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3年 髙田(梨)
RES
夏休み課題16~30
16『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
原作:J・K・ローリング
監督:デヴィット・イェーツ
「ファンタスティック・ビースト」シリーズ2作目。
前作で囚われた魔法使い・グリンデルバルドは脱獄し、膨大な魔力を持ち苦しんだ青年・クリーデンスらと共にパリに拠点を築く。主人公・ニュートはティナを探し、ティナの妹・クイニーとその恋人・ジェイコブと共にパリに向かう。グリンデルバルドは、魔法使いに正当な権利を得るためと巧みに魔法使いを引き込み、非魔法使いを支配する計画を企てていた。
前作に続き、魔法動物や魔法を使った華やかな場面が魅力でありながら、「ハリー・ポッター」シリーズでも登場するダンブルドアに関わる秘密が明らかになる物語の展開にも注目したい。次作に繋がるラストシーンは、衝撃的だ。
また、ニュートの学生時代の様子が分かることも本作の見所である。
17『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
原作:J・K・ローリング
監督:デヴィット・イェーツ
「ファンタスティック・ビースト」シリーズ3作目。
ニュートは、調査中に心の清いものにひざまずく魔法生物・麒麟を見つける。しかし、その時現れた魔法使いたちによって麒麟は殺され、双子の子どもは一匹が連れ去られてしまったため、もう一匹を引き取ることになる。
一方、グリンデルバルドは魔法界の次期指導者を決めるための選挙に立候補する。
本作では、ダンブルドアとグリンデルバルドの深い関係が明かされる。学生時代互いに信頼し、唯一の存在だった2人は、別の道を歩みながらも血の誓いにより、互いを攻撃できない契約を結んでいた。そんな2人の対立は、学生時代との決別と捉えられる。また、麒麟の死体を操って指導者の座を得ようとしたグリンデルバルドと、麒麟にひざまずかれながらも指導者の座を別の者に引き渡したダンブルドアの対比は、2人の対比が現れているシーンである。
18『夜は短し歩けよ乙女』
著者:森見登美彦
出版社:角川書店
京都の大学に通う青年「先輩」と、その意中の女性でクラブの後輩の「黒髪の乙女」を中心に起こる不思議な出来事を描く。全4章で構成されており、「先輩」と「黒髪の乙女」の両視点が交互に一人称視点の語り手となる。
本作は、2006年に刊行された現代小説だが、文体や登場する物や情景は近代小説を思わせる雰囲気であり、古典文学や近代詩からの引用も多い。しかし、現代的なユーモアが要所に組み込まれており読みやすく、独特の魅力を生んでいる。また、現実では起こり得ない出来事が起きたりと、幻想的な世界観にも注目したい作品である。
19『少女椿』
著者:丸尾末広
出版社:青林堂
昭和13年、孤児となった少女・みどりは見世物小屋の下働きとなる。小屋の芸人たちはみどりに辛く当たり、みどりも芸人たちに嫌悪感をあらわにする日々を過ごしていた。ある時、小屋に雇われた男・ワンダー正光に好かれたことで、みどりの立場は好転する。しかし、小屋を出てワンダー正光と共に旅に出ることになった直後、ワンダー正光は命を落としてしまう。
昭和初期当時の、身体障碍者を見世物にする商売を描いている本作は、残酷な描写も多く、初読時の衝撃は大きいだろう。一貫して暗く、狂気的なストーリーを緻密で繊細なタッチで描くことで、残酷さの中に美しさと魅力を生んでいる。
20『魔法少女まどか☆マギカ』映画
原作:Magica Quertet
総監督:新房昭之
監督:宮本幸裕
脚本:虚淵玄
中学生の少女・まどかはある夜、魔法で戦う少女の姿と、謎の生物に「魔法少女になってほしい」と言われる夢を見る。翌日、まどかの中学校に転校してきたのは夢で見た少女・ほむらだった。ほむらはまどかに「魔法少女になってはいけない」と告げる。
その日、謎の生物・キュウべえと出会ったまどかと親友のさやかは、魔女の使い魔に襲われるが、魔法少女のマミに助けられる。魔法少女の存在を知ったまどか達の人生は大きく動き出す。
