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二年 髙田(梨)
RES
夏休み課題 2~10
2『下妻物語』(小説)
作者:嶽本野ばら
発行所:小学館
田んぼだらけの茨城県下妻でロリータを愛する女子高生桃子は、お洋服を買うお金のために始めた個人通販でヤンキーの少女イチコと出会う。ロリータとヤンキーという正反対の二人だったが、次第に友情が芽生えて行く。笑いあり感動ありの青春物語。
本作の特徴の一つは、主人公桃子が愛するロリータファッションについての描写である。実在するロリータファッションブランドも登場し、小説でありながら桃子の服装が頭から爪先まで見えてくる。更に、これにより桃子のロリータへのこだわりが伝わるのである。
また、高校生の少女たちによる悩みや憂鬱を描きながらも、全編通してギャグを織り交ぜているため、爽やかな気持ちで読むことができることも魅力だ。
中島哲也氏が監督を務める映画も、実写とアニメーションを織り交ぜた構成により、本作の魅力をそのままに実写化している。
3『ルックバック』(漫画)
作者:藤本タツキ
発行所:集英社
自信家の少女藤野と引きこもりの少女京本は漫画を通じて出会う。漫画、そして絵に対する思いを抱いた正反対の少女たちの青春を描く。
『ルックバック』という作品タイトルを想像させる場面は一つではない。藤野が絵を描く後ろ姿や、京本が自分の背中に藤野のサインを頼むシーン、京本が藤野の四コマ漫画を描いた時のタイトルに加え、歩んできた人生を振り返るという作品全体のテーマに繋がる。
本作ではセリフを入れずに絵だけで登場人物の感情や月日の流れを表すコマが多くあり、漫画という媒体を最大限活かした作品だと感じた。
4『岸部露伴は動かない~エピソード16:懺悔室~』(漫画)
作者:荒木飛呂彦
発行所:集英社
漫画家の岸部露伴は取材に訪れた懺悔室で神父と間違えられ、男の懺悔を聞く。
男は昔、浮浪者に冷たく当たり、その浮浪者は「おまえが「幸せの絶頂の時」必ず迎えに戻ってやる」と言い残して死んでしまう。後に娘が生まれ、幸せを感じた男の前に浮浪者が再び現れるが、運試しのチャンスを与えると告げる。
この短編は、作者が子供の頃祖父に言われた「普段、人をあざむいて生活していると一番幸福な時にバチがあたるぞ」という言葉を元に作られた。(「死刑執行中脱獄進行中」あとがきより)
死んだ人間が娘に憑依して現れるというホラーと、「ポップコーンを口でキャッチできるかどうか」が命運を分けるという一見シュールだがスリルのある展開に、上記のシンプルな教訓を重ねることで、恐ろしさと少年漫画としての面白さが深みを増している。
また、表題にもなっている岸部露伴はあくまで「岸部露伴は動かない」シリーズの語り部であり、主人公は短編ごとに変わることも特徴である。
5『妄想銀行』(小説)
作者:星新一
発行所:新潮社
エフ博士は人の妄想を取り扱う妄想銀行を経営している。妄想銀行とは、人の妄想を預かり、その妄想が必要な別の誰かに販売するというものである。男子学生の異性への妄想を預かり、娯楽を欲する金持ちの老人に売る。何もしていないのに罪悪感にさいなまれる妄想を預かり、反省しない被告人に使うため弁護士に売る。エフ博士の経営は順調だったが、思いを寄せる女性に預かった妄想を使おうとしたことで事件が起きる。
本作は人間の妄想を主題としており、人間の妄想はとめどなく、突拍子もないものもある。更に、エフ博士も、妄想を取り扱い人々を俯瞰的に見ている一方で、思いを寄せる女性への私利私欲で預かった妄想を使用する。人間の妄想と欲を描いている本作だが、それを否定する言葉は出てこないことが面白いと感じた。エフ博士は誰がどのような妄想をして、その妄想がどのように使われても良いという姿勢であり、エフ博士の私欲による行動の結果も、状況を描くのみで教訓らしい文章はない。しかし、その端的な描写が、読者にこの作品の教訓を伝えているのではないだろうか。
また、1978年の初版発行から40年以上経過していることを感じさせず、時代や年齢を問わず読みやすい短編であると感じた。
6『HiGH & LOW』(ドラマ、映画)
企画:EXILE HIRO
監督:久保茂昭
制作:日本テレビ
ここでは『HiGH & LOW』シリーズの内、メインストーリーの区切りとなる、テレビドラマ『HiGH & LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D~』から、映画『HiGH & LOW THE MOVIE3/FINAL MISSION』について書く。
