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宇都穂南
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4年 宇都 夏休み課題 23〜27
23.幽霊の日記/製作:NOTHING NEW、監督:針谷大吾・小林洋介
茨城県稲敷郡。上空にいくつも浮かぶ、街のように巨大な「異次元構造物」が当たり前にある世界。日本最大の異次元構造物のすぐ近くに、そのレストランはある。
そこでは十数年間、心霊現象が起こり続けていた——。
YouTubeで見られる短編SF映画。製作のNOTHING NEWは、2022年に設立された新しい映画レーベルだそう。
作中で印象的なのが食べるシーンである。約30分という短い作品だが、主人公の成長を描くのに食べるシーンが多用されており、カップヌードル(おそらく)が顕著だが、どれも美味しく見えるように撮られている。過去・現在・未来が混ざり合い、並行世界まで登場するストーリーになっており、学生時代の主人公が幽霊に「(カップラーメン)食べる?」と訊いたことが、未来の主人公を孤独と絶望感から救う。そして、未来の主人公は並行世界の主人公に「(味噌汁)食べる?」と訊く。「過去の落ち込んでいた自分にかけてあげたい言葉」がある人も多いと思うが、それを視覚化し、食べることのあたたかさや力を表現した作品だと解釈した。
24.viewers:1 / 製作:NOTHING NEW、監督:針谷大吾・小林洋介
人類の文明が崩壊した、少し先の未来。一人の男がたった一人の視聴者に向け、孤独に配信を続けながら廃墟をさすらう。「ぐっちゃん」と名乗り、表面的には明るく振舞う彼だが、徐々に精神的に追い詰められていく。
わずか2分20秒という短さの作品。
味方らしき「基地局ドローン」が徐々に減っていくこと、ひとまず目標としていた海に着いたら敵らしき巨大ロボットが大量に闊歩していたことなどから主人公の配信者が絶望感を抱いていく様が効果的に表現されている。配信画面の「viewers:1」の表示を見ながら孤独に耐えていたが、配信に必要な基地局ドローンが飛ばなくなってしまい、昼は飲まないと決めていた酒を飲み始めてしまう様からは彼の諦めを感じる。が、最後はたった1人の視聴者と出会うことができ希望の残る作品となっている。
映像の質感が、普通のスマホで撮ったような加工感の少ないものであり、そこに巨大ロボットがゆったりと歩いていて不気味さが強い。ロボットの脚が3本で奇数になっており自然界では見られないような構造で、その点も不自然さ、気味の悪さを効果的に表現していると思った。
25.秒速5センチメートル/ 監督:新海誠
互いに特別な想いを抱きながらも、小学校の卒業と共に離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里。2人は中学生になっても連絡を取り合い続けていた。そんなある日、貴樹は、遠くで暮らす明里に1人で会いに行くことを決める。
おそらく主人公の最寄り駅が豪徳寺駅なのだが、驚くほど豪徳寺駅そのままの背景だった。有名なラストのすれ違いシーンも、小田急線の踏切だと思われる。新海誠による2007年の映画だが、キャラクターがまだ平面っぽいアニメ絵なのに対して不自然なほど背景が美しい。ガラケー、メール、分厚いデスクトップパソコンなどが懐かしさを感じさせる。
全体的に画面の動きが少ない映画で、人物の語り、モノローグがとても多い。そのモノローグが中学生とは思えない高すぎる語彙力で面白いのだが、貴樹も明里も読書家なのでそれを表現しているのかもしれない。画面全体の動きが少ないと書いたが、それによって第二話「コスモナウト」の見せ場と思われるサーフィンのシーンが映えている。
26.雲のむこう、約束の場所/ 監督:新海誠
