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4年 佐藤至桜 RES
4年 佐藤至桜 

① 蛇にピアス(小説)
著者:金原ひとみ
蛇のような舌を持つ男アマと同棲しながらも彫り師であるシバとも関係を持つルイは「身体改造」に嵌まっていく。痛みと快楽、暴力と死、激しい愛と絶望といった今を生きる者たちの生の本質を描いた作品。
すばる文学賞と芥川賞を受賞した金原ひとみのデビュー作。
恋愛を中心に置いた作品でありながらも同性愛や死んでしまう程のサディスティック、マゾヒスティックな愛、殺人を隠してしまうほど極端な愛など、現代の恋愛の強烈な部分を描き出した作品です。読んでいる間からもやもやとまとわりつくような雰囲気があり、主人公の自分でも分からない空虚さを感じられます。

② ものぐさ太郎(小説)
著者:星新一
親が亡くなり引きこもり生活をしていた男は今のインターネットのように何でもできる電話で、人の話を聞くだけの簡単な仕事を始める。部屋の中で全てが完結する世界で男はとんでもない計画を企てる。
12編の時空と空間を超えて、現実と非現実の狭間で繰り広げられる不思議なショートショートを収録した「なりそこない王子」の中のひとつ。
部屋の中で寝っ転がりながらどことも繋がれて、何でもできる。自分のごく個人的な空間であることから初めの一歩を踏み出す労力が少なくて済むという利点がありながら、気軽すぎて犯罪行為ですら罪悪感を持つ前に気楽な気持ちでできてしまうという現代の問題を先取りした作品。

③ キッチン(小説)
著者:吉本ばなな
「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う」。祖母が亡くなり、茫然自失としていた主人公は突然現れた青年、田辺の家に招かれた。田辺家で過ごす数日間は主人公に前を向かせるきっかけを与えるのだった。
第39回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した短編集『キッチン』に収録されている作品。
『キッチン』が発表される以前に主流であった断定口調ではなく、曖昧な、自分の中にあるはっきりとしないもやもやした気持ちを表現するかのような文章と一見不自然にも関わらずとても自然な日常風景が魅力の作品です。何度か出てくる食事シーンはどれも誰かと一緒に描かれており、主人公にとっての「食事」は人とコミュニケーションを取る場であり、現代の個食に慣れた私たちに食事の温かみを伝えてくれます。

④ 肥満体恐怖症(小説)
著者:松浦理英子
肥満体の女性に嫌悪感を抱く主人公唯子は寮の同室である三人の肥満体の生徒たちに横暴な振る舞いを受けていた。そして、ある日から唯子は彼女たちの持ち物を盗むようになっていく。
「葬儀の日」「乾く夏」と共に松浦の初作品集に収録された作品。
あるとき風呂で主人公が水木と遭遇した際、あれほど嫌悪していた肥満体から目を離すことができなくなり、最終的には同性愛を思わせるように、「優しくして、愛して」と肥満体である母親を拒絶したまま亡くしてしまった主人公のトラウマが恐怖症となった主人公が母のように広い心で主人公を受け入れる水木に飲み込まれていく様子がどこか救われていくように感じる不思議な作品です。

⑤ 薬指の標本(小説)
著者:小川洋子
人々が思い出の品々を持ち込む「標本室」で働く主人公は、ある日、標本技術士に素敵な靴をプレゼントされる。その靴はあまりにも足にぴったりと馴染んでいく。奇妙な、そしてあまりにも密やかなふたりの愛を描く。
初めは穏やかな時間が流れる不思議な空間に来るお客さんとの関わりだったのが次第に主人公と標本技術士の恋愛的な関わりになり、主人公が標本技術士に、ひいては「標本室」に引き込まれていく様が魅力的な作品です。主人公が消えてしまいそうなのにどこか安心するような感覚を覚え、読後には、閉った扉だけが目の前にあるような、静けさがありました。

