EDIT FORM
スポンサードリンク
2年 野中涼風
RES
11.『7番房の奇跡』(映画)(2013)監督:イ・ファンギョン
【あらすじ】
知的年齢が6歳の父親ヨング(リュ・スンリョン)と、しっかりものの6歳の娘イェスン(カル・ソウォン)は二人仲良く幸せな暮らしを送っていた。ところがある日、ヨングは殺人の容疑で逮捕されてしまう。刑務所に送られたヨングは、娘のイェスンに会えなくなりつらい毎日を送っていた。そんなある日、ヨングに命を助けられた7番房の房長と仲間たちはヨングとイェスンを会わせるためにある計画を思いつく…。
【考察】
ヨングが障がいを持っていることを利用して冤罪が作り出されていた。作中でセーラームーンが憧憬の対象になっており、セーラームーンが世界的に人気であることがわかった。囚人たちがイェスンによって明るくなっていくのがわかった。火事や争いから助けるなど、ヨングの行いによって囚人や警察が変わった。冒頭で風船が有刺鉄線に引っかかっていたが、ヨングの無実が証明された後、風船が風に乗って飛んでいくシーンがあり、わだかまりの解消を連想することができた。ヨングを死刑にしたところで娘は帰ってこないのに、どうしてそこまでヨングを死刑にすることに拘るのか気になった。
12.『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(映画)(2016)監督:三木孝浩
【あらすじ】
京都の美大生の20歳の高寿は電車の中で出会った女性・愛美に一目ぼれする。勇気を振り絞って“また会える?”と約束をとりつけようとするが、それを聞いた愛美は突然涙してしまう。交際をスタートし、初めてのデートなど、初めての事があるたびに愛美は涙し、高寿は不思議に思うが、彼女には高寿に隠している事があった。
【考察】
高寿の居場所がわかる、高寿の描いた絵が教室に貼り出されるということを予言する、「私ずっとあなたのこと見てたんだよ」と高寿に言う、高寿の友人に「これからも南山くんと仲良くしてあげてくださいね」と言う、「高俊くんはずっとそうなんだね」と言う、高寿の実家のビーフシチューの隠し味を当てるなど、愛美が未来のことを知っている伏線がたくさんされていた。愛美が未来のことを知っていることで起きたすれ違いもあったが、高寿が愛美の視点に立つことで共に最後までの日々を歩んでいた。高寿にとって最初のが愛美にとっては最後の日で、その日に何も知らない高寿に「また会えるかな」と言われる愛美の視点の描写があり、涙無しでは見ることができなかった。
13.『街の上で』(映画)(2021)監督:今泉力哉
【あらすじ】
下北沢の古着屋で働いている荒川青(若葉竜也)は、ライブを見たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったり、基本的にひとりで行動している。口数は多くもなく、少なくもないが、生活圏は異常に狭く、行動範囲も下北沢を出ない。恋人・雪(穂志もえか)に浮気された上にフラれたが、いまだに彼女のことが忘れられない。そんな青に、美大に通う女性監督・町子(萩原みのり)から、自主映画への出演依頼が舞い込む。いざ出演することにするまでと、出てみたものの、それで何か変わったのかわからない数日間、その過程で女性たちとの出会いもあり……。
【考察】
この映画は下北沢が舞台になっており、見たことのある場所が出てきて親近感が湧いた。劇中で漫画の聖地巡りを下北沢でするシーンがあり、この映画の聖地巡りをしたくなるような効果があると考える。それぞれにストーリーがある登場人物が下北沢という街で偶然交わる場面があり、世間の狭さを感じた。荒川青が映画に出る練習をするシーンでは携帯電話のビデオで撮影するという工夫がなされていた。
14.『百円の恋』(映画)(2014)監督:武正晴
