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新3年 吉川 RES
春休み課題20点(1~10)
1.『BEASTARS』(漫画97話まで) 作者:板垣巴留
肉食獣と草食獣が共存し、人間のように生活する世界を舞台に、全寮制の学校チェリートン学園へ通う動物たちが描かれる。ある日草食獣のアルパカの生徒テムが何者かに食い殺されるという「食殺事件」が起こる。その後学園では草食獣の生徒と肉食獣の生徒の間に距離が生まれていた。
この作品は一見擬人化された獣たちの学園ストーリーのように見えるが、その裏では肉食獣と草食獣が共存することで起こる問題に焦点が当てられている。その問題というのは、常に草食獣が弱者の立場にあることである。例えば現実の社会で様々な要因によって生まれる弱者強者の構造が、この作品では種族によって固定され明確化されている点が注目される。主人公のレゴシは肉食獣のハイイロオオカミで、大型の体格、鋭い爪や牙など、種族として持ち合わせた暴力性を保有しているが、根暗であり、繊細な性格をしている。草食獣のウサギのハルに出会ったことで、彼女に恋愛感情を持つが、その感情が本当に恋愛感情なのか狩猟本能なのかわからないという描写があり、弱い立場にある草食獣の抱える問題だけでなく、本能を持て余す肉食獣の苦悩を描いている。作中、世間では肉食獣と草食獣が対等な関係を築いているかのようだが、誰も口に出さないだけで力関係が偏っていることを所々示しており、表面上問題無いように見えて差別が内在する社会をよく表していると感じた。

2.『おいしいコーヒーのいれ方』(漫画) (66話まで) 作画:青沼裕貴 構成:雀村アオ 装画・挿画:結布 原作:村山由佳
この作品は村山由佳の恋愛小説『おいしいコーヒーのいれ方』が漫画化された作品だ。双方の父親の転勤のためいとこの関係にある和泉勝利、花村かれんとその弟花村丈の3人は同居生活を送ることとなる。勝利は幼少の時以来会っていなかったかれんが知らぬ間に美しく変貌したのを目にし、次第に心惹かれていくことになる。
かれんと勝利は恋人同士になるのだが、いとこ同士の恋愛であるため二人の関係をかれんの母、勝利からすると叔母の花村佐恵子に打ち明けられずにいる。しかし、実はいとこ同士の恋愛という認識が間違いで、かれんは実の両親を亡くしており、花村家の養子として引き取られた子であったため、いとこ同士というレッテルは剥がされる。そうは言っても、かれんは自分が養子だということに気づいているものの、佐恵子はかれんがそのことに気づいているということを知らないという事情がある。そのため、依然として二人の関係は佐恵子に伝えられないままである。そのような事情を鑑みて、秘密にせざるを得ない二人の恋愛のストーリーに読者は引き込まれていく。厳密には異なるが、いとこ同士の恋愛という難しい題材を取り上げつつも甘酸っぱく爽やかな物語になっているのは、かれんの年齢に見合わないほど純粋で素直なキャラクター像にあるだろう。

3.『からっぽのアイネ』(漫画) 作者:折山 漠
アマチュア弦楽チームで中心的な存在であり、チームで「海の見えるホールで演奏をする」という目標を定めた相根小夜子の死により、チームはバラバラになってしまっていた。2年後、バイオリンはもう弾かないと決めた吉識律の前に、相根小夜子の記憶を持つ少女、二瀬愛音が現れる。
物語は相根小夜子が他界して2年後から始まり、主人公の吉識が過去にバイオリンを弾いていたこと、二瀬愛音が自身の記憶を無くしており、代わりに相根小夜子の記憶を持っていることが語られる。二瀬の望みは、相根が結成した弦楽チーム「クインテット」のメンバーを再会させ、相根の目標だった「海の見えるホールで演奏をする」事を叶えることである。2年前のクインテットは相根の死がトリガーとなり崩壊することになったが、実はそれ以前からメンバー内ですれ違いが起きており、間接的に相根の死亡事故の原因となっていた。そのため元メンバーはクインテットと向き合うことが出来ずにいた。バラバラになった彼らを引き合せるのが、相根の記憶を持つ二瀬である。記憶を持っているとしても、相根のしようとしていたことを、全くの他人である二瀬が引き継ぐと宣言していることに違和感があったが、クインテット再会、メンバーそれぞれ個人の抱える問題を解決したのち消化不良だった相根の一件を清算し、二瀬は二瀬の人生を歩んでいくという結末に落ち着いた。変わった設定で物語が始まったため最初は物語に入り込むのに難儀したが、話が進むにつれ謎が理解に変わっていくのを楽しむことが出来た。物語のハードさが柔らかめの絵柄でカバーされ、寂しく儚い作品となっている。

