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篠原結衣 RES
2年 篠原結衣
1, 忘却バッテリー(アニメ 2024)監督:中園真登
〈概要〉
 東京都立小手指高校に入学した山田太郎は中学球界で名をはせた完全無欠の剛腕投手・清峰葉流火、切れ者捕手の智将・要圭の怪物バッテリーに再会する。全国の強豪校からスカウトを受けていたはずの彼らがなぜ野球無名校の小手指高校にと疑問におもう山田。さらに要圭は記憶喪失で野球に関する知識も失っていた。野球から一度は離れた天才たちが集結し、彼らの野球が再び動き出す。
〈考察〉
 要圭が野球の面白さに気づくまでというのが描かれていた。最終話で「記憶を失って初めて野球を楽しいと思ってしまった」というセリフが出てくる。このセリフは記憶喪失前の要圭が語っているように思う。つまり、要圭は野球を楽しいと思っていない、または、野球を楽しいとは思ってはいけないと感じているということになると思う。今後、そんな要圭がどういう風に野球に向き合っていくかも見どころの一つだと思う。
2, グッバイ、ドン・グリーズ(映画 2022)監督:いしづかあつこ
〈概要〉
東京から少し離れた田舎町に住むロウマは周囲とうまくなじむことができず、同じように浮いた存在のトトと二人だけのチーム「ドン・グリーズ」を結成する。やがてトトは東京の大学に進学してしまう。地元の高校で一人ぼっちになったロウマは、アイスランドから日本にやってきた少年ドロップと意気投合し、ドロップもドン・グリーズの一員となる。夏休みになり、ひょんなことから山火事の犯人に仕立て上げられてしまった三人は、無実であることを証明するため、その証拠となる空のかなたへ消えたドローンを探しに行く。
  〈考察〉
周囲とうまくなじめないロウマと、広い世界に出て自分の小ささを目の当たりにしたトト、そして宝物を見つけるために日本に来た少年ドロップの三人が織りなす友情物語だと感じた。友情は時間の長さに比例しないというのがこの作品から伝わってきた。ドロップの表情を追ってみていると、ロウマとトトが中学時代の話をしているとき、少し寂しそうな表情をよくしていた。それは、ドロップが知らない二人のことを話していて、疎外感を覚えていたように見えた。しかし、ドロップと関わることでロウマやトトの考えや価値観が広がっていっているように表現されていたことから、二人の中でドロップはとても大きな存在になっていると思った。ロウマのセリフで「僕らはもうとっくに三人なのに」というものがあるが、これはロウマ、トト、ドロップの友情に差はなく、同じであるというのをあらわすセリフだと思う。友情は時間だけでなく、相手が与えてくれたものの大きさや、過ごした時間の濃さが大切なんだということを伝えてくれる作品だと思う。
3, 心が叫びたがってるんだ(映画 2015)監督:長井龍雪
〈概要〉
 幼いころ、何気なく発した言葉によって、家族がバラバラになってしまった少女、成瀬順は言葉を声に出すと、おなかが痛くなってしまうようになった。高校二年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命されてしまう。一緒に任命されたのは、全く接点のない三人のクラスメイト。担任の思惑によって交流会の出し物はミュージカルに決定する。そして、発表会当日、心に閉じ込めた、本当に伝えたかった気持ちをうたうと決めたはずの順だったが・・・。言葉で人を傷つけてしまった少女が再び言葉を取り戻す青春ストーリー。
〈考察〉
 音楽は世界中に通じる共通言語だという風に吹奏楽をしているときによく言われていた。音楽に感情を乗っけやすいのは事実だと思うし、人の心が動きやすいのもそうだと思う。おしゃべりでは伝えづらいことでも音楽だったら大丈夫だというのにはとても共感できた。順が創り出した玉子はきっと順がおしゃべりしないという自分を正当化するためのものだったのだろう。順は自分の言葉で人を傷つけることが怖くなって、口にチャックをしたんだと思うが、それは逃げていることだと感じた。自分の気持ちを言葉にして人に伝えるということはとても勇気がいることで体力も気力も使う。そこから逃げ出した順が音楽という言語を通して言葉を取り戻していく。その過程で自分の気持ちを言葉で伝えるということの難しさを表現しているのだと感じた。
4, 運命の人(漫画)作者:椎名軽穂
〈概要〉