【あらすじ】
32歳の一子(安藤サクラ)は実家にひきこもり、自堕落な日々を送っていたが、ある日、離婚した妹の二三子が子連れで戻ってくる。しかたなく同居をする一子だったが折り合いが悪くなり、家を出て一人暮らしを始めることに。夜な夜な買い食いしていた百円ショップで深夜労働にありついた一子の唯一の楽しみは、帰り道にあるボクシングジムで一人ストイックに練習するボクサー・狩野(新井浩文)を覗き見することであった。百円ショップの店員たちは皆心に問題を抱え、そこは底辺の人間たちの巣窟のような場所だった。そんなある夜、狩野が百円ショップに客としてやってくる。狩野がバナナを忘れていったことをきっかけに二人はお互いの距離を縮めていき、なんとなく一緒に住み始め、体を重ねる一子と狩野。だが、そんなささやかな幸せの日々は長くは続かなかった。どうしてもうまくいかない日々の中、一子は衝動的にボクシングを始める。やがて、一子の中で何かが変わりだし、人生のリターンマッチのゴングが鳴り響こうとしていた……。
【考察】
一子の家庭環境の悪さが強調されていた。一子が働き始めた店も客層や、店員の素行が悪く、同じ空気を纏った人が集まっていると感じた。しかし、ボクシングと出会ったことによって本気で打ち込めるものができ、一子の性格も変わっていった。この映画からは、夢中になれるものの大切さを学んだ。
15.『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(映画)(2023)監督:ポール・キング
【あらすじ】
母と共に美味しいチョコレート店を作ろうと夢見るウォンカは、一流の職人が集まるチョコレートの町へ向かう。しかし、魔法のチョコレートを生みだすウォンカの才能は、カルテルの妬みを買う。ウォンカは邪魔をされながらも仲間とチョコレート工場作りを進める。
【考察】
この映画は、ミュージカルと言えるくらい劇中でたくさん歌われている。「お金が無くても帽子いっぱいの夢があれば笑顔でいられる」というセリフがあり、お金よりも大切なことがあることを再認識することができた。ウォンカの母が作ってくれた板チョコに金色の紙が入っており、ウォンカのチョコレートの始まりを知ることができた。
16.『キングダム』(映画)(2019)監督:佐藤信介
【あらすじ】
戦災孤児の信と漂は天下の大将軍になることを夢見て剣術の鍛錬を積んでいた。しかし、漂は王都の大臣に召し上げられて、別々の道を歩むことに。そんなある日、王宮でクーデターが勃発。傷を負った漂はなんとか信のいる納屋へ辿り着くが、地図と剣を信に託し、命を落とす。地図に記されていた小屋へ向かった信は、そこで漂そっくりの男と出会う。
【考察】
共に天下の大将軍になることを約束した信と漂だったが、漂だけが王宮で働くように言われたとき、漂は自分だけが選ばれても行く選択を取り、並み大抵ならぬ信頼関係があることを感じた。この映画では、ワイヤーアクションが多く使われており、ダイナミックなアクションシーンが見所である。
17.『ティアメイカー』(映画)(2024)監督:アレッサンドロ・ジェノヴェージ
【あらすじ】
ニカの育った児童養護施設グレイヴでは、ある伝説が語り継がれてきました。それは、人間の心に巣食うあらゆる恐怖や不安を作り出す罪を背負った謎多き涙の職人、"ティアスミス"に関する伝説です。しかし、17歳を迎えたニカに、おとぎ話の世界に別れを告げる時が訪れます。なぜなら、彼女の最大の夢が叶おうとしているから。養子縁組の手続きを進めていたミリガン夫妻の準備が整い、ニカにずっと憧れてきた家族ができることになったのです。しかし、ニカの新しい家に引き取られるのは彼女だけではありません。落ち着きがなくどことなく怪しげで、ニカが世界で一番兄弟にしたくないリジェルも、ニカと一緒にグレイヴからこの家に引き取られることになったのです。