫁を探すこととなる。シンとトッケビの花嫁であるウンタクのせつない恋路を描く作品。
斬新な設定で作品の世界観を理解するのに時間がかかるが、始めは花嫁のことを道具としか思っていなかったシンと花嫁が親密になっていくとともにこちらまで目が離せなくなる重厚なストーリーが魅力である。シンは愛する人に永遠の命を解き放って欲しい思いと愛する人を置いて消えたくない思いで葛藤し、花嫁であるウンタクは愛する人の永遠の命を解き放ちたい思いと愛する人が消えた世界で生きることへの恐怖のなかで時が無情に過ぎていく。その際鍵となるのが、トッケビが生きながらえる度に花嫁の寿命が削られていく設定である。愛情と生死が結びつく作品はごまんとあるが、希有な設定により愛するが故の行動や言動が胸に迫るほど重厚なものはそう多くないだろう。
09.『ナビレラ ~それでも蝶は舞う~』
原作「나빌레라(ナビレラ)」
70歳にして夢を追いかけてバレエに挑戦を始めた老人ドクチュルと、夢の前で彷徨う23歳のバレリーノであるチェロクとの成長ストーリー。ドクチュルは3人の子どもの父親として必死で仕事に明け暮れてきたが、仕事を引退した70歳になって心の中にしまっていたバレエへの思いが諦めきれず周囲に反対・嘲笑されながらも飽くなき情熱でバレエに励む姿が印象的だ。一方でバレリーノとしてある程度の実力を兼ね備えたもののバレエの意義を見出せないチュロクは、柔軟性もなくスローライフの趣味程度にバレエを始めた老人に反発する。徐々にチュロクの温かい人柄と、バレエに対して趣味ではなく夢として真剣に追いかける姿を認め、まるでお爺ちゃんと孫かのような信頼関係になる二人のバレエを通した、生き方を問う作品。
この作品は「幸せな生き方とは」を問うメッセージ性が見所である。特に制限が厳しく、美しさが重要視されるバレエにおいて、特別秀でた才があるわけでもなく体が思うように動かない高齢者が越えなければいけない壁はとても高いものである。趣味としてだったら自分のなかでゴールを決めて、ある程度のところで満足して辞めてしまうだろう。しかし、夢として年齢など関係なく美しさを探求するドクチュルからは生きる意義を考えさせられる。舞台で夢を叶えるとき、「ナビレラ(蝶が羽ばたく)」という真の意味と自分らしく生きる幸せの在り方に気づくはずだ。
10.『わかっていても』
脚本 チェン・ウォン
監督 キム・ガラム
美術大学を舞台に、愛は信じていないが恋愛はしたい女性ナビと、恋愛は面倒だが“Some(友達以上恋人未満)”な相手は欲しい男性ジェオンの現代らしい駆け引きが魅力のストーリー。以前、恋愛で失敗した経験からも明らかに遊び人であるジェオンの思わせぶりな態度に傷つくと分かっているのに惹かれてしまう様子が現代の恋愛スタイルとマッチしていて感情移入しやすい。また、芸術専攻のこともあって美術品や彫刻が登場し、作品全体でアンニュイな雰囲気が漂っていてどっちつかずな二人を一層引き立てている。よくある恋愛ドラマと違って恋をする人間の心の機微が細やかに表現されていて、それがリアルであるほどに不透明な未来に不安感が募っていくのである。リアルだからこそ見ている方も共感だけでなく、釈然としないストーリーに翻弄されるはずだ。
01.『梨泰院クラス』
原題 이태원 클라쓰
原題訳 梨泰院クラス
邦題 梨泰院クラス