高校を卒業して、胡桃沢梅は同じ大学に進学した黒沼爽子とかなり楽しく毎日を過ごしていた。ある日気乗りしない合コンに爽子を誘って参加したくるみはそこでおかしな男に絡まれてしまう。そんなピンチを救ってくれたのは爽子のいとこの赤星栄治だった。後日、爽子の家でのご飯に誘われたくるみと栄治。その帰り道、くるみは「つきあうか」と栄治にいきなり告白されてしまう。その場では断ったくるみだったが、だんだんと栄治に惹かれ始める。素直になれないくるみの不器用な恋の物語。
〈考察〉
 高校時代、爽子に出会うことで少しだけ自分に素直になれたくるみだったが、なかなか過去の自分の行いを自分で許すことができていないように見える。その後悔のせいで自分が幸せになることに罪悪感を覚えているように感じた。だから、人を試して自分は悪い子なのだと自分に暗示をかけて、その罪悪感から逃げているのかなと思った。そんなくるみに対して栄治は何の偽りもなくただひたすらにまっすぐ向き合い続けたからくるみの心が徐々に開いていったのかなと思う。まっすぐにぶつかってこられるとどうしても反発したくなったり、受け入れられなかったりすると思うけど、それを受け入れられるようになったのがくるみの成長だったのかなと思う。
5, コーヒーが冷めないうちに(映画 2018)監督:塚原あゆ子
〈概要〉
 時田数が働く喫茶店「フニクリフニクラ」には、ある席に座ると望み通りの時間に戻れるという不思議なうわさがあった。過去に戻るには面倒なルールがいくつもあったが、そのすべてを守ったとき、やさしい奇跡が舞い降りるのだという。今日も店には、うわさを聞き付けてやってきたキャリアウーマンの清川二美子や、訳あり常連客の高竹佳代と房木康徳、なぜか妹から逃げ回っている平井八絵子ら、それぞれ事情を抱える人々が訪れてくる。タイムスリップの引き金になるコーヒーを淹れることのできる数も近所の美大生、新谷亮介に導かれるように、自分自身の秘められた過去に向き合っている。
〈考察〉
 最後に数のために娘が未来からくるシーンがとても興味深かった。それまで、ずっと過去に行くということをクローズアップしていて、そのことをきっかけに未来に向かっていく物語かなと思っていたけど、新谷が過去でどうにかしようとせず、未来にかけたことが面白いポイントかなと思った。人は過ちを犯すと過去に戻ってどうにかしたいという発想になってしまいがちだと思うけど、そうではなくて、今からの自分がその過ちをどう正せるのか、そしてその過ちを糧にどう成長できるのかが大切なんだなと思わせてくれる作品だった。また、この作品は前半に起こったことを前提に後半15分で伏線を回収していくような構成になっていた。何気なく描かれていた新谷の存在も、彼がいなければ、数が自分を許すこともなく、物語が全然進まなかったのかなと思った。新谷の未来にかける思いが数を救ったのだと思う。
6, 君の膵臓をたべたい(小説 2015)作者:住野よる
〈概要〉
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトの山内桜良がつづった、秘密の日記帳だった。そこには彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていた。彼女の秘密を唯一知っているクラスメイトとなった僕は彼女との日々を過ごしていくこととなる。
〈考察〉
これは自分自身で選択することというのが大切にされている物語だと思う。それでも自分自身で選択できない病気と桜良がどう向き合って、なにを選択して生涯を終えていくのか。そこに山内桜良の生きた軌跡があるのではないか。「君の膵臓をたべたい」というタイトルに最後は衝撃を受けた。最初は桜良の膵臓が悪いからそういうタイトルなのだと思っていたけど、そうではなくて、桜良と僕がお互いのようになりたいという意味で送りあった言葉であった。それも選択のうちなのだと思う。選択するということは自分で責任を取らなければならない重大な行動だと感じていたけど、この本では日常のとても些細なことでさえ自分で選択していることだという風に書いてあった。選択するということは責任を伴う大変な行為だけど、それでも自分の納得できる、自分らしい人生を送るためには選択するということは避けられないとても大切なことなんだと思うことができた。
7, 胸が鳴るのは君のせい(映画 2021)監督:高橋洋人
〈概要〉
 高校一年生の篠原つかさは、三学期に転校してきた有馬隼人に恋心を抱くようになる。そして、高校二年の最後の日に、つかさは思い切って彼に告白する。しかし、結果はあえなく玉砕。それでも、有馬への思いが募るばかりの彼女は振られても諦めないと有馬に宣言する。
  〈考察〉
