EDIT FORM

以下のフォームから編集を行ってください
TEXT FLOAT
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。
3年 有田真優美 RES
1〜15
1.演劇入門(1998) 著者:平田オリザ

あらすじ
若き天才が全て明かす「芝居作りの技術」。シェイクスピアはなぜ四世紀にわたって人気なのか? 日本で対話劇が成立しづらいのはなぜか? 戯曲の構造、演技・演出の方法を平易に解説する画期的演劇入門書。

演劇に関わる人間として、学べることが多くあった。脚本の書き方というものがそもそもまるで分からない自分でも、どこから考え始めればいいのかが何となく分かるくらいには初心者に丁寧であると思う。また、役者や演出家に関しても、どんな心構えで挑むべきなのか、どんな問題点があり、どうクリアして行くべきなのかということが論じられていた。コンテクストがその人の状況や、場面、考え方によっても全く違う捉え方ができるということはすごく勉強になった。演技で言えば、長旅の電車で向かいあわせの席があったとして、向かいに人がいたら話しかけるか?、話しかけるとしたらどんな風に?というのも人によって全く異なる。それは人種や年齢などによって様々だ。それでも演劇は自分の中にないコンテクストでも理解して演じなければならない。役者は自分のコンテクストと演出家のコンテクストの擦り合わせが大事だということがその通りだなと思った。役者は演出家の意図をどれだけ形にできるかが重要だと私は思っているため、他人同士なら必ず生じるコンテクストのズレをどれだけ埋められるかという部分は大切だと思った。

2.ミステリと言う勿れ 劇場版(2023) 監督:松山博昭

あらすじ
大学生の久能整は、たまたま訪れていた広島でとある一族の遺産相続争いに巻き込まれてしまう。やがて彼は、一族の闇の歴史に秘められた謎を解き明かしていくことになる。

ドラマシリーズが映画化していることもあり、テンポよく見ることができて謎が謎を呼ぶ展開が面白い。遺産相続争いや、古い一族の掟を守り続ける者たちなど時代錯誤な一族に、久能くんが数々の名言を投げかける。
個人的には、汐路に話した「自分には絵の才能がない、下手だと思うということは目が肥えてきたということ。下手な人はそれすらも分からない。だから下手だと思う時こそ伸び時だ。」という言葉だ。自分に通じる部分もあり、ハッとしたし久能くんはいつも他の人とは違う視点でものを見ていてハッとする言葉を言ってくれて、そこがこの作品のもっとも魅力的な部分であることは間違いない。

3.地面師たち(2024) 監督:大根仁

あらすじ
2017年、再び土地価格が高騰し始めた東京。伝説の大物地面師・ハリソン山中に誘われ地面師詐欺の道に踏み込んだ辻本拓海。それぞれにプロフェッショナルな犯罪者数名で構成された地面師グループの彼らは、緻密かつ周到な計画で大手デベロッパーに詐欺を仕掛け、巨額を巻き上げていた。そんな彼らが次なるターゲットに選んだのは、時価100億円とも言われる土地。前代未聞の詐欺に挑む一方で、かつてハリソンを逮捕寸前まで追い込みながら、結局逮捕することができなかった定年間近の刑事・辰は、新人刑事と共に独自の捜査を開始していた。騙す側と騙される側、そして刑事の三つ巴の争いは、次第に拓海の「過去」とハリソンの「因縁」を浮き彫りにしていく。

あまり聞き馴染みのない犯罪集団だったが、
「地の面」という舞台や「マルス」というドラマでも扱われるほど、ドラマ内でも言っていたように、東京オリンピック以降地面師という犯罪者達が改めて増えているんだなと今回のドラマで知った。
死体や残虐なシーンの描写をあえて映したり、性的なシーンもあり、ハリソンを見ていても分かるように人間の欲望や快感、残酷非道な部分などを絵的な部分でもはっきりと映像として映していてリアルだなと思う。犯罪の手口についてもしっかりと描かれていて、巧妙で最悪だが、ギリギリの瀬戸際でバレずに成功するというシーンは緊張感もありつつ、観客にまでそのエクスタシーが伝わってくる。それがまた胸糞悪い感情を観客に与えてくる。最終話でハリソンが拓海に復讐を念頭に置きながらもどこか地面師という犯罪にエクスタシーを感じていたんじゃないかと問いかける。それは同時に観客にも問いかけていると思う。人が死ぬドラマや映画は一定の人気がある。それは決してやってはいけないことで、辛く苦しいものだが、死という誰もが興味のあることを描いているからだと思う。だからどんなに重くても目が離せない。
また、観客自身も地面師詐欺という何ヶ月もかけて行う巧妙なトリックにどこかのめり込んでいくのだと思う。そこに最後終止符を打つように倉持が「仕事じゃないですよ、犯罪です。」とはっきりと言葉にする。その言葉で拓海も観客自身も目が覚める。
ヴィラン側を主役に置くとどうしてもそちらに感情移入しがちで、地面師という賢い鮮やかな手口に目を惹かれるが、その代償の大きさや、その結果生み出された被害者達を見てこの犯罪の恐ろしさがよく分かるドラマになっていると思う。捜査一課ばかりがドラマになりがちだが、二課の知能犯との戦いに目を向けた新しい作品だと思う。