この作品は、とある理由で中卒になってしまった前科者の男パク・セロイがある組織に復讐するサクセスストーリー。弱いものいじめを見て見ぬふりをしないという信念を持っていたセロイは、チャン・グンウォンが同級生をいじめられているのに我慢できずグンウォンを殴ってしまう。だが、グンウォンは不運にもセロイの父親が勤める韓国でチェーン展開する1番の居酒屋・長屋(チャンガ)、その会長の息子であった。その後父親は解雇、セロイは退学処分を受けるが後悔など微塵もしていなかった。しばらくしてセロイの父親がグンウォンにひき逃げされ亡くなるとセロイは怒り狂い、グンウォンをボコボコに殴ってしまう。真実をねじ伏せ曲げられ、殺人未遂罪で懲役刑を受けたセロイは計画を立て始め、出所してから父の夢だった居酒屋を開店し、復讐を始める。
この作品の見所はセロイの信念である。長屋の会長とその息子・グンウォンは自分たちの思い通りにならないセロイを目の敵にして徹底的に潰そうとするが、その度に何かを失ったとしても信念を強く持ち1から立て直すセロイの精神力は簡単に真似できるものではない。虐げられてきた過去があるからこそ、やっとの思いで復讐を果たしたときの爽快感が尋常ではない。
02.『私のIDは江南美人』
原作:web漫画 「私のIDは江南美人!」
脚本:チェ・スヨン
幼い頃から容姿のことでいじめを受けていたミレは、せめて普通の人のように生きたいと大学入学を機に美容整形を決意。生まれ変わった姿で大学の化学科に入学するが、中学の同級生だったギョンソクと再会してしまう。周囲に昔の顔が知られるのを恐れたミレは、ギョンソクに秘密にしてほしいと頼むが入学早々、波乱の幕開け。
この作品は、整形によって綺麗になったミレの大学生活の話が描かれる。いまや美容大国の韓国では整形をする人も多いため、国内で整形について偏見はないのだろうと考えていた。しかし、韓国ドラマの中でヒロインのミレを周囲の人が「江南美人(=整形美人)」と呼び、元から美人な人と比較する場面が見受けられた。一度きりの人生、整形して綺麗になって生きたいと願う人がいる中で、まだまだ批判的な意見も多い整形事情に着目した韓国の実情が分かるドラマである。
03.『天井の花園』
脚本 コ・ウンニム、パク・ジョンファ
監督 イ・ジョンハン
夫に愛人がいることを知ったジェインは、二人の娘ウンス、ヒョンスとともに、長年絶縁状態になっていた父ブシクと暮らしはじめる。傷心ながらも、ジェインは子供たちのために前を向き、次第に父との絆も取り戻して行く。家族が暮らすのは、手つかずの自然が残る美しい村・江原道(カンウォンド)のコムベリョン。美しい風景と、衝突しながらも互いを思いやる家族の愛と絆が、温かな感動を運んでくれる作品。
この作品は一般的な韓国ドラマなどに比べたら大きな盛り上がりはないかもしれない。また、最初は夫の連れ子を見た村の人から、ジェインは略奪婚してきたという根も葉もない噂を立てられて形見の狭い思いをする。だが、次第に村の人との距離が縮まるにつれて、過去に複雑な家庭事情を抱える家族が、一緒に大自然の中で寄り添い合って暮らしていく様子を見守っているとこちらまで安らいでしまうようだ。
04.『新米史官 ク・ヘリョン』
ク・ヘリョンという女性は、西洋書を好み恋愛にめっぽう興味を示さないちょっとした変わり者なので、心配したヘリョンの兄が妹の婚姻を急ぎ結婚話を持ってくる。一方で、世子の弟のトウォン大君は花梅(メファ)という名前で小説を書くことを生きがいに恋愛小説を楽しんでいた。トウォン大君は自分の小説の人気度を確かめようと漢陽(ハニャン)へと行き、自分のファンと思わしき女性1人に声をかけるとまさかの大バッシング。そんなとき王命により禁書が発令され、世の中にある書物が排除されてしまうことが決定すると同時に王宮では、今まででありえない女性史官を登用することとなる。ヘリョンはこの女性史官に見事合格し、晴れて結婚は破談となる。 王宮には、自分を批判した存在が気になるトウォン大君と、大君とは知らずに花梅を小馬鹿にするヘリョンとの最悪だが胸ときめく出会いが待ち構えていた。