最初から告白して振られるという演出は斬新で面白いなと思った。一途に片思いを続けるのは相当気力が必要だと思うが、それでも思い続けられるというのが彼女の魅力の一つなのだろうなと思った。有馬は明らかにつかさのことを特別に思っているようだったのに、なかなか自分の気持ちに素直になれていない様子だった。自分のことを好きだと言っていて、しかもふった女の子に対して少しも好意がなければ、もう一度仲良くしたり、遊んだりするのは難しいのではないかと考える。この物語はつかさの一途な恋だけでなく、有馬がつかさに対する恋心を自覚するまでの心情変化も見どころの一つだと思う。
8, 君は春に目を醒ます(漫画)作者:縞あさと
〈概要〉 
小学四年生の絃は同級生の弥太郎に泣かされてばかりいた。そんなときに守ってくれるのは、7歳年上の千遥だった。しかし、千遥に現代の医術では治せない病気が見つかり、治療のために人工冬眠(コールドスリープ)することになる。絃は千遥が目覚めるのを待ち続け、気づけばその年月は7年にもなっていた。そんなとき、連絡があり、千遥が目覚めたことを知らされた絃は急いで病院に向かう。憧れの兄から同級生に変化した距離感に戸惑いつつ、絃と千遥は高校生活を一緒に送っていく。
〈考察〉
 時間の大切さを教えてくれる作品だなという印象。人工冬眠の7年という月日がなければ、もしかしたら千遥は絃のことを妹以上に見ることはなかっただろうし、弥太郎ら同級生と関わることもなかったのだろうなと思うと、千遥にとってはとても大事な7年だったのではないかと思う。生きている時間がずれるということによって、もちろん変わらないものもあるとは思うが、それ以上に失うものも多いはずで、そんな中でも必死に失ったもの以上に得るものを増やしていこうとしている絃と千遥の姿がとても見どころだと思う。
9, 恋を知らない僕たちは(漫画)作者:水野美波
〈概要〉
 高校2年生の英二と直彦は中学からの親友同士である。英二は幼馴染の泉へ密かに思いを寄せていたが、英二が気持ちを伝える前に直彦と泉が付き合うことに。さらに、泉と同じクラスの小春は直彦に恋をし、瑞穂は英二を意識し始め、太一は瑞穂を一途に想い続ける。片思いが交錯する高校生の青春物語。
  〈考察〉
六人の交錯する恋がこじれにこじれていて、一人一人の感情機微の表し方がとても繊細で読みやすい印象だった。英二の泉への気持ちは、行き場がなくなって恋心というよりも、執着心になっていたのではないかなと思った。だから、泉にきちんと気持ちを告げられたことで気持ちに整理がつけられたように見えた。やはり、自分の思いを誰にも言わずに閉じ込めておくというのは精神的にもかなり体力を使うから、気持ちを伝えるということは大切な行動なんだなと改めて感じた作品になった。
10,俺物語!!(漫画)アルコ×河原和音
〈概要〉
高校生離れした顔面と巨体を持つ剛田猛男は、豪傑かつ硬派な日本男児だが、心根は優しく純粋な高校1年生。その外見のせいで女子には恐れられているが、男子からの信頼は厚かった。そんな猛男は、親友のイケメン・砂川誠と一緒にいたある時、街中で危機に陥っていた女子高生・大和凛子を助ける。大和に一目ぼれした猛男だったが、後日、3人で再び会った際、大和は砂川のことが好きなのだと察する。落ち込みながらも大和と砂川の仲を取り持とうとする猛男だったが……。
〈考察〉
 見た目で人を判断するのはよくないなと思った作品。この物語の登場人物、特に猛男、大和、砂川、は人の奥深くまでよく見ているように感じる。人をまっすぐに見ているからいい人が寄ってくるし、基本的にはみんなに好かれるんだろうなと思う。また、恋愛要素だけでなく、クスッと笑えるシーンや感動するシーンもあるので、誰でも読みやすい作品だと思う。
11,そしてバトンは渡された(映画 2021)監督:前田哲
〈概要〉
 血のつながらない親の間をリレーされ、これまで4回も名字が変わった優子。現在は料理上手な義理の父である森宮さんと2人で暮らす彼女は、将来のことや友達のことなど様々な悩みを抱えながら、卒業式にピアノを演奏する「旅立ちの日に」を猛練習する日々を送っていた。一方、夫を何度も変えながら自由奔放に生きる梨花は泣き虫な娘みぃたんに精一杯の愛情を注いでいたが、ある日突然、娘を残して姿を消してしまう。
〈考察〉