リジェルは知的で頭の回転が早く、悪魔のようにピアノを奏でて人を魅了する、うっとりするほど美しい青年ですが、その天使のような見た目の裏には、暗い本性が潜んでいます。ニカとリジェルは、同じ痛みと苦しみを過去に抱えているものの、一緒に暮らしても分かち合えそうにはありません。でも、彼らはそれぞれ優しさと怒りを持って苦しみと戦い、生き抜こうとしています。それは心を引き裂く感情を覆い隠す術でもあり、互いにとって伝説のティアスミスになることを可能にします。心の奥底を見通すティアスミスの前では、2人は強烈な力を受け入れる勇気を持たなければなりません。互いを引き寄せる、"愛"と呼ばれる力を。
【考察】
児童養護施設グレイヴでは雷が鳴っていたり、不穏なピアノの音が奏でられているなど、暗い印象がつけられていた。ニカは交通事故で家族を亡くし、いつ大切な人がいなくなるかわからないという生命の儚さを感じた。ニカの友人であるミキは同性愛者であり、親友のビリーを好きになってしまうという葛藤が描かれていた。裁判で証言した後、ニカが指の絆創膏をとる描写には、解放の意味があると考える。
18.『20世紀のキミ』(映画)(2022)監督:パン・ウリ
【あらすじ】
1999年、初恋も未経験の活発な女子高生のボラ(キム・ユジョン)は、心臓手術のため渡米する親友のヨンドゥ(ノ・ユンソ)からある頼み事をされる。それはヨンドゥが一目惚れした男子高校生「パク・ヒョンジン」の情報を集めることだった。ボラが懸命にヒョンジン(パク・ジョンウ)の情報を集めるうちに、ボラはヒョンジンの親友であるウノ(ピョン・ウソク)のことが気になり始めるが…。20世紀の終わりに17歳の少年少女が経験した、甘く切ない初恋の記憶をめぐるラブストーリー。
【考察】
ボラは親友であるヨンドゥのためにストーカーまがいのことを行ったり、同じ人を好きになってしまったらヨンドゥのことを優先したりするなど、2人の厚い友情を感じた。劇中では、ウノの視点も描かれており、ボラの視点も見ているからこそ辛かった。個展に行ったらウノに会えるハッピーエンドだと思っていたが、予想を裏切られた。ここで個展の招待状の送り主がウノの弟であることに納得させられた。
19.『パープル・ハート』(映画)(2022)監督:エリザベス・アレン・ローゼンバウム
【あらすじ】
苦境の中でシンガーソングライターを夢見るキャシー (ソフィア・カーソン) と、悩みを抱えた海兵隊員のルーク (ニコラス・ガリツィン) は、何もかもが正反対。でも軍からの給付金のためだけに、2人は結婚することに合意します。ところが、ある悲劇をきっかけに、2人の真意と作り事の境目はあいまいになり始めます。
【考察】
ルークは更生して海兵隊になるが、更生しても尚、悪人が付きまとってくることにやるせなさを感じた。劇中歌に力が入れられており、キャシーが歌うシーンがたびたび登場する。この映画からは、音楽には力があるということを考える。
20.『最強のふたり』(映画)(2012)監督:エリック・トレダノ
【あらすじ】
事故で全身麻痺となり、車いす生活を送る富豪フィリップ。スラム出身の黒人青年ドリスがそんな彼の介護役となる。だが、その生活パターンも音楽や服装の好みなど、2人の間に共通点はまったくなく、衝突してしまう。だが、2人は次第にお互いを受け入れるようになり、深い絆で結ばれていくようになる。
【考察】
フィリップとドリスは何もかも異なるが、ブラックジョークを言えるような信頼関係を築いていた。フィリップはドリスに出会った当初は型にはまっていたが、ドリスの影響により、明るく開放的に変化していった。フィリップの下で働いている女性がドリスに口説かれても動じなかったのは、同性愛者であることが理由であることが明かされていた。映画の最後にこの話のモデルとなったフィリップとアブデルの映像があり、実話であることに驚いた。