戦後、日本は津軽海峡を挟んで南北に分断された。米軍統治下の青森に暮らす2人の少年、ヒロキとタクヤ。彼らは2人とも同級生のサユリに憧れを抱いていた。津軽海峡の向こう側、ユニオン占領下の北海道に建設された謎の塔まで自力で飛ぼうと約束した2人は、小型飛行機を組み立て始める。
新海誠の絵柄の変遷が面白いと思った。この作品の時点では少年漫画のようなタッチだが、徐々に絵柄が大人向けになっていって、最終的にはややファミリー向けに寄っているが萌え的な要素も取り入れた絵柄になっていると思う。
世界観も最近の作品とは違ってもっとSFに寄っており、日本やアメリカは登場するが歴史ごと大きく変えられている。私は最近の作品から観ていったので、この頃の作風は意外でかなり驚いた。
27.ぼくらの / 鬼頭莫宏
夏休みに自然学校に参加した少年少女15人は、海岸沿いの洞窟でココペリと名乗る謎の男に出会う。子供たちは「自分の作ったゲームをしないか」とココペリに誘われる。ゲームの内容は、「子供たちが無敵の巨大ロボットを操縦し、地球を襲う巨大な敵を倒して地球を守る」というもの。兄のウシロに止められたカナを除く14人は、ただのコンピュータゲームだと思い、ココペリと契約を結ぶ。その後、黒い巨大なロボットと敵が出現し、コエムシと名乗る口の悪いマスコットも現れる。ロボットの中のコックピットに転送された子供たち15人の前には、ココペリとコエムシが待っていた。これが黒いロボット・ジアースの最初の戦いであった。戦闘を重ねるにつれ、子供たちはゲームの真の意味を目の当たりにすることになる。
子供が15人もいるので、これほど少ない話数(全65話)で覚えられるのか、全員活躍させられるのかと思ったが、ストーリー内で一時的にメインとなった子供はそのあと死ぬことになる設定になっており、印象づけが工夫されていると感じた。
内容の核は家族愛や、命の重さといった問題だろう。またヤングケアラー、職業差別、グルーミング、兄弟間暴力などのさまざまな社会問題を扱っている。
SF作品だが、軍部や報道の動き、アメリカとの関係など現実の要素も多く盛り込まれ、また作品独自の素粒子に関する論などもあり、SFと現実らしい設定が入り混じっている点が面白かった。
23.幽霊の日記/製作:NOTHING NEW、監督:針谷大吾・小林洋介
茨城県稲敷郡。上空にいくつも浮かぶ、街のように巨大な「異次元構造物」が当たり前にある世界。日本最大の異次元構造物のすぐ近くに、そのレストランはある。
そこでは十数年間、心霊現象が起こり続けていた——。
YouTubeで見られる短編SF映画。製作のNOTHING NEWは、2022年に設立された新しい映画レーベルだそう。
作中で印象的なのが食べるシーンである。約30分という短い作品だが、主人公の成長を描くのに食べるシーンが多用されており、カップヌードル(おそらく)が顕著だが、どれも美味しく見えるように撮られている。過去・現在・未来が混ざり合い、並行世界まで登場するストーリーになっており、学生時代の主人公が幽霊に「(カップラーメン)食べる?」と訊いたことが、未来の主人公を孤独と絶望感から救う。そして、未来の主人公は並行世界の主人公に「(味噌汁)食べる?」と訊く。「過去の落ち込んでいた自分にかけてあげたい言葉」がある人も多いと思うが、それを視覚化し、食べることのあたたかさや力を表現した作品だと解釈した。
24.viewers:1 / 製作:NOTHING NEW、監督:針谷大吾・小林洋介
人類の文明が崩壊した、少し先の未来。一人の男がたった一人の視聴者に向け、孤独に配信を続けながら廃墟をさすらう。「ぐっちゃん」と名乗り、表面的には明るく振舞う彼だが、徐々に精神的に追い詰められていく。
わずか2分20秒という短さの作品。
味方らしき「基地局ドローン」が徐々に減っていくこと、ひとまず目標としていた海に着いたら敵らしき巨大ロボットが大量に闊歩していたことなどから主人公の配信者が絶望感を抱いていく様が効果的に表現されている。配信画面の「viewers:1」の表示を見ながら孤独に耐えていたが、配信に必要な基地局ドローンが飛ばなくなってしまい、昼は飲まないと決めていた酒を飲み始めてしまう様からは彼の諦めを感じる。が、最後はたった1人の視聴者と出会うことができ希望の残る作品となっている。