 最初は全く関係ない二つの家庭について話が進んでいるように思わせておいて、実はそこに登場していた女の子は同一人物であるという構成がとても物語に引き込ませてくれたと思う。タイトルから陸上とかの話かと想像していたが、全く違い、親と子供の深い絆を表した作品だった。親子って血のつながりを表しているような言葉だと思っていたけどそんなことなくて、血のつながりなんか関係なくて、ただ相手をどう思っているか、どれほど大切にしているかというのが本当は大切なのかなと思った。愛情というのはどんな形であっても相手に伝わるのだと思った。
12,恋は光(映画 2022)監督:小林啓一
〈概要〉
 「恋をしている女性が光って見える」という特異体質の大学生、西条は、自身は恋愛とは無縁の学生生活を送っていた。ある日、彼は「恋というものを知りたい」という文学少女の東雲に一目ぼれし、恋の定義について語り合う交換日記を始める。西条にずっと片思いをしてきた幼馴染の北代は、そんな2人の様子に心をざわつかせる。一方、恋人がいる男性ばかりを好きになってしまう宿木は西条を北代の彼氏だと思い込んで猛アプローチをかける。4人は奇妙な四角関係に陥っていく。
〈考察〉
 とても静かな印象の作品だった。恋とは何かと作中で何度も問われていたが、恋というのは一つに定義づけられるようなものではなくて、人それぞれでよいのだと最後に結論付けられているように感じた。人それぞれの恋が表現されていて、とても面白いなと思った。今まで何の接点もなかった女子三人が作品の最後の方で宅のみをするような仲になっていたのがとても印象的で、一つの恋が人間関係にも変化を与えていて素敵な恋だったのだろうなと思った。
13,空の青さを知る人よ(映画 2019)監督:長井龍雪
〈概要〉
 秩父の町に暮らす高校生の相生あおいは進路を決める大事な時期なのに受験勉強もせず、東京に出てバンドをやることを目指して大好きなベースを弾いて毎日を過ごしていた。あおいには唯一の家族である姉のあかねがいるが、二人は13年前に事故で両親を亡くしており、当時高校三年生だったあかねは恋人の金室慎之介との上京を断念して地元で就職し、妹の親代わりを務めてきた。あおいは自分を育てるために多くのことを諦めた姉に対し、負い目を感じていた。そんなある日、町の音楽祭に大物歌手の新渡戸団吉が出演することになり、そのバックミュージシャンとして、あかねと別れたきり音信不通だった慎之介が町に帰ってくる。時を同じくして、まだあかねと別れる前の慎之介が、13年前の過去から時を超えてあおいのまえに現れる。
〈考察〉
 とても共感できる作品だなと思った。高校生の時は結構自分が正しいと思いがちだし、夢中になっているときは自分のしていることが間違っているとは思わないけど、ふとした瞬間に冷静に物事を見ると、自分はそんなにすごくないし、周りの人の言っていることの方が正しいなと思うことが多い気がする。それでもあおいが間違わないで進んでいけたのは一番大切なものがはっきりと決まっていたからだと思う。そのあかねへの気持ちがあおいの力の糧になっているように思った。
14,柚木さんちの四兄弟(漫画)作者:藤沢志月
〈概要〉
 数年前に両親を亡くし、長男・隼、次男・尊、三男・湊、四男・岳で暮らす柚木四兄弟。支えあいながら賑やかに日々を過ごしていた。数々のハプニングに遭遇しながらも、周りに支えられながら力いっぱいに暮らしていく。笑いあり涙あり感動ありの未体験ファミリーストーリー。
〈考察〉
 基本的に一話完結なので読みやすいと思う。小学生、中学生、高校生、大人といろんな年代の人が登場し、それぞれの悩みにクローズアップしていくので共感しやすいし、自分が同じ年齢の時に同じように感じていたなと考えながら読めるのも魅力だなと思う。大人は子供に対して、何も考えられない、私たち大人の方が正しいと思いがちだと思うが、この作品を読んでいると、子供は子供なりにいっぱい考えて行動しているのだということを思い出させてくれた。幅広い年齢層の人たちが関わるからこそ生まれるいろんな悩みやそれぞれの視点が見られるところが見どころだと思う。
15,桜蘭高校ホスト部(漫画)作者:葉鳥ビスコ
〈概要〉
 上流階級の家柄の息子や令嬢ばかりが通う私立桜蘭学院高等部1年生の藤岡ハルヒは勉強ができる静かな場所を求めて南校舎の第三音楽室にたどり着く。しかし、そこは暇を持てあます美少年が、同じく暇を持て余す女生徒をもてなし潤すホスト部なる集団が活動していた。
〈考察〉