【あらすじ】
知的年齢が6歳の父親ヨング(リュ・スンリョン)と、しっかりものの6歳の娘イェスン(カル・ソウォン)は二人仲良く幸せな暮らしを送っていた。ところがある日、ヨングは殺人の容疑で逮捕されてしまう。刑務所に送られたヨングは、娘のイェスンに会えなくなりつらい毎日を送っていた。そんなある日、ヨングに命を助けられた7番房の房長と仲間たちはヨングとイェスンを会わせるためにある計画を思いつく…。
【考察】
ヨングが障がいを持っていることを利用して冤罪が作り出されていた。作中でセーラームーンが憧憬の対象になっており、セーラームーンが世界的に人気であることがわかった。囚人たちがイェスンによって明るくなっていくのがわかった。火事や争いから助けるなど、ヨングの行いによって囚人や警察が変わった。冒頭で風船が有刺鉄線に引っかかっていたが、ヨングの無実が証明された後、風船が風に乗って飛んでいくシーンがあり、わだかまりの解消を連想することができた。ヨングを死刑にしたところで娘は帰ってこないのに、どうしてそこまでヨングを死刑にすることに拘るのか気になった。
12.『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(映画)(2016)監督:三木孝浩
【あらすじ】
京都の美大生の20歳の高寿は電車の中で出会った女性・愛美に一目ぼれする。勇気を振り絞って“また会える?”と約束をとりつけようとするが、それを聞いた愛美は突然涙してしまう。交際をスタートし、初めてのデートなど、初めての事があるたびに愛美は涙し、高寿は不思議に思うが、彼女には高寿に隠している事があった。
【考察】
高寿の居場所がわかる、高寿の描いた絵が教室に貼り出されるということを予言する、「私ずっとあなたのこと見てたんだよ」と高寿に言う、高寿の友人に「これからも南山くんと仲良くしてあげてくださいね」と言う、「高俊くんはずっとそうなんだね」と言う、高寿の実家のビーフシチューの隠し味を当てるなど、愛美が未来のことを知っている伏線がたくさんされていた。愛美が未来のことを知っていることで起きたすれ違いもあったが、高寿が愛美の視点に立つことで共に最後までの日々を歩んでいた。高寿にとって最初のが愛美にとっては最後の日で、その日に何も知らない高寿に「また会えるかな」と言われる愛美の視点の描写があり、涙無しでは見ることができなかった。
13.『街の上で』(映画)(2021)監督:今泉力哉
【あらすじ】
下北沢の古着屋で働いている荒川青(若葉竜也)は、ライブを見たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったり、基本的にひとりで行動している。口数は多くもなく、少なくもないが、生活圏は異常に狭く、行動範囲も下北沢を出ない。恋人・雪(穂志もえか)に浮気された上にフラれたが、いまだに彼女のことが忘れられない。そんな青に、美大に通う女性監督・町子(萩原みのり)から、自主映画への出演依頼が舞い込む。いざ出演することにするまでと、出てみたものの、それで何か変わったのかわからない数日間、その過程で女性たちとの出会いもあり……。
【考察】
この映画は下北沢が舞台になっており、見たことのある場所が出てきて親近感が湧いた。劇中で漫画の聖地巡りを下北沢でするシーンがあり、この映画の聖地巡りをしたくなるような効果があると考える。それぞれにストーリーがある登場人物が下北沢という街で偶然交わる場面があり、世間の狭さを感じた。荒川青が映画に出る練習をするシーンでは携帯電話のビデオで撮影するという工夫がなされていた。
14.『百円の恋』(映画)(2014)監督:武正晴
【あらすじ】