5つのチームが拮抗していることから、各チームの頭文字を取って「SWORD地区」と呼ばれる地区を舞台として、不良たちの戦いや絆を描いたシリーズ。
かつて地区一帯を支配していたがある事件をきっかけに姿を消したチーム「ムゲン」と、「ムゲン」に対抗する強さを持つ「雨宮兄弟」、その後勢力を強めた5つのチーム「SWORD」、更に突如現れた新勢力「MIGHTY WARRIORS」を中心に物語が展開される。
本作のキャッチコピーは「全員主役」である。「SWORD」の中のSにあたる「山王連合会」がメインとなってドラマはスタートするが、ドラマ2作と映画4作の物語の中で、上記の各勢力全てにフォーカスは合わせられる。その中でも、各チームのリーダー達による、チームへの愛と地区の不良から大人への成長に対する葛藤は見所である。更に、本シリーズでは各リーダーの下に付いていた世代達にスポットライトを当てたスピンオフ作品も制作されており、「全員主役」というキャッチコピーに誠実な作品である。
7『DTC‐湯けむり純情編‐from HiGH & LOW』(映画)
企画:EXILE HIRO
監督:平沼紀久
『HiGH & LOW』シリーズのスピンオフ作品。「SWORD」の一つ「山王連合会」に属するダン・テッツ・チハルの三人(通称「DTC」)は、波乱の日々からひと段落し、行き当たりばったりのバイク旅を始める。旅先で出会った旅館の母娘と、旅館の番頭の恋を応援するため、かつて戦った相手である「SWORD」の別チームのメンバーの協力も得て、プロポーズ大作戦を計画する。
作中、3人の旅を「喧嘩0、笑い80、感動20」と表現するセリフが登場する。これは、そのまま本作のテーマにもなっており、本作は、不良ものとしてアクションシーンに注力してきた『HiGH & LOW』シリーズで初めて喧嘩シーンが一切登場しない。
しかし、愛する人への想いや絆が描かれていることはシリーズの他作品と共通しており、『HiGH & LOW』シリーズの主軸は喧嘩そのものではなく、大切な人のために力を尽くすことだと受け取ることができる作品である。
8『カニーニとカニーノ』(短編アニメーション)
監督:米林宏昌
制作:スタジオポノック
父のトト、兄のカニーニ、弟のカニーノは川に住むサワガニの家族。ある大嵐の日に、カニーニを助けようとしたトトは巨大な泡の塊に飲まれてしまう。小さな兄弟は、トトを探しに旅に出ることを決意する。
小さなサワガニから見た川底の描写が美しく印象的である。また、カニーニ達は擬人化されているが、他の生き物はそのままの姿で描かれていることも特徴的だ。特に、カニーニ達を捕食しようとする魚や、更にそれを餌とする鳥等をCGで表現することで、カニーニ達からは大きく恐ろしい生き物であることを伝えている。
弟の前では涙を見せまいとするカニーニが、母の前では子供らしく泣くラストシーンは、米林監督が所属していたスタジオジブリの作品『となりのトトロ』のラストシーンを彷彿させた。
9『サムライエッグ』(短編アニメーション)
監督:百瀬義行
制作:スタジオポノック
東京都で暮らす野球好きで元気な小学生のシュンは、生まれつき重度の卵アレルギーを持っている。諦めず治療を受けるシュンと、それをひたむきに見守る母だったが、ある日シュンが誤って卵入りのアイスクリームを食べてしまう。
食物アレルギーの深刻さを伝えるとともに、親子の愛情を描く短編。本作では、シュンの周囲の人々は皆アレルギーへの理解と配慮をしており、それによりシュンは助けられる。アレルギーは当事者以外は苦しみが分かりにくいものだが、学ぼうとする周囲の姿勢の大切さを本作は伝えていると考える。作中には卵アレルギーの治療法や対処法について、言葉で説明されることなく描かれるが、観た者が自ら調べて理解する機会になるのではないだろうか。
10『透明人間』(短編アニメーション)
監督:山下明彦
制作:スタジオポノック
本作の主人公である青年は、透明人間だ。周りの人間はもちろん、自動ドアやATMも、青年を認識しない。消火器やつるはしといった重りがなければ、空に浮いて飛ばされてしまう。絶望する青年だったが、老人に声をかけられ、心境に変化が訪れる。そんな中青年は道路に放置されたベビーカーを見つける。
本作は、若者のアイデンティティを描いていると考える。古びたアパートで同じような日々を過ごし、他人へ親切にしても見向きもされない。「自分が生きている意味とは何なんだろう」といった、若者が持ちうる感情を、透明人間という表現で表していると捉えることができる。
ベビーカーの赤ん坊が車に轢かれそうになる所を助け、赤ん坊から笑顔を向けられた青年は、ラストシーンで消火器もつるはしも持たずに生活している。これは青年が、何かに頼ることなく、自分の意思で生きる主体性を得た成長を描いていると考えられる。