4.カラオケ行こ!(2024) 監督:山下敦弘

あらすじ
中学校の合唱部で部長を務める岡聡実は、ある日突然ヤクザの成田狂児にカラオケに誘われる。狂児は組で行われるカラオケ大会で最下位を避けるため、聡実に歌の指導を頼む。X JAPANの“紅”を勝負曲にした狂児に、聡実は嫌々ながら指導を始めるのだが……

真面目で大人しい中学生とヤクザという本来なら絶対に交わらない二人のひと時の青春だと思う。年齢も立場も違う二人だが歌というひとつの目標に向かって仲良くなれるという人間の面白い部分がよく出ているなと思う。クラスにいたら絶対に仲良くならないようなタイプの人間同士でもたったひとつ共通項があるだけで共感できて、仲良くなれる。人間は共感したい生き物なのかなと思った。
また、聡実は声変わりからソプラノが出せなくなる。それでも三年間必死に続けてきた合唱よりも数か月前に出会ったヤクザを選んだ。それだけ運命の出会いだったのだと思う。紅という楽曲は全体を通して使うことで純粋な音痴の面白さやシーンと合った歌詞など、二人の関係性を象徴する楽曲に仕立て上げている。
素人の歌というものは本来作品の中ではこんなにフューチャーされることは少ないが、カラオケという身近な場所で、下手な歌を聞いているというリアルな場面が異色な登場人物の中でもどこか親近感を覚える事ができて面白い。カラオケだけで繋がっている二人の関係性も異様だが、そこに確かに絆を感じられるところが良い。
映画を見ているシーンはその映画によってその時々のキャラの心情や状況を俯瞰して見ることができると思う。

5.マチルダ(1996) 監督:ダニー・デヴィート

あらすじ
インチキを絵に描いたような中古車ディーラー夫婦は、けたはずれの天才少女を授かる。しかし、利口であることが災いして、少女は大きくなっても学校に行かせてもらえず。やっと通えるようになった小学校では、不条理きわまる学校生活が待っていた。そんな中、彼女は妙なパワーを持ち始める。

可愛らしい女の子が超能力で悪い大人を懲らしめるという分かりやすく勧善懲悪のストーリーで、とにかくマチルダが可愛らしい。また、マチルダはとても勇敢で親に悪いヤツはお仕置が必要と言われても、悪い子ではなく悪いヤツにお仕置が必要なら大人も含まれるのではという思考になれるポジティブさや正義感のようなものに感動した。
校長がとにかく悪者で、やっていることが今作品で行ったらコンプライアンスに引っかかりそうなことばかりだ。でも逆にそれが新鮮でスリリングで、子供向けなだけあってポップでキャッチーに描かれているため楽しく観る事ができる。校長を家で翻弄したり、懲らしめるシーンはホームアローンを思い出し、純粋な子どもだからこその発想の数々に微笑ましい気持ちになるし、子どもの頃の気持ちを取り戻させてくれる作品だと思う。
実はかなり辛い境遇のマチルダだが、それを感じさせない好奇心旺盛で勉強熱心なところは大人も見習いたくなるほどだなと思った。