⑥ ユートロニカのこちら側(小説)
著者:小川哲
巨大情報企業による実験都市アガスティアリゾート。その街では視覚や聴覚、位置情報など全ての個人情報を提供する代わりに平均以上の豊かな暮らしが約束されていた。しかし、誰もが羨む理想郷からこぼれ落ちる人々もいた……。
第3回ハヤカワSFコンテストで大賞を受賞したディストピア文学。
個人情報を安易にインターネット上で公開し、位置情報を取得できる携帯端末を持ち運ぶ現代より少し監視の目が強くなった街を舞台に、監視社会の生きづらさや、監視社会に適応し鈍感になった人々への不安感を思い出させられました。どんどんと情報社会化が進み、あちこちのカメラや思考をAIに覚えられている現状に慣れてしまっている現代人に一度監視社会の問題を思い出させる作品です。

⑦ 彼女が遺したミステリ(小説)
著者:伴田音
婚約者の一花が病気でこの世を去った哀しみに打ちひしがれる僕に、亡き恋人から「謎解き」の手紙が届く。謎を解いていくたびに明かされていく恋人の想い。誰かを愛すると言うことの大切さが胸にささる、恋愛ミステリー。
第6回「双葉文庫ルーキー大賞」受賞作品。
恋人が亡くなり、引きこもってしまった主人公が「謎解き」によって人との関わり、そして恋人との思い出や愛するということを思い出していき、主人公のみでなく周囲の人達すらも人の輪に引き込んでいく亡き恋人の温かさが魅力の作品です。また、愛しているから自分だけを見続けて欲しい。しかし、愛しているからこそ幸せになって欲しいという葛藤がとても現実的で、心が揺さぶられます。

⑧ 5分間ミステリーあなたが陪審員(裁判クイズ集)
著者:マーヴィン・ミラー  訳:高橋知子
当法廷へようこそ!あなたは、これから陪審員として裁判に立ち向かいます。まず、それぞれの訴訟の内容をよく読んでください。原告と被告の異なる説明を聞き、提示された証拠物件を検討し、評決を下してください。
20種類の事件がまとめられた裁判クイズ集。
どの事件も誰かの証言と三つの証拠で構成されており、一つの事件が6ページほどで終わるため、初心者でも十分回答可能な問題となっています。言葉の矛盾点や図との矛盾点を考えることで思考力、想像力が養われる作品となっています。

⑨ むかし僕が死んだ家(小説)
著者:東野圭吾
7年前に別れた恋人、沙也加の記憶を取り戻すため、私は彼女と「幻の家」を訪れた。それは、めったに人が来ることのない山の中にひっそりと立つ異国調の白い、小さな家だった。そこで二人を待ち受ける恐るべき真実とは。
長篇ミステリー作品。
過去に恋人関係があったため、信頼しつつももう他人である主人公と沙也加だからこそ踏み込めるけれども近づくことはできないという関係性により、物語は恋愛ではなく、家族の形と終着点にたどり着いています。また、過去の日記から情報を得ているからこそのミスディレクションが魅力の作品です。

⑩ ないものねだりの君に光の花束を(小説)
著者:汐見夏衛
全てにおいて平凡で自分を「永遠の脇役」だと思っている影子のクラスメイトである真昼は勉強も性格も完璧な上世間を賑わすアイドルで「永遠の主人公」のようだった。生きる世界の違う真昼に引け目を感じ、距離を取りたい影子だったが、一緒に図書委員を務めることになったのをきっかけに誰も知らない彼の陰の一面を知ることになる。
青春純愛物語。
恋愛小説でありながらも現代の誹謗中傷や育児放棄、児童虐待の問題をも提起し、その問題に巻き込まれた本人ではなく、親しい人物として主人公が関わっていくこと点は魅力の一つとなっています。また、人との繋がりの温かさや名前に込められた意味、物事の多角的な見方も改めて認識できる作品でした。