可愛らしい魔法少女とマスコットのビジュアルとは裏腹に、残酷な展開が衝撃的な作品。魔法少女と敵対する魔女は、アニメーションユニット・劇団イヌカレーによる、コラージュを用いた表現で独特の世界観を生み出している。
主人公達が多感な中学生の少女だからこその、未熟さや純粋さから生まれる物語が描かれていると感じる。
21『戦国BASARA』アニメ
原作:CAPCOM
監督: 川崎逸朗、板垣伸
脚本:むとうやすゆき
時は戦国、日本各地の武将が天下を目指し、争いを繰り広げていた。中でも尾張の織田信長は、圧倒的な武力と手段を選ばない狡猾さで日本を手中に収めんとしていた。そんな中、奥州の伊達政宗は武田信玄と上杉謙信の首を獲るべく川中島の戦いに乱入する。そこで政宗は真田幸村と出会う。2人の出会いにより、戦いは更に熾烈を極めることとなる。
アクションゲームを原作とした本作は、戦国武将が個性豊かなキャラクターとなって登場する。強烈な個性を持つ登場人物達の様子はコメディーチックでもあるが、同時に史実に沿った設定が付けられており、秀逸だと感じた。また、前述の通り、アクションゲームを原作とするため、武将同士の戦いは派手で迫力のある演出がされている。
22『PSYCHO-PASS』アニメ
総監督:本広克行
監督:塩谷直義
脚本:虚淵玄、深見真、高羽彩
2112年、日本は、人間のあらゆる心理状態や性格を把握し数値化する「シビュラシステム」により管理されていた。これにより、人間はストレスに苛まれることがなく、自分に合った職業に就くことができる。中でも、「犯罪係数」は、罪を犯していなくとも、規定値を超えると「潜在犯」として裁かれるため、犯罪数は劇的に減少した。
しかし、それでも犯罪はゼロにはならないため、警察組織・公安局に所属する刑事たちは「犯罪係数」を測定する銃「ドミネーター」を用いて治安維持活動を行っていた。
近未来SF作品でありながら、刑事たちの泥臭さや信念に基づいた行動は、むしろ昭和の刑事もののような質感すら感じる。完璧に管理された世界の物語として始まるが、物語が進むにつれてそのほころびが明らかになり、刑事たちが自身の足で真実に向かい犯罪に立ち向かう。どれだけ技術が発達しても、最終的に必要なものは人間が正義を信じる心なのではないかと考えさせる作品。
23『デスノート』映画
原作:大場つぐみ、小畑健
監督:金子修介
脚本:大石哲也
警察の息子で大学生の夜神月はある日、黒い奇妙なノートを拾う。それは、ノートに名前を書かれた人間が死ぬ「デスノート」だった。月は、世界を変えるために犯罪者の名前を次々とノートに書いていく。やがて世間では犯罪者を葬る謎の人物として月と「キラ」と呼び、信奉する者が現れ始める。
一方警察は一連の犯罪者の死を殺人事件とし、名探偵・Lに調査協力を依頼する。
ノートを拾った当初は、法の下で犯罪者を裁くには限界があるという正義感から行動していた月だったが、次第に自分の行為を邪魔する者は犯罪者でなくとも利用し、殺すことを躊躇しなくなっていく。主人公が人を殺し暴走し、敵対するLが命を顧みずそれを阻止するという構造は、少年漫画を原作とした作品としては非常に珍しいのではないだろうか。
24『22年目の告白-私が殺人犯です-』映画
原案:韓国映画『殺人犯の告白』
監督:入江悠
脚本:平田研也、入江悠
1995年に起きた連続殺人事件は、被害者に警察官を含めながらも犯人が見つかることなく時効を迎える。事件から22年後の2017年、事件の犯人を名乗る男・曾根崎が現れる。曾根崎は日本中の注目を集める。そんな中、事件の犯人に同僚を殺され、妹が失踪した刑事・牧村は、曾根崎との接触を図る。
突如名乗り出た犯人・曾根崎と犯人に迫る刑事・牧村の物語かと思いきや、全てが覆される作品。対立している2人が実は協力していることが判明することで、中盤までの2人の言動の見方が全く変わってくるため、もう一度最初から観て確認したいと思う作品である。
25『だめっ子みーちゃん』漫画
著者:棉きのし
掲載社:集英社
高校3年生のみおは、皆が簡単にできることが出来ない。学校ではトイレで同級生に水をかけられ、家では父親に怒鳴られる。しかし、自分がしたことの何が悪いのか分からず、同じ事を繰り返してしまう。そんなみおは、ある日屋上で1年生の三家に出会う。