2『下妻物語』(小説)
作者:嶽本野ばら
発行所:小学館
田んぼだらけの茨城県下妻でロリータを愛する女子高生桃子は、お洋服を買うお金のために始めた個人通販でヤンキーの少女イチコと出会う。ロリータとヤンキーという正反対の二人だったが、次第に友情が芽生えて行く。笑いあり感動ありの青春物語。
本作の特徴の一つは、主人公桃子が愛するロリータファッションについての描写である。実在するロリータファッションブランドも登場し、小説でありながら桃子の服装が頭から爪先まで見えてくる。更に、これにより桃子のロリータへのこだわりが伝わるのである。
また、高校生の少女たちによる悩みや憂鬱を描きながらも、全編通してギャグを織り交ぜているため、爽やかな気持ちで読むことができることも魅力だ。
中島哲也氏が監督を務める映画も、実写とアニメーションを織り交ぜた構成により、本作の魅力をそのままに実写化している。
3『ルックバック』(漫画)
作者:藤本タツキ
発行所:集英社
自信家の少女藤野と引きこもりの少女京本は漫画を通じて出会う。漫画、そして絵に対する思いを抱いた正反対の少女たちの青春を描く。
『ルックバック』という作品タイトルを想像させる場面は一つではない。藤野が絵を描く後ろ姿や、京本が自分の背中に藤野のサインを頼むシーン、京本が藤野の四コマ漫画を描いた時のタイトルに加え、歩んできた人生を振り返るという作品全体のテーマに繋がる。
本作ではセリフを入れずに絵だけで登場人物の感情や月日の流れを表すコマが多くあり、漫画という媒体を最大限活かした作品だと感じた。
4『岸部露伴は動かない~エピソード16:懺悔室~』(漫画)
作者:荒木飛呂彦
発行所:集英社
漫画家の岸部露伴は取材に訪れた懺悔室で神父と間違えられ、男の懺悔を聞く。
男は昔、浮浪者に冷たく当たり、その浮浪者は「おまえが「幸せの絶頂の時」必ず迎えに戻ってやる」と言い残して死んでしまう。後に娘が生まれ、幸せを感じた男の前に浮浪者が再び現れるが、運試しのチャンスを与えると告げる。
この短編は、作者が子供の頃祖父に言われた「普段、人をあざむいて生活していると一番幸福な時にバチがあたるぞ」という言葉を元に作られた。(「死刑執行中脱獄進行中」あとがきより)
死んだ人間が娘に憑依して現れるというホラーと、「ポップコーンを口でキャッチできるかどうか」が命運を分けるという一見シュールだがスリルのある展開に、上記のシンプルな教訓を重ねることで、恐ろしさと少年漫画としての面白さが深みを増している。
また、表題にもなっている岸部露伴はあくまで「岸部露伴は動かない」シリーズの語り部であり、主人公は短編ごとに変わることも特徴である。
5『妄想銀行』(小説)
作者:星新一
発行所:新潮社
エフ博士は人の妄想を取り扱う妄想銀行を経営している。妄想銀行とは、人の妄想を預かり、その妄想が必要な別の誰かに販売するというものである。男子学生の異性への妄想を預かり、娯楽を欲する金持ちの老人に売る。何もしていないのに罪悪感にさいなまれる妄想を預かり、反省しない被告人に使うため弁護士に売る。エフ博士の経営は順調だったが、思いを寄せる女性に預かった妄想を使おうとしたことで事件が起きる。
本作は人間の妄想を主題としており、人間の妄想はとめどなく、突拍子もないものもある。更に、エフ博士も、妄想を取り扱い人々を俯瞰的に見ている一方で、思いを寄せる女性への私利私欲で預かった妄想を使用する。人間の妄想と欲を描いている本作だが、それを否定する言葉は出てこないことが面白いと感じた。エフ博士は誰がどのような妄想をして、その妄想がどのように使われても良いという姿勢であり、エフ博士の私欲による行動の結果も、状況を描くのみで教訓らしい文章はない。しかし、その端的な描写が、読者にこの作品の教訓を伝えているのではないだろうか。
また、1978年の初版発行から40年以上経過していることを感じさせず、時代や年齢を問わず読みやすい短編であると感じた。
6『HiGH & LOW』(ドラマ、映画)
企画:EXILE HIRO
監督:久保茂昭
制作:日本テレビ
ここでは『HiGH & LOW』シリーズの内、メインストーリーの区切りとなる、テレビドラマ『HiGH & LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D~』から、映画『HiGH & LOW THE MOVIE3/FINAL MISSION』について書く。
5つのチームが拮抗していることから、各チームの頭文字を取って「SWORD地区」と呼ばれる地区を舞台として、不良たちの戦いや絆を描いたシリーズ。
