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3年 岩下 RES
夏休み課題1~10

1.七つ屋志のぶの宝石匣(漫画)
作者:二ノ宮知子
名家の跡取り息子・北上顕定は、幼少期に一家離散を原因として老舗質屋の倉田屋に質入れされてしまう。当初は3年という期限付きで期限を過ぎても返済に来なかった場合には自身の孫娘である志のぶと婚約させる条件だったはずが、顕定のことを預けた人物は期限を過ぎて、質屋の店主が亡くなった後も現れなかった。天才肌の宝石オタク・志のぶと外商として働きながら一族から離散した宝石を捜す秀才・顕定の人間模様を描いた物語。
高校生ながら目利きの才能に長け、実家の質屋を手伝う素朴な志のぶと、一流宝石店に勤めるエリート外商・顕定という二人の主人公のバランスが絶妙だと感じた。また、本編には宝石に関する注釈が随所に差し込まれているため、宝石について詳しくなくても読みながら知識が身につく点も一つの魅力である。

2.文豪ストレイドッグス(アニメ)
原作:朝霧カフカ・春河35 監督:五十嵐卓哉 アニメーション制作:ポンズ 
文豪と同じ名前持つ登場人物たちは、それぞれの著書やペンネームにちなんだ異能力を持っていた。主人公の中島敦は孤児院を追い出されてヨコハマを放浪していたところ、異能集団・武装探偵社の太宰治に出会う。人食い虎に関する調査に付き合っていくうちに、中島敦こそが無意識のうちに虎に変身し、街を徘徊していた人物だという事実を突き付けられる。災害指定猛獣として懸賞金をかけられながらも武装探偵社で働く中島敦や、敵対組織・ポートマフィアとの確執を描いた異能バトル作品。
谷崎潤一郎の妹に対する執着心やしきりに死にたがる太宰治など、史実をもとにした誇張表現がおもしろい。また、登場人物のセリフ回しや原稿用紙風のテロップの演出など、文学的な世界観も魅力の1つである。中でも、異能力を使った視覚的にもド派手な戦闘シーンがこの作品の真骨頂だと感じた。

3.復讐の教科書(漫画)
原作:廣瀬俊、作画:河野慶
同じ班のクラスメイトから酷いいじめを受けていた黒瀬は、担任教員の白鳥のような立派な先生になるという将来の夢を持っていた。しかしながら、エスカレートしたいじめの影響で屋上から落とされてしまった黒瀬は、偶然外に居た白鳥と衝突して入れ替わってしまう。憧れの先生・白鳥の身体を使って5人のいじめっこに復讐を果たしていく黒瀬の話。
物語冒頭で描かれる同級生からのいじめや母親による家庭内暴力は壮絶なもので、読者は黒瀬の境遇に深く同情していくこととなる。そのため、復讐は何も生まないぞ、といういじめっ子の命乞いを意にも介さず「生産性なんて求めていないんで」と釈然と復讐を果たしていく主人公の姿には、もはや爽快感すら覚えた。また、黒瀬が憧れていた教員であり、入れ替わりの相手でもある白鳥にはなにやら謎があるらしいということが、物語中盤で明らかになってくる。この展開により、黒瀬がいじめっ子一人一人の大切なものを奪っていく、という単調な展開に波乱が生まれ、先が読めない物語となっている。復讐という後味が悪いテーマを、カタルシス溢れる展開の数々と入れ替わりゆえのミステリー要素たっぷりに描いた物語。