この作品は、小説や書き物を愛すク・ヘリョンとトウォン大君が個々の力は弱くとも、二人で間違った国の制度に正面から向き合う強さが垣間見える。単に恋愛に特化した韓国ドラマではなく、重圧がのしかかりながら自分が自分らしく在るためにどうもがくかに注視する中で、お互いを支えるうちに少しずつ恋愛感情が生まれていく。そのため恋愛要素はそこまで多くはないが、心から信頼の置ける存在として互いに役割を担うことで、ドラマの内容はとても充実していて見ていて飽きない。
05.『ムーブ・トゥ-・ヘブン 私は遺品整理士です』
原作・制作 キム・ソンホ、ユン・ジリョン
遺品を整理して死者の思いを遺族に届ける仕事、遺品整理士。アスペルガー症候群の主人公ハン・グルが、父の死をきっかけに義弟でグルの叔父にあたるチンピラのサングとともに仕事を勤める話。
この作品の見所は「生死を超越した本当の幸せとは」という深い問いを私たちに委ねてくるところだ。重い病気にかかりお金はあまりなくても愛する人と心中できただけで幸せに思う老夫婦がいる一方で、布団の下にお金を隠したおじいさんが寝たまま亡くなりウジの沸く布団の下から、お金に執着し取り出す孫たちがいる。お金持ちでも息子を愛さなかった父親がいたり、同性愛者で本当の愛を伝えられないままどちらかがなくなってしまったり。韓国の格差社会が顕著に表れているのはもちろんだが、多種多様な愛の形や死の形が鮮明に胸に突き刺さってくる作品である。
06.『愛の不時着』
原題: 사랑의 불시착
原題訳: 愛の不時着
韓国最大の財閥「クィーングループ」の末娘ユン・セリ。彼女は自らファッションブランドを立ち上げ、恋愛スキャンダルすら利用して大成功を収めていた。そんなある日、長らく疎遠だったセリの父でありグループ会長のジュンピョンが、長男のセジュンでも次男のセヒョンでもなく、セリを後継者に指名する。 上機嫌のセリは翌日、新製品のテストのためパラグライダーで飛行するが突然の竜巻に遭って、そのまま意識を失ってしまう。木の上で目覚めた彼女は、北朝鮮の人民軍隊5中隊の隊長リ・ジョンヒョクに見つかり、非武装地帯に不時着していたことを知る。セリはスパイではなく、民間人だと悟ったリ・ジョンヒョクは何度も韓国へ戻す方法を模索するが保衛部少佐チョ・チョルガンに見破られ、韓国と北朝鮮を股にかけた壮絶な争いが巻き起こる。
この作品は、これまで誰も触れようとしなかった北朝鮮を舞台としその現実に忠実に寄り添っているように感じる。真偽は確かめようもないが、北朝鮮を侮辱しようとしているのではなく他の国では見られない状況を、ストーリーを進める上で見事に活用していると思う。日本で話題になっただけあって、危機的状況に陥った男女が大きな諍いを破ってまで愛を貫こうとする様子に心打たれた。
07.『ブリジャートン家』
原作 ジュリア・クイン
監督 ションダ・ライムズ
Netflixで2020年のクリスマスから独占配信がスタートしたオリジナルドラマ。19世紀初めのイギリス・ロンドンの社交界が舞台となり、摂政時代末期の貴族たちの胸を焦がすようなロマンスや華やかな日常、そしてその裏側の人間臭さを描いている。
ジョージ4世が芸術を奨励したこともあり、上流階級の美しく華やかな芸術・建物・衣装が見所である。また、彼らにとって一家の命運を賭ける社交界や結婚市場を巡る見栄と権力渦巻く社会の生きずらさが垣間見えた。本作はそのような上流階級事情を書いたゴシップ誌「レディ・ホイッスルダウン」が語り手となり、人々を翻弄していく。貴族社会では噂話の広がりが早く特に女性において一挙手一投足がその対象になるため、上流とゴシップという切っても切れない関係が足枷となったり、時に利用して好機を手に入れたりと興味をそそられた。