毎日同級生から水を掛けられるのに、トイレの個室で声を掛けられると答えてしまったり、人が大勢いる中で「おしっこしたいなぁ」と思った事をそのまま口に出すなど、率直に言えば、みおは本来医師の診断が必要なのではないかと感じる。しかし、劣悪な家庭環境ではそれが叶わないことも読み取れる。
三家の言葉により、みおは周りと同じように出来なくてもいいし嫌われないように必死になる必要もないと前向きに考えるようになる。三家のような存在は必要だが、根本的な解決がないことは、現実に生じている支援が必要な子供の問題にも通じるように思う。
26『怪盗クイーンはサーカスがお好き』映画
原作:はやみねかおる
監督:傳沙織
脚本:國澤真理子
相棒のジョーカー、人工知能のRDと共に飛行船トルバドゥールに乗って世界中を巡る怪盗クイーン。狙った獲物は必ず手に入れるクイーンだったが、呪われた宝石「リンデンの宝石」を手に入れんとしたところで謎のサーカス団に横取りされる。宝を取り戻すため、クイーンたちはサーカス団に立ち向かう。
「怪盗クイーン」初のアニメーション映画作品。シリーズ1作目の物語を映画にしているため、原作を知らない人でも勿論楽しむことができる。同時に、その後登場するキャラクターや、同作者の「夢水清志郎」シリーズのキャラクターを登場させるなど、原作ファンにも楽しいサプライズが用意されていた。
27『カタシロRebuild』舞台
脚本、演出:ディズム
TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)と呼ばれる、ゲームマスターとプレイヤーの対話型ゲームシステムから生まれた作品の1つである『カタシロ』の舞台化作品。
主人公は、記憶喪失の状態で病院で目を覚ます。医者が言うには、雷に打たれたらしい。主人公は記憶を取り戻すため、医者と対話をすることとなる。
この作品最大の特徴は、主人公役が毎公演変わる事、そして主役は台本を渡されないことである。上述の通り、原作の『カタシロ』はゲームマスターとプレイヤーの対話により物語を進める。これを、舞台でも同じように行うため、主役の役者はゲームのプレイキャラクターそのものになる。よって、主役以外の人物もそれに合わせてアドリブで答えるため、全ての公演で内容が大きく変わるのである。
本作は全ての公演がオンラインで配信されているため、視聴者は複数の公演を観て内容の違いを楽しむこともできるだろう。
28『訳アリ心霊マンション』漫画
著者:ネブクロ
出版社:新潮社
東雲薫は、不労所得生活を夢見て中古マンションを購入した。しかし、そのマンションでは心霊現象が多発し、入居者は誰もいない。そこで薫は、幽霊に入居してもらう事を考える。
おどろおどろしいホラーと軽快なギャグのコントラストが読んでいて楽しい作品。幽霊を怖がらずに普通の人間と同じように接することでコミュニケーションを成立させ、マンションの入居者として引き込む薫の性格が魅力的である。
29『カヤちゃんはコワくない』漫画
著者:百合太郎
出版社:新潮社
カヤは幼稚園で有名な問題児。ブランコを独り占めしたり、絵本のページをテープで貼り付けてしまったり。理由を聞いても「ダメだから」の一点張りのカヤだったが、これらの行動には理由があった。カヤは並外れた霊感と除霊の能力を持っていたのである。
幼稚園を舞台としたホラーアクション。霊に対する力は並外れているカヤは、他の園児のピンチに駆けつけ助けるが、その行動のせいで周囲に怖がられることも多々ある。そんなカヤの強さと年相応の子どもらしさが応援したくなる作品である。
30『ギャギャ美が恋した』漫画
著者:つばさんた
掲載社:集英社
キノコの谷に住む9歳の少女・ギャギャ美は絵本のお姫様と王子様の恋に憧れる。そんな時、調査に来ていた王子様のような男性に一目惚れする。ギャギャ美は友人のベンと共に、王子様に振り向いてもらえるよう作戦を始める。
幼い少女が初めての恋に奮闘する、絵本のような可愛らしい漫画。やんちゃで行動派だが、いざとなると緊張してしまうギャギャ美と、頭脳派でギャギャ美を応援する7歳の少年・ベンの疾走感がありながら優しいコメディは、暖かい気持ちになるだろう。