4.『おくることば』(漫画) 作者:町田とし子
男子高校生の佐原はある日交通事故で死亡する。しかし、その事故は幼なじみの少女千秋によって起こされたものだった。なぜ千秋が佐原を殺したのかはわからないままだが、幽霊になった佐原はほかのクラスメイトに事件の真相を伝えるため奔走する。
第1話で主人公・佐原が死亡し、彼を道路に突き飛ばして殺したのが千秋とされる。佐原が死亡しているのにも関わらず、千秋は不気味な笑顔を浮かべるのだが、ここの描写がホラー漫画の悪霊のようなタッチで描かれており、千秋はなにを企んでいるのかと恐怖を感じさせる。話が進むにつれて、主人公の自己中心的な性格が判明し、過去によく遊んでいた少女みったんが佐原のせいで事故にあったという記憶を思い出す。そして、佐原は千秋に殺されたのではなく、交差点にみったんを見た佐原が衝動的に飛び出したことで事故にあっていた。千秋の不気味な笑みの正体は幼い頃祖母が亡くなる際に笑っていて欲しいと言われて感情表現の仕方が偏ったためであり、悲しくつらいからこその微笑みだったのだ。みったんの事故を思い出した佐原は病院で目を覚まし、みったんが目を覚ましたのを目撃した千秋が涙を流して物語は幕を閉じる。基本的に読者は主人公の視点で物語を読み進めるが、その主人公がズレた感覚の持ち主だったという点がこの作品の注目される点だろう。確かに千秋の笑顔の表現は殺人を想起させるが、それを見ているのは千秋に殺されたと思い込んでいる佐原である。このようなミスリードが多くあり、間違っているのは主人公側である読者側だったのだという驚きがある。千秋の感情表現の問題も、みったんが目覚める感動的なシーンで回収されており、3巻完結の作品ではあるが美しい終わり方だったと感じる。

5.『進撃の巨人』アニメ60話から81話(アニメ シーズン4、5) 制作:MAPPA 原作:諫山創
エレンの父の地下室で巨人の秘密を知ったエレン達は、幼少期の夢だった壁の向こうの海を見ることを達成した。その海のさらに向こうでは戦争が続いていた。マーレの少年兵ガビは銃弾が飛び交う最前線へ身を投じる。
 シーズン4では、世界では戦争が続いており、マーレが巨人を利用して他国を制圧している状況が語られる。マーレの兵力である巨人の力を継承するマーレの戦士候補生であるガビは正義感が強く、マーレに住むエルディア人としての誇りを持っており、マーレ側に偏った教育を信じているため、壁内のエルディア人を島の悪魔として憎んでいる。シーズン4の注目すべき点は、ガビが悪魔として疑わなかった壁内人類が、自分たちと変わらない普通の人間だと気づくまでの過程にあるだろう。ガビが壁内人類を憎むのは、大昔に大罪を犯した島の悪魔が存在しているせいで大陸にいる善良なエルディア人までもが迫害されているのだという思想のためである。実際はマーレ側からするとガビも含めた全てのエルディア人が巨人になることが出来る怪物だと認識されている。ガビは幼いころから施されたマーレの教育を疑うことなく受け入れ、マーレの策略の駒となっていき、島の悪魔だと思っていた複数人を強い憎しみをもって殺害している。マーレのレベリオ収容区で混乱が起きたときサシャを殺害し、捕虜として捉えられて逃げた先でサシャの故郷の人間に世話になる。マーレ人捕虜ニコロが経営するレストランで、ガビがサシャを殺した張本人であることが暴露され、その場の全員がサシャと親しかったという状況の中で、サシャの仇として殺されそうになる。サシャの父ブラウス氏はガビを許し、ガビを許せないカヤがナイフを手に取りガビを罵る。ここでガビは自分が島の悪魔だと思っていたものは居なかったことを理解する。島の悪魔を連呼する嫌な役として描かれていたガビだったが、このような少女を作ったのはマーレの政策であり、この一連の出来事で、偏った思想を持つことの危険、純粋な子どもに偏った思想を植え付けるプロパガンダの危険性を考えさせられた。真の意味では彼女に罪はないのだと感じる。

6.『東京リベンジャーズ』(アニメ) 制作:ライデンフィルム 原作:和久井健
 26歳フリーターとして華が無い生活を送っていた花垣武道は中学時代の彼女だった橘日向とその弟橘直人が犯罪集団東京卍會の抗争に巻き込まれ死亡したことをニュースで知る。翌日、タケミチは何者かによって駅のホームに突き落され死亡したかと思われたが、中学時代の走馬灯を体験し、その時代のナオトと接触することで現代での死を回避していた。走馬灯と思われたタケミチの体験はタイムリープだった。タケミチとナオトはヒナタを救うべく奔走する。
 タイムリープを利用してヒナタを助けるのがタケミチとナオトの望みだが、何度過去に干渉してもヒナタの生存ルートにならないことと、24話でキサキが涙した理由が謎のままである。作品はヤンキーものという題材にふさわしい友情・裏切りの描写や底辺から地位を得ていく成り上がりストーリーとなっており、ヤンキーの底辺のタケミチが根性を見せたことで東卍の総長マイキーに気に入られる点がその一つに挙げられる。8・3抗争での誰が敵かわからない状況や血のハロウィンでのバジの仲間を思う気持ちなど、波乱万丈なストーリーに魅力を感じた。