08.『トッケビ ~君がくれた愛しい日々~』
脚本 キム・ウンスク
監督 イ・ウンボク
高麗時代、戦場へ赴く武将だったキム・シンが王に逆賊として処刑されてしまったことを不憫に思った神がその力でシンをトッケビ(鬼)にする。トッケビには不死の力があり、900年の時を生き続けるシンは永遠の命を解き放つことができるというたった1人、トッケビの花嫁を探すこととなる。シンとトッケビの花嫁であるウンタクのせつない恋路を描く作品。
斬新な設定で作品の世界観を理解するのに時間がかかるが、始めは花嫁のことを道具としか思っていなかったシンと花嫁が親密になっていくとともにこちらまで目が離せなくなる重厚なストーリーが魅力である。シンは愛する人に永遠の命を解き放って欲しい思いと愛する人を置いて消えたくない思いで葛藤し、花嫁であるウンタクは愛する人の永遠の命を解き放ちたい思いと愛する人が消えた世界で生きることへの恐怖のなかで時が無情に過ぎていく。その際鍵となるのが、トッケビが生きながらえる度に花嫁の寿命が削られていく設定である。愛情と生死が結びつく作品はごまんとあるが、希有な設定により愛するが故の行動や言動が胸に迫るほど重厚なものはそう多くないだろう。
09.『ナビレラ ~それでも蝶は舞う~』
原作「나빌레라(ナビレラ)」
70歳にして夢を追いかけてバレエに挑戦を始めた老人ドクチュルと、夢の前で彷徨う23歳のバレリーノであるチェロクとの成長ストーリー。ドクチュルは3人の子どもの父親として必死で仕事に明け暮れてきたが、仕事を引退した70歳になって心の中にしまっていたバレエへの思いが諦めきれず周囲に反対・嘲笑されながらも飽くなき情熱でバレエに励む姿が印象的だ。一方でバレリーノとしてある程度の実力を兼ね備えたもののバレエの意義を見出せないチュロクは、柔軟性もなくスローライフの趣味程度にバレエを始めた老人に反発する。徐々にチュロクの温かい人柄と、バレエに対して趣味ではなく夢として真剣に追いかける姿を認め、まるでお爺ちゃんと孫かのような信頼関係になる二人のバレエを通した、生き方を問う作品。
この作品は「幸せな生き方とは」を問うメッセージ性が見所である。特に制限が厳しく、美しさが重要視されるバレエにおいて、特別秀でた才があるわけでもなく体が思うように動かない高齢者が越えなければいけない壁はとても高いものである。趣味としてだったら自分のなかでゴールを決めて、ある程度のところで満足して辞めてしまうだろう。しかし、夢として年齢など関係なく美しさを探求するドクチュルからは生きる意義を考えさせられる。舞台で夢を叶えるとき、「ナビレラ(蝶が羽ばたく)」という真の意味と自分らしく生きる幸せの在り方に気づくはずだ。
10.『わかっていても』
脚本 チェン・ウォン
監督 キム・ガラム
美術大学を舞台に、愛は信じていないが恋愛はしたい女性ナビと、恋愛は面倒だが“Some(友達以上恋人未満)”な相手は欲しい男性ジェオンの現代らしい駆け引きが魅力のストーリー。以前、恋愛で失敗した経験からも明らかに遊び人であるジェオンの思わせぶりな態度に傷つくと分かっているのに惹かれてしまう様子が現代の恋愛スタイルとマッチしていて感情移入しやすい。また、芸術専攻のこともあって美術品や彫刻が登場し、作品全体でアンニュイな雰囲気が漂っていてどっちつかずな二人を一層引き立てている。よくある恋愛ドラマと違って恋をする人間の心の機微が細やかに表現されていて、それがリアルであるほどに不透明な未来に不安感が募っていくのである。リアルだからこそ見ている方も共感だけでなく、釈然としないストーリーに翻弄されるはずだ。