16『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
原作:J・K・ローリング
監督:デヴィット・イェーツ
「ファンタスティック・ビースト」シリーズ2作目。
前作で囚われた魔法使い・グリンデルバルドは脱獄し、膨大な魔力を持ち苦しんだ青年・クリーデンスらと共にパリに拠点を築く。主人公・ニュートはティナを探し、ティナの妹・クイニーとその恋人・ジェイコブと共にパリに向かう。グリンデルバルドは、魔法使いに正当な権利を得るためと巧みに魔法使いを引き込み、非魔法使いを支配する計画を企てていた。
前作に続き、魔法動物や魔法を使った華やかな場面が魅力でありながら、「ハリー・ポッター」シリーズでも登場するダンブルドアに関わる秘密が明らかになる物語の展開にも注目したい。次作に繋がるラストシーンは、衝撃的だ。
また、ニュートの学生時代の様子が分かることも本作の見所である。
17『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
原作:J・K・ローリング
監督:デヴィット・イェーツ
「ファンタスティック・ビースト」シリーズ3作目。
ニュートは、調査中に心の清いものにひざまずく魔法生物・麒麟を見つける。しかし、その時現れた魔法使いたちによって麒麟は殺され、双子の子どもは一匹が連れ去られてしまったため、もう一匹を引き取ることになる。
一方、グリンデルバルドは魔法界の次期指導者を決めるための選挙に立候補する。
本作では、ダンブルドアとグリンデルバルドの深い関係が明かされる。学生時代互いに信頼し、唯一の存在だった2人は、別の道を歩みながらも血の誓いにより、互いを攻撃できない契約を結んでいた。そんな2人の対立は、学生時代との決別と捉えられる。また、麒麟の死体を操って指導者の座を得ようとしたグリンデルバルドと、麒麟にひざまずかれながらも指導者の座を別の者に引き渡したダンブルドアの対比は、2人の対比が現れているシーンである。
18『夜は短し歩けよ乙女』
著者:森見登美彦
出版社:角川書店
京都の大学に通う青年「先輩」と、その意中の女性でクラブの後輩の「黒髪の乙女」を中心に起こる不思議な出来事を描く。全4章で構成されており、「先輩」と「黒髪の乙女」の両視点が交互に一人称視点の語り手となる。
本作は、2006年に刊行された現代小説だが、文体や登場する物や情景は近代小説を思わせる雰囲気であり、古典文学や近代詩からの引用も多い。しかし、現代的なユーモアが要所に組み込まれており読みやすく、独特の魅力を生んでいる。また、現実では起こり得ない出来事が起きたりと、幻想的な世界観にも注目したい作品である。
19『少女椿』
著者:丸尾末広
出版社:青林堂
昭和13年、孤児となった少女・みどりは見世物小屋の下働きとなる。小屋の芸人たちはみどりに辛く当たり、みどりも芸人たちに嫌悪感をあらわにする日々を過ごしていた。ある時、小屋に雇われた男・ワンダー正光に好かれたことで、みどりの立場は好転する。しかし、小屋を出てワンダー正光と共に旅に出ることになった直後、ワンダー正光は命を落としてしまう。
昭和初期当時の、身体障碍者を見世物にする商売を描いている本作は、残酷な描写も多く、初読時の衝撃は大きいだろう。一貫して暗く、狂気的なストーリーを緻密で繊細なタッチで描くことで、残酷さの中に美しさと魅力を生んでいる。
20『魔法少女まどか☆マギカ』映画
原作:Magica Quertet
総監督:新房昭之
監督:宮本幸裕
脚本:虚淵玄
中学生の少女・まどかはある夜、魔法で戦う少女の姿と、謎の生物に「魔法少女になってほしい」と言われる夢を見る。翌日、まどかの中学校に転校してきたのは夢で見た少女・ほむらだった。ほむらはまどかに「魔法少女になってはいけない」と告げる。
その日、謎の生物・キュウべえと出会ったまどかと親友のさやかは、魔女の使い魔に襲われるが、魔法少女のマミに助けられる。魔法少女の存在を知ったまどか達の人生は大きく動き出す。