かつて地区一帯を支配していたがある事件をきっかけに姿を消したチーム「ムゲン」と、「ムゲン」に対抗する強さを持つ「雨宮兄弟」、その後勢力を強めた5つのチーム「SWORD」、更に突如現れた新勢力「MIGHTY WARRIORS」を中心に物語が展開される。
本作のキャッチコピーは「全員主役」である。「SWORD」の中のSにあたる「山王連合会」がメインとなってドラマはスタートするが、ドラマ2作と映画4作の物語の中で、上記の各勢力全てにフォーカスは合わせられる。その中でも、各チームのリーダー達による、チームへの愛と地区の不良から大人への成長に対する葛藤は見所である。更に、本シリーズでは各リーダーの下に付いていた世代達にスポットライトを当てたスピンオフ作品も制作されており、「全員主役」というキャッチコピーに誠実な作品である。
7『DTC‐湯けむり純情編‐from HiGH & LOW』(映画)
企画:EXILE HIRO
監督:平沼紀久
『HiGH & LOW』シリーズのスピンオフ作品。「SWORD」の一つ「山王連合会」に属するダン・テッツ・チハルの三人(通称「DTC」)は、波乱の日々からひと段落し、行き当たりばったりのバイク旅を始める。旅先で出会った旅館の母娘と、旅館の番頭の恋を応援するため、かつて戦った相手である「SWORD」の別チームのメンバーの協力も得て、プロポーズ大作戦を計画する。
作中、3人の旅を「喧嘩0、笑い80、感動20」と表現するセリフが登場する。これは、そのまま本作のテーマにもなっており、本作は、不良ものとしてアクションシーンに注力してきた『HiGH & LOW』シリーズで初めて喧嘩シーンが一切登場しない。
しかし、愛する人への想いや絆が描かれていることはシリーズの他作品と共通しており、『HiGH & LOW』シリーズの主軸は喧嘩そのものではなく、大切な人のために力を尽くすことだと受け取ることができる作品である。
8『カニーニとカニーノ』(短編アニメーション)
監督:米林宏昌
制作:スタジオポノック
父のトト、兄のカニーニ、弟のカニーノは川に住むサワガニの家族。ある大嵐の日に、カニーニを助けようとしたトトは巨大な泡の塊に飲まれてしまう。小さな兄弟は、トトを探しに旅に出ることを決意する。
小さなサワガニから見た川底の描写が美しく印象的である。また、カニーニ達は擬人化されているが、他の生き物はそのままの姿で描かれていることも特徴的だ。特に、カニーニ達を捕食しようとする魚や、更にそれを餌とする鳥等をCGで表現することで、カニーニ達からは大きく恐ろしい生き物であることを伝えている。
弟の前では涙を見せまいとするカニーニが、母の前では子供らしく泣くラストシーンは、米林監督が所属していたスタジオジブリの作品『となりのトトロ』のラストシーンを彷彿させた。
9『サムライエッグ』(短編アニメーション)
監督:百瀬義行
制作:スタジオポノック
東京都で暮らす野球好きで元気な小学生のシュンは、生まれつき重度の卵アレルギーを持っている。諦めず治療を受けるシュンと、それをひたむきに見守る母だったが、ある日シュンが誤って卵入りのアイスクリームを食べてしまう。
食物アレルギーの深刻さを伝えるとともに、親子の愛情を描く短編。本作では、シュンの周囲の人々は皆アレルギーへの理解と配慮をしており、それによりシュンは助けられる。アレルギーは当事者以外は苦しみが分かりにくいものだが、学ぼうとする周囲の姿勢の大切さを本作は伝えていると考える。作中には卵アレルギーの治療法や対処法について、言葉で説明されることなく描かれるが、観た者が自ら調べて理解する機会になるのではないだろうか。
10『透明人間』(短編アニメーション)
監督:山下明彦
制作:スタジオポノック
本作の主人公である青年は、透明人間だ。周りの人間はもちろん、自動ドアやATMも、青年を認識しない。消火器やつるはしといった重りがなければ、空に浮いて飛ばされてしまう。絶望する青年だったが、老人に声をかけられ、心境に変化が訪れる。そんな中青年は道路に放置されたベビーカーを見つける。
本作は、若者のアイデンティティを描いていると考える。古びたアパートで同じような日々を過ごし、他人へ親切にしても見向きもされない。「自分が生きている意味とは何なんだろう」といった、若者が持ちうる感情を、透明人間という表現で表していると捉えることができる。
ベビーカーの赤ん坊が車に轢かれそうになる所を助け、赤ん坊から笑顔を向けられた青年は、ラストシーンで消火器もつるはしも持たずに生活している。これは青年が、何かに頼ることなく、自分の意思で生きる主体性を得た成長を描いていると考えられる。
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