⑪ ウィッシュ(映画)
17才の少女アーニャが暮らす王国は、どんな願いでも叶うといわれる魔法の国。国民は、魔法を操る国王に願いを託すだけで良かった。しかし国王の本当の目的は、国民の願いを独占することで魔力を得ることにあった。
ウォルト・ディズニー・カンパニー創立100周年記念作品。
ポリティカルコレクトを意識しているディズニーの記念作品に相応しく、主人公の周りには色々な人種、年齢、障害、考えの人が集まっているのに対し、悪役の近くには同じ白人の王妃しかないという対比が特徴的です。しかし、配慮した結果、逆に悪役側を孤立させ、差別しているようにも見える作品だと思います。悪役の過去や立場も描写されて悪役も国や人のためを想っていたことが分かるのにも関わらずあっけなく一人になってしまう様は昔ながらの勧善懲悪、自分と相容れない意見は孤立させて潰すべきという結末になってしまっているのが残念でした。

⑫ ルビンの壺が割れた(小説)
著者:宿野かほる
「突然のメッセージで驚かれたことと思います。」送信した相手はかつての恋人。やがて二人の間でぎこちないやりとりが始まるが、それは徐々に変容を見せ始める。
先の読めない展開、待ち受ける驚きのラスト。前代未聞の読書体験で話題を呼んだ、衝撃の問題作。
読み終えた一番の感想は「何だったのだ」。次に「気持ち悪い」。このように読後のもやもやとした腑に落ちない、納得のいかない感覚が印象的でした。最初から最後まで二人のメッセージによる思い出語りで進行していく作品で、ミステリーと分類分けするのも難しいような独特の雰囲気が特徴です。

⑬ 魔女推理 きっといつか、恋のように思い出す(小説)
著者:三田誠
陸上部で将来を嘱望されたランナーや演劇部で大喝采を浴びた女性徒。そんな「天才」達を襲った突然の死に、僕と彼女は引き寄せられる。恋をするように事件に夢中になる。「彼女」は「死」という悲劇の「味」を誰よりも何よりも好んでいた。
騙し騙され、恋し恋する。謎めく2人の高校生が織りなす、青春×ゴシックミステリー。
「死」に惹かれる少女とその少女の消えてしまいそうな危なさを支える主人公の変わった関係性と複雑な人間関係から巻き起こる事件が魅力の作品です。作品に出てくる事件はどれも人の感情や人間関係が絡み合い、事件と言うよりも事故的な要素が強いため、運が悪かっただけかもしれないという世界の不条理さや運命といったものを感じさせられました。

⑭ 言い訳ばかりの私にさよならを(小説)
著者:加賀美真也
中学最後の大会で最悪なミスをして、大好きなバレーボールをやめた鈴乃。高校は楽しいけれど、好きなものに夢中な友人達から取り残された気分になる。そんなとき出会い、前を向かせてくれたひたむきに努力する一ノ瀬先輩は、1人で絶望と戦っていた。
夢を追う2人の恋が爽やかな奇蹟を呼ぶ物語。
誰よりも努力すれば必ず報われるというよくある感情論ではなく、正しい方法で、正しい量の努力は必ず結果に表れる。しかし、必ず報われるとは限らない。という理性的な物語展開の中、最後に表れる一筋の未来への希望が魅力の作品です。また、読後は何か一つでも努力し始めてみよう、と少し頑張れるような気にさせてくれるような物語でした。

⑮ 魔王の右腕になったので原作改悪します(漫画)
著者:木村、じろあるば
あなたにすべて、捧げたかった。そんな想いと共にビルから落ちたOLの「トール」は目を覚ますと、絶対に救いたかった魔王の城の前に転移していた。トールは魔王をデッドエンドから救えるのか。
pixiv×裏サンデー女子部「異世界転生・転移マンガ原作コンテスト」大賞受賞作品。
前半と後半で主人公の様子が一変し、魔王や勇者との関係性までもが変化することにより、物語が一気に進んでいきます。過去にトラウマの原因になったとしても時と場合によっては解決の糸口になるというように諦めないで色々な未来、方法を探すことの大切さを教えてくれます。