 この漫画は特に相手に気持ちを伝えることを大切にしていたように思う。ある話の時にハルヒが「伝えもしないでわかってもらおうなんて無茶な話です」という風に言うセリフがある。これは母親を亡くしたハルヒならではのセリフだと感じた。もう伝えたくても伝えられない気持ちを持っているハルヒだからこそこのセリフが出てくるのだと思った。伝えられる相手がまだ目の前にいるのなら、伝えるべきだという風に感じた。また、ギャグ多めの少女漫画なので、恋愛漫画苦手という人でも読みやすいと思う。よくある、お金持ちの学校に普通の庶民的な女の子が入っていって一波乱あるという設定なのに、ハルヒがあまり動じないせいか、ハラハラすることもあまりなく、すんなりと読めた印象である。やっていることが突飛で、豪勢なため、全く想像できないことが起こり、読み進めていっても全く飽きずに読めた。
16,君の名は。(映画 2016)監督:新海誠
〈概要〉
 1000年ぶりという彗星の接近が1カ月後に迫ったある日、山深い田舎町に暮らす女子高生の宮水三葉は、自分が東京の男子高校生になった夢を見る。日頃から田舎の小さな町に窮屈し、都会に憧れを抱いていた三葉は、夢の中で都会を満喫する。一方、東京で暮らす男子高校生の立花瀧も、行ったこともない山奥の町で自分が女子高生になっている夢を見ていた。心と身体が入れ替わる現象が続き、互いの存在を知った瀧と三葉だったが、やがて彼らは意外な真実を知ることになる。
〈考察〉
 印象的だったのはやはり新海誠監督の特徴であるMV的なつくりになっているシーンである。音を絵に合わせるというよりも、絵を音楽に合わせて描いているようで、音楽の方が強く印象に残るように作られているみたいで面白いなと思った。瀧が奥寺先輩と行った写真展で糸守町の写真を見つけるシーンがある。その写真展の名前が「郷愁」だったので意味を調べてみると「故郷を離れている人が故郷を懐かしく感じる気持ち。また、昔を思い出して懐かしく思う気持ち(日本表現インフォ)」と書かれていたので、こういうシーンからでも糸守町は瀧の時代では昔になっているのかもしれないと予想できる。こういう小さなヒントを見つけながら何度も見るのも面白いと思う。
17,ワールドトリガー(漫画)作者:葦原大介
〈概要〉
 人口28万人を抱える三門市に突如現れた、異次元からの「門(ゲート)」。そこを潜り抜け、異次元の侵略者「近界民(ネイバー)」が周囲の街に襲いかかった。未知なる力を持ち、地球上の武器が効かない彼らに成す術もなく蹂躙されようとしたそのとき、「ボーダー」を名乗る組織が現れる。「こいつらのことは任せてほしい」と近界民たちを一掃した彼らは、その後界境防衛機関として組織を築き、近界民から街の平和を守り続けることになる。それから数年後のある日、ボーダーの末端に所属する三雲修の元に不思議な少年が現れる。近界民を名乗るも悪意の見えない空閑遊真との出会いは、世界に何をもたらすのか。
〈考察〉
 たくさんのキャラクターが出てくるのが魅力の一つかなと思う。また、たくさんのキャラクターがいて限られた戦闘スタイルの中なのにもかかわらず、それぞれのキャラクターにあった独自の戦い方が描かれているので戦闘シーンも停滞することなく楽しく読むことができたと思う。また、工夫次第でたくさんの無理難題を乗り越えていく主人公の姿にとても背中を押されるような作品だと思う。周りがどれだけ優れていても、自分を失わずに自分の良さを最大限引き出せるようにすればどんなことにでも立ち向かえるということを伝えているように感じた。
18,かがみの孤城(映画 2022)監督:原恵一
〈概要〉
 中学生のこころは学校に居場所をなくし、部屋に閉じこもる日々を送っていた。そんなある日、部屋の鏡が突如として光を放ち始める。鏡の中に吸い込まれるように入っていくと、そこにはおとぎ話に出てくる城のような建物と、6人の見知らぬ中学生がいた。そこへ狼のお面をかぶった少女「オオカミさま」が姿を現し、ここにいる7人は選ばれた存在であること、そして城のどこかに秘密の鍵が1つだけ隠されており、見つけた者はどんな願いでもかなえてもらえると話す。
〈考察〉
 不登校になったときに、学校側とか親とかは不登校になった子本人に原因があるように考えがちだと思う。しかし、多くの場合本人よりも周りに原因があることが多いのだなと感じた。こころが母親に「おなかが痛い」というシーンで最終的に母親が「行かないのね」といい、その後こころが「行かないじゃなくて行けない」と思うシーンがある。普段もだが、特に追い込まれている人に対して、ちょっとした言葉の違いで簡単にその人たちの心を傷つけてしまうことがあるんだなと感じた。
19,初×婚(漫画)作者:黒崎みのり
〈概要〉