7.『ミッドサマー』(映画)監督:アリ・アスター 制作:ラース・クヌーセン、パトリック・アンデション
心理学を専攻する大学生ダニーは恋人のクリスチャンに依存しがちであり、クリスチャンは内心面倒に思いながらもダニーに別れを告げられずにいた。クリスチャンとその男友達4人は、そのうちの一人ペレの生まれ故郷であるスウェーデンのホルガ村に旅行をする計画を立てていた。その話を聞いたダニーもついて行くことになり、6人はホルガ村へと向かう。
この作品はアリ・アスターのホラー作品であり、優しく明るい住民が暮らすホルガ村という舞台で奇妙な恐怖を演出している。村の全員が朗らかで、白い衣装を着ており村特有の雰囲気を纏っていることで、全く知らないコミュニティに身一つで投げ出されたような不安を煽る。人を平気で、それも残酷な方法で生贄にするなどのホラー描写があるが、それ以外に前述のようなあからさまに「ホラー」といった描写が無いところでも恐怖を感じさせるような演出がこの作品の魅力だろう。
 
8.『テルマエ・ロマエ』(映画) 監督:武内英樹 原作:ヤマザキマリ
古代ローマ人の浴場設計技師が、現代の日本の銭湯にタイムスリップする。現代の風呂文化に衝撃を受けた彼は古代ローマに戻った際、その風呂文化を真似た入浴場を設計し、大注目を浴びる。
この作品はコメディものであり、現代の日本人があたりまえに使っている銭湯の細かな部分に古代ローマ人が驚愕し、彼なりの真面目な分析をするが現代人の感覚とはズレているという点が笑いを誘う。日本人だが濃い顔の持ち主の阿部寛が主演を務め、作中彼が日本人を見た時に「平たい顔」と驚くシーンはよく知られている。このシーンでは裏を返せば阿部寛の濃い顔が揶揄されており、そういった流れのギャグがところどころ見られる。

9.『翔んで埼玉』(映画) 監督:武内英樹 原作:魔夜峰央
田舎や田舎者に対する激しい差別が行われている東京の名門校、白鵬堂学院に、容姿端麗、学問・スポーツ共に優秀な男子学生、麻実麗が転入してくる。都会的な姿や言動から、学院の生徒たちは麻実を慕うようになる。しかし、彼は学院の生徒たちが忌み嫌う埼玉県民だった。
この作品は「都会感」が誇張された東京都に住む東京都民が「田舎感」が誇張された埼玉県に住む埼玉県民を差別する世界観であり、埼玉県民の麻実麗が差別をなくそうと奔走する物語である。東京都民が埼玉県民を埼玉県人と呼んで差別するだけでなく、埼玉県民は千葉県民から海が無いことを罵られたり、茨城県民は格上の埼玉県民に強制労働させられたり、群馬県は秘境の地とされているなど、関東での覇権争いがネタにされている。「わかる人にはわかる」ブラックな笑いが多く盛り込まれている点がこの作品の魅力だろう。

10.『ザ・ファブル』(漫画) 作者:南勝久
裏社会の人間から「ファブル」と呼ばれる伝説の殺し屋がいた。彼はボスからの命令で佐藤明という名前を貰い、仕事仲間だった佐藤洋子という名前を貰った女性と兄妹という設定で一切殺しをせず、一般人と変わらない普通の暮らしをするという任務を受ける。
主人公の佐藤明は殺しのプロであるが、IT技術の進歩などの時代の流れによって、彼の持つ殺しの技術が通用しなくなる恐れがあった。そこで、明を気に入っているボスが、彼を「処分」せずに済むように一般人の暮らしをせよという命令をしたのである。この作品は、明が「プロとして」という言葉と共に一般人の振りをすること、つまり命令を忠実に守ること自体に誇りを持っており、あくまでプロの殺し屋として一般人を演じているという点が面白い。暴力団「真黒組」とのトラブルが起こるなどした際、本来は敵にもならないような実力差があるにもかかわらず、わざと拳を食らったりする。明の持つ天然なキャラクターと「最強の殺し屋」という二面性が作品の土台になっている。
2022/04/12(火) 01:51 No.1848 EDIT DEL
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