⑯ ツレ猫 まるるとハチ(漫画)
著者:園田ゆり
ある事情により飼い主の元を離れて野良猫になったマルは目つきの悪いボス猫のハチに出会う。2匹は一緒につるむようになるのだが。
ハードな環境をたくましく生き抜く野良猫たち(とその周囲の人々)の物語。
2巻目から猫たちは保護され、保護猫活動が物語に関わってくるのですが、基本的には猫の視点からそれらをコミカルに描いているため、保護猫の活動内容や苦難を知る入門に最適な作品だと感じました。しかし、猫たちが保護された後「死ぬよりはまし」だ「今は寝ているだけで良い」と保護をポジティブに考えているシーンは納得しつつも実際は分からないので、何が良いのか考え続ける必要があるように思えました。

⑰ 名探偵コナン 100万ドルの五稜星(映画)
原作:青山剛昌 監督:永岡知佳 脚本:大倉崇裕
普段ビッグジュエルを狙う怪盗キッドから日本刀を狙う予告状が届いた。一方服部平次とコナン達も同じく函館を訪れていた。キッドが狙う刀は敗色が濃厚だった日本の戦況を一変させるほどの宝と関係があるようで……
天下分け目のお宝争奪バトルミステリー。
実態の分からない危険だと思われる宝をめぐって多くの人々が巻き込まれ、人生をも棒に振るってしまう人も描かれており、情報収集の大切さが身にしみました。アクションシーンではかなり現実味のない状況もありましたが、アクション、恋愛、謎解きと盛りだくさんの内容でした。

⑱ 人間に恋した鬼は咲う(漫画)
著者:雪森寧々
鬼や妖怪が出没するという深い森。愛する者を殺され、生きる希望を失った少年は、鬼に「僕を殺しておくれ」と懇願する。感情を知らない鬼は少年の行動を理解できなかったが、死を前に笑顔を見せる少年に何故か心惹かれていくのだった。
心に闇を抱えた少年と、「恋」を知らない鬼の百年にも満たない恋の物語。
100年程しか寿命のない人間の少年と1000年は生きられる鬼の恋をメインとし、他にも妖怪の女性と人間の恋、死んで幽霊となった子ども達と人間の家族愛など、各々の命の価値や遺された者の生き方、誰かとの関わり方を考えさせられる作品です。また、人間の「愛する」という感情の多様性や矛盾を描いている点が魅力の一つとなっています。

⑲ 少女終末旅行(漫画)
著者:つくみず
終末世界でふたりぼっちになってしまったチトとユーリは、愛車のケッテンクラートに乗って延々と広がる廃墟を当てもなくさまよう。日々の食事さえも事欠く、アスの見えない毎日。だけどそんな日常も、ふたり一緒だと、どこか楽しげだったりもして……
もしも世界が終わるのならばどんな理由で終わるのか、何が残るのか、そこにいずれおわる今の世界に意味はあるのか、そんなことを考えさせられる作品です。最後のコマでは今まであった建造物や人の歴史がなくなり、雪の積もった何もない地が広がっていたのは、終わるのは恐ろしいけれどもいずれ静かで穏やかな時間が平等に来るから、今は考えすぎずに今を生きようというメッセージのように思えました。

⑳ 異世界おもてなしご飯(漫画)
著者:忍丸、目玉焼き、ゆき哉
両親を亡くしてから妹と暮らしていた茜は、「聖女」であるらしい妹と共に住んでいた家と一緒に異世界に召喚されてしまう。異世界でもお姉ちゃんのご飯が食べたいと駄々をこねる妹のために美味しい料理を作ることに。
仲良し姉妹とほっこりご飯が紡ぎ出す異世界グルメファンタジー。
異世界転移系の作品には珍しく、現代の日本に帰る選択肢が主人公達にはあり、保護者として未成年の妹を守りたい、恋してしまった異世界の少年と共にいたい、という考えと、やはり異世界は恐ろしく、現代日本は昔なじみもいて、安心でき、気兼ねなく生きていけるといった主人公の葛藤が作品の魅力になっています。恋愛や家族と共にいることを選ぶわけではなく、自分自身を尊重して、1人、現代日本に帰る決意をしたこの物語はかなり現代的な作品であると感じました。


2024/06/01(土) 21:46 No.2033 EDIT DEL
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