可愛らしい魔法少女とマスコットのビジュアルとは裏腹に、残酷な展開が衝撃的な作品。魔法少女と敵対する魔女は、アニメーションユニット・劇団イヌカレーによる、コラージュを用いた表現で独特の世界観を生み出している。
主人公達が多感な中学生の少女だからこその、未熟さや純粋さから生まれる物語が描かれていると感じる。
21『戦国BASARA』アニメ
原作:CAPCOM
監督: 川崎逸朗、板垣伸
脚本:むとうやすゆき
時は戦国、日本各地の武将が天下を目指し、争いを繰り広げていた。中でも尾張の織田信長は、圧倒的な武力と手段を選ばない狡猾さで日本を手中に収めんとしていた。そんな中、奥州の伊達政宗は武田信玄と上杉謙信の首を獲るべく川中島の戦いに乱入する。そこで政宗は真田幸村と出会う。2人の出会いにより、戦いは更に熾烈を極めることとなる。
アクションゲームを原作とした本作は、戦国武将が個性豊かなキャラクターとなって登場する。強烈な個性を持つ登場人物達の様子はコメディーチックでもあるが、同時に史実に沿った設定が付けられており、秀逸だと感じた。また、前述の通り、アクションゲームを原作とするため、武将同士の戦いは派手で迫力のある演出がされている。
22『PSYCHO-PASS』アニメ
総監督:本広克行
監督:塩谷直義
脚本:虚淵玄、深見真、高羽彩
2112年、日本は、人間のあらゆる心理状態や性格を把握し数値化する「シビュラシステム」により管理されていた。これにより、人間はストレスに苛まれることがなく、自分に合った職業に就くことができる。中でも、「犯罪係数」は、罪を犯していなくとも、規定値を超えると「潜在犯」として裁かれるため、犯罪数は劇的に減少した。
しかし、それでも犯罪はゼロにはならないため、警察組織・公安局に所属する刑事たちは「犯罪係数」を測定する銃「ドミネーター」を用いて治安維持活動を行っていた。
近未来SF作品でありながら、刑事たちの泥臭さや信念に基づいた行動は、むしろ昭和の刑事もののような質感すら感じる。完璧に管理された世界の物語として始まるが、物語が進むにつれてそのほころびが明らかになり、刑事たちが自身の足で真実に向かい犯罪に立ち向かう。どれだけ技術が発達しても、最終的に必要なものは人間が正義を信じる心なのではないかと考えさせる作品。
23『デスノート』映画
原作:大場つぐみ、小畑健
監督:金子修介
脚本:大石哲也
警察の息子で大学生の夜神月はある日、黒い奇妙なノートを拾う。それは、ノートに名前を書かれた人間が死ぬ「デスノート」だった。月は、世界を変えるために犯罪者の名前を次々とノートに書いていく。やがて世間では犯罪者を葬る謎の人物として月と「キラ」と呼び、信奉する者が現れ始める。
一方警察は一連の犯罪者の死を殺人事件とし、名探偵・Lに調査協力を依頼する。
ノートを拾った当初は、法の下で犯罪者を裁くには限界があるという正義感から行動していた月だったが、次第に自分の行為を邪魔する者は犯罪者でなくとも利用し、殺すことを躊躇しなくなっていく。主人公が人を殺し暴走し、敵対するLが命を顧みずそれを阻止するという構造は、少年漫画を原作とした作品としては非常に珍しいのではないだろうか。
24『22年目の告白-私が殺人犯です-』映画
原案:韓国映画『殺人犯の告白』
監督:入江悠
脚本:平田研也、入江悠
1995年に起きた連続殺人事件は、被害者に警察官を含めながらも犯人が見つかることなく時効を迎える。事件から22年後の2017年、事件の犯人を名乗る男・曾根崎が現れる。曾根崎は日本中の注目を集める。そんな中、事件の犯人に同僚を殺され、妹が失踪した刑事・牧村は、曾根崎との接触を図る。
突如名乗り出た犯人・曾根崎と犯人に迫る刑事・牧村の物語かと思いきや、全てが覆される作品。対立している2人が実は協力していることが判明することで、中盤までの2人の言動の見方が全く変わってくるため、もう一度最初から観て確認したいと思う作品である。
25『だめっ子みーちゃん』漫画
著者:棉きのし
掲載社:集英社
高校3年生のみおは、皆が簡単にできることが出来ない。学校ではトイレで同級生に水をかけられ、家では父親に怒鳴られる。しかし、自分がしたことの何が悪いのか分からず、同じ事を繰り返してしまう。そんなみおは、ある日屋上で1年生の三家に出会う。