4.煉獄のカルマ(漫画)
原作:廣瀬俊 マンガ:春場ねぎ
各々の悩みから自殺をした二人の主人公が謎の女性・カルマの言いつけによって自殺の業を清算すべく、自らの死によって不幸になった6人を救っていく物語。
本作では、自殺することで不幸になる周囲の人々に焦点が当てられている。CASE1の主人公七瀬誠は同級生にいじめられていて家庭内にも居場所がなく「周囲にいる人(=いじめっ子ら)を不幸にするため」自殺をするが、七瀬の死によって不幸になったのは全く無関係なクラスメイトや近所の小学生、インターネット上でのみやり取りをしていた唯一の友達といった予想外の人々であった。この辺りの描写が秀逸で、6人の不幸を回避するために奔走する七瀬の姿に感銘を受けながらも、自殺によって思わぬ事物に不幸がもたらされていく様子に”自殺の業”の存在をありありと感じた。CASE2の主人公春川たま子は容姿に自信がないながらも明るく愛嬌のある人気者でアイドルを目指していたが、母親に否定されたショックから家出。美容整形後にアイドルオーディションを受験するも、落選のショックから自殺を図ってしまう。自殺は未遂に終わるも、その際一緒に自殺を図った集団自殺を企てていた6人の魂を救う(=未練を解消する)ことを強いられる。春川はCASE1の主人公・七瀬と同様の真摯な姿勢で6人の魂を救おうとするのと同時に、自らの夢であったアイドルオーディションにも再挑戦することとなっていく。この2つの出来事が同時進行的に描かれることによって、春川たま子という人物に移入させられていくのと同時に、物語終盤の設定に衝撃をもたらすための伏線となっている。CASE1とCASE2は一見無関係な物語にも思え、どちらか片方でも物語の筋を理解することはできるが、一部共通する人物が登場するなど全編を通して読んだ読者に嬉しい仕掛けが施されている。

5.今際の国のアリス(漫画)
作者:麻生羽呂
特に理由はない閉塞感を感じていた高校生・有栖良平は2人の友人と共に、人類が滅びた後の荒廃した世界・今際の国に迷い込んでしまう。定期的に命がけの「げぇむ」をくりあしないと撃ち殺されてしまう過酷な制約の中で、知恵を絞って生き残ろうと画策する物語。
本作に登場するげぇむはトランプになぞらえられており、難易度A~Kまでのスペード(肉体戦)、クラブ(バランス型)、ダイヤ(頭脳戦)、ハート(心理戦)の中からランダムで開催されていく。この設定が面白く、読んでいてハラハラする作品だった。中でも、みんなで協力する心がないとクリアできないげぇむがある一方で、一人しか生き残ることができず、周りを蹴落とすことが必要とされるげぇむも存在するという対比構造が絶妙に感じた。
また、作中に登場する死生観にまつわる格言が興味深く、ただ残酷なだけではない、その先にある生きることの意味について考えさせられる作品だと感じた。

6.のだめカンタービレ(漫画、実写映画)
作者:二ノ宮知子
ピアノ科に在籍しながらもプロの指揮者を目指す音大生・千秋は努力に裏打ちされた才能を持っていながらも、幼少期のトラウマに由来する飛行機恐怖症と海への恐怖心から日本を出ることができずにいた。そのため、常にクラッシック音楽の本場ヨーロッパに行くことができないことに対して焦りや不満を抱えていた。その後、天賦の才を持っていながら破天荒な演奏をするピアノ科の後輩・野田恵(通称のだめ)との出会いをきっかけに交流関係を広げた千秋が、切磋琢磨しながら指揮者への歩みを進めていく物語。
専門知識に裏打ちされた作風で、読んでいて新鮮な気分を味わえた。また、登場人物が個性豊かながらも自分の芯や音楽への情熱を持っており、音が無いマンガという媒体でありながらも視覚的・感覚的な面から音楽の魅力を再発見できる作品だと感じた。