 初が入学した七海学園高校は、世界一の結婚を目指し、男女2人部屋で寮生活を送る特別な学校。3年後に「金の夫婦の卵(ゴールデンカップル)」に選ばれると、卒業と同時に入籍、そして大手IT企業の社長になることができる。超正確なマッチングシステム“デステニー”に選ばれたパートナーの紺はつかめなくてちょっぴり意地悪な人だった。両親を亡くし、温かい家庭をつくりたいと願う真面目な女子高生と、一攫千金を狙うイケメン男子との学園ラブコメディー。
〈考察〉
 高校生は勉強に力を入れて、部活を両立し、余裕があれば恋愛をする、みたいなイメージを持っていたからか、恋愛をするために高校に入るというのが斬新な発想で驚いた。隣にいつもいてくれる人や同じ目標に向かっていく仲間やライバルが必死になっている姿を見ると、初めはどうでもいいと思っていたことでも誠心誠意向き合っていかなければという気持ちになるのかなと思った。必死に取り組むということは、周りにもいい影響を及ぼすということが分かった。
20,あのコの、トリコ(映画 2018)監督:宮脇亮
〈概要〉
 子供のころ、幼馴染の雫や昴とスーパースターになる夢を誓い合った頼。引っ越して二人と離れ離れになった頼は地味で平凡なメガネ男子に成長していたが、雫が人気モデル、昴が人気俳優になったことを知り、衝動的に雫の学校に転入する。雫の付き人としてCM撮影に立ち会ったことをきっかけに芸能界入りした頼は、事故で大けがを負った昴の代役として舞台で雫と共演することになり、幼いころから抱いていた雫への思いを募らせていく。
〈考察〉
 一度は俳優になるという夢を諦めたのにもかかわらず、雫の隣に胸を張って立てるようにと奮闘する頼の姿はとても応援したくなるような感じだった。雫の昴と頼に対する表情が印象的で、雫はどちらのことを好きなのか終始わからないような表現だったと思う。一度は諦めてしまったことも、もう一度頑張れば叶えることができるということを伝える作品だった。夢に挑戦することは、いつから始めようと遅くはなくて、自分の頑張り次第でどうにでもなるということを教えてくれたと思う。
21,インサイドヘッド2(映画 2024)監督:ケルシー・マン
〈概要〉
 少女ライリーを子どもの頃から見守ってきたヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリの感情たちは、転校先の学校に慣れ新しい友人もできたライリーが幸せに暮らせるよう奮闘する日々を過ごしていた。そんなある日、高校入学を控え人生の転機に直面したライリーの頭の中で、謎の警報が鳴り響く。戸惑うヨロコビたちの前に現れたのは、最悪の未来を想像してしまう「シンパイ」、誰かを羨んでばかりいる「イイナー」、常に退屈&無気力な「ダリィ」、いつもモジモジして恥ずかしがっている「ハズカシ」という、大人になるための新しい感情たちだった。
〈考察〉
 ライリーの中にある感情たちがいきいきと動いているのを見るのはとても面白かった。誰もが経験する思春期をテーマにしていたので、共感しやすい作品だったのではないだろうか。思春期になるとどうしても自分の感情をうまくコントロールできなくなるように感じるが、ライリーの中の感情たちがあたふたしていることでうまくいかない感情のコントロールを表しているのかなと思った。私たちが経験したことは無駄ではなくて、そのひとつひとつの経験によって一人の人として人格が作られていくということがよくわかる作品だった。
22,あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(アニメ 2011)監督:長井龍雪
〈概要〉
じんたん、めんま、あなる、ゆきあつ、つるこ、ぽっぽの6人は、小学校時代に互いをあだ名で呼び合い、「超平和バスターズ」という名のグループを結成して秘密基地に集まって遊ぶ間柄だった。しかし突然のめんまの事故死をきっかけに、彼らの間には距離が生まれてしまい、超平和バスターズは決別、それぞれ後悔や未練や負い目を抱えつつも、中学校卒業後の現在では疎遠な関係となっていた。高校受験に失敗し、底辺高校に入学したじんたんは引きこもり気味の生活を送っていた。そんな彼の元にある日、死んだはずのめんまが現れ、彼女から「お願いを叶えて欲しい」と頼まれる。
〈考察〉
 後悔と償いの物語だなと感じた。それぞれがめんまに対して罪悪感、劣等感などを抱いたままめんまがいなくなってしまい、自分の中にあるその気持ちをどういう風に発散していいかわからないまま高校生になってしまったのだなと思った。そういう複雑な心の葛藤がとても繊細に表現されている作品だと思った。
23,Dr.STONE(漫画)作者:稲垣理一郎
〈概要〉