映像の質感が、普通のスマホで撮ったような加工感の少ないものであり、そこに巨大ロボットがゆったりと歩いていて不気味さが強い。ロボットの脚が3本で奇数になっており自然界では見られないような構造で、その点も不自然さ、気味の悪さを効果的に表現していると思った。
25.秒速5センチメートル/ 監督:新海誠
互いに特別な想いを抱きながらも、小学校の卒業と共に離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里。2人は中学生になっても連絡を取り合い続けていた。そんなある日、貴樹は、遠くで暮らす明里に1人で会いに行くことを決める。
おそらく主人公の最寄り駅が豪徳寺駅なのだが、驚くほど豪徳寺駅そのままの背景だった。有名なラストのすれ違いシーンも、小田急線の踏切だと思われる。新海誠による2007年の映画だが、キャラクターがまだ平面っぽいアニメ絵なのに対して不自然なほど背景が美しい。ガラケー、メール、分厚いデスクトップパソコンなどが懐かしさを感じさせる。
全体的に画面の動きが少ない映画で、人物の語り、モノローグがとても多い。そのモノローグが中学生とは思えない高すぎる語彙力で面白いのだが、貴樹も明里も読書家なのでそれを表現しているのかもしれない。画面全体の動きが少ないと書いたが、それによって第二話「コスモナウト」の見せ場と思われるサーフィンのシーンが映えている。
26.雲のむこう、約束の場所/ 監督:新海誠
戦後、日本は津軽海峡を挟んで南北に分断された。米軍統治下の青森に暮らす2人の少年、ヒロキとタクヤ。彼らは2人とも同級生のサユリに憧れを抱いていた。津軽海峡の向こう側、ユニオン占領下の北海道に建設された謎の塔まで自力で飛ぼうと約束した2人は、小型飛行機を組み立て始める。
新海誠の絵柄の変遷が面白いと思った。この作品の時点では少年漫画のようなタッチだが、徐々に絵柄が大人向けになっていって、最終的にはややファミリー向けに寄っているが萌え的な要素も取り入れた絵柄になっていると思う。
世界観も最近の作品とは違ってもっとSFに寄っており、日本やアメリカは登場するが歴史ごと大きく変えられている。私は最近の作品から観ていったので、この頃の作風は意外でかなり驚いた。
27.ぼくらの / 鬼頭莫宏
夏休みに自然学校に参加した少年少女15人は、海岸沿いの洞窟でココペリと名乗る謎の男に出会う。子供たちは「自分の作ったゲームをしないか」とココペリに誘われる。ゲームの内容は、「子供たちが無敵の巨大ロボットを操縦し、地球を襲う巨大な敵を倒して地球を守る」というもの。兄のウシロに止められたカナを除く14人は、ただのコンピュータゲームだと思い、ココペリと契約を結ぶ。その後、黒い巨大なロボットと敵が出現し、コエムシと名乗る口の悪いマスコットも現れる。ロボットの中のコックピットに転送された子供たち15人の前には、ココペリとコエムシが待っていた。これが黒いロボット・ジアースの最初の戦いであった。戦闘を重ねるにつれ、子供たちはゲームの真の意味を目の当たりにすることになる。
子供が15人もいるので、これほど少ない話数(全65話)で覚えられるのか、全員活躍させられるのかと思ったが、ストーリー内で一時的にメインとなった子供はそのあと死ぬことになる設定になっており、印象づけが工夫されていると感じた。
内容の核は家族愛や、命の重さといった問題だろう。またヤングケアラー、職業差別、グルーミング、兄弟間暴力などのさまざまな社会問題を扱っている。
SF作品だが、軍部や報道の動き、アメリカとの関係など現実の要素も多く盛り込まれ、また作品独自の素粒子に関する論などもあり、SFと現実らしい設定が入り混じっている点が面白かった。
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