6.鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023) 監督:古賀豪

あらすじ
昭和31年。哭倉村へやってきた鬼太郎の父であるかつての目玉おやじ。目的は行方不明の妻を捜すことだった。やがて怪事件に巻き込まれていく。

跡継ぎ問題でどんどん人が死んでいくが、その様がどれも残虐だ。ゲゲゲの鬼太郎と言えば可愛らしい妖怪達が出てくる子ども向けのちょっぴり怖い物語というイメージだが、これは妖怪の本来の恐ろしい部分をグロテスクな表現も交えることではっきりと主張している。だが、妖怪たちはやはりこれまでの妖怪達の作画のため、ゲゲゲの鬼太郎らしいどこか可愛らしい雰囲気もある。だからこそ目玉おやじの過去や村の人々の悲惨な最後がより虚しく際立つなと思う。水木しげるが描いた作品では無いが、墓場の鬼太郎というタイトルとも繋がり、目玉おやじのあの異形が生み出された話を知ることができて感動した。また、あくまでも子ども向けの作品だからなのかバディもので敵と戦うという盛り上がりやすい熱い展開も含まれており、ゲゲゲの鬼太郎の物語としても、現代のアニメとしても良い作品だと思う。だから100年経ってもこの作品は新たな姿で今の若者にもウケているのだと思う。古いものを新しくするのは抵抗があることだが、うまいこと原作を汚すことなくアップデートされている。わかりやすいところで言うと猫娘のビジュアルなどもそうだが、時代に合わせて良い部分は残しつつ、生まれ変わることで何年も愛される作品になるのだなと思った。

7.ラストマイル(2024) 監督:塚原あゆ子

あらすじ
物流業界最大イベント、ブラックフライデーの前夜、大手ショッピングサイトの配送段ボールが爆発する。日本を震撼させる連続爆破事件に発展する中、巨大物流倉庫のセンター長に就いた舟渡エレナは、チームマネージャーの梨本孔と事態を収束させようと試みる。

現代社会の生命線である物流がテーマで、社会を形成しているとんでもない規模の巨大な流れの中にある社会問題に切り込んだ作品。
常識のある、職業倫理を持った大人達の葛藤と、様々な立場の人々の心情
まともだから簡単に辞めることもできない
巨大なシステムだからこそ止めてはならないという重圧
どの仕事でもしていると責任感からプレッシャーを感じてしまう人は多くいると思うがその最大級の仕事であると思う。ラストシーンのロッカーの前での梨本のため息は自分が引き継いだ仕事の大きさと、止めてはいけない、二度と中村倫也の演じた男のような人間を出してはいけないという相反した問題へのため息だと思った。
結局はエンディング後のメッセージがこの映画の伝えたかったことである気もする。
すべてはお客様のためではなく、お客様の欲望のためという部分は一回では難しかったが、綺麗事だけでビジネスは務まらないとは感じた。
爆弾という誰もが危機に晒される中でも人間は成長性バイアスがあり、自分は大丈夫だとどこか他人事になれる。それはあまり良くない反面、気にしすぎて壊れてしまうのを防ぐ自己防衛とも思える。
ラストマイルという言葉にも物流の最後の要の機関としてのドライバー達にも目を向け、働く人々の矜恃や闘いを見ることができた。
シェアードユニバースムービーという新しい世界観の構成も綺麗で、ドラマを見ていた人々が楽しめる仕掛けも施されていて、二時間という短い中でぎっしりと情報が詰め込まれていた。
映像表現も飛び降りるシーンなどはかなり攻めていて、ラストのwhat do you want?など立体音響の迫力も凄かった。
洗濯機の伏線回収などとにかく情報量が多いにもかかわらず構成が綺麗で盛り上がる演出が多くあった。キャストの豪華さなどに負けていない脚本、演出だと思う。
また、日常の些細なすれ違いや日々の仕事のプレッシャー責任感など身近な感情の機微をうまくリアルに描いている。
でも喪失感や残酷さは痛いほどリアルで、それらを抱えながら、正しくあろうとする人々と、それらによって成り立っているこの現代社会を鮮明に描いている。

8.パッチ・アダムス(1998) 監督:トム・シャドヤック

あらすじ
自殺未遂の果て、自らの意志で精神科に入院したアダムス。彼はそこで目覚め、医学の道を志す。2年後、ヴァージニア大学の医学部に入学したアダムスは、規則に背いては患者をユーモアで楽しませていた。冷ややかな視線を向ける学部長や同僚を後目に、やがて彼は恋人カリンと共に、夢に見ていた無料治療院を開設する。