32歳の一子(安藤サクラ)は実家にひきこもり、自堕落な日々を送っていたが、ある日、離婚した妹の二三子が子連れで戻ってくる。しかたなく同居をする一子だったが折り合いが悪くなり、家を出て一人暮らしを始めることに。夜な夜な買い食いしていた百円ショップで深夜労働にありついた一子の唯一の楽しみは、帰り道にあるボクシングジムで一人ストイックに練習するボクサー・狩野(新井浩文)を覗き見することであった。百円ショップの店員たちは皆心に問題を抱え、そこは底辺の人間たちの巣窟のような場所だった。そんなある夜、狩野が百円ショップに客としてやってくる。狩野がバナナを忘れていったことをきっかけに二人はお互いの距離を縮めていき、なんとなく一緒に住み始め、体を重ねる一子と狩野。だが、そんなささやかな幸せの日々は長くは続かなかった。どうしてもうまくいかない日々の中、一子は衝動的にボクシングを始める。やがて、一子の中で何かが変わりだし、人生のリターンマッチのゴングが鳴り響こうとしていた……。
【考察】
一子の家庭環境の悪さが強調されていた。一子が働き始めた店も客層や、店員の素行が悪く、同じ空気を纏った人が集まっていると感じた。しかし、ボクシングと出会ったことによって本気で打ち込めるものができ、一子の性格も変わっていった。この映画からは、夢中になれるものの大切さを学んだ。
15.『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(映画)(2023)監督:ポール・キング
【あらすじ】
母と共に美味しいチョコレート店を作ろうと夢見るウォンカは、一流の職人が集まるチョコレートの町へ向かう。しかし、魔法のチョコレートを生みだすウォンカの才能は、カルテルの妬みを買う。ウォンカは邪魔をされながらも仲間とチョコレート工場作りを進める。
【考察】
この映画は、ミュージカルと言えるくらい劇中でたくさん歌われている。「お金が無くても帽子いっぱいの夢があれば笑顔でいられる」というセリフがあり、お金よりも大切なことがあることを再認識することができた。ウォンカの母が作ってくれた板チョコに金色の紙が入っており、ウォンカのチョコレートの始まりを知ることができた。
16.『キングダム』(映画)(2019)監督:佐藤信介
【あらすじ】
戦災孤児の信と漂は天下の大将軍になることを夢見て剣術の鍛錬を積んでいた。しかし、漂は王都の大臣に召し上げられて、別々の道を歩むことに。そんなある日、王宮でクーデターが勃発。傷を負った漂はなんとか信のいる納屋へ辿り着くが、地図と剣を信に託し、命を落とす。地図に記されていた小屋へ向かった信は、そこで漂そっくりの男と出会う。
【考察】
共に天下の大将軍になることを約束した信と漂だったが、漂だけが王宮で働くように言われたとき、漂は自分だけが選ばれても行く選択を取り、並み大抵ならぬ信頼関係があることを感じた。この映画では、ワイヤーアクションが多く使われており、ダイナミックなアクションシーンが見所である。
17.『ティアメイカー』(映画)(2024)監督:アレッサンドロ・ジェノヴェージ
【あらすじ】
ニカの育った児童養護施設グレイヴでは、ある伝説が語り継がれてきました。それは、人間の心に巣食うあらゆる恐怖や不安を作り出す罪を背負った謎多き涙の職人、"ティアスミス"に関する伝説です。しかし、17歳を迎えたニカに、おとぎ話の世界に別れを告げる時が訪れます。なぜなら、彼女の最大の夢が叶おうとしているから。養子縁組の手続きを進めていたミリガン夫妻の準備が整い、ニカにずっと憧れてきた家族ができることになったのです。しかし、ニカの新しい家に引き取られるのは彼女だけではありません。落ち着きがなくどことなく怪しげで、ニカが世界で一番兄弟にしたくないリジェルも、ニカと一緒にグレイヴからこの家に引き取られることになったのです。