7.劇場版名探偵コナン ハロウィンの花嫁(アニメ映画)
制作:トムスエンタテインメント 監督:満仲勧
殺害予告が寄せられた結婚式を舞台に、公安警察の潜入捜査官である降谷零に首輪爆弾を付けた連続爆弾犯の謎に迫っていく物語。
3年前のハロウィンに降谷零が警察学校時代の同期と共に関与した爆弾事件と、渋谷を中心に現在進行形で発生している事件の関係性が徐々に明らかになっていく点が巧妙だと感じた。本作は特定のキャラクターに偏らずに複数のキャラクターにそれぞれの見せ場があるなど、「劇場版名探偵コナンシリーズ」の中でも特にバランスの良い作品である。現在の渋谷を助けたのは主人公である江戸川コナンやメインキャラクターの降谷零、少年探偵団等であるが、作中における現代の時間軸では既に亡くなっている警察学校時代の同期の言動が、主人公らを助ける間接的な要因になっている点が興味深い。

8.メイドインアビス(アニメ)
原作(漫画):つくしあきひと
制作:キネマシトラス 監督:小島正幸
人類最後の秘境と呼ばれる巨大な竪穴・アビスに命がけで挑む職業である探窟家に憧れるリコと、人型ロボット・レグが、偉大なる探窟家のリコの母に宛てられた手紙を頼りにアビスの深層を目指す物語。アビスには貴重な遺物が数多く眠っている一方で、一度潜ると特殊な磁場による上昇負荷の影響で最悪の場合死がもたらされるという恐ろしい呪いが掛けられている。
リコとレグの旅路は未知なる世界を旅するわくわく感に溢れている一方で、作品全体としては未知であるがゆえの恐怖や自然の畏怖を感じさせる少しダークな物語である。中でも、人体実験のために連れてこられた孤児・ミーティーとナナチにまつわるエピソードには自然の恐ろしさと人間の悪意、生命倫理に対する問題提起が含まれており、涙なしでは見れないようなエピソードである。

9.宝石の国(漫画)
作者:市川春子
人間が滅びたはるか先の未来、地球には長い年月を経て宝石の体を持つ生物が誕生していた。28体の宝石たちは月から襲来する謎の生命体・月人との闘いを繰り返しながら、互いに特技を生かした役割を担うことで生活していた。不器用すぎて役割を与えられなかった末っ子のフォスフォフィライトは、硬度が低く割れやすいため戦闘に不向きであったが、なんとか仲間のためになることができないかと模索していた。
アクシデントによって身体のパーツを失ったフォスフォフィライトが、欠損部位を他の鉱物で補いながら宝石たちの平穏な暮らしのためにもがいていく話。
この物語にはいくつかの主題があるが、その一つがテセウスの船的な命題である。主人公のフォスフォフィライトは最初に脚を失い、次に腕、頭、眼球と次第に別の鉱物に置き換わっていく。その際欠損部位の大きさに応じて人格形成の面における影響を他の鉱物から受けたり、過去の記憶をも失っていくため、果たして初期のフォスフォフィライトと最新話におけるフォスフォフィライトは同一人物といっていいのか、という命題が提示される。
また、人間ではなく鉱物であるからこその生命倫理や少しずれた価値観が物語のベースとなっているため、ユートピアのように見えてどこか破綻しているようなふわふわとした虚無感を楽しむことができる。

10.雪女と蟹を食う(漫画)
作者:Gino0808
北と名乗る男は人生に絶望しつつも自殺に踏み切れずにいたが、偶然目にしたTV番組の特集をきっかけに死ぬ前に北海道まで蟹を食べに行き、そのあと自殺しようと思い立つ。資金調達のために図書館で偶然出会った人妻・彩女の家に押し入り強盗するが、妙に落着き払った様子の彩女は北の思い付きに賛同し、自らも同行することを提言する。予算100万円、犯罪者と人妻による儚くほの暗い大人の夏休みを描いた作品。
北海道までの道中は自殺志望者であることを忘れさせるような楽しげな雰囲気に包まれているが、ふとした瞬間ににじみ出る死の連想がより一層夏の思い出を引き立てていると感じた。また、北が自殺を図っていた理由や彩女の行動に隠された意図といった謎が旅路を通して徐々に明らかになっていく様は鮮やかで、非常に読み応えのある作品である。
2022/09/18(日) 23:23 No.1881 EDIT DEL
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