 全人類が謎の石化現象により一瞬で石化して数千年。超人的な頭脳と精神力をもつ根っからの科学少年、石神千空は石化後も一秒たりとも精神を途切れさせることなく3700年の時を経て目覚めた。千空は文明が滅んだ石の世界で、一から科学の力で世界を取り戻すことを決意した。同級生の大木大樹を筆頭に科学王国をつくりあげていくストーリー。
〈考察〉
 千空の高校生とは思えないような知識量と行動力に何度も驚かされて、物語にどんどんのめりこんでいってしまうなと感じた。科学の知識だけでなく、集団を動かすときにどんなことを意識すればいいのかとか、どうすれば周りの人間がリーダーについていきたくなるのかみたいなことも学べるように感じた。一人ではできないことも人の力が集まれば不可能なことはないと思わせてくれる作品だった。
24,花野井くんと恋の病(漫画)作者:森野萌
〈概要〉
 家族や友人に恵まれているけど、恋愛はちょっぴり縁遠かった高校一年生の日生ほたるは、ある日隣のクラスのイケメン、花野井くんがフラれる現場をたまたま見てしまった。その後、雪が降る公園で一人たたずんでいた彼を見てほたるは傘を差しだす。そのことがきっかけで、後日花野井くんから公開告白をされてしまう。恋がわからないほたると愛が重すぎる花野井くんが織りなす初恋ラブストーリー。
〈考察〉
 今まで恋愛ということに疎くて興味もなかったはずのほたるが花野井くんの猛烈なアピールを受けることでだんだん好きという気持ちを知っていくという描写がなんともかわいらしく描かれている。また、花野井くんもほたると関わることによって、今までは恋人以外に興味も関心も持たなかったのに、どんどん恋人以外の人たちと関わるようになっていって、お互いがお互いにいい影響を与えていくというのがとてもすてきだなと感じた。
25,わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!(映画 2024)監督:宮原直樹
〈概要〉
 人気ゲーム「ドキドキ・タヌキングダム」で遊ぶため集まったこむぎたち。ところが、みんなで仲良くゲームで遊んでいたところ、突然、あやしいタヌキがいるゲームの世界に吸い込まれてしまう。大好きないろはやみんなと離れ離れになってしまったこむぎは、いろはに会うためにさまざまなゲーム対決に挑むことになる。しかし、ゲームの世界には隠された秘密があり、その鍵はゲームを作った少女ナツキが握っていた。
〈考察〉
 ゲームの世界に入り込むという設定で3Dと2Dを使い分けているのがとても興味深かった。3Dの方ではいろんなアングルからキャラクターたちが描かれていて、こっちも一緒になってゲームをしているような感覚になった。また、歴代の二グループのプリキュアたちも出てきたので、わんだふるぷりきゅあだけでなく他のプリキュアも知っていると楽しみが増えるなと思った。男の子がプリキュアになるということも近年は違和感なく受け入れられるようになったんだと思える映画だった。
26,カワイイなんて聞いてない!!(漫画)作者:春藤なかば
〈概要〉
 高校生の河原まどかは、放課後、両親が営む食堂を手伝うが、そこへ女子が騒がずにはいられないほどの超絶イケメン、志倉百喜がバイトにやって来る。カワイイ系の年下男子が好きな女子高生のまどかと、イケメンだが、女子を極端に警戒するぶっきらぼうな年下の男子高校生である志倉とのラブコメディー。不愛想で女子に心を開かないイケメンの志倉が、実はドジで天然なかわいい一面を見せる。そのギャップにまどかは悶絶しながらときめいてしまう。
〈考察〉
 最初は女の子なんてみんな一緒で自分に好意を寄せてくる面倒な存在だったはずの志倉くんがまどかの気持ちに触れていくうちにどんどんほだされてかわいくなっていくのがよく伝わってくるなと思う。また、いろんなことを経て無表情やにらむような表情が多かった志倉くんがころころと表情を変えていくのが見どころの一つだと思う。最初はまどかのことを決めつけでほかの女子と同じような人間だと思い込んでいたけど、まどかのはっきりした宣言で自分が人のことを知らないうちに決めつけていたのだと気づいた様子だった。人にはっきりと気持ちを伝えるのは大事なことだと思った。
27,先輩は男の子(漫画)作者:ぽむ
〈概要〉
 男だけどかわいいものが大好きで女の子の姿高校生活を送る男の娘、花岡まこと。ある日の放課後、まことは女の子だと勘違いしたまま後輩女子、蒼井咲に告白される。「実は自分は男の子なのだ」と打ち明けて、告白を断ること。しかし、まことの予想に反し、咲は諦めるどころか、「男女両方の先輩が楽しめる」とテンションがアップ。さらに、「私が先輩の初恋の人になってみせます」と宣言した。