リジェルは知的で頭の回転が早く、悪魔のようにピアノを奏でて人を魅了する、うっとりするほど美しい青年ですが、その天使のような見た目の裏には、暗い本性が潜んでいます。ニカとリジェルは、同じ痛みと苦しみを過去に抱えているものの、一緒に暮らしても分かち合えそうにはありません。でも、彼らはそれぞれ優しさと怒りを持って苦しみと戦い、生き抜こうとしています。それは心を引き裂く感情を覆い隠す術でもあり、互いにとって伝説のティアスミスになることを可能にします。心の奥底を見通すティアスミスの前では、2人は強烈な力を受け入れる勇気を持たなければなりません。互いを引き寄せる、"愛"と呼ばれる力を。
【考察】
児童養護施設グレイヴでは雷が鳴っていたり、不穏なピアノの音が奏でられているなど、暗い印象がつけられていた。ニカは交通事故で家族を亡くし、いつ大切な人がいなくなるかわからないという生命の儚さを感じた。ニカの友人であるミキは同性愛者であり、親友のビリーを好きになってしまうという葛藤が描かれていた。裁判で証言した後、ニカが指の絆創膏をとる描写には、解放の意味があると考える。
18.『20世紀のキミ』(映画)(2022)監督:パン・ウリ
【あらすじ】
1999年、初恋も未経験の活発な女子高生のボラ(キム・ユジョン)は、心臓手術のため渡米する親友のヨンドゥ(ノ・ユンソ)からある頼み事をされる。それはヨンドゥが一目惚れした男子高校生「パク・ヒョンジン」の情報を集めることだった。ボラが懸命にヒョンジン(パク・ジョンウ)の情報を集めるうちに、ボラはヒョンジンの親友であるウノ(ピョン・ウソク)のことが気になり始めるが…。20世紀の終わりに17歳の少年少女が経験した、甘く切ない初恋の記憶をめぐるラブストーリー。
【考察】
ボラは親友であるヨンドゥのためにストーカーまがいのことを行ったり、同じ人を好きになってしまったらヨンドゥのことを優先したりするなど、2人の厚い友情を感じた。劇中では、ウノの視点も描かれており、ボラの視点も見ているからこそ辛かった。個展に行ったらウノに会えるハッピーエンドだと思っていたが、予想を裏切られた。ここで個展の招待状の送り主がウノの弟であることに納得させられた。
19.『パープル・ハート』(映画)(2022)監督:エリザベス・アレン・ローゼンバウム
【あらすじ】
苦境の中でシンガーソングライターを夢見るキャシー (ソフィア・カーソン) と、悩みを抱えた海兵隊員のルーク (ニコラス・ガリツィン) は、何もかもが正反対。でも軍からの給付金のためだけに、2人は結婚することに合意します。ところが、ある悲劇をきっかけに、2人の真意と作り事の境目はあいまいになり始めます。
【考察】
ルークは更生して海兵隊になるが、更生しても尚、悪人が付きまとってくることにやるせなさを感じた。劇中歌に力が入れられており、キャシーが歌うシーンがたびたび登場する。この映画からは、音楽には力があるということを考える。
20.『最強のふたり』(映画)(2012)監督:エリック・トレダノ
【あらすじ】
事故で全身麻痺となり、車いす生活を送る富豪フィリップ。スラム出身の黒人青年ドリスがそんな彼の介護役となる。だが、その生活パターンも音楽や服装の好みなど、2人の間に共通点はまったくなく、衝突してしまう。だが、2人は次第にお互いを受け入れるようになり、深い絆で結ばれていくようになる。
【考察】
フィリップとドリスは何もかも異なるが、ブラックジョークを言えるような信頼関係を築いていた。フィリップはドリスに出会った当初は型にはまっていたが、ドリスの影響により、明るく開放的に変化していった。フィリップの下で働いている女性がドリスに口説かれても動じなかったのは、同性愛者であることが理由であることが明かされていた。映画の最後にこの話のモデルとなったフィリップとアブデルの映像があり、実話であることに驚いた。
スポンサードリンク