精神病院でリスが怖い患者と共に戦うシーンがとても印象的だった。普通ならあそこまで付き合ってあげる気力はなかなか湧かないが、あそこまでユーモアたっぷりに動けるのはパッチの秀でた部分なのだと思う。そしてそこが彼の最大の魅力であり、ひいてはこの作品の魅力となっている。
病院に侵入するのはいいこととは言えないが、それが黙認される程の人々に魔法をかけるような明るさ、ユーモラスと確かな頭脳があってこそ革命的な医療の在り方を示すことができたのかなと思う。
精神病院の老人の人が「見ようとしないものを見るんだ」という言葉も心に残っている。裁判のようなシーンでパッチが死の何が恐ろしいのか、誇りを持って精一杯生きた結果だと語っているシーンが目からウロコで、人が見ない部分を、新しい視点を持つことで新しい真実が見えてくるんだなと思い映画の全体を通して、老人の言っていたこともわかっていくのだと思う。

9.ドラえもん のび太の新恐竜(2020) 監督:今井一暁

あらすじ
恐竜博の化石発掘体験で、恐竜のたまごと思しき化石を見つけるのび太。ドラえもんの「タイムふろしき」でその化石を元の状態に復元すると、新種の双子の恐竜が生まれる。キュー、ミューと名づけて愛情深く育てるのび太だが、やがて彼らが生息していた6600万年前の時代に帰すことを決意。そしてドラえもんや仲間たちと共に、双子恐竜の仲間を探す旅に出発する。

恐竜という子どもが皆夢見る古代の存在がテーマだが、命ということには変わりなくその命の重さを子どもたちに伝えるのに恐竜はうってつけなのだと思う。ドラえもんはタイムマシンという独自のアイテムがあり、それを生かすこともできて、こんなに強い恐竜が絶滅したという過去の大きな歴史を伝えていくこともできて良いと思う。のび太のキューを飛ばせてあげたいという真っ直ぐで純粋な思いは大人にも素直な気持ちを思い出させてくれる。

10.チャーリーとチョコレート工場(2005) 監督:ティム・バートン

あらすじ
失業中の父、母、そして2組の寝たきり祖父母に囲まれ貧しいながらも幸せに暮らしている少年チャーリー。彼の家のそばには、ここ15年間誰一人出入りしたことがないという、謎に包まれた不思議なチョコレート工場があった。ある日、工場の経営者ウィリー・ウォンカ氏は、全商品のうち5枚だけに入っているゴールデン・チケットを引き当てた者にだけ、特別に工場の見学を許可する、と驚くべき声明を発表した。そして一年に一枚しかチョコを買えないチャーリーも、奇跡的に幸運のチケットを手にし、晴れて工場へと招かれるのだが...。

チョコのレシピを盗まれたことへのショックによる人間不信の根の深さはかなりあるが、チョコへの愛は確かで変なチョコも含め、チョコに人生をかけている姿は美しいなと思う。
チャーリーはとても良い子で誰に言われるでもなく自分のものを家族に分け与えることのできる優しい子だなと思う。そのチャーリー
ほかの子どもたちの生意気さとの対比が分かりやすくて面白い。ウィリーがやっていることも相当ひどいが、彼らの生意気さを見るとそれもクスッと笑えるものになっている。ウィリーは不器用で極端だが、真っ当な感性を持ってはっきりと物事をはっきりと言うことができる。
また、昔見た時はただの変人だと思っていたが、今見るとウィリーはアダルトチルドレンだったのかなと思い、ウィリーの心理描写にも繊細に演じている部分が多くあると分かるとただの子ども向けの映画という訳ではなく、大人も楽しめる作品だと思う。
この作品で印象的なのがウンパルンパである。絶対に忘れない顔のインパクト、歌がエンターテインメントとして迫力のあるものになっている。
ウンパルンパやチョコレート工場、魔法のチョコレート、チャーリーの可愛いお家など子どもの夢が詰まったキラキラした世界で、子どもも、かつて子どもだった大人にとってもまさに夢に溢れた楽しい作品だなと思う。

11.ベイビーワルキューレ(2021) 監督:阪元裕吾

あらすじ
プロの殺し屋である女子高生コンビが、卒業を機に表の顔として普通の社会人を演じることになる。しかし、人殺ししかしてこなかった彼女たちは、社会に馴染もうと悪戦苦闘する。

バディものは不動の人気コンテンツだと思うが、殺し屋×女子高生という新しい形がそれだけで新鮮で面白い。また、二人の殺し屋とは思えないゆるい雰囲気が拍子抜けすると同時に、どこか世界観とズレがある感じがおかしくて面白い。
また、そのゆるい日常シーンと殺し屋の同居しているのが良いギャップだなと思う。アクションシーンなどはプロのスタントマンによるもののためリアリティが担保されており、低予算映画とは思えないクオリティになっている。そもそも殺し屋やガールズアクションを扱った作品は少なく、ヒットしているところから見ても革命的な作品ではないかと言える。