毎日同級生から水を掛けられるのに、トイレの個室で声を掛けられると答えてしまったり、人が大勢いる中で「おしっこしたいなぁ」と思った事をそのまま口に出すなど、率直に言えば、みおは本来医師の診断が必要なのではないかと感じる。しかし、劣悪な家庭環境ではそれが叶わないことも読み取れる。
三家の言葉により、みおは周りと同じように出来なくてもいいし嫌われないように必死になる必要もないと前向きに考えるようになる。三家のような存在は必要だが、根本的な解決がないことは、現実に生じている支援が必要な子供の問題にも通じるように思う。
26『怪盗クイーンはサーカスがお好き』映画
原作:はやみねかおる
監督:傳沙織
脚本:國澤真理子
相棒のジョーカー、人工知能のRDと共に飛行船トルバドゥールに乗って世界中を巡る怪盗クイーン。狙った獲物は必ず手に入れるクイーンだったが、呪われた宝石「リンデンの宝石」を手に入れんとしたところで謎のサーカス団に横取りされる。宝を取り戻すため、クイーンたちはサーカス団に立ち向かう。
「怪盗クイーン」初のアニメーション映画作品。シリーズ1作目の物語を映画にしているため、原作を知らない人でも勿論楽しむことができる。同時に、その後登場するキャラクターや、同作者の「夢水清志郎」シリーズのキャラクターを登場させるなど、原作ファンにも楽しいサプライズが用意されていた。
27『カタシロRebuild』舞台
脚本、演出:ディズム
TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)と呼ばれる、ゲームマスターとプレイヤーの対話型ゲームシステムから生まれた作品の1つである『カタシロ』の舞台化作品。
主人公は、記憶喪失の状態で病院で目を覚ます。医者が言うには、雷に打たれたらしい。主人公は記憶を取り戻すため、医者と対話をすることとなる。
この作品最大の特徴は、主人公役が毎公演変わる事、そして主役は台本を渡されないことである。上述の通り、原作の『カタシロ』はゲームマスターとプレイヤーの対話により物語を進める。これを、舞台でも同じように行うため、主役の役者はゲームのプレイキャラクターそのものになる。よって、主役以外の人物もそれに合わせてアドリブで答えるため、全ての公演で内容が大きく変わるのである。
本作は全ての公演がオンラインで配信されているため、視聴者は複数の公演を観て内容の違いを楽しむこともできるだろう。
28『訳アリ心霊マンション』漫画
著者:ネブクロ
出版社:新潮社
東雲薫は、不労所得生活を夢見て中古マンションを購入した。しかし、そのマンションでは心霊現象が多発し、入居者は誰もいない。そこで薫は、幽霊に入居してもらう事を考える。
おどろおどろしいホラーと軽快なギャグのコントラストが読んでいて楽しい作品。幽霊を怖がらずに普通の人間と同じように接することでコミュニケーションを成立させ、マンションの入居者として引き込む薫の性格が魅力的である。
29『カヤちゃんはコワくない』漫画
著者:百合太郎
出版社:新潮社
カヤは幼稚園で有名な問題児。ブランコを独り占めしたり、絵本のページをテープで貼り付けてしまったり。理由を聞いても「ダメだから」の一点張りのカヤだったが、これらの行動には理由があった。カヤは並外れた霊感と除霊の能力を持っていたのである。
幼稚園を舞台としたホラーアクション。霊に対する力は並外れているカヤは、他の園児のピンチに駆けつけ助けるが、その行動のせいで周囲に怖がられることも多々ある。そんなカヤの強さと年相応の子どもらしさが応援したくなる作品である。
30『ギャギャ美が恋した』漫画
著者:つばさんた
掲載社:集英社
キノコの谷に住む9歳の少女・ギャギャ美は絵本のお姫様と王子様の恋に憧れる。そんな時、調査に来ていた王子様のような男性に一目惚れする。ギャギャ美は友人のベンと共に、王子様に振り向いてもらえるよう作戦を始める。
幼い少女が初めての恋に奮闘する、絵本のような可愛らしい漫画。やんちゃで行動派だが、いざとなると緊張してしまうギャギャ美と、頭脳派でギャギャ美を応援する7歳の少年・ベンの疾走感がありながら優しいコメディは、暖かい気持ちになるだろう。