〈考察〉
 今の多様性といわれる時代にぴったりの作品だと思った。一昔前だとまことのような人たちはそれを隠して生きていかなければいけないような空気感があったけれど、それを受け入れてくれる学校や友達が存在していて、隠さなくてもいい時代になりつつあるんだよということを示している作品だなと思う。また、まことの心の中の葛藤や母親の反応を見てショックを受けたことが結構リアルに描かれていて、とても勉強になる作品だと思う。
28,夏へのトンネル、さよならの出口(映画 2022)監督:田口智久
〈概要〉
 とある田舎町で噂されている「ウラシマトンネル」。その不思議なトンネルに入ると、あるものを失う代わりに欲しいものが何でも手に入るのだという。掴みどころがない性格に見えて過去の事故が心の傷となっている高校生・塔野カオルは、芯の通った態度の裏で自身の理想像との違いに苦悩する転校生・花城あんずと、トンネルを調査してそれぞれの願いをかなえるため協力関係を結ぶ。
〈考察〉
 ウラシマトンネルと名付けられた不思議なトンネルが出てくる。トンネルはよく異世界への入り口とか現実との境目としての表現で使われているが、ここでも現実との境目として使われていると感じた。特別な才能が欲しかったあんずは未来のためにその才能を欲していたのに対して、カオルはカレンを連れ戻し、過去の幸せな家庭を取り戻すためにトンネルを利用しようとしていた。未来のためか過去のためか、そこに目的の大きな違いがある。父親の再婚相手が来た時、カオルが具合悪くなったのは、カレンが戻れば母親も戻ってきて、また昔みたいになれると信じてやまなかったから、新しい母親という、もう戻れない事実を突きつけられて絶望したのかなと思った。カオルは最終的にウラシマトンネルは「捨てたものを取り戻す」トンネルだと結論付けていたが、だからこそ、自分が捨てたあんずへの気持ちとこれからの人生を取り戻せたのだと思う。
29,泣きたい私は猫をかぶる(映画)監督:佐藤順一・柴山智隆
〈概要〉
 笹木美代は、いつも明るく陽気な中学二年生の女の子。空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメイトからは「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれている。しかし本当は周りに気を使い、「無限大謎人間」とは裏腹に自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。そんなムゲは、熱烈な想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人へ毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えない、とっておきの秘密があった。
〈考察〉
 ムゲはクラスで浮いているように描かれているが、それは本当の自分を隠すためにわざとそう見えるようにふるまっているように感じた。そのため、家では気を遣い、空気を読んで発言したり、笑顔を絶やさないようにしていたりと「無限大謎人間」と言われるような目立った行動は見えない。本当に言いたいことを家でも学校でも言えずにとても苦しんでいた時にその現実から逃げ出せる猫のお面をもらって、唯一弱音が吐ける環境ができてしまい、居心地よくなったのだろうと思った。誰か弱音を聞いてくれる存在が一人でもいればムゲは猫になろうなんて考えもしなかったのかなと思った。
30,サクラ、サク(漫画)作者:咲坂伊緒
〈概要〉
 目立たず、いてもいなくても変わらない存在だった藤ヶ谷咲。咲はある日「桜」という名前の人に助けられたことをきっかけに、自分も困っている人をほっておかないと心に決める。時は流れ、入学した高校で「桜」と呼ばれる男の子に出会う。
〈考察〉
 咲が助けられたことをきっかけに必死に変わろうとしている姿がとても印象的だった。最初は行動から変えていっていたけど、陽希に恋をしていくうちに気持ちの持ちようとかも変わっていっていたと思う。「いい子」というのがよく使われていたがそれは周りに言われたこととを何でも引き受けるとか何でも言うことを聞くとかそういうことではなくて、自分の気持ちにも相手の気持ちにも正直にまっすぐ向き合える子のことを言っているのかなと感じた。
2024/09/23(月) 23:24 No.2058 EDIT DEL
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