12.星新一 の不思議な不思議な短編ドラマ 地球から来た男(2022) 演出・脚本 永岩祐介

あらすじ
おれは産業スパイとして研究所にもぐりこんだものの、捕らえられる。相手は秘密を守るために独断で処罰するという。それはテレポーテーション装置を使った地球外への追放だった。

最初から妄想だったのか、明言はしていないが、周りの人間の反応からじわじわと察する部分が多く、最後に分かるところが面白い。星新一の話は短いが、ラストに必ずどんでん返しや驚く展開が待ち受けており、短くても満足度、密度の高いの内容になっていると思う。セリフが少なく、余白が多くあるがその分映像や音で雰囲気や空気作りがされていて、短い中でも吸い込まれるようなものがあった。

13.ルックバック(2024) 監督:押山清高

あらすじ
『チェンソーマン』などの話題作を手がけた漫画家・藤本タツキの青春漫画を劇場アニメ化。学生新聞に4コマ漫画を描いている少女と、不登校の少女が漫画を通じて繋がる。

自信家な藤野の溢れ出る自己中心的な態度が清々しく、そこからプライドが折られて行く様が人間味があり、わかりやすい挫折で面白いなと思う。京本に褒められてスキップをするシーンは、カメラワークや動きが独特で、臨場感が凄かった。他にも実写のようなカメラワークになる瞬間もあり、作画の綺麗さも相まって実写と見間違うようなリアルさがあった。また、京アニ事件を想起させるシーンがあり、そこには現代のアニメ業界に波紋を呼ぶシーンでもあり、鎮魂とも取れるなと思った。そして、たとえ何があってもひるまず作品を作り続けるという強い思いも感じた。ちょうど昨日京アニの新作発表を見てより感じた。

14.ハイキュー ゴミ捨て場の決戦(2024) 監督:満仲勧

あらすじ
かつてはライバル関係にあった烏野高校と音駒高校が、合宿で共に汗を流す仲間となり、良きライバルチームへと成長していく。
攻撃的なプレースタイルの烏野高校に対し、超守備的なプレースタイルの音駒高校が対戦する。カラスと猫のゴミ捨て場因縁の対決。

大人気漫画の劇場版で、これまでの烏野と音駒の積み重ねを見ているとより楽しめる要素が多くあった。また、因縁の対決というどちらにもファンが多い対決のため絶対に面白いと思える戦いだと思う。それによって期待値も高いものだと思うが、原作を見事に映像化している。試合シーンは常に作画が激しくダイナミックな動きで手に汗握るシーンになっている。
また、音駒の重要人物である黒尾と研磨はどちらも飄々としており、昔から登場していたこともあり試合での本気で戦う姿は視聴者にとって新たな一面でありそこでさらに心震えるものになっていると思う。
もう一回のない高校生活という短い中で命を燃やす彼らの青春が描かれている。
青春ものは人気ジャンルだが、青春ものが人気な理由のひとつにはタイムリミットがはっきりと描かれていることにあると思う。タイムリミットの中でできる限りの事を尽くす、大きい枠組みで言えば人生を懸ける人の姿は、自分の人生にも投影しやすく人々の懐かしい気持ちを呼び起こし、憧れの気持ちを芽生えさせるのだと思う。

15.ベイビーワルキューレ2ベイビー(2023) 監督:阪元裕吾

あらすじ
プロの殺し屋である、ちさととまひろ。一方、お金に困っていた殺し屋協会アルバイトのゆうりとまことは、ちさととまひろのポストを奪うため、2人を殺すことを決意する。

殺し屋という職業であり、悪意や恨みがあり殺しをしている訳では無いという殺し屋たちの矜恃を感じられた。二人の強さや軽いテンポ感から勘違いしがちだが、人を殺すということ、人が死ぬということはどういうことかを視聴者にゆうりとまことにも感情移入させることで伝えている。そこは勧善懲悪なアクション映画だった前作とは変わる部分だと思う。それによってより作品に深みが増したと感じる。それと同時に、この作品の魅力である二人の和やかでテンポのいい掛け合いが前作同様面白い。
2024/09/23(月) 20:07 No.2051 EDIT DEL
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。